JPH03160042A - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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JPH03160042A
JPH03160042A JP29931789A JP29931789A JPH03160042A JP H03160042 A JPH03160042 A JP H03160042A JP 29931789 A JP29931789 A JP 29931789A JP 29931789 A JP29931789 A JP 29931789A JP H03160042 A JPH03160042 A JP H03160042A
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JP
Japan
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aqueous
group
resin composition
dispersion
acid
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Application number
JP29931789A
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English (en)
Inventor
Takeshi Masuda
増田 毅
Kiyoshi Onishi
清 大西
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる水性樹脂組或物に関する。
さらに詳細には、塩素化ポリオレフィン含有水性分散液
とポリウレタン水性分散体とを必須の成分として含んで
成る、とりわけ、塗料、印刷インキならびに接着剤など
として利用できる、分散安定性ならびに耐久性などにす
ぐれた性能を有する水性樹脂組或物に関する。
〔従来の技術〕
従来、金属、コンクリート、紙、木材、プラスチック等
の表面を保護するために、水蒸気や酸素を通しに<<、
酸やアルカリにも侵されにくい性質を持つ塩素化ポリオ
レフィン系樹脂が広く使用されている。
かかる塩素化ポリオレフィン系樹脂は極めて疎水性の強
い樹脂であり、一般に、これを例えばアセトン、メチル
エチルケトンの如きケトン系溶剤;トルエン、キシレン
の如き芳香族炭化水素系などのように、比較的に蒸発速
度の大きい有機溶剤の単独または混合物に溶解して塗料
溶液を調製し、噴霧や塗布などの方法で、金属表面に塗
布して脱溶剤させめたのち、焼き付けて塗膜を形威させ
ている。しかし、このような有機溶剤を媒体とするビヒ
クルは作業環境を悪くし、人体に対する安全性が損われ
るばかりでなく、大気汚染の原因ともなるし、さらには
可燃性溶剤であるために、火災や爆発の危険を、常に、
はらんでいる.また、合或樹脂の有機溶剤溶液は粘度が
高くなるために高濃度溶液で適用することが困難で、適
切な使用粘度とするためには、大量の溶剤を使用する必
要力くある。
このような、塩素化ポリオレフィン系樹脂の有機溶剤溶
液の不利益を回避する方法として、塩素化ポリオレフィ
ン系樹脂を水中に分敗させて塗料を製造する方法が提案
されている。しかしな力くら、当初は、塩素化ポリオレ
フィン系樹脂の水性化番よ、溶剤に溶解させた形の塩素
化ポリオレフィン系樹脂を、乳化剤や保護コロイドの存
在下で、機械的に分散せしめることにより得ていた。
ところが、このようにして得られた塩素化ポ17オレフ
ィン系樹脂の水性分散液は保存安定性に乏しく、しかも
、多量に含有する有機溶剤の除去力く困難である上に、
使用する乳化剤や保護コロイドの影響で、得られる塗膜
の密着性、耐食性、耐水性等が劣り、その使用は著しく
限定されても)た。
しかしながら、最近、塩素化ポリオレフィン系樹脂の水
性化を行なう方法として、乳化剤や保護コロイドを使用
しない、種々の、いわゆるソープフリー型の塩素化ポリ
オレフィン系樹脂の水性分散液が検討されてきている。
このようなソープフリー型の塩素化ポリオレフィン系樹
脂の水性分散液は極めて保存安定性がよく、従来におい
て、欠点であるとされてきた塗膜の密着性、耐食性、耐
水性等も大幅に改良され、急速に、用途は広がってきて
いる。しかしながら、かかるソープフリー型の塩素化ポ
リオレフィン系樹脂の水性分散液も、ポリオレフィン基
材、就中、ポリプロピレン基材についての塗料用プライ
マーや接着剤として使用した場合には、溶剤型塩素化ポ
リオレフィン系樹脂に比して、下地基材との密着性や、
上塗り塗料との密着性などの上で、実用的には、未だ不
十分であり、その改良が求められていた. 〔発明が解決しようとする課題〕 そこで、本発明者らは上述した如き従来技術における種
々の欠点ないしは問題点の解消ないしは解決を図かり、
加えて、上述した如き要求に添うべく、鋭意、研究に着
手した。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、一にか
かって、ポリオレフィン基材、就中、ポリプロピレン基
材である、たとえば、自動車用ボリブロビレン・バンパ
ーの塗装に当たって、塗料用プライマーとして使用した
場合や、ポリプロピレンフィルムを基材にして、紙や各
種のプラスチック・フィルムなどを貼り合わせるための
接着剤として使用した場合などにおける、それぞれ、実
用に耐え得る密着性ならびに耐久性などを付与せしめる
ことのできる樹脂組戒吻の水性分散液、つまり、水性樹
脂組成物を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述した如き発明が解決しようとする課
題に照準を合わせて、鋭意、検討を重ねた結果、必須の
威分として、それぞれ、塩素化ポリオレフィン含有水性
分散液、つまり、塩素化ポリオレフィンを有効成分とし
て含有する水性分散液と、ポリウレタン水性水分散液と
を含んで或る水性樹Mri組成物を用いることにより、
自動車ボリブロビレン・バンパーの塗装に当たって、塗
料用プライマーとして使用した場合にも、ポリプロピレ
ンフィルムに印刷紙を張り合わせる接着剤として使用し
た場合にも、従来は、とても得ることのできなかった、
極めて優れた塗装性能や接着性能などを発揮しうる目的
物が得られることを見い出して、本発明を完成させるに
至った。
すなわち、本発明は必須の成分として、塩素化ポリオレ
フィンを有効成分として含有する水性分散液(A)と、
ポリウタレン水性分散液(B)とを含んで成る、新規に
して有用なる樹脂組戒物を提供しようとするものである
ここにおいて、まず、上記した塩素化ポリオレフィンを
有効威分として含有する水性分散液(A)は、たとえば
、次のような方法で調製されるものである。
すなわち、塩素化ポリオレフィンの存在下に、カルボキ
シル基含有ビニルモノマーおよび/または一般式 0 但し、式中のRIおよびR2はそれぞれ、同一でも異な
っていてもよい、水素原子またはフェニル基もしくは炭
素数が1〜4なるアルキル基を、R,は水素原子または
炭素数が1〜20なるアルキル基を、Xは少なくともエ
チレンオキサイドを含む、炭素数が2〜4なるアルキレ
ンオキサイド鎖に基ずくポリオキシアルキレン鎖を表わ
すものとする。
で示されるα.β一エチレン性不飽和カルボン酸のボリ
オキシアルキレンエステルを主体とするビニルモノマー
混合物を、重合開始剤の存在下で共重合させ、カルボキ
シル基含有ビニルモノマーを含む場合には、その一部ま
たは全部を、塩基性化合物で中和せしめ、次いでかくし
て得られる樹脂組成物を、水性媒体中に分散させること
により得ることができる。あるいはまた、(A)塩素化
ボリオレフィンを含む水性分散液(A)として、塩素化
ポリオレフィンの存在下に、まず、ヒドロキシル基含有
モノマーを主体とするビニルモノマー混合物を、重合開
始剤を用いて、共重合させ、次いで、かくして得られる
ヒドロキシル基含有樹脂組成中のこのヒドロキシル基に
無水カルボン酸化合物を付加反応せしめ、しかるのち、
ここに生戒したカルボン酸基の一部または全部を塩基性
化合物で中和することによっても得ることができる。
本発明で使用する斯かる塩素化ポリオレフィンとして特
に代表的なもののみを挙げれば、ポリエチレンやポリプ
ロピレンをはじめ、天然ゴムまたは合或ゴムの如き鎖状
炭化水素系高分子物質を、常法により、塩素化すること
によって得られる熱可塑性樹脂であり、場合によっては
、マレイン酸成分を2重量%以下の割合で含有していて
もよい。
そして、かかる塩素化ポリオレフィン系樹脂の市販品と
しては、例えば、山陽国策パルプ(株)製の「スーパー
クロン306」、「スーパークロン510J、「スーパ
ークロン602」、「スーパ−クロン773HJ、「ス
ーパークロン803LJ、「スーパークロン907」、
「スーパークロンCR−5」または「スーパークロンC
R− 1 5 0Jなどである。かかる塩素化ポリオレ
フィンとともに、エポキシ樹脂を同時に使用することも
できる。
このエボキシ樹脂は、塩素化ポリオレフィンの脱塩化水
素による分解を抑える目的で、ならびに塗膜の下地との
接着性を向上させる目的で使用されるものである。これ
らの目的で使用するエポキシ樹脂の数平均分子量として
は、300〜so.oooの範囲が好ましい。かかるエ
ポキシ樹脂の市販品としては、たとえば、油化シエル・
エボキシ(株)製の「エビコー}828J、「エビコー
HOOIJ、「エピコート1004J、「エビコート1
007J、「エビコート1009Jまたは「エビコー}
1010Jなどが挙げられる。そして、エボキシ樹脂の
使用割合は、塩素化ポリオレフィンの100重量部に対
して0.1〜110重量部なる範囲内が好ましく、水性
媒体中に分散させるべき樹脂組成物100重景部に対し
て0.02〜50重量部なる範囲内が好ましい。
また、前掲の一般式(1)で示されるα,βーエチレン
不飽和カルボン酸のポリオキシアルキレンエステルとし
て特に代表的なものには、(1)β−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートやβ−ヒドロキシプ口ピル(メタ
)アクリレートなどの、いわゆるヒドロキシル基含有ビ
ニルモノマーに、エチレンオキシドを、あるいは、この
エチレンオキシドと、プロピレンオキシドおよび/また
はプチレンオキシドとを、前者対後者との重合比が1 
0 0/O〜6 0/4 0となるような割合で、ラン
ダムまたはブロック共重合して得られる化合物、上記の
ように、まず、1 0 0/O〜60/40なる重量比
でランダム共重合、またはブロック共重合して得られる
ポリオキシアルキレンの一方の末端基が水素原子又は炭
素原子数1−20のアルキル基でり、かつ、もう一方の
末端基がヒドロキシル基であるポリオキシアルキレング
リコールを調製し、次いで、アクリル酸やメタクリル酸
などのカルボキシル基含有ビニルモノマーとエステル化
反応によって得られる化合物、あるいは、上掲した如き
ポリオキシアルキレングリコールと、アクリル酸メチル
、アクリル酸エチルまたはメタクリル酸メチルの如き(
メタ)アクリル酸エステル類とのエステル交換反応によ
り得られる化合物などが挙げられる。
前掲の一般式(1)で示されるα,β一エチレン性不飽
和カルボン酸のポリオキシアルキレンエステルのポリオ
キシアルキレン鎖の平均分子量としては、1,500〜
25,000なる範囲内が好ましい。
そして、かかる上掲の一般式(1)で表わされるα,β
一エチレン性不飽和カルボン酸のポリオキシアルキレン
エステルにおけるこのポリオキシアルキレン鎖中のポリ
オキシエチレンブロックの含有量としては、60〜10
0重1%なる範囲内が好ましく、75〜100重量%な
る範囲内が特に好ましい。かかるポリオキシエチレンブ
ロックの含有量が60重量%より少ない場合には、どう
しても、水性媒体中に分散させるべき樹脂組底物の水性
媒体中への分散性が悪くなる傾向にあるので好ましくな
い。
さらに、前記したカルボキシル基含有ビニルモノマーと
して特に代表的なもののみを例示するならば、アクリル
酸、メククリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸またはフマル酸などである。ピニルモノマー混合物の
形で使用される他の共重合性ビニルモノマーとしては、
そのうちでも、特に代表的なもののみを挙げるに留めれ
ば、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、
【ーブチルスチレンもしくはクロルスチレンの如き各種
の芳香族ビニルモノマー:アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロビル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、
アクリル酸イソアミル、アクリルfan−ヘキシル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル
、アクリル酸デシルもしくはアクリル酸ドデシルの如き
各種のアクリル酸エステル頚:メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸プロビル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリ
ル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシルもしく
はメタクリル酸ドデシルの如き各種のメタクリル酸エス
テル類:アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒド
ロキシプ口ビル、メタクリル酸ヒドロキシエチルもしく
はメタクリル酸ヒドロキシプ口ピルの如き各種のヒドロ
キシル基含有モノマー:またはN−メチロール(メタ)
アクリルアミドもしくはN−ブトキシメチル(メタ)ア
クリルアミドの如き各種のN一置換(メタ)アクリル系
モノマーなとである。さらにまた、前記した無水カルボ
ン酸化合物としては、無水マレイン酸、無水フタール酸
、無水(メタ)アクリル酸またはへキサヒド口無水フタ
ール酸などが特に代表的なものである。さらには、アミ
ノ基を含有するモノマーとしての、N,N−ジメチルア
くノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレートまたはN,N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリレートで代表される3
級アミノ基含有モノマーなども、同様に、他の共重合性
ビニルモノマーとして用いられる。当該塩素化ポリオレ
フィンを有効或分として含有する水性分散液(A)を調
製するに当たって、塩素化ポリオレフィンの存在下に、
般式(1)で示されるα,β一エチレン性不飽和カルボ
ン酸のボリオキシアルキレンエステルおよび/またはカ
ルボキシル基含有ビニルモノマーを含むビニルモノマー
混合物を、重合開始剤を用いて共重合せしめ、そのさい
カルボキシル基含有ビニルニルモノマーを含む場合にあ
っては、その一部または全部を塩基性化合物で中和し、
次いで、かくして得られる樹脂組成物を水性媒体中に分
散せしめることにするが、そのような場合には、ビニル
モノマー混合物中における(1)で示されるα,β一エ
チレン性不飽和カルボン酸のポリオキシアルキレンエス
テルの使用割合としては、5〜60重量%なる範囲内が
好ましい。このα,βーエチレン性不飽和カル′ボン酸
のボリオキシアルキレンエステルの使用割合が5重量%
より少ない場合には、どうしても、得られる樹脂組戒物
の水性媒体中における分散安定性が悪くなる傾向にある
ばかりか、こうした水性媒体中への樹脂組成物の分散化
が困難なものとなる傾向にあるので好ましくない。加え
て、カルボキシル基含有ボリマーと塩素化ポリオレフィ
ンとの相溶性も悪くなる傾向にあり、その結果、塗膜に
濁りが生ずる傾向にあるので好ましくない。一方、この
α,β一エチレン性不飽和カルボン酸のポリオキシアル
キレンエステルの使用割合が60重量%より多い場合は
、塗膜の耐水性が低下する傾向にあるし、経済的にも不
利となるので好ましくない。また、ビニルモノマー混合
物中におけるカルボキシル基含有ビニルモノマーの使用
割合としては、5〜80重量%なる範囲内が好ましい。
このカルボキシル基含有ビニルモノマーの使用割合が5
重量%より少ない場合には、どうしても、得られる樹脂
組成物の水性媒体中における分散安定性が悪くなる傾向
にあるので好ましくない。一方、このカルボキシル基含
有ビニルモノマーの使用割合が80重景%より多い場合
には、どうしても、塗膜の耐水性が低下する傾向にある
ため好ましくない。さらに、ビニルモノマー混合物中に
おける他の共重合性ビニルモノマーの使用割合としては
、O〜90重量%、好ましくは、20〜80重量%なる
範囲内が適切である。かかる他の共重合性ビニルモノマ
ーは、主として、カルボキシル基含有ポリマーのガラス
転移温度の調節、ならびに、カルボキシル基含有ポリマ
ーの親水性と、疎水性のバランスをとる目的で使用され
る。塩素化ポリオレフィンおよびエボキシ樹脂とビニル
モノマー混合物との使用割合としては、重量比で、40
:60〜90:10なる範囲内が好ましい。ビニルモノ
マー混合物の共重合反応用の重合開拍剤としては、アブ
ビスイソブヂロニトリルやペンゾイルパーオキサイドな
どの公知慣用のラジカル開始剤が挙げられる。そして、
これらの重合開始剤の使用割合はビニル七ノマー混合物
に対して0.5〜20重量%なる範囲内が好ましい。
塩素化ポリオレフィンを有効成分として有効する水性分
散液(A)として、塩素化ポリオレフィンの存在下に、
ヒドロキシル基を有するモノマーを含むビニルモノマー
混合物を、重合開始剤を用いて共重合させ、次いで、無
水カルボン酸化合物をこのヒドロキシル基に付加反応さ
せたのち、ここに生成したカルボキシル基の一部または
全部を、塩基性化合物で中和することによって得るよう
な場合には、ビニルモノマー混合物中のヒドロキシル基
含有七ノマーの使用割合としては、3〜60重量%なる
範囲内が好ましい。そのさい、無水カルボン酸化合物の
使用割合としては、通常、ヒドロキシル基/無水カルボ
ン酸基なるモル比がl/1〜1/0.1なる範囲内であ
る。共重合反応に用いられる有機溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノールもしくはブタノールの
如きアルコール類:メチルセロソルブ,エチルセロソル
ブ、プロビルセロソルプ、プチルセロソルブ、メチル力
ルビトールもしくはエチル力ルビトールの如きエーテル
アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、エチルプロピルケトンもしくはエチ
ルブチルケトンの如きケトン頚;またはトルエンの如き
芳香族炭化水素類などが特に代表的なものである。
而して塩素化ポリオレフィンを有効成分として含有する
当該水性分散液(A)は、前述の如き重合反応によって
得られた樹脂組戒物に、まず、この樹脂組戒物がカルボ
ン酸基を含む場合には、分散液のpHが7以上となる量
の塩基を加わえて、他方、この樹脂&ll戒物が塩基性
アミノ基を含む場合には、分散液のpl1が6以下とな
る量の酸を加えて、樹脂U或物を水性媒体中へ分敗させ
ることによって得られる。ここで使用される塩基として
は、アンモニアや揮発性のアミン類などが好ましく、金
属水酸化物などのような無機塩基は、塗膜中に残留し耐
水性を低下させる傾向があるので好ましくない。上記し
たアミン類としては、トリメチルアミン、一トリエチル
アミンもしくはトリブチルア短ンの如きアルキルアミン
類;ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミンも
しくはアミノメチルプロバノールの如きアルコールア稟
ン類;またはモルホリンなどが特に代表的なものである
。また、場合によっては、エチレンジアミンやジエチレ
ントリアミンなどの多価アミン類をも使用することがで
きる。本発明において言う水性媒体とは、少なくとも1
0重量%以上が水である、水の単独ないしは水と親水性
有機溶剤との混合物を指称する。かかる親水性有機溶剤
としては、メタノール、エタノール、n−プロバノール
、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−プタノ
ールもしくはter t−ブタノール、イソブタノール
の如きアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルプ、プロビルセロソルプ、プチルセロソルブ、メチル
力ルビトールもしくはエチル力ルビトールの如きx 一
−F /I/アルコール類;またはアセトンもしくはメ
チルエチルケトンの如きケトン類をはじめ、ジオキサン
、ジメチルホルムアミドまたはダイア七トンアルコール
などが使用できる。
かくして、本発明において用いられる塩素化ポリオレフ
ィンを有効成分として含有する水性分散液(A)は、分
散安定性が非常に良好であるし、しかも、当該水性分散
液(A)中に含有される有機溶剤を減らす必要がある場
合には、アセトンまたはメチルエチルケトンの如き沸点
の低い溶剤や、ブタノールまたはトルエンの如き水と共
沸する溶剤などを、反応溶剤や分敗助剤として用いれば
、水性媒体中に分散させたのちに、常圧ないしは減圧に
て蒸留することによって、容易に、低有機溶剤含有率の
、塩素化ポリオレフィンを有効成分として含有する水性
分散液目的水性分散液(A)を得ることができる。
次に、前記したポリウレタン水性分散液(B)もまた、
種々な方法で調製することができる。
すなわち、当該ポリウレタン水分散体(B)の一般的な
調製方法としては、イオン性の官能基(反応性極性基)
を含有した化合物を、ウレタン化反応のさいに、一部、
共重合させて得られる親水基含有イソシアネート末端プ
レボリマーを水に分散させて、アミン類で鎖伸長せしめ
るという方法が知られているが、これらの反応は、従来
は専ら、バッチ反応であり、通常、第一の容器の中で、
まず、ウレタンプレポリマーを合威し、次いで、同一ま
たは第二の容器で、水に分散させてアミン類で鎖伸長さ
せるのが一般的である。
用いられる親水基含有イソシアネート末端プレポリマー
は、従来公知のポリイソシアネート化合物と、イソシア
ネート基と反応し得る活性水素含有化合物とから調製さ
れる。
使用することのできるイソシアネート化合物としては、
2.4−}リレンジイソシアネート、2,6ートリレン
ジイソシアネート、m−フエニレンジイソシアネート、
p−フエニレンジイソシアネート、4,4′−ジフエニ
ルメタンジイソシアネート、2.4′−ジフエニルメタ
ンジイソシアネート、22′−ジフエニルメタンジイソ
シアネート、3.3′−ジメチル−4,4′−ビフエニ
レンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4
′−ビフエニレンジイソシアネート、3,3′−ジクロ
ロー4.4′−ビフェニレンジイソシアネート、1.5
−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロ
ナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシ
アネート、1.6−へキサメチレンジイソシアネート、
ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルへキサメ
チレンジイソシアネート、1,3シクロへキジレンジイ
ソシアネート、1.4 −シクロヘキシレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキ
シリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソ
シアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネートまたは3.3′−ジメチル−4.4′−ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネ−1−などが特に代
表的なものである。
イソシアネート末端プレボリマーを調製するに当たって
用いられる、イソシアネート基と反応し得る活性水素を
含有する化合物としては、それぞれ、平均分子量が30
0〜io,ooo、好ましくは、500〜s,oooな
る比較的に高分子量の化合物と、分子量が300以下な
る比較的に低分子量の化合物とに分けられる。
高分子量化合物としては、ポリエステルポリオール、ポ
リエーテルボリオール、ポリカーボネートボリオール、
ポリアセタールボリオール、ポリアクリレートボリオー
ル、ポリエステルアミドボリオールまたはポリチオエー
テルボリオールなどが特に代表的なものである。
ポリエステルボリオールとしては、エチレングリコール
、プロピレングリコール、1.3−プロパンジオール、
1.4−ブタンジオール、1.5−ペンタンジオール、
3−メチルーL5−ペンタンジオール、1.6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール、分子量が300〜6,000なるポリエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4
一シクロヘキサンジオール、■,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノー
ルAもしくはハイドロキノン、またはこれらのアルキレ
ンオキシド付加体などのグリコール成分と、こはく酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカ
ルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロ
ペンクンジカルボン酸、1.4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,
4−ナフタレンジカルボン酸、2.5−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル
酸、ビフエニルジカルボン酸もしくは1.2−ビス(フ
エノキシ)エタンーp,p’−ジカルボン酸、またはこ
れらのジカルボン酸の無水物ないしはエステル形戒性誘
導体;あるいはp−ヒドロキシ安息香酸もしくはp−(
2−ヒドロキジエトキシ)安息香酸、またはこれらのヒ
ドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体などの酸威
分とから、脱水縮合反応によって得られるポリエステル
類をはじめとし、さらには、ε一カプロラクトンなどの
環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポ
リエステル類、またはこれらの共重合ポリエステル類が
特に代表的なものである。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール
、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プ
ロビレングリコール、トリメチレングリコール、L3−
ブタンジオール、■,4−ブタンジオール、1.6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン
、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソ
ルビトール、しょ糖、アコニット糖、トリメリット酸、
ヘミメノット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロー
ル、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフクール酸また
は1,2.3−プロパントリチオールなどの、活性水素
原子を少なくとも2個含有する化合物のl種または2種
以上を開始剤とし、エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、プチレンオキサイド、スチレンオキサイド、
エピクロルヒドリン、テトラヒド口フランまたはシクロ
ヘキシレンなどのモノマーの1種または2種以上を、常
法により、付加重合したものが挙げられる。
ボリカーボネートボリオールとしては、1.4ーブタン
ジオール、1.6−ヘキサンジオールまたはジエチレン
グリコールなどのグリコールと、ジフエニルカーボネー
トまたはホスゲンとの反応によって得られる化合物が挙
げられる。
低分子量化合物とは、分子量3 0 0以下の分子内に
少なくとも2個の活性水素を含有し、しかも、分子量が
精々300までの化合物を指称するものであって、前述
したポリエステルボリオールの原料として用いたグリコ
ール成分をはじめ、さらにはグリセリン、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールブロバン、ソルビトールもし
くはペンタエリスリトールの如きポリヒドロキシ化合物
;またはエチレンジアミン、1.6−へキサメチレンジ
アミン、ビベラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イ
ソホロンジアミン、4,4′−ジシクロヘキシルメタン
ジアミン、3.3′−ジメチル−4.4′−ジシクロヘ
キシルメタンジアミン、1.4 −シクロヘキサンジア
ミン、1,2−プロパンジアミン、ヒドラジン、ジエチ
レントリアミンもしくはトリエチレンテトラごンの如き
アミン化合物が特に代表的なものとして挙げられる。
親水基含有イソシアネート末端プレボリマーに親水基を
導入する方法としては、分子内に少なくとも1個以上の
活性水素を有し、かつ、カルポキシル基、スルホン酸基
(スルホキシル基)、またはスルホネート基、あるいは
、エチレンオキサイドの繰り返し単位を含有する親水基
含有化合物の少なくとも1種以上を、このイソシアネー
ト末端のプレポリマーの製造時に、共重合せしめるとい
う方法などがあるが、こうした方法により容易に得られ
る。
かかる親木基含有化合物として特に代表的なもののみを
例示するの留めれば、2−オキシエタンスルホン酸、フ
ェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホこはく酸
、5−スルホイソフタル酸、スルファニル酸、1.3−
フェニレンジアミン−4.6−ジスルホン酸もしくは2
.4−ジアミノトルエン−5−スルホン酸の如きスルホ
ン酸含有化合物または、これらの誘導体、あるいはこれ
らを共重合させて得られるポリエステルボリオールとか
、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチ
ロール酪酸、2.2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマ
レイン酸、2.6−ジオキシ安息香酸もしくは3.4−
ジアξノ安息香酸の如きカルボン酸含有化合物または、
これらの誘導体、あるいはこれらを共重合させて得られ
るポリエステルボリオールとか、エチレンオキシドの繰
り返し単位を少なくとも30重量%含有し、かつ、ポリ
マー中に少なくとも1個の活性水素を含有する、分子量
が300〜10,000なるポリエチレンーボリアルキ
レン共重合体などのノニオン基含有化合物または、これ
らを共重合させて得られるポリエステルボリエーテルボ
リオールなとであり、これらは単独使用でも2種以上の
併用でもよいが、それらのうちでも、好ましい親木基含
有化合物としては、カルボキシル基含有化合物または、
その誘導体、あるいはこれらを共重合して得られるポリ
エステルボリオールである。
親水基含有イソシアネート末端ブレボリマー中の親水基
の含有量としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ま
たはスルホネート基においては、最終的に得られるポリ
ウレタン樹脂の固形分100部当たり、少なくとも0.
01当量好ましくは、0.01〜0.2当量が必要であ
り、一方、ノニオン基含有化合物においては、最終的に
得られるポリウレタン樹脂の固形分当たり少なくとも3
重量%、好ましくは、5〜30重量%含有することが必
要である。
親木基含有イソシアネート末端プレボリマーは、従来公
知の方法で製造され、たとえば前記ポリイソシアネート
化合物と活性水素含有化合物(親木基含有化合物をも含
む。)とを、イソシアネート基と活性水素基との当量比
が1.1:1〜3:l、好ましくは、1.2  7 1
〜2:1となるような比率で、20−120℃、好まし
くは、30〜100℃なる温度で反応せしめることによ
っても得られる。これらの反応は無溶剤下にて行なうこ
ともできるが、反応系の反応制御や粘度低下などの目的
で有機溶剤を使用することもできる。
かかる有機溶剤としては、トルエンもしくはキシレンの
如き芳香族炭化水素;アセトンもしくはメチルエチルケ
トンの如きケトン類;テトラヒド口フランの如きエーテ
ル類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチルの如き酢酸エステ
ル類;またはジメチルホルムアξドもしくはN−メチル
ピロリドンの如きアミド類などが特に代表なものとして
挙げられる。それらのうちでも、特に好ましい有i溶剤
としては、沸点が100℃以下でかつ、親水性のなる、
たとえば、アセトンやメチルエチルケトンなどである。
プレボリマーを連続的に水相と混合するさいのプレポリ
マーそれ自体の適当な粘度は、10〜2, 000cp
sである。粘度が2. 000cpsを超えると、どう
しても、配管内の圧力損失が大きくなるだけでなく、水
相との粘度差が大きくなりすぎるためにξキサーによる
混合効果が充分でなくなり、ひいては、安定な水分散体
が得られなくなるし、一方、10cps未溝の場合には
、どうしても、希釈のために使用する有機溶剤の使用量
が多くなり過ぎて経済的ではない。好ましくは、20〜
t . ooocpsなる範囲内である。
ブレポリマーを連続的に水相と混合するさいのプレポリ
マーの温度は、5〜80℃、好ましくは、20〜60℃
である。5℃未満では水との副反応が抑制され、アごン
類との反応が選択的に進行するが、冷却のためのユーテ
ィリティコストが高くなるため経済的でないし、一方、
80℃を超えるようになると、水との副反応が促進され
るために、粒子径が粗大化する傾向にあり、好ましくな
い。
用いられるポリアミン系鎖伸長剤として特に代表的なも
ののみを例示するに留めれば、エチレンジアミン、1.
2−プロパンジアミン、1.6 −ヘキサメチレンジア
ミン、ピペラジン、2.5−ジメチルピペラジン、イソ
ホロンジア旦ン、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジ
アξン、3,3′−ジメチル−4.4′−ジシクロヘキ
シルメタンジアミンもしくは1.4−シクロヘキサンジ
アミンの如きジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプ
ロピレントリアミンもしくはトリエチレンテトラミンの
如きポリアミン類;ヒドラジン類;または酸ヒドラジド
類などである.それ以外にも、水が用いられ、これらは
単独使用でも、2種以上の併用でもよいこと勿論である
ボリアミン系鎖伸長剤は、当該ポリウレタン水性分散液
(B)を得るために必要な分散媒としての水に溶解させ
て使用され、そして、その使用量は、親木基含有イソシ
アネート末端プレボリマー中のイソシアネート基に対し
て当量比でO:1〜1:l、好ましくは、Q.6  7
 1〜0.98:1であることが必要である。使用する
水の量は、プレポリマーと水相との混合後においてo/
wなる水分敗体になるだけの最低限の量であればよく、
概ね、ポリウレタンの固形分に対して1 0 0−1,
000重量%である。
親水基含有イソシアネート末端プレポリマーの親水基が
カルボキシル基である場合には、カルポキシル基を中和
するために必要な中和剤として、トリメチルアミンやト
リエチルアごンなどの三級アミン類を、カルボキシル基
に対して当量比で0.5  : 1〜1.5:L好まし
くは、1:1〜1.3=1なる割合で、上記ポリアミン
系鎖伸長剤水溶液中に含有させる必要がある。かかる中
和剤は親木基含有イソシアネート末端プレポリマー中に
予め添加することもできるが、これら上記の三級アミン
類はウレタン化反応の強力な触媒でもあるため、副反応
を起こし易く、しかも、ブレボリマーが着色し易くなる
ために好ましくない。
一般的な方法である水相を連続的にプレボリマーと混合
するさいの水相の温度は、0〜50℃、好ましくは、5
〜40℃である。
ポリアミン系鎖伸長剤を含有する水相を調製するさいに
、後続する蒸留工程で留去される有機溶剤/水、または
有機溶剤/中和剤/水の下層成分を、水の一部に替えて
使用することも可能である。
この下層水は、従来においては、公害対策の点から、活
性汚泥による処理や焼却などにより処理されており、結
局の処、多額の費用を必要としていたが、当該ポリウレ
タン水性分散液(B)の物性を損なうことなく、回収再
使用できることが可能となり、結局の処、本発明は経済
的に極めて有利なものであると言える。こうした回収再
使用においては、下層水の組成、すなわち、水の含有量
に応じて、水相中における水の仕込量が、所定の最にな
るように調整される。そのさい、連続蒸留装置によれば
、蒸留条件を固定することにより一定の品質の留出液が
得られる処から、回収再使用のための調整も容易となる
ものである。
また、こうした回収再使用される下層水中には、ブレボ
リマーと同じ有機溶剤を、一部、含有する処から、プレ
ポリマーをアミン類含有の水層と混合するさいに、両者
の親和性を向上させるように作用し、より安定な水分散
体が得られるということになる。
当該ポリウレタン水性分散液(B)は、通常、アミン類
との鎖伸長反応が完結する前に、あるいは、鎖伸長反応
が完結してから、次の脱溶剤工程に移される。反応を完
結させる場合には、タンクあるいは反応釜に移され、撹
拌下に、あるいは、静置状態で熟或される。
かくして得られた当該ポリウレタン水性分散液(B)は
、固形分が約15〜60%、好ましくは、20〜50%
なる、実質的に無溶剤型の水分敗体であるが、沸点が1
00℃以上なる有機溶剤を使用した場合には、水分散体
の重量当たり20%までの範囲内で含有しても、一向に
、構わない。
本発明の水性被覆用樹脂組成物は、次いで、塩素化ポリ
オレフィンを有効成分として含有する水性分散液(A)
と、ポリウレタン水性分散液(B)とを、 (A)/ 
(B)=95/5−40/60(固形分重量比)なる範
囲内で混合せしめることによって得られる。塩素化ポリ
オレフィンを有効成分として含有する水性分散液(A)
とポリウレタン水性分散液(B)との混合比率:(A)
/(B)が95/5(固形分重量比)よりも水性分散液
(A)の使用量が多い場合には、これを自動車用ボリプ
ロビレン・バンパーの塗装に当たって塗料用プライマー
として使用したさいに、塗料との接着性がなくなる傾向
にあるので好ましくない。
他方、これらの両必須戊分(A)と(B)との混合比率
:  (A)/ (B)が40/60(固形分重量比)
よりも戊分(A)の使用量が少ない場合にも、塗料用プ
ライマーとして、或いは、接着剤として用いたさい、基
材であるポリプロピレンに対する接着性が著しく低下す
るので好ましくない。
好ましい塩素化ポリオレフィンを有効成分として含有す
る水性分散液(A)とポリウレタン水性分散液(B)と
の混合比率は、かかる(A) / (B)が9 0/1
 0〜5 0/5 0となる範囲内である。
かくして得られる本発明の水性被覆用樹脂Mi底物は、
自動車用ポリプロピレン・バンパーの塗装に当たって、
塗料用ブライマーとして使用した場合に、従来において
は決して得ることのできなかった、極めて優れた塗装性
能を発揮せしめることができるものであり、加えて、ポ
リプロピレンフィルムと印刷紙との接着剤として使用し
た場合にも、従来においては全く得ることができなかっ
た、極めて優れた接着性能を発揮せしめることができる
ものである。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の水性被覆用樹脂組戒物は、特に
、従来にあっては全く困難であったポリオレフィン基材
、就中、ポリプロピレン基材である自動車用ポリプロピ
レン・バンパーの塗装ニ当たっての塗料用プライマーと
して使用した場合やポリプロピレンフィルムを基材にし
て紙や他のフィルムを貼り合わせる接着剤として使用し
た場合などに、実用に耐えうる密着性や耐久性などの特
性を容易に付与することができるものである。本発明の
水性被覆用樹脂組成物を用いることにより、ポリオレフ
ィン基材に対する塗装や密着などが容易になるだけでな
く、本発明組成物は、ポリオレフィン基材に対する含浸
処理剤としても、あるいはコーティング剤、接着剤、被
覆剤、水性塗料または水性インキなどとしても、さらに
は集束剤用ベース樹脂としても、幅広く用いることがで
きる。
〔実施例〕
次に、参考例、実施例および比較例により本発明を、一
層、具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。なお、以下において特に断りの無い限り、
部及び%は、すべてが重量基準であるものとする. 参考例1 〔塩素化ポリオレフィンを有効成分として含
有する水性分散液(A)の調製例〕窒素置換した11の
4つロフラスコに、「スーパークロン510J(山陽国
策バルブ(株)製の塩素化ポリエチレン樹脂〕の75部
、「エピコート828」 〔油化シエル・エポキシ(株
)製のエポキシ樹脂〕の10部、分子量が6500なる
、片方の末端基がメトキシ化されたポリオキシエチレン
鎖を有するメタクリレートの4部とメチルエチルケトン
の100部とを仕込み、80℃まで加熱して完全に溶解
させる。同温度で内容物を撹拌しながら、メタクリル酸
の8部、アクリル酸プチルの4部、およびペンゾイルパ
ーオキサイドの1部からなる混合物を、2時間を要して
滴下し、さらに同温度で3時間の撹拌を続行した。その
後、反応混合物にブタノールの25部を加えて均一にな
るように混合してから、予め28%アンモニア水の6部
を水の300部で希釈していた希アンモニア水を、30
分間かけて滴下したところ、目的とする分散液が得られ
た。この分散液から、ここに含まれる有機溶剤を減圧蒸
留にて留去せしめることによって、固形分が24,8%
で、かつ、pHが7.5なる塩素化ポリオレフィン含有
水性分散液となした。この水分散体の平均粒径は0.5
μであってシャープな分布を有しており、1カ月間の静
置後においても、沈降物は全くなくて良好な安定性を有
していた。
参考例2 (同 上) 窒素置換したllの4つロフラスコに、「スーパークロ
ン306J  (同上社製品)の75部、「エビコート
1009J  (同上社製品)の10部およびトルエン
の150部を仕込み、80℃まで加熱して完全に溶解さ
せる。同温度で内容物を撹拌しながら、メタクリル酸メ
チルの15部、アクリル酸ブチルの5部、β−ヒドロキ
シエチルアクリレートの10部およびペンゾイルパーオ
キサイドの1部からなる混合物を、2時間を要して滴下
し、さらに同温度で3時間撹拌を続行した。その後、反
応混合物に無水フタノール酸の12部を加えてから10
0℃に昇温し、更に2時間のあいだ反応を′m続する.
50℃まで冷却してから、予め28%アンモニア水の5
部を280部の水で希釈した希アンモニア水を30分間
かけて滴下し、次いで、かくして得られた分散液から、
そこに含まれる有機溶剤を減圧蒸留にて留去せしめた処
、固形分が30.7%で、かつ、pHが8.2なる、目
的とする塩素化ポリオレフィン含有水性分散液が得られ
た。
この水分散体の平均粒子径は0.5μでありシャープな
分布を有しており、1カ月静置後も沈降物は全くなく良
好な安定性を有していた。
参考例3〔ポリウレタン水性分散液(B)の調製例〕 1,6−ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコール/
アジビン酸からの分子量が2,000なるポリエステル
の3,120部、1,4−ブタンジオールの165部、
ジメチロールプロピオン酸の215部、トリレンジイソ
シアネートの1,313部およびメチルエチルケトンの
2.591部から得られた、2.8%のNGO含有率を
有するブレポリマーと、無水ピペラジンの194部、ト
リエチルアミン356部および水の8.168部を均一
溶解して得られる水溶液とを、それぞれのタンクから逅
キサーへの移送して混合した。かくして得られた水分散
体は引続き、減圧にて連続的に脱溶剤を行なった。最終
的に得られたポリウタレン水分散体の固形分は40.5
%で、かつ、pHは8.6であった。また、この水分散
体の平均粒子径は0.2μmであって、シャープな分布
を有しており、1カ月間の静置後においても、依然とし
て、沈降物は全くなく、良好な安定性を有していた。
実施例l〜3および比較例1 自動車バンパー用ポリプロピレン樹脂に、2液型アクリ
ルーウレタン塗料を塗装するさいの塗料用プライマーと
して使用した形の実施例を示す。
まず、ポリプロピレン樹脂戒形板に、第1表に示される
ような配合割合の組成物(固形分比)を調製し、25℃
で相対湿度60%なる塗装雰囲気において、乾燥膜厚が
lOμmとなるように、スプレーガンにて吹き付け塗装
を行なった。次いで、室温に3分間放置し、さらに60
℃の温度でlO分間のあいだ乾燥させた。しかるのち、
酸化チタンを配合した2液型アクリルーウレタン塗料を
、スプレーガンにて、乾燥膜厚が40μmとなるように
吹き付け塗装し、5分間のセッティングののち、80℃
の温度で30分間の焼付けを行なった。
硬化塗膜について性能の評価を行なった。それらの結果
は同表に示す通りである。
耐酸性:1%硫酸水溶液によるスポットテストを行ない
、24時間後の塗膜状態を目視により判定 眉間付着性:室温にて、塗板を水中に240時間浸漬し
てから、セロファンテーブ剥離を行ない、剥離状態を目
視により判定 耐湿性:ブリスターボックスに塗装板を入れ、50℃の
雰囲気下に100時間放置してから、セロファンテープ
剥離を行ない、剥離状態を目視により判定 実施例4〜6および比較例2 ポリプロピレンフィルムと印刷紙との接着剤として、本
発明組戒物を使用した形の実施例を示す。
まず、ボリブロピレンフィルムに、第2表に示サれるよ
うな配合割合の組戒物(固形分比)を調製し、乾燥膜厚
が10μmとなるように、ロールコートにてコーティン
グを行なった。次いで、60℃の温度に10分間保持し
て乾燥させたのち、その上から印刷紙を重ね合わせ、8
0℃の温度で30分間のあいだ熱処理を行なった。硬化
塗膜について性能の評価を行なった。それらの結果は同
表に示す通りである。
接着性(常態):テンシロンP−100を使用して、2
.5 cs幅での接着強度を室温にて測定。3 ksr
以上を◎とし、2.5以上3 kg未満の場合を○とし
、2以上2.5kg未満の場合を△とし、2 kg未満
の場合を×とした。
耐アルコール性:  2.SCIl幅に裁断した試片を
メタノール中に入れ、室温において24時間浸漬し、引
き上げて30分後の接着力を測定。
耐水性7 2.5aa幅に裁断した試片をイオン交換水
中に入れ、室温において24時間浸漬し、引き上げて3
0分後の接着力を測定。
第1表ならびに第2表からも明らかなように、本発明の
水性被覆用樹脂組戒物は、それぞれ、すぐれた塗装性能
、接着性能ならびに塗膜性能を有するものであることが
知れる.

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、有効成分として塩素化ポリオレフィンを含有する水
    性分散液(A)と、ポリウレタン水性分散液(B)とを
    含んで成る、水性樹脂組成物。 2、前記した塩素化ポリオレフィンを有効成分として含
    有する水性分散液(A)が、塩素化ポリオレフィンの存
    在下に、カルボキシル基含有ビニルモノマーおよび/ま
    たは一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・〔 I 〕 [但し、式中のR_1およびR_2はそれぞれ、同一で
    あっても異なっていてもよい、水素原子またはフェニル
    基もしくは炭素数が1〜4なるアルキル基を、R_3は
    水素原子または炭素数が1〜20なるアルキル基を、X
    は少なくともエチレンオキサイドを含む、炭素数が2〜
    4なるアルキレンオキサイド鎖に基ずくポリオキシアル
    キレン鎖を表わすものとする。]で示されるα、β−エ
    チレン性不飽和カルボン酸のポリオキシアルキレンエス
    テルを主体とするビニルモノマー混合物を共重合せしめ
    、上記したカルボキシル基含有ビニルモノマーが用いら
    れる場合に限り、そのカルボキシル基の一部または全部
    を塩基性化合物で中和せしめることにより得られる樹脂
    組成物を、次いで、水性媒体中に分散させたものである
    、請求項1に記載の水性樹脂組成物。 3、前記した塩素化ポリオレフィンを有効成分として含
    有する水性分散液(A)が、塩素化ポリオレフィンの存
    在下に、ヒドロキシル基含有モノマーを主体とするビニ
    ルモノマー混合物を共重合せしめ、次いで、かくして得
    られるヒドロキシル基含有樹脂組成物の中のこのヒドロ
    キシル基に無水カルボン酸を付加反応せしめ、しかるの
    ち、かくして得られる付加反応物中のカルボキシル基の
    一部または全部を塩基性化合物で中和せしめ、さらに、
    かくして得られる樹脂組成物を水性媒体中に分散させた
    ものである、請求項1に記載の水性樹脂組成物。 4、前記したポリウレタン水性分散液(B)が、一分子
    中に少なくとも2個の、イソシアネート基と反応しうる
    活性水素原子を有し、かつ、数平均分子量が300〜2
    0,000なる活性水素原子含有化合物と、有機ポリイ
    ソシアネート化合物とを、場合により、イソシアネート
    基と反応しうる活性水素原子を有する鎖伸長剤を用いて
    、イソシアネート重付加反応せしめて得られるポリウレ
    タン樹脂の水性分散液であって、そのポリマー鎖中に塩
    形成基を有するものである、請求項1に記載の水性樹脂
    組成物。
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