JP6975970B2 - 水系コート剤 - Google Patents
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Description
これまでに、ポリオレフィン樹脂基材用途に特化したコート剤の開発がなされてきており、中でも酸変性ポリオレフィン樹脂を水性分散化してなるコート剤が、多く提案されている。高性能化や機能性付与等の目的で、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体にその他樹脂を混合することも、従来から検討されている。例えば、特許文献1には、ポリプロピレンとの接着性を改善するために、ポリオレフィン樹脂と特定のアクリル樹脂を含有する水性エマルションが開示されている。
また、上記水系コート剤を基材の一部に塗布し、形成された接着層を介して、基材どうしをヒートシールした場合、基材のヒートシールした部分とヒートシールしていない部分との境界部分に、細かなしわが発生することがあり、ヒートシール品は、見栄えが劣ることがあった。
また、水系コート剤を金属箔に塗布した場合、金属が腐食するといった問題が発生することがあり、水系コート剤は、この問題について改善の余地が残されている。
本発明の課題は、発泡が低減され、基材どうしをヒートシールした際に基材のヒートシールした部分とヒートシールしていない部分との境界部分のしわ発生が抑制され、金属製の基材を腐食することがなく、基材との密着性やヒートシール性に優れた塗膜が得られる水系コート剤を提供することである。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸成分を0.1〜10質量%含有し、
アクリル系樹脂は、アルキル基の炭素数が3以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分を60質量%以上含有する共重合体であり、
酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してアクリル系樹脂を0.01〜10質量部含有することを特徴とする水系コート剤。
(2)アクリル系樹脂の重量平均分子量が5000〜50000であることを特徴とする(1)記載の水系コート剤。
(3)酸変性ポリオレフィン樹脂のオレフィン成分が、プロピレンを主成分とすることを特徴とする(1)または(2)記載の水系コート剤。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水系コート剤から得られた塗膜。
(5)基材の少なくとも一方の面の少なくとも一部に、(4)記載の塗膜が積層された積層体。
(6)基材が金属箔であることを特徴とする(5)記載の積層体。
本発明の水系コート剤は、酸変性ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、および水性媒体を含有する。
不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。
不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されない。共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。
なお、ポリオレフィン樹脂に導入された酸無水物成分は、乾燥状態では酸無水物構造を取りやすく、後述する塩基性化合物を含有する水性媒体中ではその一部または全部が開環し、カルボン酸またはその塩となる傾向がある。
グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、エチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート等の有機過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類が挙げられる。これらは、反応温度によって適宜選択すればよい。
これらの他の成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。
共重合体の形態はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよいが、入手が容易という点でランダム共重合体が好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂は、上記共重合体を2種類以上混合したものでもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(JIS K7210:1999に準ずる190℃、2.16kg荷重)は、0.1〜1000g/10分であることが好ましく、0.1〜200g/10分であることがより好ましく、0.2〜100g/10分であることがさらに好ましく、0.2〜50g/10分であることが特に好ましい。メルトフローレートが0.1g/10分未満の酸変性ポリオレフィン樹脂は、製造が困難なうえ、水系コート剤とするのが困難である。一方、酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが1000g/10分を超えると、得られる塗膜は、硬くてもろくなるため、基材との密着性が低下する傾向がある。
本発明において、アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分を60質量%以上含有する共重合体であり、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成するアルキル基は、炭素数が3以上であることが必要であり、扱いやすさの点で炭素数が3〜8であることが好ましい。アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
重合体の形態は、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などが挙げられる。アクリル系樹脂は、共重合体を2種類以上混合したものでもよい。
中でも、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する架橋剤がより好ましい。このような架橋剤としては、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アミン系架橋剤、メラミン系架橋剤などが挙げられる。これらは複数を組み合わせて使用してもよい。
その他架橋剤の添加量は、本発明の効果と添加目的の効果とを共慮し適宜選択すればよいが、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。
本発明の水系コート剤の製造方法としては、あらかじめ、酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体を製造し、その水性分散体にアクリル系樹脂溶液を添加し、混合する方法が好ましい。
なお、塩基性化合物、有機溶剤、水を追加配合する方法は特に限定されないが、ギヤポンプなどを用いて加圧下で配合する方法や、一旦系内温度を下げ常圧になってから配合する方法などがある。
追加配合する塩基性化合物と、有機溶剤と、水との割合は、所望する固形分濃度、粒子径、分散度等に応じて適宜決めればよい。また、塩基性化合物、有機溶剤、水の合計は、配合した後の固形分濃度が1〜50質量%となるよう調整することが好ましく、2〜45質量%となる量がより好ましく、3〜40質量%となる量が特に好ましい。
ストリッピングの方法としては、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱し、有機溶剤を留去する方法が挙げられる。また、水性媒体が留去されることにより、固形分濃度が高くなるので、例えば、粘度が上昇して作業性が低下するような場合には、予め水性分散体に水を添加しておいてもよい。
基材としては特に限定されず、例えばプラスチックの成形体、熱可塑性樹脂フィルム、繊維、不織布、ガラス、金属、金属箔、紙等が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂;ポリスチレン樹脂;6−ナイロン、ポリ−m−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)などのポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアクリルニトリル樹脂;ポリイミド樹脂;これらの樹脂の複層体(例えば、ナイロン6/MXD/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体などが挙げられる。
(1)構成
1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)より求めた。酸変性ポリオレフィン樹脂は、オルトジクロロベンゼン(d4)を溶媒とし、120℃で測定した。また、アクリル系樹脂は、クロロホルム(d1)を溶媒とし、室温で測定した。
GPC分析(東ソー社製HLC−8020、カラムはTSK−GEL)を用いて、試料をテトラヒドロフランに溶解して40℃で測定し、ポリスチレン標準試料で作成した検量線から重量平均分子量を求めた。テトラヒドロフランに溶解し難い場合はオルトジクロロベンゼンを用いた。
JIS K6730記載(190℃、2160g荷重)の方法で測定した。
(1)水系コート剤の消泡性
水系コート剤を、100mLのスクリュー管瓶(口内径×胴径×全長=φ20×φ40×120mm)に、30mL入れ(液面高さ30mm)、1分間激しく撹拌した後、1分間静置後の泡立ちの状態を目視にて確認した。
○:泡立ちなし
△:液面の高さと泡の高さの合計が31mm以上80mm未満
×:液面の高さと泡の高さの合計が80mm以上
厚さ50μmのアルミ箔、あるいは厚さ50μmのPETフィルム(ユニチカ社製、エンブレットTAG−50、透明グレード、ヘイズ値2%)に、水系コート剤を乾燥後の塗膜の厚みが2μmになるようにマイヤーバーを用いて塗布した後、120℃で2分間、乾燥させた。得られた塗膜の表面にセロハンテープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を目視で評価した。
○:全く剥がれなし
△:一部、剥がれた
×:全て剥がれた
(しわ)
厚さ50μmのアルミ箔、あるいは厚さ50μmのPETフィルム(ユニチカ社製、エンブレットTAG−50、透明グレード、ヘイズ値2%)に、水系コート剤を乾燥後の塗膜厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いて塗布した後、60℃で1分間、乾燥させた。得られた塗膜同士が、それぞれ接するように重ね、ヒートプレス機(シール圧0.3MPaで2秒間)にて120℃でプレスした。ヒートシール部分とヒートシールしていない部分との境界線50mmの範囲において、境界線からヒートシールしていない部分に発生しているしわの状態を目視で評価した。
○:全くしわなし
△:1〜5つしわがある
×:5つ以上しわがある
(ヒートシール強度)
ヒートシールしたサンプルを15mm幅で切り出し、引張試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、180°剥離により接着強度を測定した。測定は20℃、65%RHの雰囲気中、引張速度200mm/分で行った。これにより、ヒートシール強度を評価した。ヒートシール強度は、基材がアルミ箔の場合、5.0N/15mm以上であることが好ましく、基材がPETフィルムの場合、8.0N/15mm以上であることが好ましい。
厚さ50μmのアルミ箔に、本発明の水系コート剤を乾燥後の塗膜の厚みが2μmになるようにマイヤーバーを用いて塗布した後、120℃で2分間、乾燥させた。得られた塗膜の表面の変色度合いを目視で評価した。
○:全く変色なし
△:一部が黒く変色
×:全体が黒く変色
<酸変性ポリオレフィン樹脂P−1の製造>
プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン/エチレン=97/3質量%、重量平均分子量85000)280gを、4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で加熱溶融させた。その後、系内温度を180℃に保って、撹拌下、不飽和カルボン酸としての無水マレイン酸35.0gとラジカル発生剤としてのジ−tert−ブチルパーオキサイド6.0gとをそれぞれ2時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、酸変性ポリオレフィン樹脂P−1を得た。得られた樹脂の特性を表1に示す。
英国特許2091745、米国特許4617366および米国特許4644044に記載された方法をもとに、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体を作製し、得られた重合体を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、酸変性ポリオレフィン樹脂P−2を得た。得られた樹脂の特性を表1に示す。
撹拌機とヒーターを備えた1Lガラス容器に、酸変性ポリオレフィン樹脂P−1を60g、エチレングリコール−n−ブチルエーテルを45g、2−ジメチルアミノエタノールを8g、蒸留水を137g仕込んだ。撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を150℃に保ってさらに60分間撹拌し分散化させた。その後、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ、空冷にて内温が80℃になるまで冷却し、撹拌を止め、開封して、テトラヒドロフランを45g、2−ジメチルアミノエタノールを5g、蒸留水を30g添加した。その後、密閉し、撹拌翼の回転速度を300rpmとして系内温度を130℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ、ヒーターの電源を切り、室温(約25℃)まで冷却した後、180メッシュのステンレス製フィルターで加圧濾過して、微白濁の均一なP−1の水性分散体E−1を得た。
撹拌機とヒーターを備えた1Lガラス容器に、酸変性ポリオレフィン樹脂P−2を100g、イソプロパノールを100g、2−ジメチルアミノエタノールを5g、蒸留水を295g仕込んだ。撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに120分間撹拌し分散化させた。その後、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ、ヒーターの電源を切り約40℃まで冷却したところで、イソプロパノールを添加して水性分散体の固形分濃度を10質量%となるように調整し、180メッシュのステンレス製フィルターで加圧濾過して、乳白色の均一なP−2の水性分散体E−2を得た。
<アクリル系樹脂Q−1の溶液A−1の製造>
アクリル酸10質量部、メタアクリル酸21質量部、アクリル酸ブチル32質量部、メタアクリル酸ブチル37質量部を10〜30℃で混合し、モノマー混合物100質量部を調製した。
反応器にイオン交換水100質量部とイソプロパノール150質量部とモノマー混合物100質量部を仕込んだ。反応容器内のガスを窒素に置換した後、攪拌しながら内温を80℃に調整した。さらに、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル約0.9質量部を徐々に加えながら、窒素雰囲気下で、80℃で3時間攪拌した。次に、得られた反応混合物を沸騰するまで加熱し、イソプロパノールを留去した。得られた濃縮物を40℃まで冷却した後、水を加えて、固形分濃度が50質量%のアクリル系樹脂Q−1の溶液A−1を得た。
得られたアクリル系樹脂Q−1は、重量平均分子量が15000であり、アクリル酸ブチルとメタアクリル酸ブチルの合計含有量が69質量%であった。
アクリル酸9質量部、メタアクリル酸21質量部、アクリル酸イソブチル35質量部、メタアクリル酸ブチル35質量部を10〜30℃で混合し、モノマー混合物100質量部を調製した。
反応器にイオン交換水100質量部とイソプロパノール150質量部とモノマー混合物100質量部を仕込んだ。反応容器内のガスを窒素に置換した後、攪拌しながら内温を80℃に調整した。さらに、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル約1.2質量部を徐々に加えながら、窒素雰囲気下で、80℃で2時間攪拌した。次に、得られた反応混合物を沸騰するまで加熱し、イソプロパノールを留去した。得られた濃縮物を40℃まで冷却した後、水を加えて、固形分濃度が50質量%のアクリル系樹脂Q−2の溶液A−2を得た。
得られたアクリル系樹脂Q−2は、重量平均分子量が4500であり、アクリル酸イソブチルとメタアクリル酸ブチルの合計含有量は、70質量%であった。
アクリル酸10質量部、メタアクリル酸21質量部、アクリル酸プロピル69質量部を10〜30℃で混合し、モノマー混合物100質量部を調製した。
反応器にイオン交換水100質量部とイソプロパノール150質量部とモノマー混合物100質量部を仕込んだ。反応容器内のガスを窒素に置換した後、攪拌しながら内温を80℃に調整した。さらに、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル約0.9質量部を徐々に加えながら、窒素雰囲気下で、80℃で3時間攪拌した。次に、得られた反応混合物を沸騰するまで加熱し、イソプロパノールを留去した。得られた濃縮物を40℃まで冷却した後、水を加えて、固形分濃度が50質量%のアクリル系樹脂Q−3の溶液A−3を得た。
得られたアクリル系樹脂Q−3は、重量平均分子量が12000であった。
アクリル酸10質量部、メタアクリル酸21質量部、アクリル酸オクチル69質量部を10〜30℃で混合し、モノマー混合物100質量部を調製した。
反応器にイオン交換水100質量部とイソプロパノール150質量部とモノマー混合物100質量部を仕込んだ。反応容器内のガスを窒素に置換した後、攪拌しながら内温を80℃に調整した。さらに、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル約0.9質量部を徐々に加えながら、窒素雰囲気下で、80℃で3時間攪拌した。次に、得られた反応混合物を沸騰するまで加熱し、イソプロパノールを留去した。得られた濃縮物を40℃まで冷却した後、水を加えて、固形分濃度が50質量%のアクリル系樹脂Q−4の溶液A−4を得た。
得られたアクリル系樹脂Q−4は、重量平均分子量が18000であった。
アクリル酸10質量部、メタアクリル酸21質量部、アクリル酸エチル69質量部を10〜30℃で混合し、モノマー混合物100質量部を調製した。
反応器にイオン交換水100質量部とイソプロパノール150質量部とモノマー混合物100質量部を仕込んだ。反応容器内のガスを窒素に置換した後、攪拌しながら内温を80℃に調整した。さらに、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル約0.9質量部を徐々に加えながら、窒素雰囲気下で、80℃で3時間攪拌した。次に、得られた反応混合物を沸騰するまで加熱し、イソプロパノールを留去した。得られた濃縮物を40℃まで冷却した後、水を加えて、固形分濃度が50質量%のアクリル系樹脂Q−5の溶液A−5を得た。
得られたアクリル系樹脂Q−5は、重量平均分子量が10000であった。
アクリル酸15質量部、メタアクリル酸30質量部、アクリル酸ブチル20質量部、メタアクリル酸ブチル35質量部を10〜30℃で混合し、モノマー混合物100質量部を調製した。
反応器にイオン交換水100質量部とイソプロパノール150質量部とモノマー混合物100質量部を仕込んだ。反応容器内のガスを窒素に置換した後、攪拌しながら内温を80℃に調整した。さらに、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル約0.9質量部を徐々に加えながら、窒素雰囲気下で、80℃で3時間攪拌した。次に、得られた反応混合物を沸騰するまで加熱し、イソプロパノールを留去した。得られた濃縮物を40℃まで冷却した後、水を加えて、固形分濃度が50質量%のアクリル系樹脂Q−6の溶液A−6を得た。
得られたアクリル系樹脂Q−6は、重量平均分子量が11000であり、アクリル酸ブチルとメタアクリル酸ブチルの合計含有量が55質量%であった。
酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体E−1とアクリル系樹脂溶液A−1を用い、酸変性ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して、アクリル系樹脂の固形分が1質量部となるように混合し、室温で撹拌した。次いで、水性分散体に水性媒体としてイソプロパノールを添加し、水性分散体中の固形分濃度が20質量%となるように調整し、水系コート剤を得た。得られた水系コート剤を基材のアルミ箔に塗布して塗膜を形成し、積層体を得た。
酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体の種類、アクリル系樹脂の種類と質量部、基材を表3に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、水系コート剤、塗膜、積層体を得た。
一方、比較例1の水系コート剤は、アクリル酸系樹脂を含有していないため、消泡性、ヒートシール性が劣り、塗布された金属箔には腐食による変色がみられた。比較例2では、アクリル酸系樹脂の含有量が本発明で規定する範囲を外れていたため、消泡性、ヒートシール性に劣っていた。比較例3では、アクリル系樹脂におけるアルキル基の炭素鎖が本発明で規定する範囲を外れていたため、消泡性、基材との密着性が劣り、塗布された金属箔に腐食による変色がみられた。比較例4では、アクリル系樹脂における、炭素数が3以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分の含有量が本発明で規定する範囲を外れていたため、消泡性に劣り、塗布された金属箔に腐食による変色がみられた。
Claims (6)
- 酸変性ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂および水性媒体を含有する水系コート剤であって、
酸変性ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸成分を0.1〜10質量%含有し、
アクリル系樹脂は、アルキル基の炭素数が3以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分を60質量%以上含有する共重合体であり、
酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してアクリル系樹脂を0.01〜10質量部含有することを特徴とする水系コート剤。 - アクリル系樹脂の重量平均分子量が5000〜50000であることを特徴とする請求項1記載の水系コート剤。
- 酸変性ポリオレフィン樹脂のオレフィン成分が、プロピレンを主成分とすることを特徴とする請求項1または2記載の水系コート剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の水系コート剤から得られた塗膜。
- 基材の少なくとも一方の面の少なくとも一部に、請求項4記載の塗膜が積層された積層体。
- 基材が金属箔であることを特徴とする請求項5記載の積層体。
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