JP6209930B2 - 油圧パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
以下、油圧パワーステアリング装置の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、油圧パワーステアリング装置1は、運転者により操作されるステアリングホイール2と、ステアリングホイール2が固定されるステアリングシャフト3とを備えている。また、油圧パワーステアリング装置1は、ステアリングシャフト3の回転に応じて軸方向に往復動するラック軸5と、ラック軸5が往復動可能に挿通される略円筒状のラックハウジング6とを備えている。ステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2側から順にコラム軸7、中間軸8、及びピニオン軸9を連結することにより構成されている。
図1及び図2に示すように、第1及び第2電動ポンプ22,23は、CAN(車内ネットワーク)61を介して各種センサの検出値等の各状態量を送受信可能に接続されている。CAN61には、ステアリングセンサ62、及び車速センサ63がそれぞれ接続されており、ステアリングホイール2の操舵角θs及び車速SPDが状態量として伝送されている。第1及び第2ECU43,46は、CAN61を介して得られる各状態量に基づいて互いに協調して第1及び第2電動ポンプ22,23(第1及び第2モータ41,44)の作動を制御する。
第1マイコン71は、第1モータ41の回転速度を示す第1回転速度ω1が、操舵角θs及び車速SPDに基づいて演算される目標回転速度となるように回転速度制御(速度フィードバック制御)を実行することにより、モータ制御信号を出力して第1モータ41の作動を制御する。また、第2マイコン73は、第2モータ44の回転速度を示す第2回転速度ω2が、操舵角θs及び車速SPDに基づいて演算される目標回転速度となるように回転速度制御(速度フィードバック制御)を実行することにより、モータ制御信号を出力して第2モータ44の作動を制御する。
図3に示すように、第1及び第2マイコン71,73は、第1電流値Im1と第2電流値Im2の合計を示す合計電流値Imに応じて、第1及び第2電流値Im1,Im2で許容する電流値の範囲を切り替えて回転速度制御を実行する。
まず、第2マイコン73は、合計電流値Imが第2制限値α2を超えると、目標回転速度を「0(零)」として、第2モータ44の作動を停止させるように制御する。すなわち、第2マイコン73は、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を今よりも減らするように制御する。本実施形態では、第2電動ポンプ23が電動ポンプのうち第1の電動ポンプに相当する。
図4に示すように、ある時点から時間が経過すると、第1及び第2電流値Im1,Im2が高まるのに伴って、合計電流値Imが高まっていき、時点t1で合計電流値Imが第2制限値α2を超える。
(1)合計電流値Imが第2制限値α2を超える場合、第1電動ポンプ22については、高い操舵アシスト要求に負けてモータが停止してしまうことが抑制される。これにより、操舵アシスト要求に応じた作動油を供給することができる。
(3)合計電流値Imが第2制限値α2を超える場合、第2電動ポンプ23については第2モータ44の作動を即座に停止させるので、第1電動ポンプ22における第1モータ41の回転速度、すなわちモータの出力を最大限に高めることができる。これにより、比較的早い段階で第1モータ41の回転速度、すなわち第1モータ41の出力を高めて高い操舵アシスト要求に対処することができる。
次に、油圧パワーステアリング装置の第2実施形態を説明する。なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、制限解除中の第1及び第2モータ41,44の回転速度の変化のさせ方のみである。このため、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
まず、第2マイコン73は、合計電流値Imが第2制限値α2を超えると、目標回転速度を徐々に低くして最終的に「0」となるように、第2モータ44の作動を制御する。すなわち、第2マイコン73は、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を今より減らすとともに、徐々に減らすように制御する。
図5に示すように、ある時点から時間が経過すると、第1及び第2電流値Im1,Im2が高まるのに伴って、合計電流値Imが高まっていき、時点t1で合計電流値Imが第2制限値α2を超える。
(5)合計電流値Imが第2制限値α2を超える場合、第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を徐々に減らすので、作動油の流量の合計の急激な減少を抑えることができるようになり、アシスト力が不安定となることを抑制することができる。さらに、第2の電動ポンプから供給する作動油の流量については徐々に増やすので、電動ポンプの作動に関わって確保しなければいけない駆動電力、それに関わる電流の急激な上昇を抑えることができるようになり、合計電流値Imのさらなる上昇を抑制することができる。
次に、油圧パワーステアリング装置の第3実施形態を説明する。なお、本実施形態と上記第2実施形態との主たる相違点は、制限解除中の第1モータ41の回転速度の変化のさせ方のみである。このため、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
第1マイコン71は、合計電流値Imが第2制限値α2を超えると、第2マイコン73が目標回転速度を徐々に低くする制御の開始後、時間ts経過すると、目標回転速度を徐々に高くして最終的に上述した規定速度となるように、第1モータ41の作動を制御する。すなわち、第1マイコン71は、第2マイコン73が第2電動ポンプ23から供給する作動油の流量を今より減らし始めてから時間ts遅らせて、第1電動ポンプ22から供給する作動油の流量を今より増やすとともに、徐々に増やすように制御する。
図6に示すように、ある時点から時間が経過すると、第1及び第2電流値Im1,Im2が高まるのに伴って、合計電流値Imが高まっていき、時点t1で合計電流値Imが第2制限値α2を超える。
(6)合計電流値Imが第2制限値α2を超える場合、駆動電力の確保に余裕を持つことができる。
・制限解除中、第2電動ポンプ23では第2モータ44を停止させるようにしたが、停止させなくても合計電流値Imが第2制限値α2を超えると、供給する作動油の流量が減るようになっていればよい。
Claims (5)
- 操舵アシストの要求に応じてアシスト力を付与するのに用いる油圧アクチュエータの油圧源として、モータ駆動により前記油圧アクチュエータへ流れる作動油の流量を変化させて油圧を発生させる電動ポンプを複数備えた油圧パワーステアリング装置において、
各電動ポンプに供給される駆動電力に関わるパラメータの合計値が予め定めた制限値を超える場合、第1の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を今よりも減らすように制御する一方、該減らした分の流量を補うように第2の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を今よりも増やすように制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記パラメータの合計値が前記制限値を超える場合、前記第1の電動ポンプから供給する作動油の流量の変化量が前記第2の電動ポンプから供給する作動油の流量の変化量よりも大きくなるように変化させることを特徴とする油圧パワーステアリング装置。 - 操舵アシストの要求に応じてアシスト力を付与するのに用いる油圧アクチュエータの油圧源として、モータ駆動により前記油圧アクチュエータへ流れる作動油の流量を変化させて油圧を発生させる電動ポンプを複数備えた油圧パワーステアリング装置において、
各電動ポンプに供給される駆動電力に関わるパラメータの合計値が予め定めた制限値を超える場合、第1の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を今よりも減らすように制御する一方、該減らした分の流量を補うように第2の電動ポンプを対象にして供給する作動油の流量を今よりも増やすように制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記パラメータの合計値が前記制限値を超える場合、前記第1の電動ポンプから供給する作動油の流量を減らすのに遅らせて前記第2の電動ポンプから供給する作動油の流量を増やすように変化させることを特徴とする油圧パワーステアリング装置。 - 前記制御装置は、前記パラメータの合計値が前記制限値を超える場合、前記第1の電動ポンプを停止させる請求項1又は請求項2に記載の油圧パワーステアリング装置。
- 前記制御装置は、前記パラメータの合計値が前記制限値を超える場合、前記第1の電動ポンプ及び前記第2の電動ポンプから供給する作動油の流量を徐々に変化させる請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の油圧パワーステアリング装置。
- 前記制御装置は、前記パラメータの合計値が前記制限値を超えるまでの間、前記第1の電動ポンプ及び前記第2の電動ポンプを対象に同一マップを用いて前記モータ駆動を制御する一方、前記パラメータの合計値が前記制限値を超える場合、前記第1の電動ポンプ及び前記第2の電動ポンプを対象に異なるマップを用いて前記モータ駆動を制御する請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の油圧パワーステアリング装置。
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