JP2018135401A - ラベル用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着性が良好であり、耐水性に優れるとともに、アルカリ洗浄性に優れたラベル用接着剤を提供する。【解決手段】ビニルアルコール系共重合体を含有するラベル用接着剤であって、前記ビニルアルコール系共重合体が、主鎖にラクトン環を含む構造単位(1)と、側鎖にカルボン酸又はその塩を含む構造単位(2)とを有し、前記接着剤に含まれる全単量体単位に対して構造単位(1)と構造単位(2)の合計が0.2〜20モル%であり、構造単位(1)と構造単位(2)とのモル比が2以上であるラベル用接着剤。更にシリル基を有する構造単位(3)を全単量体単位に対して0.01〜3モル%含む、ラベル用接着剤。【選択図】なし
Description
本発明はラベル用接着剤に関する。さらに詳しくは、ガラス瓶等の容器に貼り付けるラベルに塗工される接着剤であって、接着力が高く、冷水に浸漬した際の耐水接着性(以下、耐水性と略記する)が良好で、かつガラス瓶を洗浄する際の熱アルカリ水によるラベルの易剥離性(以下、アルカリ洗浄性と略記する)が良好な水性接着剤に関する。
ビール等の飲料充填用ガラス瓶に用いるラベル用接着剤は、一般的に耐水性およびアルカリ洗瓶性を有する必要がある。従来、このような性能を有する接着剤として、カゼインを主成分とするカゼイン系接着剤が使用されてきたが、カゼインは天然物であるため品質が不安定であり、また腐敗しやすいという欠点があった。そのため、カゼインに他の成分を混合した接着剤やカゼインを使用しない接着剤が知られている。
例えば、特許文献1は、カゼインにカルボン酸系水溶性樹脂を混合した接着剤を開示し、特許文献2は、カゼインにポリエステル系樹脂および発泡剤を混合した接着剤を開示している。しかし、これらのカゼイン系接着剤はカゼインの使用量を低減することができるが、カゼインの持つ品質安定性や腐敗などの問題を抜本的に解決するものではない。また、カゼインを使用しない接着剤としては澱粉系接着剤、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記することがある)系接着剤、水性エマルジョン系接着剤なども検討されているが(特許文献3〜6)、これらの接着剤は、カゼインを主成分とする接着剤と比較して、耐水性およびアルカリ洗浄性が悪いという欠点があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、接着性が良好であり、耐水性に優れるとともに、アルカリ洗浄性に優れたラベル用接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、特定の官能基を含む変性ポリビニルアルコールを主成分として含有することによって、良好な接着性、優れた耐水性、優れたアルカリ洗浄性を奏するラベル用接着剤が得られることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題は、ビニルアルコール系共重合体を含有するラベル用接着剤であって、前記ビニルアルコール系共重合体が、下記式で示される構造単位(1)と、下記式で示される構造単位(2)とを含み、前記接着剤に含まれる全単量体単位に対して構造単位(1)と構造単位(2)の合計が0.2〜20モル%であり、構造単位(1)と構造単位(2)とのモル比が2以上であることを特徴とするラベル用接着剤を提供することによって解決される。
[式(1)中、Xは水素原子又はメチル基である。]
[式(2)中、Xは水素原子又はメチル基であり、Yは水素原子又はアルカリ金属原子である。]
このとき、前記接着剤に含まれる全単量体単位に対して、シリル基を有する構造単位(3)を0.01〜3モル%含むことが好適であり、前記ビニルアルコール系共重合体に、シリル基を有する構造単位(3)を含むビニルアルコール系共重合体が混合されてなることが好適である。構造単位(1)と構造単位(3)のモル比が、99.8/0.2〜53/47であることが好適であり、前記ビニルアルコール系共重合体100質量部に対して、フィラーを10〜500質量部含むことが好適である。
本発明により、接着性が良好であり、耐水性に優れるとともに、アルカリ洗浄性に優れたラベル用接着剤を提供することができる。
本発明のラベル用接着剤は、ビール瓶等に対する接着性が良好であり、耐水性に優れるため、冷水中では充分な接着性があり、かつビール瓶等を再利用する際のアルカリ洗浄性に優れたラベルが得られる。以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のラベル用接着剤は、ラクトン環を含むビニルアルコール系共重合体(以下、ラクトン環含有PVAと略記することがある)を含有することを特徴とする。本発明で用いられるラクトン環含有PVAは、下記式で示される構造単位(1)と、下記式で示される構造単位(2)とを含み、前記接着剤に含まれる全単量体単位に対して構造単位(1)と構造単位(2)の合計が0.2〜20モル%であり、構造単位(1)と構造単位(2)とのモル比が2以上である。下記構造単位(2)におけるYは、水素原子又はアルカリ金属原子であるが、アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウムが好適であり、ナトリウムがより好適である。
本発明で用いられるラクトン環含有PVAとしては、接着剤に含まれる全単量体単位に対して構造単位(1)と構造単位(2)の合計が0.2〜20モル%であり、構造単位(1)と構造単位(2)とのモル比が2以上であることが特に重要である。このことにより、接着性が良好であり、耐水性に優れ、アルカリ洗浄性に優れたラベル用接着剤を提供することができる。接着剤に含まれる全単量体単位に対する構造単位(1)と構造単位(2)の合計が0.2モル%未満の場合、アルカリ洗浄性が低下してしまうため、前記合計は0.5モル%以上であることが好ましく、0.8モル%以上であることがより好ましい。一方、耐水性が良好である観点から、接着剤に含まれる全単量体単位に対する構造単位(1)と構造単位(2)の合計は、15モル%以下であることが好ましい。また、本発明において、構造単位(1)と構造単位(2)とのモル比が2未満の場合、すなわち、ラクトン環を有する構造単位(1)のモル数とカルボキシル基又はその塩を有する構造単位(2)のモル数が同程度、あるいは構造単位(2)のモル数の方が構造単位(1)よりも大きくなると、耐水性が低下してしまう。かかる観点から、構造単位(1)と構造単位(2)とのモル比は、4以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。
本発明で用いられるラクトン環含有PVAは、酢酸ビニルエステルとカルボニル基を有するモノマーとを公知の方法で共重合し、得られた共重合体を既知の方法でけん化した後に洗浄処理、加熱処理することにより得ることができる。さらには、前記けん化後に酸処理により中和し、洗浄処理、加熱処理することにより効率良く得ることができる。構造単位(1)と構造単位(2)とのモル比を2以上にするためには、加熱処理をすることが重要である。加熱処理する方法としては特に限定されず、熱風乾燥機、回転式乾燥機等を用いることが好ましい。加熱温度としては、60〜150℃であることが好ましく、80〜150℃であることがより好ましい。
上記の方法において用いられるビニルエステルとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて酢酸ビニルが好ましい。また上記の方法において用いられるカルボニル基を有するモノマーの具体的な例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびこれらカルボン酸のアルキルエステルが好適に用いられる。前記アルキルエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル等が好適に用いられる。また、これらのカルボン酸およびエステルを一部または全部中和したカルボン酸塩も好適に用いられる。また、側鎖にラクトン環を含むビニルモノマーを用いても良い。
本発明で用いられるラクトン環含有PVAのけん化度は70〜100モル%が好ましい。けん化度が70モル%未満の場合、水溶性が低下し、またガラスとの接着性が低下するおそれがあり、85モル%以上であることがより好ましい。一方、接着剤の保存安定性が良好である観点から、けん化度は99.5モル%以下であることがより好ましい。重合度としては100〜4000が好ましい。重合度が100未満の場合、接着力および耐水性が低下するおそれがあり、300以上であることがより好ましい。一方、重合度が4000を超える場合、粘度が高くなり過ぎて取り扱い性や保管時の粘度安定性が低下するおそれがあり、3500以下であることがより好ましい。
また、ラクトン環の含有量、すなわち、構造単位(1)の含有量としては、0.2〜15モル%が好ましい。ラクトン環の含有量が0.2モル%未満の場合、アルカリ洗浄性が低下するおそれがあり、0.5モル%以上であることがより好ましい。一方、ラクトン環の含有量が15モル%を超える場合、水溶性が低下するおそれがあり、10モル%以下であることがより好ましい。
本発明で用いられるラクトン環含有PVAは本発明の主旨を妨げない程度に少量の他の成分を分子内に含んでいても何ら差しつかえない。
本発明のラベル用接着剤には、耐水性をより向上させる観点から、前記接着剤に含まれる全単量体単位に対して、シリル基を有する構造単位(3)を0.01〜3モル%含むことが好ましい。前記シリル基を有する構造単位(3)の含有量が0.01モル%未満の場合、耐水性を向上させることが困難となるおそれがあり、0.05モル%以上であることがより好ましい。一方、前記シリル基を有する構造単位(3)の含有量が3モル%を超える場合、接着剤の保存安定性に劣るおそれがあり、2モル%以下であることがより好ましい。
後述するように、ラクトン環含有PVAの分子内に更にシリル基を有する構造単位(3)が含有されていても良いし、ラクトン環含有PVAに更に、分子内にシリル基を有する構造単位(3)を含むビニルアルコール系共重合体(以下、シリル基含有PVAと略記することがある)が混合されていても良い。生産性が良好である観点から、ラクトン環含有PVAに、シリル基含有PVAが混合されてなるラベル用接着剤であることが本発明の好適な実施態様である。すなわち、ビニルアルコール系共重合体を含有するラベル用接着剤であって、前記ビニルアルコール系共重合体が、上記式で示される構造単位(1)と、上記式で示される構造単位(2)とを含み、前記ビニルアルコール系共重合体に、更にシリル基を有する構造単位(3)を含むビニルアルコール系共重合体が混合されてなり、前記接着剤に含まれる全単量体単位に対して構造単位(1)と構造単位(2)の合計が0.2〜20モル%であり、構造単位(1)と構造単位(2)とのモル比が2以上であり、前記接着剤に含まれる全単量体単位に対して、シリル基を有する構造単位(3)を0.01〜3モル%含むラベル用接着剤であることが本発明の好適な実施態様である。なお、本発明で用いられるビニルアルコール系共重合体において、上記構造単位(1)、(2)及び(3)以外の構成成分は、主としてビニルアルコール単位である。本発明において、構造単位(1)、(2)、(3)及びビニルアルコール単位以外の構成成分は、通常10モル%以下である。
シリル基含有PVAとしては、分子内にケイ素を含むものであればいずれでも良いが、分子内に含有されるシリル基がアルコキシシリル基あるいはアシロキシシリル基あるいはこれらの加水分解物であるシラノール基またはその塩等の反応性置換基を有しているものが特に好ましい。
分子内にシリル基を含有する変性PVAの製造方法としては、PVAにシリル化剤を用いて後変性によりシリル基を導入する方法、ビニルエステルとシリル基を有するモノマーとの共重合体をケン化する方法、シリル基を有するメルカプタンの存在下でビニルエステルを重合することによって得られる末端にシリル基を有するポリビニルエステルをケン化する方法が挙げられる。
PVAにシリル化剤を用いて後変性する方法としては、例えば、シリル化剤と反応しない有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、エーテル又はアセトンなどにシリル化剤を溶解させ、該溶液中に粉末状PVAを撹拌下に懸濁させ、常温からシリル化剤の沸点の範囲の温度においてシリル化剤とPVAを反応させることによって得ることができる。後変性において用いられるシリル化剤としては、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、ジフェニルジクロルシラン、トリエチルフルオルシラン等のオルガノハロゲンシラン、トリメチルアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシランなどのオルガノシリコンエステル、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどのオルガノアルコキシシラン、トリメチルシラノール、ジエチルシランジオール等のオルガノシラノール、N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキルシラン、トリメチルシリコンイソシアネート等のオルガノシリコンイソシアネート等が挙げられる。シリル化剤の導入率すなわち変性度は用いられるシリル化剤の量、反応時間によって任意に調節することができる。シリル基含有変性PVAの重合度、けん化度は、用いられるPVAの重合度、けん化度によって任意に調節することができる。
ビニルエステルとシリル基を有するモノマーとの共重合体をけん化する方法としては、例えば、ビニルエステルとシリル基を有するモノマーとを公知の方法で共重合し、得られた共重合体を既知の方法でけん化せしめることによってシリル基含有変性PVAを得ることができる。上記の方法において用いられるシリル基を有するモノマーとしては下記式(3)で示されるビニルシラン、下記式(4)で示される(メタ)アクリルアミド−アルキルシランが挙げられる。
上記式(3)で示されるビニルシランの具体例としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルジメチルアセトキシシラン、ビニルイソブチルジメトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリヘキシロキシシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシシラン、ビニルジメトキシオクチロキシシラン、ビニルメトキシジオクチロキシシラン、ビニルトリオクチロキシシラン、ビニルメトキシジラウリロキシシラン、ビニルジメトキシラウリロキシシラン、ビニルメトキシジオレイロキシシラン、ビニルジメトキシオレイロキシシラン、更には下記式(5)で表されるポリエチレングリコール化ビニルシラン等が挙げられる。
上記式(4)で示される(メタ)アクリルアミド−アルキルシランの具体例としては、例えば、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルエチルトリメトキシシラン、N−(2−(メタ)アクリルアミド−エチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリアセトキシシラン、2−(メタ)アクリルアミド−エチルトリメトキシシラン、1−(メタ)アクリルアミド−メチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルジメチルメトキシシラン、3−(N−メチル−(メタ)アクリルアミド)−プロピルトリメトキシシラン、3−((メタ)アクリルアミド−メトキシ)−3−ハイドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−((メタ)アクリルアミド−メトキシ)−プロピルトリメトキシシラン、ジメチル−3−(メタ)アクリルアミド−プロピル−3−(トリメトキシシリル)−プロピルアンモニウムクロライド、ジメチル−2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピル−3−(トリメトキシシリル)プロピルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
またシリル基を有するメルカプタンの存在下でビニルエステルを重合することによって得られる末端にシリル基を有するポリビニルエステルをけん化する方法としては、例えば、ビニルエステルをラジカル開始剤を用いて重合せしめる際、シリル基を有するメルカプタンを重合系に一括または分割あるいは連続して添加し、重合系中にシリル基を有するメルカプタンを存在せしめ、メルカプタンへの連鎖移動によって末端にシリル基を有するポリビニルエステルを生成せしめた後、該ポリビニルエステルのアルコール溶液にアルカリあるいは酸触媒を加えて該ポリビニルエステルをけん化せしめることによってシリル基を有する変性PVAを得ることができる。
上記方法で用いられるシリル基を有するメルカプタンとしては、3−(トリメトキシシリル)−プロピルメルカプタン等を使用することができる。上記方法で変性PVAを製造するにあたっては、この方法で用いられるビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体を少割合で存在させることも可能である。
本発明において使用される分子内にシリル基を含有する変性PVAの上述した3つの製造方法においては、ビニルエステルとシリル基を有するモノマーとの共重合体をけん化する方法およびシリル基を有するメルカプタンの存在下でビニルエステルを重合して得られる末端にシリル基を有するポリビニルエステルをけん化する方法が工業的製造の容易性および得られる変性PVAの均質性の点で好ましい。本発明においてPVA中のシリル基の含有量、けん化度あるいは重合度は目的に応じて適宜選択される。シリル基は比較的少量の含有率でも効果が発揮され、通常シリル基を含む単量体単位として、0.01〜3モル%、好ましくは0.05〜2.5モル%の範囲から選ばれる。
本発明で用いられるラクトン環含有PVAは、分子内に更にシリル基を含有しても良く、その製造方法としては、ラクトン環含有PVAにシリル化剤を用いて後変性によりシリル基を導入する方法、ビニルエステル、カルボニル基を有するモノマー、およびシリル基を有するモノマーとの共重合体をけん化する方法、シリル基を有するメルカプタンの存在下でビニルエステル及びカルボニル基を有するモノマーを重合することによって得られる変性ポリビニルエステルをけん化する方法が挙げられる。
これらの製造方法では、前記のシリル化剤、カルボニル基を有するモノマー、シリル基を有するモノマー、およびシリル基を有するメルカプタンを組み合わせて使用することができる。
本発明のラベル用接着剤に使用される変性ポリビニルアルコールにおけるラクトン環とシリル基のモル比(ラクトン環/シリル基)は、99.8/0.2〜53/47であることが好ましく、99.6/0.4〜74/26がより好ましく、99.0/1.0〜86/14が特に好ましい。ラクトン環とシリル基のモル比が、99.8/0.2を超える場合は、冷水耐水性が劣るおそれがある。一方、ラクトン環とシリル基のモル比が53/47未満の場合はアルカリ洗浄性が劣るおそれがある。
本発明で用いられるフィラーとしては、カオリナイト、ハロサイト、パイロフェライト、セリサイトなどのクレーまたはタルク、シリカ、重質および軽質または表面処理された炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、石膏、酸化チタン、けいそう土、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ゼオライト、酸化亜鉛、リトボン、サチンホワイト、けい酸、けい酸カルシウム、けい酸アルミニウム、マイカ、炭酸マグネシウムなどの無機物ならびにプラスチックピグメント、ベンゾグアナミン樹脂、アクリル樹脂などの有機物等から選ばれた1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらのの中でも、アルカリ洗浄性の点でクレーがフィラーとして最も好適に用いられる。
本発明のラベル用接着剤に使用されるフィラーの配合量は、ビニルアルコール系共重合体100質量部に対して10〜500質量部が好ましく、20〜450質量部がより好ましく、25〜400質量部が特に好ましい。フィラーの配合量が10質量部未満の場合は、初期接着力に劣るおそれがある。一方、フィラーの配合量が500質量部を超える場合は、常態接着力に劣るおそれがある。
本発明のラベル用接着剤には、必要に応じてシックナー、消泡剤、防腐剤、防黴剤、粘度安定剤、着色顔料、消臭剤、香料なども添加することができる。また、凍結防止剤や柔軟性付与剤としてメタノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類を添加してもよい。
本発明のラベル用接着剤の製造方法としては、ラクトン環含有PVA、シリル基含有PVA及びフィラー、さらに必要に応じて他の添加物を予め混合したものを撹拌しながら水中に投入することにより製造してもよいし、ラクトン環含有PVAとシリル基含有PVAとを含むPVA水溶液を予め作製した後に、フィラーを含む分散液と混合することにより製造してもよい。また、ラクトン環含有PVA、シリル基含有PVA、フィラー、他の添加剤を逐次撹拌しながら水に投入してスラリー液を作製した後、ジェットクッカーや調整槽でこのスラリー液に蒸気を直接吹込む加熱方式あるいはジャケットによる間接加熱方式のような任意の加熱方式によって加熱溶解した後、冷却することにより製造してもよい。こうして得られるラベル用接着剤は、ラクトン環含有PVAとシリル基含有PVAを主成分とする水溶液中にフィラーが粒子状で存在する混合物である。本発明のラベル用接着剤が用いられるラベルとしては、紙、加工紙(例えば、アルミ蒸着、アルミラミネート、ワニス加工、樹脂加工など施された紙)、合成紙などの紙類によって作製されるラベルが対象となる。他方の被着体はガラス瓶であり、中でも飲料用ガラス瓶が好適である。
以下実施例により本発明をより具体的に説明するが本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお以下で「部」または「%」は特にことわりのない限り「質量部」または「質量%」を意味する。なお、以下の実施例および比較例における接着剤の初期接着力、常態接着力、冷水耐水性、アルカリ洗浄性を以下に示す方法により評価した。
(初期接着力)
予め洗浄乾燥したガラス板(10cm×10cm、厚さ2mm)を40℃に予熱しておき、ラベル紙に接着剤をバーコーターを用いて塗布する。塗布量は固形分として8−15g/m2とした。このラベル紙を上記ガラス板に接着し、直ちにゴムローラーで軽く圧着してテストピースをつくり、30秒後にオートグラフ(島津製作所(株)製DCS−100型)を用いて500mm/分の引張速度で180゜剥離を行い、初期接着力を測定した。その結果を以下の基準に従って評価した。
A:ラベル紙とガラス板との界面剥離は全くなく、ラベル紙の材破だけが起きる。
B:ラベル紙の接着面積のうち30%以上90%以下がラベル紙の材破が起きる。
C:ラベル紙の接着面積のうち5%以上30%未満がラベル紙の材破が起きる。
D:ラベル紙の材破は全く起こらず、ラベル紙とガラス板の界面剥離だけが起きる。
予め洗浄乾燥したガラス板(10cm×10cm、厚さ2mm)を40℃に予熱しておき、ラベル紙に接着剤をバーコーターを用いて塗布する。塗布量は固形分として8−15g/m2とした。このラベル紙を上記ガラス板に接着し、直ちにゴムローラーで軽く圧着してテストピースをつくり、30秒後にオートグラフ(島津製作所(株)製DCS−100型)を用いて500mm/分の引張速度で180゜剥離を行い、初期接着力を測定した。その結果を以下の基準に従って評価した。
A:ラベル紙とガラス板との界面剥離は全くなく、ラベル紙の材破だけが起きる。
B:ラベル紙の接着面積のうち30%以上90%以下がラベル紙の材破が起きる。
C:ラベル紙の接着面積のうち5%以上30%未満がラベル紙の材破が起きる。
D:ラベル紙の材破は全く起こらず、ラベル紙とガラス板の界面剥離だけが起きる。
(常態接着力)
前記の初期接着力測定用テストピースと同様の方法で塗布、圧着した後、40℃で24時間乾燥後のテストピースを20℃、65%RH下で3日間放置後にオートグラフで同様の条件で180゜剥離を行い、常態接着力を測定した。その結果を前記初期接着力と同様の基準に従って評価した。
前記の初期接着力測定用テストピースと同様の方法で塗布、圧着した後、40℃で24時間乾燥後のテストピースを20℃、65%RH下で3日間放置後にオートグラフで同様の条件で180゜剥離を行い、常態接着力を測定した。その結果を前記初期接着力と同様の基準に従って評価した。
(冷水耐水性)
前記の常態接着力測定用テストピースと同様の方法で作製したテストピースを10℃の冷水(温度むらをなくすために、ゆっくりと冷水の撹拌を継続)に浸漬し、30日後に冷水中からテストピースを取り出し、ガラス板面とラベル紙との冷水耐水性を指で剥離することにより測定した。その結果を以下の基準に従って評価した。
A:全面接着しており、指で剥離するとラベル紙の材破だけが起きる。
B:全面接着しており、指で剥離するとラベル紙とガラス板との界面剥離が起きる。
C:ラベル紙とガラス板が取り出したときに一部剥離しており、軽い力で界面剥離が起きる。
D:ラベル紙とガラス板が界面剥離しており、取り出した時にラベル紙が全面剥離する。
前記の常態接着力測定用テストピースと同様の方法で作製したテストピースを10℃の冷水(温度むらをなくすために、ゆっくりと冷水の撹拌を継続)に浸漬し、30日後に冷水中からテストピースを取り出し、ガラス板面とラベル紙との冷水耐水性を指で剥離することにより測定した。その結果を以下の基準に従って評価した。
A:全面接着しており、指で剥離するとラベル紙の材破だけが起きる。
B:全面接着しており、指で剥離するとラベル紙とガラス板との界面剥離が起きる。
C:ラベル紙とガラス板が取り出したときに一部剥離しており、軽い力で界面剥離が起きる。
D:ラベル紙とガラス板が界面剥離しており、取り出した時にラベル紙が全面剥離する。
(アルカリ洗浄性)
前記の常態接着力測定用テストピースと同様の方法で作製したテストピースを70℃の2%NaOH水溶液中で接着面が垂直になるように浸漬し保持した。その5分後にNaOH水溶液中からテストピースを取り出し、ガラス板面とラベル紙との冷水耐水性を指で剥離することにより測定した。
A:ラベル紙とガラス板が界面剥離しており、取り出した時にラベル紙が全面剥離する。
B:ラベル紙とガラス板が取り出したときに一部剥離しており、軽い力で界面剥離が起きる。
C:全面接着しており、指で剥離するとラベル紙とガラス板との界面剥離が起きる。
D:全面接着しており、指で剥離するとラベル紙の材破だけが起きる。
前記の常態接着力測定用テストピースと同様の方法で作製したテストピースを70℃の2%NaOH水溶液中で接着面が垂直になるように浸漬し保持した。その5分後にNaOH水溶液中からテストピースを取り出し、ガラス板面とラベル紙との冷水耐水性を指で剥離することにより測定した。
A:ラベル紙とガラス板が界面剥離しており、取り出した時にラベル紙が全面剥離する。
B:ラベル紙とガラス板が取り出したときに一部剥離しており、軽い力で界面剥離が起きる。
C:全面接着しており、指で剥離するとラベル紙とガラス板との界面剥離が起きる。
D:全面接着しており、指で剥離するとラベル紙の材破だけが起きる。
(PVA−1の合成)
撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管および還流冷却器を付した反応器に、酢酸ビニル1350g、メタノール450g、コモノマーとしてアクリル酸メチル(MA)2.22gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gを添加し重合を開始した。MAの20%メタノール溶液167部を定量ポンプを用いて連続的に供給しながら、60℃で220分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は36%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル/アクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液(濃度30.8%)を得た。25%に調整した該溶液にアルカリモル比(NaOHのモル数/変性PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0.03となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加した。添加後約3分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で57分間放置してけん化を進行させた後、0.5Nの酢酸を加えて中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール500gを加えて加熱還流した。上記の洗浄操作を5回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させた。次いで、熱風乾燥機中で120℃にて5時間熱処理を行うことで、表1に示す組成のラクトン環を含有するPVA−1を得た。PVA−1の粘度平均重合度およびけん化度をJIS K6726に準じて測定したところ、重合度は1590、けん化度は92モル%であった。また、1H−NMRによりPVA−1のラクトン環量を定量した結果、5.1モル%であった。カルボン酸は検出できなかった。
撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管および還流冷却器を付した反応器に、酢酸ビニル1350g、メタノール450g、コモノマーとしてアクリル酸メチル(MA)2.22gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gを添加し重合を開始した。MAの20%メタノール溶液167部を定量ポンプを用いて連続的に供給しながら、60℃で220分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は36%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル/アクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液(濃度30.8%)を得た。25%に調整した該溶液にアルカリモル比(NaOHのモル数/変性PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0.03となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加した。添加後約3分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で57分間放置してけん化を進行させた後、0.5Nの酢酸を加えて中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール500gを加えて加熱還流した。上記の洗浄操作を5回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させた。次いで、熱風乾燥機中で120℃にて5時間熱処理を行うことで、表1に示す組成のラクトン環を含有するPVA−1を得た。PVA−1の粘度平均重合度およびけん化度をJIS K6726に準じて測定したところ、重合度は1590、けん化度は92モル%であった。また、1H−NMRによりPVA−1のラクトン環量を定量した結果、5.1モル%であった。カルボン酸は検出できなかった。
(PVA−2およびPVA−3の合成)
モノマーの種類、けん化時のアルカリモル比を表1に記載の内容に変更した以外は、PVA−1と同様の合成方法により、PVA−2およびPVA−3を得た。重合度、けん化度、ラクトン環量、カルボン酸量の定量結果を表1に示す。
モノマーの種類、けん化時のアルカリモル比を表1に記載の内容に変更した以外は、PVA−1と同様の合成方法により、PVA−2およびPVA−3を得た。重合度、けん化度、ラクトン環量、カルボン酸量の定量結果を表1に示す。
(PVA−4の合成)
撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管および還流冷却器を付した反応器中に酢酸ビニル1300g、メタノール557g、コモノマーとしてビニルトリエトキシシラン2.5gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3gを含むメタノール溶液50mlを添加し重合を開始した。60℃で220分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は30%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、変性ビニルエステルのメタノール溶液(濃度27.1%)を得た。25%に調整した該溶液にアルカリモル比(NaOHのモル数/変性PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0.02となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加した。添加後約5分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で55分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル200質量部を加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール500gを加えて加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させ、シリル基を有するPVA−4を得た。PVA−4の粘度平均重合度およびけん化度をJIS K6726に準じて測定したところ、重合度は1750、けん化度は98.5モル%であった。PVA−4を無水酢酸を用いて再酢化した後、1H−NMRによりシリル基量を定量した結果、シリル基変性量は0.2モル%であった。
撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管および還流冷却器を付した反応器中に酢酸ビニル1300g、メタノール557g、コモノマーとしてビニルトリエトキシシラン2.5gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3gを含むメタノール溶液50mlを添加し重合を開始した。60℃で220分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は30%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、変性ビニルエステルのメタノール溶液(濃度27.1%)を得た。25%に調整した該溶液にアルカリモル比(NaOHのモル数/変性PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0.02となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加した。添加後約5分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で55分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル200質量部を加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール500gを加えて加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させ、シリル基を有するPVA−4を得た。PVA−4の粘度平均重合度およびけん化度をJIS K6726に準じて測定したところ、重合度は1750、けん化度は98.5モル%であった。PVA−4を無水酢酸を用いて再酢化した後、1H−NMRによりシリル基量を定量した結果、シリル基変性量は0.2モル%であった。
(PVA−5の合成)
撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管および還流冷却器を付した反応器に、酢酸ビニル1350g、メタノール450g、コモノマーとしてマレイン酸モノメチル(MMM)10.4gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.4gを添加し重合を開始した。MMMの20%メタノール溶液370gを定量ポンプを用いて連続的に供給しながら、60℃で220分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル/マレイン酸モノメチルのメタノール溶液(濃度35.1%)を得た。30%に調整した該溶液にアルカリモル比(NaOHのモル数/変性PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0.03となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加した。添加後約5分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で55分間放置してけん化を進行させた後、0.5Nの酢酸を加えて中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノールを加えて加熱還流した。上記の洗浄操作を5回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させた。次いで、熱風乾燥機中で120℃にて5時間熱処理を行うことでPVA−5を得た。PVA−5の粘度平均重合度およびけん化度をJIS K6726に準じて測定したところ、重合度は1570、けん化度は98.0モル%であった。また、PVA−5の1H−NMRによる分析の結果、ラクトン環量は5.0モル%、カルボン酸量は5.0モル%であった。
撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管および還流冷却器を付した反応器に、酢酸ビニル1350g、メタノール450g、コモノマーとしてマレイン酸モノメチル(MMM)10.4gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.4gを添加し重合を開始した。MMMの20%メタノール溶液370gを定量ポンプを用いて連続的に供給しながら、60℃で220分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル/マレイン酸モノメチルのメタノール溶液(濃度35.1%)を得た。30%に調整した該溶液にアルカリモル比(NaOHのモル数/変性PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0.03となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加した。添加後約5分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で55分間放置してけん化を進行させた後、0.5Nの酢酸を加えて中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノールを加えて加熱還流した。上記の洗浄操作を5回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させた。次いで、熱風乾燥機中で120℃にて5時間熱処理を行うことでPVA−5を得た。PVA−5の粘度平均重合度およびけん化度をJIS K6726に準じて測定したところ、重合度は1570、けん化度は98.0モル%であった。また、PVA−5の1H−NMRによる分析の結果、ラクトン環量は5.0モル%、カルボン酸量は5.0モル%であった。
(実施例1)
温度計を備えた撹拌機付きセパラブルフラスコにPVA−1およびPVA−4を表2に記載の割合で混合し、必要量の水を添加後、攪拌しつつ95℃に昇温し、1時間保持することで濃度12質量%のPVA水溶液を得た。別途、クレー「UW−90」(エンゲルハード社製)に必要量の水を添加してホモミキサーで分散処理し、濃度50質量%の分散液を得た。次いで、PVA−1、PVA−4およびクレーが表2の配合比になる様に混合して攪拌し、均質なラベル用接着剤を得た。得られた接着剤の初期接着力、常態接着力、冷水耐水性、アルカリ洗浄性および臭気を評価した。得られた評価結果を表2に示す。
温度計を備えた撹拌機付きセパラブルフラスコにPVA−1およびPVA−4を表2に記載の割合で混合し、必要量の水を添加後、攪拌しつつ95℃に昇温し、1時間保持することで濃度12質量%のPVA水溶液を得た。別途、クレー「UW−90」(エンゲルハード社製)に必要量の水を添加してホモミキサーで分散処理し、濃度50質量%の分散液を得た。次いで、PVA−1、PVA−4およびクレーが表2の配合比になる様に混合して攪拌し、均質なラベル用接着剤を得た。得られた接着剤の初期接着力、常態接着力、冷水耐水性、アルカリ洗浄性および臭気を評価した。得られた評価結果を表2に示す。
(実施例2〜5)
変性PVA(A)、変性PVA(B)およびフィラー(C)の種類と配合比を表2に記載の内容に変更した以外は実施例1と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られた接着剤の各種評価結果を表2に示す。
変性PVA(A)、変性PVA(B)およびフィラー(C)の種類と配合比を表2に記載の内容に変更した以外は実施例1と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られた接着剤の各種評価結果を表2に示す。
(比較例1)
無変性ポリビニルアルコールであるPVA117(株式会社クラレ製)をPVA−1の代わりに用い、表3に記載された配合比で調製した以外は実施例1と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られたラベル用接着剤の評価結果を表3に示す。
無変性ポリビニルアルコールであるPVA117(株式会社クラレ製)をPVA−1の代わりに用い、表3に記載された配合比で調製した以外は実施例1と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られたラベル用接着剤の評価結果を表3に示す。
(比較例2)
PVA−1に対し、ラクトン環量の1.2倍当量の0.5NNaOHを添加し、48時間放置させることで全量ラクトン環を開環させたPVA−1開環物をPVA−1の代わりに用い、表3に記載された配合比で調製した以外は実施例1と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られたラベル用接着剤の評価結果を表3に示す。
PVA−1に対し、ラクトン環量の1.2倍当量の0.5NNaOHを添加し、48時間放置させることで全量ラクトン環を開環させたPVA−1開環物をPVA−1の代わりに用い、表3に記載された配合比で調製した以外は実施例1と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られたラベル用接着剤の評価結果を表3に示す。
(比較例3)
表3に記載された配合比でPVA−1開環物とPVA−4とを調製し、フィラー(C)を用いなかった以外は比較例2と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られたラベル用接着剤の評価結果を表3に示す。
表3に記載された配合比でPVA−1開環物とPVA−4とを調製し、フィラー(C)を用いなかった以外は比較例2と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られたラベル用接着剤の評価結果を表3に示す。
(比較例4)
PVA−1の代わりにPVA−5を用い、表3に記載された配合比で調製した以外は実施例1と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られたラベル用接着剤の評価結果を表3に示す。
PVA−1の代わりにPVA−5を用い、表3に記載された配合比で調製した以外は実施例1と同様にしてラベル用接着剤を得た。得られたラベル用接着剤の評価結果を表3に示す。
上記実施例で明らかなとおり、本発明のラベル用接着剤は、接着力に優れ、特に冷水耐水性とアルカリ洗浄性のバランスが良好である。したがつて、本発明のラベル用接着剤を塗布したラベルを貼付した飲料充填済のガラス瓶を冷却する場合における冷水耐水性が良好で、かつガラス瓶を回収した後のアルカリ水によるラベルの剥離が容易なために、特に飲料用ガラス瓶のラベル用接着剤として有用である。また本発明のラベル用接着剤はそのレオロジー特性からオートメーションの高速化に適合でき、飲料用瓶などのラベル用接着剤として好適に用いることができるなど工業的な価値が極めて高いものである。
Claims (5)
- 前記接着剤に含まれる全単量体単位に対して、シリル基を有する構造単位(3)を0.01〜3モル%含む請求項1記載のラベル用接着剤。
- 前記ビニルアルコール系共重合体に、シリル基を有する構造単位(3)を含むビニルアルコール系共重合体が混合されてなる請求項2記載のラベル用接着剤。
- 構造単位(1)と構造単位(3)のモル比が、99.8/0.2〜53/47である請求項2又は3記載のラベル用接着剤。
- 前記ビニルアルコール系共重合体100質量部に対して、フィラーを10〜500質量部含む請求項1〜4のいずれか記載のラベル用接着剤。
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