JP2005002137A - 塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体およびその製造方法 - Google Patents

塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐水性、密着性、ヒートシール性に優れ、各種コーティング剤、塗料、インキ、接着剤のバインダー等の用途に好適な、塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体とその製造方法を提供する。
【解決手段】塩素含有率が3〜70質量%である酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、揮発性の塩基性化合物とを含有し、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない水性分散体であって、この塩素化ポリオレフィン樹脂の水性分散体中での数平均粒子径が1μm以下であることを特徴とする塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体およびその製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種コーティング剤、塗料、インキ、接着剤のバインダーとして好適な塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂は、電気特性、力学特性、化学特性、賦形性、衛生性、リサイクル性等が優れていることから、自動車、電気、包装、日用雑貨を中心に大量に使用されており、なかでもポリプロピレン系の樹脂のコーティングや接着には、塩素化ポリプロピレン樹脂を主成分とした樹脂が、トルエンやキシレン等の有機溶剤の溶液として用いられている。しかしながら、近年、安全衛生、職場環境、環境汚染等の問題から、こうした樹脂溶液の水性化が望まれている。
【0003】
上記のような背景から、塩素化ポリオレフィン樹脂の水性化は盛んに検討されている。例えば、特許文献1〜6には、塩素化ポリオレフィン樹脂をトルエン等の有機溶剤に溶解させた溶液、界面活性剤(乳化剤)等の不揮発性水性化助剤、塩基性化合物、水とをホモジナイザーやミキサー型乳化器等の高速攪拌装置を用いて塩素化ポリオレフィン樹脂を水性媒体中に分散する方法が記載されている。また、特許文献7では、塩素化ポリオレフィン樹脂にエポキシ基を有する化合物またはそのオリゴマーを配合した後、乳化器を用いて20000rpmという高速攪拌することで水性化を行うことが記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平8−6009号公報
【特許文献2】
特許2727032号公報
【特許文献3】
特開2002−308921号公報
【特許文献4】
特開平6−116453号公報
【特許文献5】
特開平11−269206号公報
【特許文献6】
特開2001−226545号公報
【特許文献7】
特開平10−298233号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような乳化剤やエポキシ含有化合物等の不揮発性水性化助剤は、乾燥後も塩素化ポリオレフィン樹脂の塗膜中に残存するため、その使用量が多い場合は、塗膜の耐水性を著しく低下させ、また、例え少量でも界面特性を劇的に変化させて基材との接着性等の性能に悪影響を及ぼし、さらに、塗膜からブリードアウトする恐れがあるために環境的、衛生的にも好ましくないばかりか、経時的に性能が変化してしまう恐れがある。また、不揮発性水性化助剤を用いると、製造においては、ホモジナイザーやミキサー型乳化器等の非常に高価な高速攪拌装置を必要とし、工業的(コスト的)に不利であった。
【0006】
本発明者らは、上記のような現状に対して、乾燥後に塗膜中に残存するような不揮発性化合物を添加することなく、また、高速攪拌装置等の高価な装置を用いずに塩素化ポリオレフィン樹脂を水性媒体中に微細、かつ均一に分散させた、塩素化ポリオレフィン樹脂の特性を損なうことがない水性分散体を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定組成のポリオレフィン樹脂を不揮発性水性化助剤の添加なしに水性媒体中に安定に分散できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)塩素含有率が3〜70質量%である酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、揮発性の塩基性化合物とを含有し、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない水性分散体であって、この塩素化ポリオレフィン樹脂の水性分散体中での数平均粒子径が1μm以下であることを特徴とする塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体。
(2)酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素化前の不飽和カルボン酸単位が0.01〜15質量%である(1)記載の塩素化ポリオレフィン樹脂。
(3)さらに有機溶剤を含有し、この有機溶剤は、20℃における水に対する溶解性が10g/L以上であることを特徴とする(1)記載のポリオレフィン樹脂水性分散体。
(4)有機溶剤の沸点が30〜250℃であることを特徴とする(3)記載のポリオレフィン樹脂水性分散体。
(5)(1)〜(4)いずれかに記載の水性分散体を含有してなるコーティング組成物、塗料組成物、インキ組成物、または接着剤組成物。
(6)塩素含有量が3〜70質量%である酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂、揮発性の塩基性化合物、20℃における水に対する溶解性が10g/L以上である有機溶剤、および水を原料とし、これらを密閉容器中で80〜200℃の温度で加熱、攪拌する工程を含むことを特徴とする(1)記載の塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
(7)(6)記載の工程の後、さらに、水性分散体の有機溶剤含有量を低減するための脱溶剤処理工程を含むことを特徴とする水性分散体の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明におけるポリオレフィン樹脂水性分散体は、塩素含有量が3〜70質量%である酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂を水性媒体中に含む水性分散体である。
【0010】
塩素化ポリオレフィン樹脂の原料であるポリオレフィン樹脂としては、結晶性ポリプロピレン、非晶性ポリプロピレン、結晶性ポリエチレン、非晶性ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数2以上、好ましくは炭素数2〜6のアルケンが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。中でも、原料とするポリオレフィン樹脂としては、ポリオレフィン樹脂材料に対する接着性の点からプロピレン単位を50モル%以上含有していることが好ましい。
【0011】
本発明における塩素化ポリオレフィン樹脂は、その分散性の点から、酸変性されている必要がある。酸変性の程度としては、塩素化前のポリオレフィン樹脂の構造中に不飽和カルボン酸単位を0.01〜15質量%有していることが好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.5〜12質量%がさらに好ましく、1〜10質量%が特に好ましく、1〜8質量%が最も好ましい。不飽和カルボン酸の量が0.01質量%未満の場合は、樹脂を水性化することが困難になる傾向がある。一方、不飽和カルボン酸の含有量が15質量%を超えた場合は、樹脂の水性化は容易になるが、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂材料への接着性が低下してしまう。
【0012】
不飽和カルボン酸単位は、不飽和カルボン酸や、その無水物により導入され、具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アリルコハク酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等のように、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物を用いることができる。中でもポリオレフィン樹脂への導入のし易さの点から無水マレイン酸が好ましい。
【0013】
なお、後述のように、ポリオレフィン樹脂を先に塩素化し、後に不飽和カルボン酸単位を導入した場合には、この量は、樹脂に導入した塩素を水素に置換した仮想のポリオレフィン樹脂における不飽和カルボン酸単位の含有量とし、塩素含有量を用いて算出することができる。
【0014】
前記した不飽和カルボン酸単位をポリオレフィン樹脂へ導入する方法は、特に限定されないが、例えば、ラジカル発生剤存在下、ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸とをポリオレフィン樹脂の融点以上以上に加熱溶融して反応させる方法やポリオレフィン樹脂を有機溶剤に溶解させた後、ラジカル発生剤の存在下で加熱、攪拌して反応させる方法等によりポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸単位をグラフト共重合する方法が挙げられる。操作が簡便である点から前者の方法が好ましい。グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、エチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート等の有機過酸化物類やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類が挙げられる。
【0015】
ポリオレフィン樹脂を塩素化する方法としては、塩素化させたい樹脂をクロロホルム等の塩素系溶剤に溶解させた後、紫外線を照射しながら、あるいは、上記ラジカル発生剤の存在下、ガス状の塩素を吹き込むことにより行うことができる。塩素化は上述した不飽和カルボン酸単位を導入する前に行っても後に行ってもよい。つまり、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸単位を導入した後に塩素化する方法と、ポリオレフィン樹脂を塩素化した後に不飽和カルボン酸単位を導入する方法が挙げられる。
【0016】
塩素化ポリオレフィン樹脂における塩素含有量は、3〜70質量%である必要があり、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましく、10〜35質量%が特に好ましい。塩素含有量が3質量%未満の場合は塩素化した効果が小さく、70質量%を超えると基材との接着性が低下する傾向がある。
【0017】
塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は5,000〜150,000であることが好ましく、10,000〜120,000であることがより好ましく、20,000〜100,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が5,000未満の場合は、基材との接着性が低下したり、得られる塗膜が硬くてもろくなったりする。重量平均分子量が150,000を超える場合は、樹脂の水性化が困難になる傾向がある。なお、樹脂の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン樹脂を標準として求めることができる。
【0018】
本発明の水性分散体は、上記の塩素化ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に分散もしくは溶解されている。ここで、水性媒体とは、水を主成分とする液体であり、後述する水溶性の有機溶剤や塩基性化合物を含有していてもよい。
【0019】
本発明の水性分散体中に分散しているポリオレフィン樹脂粒子の数平均粒子径は、1μm以下である。さらに、低温造膜性の観点から0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。数平均粒子径が1μmを超えると水性分散体の保存安定性が低下する。
【0020】
本発明の水性分散体における、樹脂含有率は、成膜条件、目的とする樹脂塗膜の厚さや性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではないが、コーティング組成物の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%が好ましく、3〜55質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、10〜45質量%が特に好ましい。
【0021】
本発明の水性分散体は、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないことを特徴とする。このため、塗膜特性、特に耐水性、基材との接着性、ヒートシール性が優れており、これらの性能は長期的に殆ど変化しない。
ここで、「水性化助剤」とは、水性分散体の製造において、水性化促進や水性分散体の安定化の目的で添加される薬剤や化合物のことであり、「不揮発性」とは、常圧での沸点を有さないか、もしくは、常圧で高沸点(例えば300℃以上)であることを指す。
「不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない」とは、こうした助剤を製造時に用いず、得られる分散体が結果的にこの助剤を含有しないことを意味する。したがって、こうした不揮発性水性化助剤は、含有量がゼロであることが特に好ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で、ポリオレフィン樹脂成分に対して0.1質量%未満程度含まれていても差し支えない。
【0022】
本発明でいう不揮発性水性化助剤としては、例えば、後述する界面活性剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子等が挙げられる。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性(非イオン性)界面活性剤、両性界面活性剤、反応性界面活性剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、乳化剤類も含まれる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸およびその塩、オレイン酸、ステアリン酸、パルチミン酸等の高級カルボン酸およびその塩、アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体等のポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のソルビタン誘導体等が挙げられ、両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。反応性界面活性剤としては、アルキルプロペニルフェノールポリエチレンオキサイド付加物やこれらの硫酸エステル塩、アリルアルキルフェノールポリエチレンオキサイド付加物やこれらの硫酸エステル塩、アリルジアルキルフェノールポリエチレンオキサイド付加物やこれらの硫酸エステル塩等の反応性2重結合を有する化合物が挙げられる。
【0023】
保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックス等の重量平均分子量が通常は5,000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が18質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
【0024】
本発明の水性分散体は、揮発性の塩基性化合物を含有する。この塩基性化合物によって、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基は、その一部または全部が中和され、生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集が防がれ、水性分散体に安定性が付与される。
【0025】
揮発性の塩基性化合物としては、アンモニアまたは沸点300℃以下の有機アミン化合物が塗膜の耐水性の面から好ましく、中でもアンモニアまたは沸点が250℃以下の有機アミン化合物が好ましく、アンモニアまたは200℃以下の有機アミン化合物が特に好ましい。沸点が300℃を超えると樹脂塗膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、塗膜の耐水性や基材との接着性が悪化する場合がある。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。塩基性化合物の添加量はポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、0.8〜2.5倍当量がより好ましく、1.01〜2.0倍当量が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えると塗膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水性分散体の安定性が悪化する場合がある。
【0026】
本発明においては、塩素化ポリオレフィン樹脂の水性化を促進し、分散粒子径を小さくするために、水性化の際に有機溶剤を添加することが好ましい。使用する有機溶剤量は、水性媒体中の50質量%以下が好ましく、1〜45質量%であることがより好ましく、2〜40質量%がさらに好ましく、3〜35質量%が特に好ましい。有機溶剤量が50質量%を超える場合には、実質的に水性媒体とはみなせなくなり、本発明の目的のひとつ(環境保護)を逸脱するだけでなく、使用する有機溶剤によっては水性分散体の安定性が低下してしまう場合がある。
【0027】
有機溶剤としては、良好な水性分散体を得るという点から、20℃における水に対する溶解性が10g/L以上のものが好ましく用いられ、さらに好ましくは20g/L以上、特に好ましくは50g/L以上である。
【0028】
本発明において使用される有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられ、中でも沸点が30〜250℃のものが好ましく、50〜200℃のものが特に好ましい。これらの有機溶剤は2種以上を混合して使用しても良い。なお、有機溶剤の沸点が30℃未満の場合は、樹脂の水性化時に揮発する割合が多くなり、水性化の効率が十分に高まらない場合がある。沸点が250℃を超える有機溶剤は樹脂塗膜から乾燥によって飛散させることが困難であり、塗膜の耐水性や基材との接着性等が悪化する場合がある。
【0029】
上記の有機溶剤の中でも、樹脂の水性化促進に効果が高く、しかも水性媒体中から有機溶剤を除去し易いという点から、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
【0030】
水性分散体の製造時に上記の有機溶剤を用いた場合には、樹脂の水性化の後に、その一部を、一般に「ストリッピング」と呼ばれる脱溶剤処理によって系外へ留去させ、有機溶剤量の低減を図ることができる。ストリッピングにより、水性分散体中の有機溶剤含有量は、10質量%以下とすることができ、3質量%以下とすれば、環境上好ましい。ストリッピングの工程では、装置の減圧度を高めたり、操業時間を長くしたりする必要があるため、こうした生産性を考慮した有機溶剤量の下限は0.01質量%程度である。しかし、0.01質量%未満であっても、特に性能面での影響はなく、良好に使用することができる。
【0031】
ストリッピングの方法としては、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱し、有機溶剤を留去する方法を挙げることができる。また、水性媒体が留去されることにより、固形分濃度が高くなるために、例えば、粘度が上昇し作業性が悪くなるような場合には、予め水性分散体に水を添加しておいてもよい。
【0032】
次に、ポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法について説明する。
本発明のポリオレフィン樹脂水性分散体を得るための方法は特に限定されないが、既述の各成分、すなわち、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩基性化合物、水性媒体、必要に応じて有機溶剤を、密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができ、この方法が最も好ましい。この方法によれば、界面活性剤等の不揮発性水性化助剤を特に添加する必要はない。
【0033】
容器としては、固/液撹拌装置や乳化機として広く当業者に知られている装置を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されないが、樹脂が水性媒体中で浮遊状態となる程度の低速の撹拌でよい。したがって、高速撹拌(例えば1,000rpm以上)は必須ではなく、簡便な装置でも水性分散体の製造が可能である。
【0034】
上記の装置に塩素化ポリオレフィン樹脂、水性媒体などの原料を投入し、好ましくは40℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温度を80〜220℃、好ましくは90〜200℃、さらに好ましくは100〜190℃の温度に保ちつつ、好ましくは粗大粒子が無くなるまで(例えば、5〜120分間)攪拌を続けることによりポリオレフィン樹脂を十分に水性化させ、その後、好ましくは攪拌下で40℃以下に冷却することにより、水性分散体を得ることができる。槽内の温度が80℃未満の場合は、ポリオレフィン樹脂の水性化が困難になる。槽内の温度が220℃を超える場合は、ポリオレフィン樹脂の分子量が低下する恐れがある。
【0035】
この後、必要に応じてさらにジェット粉砕処理を行ってもよい。ジェット粉砕処理とは、ポリオレフィン樹脂水性分散体を、高圧下でノズルやスリットのような細孔より噴出させ、樹脂粒子同士や樹脂粒子と衝突板等とを衝突させて、機械的なエネルギーによって樹脂粒子をさらに細粒化することであり、そのための装置の具体例としA.P.V.GAULIN社製ホモジナイザー、みずほ工業社製マイクロフルイタイザーM−110E/H等が挙げられる。
【0036】
このようにして得られた水性分散体の固形分濃度の調整方法としては、例えば、所望の固形分濃度となるように水性媒体を留去したり、水により希釈したりする方法が挙げられる。
【0037】
上記の製法を採ることで、本発明の水性分散体は、塩素化ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に分散または溶解され、均一な液状に調製されて得られる。ここで、均一な液状であるとは、外観上、水性分散体中に沈殿、相分離あるいは皮張りといった、固形分濃度が局部的に他の部分と相違する部分が見いだされない状態にあることをいう。
【0038】
本発明の水性分散体から得られる樹脂組成物は、様々な基材、例えば、金属、ガラス、プラスチックの成形体、フィルム、合成紙、紙等との接着性に優れるため、これらの基材へのコーティング剤、塗料、インキ、接着剤として好適である。
【0039】
本発明の水性分散体には、性能をさらに向上させるため、他の重合体の水性分散体、粘着付与剤、無機粒子、架橋剤、顔料、染料等を添加することができる。
【0040】
他の重合体の水性分散体としては、特に限定されない。例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の水性分散体を挙げることができる。これらは、2種以上を混合して使用してもよい。
【0041】
無機粒子としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化すず等の金属酸化物、炭酸カルシウム、シリカ等の無機粒子や、バーミキュライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、合成雲母等の水膨潤性の層状無機化合物を添加することができる。これらの無機粒子の平均粒子径は水性分散体の安定性の面から0.005〜10μmが好ましく、より好ましくは0.005〜5μmである。なお、無機粒子は、2種以上を混合して使用してもよい。なお、酸化亜鉛は紫外線遮蔽、酸化すずは帯電防止の目的にそれぞれ使用できる。
【0042】
耐水性や耐溶剤性等の各種の塗膜性能をさらに向上させるために、架橋剤を水性分散体中の樹脂100質量部に対して0.01〜100質量部、好ましくは0.1〜60質量部添加することができる。架橋剤の添加量が0.01質量部未満の場合は、塗膜性能の向上の程度が小さく、100質量部を超える場合は、加工性等の性能が低下してしまう。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属等を用いることができ、このうちイソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせて使用しても良い。
【0043】
顔料・染料としては、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等が挙げられる。
【0044】
本発明の水性分散体には、さらに必要に応じて、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、増粘剤、耐候剤等の各種薬剤を添加することも可能である。
【0045】
次に、本発明の塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体の使用方法について説明する。
本発明の水性分散体は、塗膜形成能に優れているので、公知の成膜方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により各種基材表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥又は乾燥と焼き付けのための加熱処理に供することにより、均一な樹脂塗膜を各種基材表面に密着させて形成することができる。このときの加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーター等を使用すればよい。また、加熱温度や加熱時間としては、被コーティング物である基材の特性や後述する硬化剤の種類、配合量等により適宜選択されるものであるが、経済性を考慮した場合、加熱温度としては、30〜250℃が好ましく、60〜230℃がより好ましく、80〜210℃が特に好ましく、加熱時間としては、1秒〜20分が好ましく、5秒〜15分がより好ましく、5秒〜10分が特に好ましい。なお、架橋剤を添加した場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基と架橋剤との反応を十分進行させるために、加熱温度および時間は架橋剤の種類によって適宜選定することが望ましい。
【0046】
また、本発明の水性分散体の塗布量としては、その用途によって適宜選択されるものであるが、乾燥後の塗布量として0.01〜100g/mが好ましく、0.1〜50g/mがより好ましく、0.2〜30g/mが特に好ましい。0.01〜100g/mの範囲となるように成膜すれば、均一性に優れた樹脂塗膜が得られる。
【0047】
なお、塗布量を調節するためには、コーティングに用いる装置やその使用条件を適宜選択することに加えて、目的とする樹脂塗膜の厚さに適した濃度の水性分散体を使用することが好ましい。このときの濃度は、調製時の仕込み組成により調節することができる。また、一旦調製した水性分散体を適宜希釈、あるいは濃縮して調節してもよい。
【0048】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各種の特性は以下の方法によって測定または評価した。
(1)不飽和カルボン酸単位の含有量
ポリオレフィン樹脂の酸価をJIS K5407に準じて測定し、その値から不飽和カルボン酸の含有量(グラフト率)を次式から求めた。
含有量(質量%)=(グラフトした不飽和カルボン酸の質量)/(原料ポリオレフィン樹脂の質量)×100
(2)塩素含有量
JIS K7229に準じ、次式により塩素含有量を求めた。
塩素含有量(質量%)={(A−B)×F}/S×100
A:試料の滴定に要した0.0282N硝酸銀水溶液の量(ml)
B:空試料の滴定に要した0.0282N硝酸銀水溶液の量(ml)
F:0.0282N硝酸銀水溶液の力価
S:試料の質量(mg)
(3)樹脂の重量平均分子量
重量平均分子量は、GPC分析(島津製作所製の送液ユニットLC−10Advp型及び紫外−可視分光光度計SPD−6AV型を使用、ポリスチレン換算)により求めた。
(4)水性分散体の固形分濃度
ポリオレフィン分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、ポリオレフィン樹脂固形分濃度を求めた。
(5)ポリオレフィン樹脂粒子の数平均および重量平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径(mn)および重量平均粒子径(mw)を求めた。
(6)水性分散体の外観
水性分散体の色調を目視観察により評価した。
(7)ポットライフ
水性分散体を室温で90日放置したときの外観を、次の3段階で評価した。
○:外観に変化なし。
△:増粘がみられる。
×:固化、凝集や沈殿物の発生が見られる。
また、外観の評価が○の場合は数平均粒子径も上記方法で測定した。
(8)水性分散体中の有機溶剤の含有率
島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−8A〔FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG−HT(5%)−Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n−ブタノール〕を用い、水性分散体を必要に応じて水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
(9)塗膜の耐水性
水性分散体を延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東セロ社製、OP U−1、厚み20μm)の未処理面上に乾燥後の塗布量が約2g/mになるようにメイヤーバーでコートし、100℃で20分間乾燥した。このようにして作製したコートフィルムを40℃の温水に1日、浸漬した後、コート面の状態を目視で評価した。
○:外観に変化なし。
△:塗膜が白化する。
×:コート層が溶解、あるいは剥離する。
(10)塗膜の密着性評価
水性分散体を延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東セロ社製、OP U−1、厚み20μm)、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12、厚み12μm)、2軸延伸ナイロン6(Ny6)フィルム(ユニチカ社製エンブレム、厚み15μm)の未処理面上に乾燥後の塗布量が約2g/mになるようにメイヤーバーでコートし、PPフィルムを用いた場合は100℃で20分間、PETとNy6フィルムの場合は200℃で5分間乾燥した後、塗膜面に粘着テープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付けた後、勢いよくテープを剥離した。塗膜面の状態を目視で観察して、以下のように評価した。
○:全く剥がれがなかった。
△:一部に剥がれが生じた。
×:全て剥がれた。
(11)ヒートシール強度評価
水性分散体を含むコート液を延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東セロ社製、OP U−1、厚み20μm)の未処理面、アルミニウム箔(三菱アルミニウム社製、厚み15μm)、及びA4サイズの上質紙(大昭和製紙製)上に乾燥後の塗布量が約5g/mになるようにメイヤーバーでコートし、100℃で20分間乾燥した。PPフィルムとPPフィルムのコート面、PPフィルムとアルミニウム箔のコート面、及びPPフィルムと上質紙のコート面が接するようにして、ヒートプレス機(シール圧3kg/cmで5秒間)にて120℃でプレスした。このサンプルを15mm幅で切り出し、1日後、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、引張り速度200mm/分、引張り角度180度で塗膜の剥離強度を測定することでヒートシール強度を評価した。
(12)長期保存後のヒートシール強度評価
(11)で示した方法で作製したPPフィルム同士をヒートシールしたサンプルを15mm幅で切り出し、40℃、65%RHの条件下で60日間、保存した後、引張り試験機(インテスコ株式会社製のインテスコ精密万能材料試験機2020型)を用い、引張り速度200mm/分、引張り角度180度で塗膜の剥離強度を測定することで保存後のヒートシール強度を評価した。
【0049】
(塩素化ポリオレフィン樹脂P−1の製造)
アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分子量30,000)280g、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸19.8g、ラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド5.6g、および溶剤としてトルエン420gを攪拌機付きのオートクレーブ中に加え、窒素置換を約5分間行った後、加熱攪拌しながら140℃で5時間反応を行った。反応終了後、得られた樹脂トルエン溶液を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥した。この樹脂の不飽和カルボン酸含有量は、4.5質量%であった。得られた酸変性樹脂100gと溶媒としてテトラクロロエチレン900gを4つ口フラスコ中に加え、窒素置換を約5分間行った後、110℃に加熱して樹脂を溶解させた。次いでジ−tert−ブチルパーオキサイド1.0gを加え、塩素ガスを吹き込んだ。63gの塩素ガスを3時間かけて吹き込んだ後、窒素ガスを吹き込み、未反応の塩素ガスおよび塩化水素ガスを除去した。溶媒のテトラクロロエチレンをロータリーエバポレーターである程度、留去した後、減圧乾燥機で減圧乾燥して塩素化ポリオレフィン樹脂P−1を得た。得られた樹脂の特性を表1に示す。
【0050】
(塩素化ポリオレフィン樹脂P−2の製造)
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(ヒュルスジャパン社製、ベストプラスト708、プロピレン/ブテン/エチレン=65/18/17モル%)280gを4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で加熱溶融させた後、系内温度を170℃に保って攪拌下、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸28.0gとラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド5.0gをそれぞれ2時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥した。この樹脂の不飽和カルボン酸含有量は5.4質量%であった。得られた酸変性樹脂100gと溶媒としてテトラクロロエチレン900gを4つ口フラスコ中に加え、窒素置換を約5分間行った後、110℃に加熱して樹脂を溶解させた。次いでジ−tert−ブチルパーオキサイド1.0gを加え、塩素ガスを吹き込んだ。60gの塩素ガスを3時間かけて吹き込んだ後、窒素ガスを吹き込み、未反応の塩素ガスおよび塩化水素ガスを除去した。溶媒のテトラクロロエチレンをロータリーエバポレーターである程度、留去した後、減圧乾燥機で減圧乾燥して塩素化ポリオレフィン樹脂P−2を得た。得られた樹脂の特性を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 2005002137
【0052】
実施例1
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの塩素化ポリオレフィン樹脂(P−1)、45.0gのエチレングリコール−n−ブチルエーテル、4.7g(樹脂中の無水マレイン酸単位のカルボキシル基に対して1.2倍当量)のN,N−ジメチルエタノールアミン及び190.3gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を160℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。水性分散体の各種特性および塗膜性能を表2に示した。
【0053】
実施例2〜4
添加する有機溶剤の種類、量およびアミンの種類、量を表2記載のように変更した以外は実施例1と同様の方法で水性分散体E−2〜E−4を得た。水性分散体の各種特性および塗膜性能を表2に示した。
【0054】
実施例5、6
塩素化ポリオレフィン樹脂としてP−2を用い、添加する有機溶剤の量およびアミンの種類、量を表2記載のように変更した以外は実施例1と同様の方法で水性分散体E−5、E−6を得た。水性分散体の各種特性および塗膜性能を表2に示した。
【0055】
実施例7
E−2 250g、蒸留水125gを1Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約125gの水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温まで冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−7を得た。水性分散体の各種特性および塗膜性能を表2に示した。この水性分散体中の有機溶剤(IPA)の含有率は0.4質量%であった。
【0056】
実施例8
E−5を用いた以外は実施例7と同様の方法で水性分散体E−8を得た。水性分散体の各種特性および塗膜性能を表2に示した。
【0057】
比較例1
不揮発性水性化助剤として、Igepal CO−720(Aldrich社製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ノニオン性界面活性剤)を固形分全量に対して5質量%となるように添加した以外は実施例1に準じた方法で水性分散体H−1を得た。水性分散体の各種特性および塗膜性能を表2に示した。
【0058】
比較例2
不揮発性水性化助剤として、ノイゲンEA−190D(第一工業製薬社製、ノニオン性界面活性剤)を固形分全量に対して10質量%となるように添加した以外は実施例1に準じた方法で水性分散体H−2を得た。水性分散体の各種特性および塗膜性能を表2に示した。
【0059】
比較例3
不揮発性水性化助剤として、ラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製、アニオン性界面活性剤)を固形分全量に対して3質量%となるように添加した以外は実施例6に準じた方法で水性分散体H−3を得た。水性分散体の各種特性および塗膜性能を表2に示した。
【0060】
【表2】
Figure 2005002137
【0061】
実施例9
実施例2で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2と他の重合体の水性分散体とを混合した。重合体の水性分散体としては、ポリウレタン水性分散体(アデカボンタイターHUX−380、旭電化工業社製)を用いた。E−2を撹拌しておき、E−2の固形分100質量部に対して上記水性分散体を固形分換算で50質量部添加し、室温で30分間、撹拌した(M−1とする)。この液から得られる塗膜の密着性評価結果を表3に示す。
【0062】
実施例10〜12
実施例2で得られた塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2と架橋剤とを混合した。架橋剤としては、メラミン化合物(サイメル327、三井サイテック社製、実施例10)、エポキシ化合物(デナコールEX−313、ナガセ化成工業社製、実施例11)、オキサゾリン基含有化合物(エポクロスWS−700、日本触媒社製、実施例12)を用いた。E−2を撹拌しておき、E−2の固形分100質量部に対して上記架橋剤を固形分換算で表3に示す量を添加し、室温で30分間、撹拌した(それぞれ、M−2〜M−4とする)。これらの液から得られる塗膜の密着性評価結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
Figure 2005002137
【0064】
実施例1〜8では、界面活性剤等の不揮発性水性化助剤を添加することなしに、かつ高速攪拌装置を用いることなしにポリオレフィン樹脂の数平均粒子径が1μm以下の微細でかつ安定な水性分散体を得ることができた。この水性分散体から得られる塗膜は、耐水性、密着性、ヒートシール性に優れていた。さらに、塗膜中に界面活性剤等を含まないため長期間、保存しておいてもシートシール性は殆ど変化しなかった。また、他の樹脂水分散体や架橋剤を添加した場合(実施例9〜12)でも、密着性等の性能は低下することはなかった。
これに対して、比較例1〜3は、従来の方法で用いられていた界面活性剤類(不揮発性水性化助剤)を添加したものであり、微細で安定な水性分散体は得られるものの、これから得られる塗膜は、耐水性やヒートシール性は、実施例に比べ大きく低下した。特に、長期ヒートシール性は著しく低下した。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、特定組成の塩素化ポリオレフィン樹脂の水性分散体を不揮発性水性化助剤を用いなくても数平均粒子径が1μm以下に微細かつ安定に得ることができる。この水性分散体から得られる塗膜は不揮発性水性化助剤を含んでいないため、塩素化ポリオレフィン樹脂本来の特性を損なうことなく、特に耐水性や基材との密着性、ヒートシール性に優れており、長期的にもこれらの性能は殆ど変化しない。したがって、各種コーティング剤、塗料、インキ、接着剤のバインダー等の用途に好適である。さらに、本発明の水性分散体は、他の重合体の水性分散体、無機粒子、あるいは架橋剤等の添加剤との混合安定性に優れているため、用途に応じてさらに性能の向上を図ることができる。また、本発明の製造方法ではホモジナイザーやミキサー型乳化器等の高速攪拌装置を用いる必要がないため、設備の簡略化やコストダウンにも寄与することができる。

Claims (7)

  1. 塩素含有率が3〜70質量%である酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂と、揮発性の塩基性化合物とを含有し、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない水性分散体であって、この塩素化ポリオレフィン樹脂の水性分散体中での数平均粒子径が1μm以下であることを特徴とする塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体。
  2. 酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素化前の不飽和カルボン酸単位が0.01〜15質量%である請求項1記載の塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体。
  3. さらに有機溶剤を含有し、この有機溶剤は、20℃における水に対する溶解性が10g/L以上であることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン樹脂水性分散体。
  4. 有機溶剤の沸点が30〜250℃であることを特徴とする請求項3記載のポリオレフィン樹脂水性分散体。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の水性分散体を含有してなるコーティング組成物、塗料組成物、インキ組成物、または接着剤組成物。
  6. 塩素含有量が3〜70質量%である酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂、揮発性の塩基性化合物、20℃における水に対する溶解性が10g/L以上である有機溶剤、および水を原料とし、これらを密閉容器中で80〜200℃の温度で加熱、攪拌する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法。
  7. 請求項6記載の工程の後、さらに、水性分散体の有機溶剤含有量を低減するための脱溶剤処理工程を含むことを特徴とする水性分散体の製造方法。
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