JP2016186018A - アニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物、その製造方法及びその分散液 - Google Patents

アニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物、その製造方法及びその分散液 Download PDF

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Abstract

【課題】再分散性が良好なアニオン変性セルロースナノファイバー(CNF)の濃縮物の提供。
【解決手段】アニオン変性CNF(カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、TEMPO酸化セルロースナノファイバー等)に対して、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を含む無機系凝集剤を、1〜10質量%含有しているアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
【選択図】図1

Description

本発明は、アニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物に関する。
アニオン変性されたセルロースナノファイバー(CNF)は、水系分散性に優れている約4〜数百nm程度の繊維径を有する微細繊維であり、食品、化粧品、医療品又は塗料等の粘度の保持、食品原料生地の強化、水分の保持、食品安定性向上、低カロリー添加物又は乳化安定化助剤としての利用が期待されている。水に安定的に分散している状態のアニオン変性CNFの分散液を脱水あるいは乾燥させてアニオン変性CNFの濃縮物とした場合には、微細セルロース繊維の繊維間に水素結合が形成されるため、この濃縮物に水を加えて再分散させようとしても、分散性、安定性、及び粘度などの諸特性が濃縮前(湿潤状態)と同等までには復元しなくなる。このため、アニオン変性CNFは水に安定的に分散している状態で製造され、通常、濃縮させずに分散液のままで各種用途に使用されている。
しかしながら、この湿潤状態のアニオン変性CNFを安定に保つためには、アニオン変性CNFに対して数倍〜数百倍の質量の水が必要であり、保存スペースの確保、保存及び輸送コストの増大等、種々の問題点がある。この問題を解決する手段として、凍結乾燥法や臨界点乾燥法、また、有機溶剤で置換処理した後に乾燥する方法(特許文献1)などが提案されている。
特開平6−233691号
しかしながら、アニオン変性CNFを凍結乾燥した場合、凍結乾燥に膨大なエネルギーが必要となるとともに、条件によってはアニオン変性CNFの微細繊維間の水が凍結する際に、微細繊維間の空隙よりも大きな氷晶の成長がおこり、アニオン変性CNFの微細繊維同士の会合が発生するなどの問題が生じる。
また、アニオン変性CNFの微細繊維の間の空隙は非常に小さい上に、微細なセルロース繊維の表面には多量の水が水和しているため、溶剤置換によって乾燥させるには、多量の溶剤と時間が必要となる。さらに、溶剤に置換することができない水分が内在してしまうために、溶剤の乾燥過程でアニオン変性CNFの微細なセルロース繊維の表面同士が水素結合によって強固に結合してしまう。このため、再分散の際に、もとのアニオン変性CNFの状態へと復元させることが困難となる。
そこで、本発明は、再分散性が良好なアニオン変性CNFの濃縮物を提供することを目的とする。再分散性が良好とは、アニオン変性CNFの濃縮物が、脱水あるいは乾燥前のアニオン変性CNFと比較して、分散性、ならびに分散液としたときの安定性、粘度、及び透明度などの物性において、変化が少ないことをいう。
上記課題は、以下の[1]〜[6]を含む手段により解決される。
[1] アニオン変性セルロースナノファイバーに対して、無機系凝集剤を1〜10質量%含有していることを特徴とするアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
[2] 前記アニオン変性セルロースナノファイバーが、アニオン変性セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6mmol/g〜2.0mmol/gであるカルボキシル化セルロースナノファイバーであることを特徴とする[1]に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
[3] 前記アニオン変性セルロースナノファイバーが、アニオン変性セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50であるカルボキシメチル化セルロースナノファイバーであることを特徴とする[1]に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
[4] 前記無機系凝集剤がアルミニウム塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。

[5] [1]〜[4]に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を、pH8〜12の溶液に分散させたアニオン変性セルロースナノファイバー分散液。
[6] [1]〜[4]に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を、pH8〜12の溶液に分散させることを特徴とするアニオン変性セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
本発明によれば、再分散性が良好なアニオン変性CNFの濃縮物を提供することができる。再分散性が良好とは、アニオン変性CNFの濃縮物が、濃縮前のアニオン変性CNFと比較して、分散性、ならびに分散液としたときの安定性、粘度、及び透明性などの物性において、変化が少ないことをいう。
図1は、アニオン変性CNFに硫酸アルミニウムを0質量%(比較例2)、1質量%(実施例14)、3質量%(実施例15)、5質量%(実施例4)、10質量%(実施例16)添加した際のアニオン変性CNFと無機系凝集剤との凝集物を示す(左から硫酸アルミニウム添加量:0、1、3、5,10%)。
アニオン変性CNFに対して、無機系凝集剤を1〜10質量%含有させて得た本発明のアニオン変性CNFの濃縮物は、その固形物を液体(特にpH8〜12の水溶液)に再分散させてアニオン変性CNF分散液に戻した際に、濃縮前のアニオン変性CNF分散液と比較して、分散性、安定性、及び粘度などの諸特性の変化が少ない特性(良好な再分散性)を有する。
本発明のアニオン変性CNFの濃縮物が優れた再分散性を発現する理由は明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。水によって加水分解された無機系凝集剤は正の電荷を有した錯体を生じる。一方で、アニオン変性CNFは負の電荷を有している。このため、無機系凝集剤とアニオン変性CNFを混ぜ合わせると、アニオン変性CNFは凝集・沈殿する。アニオン変性CNFと無機系凝集剤の濃縮物を再分散する際の系内のpHを無機系凝集剤の電荷が負に転じるように調整することで容易に凝集が解かれ、優れた再分散性が発現すると推測される。
なお、本発明において、アニオン変性CNFの濃縮物とは、CNFの分散液を脱水あるいは乾燥したものであり、固形分が5質量%以上(水分量が95%未満)のアニオン変性CNFを意味し、固形分が88質量%以上(水分量が12質量%未満)であるアニオン変性CNFの乾燥固形物も含まれる。
(アニオン変性セルロースナノファイバー)
本発明において、アニオン変性セルロースナノファイバー(アニオン変性CNF)は、繊維幅が4〜500nm程度、アスペクト比が100以上の微細繊維であり、カルボキシル化したセルロース(酸化セルロースとも呼ぶ)、カルボキシメチル化したセルロース、リン酸エステル基を導入したセルロースなどのアニオン変性セルロースを解繊することによって得ることができる。
(セルロース原料)
アニオン変性セルロースを製造するためのセルロース原料としては、例えば、植物性材料(例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙等)、動物性材料(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))、微生物産生物等を起源とするものを挙げることができ、それらのいずれも使用できる。好ましくは植物又は微生物由来のセルロース繊維であり、より好ましくは植物由来のセルロース繊維である。
(カルボキシメチル化)
本発明において、アニオン変性セルロースとして、カルボキシメチル化したセルロースを用いる場合、カルボキシメチル化したセルロースは、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシメチル化することにより得てもよいし、市販品を用いてもよい。いずれの場合も、セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル基置換度が0.01〜0.50となるものが好ましい。そのようなカルボキシメチル化したセルロースを製造する方法の一例として次のような方法を挙げることができる。セルロースを発底原料にし、溶媒として3〜20質量倍の水及び/又は低級アルコール、具体的には水、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールを混合する場合の低級アルコールの混合割合は、60〜95質量%である。マーセル化剤としては、発底原料の無水グルコース残基当たり0.5〜20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0〜70℃、好ましくは10〜60℃、かつ反応時間15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、マーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜10.0倍モル添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃、かつ反応時間30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化反応を行う。
なお、本明細書において、アニオン変性CNFの調製に用いるアニオン変性セルロースの一種である「カルボキシメチル化したセルロース」は、水に分散した際にも繊維状の形状の少なくとも一部が維持されるものをいう。したがって、後述する水溶性高分子の一種であるカルボキシメチルセルロースとは区別される。「カルボキシメチル化したセルロース」の水分散液を電子顕微鏡で観察すると、繊維状の物質を観察することができる。一方、水溶性高分子の一種であるカルボキシメチルセルロースの水分散液を観察しても、繊維状の物質は観察されない。また、「カルボキシメチル化したセルロース」はX線回折で測定した際にセルロースI型結晶のピークを観測することができるが、水溶性高分子のカルボキシメチルセルロースではセルロースI型結晶はみられない。
(カルボキシル化)
本発明において、アニオン変性セルロースとしてカルボキシル化(酸化)したセルロースを用いる場合、カルボキシル化セルロース(酸化セルロースとも呼ぶ)は、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシル化(酸化)することにより得ることができる。特に限定されるものではないが、カルボキシル化の際には、アニオン変性セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6〜2.0mmol/gとなるように調整することが好ましく、1.0mmol/g〜2.0mmol/gになるように調整することがさらに好ましい。
カルボキシル化(酸化)方法の一例として、セルロース原料を、N−オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群から選択される化合物との存在下で酸化剤を用いて水中で酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、表面にアルデヒド基と、カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート基(−COO)とを有するセルロース繊維を得ることができる。反応時のセルロースの濃度は特に限定されないが、5質量%以下が好ましい。
N−オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物をいう。N−オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシラジカル(TEMPO)及びその誘導体(例えば4−ヒドロキシTEMPO)が挙げられる。
N−オキシル化合物の使用量は、原料となるセルロースを酸化できる触媒量であればよく、特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.01〜10mmolが好ましく、0.01〜1mmolがより好ましく、0.05〜0.5mmolがさらに好ましい。また、反応系に対し0.1〜4mmol/L程度がよい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.1〜100mmolが好ましく、0.1〜10mmolがより好ましく、0.5〜5mmolがさらに好ましい。
酸化剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などを使用できる。中でも、安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムは好ましい。酸化剤の適切な使用量は、例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.5〜500mmolが好ましく、0.5〜50mmolがより好ましく、1〜25mmolがさらに好ましく、3〜10mmolが最も好ましい。また、例えば、N−オキシル化合物1molに対して1〜40molが好ましい。
セルロースの酸化工程は、比較的温和な条件であっても反応を効率よく進行させられる。よって、反応温度は4〜40℃が好ましく、また15〜30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを8〜12、好ましくは10〜11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等から、水が好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常は0.5〜6時間、例えば、0.5〜4時間程度である。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段目の反応終了後に濾別して得られた酸化セルロースを、再度、同一または異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する食塩による反応阻害を受けることなく、効率よく酸化させることができる。
カルボキシル化(酸化)方法の別の例として、オゾンを含む気体とセルロース原料とを接触させることにより酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、グルコピラノース環の少なくとも2位及び6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。オゾンを含む気体中のオゾン濃度は、50〜250g/mであることが好ましく、50〜220g/mであることがより好ましい。セルロース原料に対するオゾン添加量は、セルロース原料の固形分を100質量部とした際に、0.1〜30質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。オゾン処理温度は、0〜50℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましい。オゾン処理時間は、特に限定されないが、1〜360分程度であり、30〜360分程度が好ましい。オゾン処理の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度に酸化及び分解されることを防ぐことができ、酸化セルロースの収率が良好となる。 オゾン処理を施した後に、酸化剤を用いて、追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤は、特に限定されないが、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物や、酸素、過酸化水素、過硫酸、過酢酸などが挙げられる。例えば、これらの酸化剤を水またはアルコール等の極性有機溶媒中に溶解して酸化剤溶液を作成し、溶液中にセルロース原料を浸漬させることにより追酸化処理を行うことができる。
酸化セルロースのカルボキシル基の量は、上記した酸化剤の添加量、反応時間等の反応条件をコントロールすることで調整することができる。
(解繊)
アニオン変性セルロースを解繊する際に用いる装置は特に限定されないが、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの装置を用いることができる。解繊の際にはアニオン変性セルロースの水分散体に強力なせん断力を印加することが好ましい。特に、効率よく解繊するには、前記水分散体に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。前記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊及び分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサーなどの公知の混合、攪拌、乳化、分散装置を用いて、前記水分散体に予備処理を施してもよい。
(無機系凝集剤)
本発明において、無機系凝集剤とは水溶液中で正の電荷を有した物質のことであり、一価、二価、三価の金属塩、あるいはそれらの複合金属塩を例示することができる。本発明で使用する無機系凝集剤は、アニオン変性セルロースナノファイバーを凝集させることができるものであれば、制限なく用いることができるが、凝集効果の点から三価の金属塩を用いることが好ましい。
具体的には硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸第一鉄、塩化第二鉄等を挙げることができる。これらの中では再分散の容易性、透明性の復元性からアルミニウム塩の硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムを用いることが好ましい。より好ましくは低アルカリ度で凝集状態が解かれる硫酸アルミニウムを用いることが望ましい。
なお、電荷の中和効果は凝集剤のイオン価が高いほど著しく一価、二価、三価では、必要モル量は、一価:二価:三価=1:10:100程度の違いがあるため、よりイオン価の高い三価が望ましい。
無機系凝集剤の添加量は、アニオン変性CNFに対して、1〜10質量%であることが重要であり、好ましくは1〜5質量%である。無機系凝集剤の添加量が1質量%未満であると十分な再分散性が得られないとともに、アニオン変性CNFを凝集・沈殿させることが困難となり、無機系凝集剤とアニオン変性CNFを含む分散液の脱水が十分にできない問題が生じる。一方、無機系凝集剤の添加量が10質量%を超えると、チキソ性の低下、分散液中に無機塩が多量に残留するなどの問題が生じる。
(水溶性高分子)
本発明において、再分散性向上の観点から水溶性高分子を併用することは好ましい。水溶性高分子としては、例えば、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース)、キサンタンガム、キシログルカン、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、プルラン、澱粉、かたくり粉、クズ粉、加工澱粉(カチオン化澱粉、燐酸化澱粉、燐酸架橋澱粉、燐酸モノエステル化燐酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化燐酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化燐酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉)、コーンスターチ、アラビアガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ポリデキストロース、ペクチン、キチン、水溶性キチン、キトサン、カゼイン、アルブミン、大豆蛋白溶解物、ペプトン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミノ酸、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリセリン、ラテックス、ロジン系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、植物ガム、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー、ポリアクリル酸塩、でんぷんポリアクリル酸共重合体、タマリンドガム、グァーガム及びコロイダルシリカ並びにそれら1つ以上の混合物が挙げられる。この中でも、セルロース誘導体は、アニオン変性セルロースナノファイバーとの相溶性の点から好ましく、カルボキシメチルセルロース及びその塩は特に好ましい。
水溶性高分子として、カルボキシメチルセルロース又はその塩を用いる場合には、無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル基置換度が0.55〜1.6のカルボキシメチルセルロースを用いることが好ましく、0.55〜1.1のものがより好ましく、0.65〜1.1のものがさらに好ましい。また、分子が長い(粘度が高い)ものの方が、CNF間の距離を広げる効果が高いので好ましく、カルボキシメチルセルロースの1質量%水溶液における25℃、600rpmでのB型粘度は、3〜14000mPa・sが好ましく、7〜14000mPa・sがより好ましく、1000〜8000mPa・sがさらに好ましい。
水溶性高分子の配合量は、アニオン変性CNF(絶乾固形分)に対して、1〜300質量%程度とすることが再分散性の向上、チキソトロピー性などの粘度特性、分散安定性の観点から好ましい。
(濃縮物の製造方法)
アニオン変性セルロースナノファイバー及び無機系凝集剤を含有した水性懸濁液を脱水あるいは乾燥させることで、再分散性の良好なアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を得ることができる。
(脱水方法)
脱水方法としては、公知のものを用いることができ、例えば、遠心脱水式、真空脱水式、加圧脱水式のタイプの脱水装置を使用することができ、これらの複数を組み合わせて使用することもできる。
(乾燥方法)
乾燥方法としては、公知のものを用いることができ、例えば、スプレイドライ、圧搾、風乾、熱風乾燥、及び真空乾燥を挙げることができる。乾燥装置は、特に限定されないが、連続式のトンネル乾燥装置、バンド乾燥装置、縦型乾燥装置、垂直ターボ乾燥装置、多重段円板乾燥装置、通気乾燥装置、回転乾燥装置、気流乾燥装置、スプレードライヤ乾燥装置、噴霧乾燥装置、円筒乾燥装置、ドラム乾燥装置、ベルト乾燥装置、スクリューコンベア乾燥装置、加熱管付回転乾燥装置、振動輸送乾燥装置、回分式の箱型乾燥装置、通気乾燥装置、真空箱型乾燥装置、及び撹拌乾燥装置等を単独で又は2つ以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、薄膜を形成させて乾燥を行う装置を用いることが、均一に被乾燥物に熱エネルギーを直接供給でき、乾燥処理をより効率的に、短時間で行うことができるためエネルギー効率の点から好ましい。また、薄膜を形成させて乾燥を行う装置は、薄膜を掻き取る等の簡便な手段で直ちに乾燥物を回収できる点からも好ましい。さらに、薄膜を形成させてから乾燥させた場合には、再分散性がさらに向上することも見出された。薄膜を形成させて乾燥を行う装置としては、例えば、ドラムやベルトにブレードやダイ等により薄膜を形成させて乾燥させるドラム乾燥装置やベルト乾燥装置が挙げられる。
乾燥させる薄膜の膜厚としては、50〜1000μmが好ましく、100〜300μmがさらに好ましい。50μm以上であると、乾燥後の掻き取りが容易であり、また、1000μm以下であると再分散性のさらなる向上効果がみられる。
(アニオン変性CNFの濃縮物)
本発明のアニオン変性CNFの濃縮物は、一般的に添加剤が用いられる様々な分野、例えば、食品、飲料、個人ケア製品、化粧品、医薬品、各種化学用品、製紙、土木、塗料、インキ、コーティング組成物、農薬、建築、自動車、防疫薬剤、電子材料、電池、難燃剤、断熱材、家庭雑貨、洗浄剤、水処理、ドリル液、中性の機能性物質、シェールガス及びオイルの流出制御及び/又は回収における添加剤として使用することが出来る。具体的には、増粘剤、ゲル化剤、糊剤、食品添加剤、賦形剤、ゴム・プラスチック用補強材料、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、製紙用添加剤、研磨剤、吸水材、防臭剤、防錆剤、保水剤、保湿剤、保冷剤、保形剤、泥水調整剤、ろ過助剤及び溢泥防止剤などとして使用することができ、それらを構成成分として含むゴム・プラスチック材料、塗料、接着剤、コート紙用塗剤、コート紙、バインダー、化粧品、潤滑用組成物、研磨用組成物、衣料用しわ低減剤、アイロンがけ用滑り剤などに応用できる。
本発明のアニオン変性CNFの濃縮物は、望ましいレオロジー特性、具体的には、チキソトロピー性、望ましい降伏応力、剪断力を加えても静置すればゲルに戻る可逆ゲル性、温度鈍感性の弾性率を有するので、これらの特徴を利用するような用途に好ましく用いることができる。

(再分散)
本発明において、アニオン変性CNFと無機系凝集剤を含む濃縮物は、pH8〜12の水溶液を用いて再分散することが好ましい。分散液のpHが8未満であると再分散性が不十分となり、一方pHが12より高くなるとアニオン変性CNFの粘性(チキソトロピー性)が低下する。
本発明のアニオン変性CNFの濃縮物が優れた再分散性を発現する理由は明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。水によって加水分解された無機系凝集剤は正の電荷を有した錯体を生じる。一方で、アニオン変性CNFは負の電荷を有している。このため、無機系凝集剤とアニオン変性CNFを混ぜ合わせると、アニオン変性CNFは凝集・沈殿する。アニオン変性CNFと無機系凝集剤の濃縮物を再分散する際の系内のpHを無機系凝集剤の電荷が負に転じるように調整することで容易に凝集が解かれ、優れた再分散性が発現すると推測される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<カルボキシル化(TEMPO酸化)CNFの製造>
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)780mgと臭化ナトリウム75.5gを溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することで酸化されたパルプ(カルボキシル化セルロース)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基量は1.6mmol/gであった。
上記の工程で得られた酸化パルプを水で1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150Mpa)で3回処理して、アニオン変性セルロースナノファイバー分散液を得た。得られた繊維は、平均繊維径が40nm、アスペクト比が150であった。
<カルボキシル基量の測定方法>
カルボキシル化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出した:
カルボキシル基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕。
<カルボキシメチル(CM)化CNFの製造>
パルプを混ぜることが出来る撹拌機に、パルプ(NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)、日本製紙製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で111g加え、パルプ固形分が20%(w/v)になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後にモノクロロ酢酸ナトリウムを216g(有効成分換算)添加した。30分撹拌した後に、70℃まで昇温し1時間撹拌した。その後、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシルメチル化したパルプを得た。その後、カルボキシメチル化したパルプを水で固形分1%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、150MPaの圧力で5回処理することにより解繊し、カルボキシメチル化セルロース繊維とした。得られた繊維は、平均繊維径が50nm、アスペクト比が120であった。
<グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度の測定方法>
カルボキシメチル化セルロース繊維(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CM化セルロース)を水素型CM化セルロースにした。水素型CM化セルロース(絶乾)を1.5〜2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLで水素型CM化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定した。カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出した:
A=[(100×F’−(0.1NのHSO)(mL)×F)×0.1]/(水素型CM化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:水素型CM化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのHSOのファクター
F:0.1NのNaOHのファクター。
<平均繊維径、アスペクト比の測定方法>
アニオン変性CNFの平均繊維径および平均繊維長は、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、ランダムに選んだ200本の繊維について解析した。なおアスペクト比は下記の式により算出した:
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径。

<凝集物の評価>
無機添加剤を添加して凝集が生じた場合は3、粘度に変化があった場合は2、変化が
(実施例1)
<濃縮物の製造および評価>
アニオン変性CNFとして、上記のカルボキシル化CNF(カルボキシル基量:1.6mmol/g、平均繊維径:40nm、アスペクト比:150)を用いた。このアニオン変性CNFの0.5質量%水性懸濁液に、硫酸アルミニウム水溶液(固形分5%)を、アニオン変性CNFに対して5質量%添加し、TKホモミキサー(600rpm)で5分間攪拌することにより、アニオン変性CNFの凝集物の分散液を調製した。
凝集物の分散液を遠心分離(10,000×g,15分)で濃縮した。遠心分離によって得られた濃縮物の固形分が10質量%以上の場合は3、5%質量以上10%未満の場合は2、5質量%未満の場合は1と評価した。


<濃縮物の再分散>
次に、上記で得られた濃縮物の再分散性を評価するために、濃縮物にpH8の1質量%水性懸濁液になるように水および水酸化ナトリウム水溶液(1%)を添加し、TKホモミキサー(6,000rpm)で60分間撹拌することによりアニオン変性CNFを再分散した水分散/懸濁液を得た。
<チキソトロピー性の測定>
アニオン変性CNFを再分散させた水分散/懸濁液について、撹拌直後のB型粘度(回転数30rpm、3分間)と、一日静置した後のB型粘度(回転数30rpm、3分間)を測定し、その比をとって比が2以上の場合は3、1.5以上2未満の場合は2、1より大きく1.5未満の場合は1と評価した。
<透明性の復元性>
目視による評価で、無機系凝集剤の添加によって生じた凝集物が残っていない場合は3、凝集物によって白濁している場合は2、凝集物が明らかに残っている場合は1と評価した。
(実施例2)
<乾燥固形物の製造>
実施例1の濃縮物に、水酸化ナトリウム水溶液(1%)を加え、再分散時のpHが8になるように調整した後、105℃の送風乾燥機にて重量が恒量になるまで乾燥させ、アニオン変性CNFの乾燥固形物を得た。
その後の再分散評価は実施例1と同様にして行った。
(実施例3)
再分散時のpHが12になるように調整した以外は実施例1と同様にして行った。
(実施例4)
アニオン変性CNFをアニオン変性CNFとして、上で得られたCM化CNF(カルボキシメチル置換度:0.25、平均繊維径:50nm、アスペクト比:120)を用いた以外は実施例1と同様にして行った。
(実施例5)
アニオン変性CNFをアニオン変性CNFとして、上で得られたCM化CNF(カルボキシメチル置換度:0.25、平均繊維径:50nm、アスペクト比:120)を用いた以外は実施例2と同様にして行った。
(実施例6)
再分散時のpHが9になるように調整した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例7)
再分散時のpHが9になるように調整した以外は実施例5と同様にして行った。
(実施例8)
再分散時のpHが12になるように調整した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例9)
再分散時のpHが12になるように調整した以外は実施例5と同様にして行った。
(実施例10)
再分散時のpHが13になるように調整した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例11)
無機系凝集剤に塩化アルミニウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例12)
無機系凝集剤に塩化第二鉄を用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例13)
無機系凝集剤に硫酸カリウムアルミニウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例14)
無機系凝集剤の添加量をアニオン変性CNFに対して1質量%添加した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例15)
無機系凝集剤の添加量をアニオン変性CNFに対して3質量%添加した以外は実施例4と同様にして行った。
(実施例16)
無機系凝集剤の添加量をアニオン変性CNFに対して10質量%添加した以外は実施例4と同様にして行った。

(比較例1、2)
濃縮物の製造において、硫酸アルミニウムを添加しなかった以外は実施例1及び4と同様にして行った。
(比較例3)
無機系凝集剤に塩化カルシウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(比較例4)
無機系凝集剤にメタクリル酸カルシウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(比較例5)
無機系凝集剤に炭酸水素ナトリウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(比較例6)
無機系凝集剤に硫酸ナトリウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
(比較例7)
無機系凝集剤にグルコン酸ナトリウムを用いた以外は実施例4と同様にして行った。
結果を表1に示す。また、アニオン変性CNFに硫酸アルミニウムを0質量%(比較例2)、1質量%(実施例14)、3質量%(実施例15)、5質量%(実施例4)、10質量%(実施例16)添加した際のアニオン変性CNFと無機系凝集剤との凝集物を図1に示す。
Figure 2016186018

Claims (6)

  1. アニオン変性セルロースナノファイバーに対して、無機系凝集剤を1〜10質量%含有していることを特徴とするアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
  2. 前記アニオン変性セルロースナノファイバーが、アニオン変性セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.6mmol/g〜2.0mmol/gであるカルボキシル化セルロースナノファイバーであることを特徴とする請求項1に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
  3. 前記アニオン変性セルロースナノファイバーが、アニオン変性セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50であるカルボキシメチル化セルロースナノファイバーであることを特徴とする請求項1に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
  4. 前記無機系凝集剤がアルミニウム塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物。
  5. 請求項1〜4に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を、pH8〜12の溶液に分散させたアニオン変性セルロースナノファイバー分散液。
  6. 請求項1〜4に記載のアニオン変性セルロースナノファイバーの濃縮物を、pH8〜12の溶液に分散させることを特徴とするアニオン変性セルロースナノファイバー分散液の製造方法。
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