JP2018150499A - 酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー及びその製造方法 - Google Patents

酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分散液とした際に粘度が過度に高くなく、導入したカルボキシメチル基を脱塩処理して酸型にした酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】グルコース単位あたりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50であり、濃度0.95〜1.05質量%の水分散体におけるB型粘度が、60rpm、20℃の条件で1000mPa・s以上であり、6rpm、20℃の条件で7000mPa・s以上である酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、並びにカルボキシメチル化セルロースを解繊する解繊工程と、陽イオン交換樹脂を用いた陽イオン交換反応により脱塩処理する脱塩工程と、を有する酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー及びその製造方法に関する。
セルロース系原料をマーセル化した後に、モノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムと反応させることにより、セルロースにカルボキシメチル基を導入することが知られている(例えば、特許文献1参照)。カルボキシメチル基が導入されたセルロースは、溶液中でカルボキシメチル基がマイナスに荷電する。そのため、カルボキシメチル基が導入されたセルロースを溶媒中で解繊すると、セルロースナノファイバーの分散液が得られる(例えば、特許文献2参照)。
セルロースナノファイバーは、生分解性の水分散型素材である。上記の方法により得られたセルロースナノファイバーは、分散液の形態であるため、各種水溶性ポリマーとブレンドすることや、有機・無機系顔料と複合化して改質することもできる。また、セルロースナノファイバーをシート化又は繊維化することもできる。このような特性により、セルロースナノファイバーを高機能包装材料、透明有機基板部材、高機能繊維、分離膜、再生医療材料等に応用した新規高機能性商品の開発が検討されている。
セルロースナノファイバーを増粘剤、ゲル化剤、保形剤、乳化安定化剤、分散安定化剤等として用いるために、部分酸型CMC塩ナノファイバー水分散体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、上記の用途への応用を考慮すると、高濃度のセルロースナノファイバーの分散液を製造することが好ましい。しかしながら、セルロースナノファイバーの分散液を高濃度にすると、粘度が過度に高くなり、取扱い性に問題が生じる場合がある。
斯かる問題に鑑み、カルボキシメチル基を導入したセルロースナノファイバーの流動性の向上を目的とした技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特許文献4には、アニオン変性セルロースナノファイバー分散液に一定量の1価又は2価の金属イオンを含有させることにより、流動性に優れるセルロースナノファイバー分散液の製造方法が開示されている。当該文献において、アニオン変性として、カルボキシル基やカルボキシメチル基が例示されている。
特開平10−251301号公報 特開2011−195738号公報 特許第5727660号公報 国際公開第2013/137140号
特許文献3に開示された製造方法により製造されるセルロースナノファイバーは、導入したカルボキシメチル基の一部がアルカリ塩型であり、残部が酸型のものである。セルロースナノファイバーの用途によっては、導入したカルボキシメチル基は、塩型が極力少ない方が好ましい場合もある。
しかしながら、特許文献3の比較例(Y)の結果からもわかる通り、導入したカルボキシメチル基の塩型を極力少なくする場合、従来の製造方法では、目的とする酸型セルロースナノファイバーを製造できないという問題がある。
また、特許文献4に記載の方法で得られるセルロースナノファイバー分散液において、流動性に優れるという効果は、アニオン変性セルロースナノファイバー分散液中に1価又は2価の金属イオンを含有させることにより、セルロースナノファイバー同士が部分的に結合する結果、分散液中の繊維数が減少するためと推察されている。そのため、塩酸等で酸処理すると、1価又は2価の金属イオンが金属塩化物となって析出し、目的とする流動性に優れるという効果が達成されないと推察される。また、金属イオンを含有させることで、セルロースナノファイバー同士が部分的に結合することから、繊維長又は繊維径が大きくなることも懸念される。
そのため、カルボキシメチル基を導入し、金属塩をプロトンに置換したセルロースナノファイバー分散液を新規高機能性商品へ応用するためには改善の余地がある。
本発明の課題は、分散液とした際に粘度が過度に高くなく、導入したカルボキシメチル基を脱塩処理して酸型にした酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、カルボキシメチル基を導入した後、陽イオン交換樹脂を用いて脱塩処理して酸型にすることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕〜〔9〕を提供する。
〔1〕グルコース単位あたりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50であり、濃度0.95〜1.05質量%の水分散体におけるB型粘度が、60rpm、20℃の条件で1000mPa・s以上であり、6rpm、20℃の条件で7000mPa・s以上である酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー。
〔2〕下記式(1)で求められるカルボキシル基の割合(以下、単に「カルボキシル基の割合」ともいう)が40%以上である上記〔1〕に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー。
(1):カルボキシル基の割合(%)=(カルボキシル基量/カルボキシル基量及びカルボキシレート基量)×100
〔3〕濃度0.95〜1.05質量%の水分散体における660nmの波長の光透過率が65%以上である上記〔1〕又は〔2〕に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー。
〔4〕カルボキシメチル化セルロースを解繊する解繊工程と、陽イオン交換反応により脱塩処理する脱塩工程と、を有し、前記脱塩工程が、陽イオン交換樹脂により脱塩処理する工程である酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
〔5〕前記カルボキシメチル化セルロースが、セルロース系原料をマーセル化剤によりマーセル化処理した後、カルボキシメチル化剤と反応させて得られる上記〔4〕に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
〔6〕前記マーセル化剤が、アルカリ金属の水酸化物である上記〔5〕に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
〔7〕前記カルボキシメチル化剤が、下記一般式(1)で表される化合物である上記〔5〕又は〔6〕に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
Figure 2018150499
(前記一般式(1)中、Xはハロゲン原子を示し、Mは水素原子又はアルカリ金属を示す。)
〔8〕前記解繊工程が、前記カルボキシメチル化セルロースを解繊してカルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩を得る工程であり、前記脱塩工程が、前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩を前記陽イオン交換樹脂により脱塩処理する工程である上記〔4〕〜〔7〕のいずれかに記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
〔9〕前記カルボキシメチル化セルロースを低粘度化処理する低粘度化工程と、をさらに有する上記〔4〕〜〔8〕のいずれかに記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
本発明によれば、分散液とした際に粘度が過度に高くなく、導入したカルボキシメチル基を脱塩処理して酸型にした酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
なお、本明細書中、カルボキシル基とは、−COOHで表される基を示し、カルボキシレート基とは、−COOで表される基を示す。カルボキシレート基のカウンターカチオンは特に限定されず、例えば、ナトリウムイオンやカリウムイオン等のアルカリ金属イオン等が挙げられる。
[1.酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー]
本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、カルボキシメチル基を脱塩処理して酸型にしたものである。また、本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、グルコース単位あたりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50であり、濃度0.95〜1.05質量%の水分散体におけるB型粘度が、60rpm、20℃の条件で1000mPa・s以上であり、6rpm、20℃の条件で7000mPa・s以上のものである。
カルボキシメチル基を、陽イオン交換樹脂を用いて脱塩処理して酸型にすることで、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、濃度0.95〜1.05質量%の水分散体におけるB型粘度が、上記2つの要件を充足するものとなる。
本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーのカルボキシメチル置換度は0.01〜0.50であり、0.01〜0.40であることが好ましく、0.05〜0.35であることがより好ましい。カルボキシメチル基を導入したセルロースは、セルロース同士が電気的に反発するため、容易にナノオーダーの繊維径にまで解繊することができる。グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01未満であると、電気的な反発力が小さく、十分に解繊できない場合がある。一方、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.50超であると、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが膨潤或いは溶解し、繊維形態を維持できなくなり、ファイバーとして得られなくなる場合がある。
なお、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、下記の方法で算出することができる。カルボキシメチル化セルロース(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、塩型カルボキシメチル化セルロース(以下、「塩型CM化セルロース」ともいう)を酸型カルボキシメチル化セルロース(以下、「H型CM化セルロース」ともいう)にする。H型CM化セルロース(絶乾)を1.5〜2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLでH型CM化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定し、次式によってカルボキシメチル置換度(DS)を算出することができる:
A=[(100×F−(0.1NのHSO(mL))×F’)×0.1]/(H型CM化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:H型CM化セルロースを1g中和するのに要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのHSOのファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
なお、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーのカルボキシメチル置換度と、カルボキシメチル化セルロースのカルボキシメチル置換度は、通常、同値である。
本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの濃度0.95〜1.05質量%の水分散体におけるB型粘度の下限値は、60rpm、20℃の条件で1000mPa・s以上であり、1300mPa・s以上であることが好ましく、1800mPa・s以上であることがより好ましい。その上限値は、25000mPa・s以下であることが好ましく、20000mPa・s以下であることがより好ましく、15000mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、6rpm、20℃の条件で、B型粘度の下限値は、7000mPa・s以上であり、9000mPa・s以上であることが好ましい。その上限値は、150000mPa・s以下であることが好ましく、100000mPa・s以下であることがより好ましく、60000mPa・s以下であることがさらに好ましい。このような粘度を有する本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、例えば、食品や化粧品等に添加する粘度調整剤としての利用を期待し得る。
なお、B型粘度は、公知の手法により測定することができる。例えば、東機産業社のVISCOMETER TV−10粘度計を用いて測定することができる。
本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、カルボキシル基の割合が40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
導入したカルボキシメチル基を、陽イオン交換樹脂を用いて脱塩処理して酸型にすることで、本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、カルボキシル基の割合が上記の要件を充足するものとなる。
なお、カルボキシル基の割合は下記の方法で算出することができる。
先ず、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩の0.1質量%スラリーを250mL調製する。調製したスラリーに、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHが11になるまで電気電導度を測定する。電気電導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式(2)を用いて、カルボキシル基量及びカルボキシレート基量を算出する:
(2):カルボキシル基量及びカルボキシレート基量(mmol/gカルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩)=a(ml)×0.1/カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩の質量(g)
次に、脱塩処理した酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの0.1質量%スラリーを250mL調製する。調製したスラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHが11になるまで電気電導度を測定する。電気電導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(b)から、下式(3)を用いて、カルボキシル基量を算出する:
(3):カルボキシル基量(mmol/gカルボキシメチル化セルロースナノファイバー)=b(ml)×0.1/カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの質量(g)
算出したカルボキシル基量及びカルボキシレート基量とカルボキシル基量から、下式(1)を用いてカルボキシル基の割合を算出することができる:
(1):カルボキシル基の割合(%)=(カルボキシル基量/カルボキシル基量及びカルボキシレート基量)×100
本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、濃度0.95〜1.05質量%の水分散体における660nmの波長の光透過率が65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
なお、光透過率はUV−VIS分光光度計UV−265FS(島津製作所社製)を用いて測定することができる。
本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、平均繊維径が2〜500nmであることが好ましく、3〜150nmであることがより好ましい。
なお、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの平均繊維長及び平均繊維径は、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、ランダムに選んだ200本の繊維を解析することで算出することができる。
[2.製造方法]
本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法は、カルボキシメチル化セルロースを解繊する解繊工程と、陽イオン交換反応により脱塩処理する脱塩工程と、を有する。そして、脱塩工程は、陽イオン交換樹脂により脱塩処理する工程である。
以下、カルボキシメチル化セルロースを解繊してカルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩を得る解繊工程の後、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩と陽イオン交換樹脂を接触させて脱塩工程を行い、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを得る形態を「一実施形態」と称する。また、カルボキシメチル化セルロースを陽イオン交換樹脂と接触させて脱塩工程を行った後、脱塩処理したカルボキシメチル化セルロースを解繊して解繊工程を行い、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを得る形態を「他の実施形態」と称する。
カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩の分散液において、カルボキシメチル基を導入したセルロースナノファイバーの金属塩を塩酸で酸処理して金属塩をプロトンに置換したところ、濾物を得ることができなかった。この理由は、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩と塩酸のプロトン交換反応が効率的に進行せず、プロトン置換された酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが得られ難いためと推察される。プロトン交換反応が効率的に進行しない理由は定かではないが、添加した酸がセルロースのβ−1,4−グリコシド結合の加水分解反応で消費される等の副反応の進行によるものと推察される。
そのため、本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法によれば、従来なしえなかった、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを製造することができ、かつ、カルボキシル基の割合を高くすることができる。
一方、本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法の一実施形態において、カルボキシメチル基を導入したセルロースナノファイバーのカチオン塩は、陽イオン交換樹脂を用いた酸処理によりプロトンに置換される。陽イオン交換樹脂を用いて酸処理を行う場合、不要な塩化ナトリウム等の副生成物が生成しない。そのため、陽イオン交換樹脂を用いて酸処理した後は、陽イオン交換樹脂を金属メッシュ等により濾過して除去するだけで、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが得られる。
金属メッシュ等により濾物として除去する対象は陽イオン交換樹脂であり、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは金属メッシュ等の径では除去され難い。そのため、セルロースナノファイバー同士が解離して、分散液中の繊維数が増加しても、極めて短い繊維長の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが多量に含まれており、分散液とした場合の粘度の過度の上昇を抑制し得ると推察される。
また、濾液には繊維長の短い酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが多く含まれており、かつ、濾液を洗浄や脱水する必要がないので、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが凝集され難いことも、分散液とした場合の粘度の上昇を抑制し得る要因となると推察される。
[2−1.一実施形態]
[2−1−1.解繊工程]
一実施形態において、解繊工程は、カルボキシメチル化セルロースを解繊してカルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩を得る工程である。カルボキシメチル基を導入したカルボキシメチル化セルロースの表面は、カルボキシメチル基の反発作用を有し、解繊処理により簡単にナノファイバー化することができる。
(カルボキシメチル化セルロース)
カルボキシメチル化セルロースは、セルロース系原料をマーセル化剤によりマーセル化処理した後、カルボキシメチル化剤と反応させて得られる合成品を用いてもよく、公知の方法を用いてセルロース系原料にカルボキシメチル基を導入した合成品を用いてもよく、市販品を用いてもよい。
カルボキシメチル化セルロースの部分構造を下記一般式(2)に示す。
Figure 2018150499
(一般式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属又は一般式(3)で表される基を示す。)
Figure 2018150499
(一般式(3)中、Mは水素原子又はアルカリ金属を示す。)
一般式(2)中のR、一般式(3)中のMとして表されるアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムが挙げられる。中でも、ナトリウムが好ましい。
マーセル化処理は、通常、セルロース系原料、溶媒、及びマーセル化剤を混合することで行うことができる。
セルロース系原料は、木材由来のクラフトパルプ又はサルファイトパルプ、それらを高圧ホモジナイザーやミル等で粉砕した粉末セルロース、或いはそれらを酸加水分解等の化学処理により精製した微結晶セルロース粉末等を含む。この他に、ケナフ、麻、イネ、バガス、竹等の植物由来のセルロース系原料も使用できる。量産化やコストの観点からは、粉末セルロース、微結晶セルロース粉末、或いはクラフトパルプ又はサルファイトパルプのような化学パルプを用いることが好ましい。粉末セルロース又は微結晶セルロース粉末は、高濃度でも低い粘度を有する分散液を与えるセルロースナノファイバーを提供し得る。化学パルプを用いる場合は、公知の漂白処理を施してリグニンを除去することが好ましい。漂白済みパルプとしては、例えば、白色度(ISO 2470)が80%以上の漂白済みクラフトパルプ又は漂白済みサルファイトパルプを用いることができる。
粉末セルロースは、木材パルプの非結晶部分を酸加水分解により除去した後、粉砕及び篩い分けすることで得られる微結晶性又は結晶性セルロースからなる棒軸状粒子である。粉末セルロースにおいて、セルロースの重合度は100〜500程度であり、X線回折法による粉末セルロースの結晶化度は70〜90%であり、レーザー回折式粒度分布装置による体積平均粒子径は通常100μm以下であり、好ましくは50μm以下である。体積平均粒子径が100μm以下であると、流動性に優れる分散液を与えるセルロースナノファイバーを提供し得る。そのような粉末セルロースは、精選パルプを酸加水分解した後に得られる未分解残渣を精製及び乾燥し、粉砕及び篩い分けすることにより調製してもよいし、KCフロック(登録商標)(日本製紙社製)、セオラス(登録商標)(旭化成ケミカルズ社製)、アビセル(登録商標)(FMC社製)等の市販品を用いてもよい。
漂白処理方法としては、塩素処理(C)、二酸化塩素漂白(D)、アルカリ抽出(E)、次亜塩素酸塩漂白(H)、過酸化水素漂白(P)、アルカリ性過酸化水素処理段(Ep)、アルカリ性過酸化水素・酸素処理段(Eop)、オゾン処理(Z)、キレート処理(Q)等を組合せて行うことができる。例えば、C/D−E−H−D、Z−E−D−P、Z/D−Ep−D、Z/D−Ep−D−P、D−Ep−D、D−Ep−D−P、D−Ep−P−D、Z−Eop−D−D、Z/D−Eop−D、Z/D−Eop−D−E−D等のシーケンスで行なうことができる。なお、シーケンス中の「/」は、「/」の前後の処理を洗浄なしで連続して行なうことを意味する。
また、上記したセルロース系原料を高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式等の分散装置や、湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザー等で微細化したものをセルロース系原料として使用することもできる。
溶媒は、水及び/又は低級アルコールであることが好ましく、水であることがより好ましい。また、溶媒の使用量は、質量換算で、セルロース系原料の3〜20倍であることが好ましい。
低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第3級ブチルアルコール等のアルコールが挙げられる。
なお、低級アルコールは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた混合媒体として用いてもよい。
溶媒が低級アルコールを含む場合、その混合割合は、60〜95質量%であることが好ましい。
マーセル化剤としては、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムがより好ましい。また、マーセル化剤の使用量は、モル換算で、セルロース系原料の無水グルコース残基当たり0.5〜20倍であることが好ましい。
マーセル化処理の反応温度は、通常、0〜70℃、好ましくは10〜60℃である。また、マーセル化処理の反応時間は、通常、15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間である。マーセル化処理は撹拌下で行ってもよい。
マーセル化処理の後、カルボキシメチル化剤を反応系に添加してセルロースにカルボキシメチル基を導入する。カルボキシメチル化剤としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、モノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウムがより好ましい。また、カルボキシメチル化剤の添加量は、モル換算で、セルロース系原料のグルコース残基当たり0.05〜10.0倍であることが好ましい。
Figure 2018150499
(一般式(1)中、Xはハロゲン原子を示し、Mは水素原子又はアルカリ金属を示す。)
一般式(1)中のXとして表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。中でも、塩素原子が好ましい。
一般式(1)中のMとして表されるアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムが挙げられる。中でも、ナトリウムが好ましい。
カルボキシメチル化反応の反応温度は、通常、30〜90℃、好ましくは40〜80℃である。反応時間は、通常、30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間である。
(解繊)
解繊処理としては、例えば、カルボキシメチル化セルロースを十分に水洗した後、高速せん断ミキサーや高圧ホモジナイザー等の公知の装置を用いて行うことができる。解繊装置の種類としては、例えば、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式が挙げられる。これらの装置は単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
高速せん断ミキサーを用いる場合、せん断速度は1000sec−1以上が好ましい。せん断速度が1000sec−1以上であると、凝集構造が少なく、均一なセルロースナノファイバー塩を得ることができる。
高圧ホモジナイザーを用いる場合、印加する圧力は、50MPa以上が好ましく、100MPa以上がより好ましく、140MPa以上がさらに好ましい。当該圧力の湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザーで処理すると、カルボキシメチル化セルロースの短繊維化が効率よく進行し、水分散液とした場合に低粘度のカルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩を効率よく得ることができる。
カルボキシメチル化セルロースは、水等の水分散液として解繊処理に供する。水分散液中のカルボキシメチル化セルロースの濃度が高いと、解繊処理の途中で粘度が過度に増大して均一に解繊できない場合や、装置が停止するという場合がある。従って、カルボキシメチル化セルロースの濃度は、カルボキシメチル化セルロースの処理条件に応じて適宣設定する必要がある。一例として、カルボキシメチル化セルロースの濃度は、0.3〜50%(w/v)が好ましく、0.5〜10%(w/v)がより好ましく、1.0〜5%(w/v)がさらに好ましい。
[2−1−2.脱塩工程]
一実施形態において脱塩工程は、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩と陽イオン交換樹脂を接触させて酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを得る工程である。カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩は、陽イオン交換樹脂と接触することによりカチオン塩がプロトンに置換される。陽イオン交換樹脂を用いるので、不要な塩化ナトリウム等の副生成物が生成せず、陽イオン交換樹脂を用いて酸処理した後は、陽イオン交換樹脂を金属メッシュ等により濾過して除去するだけで、濾液として酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの水分散液が得られる。
金属メッシュ等により濾物として除去する対象は陽イオン交換樹脂であり、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは金属メッシュ等の径では除去され難く、ほぼ全量が濾液中に含まれる。濾液には極めて短い繊維長の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが多量に含まれている。また、濾液を洗浄や脱水せずともよいので、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが凝集され難い。従って、高い光透過率を有する酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの水分散体を得ることができ、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを分散液とした際に、粘度の上昇を抑制し得ると推察される。
カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩は、解繊工程で得られた水分散液を脱塩工程にそのまま供することができる。また、必要に応じて水を添加して濃度を低くすることもできる。
陽イオン交換樹脂としては、対イオンがHである限り、強酸性イオン交換樹脂及び弱酸性イオン交換樹脂のいずれも用いることができる。中でも、強酸性イオン交換樹脂を用いることが好ましい。強酸性イオン交換樹脂及び弱酸性イオン交換樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂或いはアクリル系樹脂にスルホン酸基或いはカルボキシ基を導入したものが挙げられる。
陽イオン交換樹脂の形状は、特に限定されず、細粒(粒状)、膜状、繊維等、種々の形状のものを用いることができる。中でも、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩を効率よく処理し、処理後の分離が容易であるとの観点から、粒状が好ましい。このような陽イオン交換樹脂としては市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、アンバージェット1020、同1024、同1060、同1220(以上、オルガノ社製)、アンバーライトIR−200C、同IR−120B(以上、東京有機化学社製)、レバチットSP 112、同S100(以上、バイエル社製)、GEL CK08P(三菱化学社製)、Dowex 50W−X8(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩と陽イオン交換樹脂の接触は、例えば、粒状の陽イオン交換樹脂とカルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩の水分散液を混合し、必要に応じ攪拌・振とうしながら、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩と陽イオン交換樹脂とを一定時間接触させた後、陽イオン交換樹脂と水分散液とを分離することによって行うことができる。
水分散液の濃度や陽イオン交換樹脂との比率は、特に限定されず、当業者であれば、プロトン置換を効率的に行う観点から適宜設定し得る。一例として、水分散液の濃度は、0.05〜10質量%が好ましい。水分散液の濃度が0.05質量%未満であると、プロトン置換に要する時間がかかりすぎる場合がある。水分散液の濃度が10質量%超であると、十分なプロトン置換の効果が得られない場合がある。
接触時間も特に限定されず、当業者であれば、プロトン置換を効率的に行う観点から適宜設定し得る。例えば、0.25〜4時間接触させて行うことができる。
この際、適切な量の陽イオン交換樹脂を用いてカルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩を十分な時間接触させた後、陽イオン交換樹脂を金属メッシュ等により濾物として除去することで、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを製造することができる。
[2−2.他の実施形態]
[2−2−1.脱塩工程]
他の実施形態において脱塩工程は、カルボキシメチル化セルロースと陽イオン交換樹脂を接触させる工程である。カルボキシメチル化セルロースは、陽イオン交換樹脂と接触することによりカチオン塩がプロトンに置換される。陽イオン交換樹脂を用いるので、不要な塩化ナトリウム等の副生成物が生成せず、陽イオン交換樹脂を用いて酸処理した後は、陽イオン交換樹脂を金属メッシュ等により濾過して除去するだけで、濾液としてプロトン置換されたカルボキシメチル化セルロースの水分散液が得られる。
金属メッシュ等により濾物として除去する対象は陽イオン交換樹脂であり、プロトン置換されたカルボキシメチル化セルロースは金属メッシュ等の径では除去され難く、ほぼ全量が濾液中に含まれる。濾液を洗浄や脱水せずともよいので、プロトン置換されたカルボキシメチル化セルロースが凝集され難い。従って、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを分散液とした際に、粘度の過度の上昇を抑制し得ると推察される。
カルボキシメチル化セルロースは、水分散液として脱塩工程に供することができる。
なお、カルボキシメチル化セルロースは、上記「(カルボキシメチル化セルロース)」に記載した内容と同じことが言える。また、脱塩工程の条件は、上記「[2−1−2.脱塩工程]」に記載した内容と同じことが言える。
[2−2−2.解繊工程]
他の実施形態において、解繊工程は、プロトン置換されたカルボキシメチル化セルロースを解繊して酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを得る工程である。カルボキシメチル基を導入し、プロトン置換されたカルボキシメチル化セルロースの表面は、カルボキシメチル基の反発作用を有し、解繊処理により簡単にナノファイバー化することができる。
解繊処理は、上記「(解繊)」に記載した内容と同じことが言える。
[2−3.低粘度化工程]
本発明のカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法は、一実施形態及び他の実施形態ともに、カルボキシメチル化セルロースを低粘度化処理する低粘度化工程をさらに有することが好ましい。なお、低粘度化工程とは、カルボキシメチル化セルロースのセルロース鎖を適度に切断して、低粘度化する工程をいう。当該工程は、カルボキシメチル化セルロースの粘度が低下する工程であればよく、例えば、紫外線照射処理、酸化分解処理、加水分解処理等が挙げられる。中でも、加水分解処理が好ましい。
なお、上記の処理は、1種単独の処理でもよく、2種以上の処理を組み合わせてもよい。
カルボキシメチル化セルロースは、副反応を避ける観点から、低粘度化工程に供する前に、洗浄することが好ましい。洗浄方法は特に限定されず、公知の方法で行うことができる。
(加水分解処理)
加水分解処理は、カルボキシメチル化セルロースに酸又はアルカリを添加してセルロース鎖を加水分解する処理である。
加水分解処理の反応媒体は、副反応を抑制する観点から水が好ましい。
酸で加水分解することにより、カルボキシメチル化セルロースの低粘度化処理を実施できる理由は以下のように推察される。
カルボキシメチル化セルロースの表面に局在するカルボキシメチル基により、カルボキシメチル化セルロースの周囲には水和層が形成されている。そのため、カルボキシメチル化セルロース同士は近接して存在し、ネットワークを形成していると思われる。酸を添加して加水分解を行なうと、ネットワーク中の電荷のバランスが崩れてセルロース分子の強固なネットワークが崩れる。その結果、カルボキシメチル化セルロースの比表面積が増大し、短繊維化が促進されて、分散液の粘度が低くなると推察される。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、又はリン酸のような鉱酸を使用することが好ましい。反応を効率よく行なうために、カルボキシメチル化セルロースを水等の分散媒に分散させた分散液を用いることが好ましい。
分散媒中のカルボキシメチル化セルロースの濃度は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。
加水分解の条件としては、酸がセルロースの非晶部に作用するような条件であればよい。例えば、酸の添加量は、カルボキシメチル化セルロースの絶乾質量に対して、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がさらに好ましい。酸の添加量が0.01質量%以上であると、カルボキシメチル化セルロースの加水分解が進行し、ナノファイバー化の効率が向上するので好ましい。また、当該添加量が0.5質量%以下であるとカルボキシメチル化セルロースの過度の加水分解を防ぐことができ、セルロースナノファイバーの収率の低下を防止することができる。
加水分解時の分散媒のpH値は、2.0〜4.0が好ましく、2.0以上3.0未満がより好ましい。ただし、カルボキシメチル化セルロースの分散媒中にアルカリが残存している場合は、酸の添加量を適宜増やして分散媒のpH値を前記範囲に調整することが好ましい。反応効率の観点から、反応温度は、70〜120℃で、1〜10時間行なうことが好ましい。
ナノファイバー化を効率よく行なうためには、酸加水分解処理後は水酸化ナトリウム等のアルカリを添加して中和することが好ましい。
アルカリで加水分解することにより、カルボキシメチル化セルロースの低粘度化処理を実施できる理由は次のように推察される。
セルロースには、多数のβ−1,4−グリコシド結合が存在する。そのため、アルカリで加水分解すると、当該β−1,4−グリコシド結合が切断し、カルボキシメチル化セルロースが短繊維化される。その結果、繊維長が短いカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの割合も多くなり、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの分散液の粘度を低下することができる。
アルカリで加水分解する場合、反応における反応液のpH値は、8〜14が好ましく、9〜13がより好ましく、10〜12がさらに好ましい。pH値が8未満であると、十分な加水分解が起こらず、カルボキシメチル化セルロースの短繊維化が不十分な場合がある。一方、pH値が14超であると、加水分解は進行するが、加水分解後のカルボキシメチル化セルロースが着色し、得られるセルロースナノファイバーも着色するので、透明性が低下し、適用技術が制限されるという問題が生じる場合がある。pH値の調整に用いるアルカリは水溶性であればよく、製造コストの観点から、水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ性溶液中でカルボキシメチル化セルロースを加水分解すると、β脱離の際に二重結合が生成することに起因して、カルボキシメチル化セルロースが黄色に着色し、得られるセルロースナノファイバーも着色するので、透明性が低下し、適用技術が制限される場合がある。そのため、加水分解工程は、二重結合の生成を抑制するために、助剤として酸化剤又は還元剤を用いて行うことが好ましい。pH値が8〜14のアルカリ性溶液中で加水分解処理する際に、酸化剤や還元剤を用いると、二重結合を酸化又は還元しつつ、カルボキシメチル化セルロースを短繊維化することができる。酸化剤又は還元剤としては、アルカリ性領域で活性を有するものを使用できる。
助剤の添加量は、反応効率の観点から、絶乾したカルボキシメチル化セルロースに対して0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。
酸化剤としては、例えば、酸素、オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸塩が挙げられる。中でも、酸化剤は、ラジカルを発生し難い、酸素、過酸化水素、次亜塩素酸塩が好ましく、過酸化水素がより好ましい。
なお、酸化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロサルファイト、亜硫酸塩が挙げられる。
なお、還元剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
加水分解の反応温度は、反応効率の観点から、40〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましく、60〜90℃がさらに好ましい。温度が低いと、十分な加水分解が起こらず、カルボキシメチル化セルロースや酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの分散液の粘度の低下が不十分な場合がある。一方、温度が高いと加水分解は進行するが、加水分解後のカルボキシメチル化セルロースが着色する場合がある。
加水分解の反応時間は、0.5〜24時間が好ましく、1〜10時間がより好ましく、2〜6時間がさらに好ましい。
反応効率の観点から、アルカリ性溶液中のカルボキシメチル化セルロースの濃度は、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。
(紫外線照射処理)
紫外線照射処理は、カルボキシメチル化セルロースに紫外線を照射する処理である。紫外線を照射することにより、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの分散液の粘度を低減することができる。この理由は次のように推察される。紫外線は、直接セルロースやヘミセルロースに作用して低分子化を引き起こし、カルボキシメチル化セルロース中のセルロース鎖を短繊維化することができる。そのため、繊維長が短い酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの割合も多くなり、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの分散液の粘度を低下することができる。
低粘度化工程において、カルボキシメチル化セルロースに紫外線を照射する場合、用いる紫外線の波長は、好ましくは100〜400nm、より好ましくは100〜300nmである。このうち、波長135〜260nmの紫外線は、直接セルロースやヘミセルロースに作用して低分子化を引き起こし、カルボキシメチル化セルロース中のセルロース鎖を短繊維化することができるので好ましい。
紫外線を照射する光源としては、100〜400nmの波長領域の光を光源とするものを使用することができる。例えば、キセノンショートアークランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプが挙げられる。
なお、これらの光源は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意に組合せて用いてもよい。波長特性の異なる複数の光源を組み合わせて使用すると、異なる波長の紫外線が同時に照射されることによりセルロース鎖やヘミセルロース鎖における切断箇所が増加し、短繊維化が促進されるので好ましい。
紫外線照射を行う際のカルボキシメチル化セルロースを収容する容器としては、例えば、300〜400nmの紫外線を用いる場合、硬質ガラス製の容器を用いることができる。300nmより短波長の紫外線を用いる場合、紫外線をより透過させる石英ガラス製の容器を用いることが好ましい。なお、容器の光透過反応に関与しない部分の材質については、用いる紫外線の波長に対して劣化の少ない材質の中から適切な選定すればよい。
紫外線を照射する際のカルボキシメチル化セルロースの濃度は、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは1〜3質量%である。カルボキシメチル化セルロースの濃度が0.1質量%以上であると、エネルギー効率が高まり好ましい。カルボキシメチル化セルロースの濃度が12質量%以下であると、紫外線照射装置内でのカルボキシメチル化セルロースの流動性が良好で、反応効率が高まるので好ましい。
紫外線を照射する際の温度は、好ましくは20〜95℃、より好ましくは20〜80℃、さらに好ましくは20〜50℃である。温度が20℃以上であると、光酸化反応の効率が高まるため好ましい。温度が95℃以下であると、カルボキシメチル化セルロースの品質の悪化等の悪影響のおそれがなく、また反応装置内の圧力が大気圧を超えるおそれもなくなり、耐圧性を考慮した装置設計を行なう必要性がなくなるため好ましい。
紫外線を照射する際のpH値は特に限定されないが、プロセスの簡素化を考えると中性領域、例えば、pH値は6.0〜8.0程度が好ましい。
紫外線照射時にカルボキシメチル化セルロースが受ける照射の程度は、照射反応装置内でのカルボキシメチル化セルロースの滞留時間を調節することや、照射光源のエネルギー量を調節すること等により、任意に設定できる。また、照射装置内のカルボキシメチル化セルロースの濃度を水希釈によって調整したり、空気や窒素等の不活性気体をカルボキシメチル化セルロース中に吹き込むことによってカルボキシメチル化セルロースの濃度を調整したりすることにより、照射反応装置内でカルボキシメチル化セルロースが受ける紫外線の照射量を任意に制御することができる。これらの滞留時間や濃度等の条件は、目標とする紫外線照射後のカルボキシメチル化セルロースの品質(繊維長やセルロース重合度等)に応じて、適宜設定することができる。
紫外線照射処理は、酸素、オゾン、過酸化物(過酸化水素、過酢酸、過炭酸Na、過ホウ酸Na等)等の助剤の存在下で行なうと、光酸化反応の効率が高まるため、好ましい。
135〜242nmの波長領域の紫外線を照射する場合、光源周辺の気相部に存在する空気からオゾンが生成する。この光源周辺部に連続的に空気を供給する一方で、生成するオゾンを連続的に抜き出し、この抜き出したオゾンをカルボキシメチル化セルロースへと注入することにより、系外からオゾンを供給すること無しに、光酸化反応の助剤としてオゾンを利用することもできる。また、光源周辺の気相部に酸素を供給することにより、より大量のオゾンを系内に発生させることができ、発生したオゾンを光酸化反応の助剤として使用することもできる。このように、紫外線照射反応装置で副次的に発生するオゾンを利用することもできる。
紫外線照射処理は、複数回繰り返してもよい。繰り返しの回数は特に制限されないが、目標とするカルボキシメチル化セルロースの品質等の関係に応じて適宜設定できる。例えば、好ましくは100〜400nm、より好ましくは135〜260nmの紫外線を、好ましくは1〜10回、より好ましくは2〜5回、1回あたりの照射時間として、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは0.5〜3時間、照射して行うことができる。
(酸化分解処理)
低粘度化工程において、カルボキシメチル化セルロースを酸化分解処理する場合、通常、過酸化水素とオゾンを併用する。
過酸化水素とオゾンを併用することにより、カルボキシメチル化セルロースを効率よく低粘度化できる理由は、以下のように推察される。カルボキシメチル化セルロースの表面にはカルボキシメチル基が局在しており、水和層が形成されている。そのため、カルボキシメチル化セルロースのセルロース鎖同士の間には、カルボキシメチル基同士の電荷反発力の作用で、通常のセルロースでは見られない微視的隙間が存在すると考えられる。そして、カルボキシメチル化セルロースをオゾン及び過酸化水素で処理すると、オゾン及び過酸化水素から、酸化力に優れるヒドロキシラジカルが発生し、カルボキシメチル化セルロース中のセルロース鎖を効率良く酸化分解し、最終的にカルボキシメチル化セルロースを短繊維化する。そのため、繊維長が短い酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの割合も多くなり、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの分散液の粘度を低下することができる。
オゾンは、空気又は酸素を原料としてオゾン発生装置を用いて公知の方法で発生させることができる。オゾンの添加量(質量換算)は、カルボキシメチル化セルロースの絶乾質量に対して、0.1〜3倍が好ましく、0.3〜2.5倍がより好ましく、0.5〜1.5倍がさらに好ましい。オゾンの添加量がカルボキシメチル化セルロースの絶乾質量の0.1倍以上であると、セルロースの非晶部を十分に分解することができる。オゾンの添加量がカルボキシメチル化セルロースの絶乾質量の3倍以下であると、セルロースの過度の分解を抑制でき、カルボキシメチル化セルロースの収率の低下を防ぐことができる。
過酸化水素の添加量(質量換算)は、カルボキシメチル化セルロースの絶乾質量の0.001〜1.5倍が好ましく、0.1〜1.0倍がより好ましい。過酸化水素の添加量がカルボキシメチル化セルロースの絶乾質量の0.001倍以上であると、オゾンと過酸化水素との相乗作用が発揮される。また、カルボキシメチル化セルロースの分解に際し、過酸化水素の添加量は、カルボキシメチル化セルロースの1.5倍以下であれば十分であり、1.5倍超添加することはコスト増加につながり好ましくない。
オゾン及び過酸化水素による酸化分解処理の条件として、pH値は、好ましくは2〜12、より好ましくは4〜10、さらに好ましくは6〜8であり、温度は、好ましくは10〜90℃、より好ましくは20〜70℃、さらに好ましくは30〜50℃であり、反応時間は、好ましくは1〜20時間、より好ましくは2〜10時間、さらに好ましくは3〜6時間であることが、反応効率の観点から好ましい。
オゾン及び過酸化水素による処理を行なうための装置は、特に限定されず、公知の装置を用いることができる。例えば、反応室、攪拌機、薬品注入装置、加熱器、及びpH電極を備えた通常の反応器を使用することができる。
オゾン及び過酸化水素による処理後、水溶液中に残留するオゾンや過酸化水素は、解繊工程においても有効に作用し、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの分散液の低粘度化を一層促進し得る。
[3.用途]
本発明の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、一般的に添加剤が用いられる様々な分野、例えば、食品、飲料、化粧品、医薬、各種化学用品、製紙、土木、塗料、インキ、農薬、建築、防疫薬剤、電子材料、難燃剤、家庭雑貨、洗浄剤等で使用することが出来る。具体的には、増粘剤、ゲル化剤、糊剤、食品添加剤、賦形剤、ゴム・プラスチック用配合材料、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、製紙用添加剤、研磨剤、保水剤、保形剤、泥水調整剤、ろ過助剤及び溢泥防止剤等として使用することができ、それらを構成成分として含むゴム・プラスチック材料、塗料、接着剤、コート紙用塗剤、コート紙、バインダー、化粧品、潤滑用組成物、研磨用組成物、衣料用しわ低減剤、アイロンがけ用滑り剤等に応用できる。
特に、所定の粘度を有するので、増粘剤としての食品添加剤としての利用、高い透明性を有するので、化粧品や樹脂補強材としての利用を特に期待し得る。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。
[B型粘度(mPa・s)]:TV−10型粘度計(東機産業社)を用いて、1質量%のカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの水分散液のB型粘度を、20℃、60rpm又は6rpmの条件で測定した。
[カルボキシメチル置換度]:以下の方法により測定した。
試料約2.0gを精秤して、300ml共栓三角フラスコに入れた。硝酸メタノール(無水メタノール1Lに特級濃硝酸100mlを加えた液)100mlを加え、3時間振盪して、カルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩(以下、「Na−CMC」ともいう)をカルボキシメチル化セルロース(以下、「H−CMC」ともいう)にした。絶乾したH−CMCを1.5〜2.0g精秤し、300ml共栓三角フラスコに入れた。80%メタノール15mlでH−CMCを湿潤し、0.1NのNaOH100mlを加えて室温で3時間振盪した。指示薬としてフェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定し、下記式を用いてカルボキシメチル置換度を算出した。
[{100×F−(0.1NのHSO(ml))×F’}/(H−CMCの絶乾質量(g))]×0.1=A
カルボキシメチル置換度=0.162A/(1−0.058A)
A:1gのH−CMCを中和するのに必要な1NのNaOHの量(ml)
F’:0.1NのHSOのファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
[カルボキシル基の割合(%)]: 以下の方法により測定した。
先ず、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩の0.1質量%スラリーを250mL調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHが11になるまで電気電導度を測定した。電気電導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式(2)を用いて、カルボキシル基量及びカルボキシレート基量を算出した:
(2):カルボキシル基量及びカルボキシレート基量(mmol/gカルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩)=a(ml)×0.1/カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩の質量(g)
次に、脱塩処理したカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの0.1質量%スラリーを250mL調製し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHが11になるまで電気電導度を測定した。電気電導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(b)から、下式(3)を用いて、カルボキシル基量を算出した:
(3):カルボキシル基量(mmol/gカルボキシメチル化セルロースナノファイバー)=b(ml)×0.1/カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの質量(g)
得られたカルボキシル基量及びカルボキシレート基量とカルボキシル基量から、下式(1)を用いてカルボキシル基の割合を算出した:
(1):カルボキシル基の割合(%)=(カルボキシル基量/カルボキシル基量及びカルボキシレート基量)×100
[透明度(%)]:カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの水分散体(固形分約1%(w/v))の660nm光の透過率を、UV−VIS分光光度計UV−265FS(島津製作所社製)を用いて測定し、透明度とした。
[収率(%)]:カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩からカルボキシメチル化セルロースナノファイバーに酸処理する脱塩工程での収率である。
(実施例1)
パルプを撹拌することができる反応器に、パルプ(LBKP、日本製紙社製)を乾燥質量で250g入れ、撹拌しながら50質量%水酸化ナトリウム水溶液112gと、水67gを添加した。30℃で45分攪拌し、マーセル化処理した後、撹拌しながら35質量%モノクロロ酢酸ナトリウム水溶液を364g添加した。30℃で60分攪拌し、30分かけて70℃まで昇温した後、70℃で1時間反応を行った。その後、反応物を取り出し、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.27のカルボキシメチル化されたパルプ(以下、「カルボキシメチル化セルロース」ともいう)を得た。
カルボキシメチル化セルロースを水で1.053%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、140Mpa)で3回処理して、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩の分散液を得た(解繊工程)。
得られたカルボキシル化セルロースナノファイバー塩の分散液に陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、「アンバージェット1024」)を添加し、20℃で0.3時間撹拌して接触させた。その後、金属メッシュ(目開き100メッシュ)で陽イオン交換樹脂と水分散液を分離して、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを92%の高収率で得た(脱塩工程)。
得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの1質量%の水分散液のB型粘度は、(60rpm、20℃)の条件では4099mPa・sであり、(6rpm、20℃)の条件では22795mPa・sであった。収率とともに結果を表1に記す。
(比較例1)
脱塩工程を次の通り変更したこと以外は実施例1と同様にしたところ、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは得られなかった。
カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩の分散液に10%の塩酸水溶液をpHが2.4になるまで添加し、20℃で0.5時間撹拌して接触させた。その後、濾過を行ったが、濾物が得られなかった。
Figure 2018150499
表1からわかるように、陽イオン交換樹脂を用いて脱塩工程を行った場合、92%の高収率で酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが得られた(実施例1参照)。一方、塩酸で脱塩工程を行った場合、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを得ることができなかった(比較例1参照)。
(実施例2)
パルプを撹拌することができる反応器に、パルプ(LBKP、日本製紙社製)を乾燥質量で250g入れ、撹拌しながら50質量%水酸化ナトリウム水溶液112gと、水67gを添加した。30℃で50分攪拌し、マーセル化処理した後、撹拌しながら35質量%モノクロロ酢酸ナトリウム水溶液を364g添加した。30℃で60分攪拌し、30分かけて70℃まで昇温した後、70℃で1時間反応を行った。その後、反応物を取り出し、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.29のカルボキシメチル化されたパルプ(以下、「カルボキシメチル化セルロース」ともいう)を得た。
カルボキシメチル化セルロースを水で1.053%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150Mpa)で3回処理して、カルボキシル化セルロースナノファイバー塩の分散液を得た。
得られたカルボキシル化セルロースナノファイバー塩の分散液に陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、「アンバージェット1024」)を添加し、20℃で0.3時間撹拌して接触させた。その後、金属メッシュ(目開き100メッシュ)で陽イオン交換樹脂と水分散液を分離して、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーを92%の高収率で得た。
得られた酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの1.04質量%の水分散体のB型粘度は、(60rpm、20℃)の条件では4099mPa・sであり、(6rpm、20℃)の条件では22795mPa・sであった。また、透明度は77.2%であり、カルボキシル基の割合は98%であった。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例2で得られたカルボキシメチル化セルロースを水で1.053wt%に調整し、1N塩酸でpHを5に調整した。その後超高圧ホモジナイザーで3回処理し、酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの分散液を得た。
得られた酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの1.05質量%の水分散体のB型粘度は、(60rpm、20℃)の条件では1040mPa・sであり、(6rpm、20℃)の条件では6400mPa・sであった。また、透明度は3.3%であり、カルボキシル基の割合は30.7%であった。結果を表2に示す。
Figure 2018150499
表2からわかるように、陽イオン交換樹脂を用いて脱塩工程を行った場合、カルボキシル基の割合は98%と、ほぼ酸型に変換された酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが得られた。また、その透明度も77.2%であり、透明性の高いものであった(実施例2参照)。一方、塩酸で脱塩工程を行った場合、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーは、カルボキシル基の割合は30.7%と、酸型よりも塩型の割合が多い部分酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーが得られた。また、その透明度も3.3%であり、透明性の低いものであった(比較例2参照)。

Claims (9)

  1. グルコース単位あたりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50であり、
    濃度0.95〜1.05質量%の水分散体におけるB型粘度が、60rpm、20℃の条件で1000mPa・s以上であり、6rpm、20℃の条件で7000mPa・s以上である酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー。
  2. 下記式(1)で求められるカルボキシル基の割合が40%以上である請求項1に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー。
    (1):カルボキシル基の割合(%)=(カルボキシル基量/カルボキシル基量及びカルボキシレート基量)×100
  3. 濃度0.95〜1.05質量%の水分散体における660nmの波長の光透過率が65%以上である請求項1又は2に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバー。
  4. カルボキシメチル化セルロースを解繊する解繊工程と、陽イオン交換反応により脱塩処理する脱塩工程と、を有し、
    前記脱塩工程が、陽イオン交換樹脂により脱塩処理する工程である酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
  5. 前記カルボキシメチル化セルロースが、セルロース系原料をマーセル化剤によりマーセル化処理した後、カルボキシメチル化剤と反応させて得られる請求項4に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
  6. 前記マーセル化剤が、アルカリ金属の水酸化物である請求項5に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
  7. 前記カルボキシメチル化剤が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項5又は6に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
    Figure 2018150499
    (前記一般式(1)中、Xはハロゲン原子を示し、Mは水素原子又はアルカリ金属を示す。)
  8. 前記解繊工程が、前記カルボキシメチル化セルロースを解繊してカルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩を得る工程であり、
    前記脱塩工程が、前記カルボキシメチル化セルロースナノファイバー塩を前記陽イオン交換樹脂により脱塩処理する工程である請求項4〜7のいずれか1項に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
  9. 前記カルボキシメチル化セルロースを低粘度化処理する低粘度化工程と、をさらに有する請求項4〜8のいずれか1項に記載の酸型カルボキシメチル化セルロースナノファイバーの製造方法。
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