JP2018154159A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ランフラット走行での耐久性を維持しながら、ロードノイズの低減が達成された空気入りタイヤ12の提供。【解決手段】このタイヤ12では、エイペックス44の外側端PAはクリンチ18の外側端LSよりも内側に位置する。緩衝層32の損失正接Tkはクリンチ18の損失正接Tcよりも低く、緩衝層32の硬さHkはクリンチ18の硬さHcよりも低い。緩衝層32は、半径方向において第一地点P1及び第二地点P2のそれぞれと重複する。最大幅位置WXから、このタイヤ12と路面との接触面の外側端に対応する位置CEまでの、外面SFの輪郭は単一の円弧で表され、この円弧の半径は50mm以上60mm以下である。支持層30が最大の厚さtiを示す位置TSは、上記位置WXよりも内側に位置する。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、サイド補強タイプのランフラットタイヤに関する。
近年、サイドウォールの内側に支持層を備えたランフラットタイヤが開発され、普及しつつある。この支持層には、高硬度な架橋ゴムが用いられている。このランフラットタイヤは、サイド補強タイプと称されている。
このタイプのランフラットタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、支持層が車重を支える。ランフラットタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。このランフラットタイヤが装着された車輌には、スペアタイヤの常備は不要である。このランフラットタイヤは、車輌の室内空間の確保に寄与する。このようなタイヤの例が、特開2008−062716公報に開示されている。
タイヤの性能には、構成だけでなく、形状も影響する。接地面の形状、撓み等のコントロールのために、タイヤの外面の輪郭を整えることがある。
図5には、従来のタイヤ2における、外面4の輪郭が示されている。この図5において、符号CEは、外面4上の特定の位置である。この位置CEは、接地面の軸方向外側端に対応する。符号WXも、外面4上の特定の位置である。このタイヤ2では、この位置WXにおいて、軸方向の幅が最大を示す。
図5に示されたタイヤ2の外面4では、輪郭は丸みを帯びている。このタイヤ2では、この輪郭は複数の円弧を用いて表される。位置WXから位置CEまでのゾーンの輪郭は、3つの円弧で表されている。このタイヤ2では、これらの円弧は、位置WXの側から順に、第一円弧、第二円弧及び第三円弧と称される。
図5において、符号R1は第一円弧の曲率半径である。符号C1は、第一円弧の中心である。符号R2は、第二円弧の曲率半径である。符号C2は、第二円弧の中心である。符号R3は、第三円弧の曲率半径である。符号C3は、第三円弧の中心である。
図5において、符号T1は第一円弧と第二円弧との境界である。第一円弧と第二円弧とは、この境界T1において接する。符号T2は、第二円弧と第三円弧との境界である。第二円弧と第三円弧とは、この境界T2において接する。
特開2008−062716公報
路面には、凹凸がある。この凹凸は、タイヤを振動させる。この振動がサスペンションを通じて車体に伝えられ、中周波域(250〜315Hz)のロードノイズが発生する。タイヤの断面二次共振周波数と車輌の共振周波数とが近いほど、大きなロードノイズが発生する。
一般的に、タイヤの断面二次共振周波数は車輌の共振周波数よりも高い。タイヤの断面二次共振周波数を高周波数側にシフトさせれば、ロードノイズの低減を図れる見込みがある。小さな質量を有するタイヤの断面二次共振周波数は、大きな質量を有するタイヤのそれに比して高い。ロードノイズの低減には、タイヤの軽量化が有効である。
ランフラットタイヤは、支持層を備えていないタイヤ(ノーマルタイヤ)に比べて重い。前述の通り、ロードノイズの低減にはタイヤの軽量化が有効である。ランフラットタイヤにおいて、薄い支持層を採用すればロードノイズの低減を図れる見込みがある。しかし、薄い支持層では、パンク状態での走行(以下、ランフラット走行)における耐久性が低下する恐れがある。ランフラット走行での耐久性を維持しながら、ロードノイズの低減を図るのは容易でない。
本発明の目的は、ランフラット走行での耐久性を維持しながら、ロードノイズの低減が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド、一対のサイドウォール、一対のクリンチ、一対のビード、カーカス、一対の支持層及び一対の緩衝層を備えている。それぞれのサイドウォールは、上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びている。それぞれのクリンチは、上記サイドウォールの半径方向内側に位置している。それぞれのビードは、上記クリンチの軸方向内側に位置している。このビードは、コアとエイペックスとを備えている。このエイペックスは、このコアから半径方向略外向きに延びている。このエイペックスの外側端は、上記クリンチの外側端よりも半径方向内側に位置している。上記カーカスは、上記トレッド及び上記サイドウォールに沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。それぞれの支持層は、上記サイドウォールの軸方向内側に位置している。それぞれの緩衝層は、上記カーカスと上記クリンチとの間に位置している。この緩衝層の損失正接はこのクリンチの損失正接よりも低く、この緩衝層の硬さはこのクリンチの硬さよりも低い。このタイヤの外面において、ビードベースラインからの半径方向高さが14mmとなる位置を第一地点P1とし、このビードベースラインからの半径方向高さが20mmとなる位置を第二地点P2としたとき、上記緩衝層は半径方向において上記第一地点P1及び上記第二地点P2のそれぞれと重複している。このタイヤが最大幅を示す、このタイヤの外面上の位置WXから、このタイヤと路面との接触面の軸方向外側端に対応する、このタイヤの外面上の位置CEまでの、このタイヤの外面の輪郭は単一の円弧で表され、この円弧の半径は50mm以上60mm以下である。上記支持層が最大の厚さを示す位置TSは、上記位置WXよりも半径方向内側に位置している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記緩衝層の外側端は上記位置WXよりも半径方向内側に位置している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記緩衝層の内側端は上記コアの外側端よりも半径方向内側に位置している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記エイペックスの長さは20mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記支持層の損失正接は0.04以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記第二地点P2における、このタイヤの外面の法線を基準法線としたとき、上記基準法線に沿って計測される上記緩衝層の厚さは1mm以上6mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記緩衝層の外側端は上記クリンチの外側端よりも半径方向外側に位置している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記緩衝層の外側端は上記位置TSよりも半径方向内側に位置している。
本発明に係る空気入りタイヤでは、小さなエイペックスが採用されている。これにより、パンクによって内圧が低下した状態で歪みが集中する領域に、エイペックスが干渉することが防止される。このタイヤでは、エイペックスの変形が効果的に抑えられる。さらにカーカスとクリンチとの間に、緩衝層が設けられている。この緩衝層は、クリンチに比して低い損失正接と低い硬さとを有している。しかもこのタイヤでは、歪みが集中する領域を考慮し、この緩衝層が適切な位置に適切な大きさで配置されている。
このタイヤでは、ビードの部分の変形による発熱が効果的に抑えられる。特にこのタイヤでは、リムとの接触面とカーカスとの間における発熱が抑えられる。このタイヤでは、ビードの部分での損傷が防止される。このタイヤでは、パンクによって内圧が低下した状態でも十分な走行距離が確保される。このタイヤは、パンク状態での耐久性、言い換えれば、ランフラット走行での耐久性に優れる。
このタイヤでは、そのショルダー部分の輪郭は単一の円弧で表される。このタイヤは、サイドウォールの部分だけでなく、このショルダー部分においても適度に撓む。
このタイヤでは、従来のランフラットタイヤに比べて、タイヤの撓む領域が拡がるので、歪みが分散し、結果として、局所的な発熱及び蓄熱が抑えられる。特に、パンク状態での走行において、タイヤの接地幅が拡がりバックリングの程度が抑えられるため、ショルダー部分における発熱が顕著に抑えられる。このタイヤでは、ショルダー部分での損傷も防止される。このタイヤでは、パンクによって内圧が低下した状態でも十分な走行距離が確保される。このタイヤは、ランフラット走行での耐久性に優れる。
このタイヤでは、小さなエイペックス、カーカスとクリンチとの間に設けられた緩衝層、及び、単一の円弧で表されたショルダー部分の輪郭が、ランフラット走行での耐久性に効果的に寄与する。このタイヤでは、薄い支持層を採用しても、良好な状態で、ランフラット走行での耐久性が維持される。しかもこのタイヤでは、支持層が最大の厚さを示す位置TSが、このタイヤの最大幅位置WXよりも半径方向内側に配置されるように、支持層は構成される。このタイヤでは、トレッドとサイドウォールとの境界付近(すなわち、バットレス)から位置WXまでのゾーンにおいて、支持層はより薄く構成できる。このゾーンは、タイヤの断面二次共振において、腹の部分に相当する。この腹の部分において軽量化が図られるので、このタイヤでは、断面二次共振周波数は高周波数側にシフトする。この断面二次共振のピークが車輌の共振ピークから離れるので、このタイヤでは、ロードノイズが低減される。
このタイヤでは、ランフラット走行での耐久性を維持しながら、ロードノイズの低減が達成される。本発明によれば、ランフラット走行での耐久性を維持しながら、ロードノイズの低減が達成された空気入りタイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤのショルダー部分の輪郭が示された図である。 図4は、輪郭が円弧であることを確認するための方法を説明するための図である。 図5は、従来タイヤのショルダー部分の輪郭が示された図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ12が示されている。図1において、上下方向がタイヤ12の半径方向であり、左右方向がタイヤ12の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ12の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ12の赤道面を表わす。このタイヤ12の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。この図1には、タイヤ12の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ12の断面が示されている。
図1において、タイヤ12はリムRに組み込まれている。このリムRは、正規リムである。このタイヤ12には、空気が充填されている。これにより、このタイヤ12の内圧は正規内圧に調整されている。
タイヤ12の各部材の寸法及び角度は、特に言及のない限り、タイヤ12が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ12に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ12には荷重がかけられない。タイヤ12が乗用車用である場合は、言及のある場合を除いて、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。前述の従来のタイヤ2の寸法等も、このタイヤ12と同様にして測定される。
本明細書において正規リムとは、タイヤ12が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
本明細書において正規内圧とは、タイヤ12が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
本明細書において正規荷重とは、タイヤ12が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
図1において、符号WXはタイヤ12の外面SF上の特定の位置を表している。このタイヤ12は、この位置WXにおいて最大の軸方向幅を示す。この位置WXは、このタイヤ12が最大幅を示す、このタイヤ12の外面SF上の位置である。JATMA規格において、この最大幅は「断面幅」とも称されている。
このタイヤ12は、トレッド14、一対のサイドウォール16、一対のクリンチ18、一対のビード20、カーカス22、ベルト24、バンド26、インナーライナー28、一対の支持層30及び一対の緩衝層32を備えている。このタイヤ12は、チューブレスタイプである。このタイヤ12は、乗用車に装着される。
トレッド14は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド14は、路面と接地するトレッド面34を形成する。トレッド14には、溝36が刻まれている。この溝36により、トレッドパターンが形成されている。
このタイヤ12では、トレッド14はベース層38とキャップ層40とを有している。ベース層38は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。キャップ層40は、ベース層38の半径方向外側に位置している。キャップ層40は、ベース層38に積層されている。キャップ層40は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール16は、トレッド14の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール16の半径方向外側部分は、トレッド14と接合されている。このサイドウォール16の半径方向内側部分は、クリンチ18と接合されている。このサイドウォール16は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのクリンチ18は、サイドウォール16の端から半径方向略内向きに延びている。クリンチ18は、サイドウォール16の半径方向内側に位置している。クリンチ18は、軸方向において、ビード20及びカーカス22よりも外側に位置している。クリンチ18は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ18は、リムRと当接する。
このタイヤ12では、クリンチ18の硬さHcは60以上が好ましく、85以下が好ましい。この硬さHcが60以上に設定されることにより、クリンチ18が剛性に寄与する。このタイヤ12では、ビード20の部分の変形が抑えられる。この観点から、この硬さHcは65以上がより好ましい。この硬さHcが85以下に設定されることにより、クリンチ18による剛性への影響が抑えられる。このタイヤ12は、乗り心地に優れる。この観点から、この硬さHcは80以下がより好ましい。
本発明において、硬さは、「JIS K6253」の規定に準じ、タイプAのデュロメータによって測定される。図1に示された断面にこのデュロメータが押し付けられ、硬度が測定される。測定は、70℃の温度下でなされる。本発明においては、70℃の温度下で測定された硬さが「硬さ」として表されている。
このタイヤ12では、クリンチ18の損失正接(tanδ)Tcは0.08以下が好ましい。これにより、タイヤ12が繰り返し変形することによる、クリンチ18の発熱が抑えられる。このクリンチ18は、タイヤ12の耐久性に寄与する。この観点から、この損失正接Tcは0.07以下がより好ましく、0.06以下がより好ましい。損失正接Tcは小さいほど好ましいので、この損失正接Tcの好ましい下限は設定されない。
本発明において、損失正接は、「JIS K 6394」の規定に準拠して測定される。測定条件は、以下の通りである。この測定は、70℃の温度下でなされる。本発明においては、70℃の温度下で測定された損失正接が「損失正接」として表されている。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
それぞれのビード20は、クリンチ18の軸方向内側に位置している。ビード20は、コア42と、エイペックス44とを備えている。コア42はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス44は、コア42から半径方向略外向きに延びている。エイペックス44は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス44は、高硬度な架橋ゴムからなる。このタイヤ12のビード20では、エイペックス44はコア42の半径方向外側に位置している。ビード20の半径方向内側部分において、エイペックス44がコア42を覆うように、このビード20が構成されてもよい。
カーカス22は、カーカスプライ46を備えている。このタイヤ12のカーカス22は、第一カーカスプライ48及び第二カーカスプライ50、すなわち、2枚のカーカスプライ46からなる。このカーカス22が1枚のカーカスプライ46から形成されてもよい。
このタイヤ12では、第一カーカスプライ48(以下、第一プライ)及び第二カーカスプライ50(以下、第二プライ)は、両側のビード20の間に架け渡されている。第一プライ48及び第二プライ50は、トレッド14及びサイドウォール16に沿っている。第一プライ48は、それぞれのコア42の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第一プライ48には、主部48aと一対の折り返し部48bとが形成されている。第二プライ50は、それぞれのコア42の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、第二プライ50には、主部50aと一対の折り返し部50bとが形成されている。
このタイヤ12では、第一プライ48の主部48aは第二プライ50の主部50aの内側に位置している。第一プライ48の折り返し部48bは、第二プライ50の折り返し部50bの外側に位置している。第一プライ48の折り返し部48bの端は、半径方向において、第二プライ50の折り返し部50bの端よりも外側に位置している。この第一プライ48の折り返し部48bの端が、半径方向において、第二プライ50の折り返し部50bの端よりも内側に位置してもよい。このタイヤ12では、第一プライ48の折り返し部48bの端は、半径方向において、このタイヤ12が最大幅を示す位置WXの近く、詳細には、この位置WXよりも外側に位置している。このカーカス22は、「ハイターンアップ構造(HTU)」を有している。
図示されていないが、それぞれのカーカスプライ46は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス22はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト24は、トレッド14の半径方向内側に位置している。ベルト24は、カーカス22と積層されている。ベルト24は、カーカス22を補強する。ベルト24は、内側層52及び外側層54からなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層52の幅は外側層54の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層52及び外側層54のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層52のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層54のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。
このタイヤ12では、ベルト24によるカーカス22の補強の観点から、ベルト24の軸方向幅はタイヤ12の最大幅の0.6倍以上が好ましい。耐久性への影響の観点から、ベルト24の軸方向幅はタイヤ12の最大幅の0.9倍以下が好ましい。
バンド26は、ベルト24の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド26の幅はベルト24の幅よりも大きい。図示されていないが、このバンド26は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド26は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、好ましくは5°以下、さらに好ましくは2°以下である。このコードによりベルト24が拘束されるので、ベルト24のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
インナーライナー28は、カーカス22の内側に位置している。インナーライナー28は、カーカス22及び支持層30の内面に接合されている。このインナーライナー28は、タイヤ12の内面BCを構成する。インナーライナー28は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー28の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー28は、タイヤ12の内圧を保持する。
それぞれの支持層30は、サイドウォール16の軸方向内側に位置している。この支持層30は、軸方向において、カーカス22のさらに内側に位置している。このタイヤ12では、この支持層30は、カーカス22とインナーライナー28とに挟まれている。このタイヤ12では、支持層30の半径方向外側端の部分はベルト24の端の部分と重複している。この支持層30の半径方向内側端の部分は、ビード20のエイペックス44の部分と重複している。
このタイヤ12では、支持層30は架橋ゴムからなる。タイヤ12がパンクしたとき、この支持層30が荷重を支える。この支持層30により、パンク状態であっても、タイヤ12はある程度の距離を走行しうる。このタイヤ12は、ランフラットタイヤとも称される。このタイヤ12は、サイド補強タイプである。
カーカス22のうち、支持層30とオーバーラップしている部分は、インナーライナー28と離れている。換言すれば、支持層30の存在により、カーカス22は湾曲させられている。パンク状態のとき、支持層30には圧縮荷重がかかり、カーカス22のうち支持層30と近接している領域には引張り荷重がかかる。支持層30はゴム塊なので、圧縮荷重に十分に耐えうる。カーカス22のコードは、引張り荷重に十分に耐えうる。支持層30とカーカス22のコードとにより、パンク状態でのタイヤ12の縦撓みが抑制される。縦撓みが抑制されたタイヤ12は、パンク状態での操縦安定性に優れる。
このタイヤ12では、パンク状態での縦撓みの抑制の観点から、支持層30の硬さHiは60以上が好ましく、65以上がより好ましい。内圧が維持された状態、すなわち通常状態の乗り心地性の観点から、硬さHiは80以下が好ましく、75以下がより好ましい。この支持層30の硬さHiは、前述されたクリンチ18の硬さHcと同様にして測定される。
このタイヤ12では、支持層30は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。この支持層30は、三日月に類似の形状を有する。本発明では、支持層30の厚さは、図1に示された断面において、この支持層30の内面の法線に沿って計測される。この図1において、符号TUは、支持層30の内面56上の特定の位置を表している。実線Liは、この位置TUにおける、この支持層30の法線である。このタイヤ12の支持層30では、この法線Liに沿って計測される厚さtiが最大である。言い換えれば、このタイヤ12では、この位置TUにおいて、支持層30は最大の厚さtiを有する。ランフラット走行時における車重の支持、及び、通常走行での乗り心地の観点から。この支持層30の厚さtiは5mm以上が好ましく、15mm以下が好ましい。
図1の符号TSは、前述の位置TUを通る、支持層30の内面56の法線Liと、この支持層30の外面58との交点である。この交点TSは、支持層30が最大の厚さtiを示す、この支持層30の外面58上の位置である。このタイヤ12では、この位置TSは、このタイヤ12が最大幅を示す位置WXよりも半径方向内側に位置している。
それぞれの緩衝層32は、軸方向においてカーカス22とクリンチ18との間に位置している。図1から明らかなように、この緩衝層32は、コア42の近くからカーカス22に沿って半径方向略外向きに延在している。
このタイヤ12では、クリンチ18の硬さHc及び損失正接Tcに対して、次のように整えられた硬さHk及び損失正接Tkを有する架橋ゴムが、緩衝層32に採用されている。なお、この硬さHkは前述されたクリンチ18の硬さHcと同様にして測定される。この損失正接Tkは、前述されたクリンチ18の損失正接Tcと同様にして測定される。
このタイヤ12では、緩衝層32の損失正接Tkはクリンチ18の損失正接Tcよりも低い。この緩衝層32の硬さHkは、このクリンチ18の硬さHcよりも低い。この緩衝層32は、軟質で、しかも、発熱しにくい架橋ゴムからなる。
図2には、図1に示されたタイヤ12のビード20の部分が示されている。図2において、上下方向がタイヤ12の半径方向であり、左右方向がタイヤ12の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ12の周方向である。実線BBLは、ビードベースラインである。このビードベースラインは、タイヤ12が装着されるリムRのリム径(JATMA規格等参照)を規定する線である。このビードベースラインは、軸方向に延びる。
図2において、符号P1はタイヤ12の外面SF上の特定の位置を表している。このタイヤ12では、ビードベースラインからこの位置P1までの半径方向高さは14mmである。この位置P1は、タイヤ12の外面SFにおいて、ビードベースラインからの半径方向高さが14mmとなる位置である。本発明においては、この位置P1は第一地点と称される。符号P2は、位置P1と同様、タイヤ12の外面SF上の特定の位置を表している。このタイヤ12では、ビードベースラインからこの位置P2までの半径方向高さは20mmである。この位置P2は、タイヤ12の外面SFにおいて、ビードベースラインからの半径方向高さが20mmとなる位置である。本発明においては、この位置P2は第二地点と称される。
図2において、実線L1は第一地点P1を通り半径方向に延在する直線である。実線L2は、第二地点P2を通り半径方向に延在する直線である。
このタイヤ12では、緩衝層32は半径方向において第一地点P1及び第二地点P2のそれぞれと重複している。この緩衝層32は、半径方向において、第一地点P1から第二地点P2までのゾーンと重複している。この緩衝層32は、直線L1から直線L2までの領域に含まれている。
図3には、図1に示されたタイヤ12の外面SFの輪郭の一部が示されている。この図3において、上下方向がタイヤ12の半径方向であり、左右方向がタイヤ12の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ12の周方向である。
図3に示されている輪郭は、このタイヤ12の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ12の断面において特定されたものである。この輪郭は、タイヤ12の外面SFの二次元プロファイルで表されている。この輪郭の特定には、タイヤ12に荷重がかけられない状態で、例えば、X線を用いたコンピュータ断層撮影法(以下、X線CT法)により撮影された、タイヤ12の断面画像が用いられる。この断面画像をCAD(Computer−aided design)に取り込み、実際の寸法に補正し、このCAD上で、タイヤ12の外面SFに沿って線が描かれる。これにより、この外面SFの輪郭が表される。
前述したように、図1に示されたタイヤ12は正規リムに組み込まれ、正規内圧(このタイヤ12では、230kPa)となるように空気が充填されている。つまり、この図3に示された輪郭は、タイヤ12を正規リムに組み込み、正規内圧となるようにこのタイヤ12に空気を充填し、このタイヤ12に荷重がかけられない状態での、このタイヤ12の外面SFに基づいて、特定されている。このタイヤ12の外面SFに、溝36、ディンプル等の凹凸が設けられている場合には、この凹凸がないと仮定して得られる仮想外面に基づいて、この輪郭は特定される。本発明においては、タイヤ12の外面SF上の、位置WX、並びに、第一地点P1及び第二地点P2は、この輪郭に基づいて特定されている。
タイヤ12は、トレッド14において、路面を踏みしめる。これにより、トレッド14と路面との間には接地面が形成される。
図3において、符号CEは、タイヤ12の外面SF上の特定の位置を表している。この位置CEは、タイヤ12と路面との接触により形成される接地面の軸方向外側端に対応している。本発明においては、この位置CEは、タイヤ12を正規リムに組み込み、正規内圧となるようにこのタイヤ12に空気を充填し、このタイヤ12のロードインデックスから把握される荷重の、70%に相当する縦荷重を、このタイヤ12にかけた状態で確認される接地面から特定される。前述したように、このタイヤ12のトレッド14には溝36が刻まれている。このため、接地面には溝36の形状が反映される。本発明では、このタイヤ12のように接地面に溝36の形状が反映される場合には、この溝36がないと仮定して得られる仮想接地面に基づいて、位置CEが特定される。なお、ロードインデックスは、JATMA規格において定められている。ロードインデックスは、規定の条件下でタイヤ12に負荷することが許される最大の質量を表す指数である。
このタイヤ12では、その外面SFの輪郭は軸方向に並列された複数の円弧で表される。これらの円弧は、軸方向において、それぞれの円弧が隣に位置する他の円弧と接するように、並べられている。このタイヤ12では、これらの円弧に、クラウン円弧及びショルダー円弧が含まれている。
図3において、符号Rcはクラウン円弧の曲率半径を表している。図示されていないが、クラウン円弧の中心は赤道面上に位置している。このクラウン円弧の曲率半径Rcは接地面の大きさ及び形状に影響する。適切な大きさ及び形状の接地面が得られるとの観点から、この曲率半径Rcは500mm以上が好ましく、1500mm以下が好ましい。この曲率半径Rcは、800mm以上がより好ましく、1300mm以下がより好ましい。
図3において、符号Rsはショルダー円弧の曲率半径を表している。このタイヤ12では、このショルダー円弧は位置WXを通る。前述したように、このタイヤ12は、位置WXにおいて最大の断面幅を示す。このショルダー円弧の中心Csは、この位置WXを通り軸方向に延びる仮想直線上に位置している。
このタイヤ12では、ショルダー円弧は、前述の位置WX以外に、接地面の軸方向外側端に対応する、位置CEも通る。このタイヤ12では、位置WXから位置CEまでの、このタイヤ12の外面SFの輪郭は、単一のショルダー円弧で表される。言い換えれば、このタイヤ12は、位置WXから位置CEまでの部分が単一の円弧で表された輪郭を有している。
本発明においては、タイヤ12が、位置WXから位置CEまでの部分が単一の円弧で表された輪郭を有しているかは、実際の輪郭を円弧で近似して表し、この輪郭と近似して表した円弧とが一致しているかで判断される。
図4には、撮影などで得られた実際の輪郭が点線で、この輪郭が近似して表された円弧(以下、近似円弧)が実線で表されている。この図4において、両矢印Dは、近似円弧から実際の輪郭までの長さを表している、この長さDは、近似円弧の半径を含む直線に沿って計測される。本発明においては、位置WXから位置CEまでの部分において、この長さDの最大値Dxを得、位置WXから位置CEまでの近似円弧の長さに対するこの最大値Dxの比率が3%以下である場合に、この輪郭と近似して表した円弧とが一致し、このタイヤ12が、位置WXから位置CEまでの部分が単一の円弧で表された輪郭を有していると判断される。
このタイヤ12は、リムRに嵌め合わされて使用される。この使用状態においては、タイヤ12のビード20の部分はリムRと接触する。これにより、タイヤ12とリムRとの間には接触面が形成される。
このタイヤ12では、その第一地点P1から第二地点P2までのゾーンは、接触面の半径方向外側部分に対応している。この部分よりも半径方向内側では、タイヤ12はリムRに強固に固定されている。この部分よりも半径方向外側では、タイヤ12はリムRから解放されている。このため、この部分の近くにおいては、歪みが集中しやすい。タイヤ12がパンクし内圧が低下すると、タイヤ12それ自体が車重を支える。このとき、タイヤ12には大きな荷重が掛けられる。このため、タイヤ12がパンクし内圧が低下した状態で走行する場合においては、つまり、ランフラット走行では、タイヤ12のビード20の部分には大きな荷重が掛かり歪みが特に集中しやすい傾向にある。
図2において、符号PAはエイペックス44の半径方向外側端である。符号LSは、クリンチの外側端である。
このタイヤ12では、エイペックス44の外側端PAはクリンチ18の外側端LSよりも半径方向内側に位置している。言い換えれば、このタイヤ12には小さなエイペックス44が採用されている。これにより、パンクによって内圧が低下した状態で歪みが集中する領域に、エイペックス44が干渉することが防止されている。このタイヤ12では、ランフラット走行の状態において、エイペックス44の変形が効果的に抑えられる。小さなエイペックス44は、ランフラット走行での耐久性(ランフラット耐久性とも称される。)に寄与する。
このタイヤ12では、カーカス22とクリンチ18との間に、緩衝層32が設けられている。この緩衝層32は、カーカス22、特に、第一プライ48の折り返し部48bを、この緩衝層32が設けられていない従来のタイヤにおける折り返し部よりもタイヤ12の内面BCに近い位置に配置させる。より詳細には、この緩衝層32の採用により、第一プライ48の折り返し部48bが、例えば、図2に示されているように、直線L1から直線L2までの領域において、このタイヤ12のビード20の部分の略中央に配置される。このタイヤ12では、第一プライ48の折り返し部48bに、圧縮方向又引張方向の力が作用することが防止されている。このタイヤ12では、カーカス22に損傷は生じにくい。
このタイヤ12では、緩衝層32は、クリンチ18の損失正接Tcよりも低い損失正接Tkを有し、このクリンチ18の硬さHcよりも低い硬さHkを有する架橋ゴムからなる。この緩衝層32は、クリンチ18に比して低い損失正接Tkと、低い硬さHkとを有している。この緩衝層32は軟質であるから、ビード20の部分の変形に順応してこの緩衝層32は変形する。この緩衝層32は変形するものの、発熱しにくいので、この緩衝層32を含むビード20の部分における発熱はかなり抑えられる。この緩衝層32は、ビード20の部分の変形による、発熱の抑制に寄与する。
さらにこのタイヤ12では、緩衝層32は、このタイヤ12がリムRに組み合わされた状態において、タイヤ12とリムRとが接触している部分を覆うように配置されている。ランフラット走行において、特に、歪みが集中しやすい部分に緩衝層32が設けられているので、この緩衝層32による発熱抑制効果が十分に発揮される。
このタイヤ12では、低い損失正接Tkと低い硬さHkとを有する緩衝層32が、ランフラット走行において、歪みが集中する領域を考慮し、適切な位置に適切な大きさで配置されている。
このタイヤ12では、ビード20の部分の変形による発熱が効果的に抑えられる。特にこのタイヤ12では、リムRとの接触面と、カーカス22との間における発熱が抑えられる。このタイヤ12では、ビード20の部分での損傷が防止される。このタイヤ12では、パンクによって内圧が低下した状態でも十分な走行距離が確保される。このタイヤ12は、ランフラット耐久性に優れる。
発明者らは、前述の、位置WXから位置CEまでのゾーンにおける、タイヤ12の外面SFの輪郭と、タイヤ12の縦剛性との関係について、詳細に検討し、このゾーンの輪郭が従来のタイヤ2とは異なり単一の円弧であるときに、縦剛性の低減が図れ、特にこの円弧の曲率半径が50mmから60mmの範囲にあるときに、タイヤ12のサイズによらず、ランフラット耐久性等の性能への影響を抑えつつ、この縦剛性を効果的に低減できるという、知見を見出している。
前述したように、このタイヤ12では、位置WXから位置CEまでのゾーンの輪郭、すなわち、タイヤ12のショルダー部分の輪郭は単一の円弧で表される。特にこのタイヤ12では、この円弧、すなわちショルダー円弧の曲率半径Rsは50mm以上60mm以下である。このタイヤ12は、サイドウォール16の部分だけでなく、このショルダー部分においても、適度に撓む。従来のタイヤ2に比べて、タイヤ12の撓む領域が拡がるので、歪みが分散し、結果として、局所的な発熱及び蓄熱が抑えられる。特に、パンク状態での走行において、タイヤ12の接地幅が拡がりバックリングの程度が抑えられるため、ショルダー部分における発熱が顕著に抑えられる。このタイヤ12では、ショルダー部分での損傷も防止される。このタイヤ12では、パンクによって内圧が低下した状態でも十分な走行距離が確保される。このタイヤ12は、ランフラット耐久性に優れる。
このタイヤ12では、小さなエイペックス44、カーカス22とクリンチ18との間に設けられた緩衝層32、及び、単一の円弧で表されたショルダー部分の輪郭が、ランフラット耐久性に効果的に寄与する。このタイヤ12では、薄い支持層30を採用しても、良好な状態で、ランフラット耐久性が維持される。しかもこのタイヤ12では、前述の通り、支持層30が最大の厚さtiを示す位置TSが、このタイヤ12の最大幅位置WXよりも半径方向内側に位置するように、支持層30は構成されている。このタイヤ12では、トレッド14とサイドウォール16との境界付近(すなわち、バットレス)から位置WXまでのゾーンにおいて、支持層30はより薄く構成できる。このゾーンは、タイヤ12の断面二次共振において、腹の部分に相当する。この腹の部分において軽量化が図られるので、このタイヤ12では、断面二次共振周波数は高周波数側にシフトする。この断面二次共振のピークが車輌の共振ピークから離れるので、このタイヤ12では、ロードノイズが低減される。
このタイヤ12では、ランフラット走行での耐久性を維持しながら、ロードノイズの低減が達成される。本発明によれば、ランフラット走行での耐久性を維持しながら、ロードノイズの低減が達成された空気入りタイヤ12が得られる。
図1において、両矢印HWXはビードベースラインからこのタイヤ12が最大幅を示す位置WXまでの半径方向距離である。両矢印HTSは、ビードベースラインから支持層30が最大の厚さtiを示す位置TSまでの半径方向距離である。符号PEは、タイヤ12の外面SFと赤道面との交点である。この交点PEは、赤道とも称される。この交点PEは、このタイヤ12の半径方向外側端でもある。両矢印Hは、ビードベースラインからこの赤道PEまでの半径方向距離である。JATMA規格において、この距離Hは「断面高さ」とも称されている。
前述したように、このタイヤ12では、支持層30が最大の厚さtiを示す位置TSは、半径方向において、このタイヤ12が最大幅を示す位置WXよりも内側に位置している。具体的には、距離HTSの距離HWXに対する比は1未満である。これにより、タイヤ12の断面二次共振の腹に相当する、バットレスから位置WXまでのゾーンにおいて、支持層30の質量を効果的に減らすことで、断面二次共振周波数を高周波側にシフトさせ、ロードノイズの低減が図られている。この観点から、この比は0.9以下が好ましい。ランフラット走行時に支持層30が車重を効果的に支持するとの観点から、この比は0.7以上が好ましい。
このタイヤ12では、断面高さHに対する距離HWXの比は0.3以上が好ましく、0.5以下が好ましい。これにより、バットレスから位置WXまでのゾーンにおいて、質量の低減が図られた支持層30により得られる効果が十分に発揮され、このタイヤ12では、ランフラット走行での耐久性を維持しながら、ロードノイズが効果的に低減される。
前述したように、このタイヤ12では、緩衝層32の損失正接Tkはクリンチ18の損失正接Tcよりも低い。具体的には、このタイヤ12では、クリンチ18の損失正接Tcと緩衝層32の損失正接Tkとの差(Tc−Tk)は、0.01以上が好ましい。これにより、ビード20の部分の変形による発熱の抑制に緩衝層32が効果的に寄与する。このタイヤ12は、ランフラット耐久性に優れる。この観点から、この差は0.02以上がより好ましい。なお、損失正接Tkはクリンチ18の損失正接Tcに対して小さいほど好ましいので、この差の上限は設定されない。
前述したように、このタイヤ12では、緩衝層32の硬さHkはクリンチ18の硬さHcよりも低い。具体的には、このタイヤ12では、クリンチ18の硬さHcと緩衝層32の硬さHkとの差(Hc−Hk)は、5以上が好ましい。これにより、ビード20の部分の変形に順応して緩衝層32が変形する。このタイヤ12では、ビード20の部分の変形よる発熱の抑制に、緩衝層32が効果的に寄与する。このタイヤ12は、ランフラット耐久性に優れる。この観点から、この差は10以上がより好ましい。緩衝層32とクリンチ18との剛性差による歪みの集中を防止するとの観点から、この差は20以下が好ましい。
このタイヤ12では、好ましくは、緩衝層32の損失正接Tkは支持層30の損失正接Tiと同等であるか、この支持層30の損失正接Tiよりも低い。言い換えれば、この支持層30の損失正接Tiと緩衝層32の損失正接Tkとの差(Ti−Tk)は0.00以上が好ましい。これにより、緩衝層32による発熱抑制効果が高められる。このタイヤ12は、ランフラット耐久性に優れる。この観点から、この差は0.01以上がより好ましい。なお、この場合、損失正接Tkは支持層30の損失正接Tiに対して小さいほど好ましいので、この差の上限は設定されない。
このタイヤ12では、支持層30の損失正接Tiは0.04以下が好ましい。これにより、タイヤ12が繰り返し変形することによる、支持層30の発熱が抑えられる。この支持層30は、タイヤ12の耐久性に寄与する。この観点から、この損失正接Tiは0.03以下がより好ましい。損失正接Tiは小さいほど好ましいので、この損失正接Tiの好ましい下限は設定されない。この損失正接Tiは、前述されたクリンチ18の損失正接Tcと同様にして測定される。
このタイヤ12では、好ましくは、緩衝層32の硬さHkは支持層30の硬さHiよりも低い。これにより、緩衝層32による発熱抑制効果が高められる。このタイヤ12は、ランフラット耐久性に優れる。この観点から、この支持層30の硬さHiと緩衝層32の硬さHkとの差(Hi−Hk)は5以上が好ましい。緩衝層32と支持層30との剛性差による歪みの集中を防止するとの観点から、この差は20以下が好ましい。
図1において、符号PBはエイペックス44の底の軸方向中心を表している。符号PAは、エイペックス44の半径方向外側端である。両矢印LAは、外側端PAと中心PBとを結ぶ線分の長さを表している。長さLAは、エイペックス44の長さである。
このタイヤ12では、エイペックス44の長さLAは20mm以下が好ましい。従来のタイヤでは、エイペックスは40mmから50mmの長さを有しているので、このタイヤ12のエイペックス44はかなり小さい。前述したように、小さなエイペックス44の採用は、パンクによって内圧が低下した状態で歪みが集中する領域への、エイペックス44の干渉を防止する。このタイヤ12では、ランフラット走行での耐久性のさらなる向上が図られる。過小なエイペックス44では、ビード20の部分の剛性が不足し、操縦安定性が損なわれる恐れがある。この観点から、この長さLAは5mm以上が好ましい。
図1において、符号KSは緩衝層32の外側端である。両矢印HKSは、ビードベースラインからこの外側端KSまでの半径方向距離である。符号KUは、緩衝層32の内側端である。両矢印HKUは、ビードベースラインからこの内側端KUまでの半径方向距離である。符号REは、コア42の半径方向外側端である。両矢印HREは、ビードベースラインからこの外側端REまでの半径方向距離である。
このタイヤ12では、緩衝層32の外側端KSは半径方向において位置WXよりも内側に位置している。これにより、外側端KSへの歪みの集中が抑えられ、この緩衝層32の外側端KSの部分での発熱が効果的に抑えられる。このタイヤ12は、耐久性に優れる。この観点から、このタイヤ12では、この緩衝層32の外側端KSは半径方向において位置WXよりも内側に位置しているのが好ましい。具体的には、ビードベースラインから位置WXまでの半径方向距離HWXに対する距離HKSの比は1未満が好ましい。より好ましくは、この比は0.9以下である。ランフラット走行での耐久性に緩衝層32が効果的に寄与するとの観点から、この比は0.6以上が好ましい。
このタイヤ12では、緩衝層32の内側端KUは、半径方向において、コア42の外側端REよりも内側に位置している。このタイヤ12がリムRに嵌め合わされたとき、この緩衝層32の一部がコア42とリムRとの間に挟まれる。緩衝層32の半径方向内側部分が十分に固定されるので、緩衝層32の、ビード20の部分の変形への順応性が高められている。ビード20の部分において、クリンチ18よりも発熱しにくい緩衝層32が主に変形するので、このビード20の部分における発熱が抑えられる。この観点から、このタイヤ12では、緩衝層32の内側端KUは、半径方向において、コア42の外側端REよりも内側に位置しているのが好ましい。具体的には、距離HREに対する距離HKUの比は1未満が好ましい。この比は、0.9以下がより好ましく、0.5以下がさらに好ましい。緩衝層32のボリュームが適切に維持され、生産コストへの影響が抑えられるとの観点から、この比は0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。
図1において、符号LSはクリンチ18の外側端である。両矢印HLSは、ビードベースラインからこの外側端LSまでの半径方向距離である。
このタイヤ12では、クリンチ18の外側端LSは緩衝層32の外側端KSよりも半径方向内側に位置している。言い換えれば、緩衝層32の外側端KSは半径方向においてクリンチ18の外側端LSよりも外側に位置している。これにより、クリンチ18の外側端LSとカーカス22との間に軟質な緩衝層32が配置されるので、このクリンチ18の外側端LSへの歪みの集中が緩和される。このタイヤ12では、ランフラット走行での耐久性へのクリンチ18による影響が効果的に抑えられる。この観点から、このタイヤ12では、緩衝層32の外側端KSは半径方向においてクリンチ18の外側端LSよりも外側に位置しているのが好ましい。具体的には、距離HLSに対する距離HKSの比は1を超えているのが好ましい。より好ましくは、この比は1.1以上である。ビード20の部分の剛性にクリンチ18及び緩衝層32のそれぞれが効果的に寄与するとの観点から、この比は1.3以下が好ましい。
このタイヤ12では、緩衝層32の外側端KSは、支持層30が最大の厚さtiを示す、この支持層30の外面SF上の位置TSよりも半径方向内側に位置している。これにより、タイヤ12の最大幅位置WXより半径方向内側部分において、剛性のバランスが効果的に整えられる。支持層30が車重の支持に寄与するとともに、外側端KSへの歪みの集中も抑えられる。このタイヤ12では、ランフラット走行での耐久性の向上が図られる。この観点から、このタイヤ12では、緩衝層32の外側端KSは、半径方向において、位置TSよりも内側に位置しているのが好ましい。具体的には、距離HTSに対する距離HKSの比は1未満が好ましい。より好ましくは、この比は0.9以下である。剛性バランスの維持の観点から、この比は0.7以上が好ましく、0.8以上がより好ましい。
図2において、実線LTはこのタイヤ12の外面SFの法線である。この法線LTは、第二基準点P2を通る。本発明においては、この第二基準点P2における、このタイヤ12の外面SFの法線LTは、基準法線と称される。
この図2において、両矢印tはタイヤ12の外面SFからカーカス22までの長さを表している。この長さtは、第二基準点P2における、このタイヤ12のカーカス22の外側部分の厚さである。両矢印tKは、第二基準点P2における、緩衝層32の厚さである。両矢印tCは、第二基準点P2における、クリンチ18の厚さである。厚さt、厚さtK及び厚さtCは、基準法線LTに沿って計測される。このタイヤ12では、この厚さtは、厚さtK及び厚さtCの和(tK+tC)に等しい。この厚さtは、基準法線LTに沿って計測される、緩衝層32の厚さtKとクリンチ18の厚さtCとの合計厚さである。両矢印tLは、この基準法線LTに沿って計測される支持層30の厚さである。
このタイヤ12では、緩衝層32の厚さtKは1mm以上が好ましく、6mm以下が好ましい。この厚さtKが1mm以上に設定されることにより、ビード20の部分における発熱の抑制に緩衝層32が効果的に寄与する。この観点から、この厚さtKは2mm以上がより好ましい。この厚さtKが6mm以下に設定されることにより、ビード20の部分の剛性への緩衝層32の影響が抑えられる。このタイヤ12では、ビード20の部分の剛性が適切に維持される。この観点から、この厚さtKは5mm以下がより好ましい。
このタイヤ12では、合計厚さtに対する厚さtKの比は0.1以上が好ましく、0.7以下が好ましい。この比が0.1以上に設定されることにより、ビード20の部分における発熱の抑制に緩衝層32が効果的に寄与する。この比が0.7以下に設定されることにより、ビード20の部分の剛性への緩衝層32の影響が抑えられる。このタイヤ12では、ビード20の部分の剛性が適切に維持される。
このタイヤ12では、支持層30の厚さtLに対する合計厚さtの比は0.8以上1.2以下が好ましい。この比が0.8以上に設定されることにより、カーカス22の外側部分の厚さと支持層30の厚さとのバランスが整えられ、第一プライ48の折り返し部48bに、圧縮方向の力が作用することが防止される。カーカス22の損傷が防止されるので、このタイヤ12は耐久性に優れる。この観点から、この比は0.9以上がより好ましい。この比が1.2以下に設定されることにより、カーカス22の外側部分の厚さと支持層30の厚さとのバランスが整えられ、第一プライ48の折り返し部48bに、引張方向の力が作用することが防止される。この場合においても、カーカス22の損傷が防止されるので、このタイヤ12は耐久性に優れる。この観点から、この比は1.1以上がより好ましい。
このタイヤ12の製造では、複数のゴム部材がアッセンブリーされて、ローカバー(未加硫タイヤ12)が得られる。このローカバーが、モールドに投入される。ローカバーの外面SFは、モールドのキャビティ面と当接する。ローカバーの内面は、ブラダー又は中子に当接する。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ12が得られる。そのキャビティ面に凸凹模様を有するモールドが用いられることにより、タイヤ12に凹凸模様が形成される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、245/45RF19である。この実施例1の諸元は、下記の表1に示された通りである。この実施例1では、断面高さHに対する、ビードベースラインから位置WXまでの半径方向距離HWXの比(HWX/H)は、0.47であった。
この実施例1では、エイペックスの長さLAは20mmであり、エイペックスの外側端はクリンチの外側端よりも半径方向内側に位置していた。このことが表1の「B/C」の欄に、「in」で表されている。
距離HWXに対する、ビードベースラインから支持層が最大の厚さtiを示す位置TSまでの半径方向距離HTSの比(HTS/HWX)は、0.85であった。
距離HWXに対する、ビードベースラインから緩衝層の外側端KSまでの半径方向距離HKSの比(HKS/HWX)は、0.77であった。
ビードベースラインからコアの外側端REまでの半径方向距離HREに対する、このビードベースラインから緩衝層の内側端KUまでの半径方向距離HKUの比(HKU/HRE)は、0.31あった。
ビードベースラインからクリンチの外側端LSまでの半径方向距離HLSに対する、距離HKSの比(HKS/HLS)は、1.12であった。
緩衝層は、半径方向において、第一地点P1から第二地点P2までのゾーンと重複するように配置された。このことが、表1の「P1」及び「P2」の欄に「Y」で表されている。基準法線LTに沿って計測される緩衝層の厚さtKは3mmであった。
この表1における、緩衝層の損失正接Tk及び硬さHkは、70℃の温度下で計測されている。なお、70℃の温度下で計測されたクリンチの損失正接Tcは、0.06であった。70℃の温度下で計測されたクリンチの硬さHcは、75であった。70℃の温度下で計測された支持層の損失正接Tiは、0.04であった。70℃の温度下で計測された支持層の硬さHiは、70であった。
この実施例1では、位置WXから位置CEまでのゾーンの輪郭は単一の円弧で構成された。この円弧の曲率半径Rsは、55mmに設定された。この曲率半径Rsは、表1の「R1」の欄に示している。
[比較例1]
比較例1には、緩衝層は設けられていない。この比較例1では、位置WXから位置CEまでのゾーンの輪郭は、図5に示されているように、3つの円弧で構成された。位置WXを通る第一円弧の曲率半径R1は45mmであり、位置CEを通る第三円弧の曲率半径R3は170mmであり、この第一円弧と第三円弧との間に位置する第二円弧の曲率半径R2は、25mmであった。
[実施例2−3及び比較例2−3]
下記表1の「R1」の欄に記載の曲率半径Rsをこの表1に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−3及び比較例2−3のタイヤを得た。
[実施例4]
支持層の損失正接Tiを下記の表2に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例4のタイヤを得た。
[実施例5]
比(HKS/HWX)を下記の表2に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5のタイヤを得た。
[実施例6]
比(HKU/HRE)を下記の表2に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6のタイヤを得た。
[実施例7]
エイペックスの長さLAを下記の表2に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7のタイヤを得た。
[実施例8−9]
緩衝層の厚さtKを下記の表3に示された通りとした他は実施例1と同様にして、実施例8−9のタイヤを得た。
[実施例10−11及び比較例4]
比(HKS/HWX)及び比(HKS/HLS)を下記の表3に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例10−11及び比較例4のタイヤを得た。なお、比較例4の緩衝層は、半径方向において、第一地点P1と重複していたが、第二地点P2とは重複していなかった。このことが、表3の「P1」の欄に「Y」で、「P2」の欄に「N」で表されている。
[比較例5−6]
比(HTS/HWX)を下記の表4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、比較例5−6のタイヤを得た。
[比較例7−8]
緩衝層の損失正接Tkを変えて差(Tc−Tk)を下記の表4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、比較例7−8のタイヤを得た。
[比較例9−10]
緩衝層の硬さHkを変えて差(Hc−Hk)を下記の表4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、比較例9−10のタイヤを得た。
[支持層の厚さti]
タイヤの支持層の最大の厚さtiを計測した。この結果が、比較例1の支持層の最大厚さを100とした指数で表されている。数値が小さいほど、厚さtiが小さい。
[耐久性(ランフラット)]
タイヤをリム(サイズ=19×8J)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を180kPaとした。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、このタイヤの最大負荷荷重の65%に相当する縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤの内圧を常圧(計測圧としては、0kPa)としてパンク状態を再現し、このタイヤを80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を、測定した。この結果が、下記の表1から表4に示されている。数値が大きいほど、ランフラット耐久性に優れており、好ましい。
[質量]
タイヤの質量を計測し、比較例1の質量との差を得た。この結果が、下記の表1から表4に示されている。数値が小さいほど、軽量化が図られており、好ましい。
[共振周波数]
タイヤをリム(サイズ=19×8J)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を230kPaとした。インパクトハンマー(小野測器社製の商品名「インパルスハンマーGK−3100」)を用いてこのタイヤのトレッドを加振し、このタイヤの断面二次共振周波数(Hz)を得た。この結果が、下記の表1から表4に示されている。共振周波数が比較例1のそれよりも離れているほど、好ましい。
[ノイズ]
タイヤをリム(サイズ=19×8J)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を230kPaとした。このタイヤを、排気量が4600ccである乗用車に装着した。ドライバーに、この乗用車を粗度の高いアスファルト製路面の上で、60km/hの速度で走行させた。この走行時の運転席における、250Hz及び315Hzでのノイズ(dB)を計測した。この結果が、下記の表1から表4に示されている。数値が小さいほどノイズが小さく、好ましい。
Figure 2018154159
Figure 2018154159
Figure 2018154159
Figure 2018154159
表1から表4に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたロードノイズを低減する技術は、種々のランフラットタイヤにも適用されうる。
2、12・・・タイヤ
4・・・外面
14・・・トレッド
16・・・サイドウォール
18・・・クリンチ
20・・・ビード
22・・・カーカス
30・・・支持層
32・・・緩衝層
42・・・コア
44・・・エイペックス
46・・・カーカスプライ
48・・・第一カーカスプライ(第一プライ)
50・・・第二カーカスプライ(第二プライ)

Claims (8)

  1. トレッド、一対のサイドウォール、一対のクリンチ、一対のビード、カーカス、一対の支持層及び一対の緩衝層を備えており、
    それぞれのサイドウォールが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びており、
    それぞれのクリンチが上記サイドウォールの半径方向内側に位置しており、
    それぞれのビードが上記クリンチの軸方向内側に位置しており、このビードがコアとエイペックスとを備えており、このエイペックスがこのコアから半径方向略外向きに延びており、このエイペックスの外側端が上記クリンチの外側端よりも半径方向内側に位置しており、
    上記カーカスが、上記トレッド及び上記サイドウォールに沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されており、
    それぞれの支持層が上記サイドウォールの軸方向内側に位置しており、
    それぞれの緩衝層が上記カーカスと上記クリンチとの間に位置しており、この緩衝層の損失正接がこのクリンチの損失正接よりも低く、この緩衝層の硬さがこのクリンチの硬さよりも低く、
    このタイヤの外面において、ビードベースラインからの半径方向高さが14mmとなる位置を第一地点P1とし、このビードベースラインからの半径方向高さが20mmとなる位置を第二地点P2としたとき、
    上記緩衝層が半径方向において上記第一地点P1及び上記第二地点P2のそれぞれと重複しており、
    このタイヤが最大幅を示す、このタイヤの外面上の位置WXから、このタイヤと路面との接触面の軸方向外側端に対応する、このタイヤの外面上の位置CEまでの、このタイヤの外面の輪郭が、単一の円弧で表され、この円弧の半径が50mm以上60mm以下であり、
    上記支持層が最大の厚さを示す位置TSが上記位置WXよりも半径方向内側に位置している、空気入りタイヤ。
  2. 上記緩衝層の外側端が上記位置WXよりも半径方向内側に位置している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記緩衝層の内側端が上記コアの外側端よりも半径方向内側に位置している、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記エイペックスの長さが20mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 上記支持層の損失正接が0.04以下である、請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 上記第二地点P2における、このタイヤの外面の法線を基準法線としたとき、
    上記基準法線に沿って計測される上記緩衝層の厚さが1mm以上6mm以下である、請求項1から5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 上記緩衝層の外側端が上記クリンチの外側端よりも半径方向外側に位置している、請求項1から6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 上記緩衝層の外側端が上記位置TSよりも半径方向内側に位置している、請求項1から7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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