JP2018119141A - フィルム、樹脂組成物およびポリアミドイミド樹脂の製造方法 - Google Patents

フィルム、樹脂組成物およびポリアミドイミド樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂を含む、高い表面硬度を有するフィルムを提供する。【解決手段】ジアミンに由来する構成単位、ジカルボン酸に由来する構成単位、および、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を少なくとも有し、2次元NMRにより測定して95%以上のイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂Aを含むフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミドイミド樹脂を含むフィルム、ポリアミドイミド樹脂を含む樹脂組成物およびポリアミドイミド樹脂の製造方法に関する。
現在、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示装置は、テレビのみならず、携帯電話やスマートウォッチといった種々の用途で広く活用されている。こうした用途の拡大に伴い、フレキシブル特性を有する画像表示装置(フレキシブルディスプレイ)が求められている。画像表示装置は、液晶表示素子または有機EL表示素子等の表示素子の他、偏光板や位相差板および前面板等の構成部材から構成される。フレキシブルディスプレイを達成するためには、これら全ての構成部材が柔軟性を有する必要がある。
これまで前面板としてはガラスが用いられている。ガラスは、透明度が高く、ガラスの種類によっては高硬度を発現できる反面、非常に剛直であり、割れやすいため、フレキシブルディスプレイの前面板材料としての利用は難しい。
そのため、ガラスに代わる材料として高分子材料の活用が検討されている。高分子材料からなる前面板はフレキシブル特性を発現し易いため、種々の用途に用いることが期待できる。柔軟性を有する樹脂としては種々のものが挙げられるが、その一つにポリアミドイミド樹脂がある。ポリアミドイミド樹脂は、透明性や耐熱性の観点から、種々の用途で使用され、その製造方法も種々検討されている。
例えば特許文献1には、TFDB(2,2’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ビフェニルジアミン)に由来する単位構造、6FDA(4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物に由来する単位構造、および、TPC(テトレフタロイルクロリド;1,4−ベンゼンジカルボニルクロリド)に由来する単位構造が共重合された樹脂を含む、共重合ポリアミドイミドフィルムが記載されている。
また、特許文献2には、鉛筆硬度などの機械的特性に優れる共重合ポリアミドフィルムが記載されている。
特表2015-521686号公報 特表2014−528490号公報
従来、前面板として使用されるようなポリアミドイミド樹脂を含むフィルムでは、高い透明性と共にフィルムの高い表面硬度を発現することが求められるが、フィルム製造方法やフィルムの測定条件によって表面硬度の評価結果が大きく異なるなどの問題があった。
例えば特許文献1に記載されるフィルムは、波長380〜780nmの平均透過度が89%以上であるが、そのフィルムが十分高い表面硬度を有するかどうかは明らかにされていない。また、高い表面硬度の発現に好適な形態についての示唆もない。特許文献2には、フィルムが3H以上の表面鉛筆硬度を有することが記載されてはいるが、鉛筆硬度の評価を行う場合、使用する照度条件によって結果が異なる場合がある。
そこで本発明は、特にフレキシブルディスプレイ等の前面板として好適に使用される、高いイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂を含む、高い表面硬度を有するフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、ポリアミドイミド樹脂の種々の特性について、ポリアミドイミド樹脂のイミド化率と得られるフィルムの表面硬度に着目して鋭意検討を行った。その結果、特定の要件を満たすポリアミドイミド樹脂を用いれば、フィルムの表面硬度を高めることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1]ジアミンに由来する構成単位、ジカルボン酸に由来する構成単位、および、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を少なくとも有し、2次元NMRにより測定して95%以上のイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂Aを含むフィルム。
[2]ジアミンは、式(3):
Figure 2018119141
[式(3)中、Xは式(3e’):
Figure 2018119141
〔式(3e’)中、R10〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、R10〜R17に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す〕
を表す]
で表される少なくとも1種の化合物を含む、前記[1]に記載のフィルム。
[3]ジカルボン酸は、式(2):
Figure 2018119141
[式(2)中、Zは式(2a)または(2b):
Figure 2018119141
〔式(2a)および式(2b)中、Uは、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−または−Ar−SO−Ar−を表し、*は結合手を表す〕
で表される基を表し、BおよびBは、それぞれ独立して、OHまたはハロゲン原子を表す]
で表される少なくとも1種の化合物を含む、前記[1]または[2]に記載のフィルム。
[4]テトラカルボン酸二無水物は、式(4):
Figure 2018119141
[式(4)中、Yは、式(4g):
Figure 2018119141
〔式(4g)中、Wは、単結合、−C(CH−または−C(CF−を表し、*は結合手を表す〕
を表す]
で表される少なくとも1種の化合物を含む、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のフィルム。
[5]ポリアミドイミド樹脂Aはフッ素原子を含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のフィルム。
[6]3以下のYIを有する、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のフィルム。
[7]4,000ルクスの照度条件下でASTM D 3363に従い測定して3B以上の鉛筆硬度を有する、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のフィルム。
[8]ジアミンに由来する構成単位、ジカルボン酸に由来する構成単位、および、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有し、2次元NMRにより測定して60%以上のイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂B、および、溶剤を少なくとも含む、樹脂組成物。
[9]ジアミンは、式(3):
Figure 2018119141
[式(3)中、Xは式(3e’):
Figure 2018119141
〔式(3e’)中、R10〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、R10〜R17に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す〕
を表す]
で表される少なくとも1種の化合物を含む、前記[8]に記載の樹脂組成物。
[10]ジカルボン酸は、式(2):
Figure 2018119141
[式(2)中、Zは次の式(2a)または式(2b):
Figure 2018119141
〔式(2a)および式(2b)中、Uは、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−または−Ar−SO−Ar−を表し、*は結合手を表す〕
で表される基を表し、BおよびBは、それぞれ独立して、OHまたはハロゲン原子を表す]
で表される少なくとも1種の化合物を含む、前記[8]または[9]に記載の樹脂組成物。
[11]テトラカルボン酸二無水物は、式(4):
Figure 2018119141
[式(4)中、Yは、次の式(4g):
Figure 2018119141
〔式(4g)中、Wは、単結合、−C(CH−または−C(CF−を表し、*は結合手を表す〕
を表す]
で表される少なくとも1種の化合物を含む、前記[8]〜[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12]ポリアミドイミド樹脂Bはフッ素原子を含む、前記[8]〜[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13]前記[8]〜[12]のいずれかに記載の樹脂組成物の塗膜を乾燥させてなるフィルム。
[14](1)ジアミン、ジカルボン酸、および、テトラカルボン酸二無水物を溶剤中で共重合しポリアミドイミド樹脂前駆体を得る工程、および、
(2)ポリアミドイミド樹脂前駆体を少なくとも含む溶液に、脱水剤および第三級アミンを添加し、70〜120℃の温度で加熱する工程
を少なくとも含む、ポリアミドイミド樹脂の製造方法であって、工程(1)を開始する際の溶剤中の水分量をw(ppm)とし、工程(2)における加熱時間をt(分)とすると、wおよびtが次の式:
Figure 2018119141
を満たす、製造方法。
[15]工程(2)において添加される脱水剤のモル量は、工程(1)において添加されるテトラカルボン酸二無水物のモル量の2倍以上である、前記[14]に記載の製造方法。
本発明によれば、高いイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂を含み、画像表示装置等における前面板等として好ましく使用される、高い表面硬度を有するフィルムが得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。
本発明のフィルムは、2次元NMRにより測定して95%以上のイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂Aを含む。ポリアミドイミド樹脂Aのイミド化率が95%より低い場合、過度に柔軟な一次構造のポリアミドイミドとなる傾向があるために、該ポリアミドイミド樹脂を含むフィルムの表面硬度を十分に高めることができない。ポリアミドイミドワニスの安定性の観点から、ポリアミドイミド樹脂Aのイミド化率は、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、さらにより好ましくは99%以上である。該イミド化率は高ければ高いほどよく、その上限は特に限定されず、100%以下であればよい。ポリアミドイミド樹脂Aのイミド化率を上記の範囲に調整する方法としては、例えば後述するポリアミド樹脂組成物を用いてフィルムを製造した後、イミド化を行って製造する方法、後述する製造方法により製造したポリアミドイミド樹脂を含む組成物を用いてフィルムを製造する方法などが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂Aのイミド化率は、ポリアミドイミド樹脂A中のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位のモル数の2倍の値に対する、ポリアミドイミド樹脂A中のイミド結合のモル数の割合を表し、本明細書においては2次元NMRにより測定される。従来、ポリアミドイミド樹脂のイミド化率の測定は、赤外スペクトルを用いて行われることが多かったが、該方法では、特開2004−338160号公報に記載されるようにイミドを含む樹脂を加熱し、充分にイミド化した樹脂の測定が必要である。しかしながら、充分にイミド化させるためには高い温度で加熱する必要があり、加熱過程において同時に樹脂の分解反応が起きる場合があるために誤差があり、イミド化率を正確に測定することができていなかった。本発明者らは、2次元NMRを用いて高い精度でポリアミドイミド樹脂のイミド化率を測定することを検討し、その結果、2次元NMRを用いて測定される所定のイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂Aを含むフィルムが、高い表面硬度を達成することを見出した。ポリアミドイミド樹脂Aのイミド化率は、フィルムを重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解させて得た所定溶液を測定試料として、2次元NMRを用いて測定することができる。なお、2次元NMRの測定条件の詳細は、実施例に示す通りである。
本発明のフィルムの鉛筆硬度(表面硬度)は4,000ルクスの照度条件下でASTM D 3363に従い測定して、好ましくは3B以上、より好ましくは2B以上、さらに好ましくはB以上、特に好ましくはHB以上、極めて好ましくはH以上、最も好ましくは2H以上である。本発明のフィルムの鉛筆硬度が上記の下限以上であることが、画像表示装置の前面板(ウィンドウフィルム)として使用した場合に画像表示装置表面の傷つきを抑制しやすく、また、フィルムの収縮および膨張を防止しやすいため好ましい。本発明のフィルムの鉛筆硬度の上限は特に限定されない。鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4:1999に準拠して測定される。具体的には、荷重100g、走査速度60mm/分にて測定を行い、光量4,000ルクスの照度条件下で評価を行う。なお、鉛筆硬度の評価を行う場合、使用する照度条件によって結果が異なる場合がある。具体的には、光量4,000ルクスの照度条件下で評価を行って測定した鉛筆硬度と比較して、より低い光量の照度条件下で評価を行って測定した鉛筆硬度は、より低い光量のためにフィルム上の傷が見えにくくなる結果、実際よりも高い鉛筆硬度が得られる可能性が高い。そのため、本明細書における鉛筆硬度は、光量4,000ルクスの照度条件下で評価して得た値とする。
本発明のフィルムのYI値は、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下である。YI値が上記の上限以下であると、フィルムの視認性をより高くすることができる。なお、YI値の下限は特に限定されず、通常0以上であればよい。YI値は、フィルムの黄色度(Yellow Index:YI値)を表し、JIS K 7373:2006に準拠して、分光光度計(日本分光(株)製の紫外可視近赤外分光光度計V−670)を用いて測定される。具体的には、300〜800nmの光に対する透過率測定を行い求めた3刺激値(X、Y、Z)から、下記の式に基づいて算出する。測定には、例えば、厚さ50〜55μmのフィルムを用いることができる。なお、本発明のフィルムは、YI値が上記範囲であればフィルムの厚さは特に限定されないが、以下に記載の厚さの範囲において上記範囲内であることが好ましい。
Figure 2018119141
本発明のフィルムの厚みは、鉛筆硬度がフィルム厚みにも影響する観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上である。
本発明のフィルムの厚みは、屈曲耐性の観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。上記厚みは、接触式のデジマチックインジケーターを用いて測定される。
本発明のフィルムの全光線透過率(Tt)は、JIS K 7105:1981に準拠し測定して、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。全光線透過率が上記の下限以上であると、本発明のフィルムを画像表示装置に組み込んだ際の視認性を高めやすい。なお、本発明のフィルムの全光線透過率の上限は通常100%以下である。全光線透過率は、JIS K 7105:1981に準拠し、例えばスガ試験機(株)製の全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DPを用いて測定される。測定には、例えば、厚さ50〜55μmのフィルムを用いることができる。なお、本発明のフィルムは、全光線透過率が上記範囲であればフィルムの厚さは特に限定されないが、上記厚さの範囲において上記範囲内であることが好ましい。
本発明のフィルムの弾性率は、フィルムの柔軟性の観点から、好ましくは5.9GPa以下、より好ましくは5.5GPa以下、さらに好ましくは5.2GPa以下、特に好ましくは5.0GPa以下、最も好ましくは4.5GPa以下である。弾性率が上記の上限以下であると、フレキシブルディスプレイが屈曲する際に、フィルムによる他の部材の損傷を抑制しやすい。なお、本発明のフィルムの弾性率の下限は特に限定されないが、通常2.0GPa以上である。弾性率は、例えば(株)島津製作所製オートグラフAG−ISを用いて、10mm幅の試験片をチャック間距離500mm、引張速度20mm/minの条件でS−S曲線を測定し、その傾きから測定することができる。
本発明のフィルムの往復折り曲げ回数は、フィルムの屈曲耐性の観点から、R=1mm、135°、加重0.75kgf、速度175cpmの条件でフィルムが破断するまで測定して、好ましくは10,000回以上、より好ましくは20,000回以上、さらに好ましくは30,000回以上、特に好ましくは40,000回以上、最も好ましくは50,000回以上である。本発明のフィルムの往復折り曲げ回数が上記の下限以上であると、フィルムを屈曲した際に生じ得る織り皺を抑制しやすい。なお、本発明のフィルムの往復折り曲げ回数の上限は特に限定されないが、通常1,000,000回以下程度の折り曲げが可能であれば十分実用的である。往復折り曲げ回数は、例えば(株)東洋精機製作所製MIT耐折疲労試験機(型式0530)を用いて、厚さ50μm、幅10mmのフィルムから切り出した試験片を測定試料として求めることができる。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aは、ジアミンに由来する構成単位、ジカルボン酸に由来する構成単位、および、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を少なくとも有する。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aは、ジアミンに由来する構成単位を有する。ジアミンとしては、式(3)で表される化合物が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂Aは、1種類のジアミンに由来する構成単位を有していてもよいし、2種以上のジアミンに由来する構成単位を有していてもよい。
Figure 2018119141
[式(3)中、Xは2価の有機基を表す。]
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aが式(3)で表されるジアミンに由来する構成単位を有する好ましい一実施態様において、該構成単位の量は、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる全構成単位に基づいて、好ましくは47.5モル%以上、より好ましくは49.0モル%以上、さらに好ましくは49.5モル%以上である。式(3)で表されるジアミンに由来する構成単位の量が上記の下限以上であると、高分子量のポリアミドイミド樹脂を得やすく、高い表面硬度を発現しやすい。また、式(3)で表されるジアミンに由来する構成単位の量は、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる全構成単位に基づいて、好ましくは50.5モル%以下、より好ましくは50.0モル%以下、さらに好ましくは49.99モル%以下である。式(3)で表されるジアミンに由来する構成単位の量が上記の上限以下であると、高い透明性および低い黄色度を発現しやすい。
式(3)中のXは2価の有機基を表し、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基を表す。2価の有機基としては、式(3a)〜式(3i)で表される基;式(3a)〜式(3i)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基で置換された基;ならびに炭素数6以下の2価の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 2018119141
[式(3a)〜式(3i)中、
*は結合手を表し、
〜Vは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−または−CO−を表す。]
1つの例は、VおよびVが単結合、−O−または−S−であり、かつ、Vが−CH−、−C(CH−、−C(CF−または−SO−である。VとVとの各環に対する結合位置、および、VとVとの各環に対する結合位置は、それぞれ、各環に対してメタ位またはパラ位であることが好ましく、パラ位であることがより好ましい。
式(3a)〜式(3i)で表される基の中でも、本発明のフィルムの表面硬度および柔軟性の観点から、式(3d)〜式(3h)で表される基が好ましく、式(3e)〜式(3g)で表される基がより好ましい。また、V〜Vは、本発明のフィルムの表面硬度および柔軟性の観点から、それぞれ独立して、単結合、−O−または−S−であることが好ましく、単結合または−O−であることがより好ましい。
式(3)で表されるジアミンとしては、具体的には、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミンおよびこれらの混合物が挙げられる。なお、本実施形態において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族基またはその他の置換基を含んでいてもよい。この芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環およびフルオレン環等が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはベンゼン環である。また「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香環やその他の置換基を含んでいてもよい。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン等の非環式脂肪族ジアミン、ならびに1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミンおよび4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の環式脂肪族ジアミン等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、および2,6−ジアミノナフタレン等の、芳香環を1つ有する芳香族ジアミン;4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン(MB)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フルオレン、および9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン等の、芳香環を2つ以上有する芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルであり、より好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ジアミン化合物の中でも、本発明のフィルムの表面硬度、柔軟性、屈曲耐性、透明性および黄色度の観点からは、ビフェニル構造を有する芳香族ジアミンからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上を用いることがより好ましく、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンを用いることがよりさらに好ましい。
ポリアミドイミド樹脂Aは、本発明のフィルムの表面硬度および透明性を高めやすい観点から、式(3)中のXが式(3e’)で表されるジアミンに由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。
Figure 2018119141
[式(3e’)中、R10〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、R10〜R17に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す。]
式(3e’)において、R10〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、ここで、R10〜R17に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。本発明のフィルムの表面硬度、柔軟性および透明性の観点からは、R10〜R17は、それぞれ独立に、さらに好ましくは水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは水素原子またはトリフルオロメチル基である。
この態様において、ポリアミドイミド樹脂Aは、式(3)中のXが式(3e”)で表されるジアミン(2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、TFMBとも称される)に由来する構成単位を少なくとも有することがより好ましい。この場合、本発明のフィルムが高い透明性を有すると同時に、ポリアミドイミド樹脂Aがフッ素元素を含有する骨格を有することにより、ポリアミドイミド樹脂の溶剤への溶解性が向上し、本発明のフィルムを作製する際に使用するポリアミドイミドワニスの粘度を低く抑制することができるため、本発明のフィルムを製造しやすくなる。
Figure 2018119141
[式(3e”)中、*は結合手を表す。]
ポリアミドイミド樹脂Aが2種以上のジアミンに由来する構成単位を有する場合、式(3)中のXが式(3e’)、好ましくは式(3e”)で表されるジアミンに由来する構成単位の量は、本発明のフィルムの透明性および製造のしやすさを向上する観点から、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれるジアミンに由来する構成単位全体に基づいて、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上である。式(3)中のXが式(3e’)、好ましくは式(3e”)で表されるジアミンに由来する構成単位の量の上限は特に限定されず、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれるジアミンに由来する構成単位全体に基づいて100モル%以下であればよい。式(3)中のXが式(3e’)または(3e”)で表されるジアミンに由来する構成単位の比率は、例えば2次元NMRを用いて測定することができ、または原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aは、ジカルボン酸に由来する構成単位を有する。本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aがジカルボン酸に由来する構成単位を有することにより、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸などの3価以上のカルボン酸に由来する構成単位に置き換えた場合よりも、溶剤への溶解度が低下しにくい傾向がある。ジカルボン酸に由来する構成単位は、ジカルボン酸ジクロライドに由来する構成単位であることが好ましい。ジカルボン酸としては、式(2)で表される化合物が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂Aは、1種類のジカルボン酸に由来する構成単位を有していてもよいし、2種以上のジカルボン酸に由来する構成単位を有していてもよい。
Figure 2018119141
[式(2)中、Zは2価の有機基を表し、BおよびBは、それぞれ独立して、OHまたはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を表す。]
ポリアミドイミド樹脂Aにおいて、式(2)で表されるジカルボン酸に由来する構成単位の量は、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる全構成単位に基づいて、好ましくは5モル%以上、より好ましくは15モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上である。式(2)で表されるジカルボン酸に由来する構成単位の量が上記の下限以上であると、高い表面硬度を発現しやすい。また、式(2)で表されるジカルボン酸に由来する構成単位の量は、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる全構成単位に基づいて、好ましくは45モル%以下、より好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。式(2)で表されるジカルボン酸に由来する構成単位の量が上記の上限以下であると、フィルムは高い柔軟性を示す傾向があるため、その耐屈曲性が向上しやすい。
式(2)中のZは2価の有機基を表し、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基を表す。2価の有機基としては、式(2a)および式(2b)で表される基;式(2a)および式(2b)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基で置換された基;ならびに炭素数6以下の2価の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 2018119141
Figure 2018119141
[式(2a)および式(2b)中、
*は結合手を表し、
は、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−または−Ar−SO−Ar−を表し、好ましくは単結合、−O−、または、−Ar−O−Ar−を表す。Arは、水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。]
式(2)で表されるジカルボン酸としては、具体的には、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸およびそれらの類縁の酸クロライド化合物、酸無水物等が挙げられ、これら2種以上を併用してもよい。具体例としては、テレフタル酸;イソフタル酸;ナフタレンジカルボン酸;4,4’−ビフェニルジカルボン酸;3,3’−ビフェニルジカルボン酸;炭素数8以下である鎖式炭化水素、のジカルボン酸化合物;2つの安息香酸が単結合、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−もしくはフェニレン基で連結された化合物;およびそれらの酸クロライド化合物が挙げられる。ここで、Rは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
式(2)で表されるジカルボン酸は、好ましくはテレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−オキシビス安息香酸、およびそれらの酸クロライド化合物から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、テレフタロイルクロリド(TPC)、4,4’-ビフェニルジカルボニルクロリド(BPDOC)および4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC)からなる群から選択される少なくとも1種を含むことがさらに好ましく、4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC)を含むことがことさらに好ましい。
ポリアミドイミド樹脂Aは、本発明のフィルムの表面硬度および透明性を高めやすい観点から、式(2)中のZが式(1)で表される構成単位を少なくとも有することが好ましい。
Figure 2018119141
[式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜Rに含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
Aは、それぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−または−NR−を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、
mは1〜4の整数であり、
*は結合手を表す。]
式(1)中の記号について、以下に説明する。
Aは、それぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−または−NR−を表し、ここで、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。本発明のフィルムの柔軟性の観点からは、Aは、好ましくはそれぞれ独立に−O−または−S−を表し、より好ましくは−O−を表す。
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。本発明のフィルムの柔軟性および表面硬度の観点からは、R〜Rは、それぞれ独立に、好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、さらに好ましくは水素原子を表す。ここで、R〜Rに含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
mは、1〜4の範囲の整数であり、原料の入手性の観点から 好ましくは1〜3の範囲の整数、より好ましくは1または2、さらに好ましくは1である。mが上記範囲内であると、原料の入手性が良好であり、また本発明のフィルムの柔軟性を高めやすい。
本発明の好ましい一実施態様において、式(1)は式(1’)で表される構成単位である。この場合、本発明のフィルムは、高い表面硬度を発揮すると同時に、弾性率が低く、高い柔軟性を有しやすい。
Figure 2018119141
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aが式(1)または式(1’)で表される構成単位を有する好ましい一実施態様において、該構成単位の量は、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる全構成単位に基づいて、好ましくは3モル%以上、より好ましくは5モル%以上、さらに好ましくは10モル%以上、特に好ましくは20モル%以上である。式(1)または式(1’)で表される構成単位の量が上記の下限以上であると、樹脂フィルムは高い柔軟性を示す傾向があるため、その耐屈曲性が向上しやすい。また、式(1)または式(1’)で表される構成単位の量は、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる全構成単位に基づいて、好ましくは45モル%以下、より好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。式(1)または式(1’)で表される構成単位の量が上記の上限以下であると、樹脂フィルムのガラス転移温度が向上しやすい。
ポリアミドイミド樹脂Aとしては、本発明のフィルムの表面硬度、弾性率および柔軟性を高めやすい観点から、式(2)中のZが式(1)で表されるジカルボン酸に由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。ポリアミドイミド樹脂が2種以上のジカルボン酸に由来する構成単位を有し、式(2)中のZが式(1)で表されるジカルボン酸に由来する構成単位を有する場合、該式(1)で表されるジカルボン酸に由来する構成単位の量は、フィルムの表面硬度、弾性率および柔軟性の観点から、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれるジカルボン酸に由来する構成単位全体に基づいて、好ましくは5モル%以上、より好ましくは7モル%以上、さらに好ましくは9モル%以上、特に好ましくは11モル%以上である。式(2)中のZが式(1)で表されるジカルボン酸に由来する構成単位の量の上限は特に限定されず、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれるジカルボン酸に由来する構成単位全体に基づいて100モル%以下であればよい。式(2)中のZが式(1)で表されるジカルボン酸に由来する構成単位の比率は、例えば2次元NMRを用いて測定することができ、または原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aは、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有する。テトラカルボン酸二無水物としては、式(4)で表される化合物が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂Aは、1種類のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有していてもよいし、2種以上のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有していてもよい。
Figure 2018119141
[式(4)中、Yは、4価の有機基を表す。]
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aにおいて、式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の量は、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる全構成単位に基づいて、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上である。式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の量が上記の下限以上であると、ジカルボン酸由来の構造単位の割合を抑制することができ、Tgが370℃以下のポリアミドイミド樹脂が得られやすい。また、式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の量は、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる全構成単位に基づいて、好ましくは45モル%以下、より好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の量が上記の上限以下であると、ジカルボン酸由来の構成単位の割合を増やすことができ、高い表面硬度を発現しやすい。
式(4)中のYは4価の有機基を表し、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基を表す。有機基は、好ましくは炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されてもよい有機基である。有機基は、好ましくは炭素数4〜40の4価の有機基である。炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基は、好ましくはその炭素数が1〜8である。4価の有機基としては、式(4a)〜式(4j)で表される基;式(4a)〜式(4j)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基で置換された基;ならびに炭素数6以下の4価の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 2018119141
[式(4a)〜式(4j)中、
*は結合手を表し、
は、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−または−Ar−SO−Ar−を表す。Arは、水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。]
式(4a)〜式(4j)で表される基の中でも、本発明のフィルムの表面硬度および柔軟性の観点から、式(4g)、式(4i)および式(4j)で表される基が好ましく、式(4g)で表される基がより好ましい。また、Wは、本発明のフィルムの表面硬度および柔軟性の観点から、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−または−C(CF−であることが好ましく、単結合、−O−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−または−C(CF−であることがより好ましく、単結合、−C(CH−または−C(CF−であることがさらに好ましく、単結合、または−C(CF−であることが特に好ましい。
式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、具体的には、芳香族テトラカルボン酸二無水物および脂肪族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。1種類のテトラカルボン酸二無水物を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物及び縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(OPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。また、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物及び4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。より好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物及び4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、環式または非環式の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは、脂環式炭化水素構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、その具体例としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等のシクロアルカンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル3,3’−4,4’−テトラカルボン酸二無水物およびこれらの位置異性体が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、および1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物および非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物を組み合わせて用いてもよい。
上記テトラカルボン酸二無水物の中でも、フィルムの表面硬度、柔軟性、屈曲耐性、透明性を高めやすく、黄色度を低下させやすい観点から、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、ならびにこれらの混合物が好ましく、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)および4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、ならびにこれらの混合物がより好ましく、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物がさらに好ましい。
ポリアミドイミド樹脂Aは、式(4)中のYが式(4g’)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。この場合、本発明のフィルムが高い透明性を有すると同時に、ポリアミドイミド樹脂Aが高い屈曲性骨格を有することにより、ポリアミドイミド樹脂の溶剤への溶解性が向上し、本発明のフィルムを作製する際に使用するポリアミドイミドワニスの粘度を低く抑制することができるため、本発明のフィルムを製造しやすくなる。
Figure 2018119141
[式(4g’)中、R18〜R25は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、R18〜R25に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す。]
式(4g’)において、R18〜R25は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、ここで、R18〜R25に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。本発明のフィルムの表面硬度および柔軟性の観点からは、R18〜R25は、それぞれ独立に、さらに好ましくは水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基であり、特に好ましくは水素原子またはトリフルオロメチル基である。
上記の好ましい一実施態様において、ポリアミドイミド樹脂Aは、式(4)中のYが式(4g”)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。この場合、本発明のフィルムが高い透明性を有すると同時に、ポリアミドイミド樹脂Aがフッ素元素を含有する骨格を有することにより、ポリアミドイミド樹脂の溶剤への溶解性が向上し、本発明のフィルムを作製する際に使用するポリアミドイミドワニスの粘度を低く抑制することができるため、本発明のフィルムを製造しやすくなる。
Figure 2018119141
[式(4g”)中、*は結合手を表す。]
ポリアミドイミド樹脂Aが2種以上のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有する場合、式(4)中のYが式(4g’)、好ましくは式(4g”)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の量は、フィルムの透明性および製造のしやすさを向上する観点から、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位全体に基づいて、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上である。式(4)中のYが式(4g’)、好ましくは式(4g”)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位の量の上限は特に限定されず、ポリアミドイミド樹脂に含まれるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位全体に基づいて100モル%以下であればよい。式(4)中のXが式(4g’)または式(4g”)で表されるジアミンに由来する構成単位の比率は、例えば2次元NMRを用いて測定することができ、または原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aは、さらに、トリカルボン酸に由来する構成単位を有していてもよい。トリカルボン酸としては、芳香族トリカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸およびそれらの類縁体である酸クロライド化合物、酸無水物等が挙げられる。1種類のトリカルボン酸を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸の無水物;2,3,6−ナフタレントリカルボン酸−2,3−無水物;フタル酸無水物と安息香酸とが単結合、−O−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−もしくはフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。
本発明の好ましい一実施態様において、本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aは、ジカルボン酸(酸クロライド等のジカルボン酸類縁体)、ジアミンおよびテトラカルボン酸(酸クロライド、テトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸類縁体)との、場合によりさらにトリカルボン酸(酸クロライド化合物、トリカルボン酸無水物等のトリカルボン酸化合物類縁体)との、重縮合生成物である縮合型高分子である。この態様において、ポリアミドイミド樹脂Aは、式(5)で表される構成単位、および以下の式(6)で表される構成単位を有する。
Figure 2018119141
[式(5)中、XおよびYは前記と同義である。]
Figure 2018119141
[式(6)中、XおよびZは前記と同義である。]
式(5)および式(6)中のX、YおよびZは、それぞれ、式(3)中のX、式(4)中のYおよび式(2)中のZと同義であり、式(2)〜式(4)中のX、YおよびZに関して上記に述べた好ましい記載が、式(5)および式(6)中のX、YおよびZについても同様にあてはまる。式(5)で表される構成単位は、通常、ジアミンおよびテトラカルボン酸に由来する構成単位であり、式(6)で表される構成単位は、通常、ジアミンおよびジカルボン酸に由来する構成単位である。
本発明の好ましい一実施態様において、本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aは、さらに式(7)で表される構成単位、および/または以下の式(8)で表される構成単位を有してもよい。
Figure 2018119141
[式(7)中、Xは2価の有機基を表し、Yは4価の有機基を表す。]
Figure 2018119141
[式(8)中、Xは2価の有機基を表し、Yは3価の有機基を表す。]
式(7)において、Yは、それぞれ独立して、4価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、式(4a)〜式(4j)で表される基、ならびに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。ポリアミドイミド樹脂Aは、1種の式(7)で表される構成単位を有してもよいし、Yおよび/またはXにおいて互いに異なる、2種以上の式(7)で表される構成単位を有してもよい。
式(8)において、Yは、それぞれ独立して、3価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、式(4a)〜式(4j)で表される基の結合手のいずれか1つが水素原子に置き換わった基、および3価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。ポリアミドイミド樹脂Aは、1種の式(8)で表される構成単位を有してもよいし、Yおよび/またはXにおいて互いに異なる、2種以上の式(7)で表される構成単位を有してもよい。
式(7)および式(8)において、XおよびXは、それぞれ独立して、2価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。XおよびXとしては、式(3a)〜式(3i)で表される基;式(3a)〜式(3i)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基で置換された基;ならびに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
本発明の好ましい一実施態様において、本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aは、式(5)および式(6)で表される構成単位、ならびに場合により式(7)および/または式(8)で表される構成単位からなる。この態様において、フィルムの柔軟性および表面硬度を高めやすい観点から、ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる式(5)および式(6)で表される構成単位の量は、式(5)および式(6)、ならびに、場合により式(7)および式(8)で表される全構成単位に基づいて、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。なお、上記ポリアミドイミド樹脂Aに含まれる式(5)および式(6)で表される構成単位の量の上限は、式(5)および式(6)、ならびに、場合により式(7)および式(8)で表される全構成単位に基づいて、通常100%以下である。なお、上記割合は、例えば、2次元NMRを用いて測定することができ、または原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aの、動的粘弾性測定(DMA測定)におけるtanδにより算出されたガラス転移温度Tgは、好ましくは380℃未満、より好ましくは379℃以下、さらに好ましくは378℃以下、例えば370℃以下である。ポリアミドイミド樹脂Aのガラス転移温度Tgが上記の上限未満または上記の上限以下であると、本発明のフィルムの高い表面硬度を発現しやすいと同時に、弾性率を低下しやすく、柔軟性を高めやすい。ガラス転移温度Tgの下限は特に限定されないが、通常は300℃以上である。動的粘弾性測定(DMA測定)におけるtanδによりガラス転移温度を算出する方法は、具体的には実施例の通りに行うことができる。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは50,000以上、特に好ましくは70,000以上であり、好ましくは800,000以下、より好ましくは600,000以下、さらに好ましくは500,000以下、特に好ましくは450,000以下である。ポリアミドイミド樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が上記の下限以上であると、本発明のフィルムの屈曲耐性を高めやすい。ポリアミドイミド樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が上記の上限以下であると、ポリアミドイミド樹脂の溶剤への溶解性が向上し、本発明のフィルムを作製する際に使用するポリアミドイミドワニスの粘度を低く抑制することができるため、本発明のフィルムを製造しやすくなる。また、フィルムの延伸が容易となるため、加工性が良好である。重量平均分子量(Mw)は、例えば、GPC測定を行い、標準ポリスチレン換算によって求めることができ、具体的には実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aは、ハロゲン原子を含むことが好ましく、フッ素原子を含むことがより好ましい。含フッ素置換基の具体例としては、フルオロ基およびトリフルオロメチル基が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂Aがハロゲン原子を含むことにより、本発明のフィルムの黄色度(YI値)を低減させやすく、さらに高い柔軟性および屈曲耐性を両立させやすい。本発明のフィルムの黄色度の低減(透明性の向上)、吸水率の低減、および耐屈曲性の観点からは、ハロゲン原子は好ましくはフッ素原子である。上記観点から、ポリアミドイミド樹脂Aは、フッ素原子含有ジアミンおよび/またはフッ素原子含有テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂Aにおけるハロゲン原子の含有量は、黄色度の低減(透明性の向上)、吸水率の低減、およびフィルムの変形抑制の観点から、本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aの質量に基づいて、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜35質量%、さらに好ましくは5〜32質量%である。
本発明のフィルムは、本発明のフィルムの視認性および品質を向上する観点から、上記ポリアミドイミド樹脂の他に光吸収機能を有する添加剤してもよい。光吸収機能を有する添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、ブルーイング剤等が挙げられる。光吸収機能を有する添加剤は、紫外線吸収剤およびブルーイング剤からなる群から選択されることが本発明のフィルムの視認性および品質を向上しやすいため好ましい。本発明のフィルムは、光吸収機能を有する1種類の添加剤を含有してもよいし、光吸収機能を有する2種以上の添加剤を含有してもよい。ここで、従来のポリアミドイミド樹脂を含むフィルムに、紫外線吸収剤およびブルーイング剤等の光吸収機能を有する添加剤を添加する場合、これらの添加剤は耐熱性が低いために、ポリアミドイミド樹脂を含むフィルムを高温条件下で加熱する工程において分解等を生じ、フィルムの品質を悪化させるという問題があった。そのため、例えばポリアミドイミド樹脂を含む層とは別の層にこれらの添加剤を添加して、ポリアミドイミドフィルムと貼り合わせるなどの対応が必要であった。例えば、本発明の樹脂組成物または本発明の製造方法で得たポリアミドイミド樹脂を含む組成物を用いてフィルムを製造する場合、樹脂組成物中に含まれるポリアミドイミド樹脂のイミド化率をあらかじめ高めておくことができる。そのため、比較的低温の加熱条件でフィルムを製造する場合であっても、イミド化率を高めることができ、十分に高い表面硬度を達成することができる。そのため、ポリアミドイミド樹脂を含む層と同一の層に光吸収機能を有する添加剤を添加する場合であっても、これら添加剤の分解等を抑制し、フィルム品質の低下を抑制することができる。
紫外線吸収剤としては、樹脂材料の分野で紫外線吸収剤として通常用いられているものから適宜選択して使用してよい。紫外線吸収剤は、400nm以下の波長の光を吸収する化合物を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、およびトリアジン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。本発明のフィルムが紫外線吸収剤を含有する場合、ポリアミドイミド樹脂の劣化が抑制されるため、フィルムの視認性を高めることができる。なお、本明細書において、「系化合物」とは、当該「系化合物」が付される化合物の誘導体を指す。例えば、「ベンゾフェノン系化合物」とは、母体骨格としてのベンゾフェノンと、ベンゾフェノンに結合している置換基とを有する化合物を指す。
本発明のフィルムが紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤の添加量は用いる紫外線吸収剤の種類によって適宜選択してよいが、目安としては、フィルムの全質量に基づいて、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下である。好適な添加量は用いる紫外線吸収剤により異なるが、400nmの光線透過率が20〜60%程度になるように添加量を調節することが、本発明のフィルムの耐光性を高めやすいと共に、透明性の高いフィルムを得やすいため好ましい。
ブルーイング剤としては、樹脂材料の分野でブルーイング剤として通常用いられているものから適宜選択して使用してよい。ブルーイング剤は、可視光領域のうち、例えば、橙色から黄色などの波長領域の光を吸収し、色相を調整する添加剤(染料、顔料)であって、例えば、群青、紺青、コバルトブルーなどの無機系の染料や顔料、例えば、フタロシアニン系ブルーイング剤、縮合多環系ブルーイング剤などの有機系の染料や顔料などが挙げられる。ブルーイング剤は、特に限定されないが、耐熱性、耐光性、溶解性の観点からは、縮合多環系ブルーイング剤が好ましく、アントラキノン系ブルーイング剤がより好ましい。耐熱性の観点から、ブルーイング剤は、200℃以上の熱分解温度を有することが好ましい。縮合多環系ブルーイング剤としては、例えばアントラキノン系ブルーイング剤、インジゴ系ブルーイング剤、フタロシアニン系ブルーイング剤が挙げられる。
本発明のフィルムがブルーイング剤を含有する場合、ブルーイング剤の添加量は用いるブルーイング剤の種類によって適宜選択してよいが、目安としては、フィルムの全質量に基づいて、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.03質量%以上であり、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下である。
本発明のフィルムは、ポリアミドイミド樹脂の他に無機粒子等の無機材料をさらに含有してもよい。無機材料としては、例えば、チタニア粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、シリカ粒子等の無機粒子、およびオルトケイ酸テトラエチル等の4級アルコキシシラン等のケイ素化合物等が挙げられる。ポリアミドイミドワニスの安定性の観点から、無機材料は無機粒子、特にシリカ粒子であることが好ましい。無機粒子同士は、シロキサン結合を有する分子により結合されていてもよい。
無機粒子の平均一次粒子径は、フィルムの透明性、機械物性、および無機粒子の凝集抑制の観点から、好ましくは10〜100nmであり、より好ましくは20〜80nmである。本発明において、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)による定方向径の10点を測定し、それらの平均値を算出することにより決定することができる。
本発明のフィルムが無機材料を含む場合、フィルム中の無機材料の含有量は、フィルムの全質量に基づいて、好ましくは0〜90質量%、より好ましくは0〜60質量%、さらに好ましくは0〜40質量%である。無機材料の含有量が上記範囲内であると、フィルムの透明性および機械物性を両立させやすい傾向がある。
本発明のフィルムは、他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、離型剤、安定剤、難燃剤、pH調整剤、シリカ分散剤、滑剤、増粘剤およびレベリング剤等が挙げられる。本発明のフィルムが他の添加剤を含有する場合、他の添加剤の含有量は、本発明のフィルムの質量に基づいて、好ましくは0質量%以上20質量%以下、より好ましくは0質量%以上10質量%以下である。
(層構成)
本発明のフィルムの層構成は特に限定されず、単層であってもよいし、2層以上の多層であってもよい。本発明のフィルムが光吸収機能を有する添加剤等の添加剤をさらに含有する場合、画像表示装置の薄膜化や、経済性の観点からは、該添加剤とポリアミドイミド樹脂とを1つの層に含有することが好ましい。この場合、本発明のフィルムが、該添加剤とポリアミドイミド樹脂を含有する単層であるか、該添加剤とポリアミドイミド樹脂を含有する層を少なくとも有する積層体であることがより好ましい。耐衝撃特性の観点からは、本発明のフィルムは、ポリアミドイミド樹脂を含む層を少なくとも含む2層以上の多層構造を有することが好ましい。本発明のフィルムが光吸収機能を有する添加剤等の添加剤をさらに含有する場合、該添加剤とポリアミドイミド樹脂を含有する層を少なくとも有する積層体であるか、該添加剤を含む層と、ポリアミドイミド樹脂を含む層とを少なくとも有する積層体であってよい。
本発明のフィルムは、上記層にさらに1以上の機能層を積層させた、ポリアミドイミド積層体であってもよい。機能層としては、ハードコート層、紫外線吸収層、粘着層、屈折率調整層、プライマー層等の種々の機能を有する層が挙げられる。本発明のフィルムは、単数または複数の機能層を備えていてもよい。また、1つの機能層が複数の機能を有してもよい。例えば、ポリアミドイミド樹脂を含むフィルムに上記機能層を形成させて、多層構成のフィルムを得てよい。
本発明は、ジアミンに由来する構成単位、ジカルボン酸に由来する構成単位、および、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有し、2次元NMRにより測定して60%以上のイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂B、および、溶剤を少なくとも含む、樹脂組成物も提供する。なお、上記ポリアミドイミド樹脂Aを含む本発明のフィルムは、例えば、ポリアミドイミド樹脂Bおよび溶剤を少なくとも含む、本発明の樹脂組成物を用いて製造される。
本発明の樹脂組成物は、2次元NMRにより測定して60%以上のイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂Bを含む。本発明の樹脂組成物はポリアミドイミド樹脂を含むフィルムを製造するために使用される組成物であり、上記のように高いイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂Bを含むため、最終的に得られるフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂のイミド化率を十分に高めることができ、その結果、十分に高い表面硬度を有するポリアミドイミドフィルムを得ることができる。樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂のイミド化率が60%より低い場合、過度に柔軟な一次構造のポリアミドイミドとなる傾向があるために、最終的に得られるポリアミドイミドフィルムの表面硬度を十分に高めることができない。表面硬度の観点から、ポリアミドイミド樹脂Bのイミド化率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上である。該イミド化率は高ければ高いほどよく、その上限は特に限定されず、100%以下であればよい。
ポリアミドイミド樹脂Bのイミド化率は、ポリアミドイミド樹脂B中のテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位のモル数の2倍の値に対する、ポリアミドイミド樹脂B中のイミド結合のモル数の割合を表し、本明細書においては2次元NMRにより測定される。ポリアミドイミド樹脂Bのイミド化率は、樹脂組成物(ワニス)に貧溶媒を加えて再沈殿法により析出・乾燥させたポリアミドイミド樹脂Bを、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解させて得た所定溶液を測定試料として、2次元NMRを用いて測定することができる。
貧溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、水、飽和炭化水素系溶媒および芳香族溶媒などが挙げられ、好ましくはアルコール系溶媒および水が挙げられる。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−イソブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられ、好ましくはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールが挙げられ、より好ましくはメタノール、エタノールが挙げられ。また、これら貧溶媒は2種類以上を混合してもよい。
イミド化率は、式(9)で表される。
Figure 2018119141
ポリイミド樹脂またはポリイミドフィルムは、H−NMRスペクトル上のアミック酸を有する繰り返し単位に由来するシグナルおよびイミド結合を有する繰り返し単位に由来するシグナルを適切に積分することで、モル数の比率を得ることができ、式(9)に適用することでイミド化率が得られる。ここで、アミック酸は、イミド結合の前駆体である、アミド結合およびカルボキシル基を含む。
ポリアミドイミド樹脂またはポリアミドイミドフィルムは、DMSO−d6を溶媒とする2次元NMRスペクトル上のアミック酸を有する繰り返し単位およびイミド結合を有する繰り返し単位に由来するシグナルを適切に積分して得た値を換算することで、イミド化率を得ることができる。換算方法としては、H−NMRスペクトルで得たイミド化率に対する該値の相関式を適用すること等が挙げられる。
精度良くイミド化率を得るためには、従来既知または慣用された手法が適用される。そのような手法としては、たとえば、信号とノイズの比率であるS/N比を高くすること、および得られた2次元NMRスペクトルを精度良く積分することが挙げられる。イミド化率をより精度よく得るためには、S/N比が6以上であることが好ましい。S/N比を高くするための方法としては、たとえば、試料濃度を高くすること、積算回数を増やすこと、および高感度なNMR測定装置を用いること等が挙げられる。高感度なNMR測定装置としては、たとえば、より強い磁場を有するNMR装置、およびクライオプローブを用いたNMR装置が挙げられる。また、2次元NMRスペクトルを精度よく積分する方法としては、たとえば、位相補正を行うこと、およびベースライン補正を行うことが挙げられる。さらに、アミック酸を有する繰り返し単位およびイミド結合を有する繰り返し単位とは別の構造に由来する2次元NMRスペクトル上のシグナルが重なる場合には、そのシグナルの強度を含めないで積分することによって精度よくイミド化率を得ることができる。
ポリアミドイミド樹脂Bの、動的粘弾性測定(DMA測定)におけるtanδにより算出されたガラス転移温度Tgは、好ましくは380℃未満、より好ましくは379℃以下、さらに好ましくは378℃以下、例えば370℃以下である。ポリアミドイミド樹脂Bのガラス転移温度Tgが上記の上限未満または上記の上限以下であると、本発明の樹脂組成物を用いて得られるフィルムにおいて、高い表面硬度を発現しやすいと同時に、弾性率を低下しやすく、柔軟性を高めやすい。ガラス転移温度Tgの下限は特に限定されないが、通常は300℃以上である。動的粘弾性測定(DMA測定)におけるtanδによりガラス転移温度を算出する方法は、具体的には実施例の通りに行うことができる。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000以上、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは50,000以上、特に好ましくは70,000以上であり、好ましくは800,000以下、より好ましくは600,000以下、さらに好ましくは500,000以下、特に好ましくは450,000以下である。ポリアミドイミド樹脂Bの重量平均分子量(Mw)が上記の下限以上であると、本発明の樹脂組成物を用いて得られるフィルムの屈曲耐性を高めやすい。ポリアミドイミド樹脂Bの重量平均分子量(Mw)が上記の上限以下であると、ポリアミドイミド樹脂の溶剤への溶解性が向上し、本発明の樹脂組成物の粘度を低く抑制することができるため、フィルムを製造しやすくなる。また、フィルムの延伸が容易となるため、加工性が良好である。重量平均分子量(Mw)は、例えば、GPC測定を行い、標準ポリスチレン換算によって求めることができ、具体的には実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bは、ジアミンに由来する構成単位、ジカルボン酸に由来する構成単位、および、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有する。ジアミン、ジカルボン酸およびテトラカルボン酸二無水物の具体例および好ましい態様について、ポリアミドイミド樹脂Aに関する上記記載が同様にあてはまる。本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bも、ポリアミドイミド樹脂Aと同様に、さらにトリカルボン酸に由来する構成単位を有していてもよい。トリカルボン酸としては、ポリアミドイミド樹脂Aに関する上記記載が同様にあてはまる。
本発明の好ましい一実施態様において、本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bは、ジカルボン酸(酸クロライド等のジカルボン酸類縁体)、ジアミンおよびテトラカルボン酸(酸クロライド、テトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸類縁体)との、場合によりさらにトリカルボン酸(酸クロライド化合物、トリカルボン酸無水物等のトリカルボン酸化合物類縁体)との、重縮合生成物である縮合型高分子である。この態様において、ポリアミドイミド樹脂Bは、ポリアミドイミド樹脂Aと同様に、式(5)で表される構成単位、および式(6)で表される構成単位を有する。
Figure 2018119141
[式(5)中、XおよびYは前記と同義である。]
Figure 2018119141
[式(6)中、XおよびZは前記と同義である。]
式(5)および式(6)中のX、YおよびZは、それぞれ、式(3)中のX、式(4)中のYおよび式(2)中のZと同義であり、式(2)〜式(4)中のX、YおよびZに関して上記に述べた好ましい記載が、式(5)および式(6)中のX、YおよびZについても同様にあてはまる。式(5)で表される構成単位は、通常、ジアミンおよびテトラカルボン酸に由来する構成単位であり、式(6)で表される構成単位は、通常、ジアミンおよびジカルボン酸に由来する構成単位である。
本発明の好ましい一実施態様において、本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bは、さらに式(7)で表される構成単位、および/または以下の式(8)で表される構成単位を有してもよい。
Figure 2018119141
[式(7)中、Xは2価の有機基を表し、Yは4価の有機基を表す。]
Figure 2018119141
[式(8)中、Xは2価の有機基を表し、Yは3価の有機基を表す。]
式(7)において、Yは、それぞれ独立して、4価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、式(4a)〜式(4j)で表される基、ならびに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。ポリアミドイミド樹脂Bは、1種の式(7)で表される構成単位を有してもよいし、Yおよび/またはXにおいて互いに異なる、2種以上の式(7)で表される構成単位を有してもよい。
式(8)において、Yは、それぞれ独立して、3価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。前記有機基は、好ましくは炭素数4〜40の3価の有機基である。炭化水素基およびフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。また、前記有機基の炭素数は好ましくは4〜40である。Yとしては、上記の式(4a)〜式(4j)で表される基の結合手のいずれか1つが水素原子に置き換わった基、および3価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。ポリアミドイミド樹脂Bは、1種の式(8)で表される構成単位を有してもよいし、Yおよび/またはXにおいて互いに異なる、2種以上の式(7)で表される構成単位を有してもよい。式中のWの例は、Yに関する記述におけるWの例と同じである。
式(7)および式(8)において、XおよびXは、それぞれ独立して、2価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。前記有機基は、好ましくは炭素数4〜40の2価の有機基である。炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。また、前記有機基の炭素数は好ましくは4〜40である。XおよびXとしては、式(3a)〜式(3i)で表される基;式(3a)〜式(3i)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基またはトリフルオロメチル基で置換された基;ならびに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
本発明の好ましい一実施態様において、本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bは、式(5)および式(6)で表される構成単位、ならびに場合により式(7)および/または式(8)で表される構成単位からなる。この態様において、フィルムの柔軟性および表面硬度を高めやすい観点から、ポリアミドイミド樹脂Bに含まれる式(5)および式(6)で表される構成単位の量は、式(5)および式(6)、ならびに、場合により式(7)および式(8)で表される全構成単位に基づいて、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。なお、上記ポリアミドイミド樹脂Bに含まれる式(5)および式(6)で表される構成単位の量の上限は、式(5)および式(6)、ならびに、場合により式(7)および式(8)で表される全構成単位に基づいて、通常100%以下である。なお、上記割合は、例えば、2次元NMRを用いて測定することができ、または原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bも、ポリアミドイミド樹脂Aと同様にハロゲン原子を含むことが好ましく、フッ素原子を含むことがより好ましい。含フッ素置換基の具体例としては、フルオロ基およびトリフルオロメチル基が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂Bがハロゲン原子を含むことにより、本発明の樹脂組成物を用いて得られるフィルムの黄色度(YI値)を低減させやすく、さらに高い柔軟性および屈曲耐性を両立させやすい。フィルムの黄色度の低減(透明性の向上)、吸水率の低減、および耐屈曲性の観点からは、ハロゲン原子は好ましくはフッ素原子である。上記観点から、ポリアミドイミド樹脂Bは、フッ素原子含有ジアミンおよび/またはフッ素原子含有テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を少なくとも有することが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂Bにおけるハロゲン原子の含有量は、黄色度の低減(透明性の向上)、吸水率の低減、およびフィルムの変形抑制の観点から、本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bの質量に基づいて、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜35質量%、さらに好ましくは5〜32質量%である。
本発明の樹脂組成物に含まれる溶剤は、ポリアミドイミド樹脂Bを溶解可能であれば特に限定されない。かかる溶剤としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶剤;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶剤;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶剤;およびそれらの組み合わせ(混合溶剤)が挙げられる。これらの溶剤の中でも、アミド系溶剤またはラクトン系溶剤が好ましく、ジメチルアセトアミドを含む溶剤がより好ましい。また、ポリアミドイミドワニスには水、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、非環状エステル系溶剤、エーテル系溶剤などが含まれてもよい。本発明の樹脂組成物は、さらに、上記に述べた本発明のフィルムが含み得る添加剤を含有してもよい。
次に、本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂A、および、本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂本発明の樹脂組成物Bの製造方法について次に説明する。ポリアミドイミド樹脂Aおよびポリアミドイミド樹脂Bは、例えば、上記に述べたジカルボン酸、ジアミンおよびテトラカルボン酸を主な原料として、これらを、場合によりさらに上記に述べたトリカルボン酸と共に共重合(重縮合)することにより製造することができる。
本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aおよび本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bの製造方法は、上記特性を有するポリアミドイミド樹脂が得られる限り特に限定されないが、例えば、
(1)ジアミン、ジカルボン酸、および、テトラカルボン酸二無水物を溶剤中で共重合しポリアミドイミド樹脂前駆体を得る工程、および、
(2)ポリアミドイミド樹脂前駆体を少なくとも含む溶液に、脱水剤および第三級アミンを添加し、70〜120℃の温度で加熱する工程
を少なくとも含む方法により製造することができる。
本発明は、また、
(1)ジアミン、ジカルボン酸、および、テトラカルボン酸二無水物を溶剤中で共重合しポリアミドイミド樹脂前駆体を得る工程、および、
(2)ポリアミドイミド樹脂前駆体を少なくとも含む溶液に、脱水剤および第三級アミンを添加し、70〜120℃の温度で加熱する工程
を少なくとも含み、工程(1)を開始する際の溶剤中の水分量をw(ppm)とし、工程(2)における加熱時間をt(分)とすると、wおよびtが次の式を満たす、ポリアミドイミド樹脂の製造方法も提供する。
Figure 2018119141
本発明の製造方法によって得られるポリアミドイミド樹脂は、例えば、ポリアミドイミド樹脂Aまたはポリアミドイミド樹脂Bであってよく、ポリアミドイミド樹脂Aおよびポリアミドイミド樹脂Bについて上記に述べた記載が同様にあてはまる。なお、本発明の製造方法によって本発明の樹脂組成物を得て、該樹脂組成物を用いて本発明のフィルムを製造することも可能である。
この態様において、本発明の製造方法によって得られるポリアミドイミド樹脂と、本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bとは同一の樹脂である。また、本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミドイミド樹脂Bと、本発明のフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂Aとは、イミド化率および樹脂の構成単位等において同一の樹脂であってもよいし、イミド化率において互いに異なる樹脂であってもよい。
上記工程(1)において、ジアミン、ジカルボン酸、および、テトラカルボン酸二無水物を溶剤中で共重合し、ポリアミドイミド樹脂前駆体を得る。共重合を行う際の反応温度は、特に限定されないが、例えば50〜350℃である。反応時間も特に限定されないが、例えば30分〜10時間程度である。必要に応じて、不活性雰囲気または減圧の条件下において反応を行ってよい。工程(1)で使用する溶剤としては、例えば上記に述べた本発明の樹脂組成物に含まれる溶剤が挙げられる。
工程(1)において、イミド化触媒を使用してもよい。イミド化触媒としては、例えばトリプロピルアミン、ジブチルプロピルアミン、エチルジブチルアミン等の脂肪族アミン;N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピロリジン、N−ブチルピペリジン、およびN−プロピルヘキサヒドロアゼピン等の脂環式アミン(単環式);アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、およびアザビシクロ[3.2.2]ノナン等の脂環式アミン(多環式);ならびにピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3,4−シクロペンテノピリジン、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン、およびイソキノリン等の芳香族アミンが挙げられる。
次に、工程(2)において、ポリアミドイミド樹脂前駆体を少なくとも含む溶液に、脱水剤および第三級アミンを添加し、70〜120℃の温度で加熱する。この工程においてポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化が進行する。当該工程の加熱時間は、反応スケールや使用する試薬等の種類や量に応じて適宜選択してよいが、通常は1〜48時間である。最終的に黄色度が低減され、高い表面硬度を有するポリアミドイミドフィルムを得やすい観点からは、当該工程において、ポリアミドイミド樹脂組成物中に含まれるポリアミドイミド樹脂のイミド化率が好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、さらにより好ましくは95%以上となるまで工程(2)を行ってよい。
工程(2)で使用する脱水剤は、脱水を伴う重縮合反応であるジアミン、ジカルボン酸、および、テトラカルボン酸二無水物を溶剤中で共重合を促進することができる物質である。脱水剤としては、例えば無水酢酸やプロピオン酸無水物、イソ酪酸無水物、ピバル酸無水物、酪酸無水物、イソ吉草酸無水物などが挙げられる。脱水剤は、無水酢酸およびプロピオン酸無水物からなる群から選択されることが好ましく、無水酢酸であることがより好ましい。
工程(2)で使用する第三級アミンは、イミド化触媒として作用する物質である。第三級アミンの例としては、例えば前述の芳香族アミンや脂肪族アミンなどが挙げられる。第三級アミンは、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、ジメチルピリジンおよびイソキノリンからなる群から選択されることが好ましい。
本発明の製造方法において、工程(1)を開始する際の溶剤中の水分量をw(ppm)とし、工程(2)における加熱時間をt(分)とすると、wおよびtが次の式を満たす。
Figure 2018119141
1/t(w+167)は、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.0以下である。ポリアミドイミド樹脂を製造するためのジアミン、ジカルボン酸、および、テトラカルボン酸二無水物を溶剤中で共重合は、脱水を伴う重縮合反応である。そのため、反応系中に存在する水の量を少なくしたり、加熱時間を調整したりすることによって、効率的に重縮合反応(特にイミド化反応)を進行させることができ、その結果、得られるポリアミドイミド樹脂におけるイミド化率を高めることができる。したがって、本発明の上記製造方法によれば、従来よりも高いイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂を製造することができる。なお、従来知られている製造方法では、ポリアミドイミド樹脂のイミド化率を十分に高くすることは困難である。そのため、比較的低いイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂を含むポリアミドイミドワニスを用いてフィルムを作製し、このフィルムを高温条件下で加熱してイミド化を進行させる工程が行われている。しかし、上記に述べたように、フィルムの状態で加熱を行い、イミド化率を高める場合には、十分に高いイミド化率が達成できず、十分な表面硬度が得られず、また、加熱条件によってはポリアミドイミド樹脂のイミド化率のばらつきが生じ、イミド化率が安定しないなどの問題があった。本発明の製造方法によれば、ポリアミドイミド樹脂のイミド化率を、フィルムに加工する前の合成段階で十分に高めやすく、上記のような問題が解決される。
本発明の製造方法は、工程(1)および工程(2)を少なくとも含む限り特に限定されない。本発明の製造方法で得たポリアミドイミド樹脂を含む樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、工程(1)および工程(2)で得たポリアミドイミド樹脂を含む混合液に、さらに溶剤および必要に応じて添加剤を添加し、撹拌することにより、ポリアミドイミド樹脂および溶剤を少なくとも含む樹脂組成物(以下において、「ポリアミドイミドワニス」とも称する)を製造してもよいし、工程(1)および工程(2)で得たポリアミドイミド樹脂を含む混合液に貧溶媒を加えて再沈殿法によりポリアミドイミド樹脂を析出させ、乾燥し沈殿物として取り出し、取り出したポリアミドイミド樹脂沈殿物を溶剤に溶解させて、ポリアミドイミド樹脂および溶剤を少なくとも含む樹脂組成物を得てもよい。
本発明のフィルムは、例えば
(1)上記のようにして得たポリアミドイミド樹脂組成物を支持体に塗付する工程、ならびに、
(2−1)該組成物の塗膜を乾燥後に支持体から剥離する工程、または、
(2−2)該組成物の塗膜を乾燥後に支持体から剥離する工程、および、剥離したフィルムを加熱する工程
を少なくとも含む製造方法によって製造することができる。このように、本発明のフィルムは、上記のようにして得たポリアミドイミド樹脂組成物の塗膜を乾燥させてなる。
例えば公知のロール・ツー・ロールやバッチ方式により、樹脂基材、SUSベルト、またはガラス基材等の支持体上に、ポリアミドイミドワニスを塗付することによってポリアミドイミドワニスの塗膜を形成することができる。支持体の例としては、PETフィルム、PENフィルム、ポリイミドフィルム、およびポリアミドイミドフィルム等が挙げられる。中でも、耐熱性に優れる観点から、PETフィルム、PENフィルム、ポリイミドフィルム、および他のポリアミドイミドフィルムが好ましい。本発明のフィルムとの密着性およびコストの観点から、PETフィルムがより好ましい。
次に、工程(2−1)または工程(2−2)においてポリアミドイミドワニスの塗膜を乾燥し、乾燥後に支持体から剥離する。塗膜の乾燥は、好ましくは50〜240℃、より好ましくは200〜240℃の温度にて行うことができる。必要に応じて、不活性雰囲気または減圧の条件下において塗膜の乾燥を行ってよい。乾燥後に塗膜を支持体から剥離することによって、本発明のフィルムを得ることができる。なお、工程(2−2)に記載されるように、例えば本発明のフィルムの表面硬度(鉛筆硬度)をさらに高める目的で、剥離したフィルムをさらに加熱する工程を行ってもよい。該加熱温度は240℃以下であることが好ましい。
上記のようにして製造したフィルムの少なくとも一方の表面に、表面処理を施す表面処理工程を行ってもよい。表面処理としては、例えばUVオゾン処理、プラズマ処理、およびコロナ放電処理が挙げられる。
本発明のフィルムが光吸収機能を有する添加剤等の添加剤を含む本発明の好ましい一実施態様において、本発明のフィルムがポリアミドイミド樹脂および該添加剤を同一の層中に含有する場合、かかる層は、ポリアミドイミド樹脂および溶剤を少なくとも含む組成物(ポリアミドイミドワニス)にさらに該添加剤を添加して得たポリアミドイミドワニスを用いることにより、上記と同様にして製造することができる。1つの層に光吸収機能を有する添加剤等の添加剤およびポリアミドイミド樹脂を含有させる本発明の好ましい一実施態様においては、少なくとも200℃以上の熱分解温度を有する添加剤を用いることが好ましい。
本発明のフィルムは、さらに機能層を備えてもよい。機能層としては、ハードコート層、紫外線吸収層、粘着層、屈折率調整層、プライマー層等の種々の機能を有する層が挙げられる。本発明のフィルムは、単数または複数の機能層を備えていてもよい。また、1つの機能層が複数の機能を有してもよい。
ハードコート層は、フィルムの視認側表面に配置されることが好ましい。ハードコート層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。ハードコート層はハードコート層樹脂を含んでなり、ハードコート層樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ベンジルクロライド系樹脂、ビニル系樹脂もしくはシリコーン系樹脂またはこれらの混合樹脂等の紫外線硬化型、電子線硬化型、または熱硬化型の樹脂が挙げられる。特に、ハードコート層は、表面硬度等の機械物性および工業上な観点から、アクリル系樹脂を含んでなることが好ましい。なお、本発明の好ましい一実施態様において、本発明のフィルムは高い表面硬度を有するため、ハードコート層を備えなくても画像表示装置等において使用するに十分な表面硬度を有する。このため、本発明のフィルムがハードコート層をさらに有する場合には、フィルムの表面硬度をさらに一層高めることも可能である。
紫外線吸収層は、紫外線吸収の機能を有する層であり、例えば、紫外線硬化型の透明樹脂、電子線硬化型の透明樹脂、および熱硬化型の透明樹脂から選ばれる主材と、この主材に分散した紫外線吸収剤とから構成される。機能層として紫外線吸収層を設けることにより、光照射による黄色度の変化を容易に抑制することができる。
粘着層は、粘着性の機能を有する層であり、本発明のフィルムを他の部材に接着させる機能を有する。粘着層の形成材料としては、通常知られたものを用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂組成物または光硬化性樹脂組成物を用いることができる。
粘着層は、重合性官能基を有する成分を含む樹脂組成物から構成されていてもよい。この場合、フィルムを他の部材に密着させた後に粘着層を構成する樹脂組成物をさらに重合させることにより、強固な接着を実現することができる。本発明のフィルムと粘着層との接着強度は、0.1N/cm以上、または0.5N/cm以上であってもよい。
粘着層は、熱硬化性樹脂組成物または光硬化性樹脂組成物を材料として含んでいてもよい。この場合、事後的にエネルギーを供給することで樹脂組成物を高分子化し硬化させることができる。
粘着層は、感圧型接着剤(Pressure Sensitive Adhesive、PSA)と呼ばれる、押圧により対象物に貼着される接着剤から構成される層であってもよい。感圧型接着剤は、「常温で粘着性を有し、軽い圧力で被着材に接着する物質」(JIS K6800)である粘着剤であってもよく、「特定成分を保護被膜(マイクロカプセル)に内容し、適当な手段(圧力、熱等)によって被膜を破壊するまでは安定性を保持できる接着剤」(JIS K6800)であるカプセル型接着剤であってもよい。
色相調整層は、色相調整の機能を有する層であり、本発明のフィルムを目的の色相に調整することができる層である。色相調整層は、例えば、樹脂および着色剤を含有する層である。この着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、弁柄、チタニウムオキサイド系焼成顔料、群青、アルミン酸コバルト、およびカーボンブラック等の無機顔料;アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、アンスラキノン系化合物、ペリレン系化合物、イソインドリノン系化合物、フタロシアニン系化合物、キノフタロン系化合物、スレン系化合物、およびジケトピロロピロール系化合物等の有機顔料;硫酸バリウム、および炭酸カルシウム等の体質顔料;ならびに塩基性染料、酸性染料、および媒染染料等の染料を挙げることができる。
屈折率調整層は、屈折率調整の機能を有する層であり、本発明のフィルムにおけるポリアミドイミド樹脂Aを含む層とは異なる屈折率を有し、本発明のフィルムに所定の屈折率を付与することができる層である。屈折率調整層は、例えば、適宜選択された樹脂、および場合によりさらに顔料を含有する樹脂層であってもよいし、金属の薄膜であってもよい。
屈折率を調整する顔料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび酸化タンタルが挙げられる。顔料の平均一次粒子径は、0.1μm以下であってもよい。顔料の平均一次粒子径を0.1μm以下とすることにより、屈折率調整層を透過する光の乱反射を防止し、透明度の低下を防止することができる。
屈折率調整層に用いられる金属としては、例えば、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ケイ素、酸化インジウム、酸窒化チタン、窒化チタン、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素等の金属酸化物または金属窒化物が挙げられる。
本発明のフィルムは、例えば、画像表示装置の前面板、特にフレキシブルディスプレイの前面板(ウィンドウフィルム)として有用な光学フィルムである。本発明のフィルムは、画像表示装置、特にフレキシブルディスプレイの視認側表面に前面板として配置することができる。この前面板は、フレキシブルディスプレイ内の画像表示素子を保護する機能を有する。
画像表示装置としては、テレビ、スマートフォン、携帯電話、カーナビゲーション、タブレットPC、携帯ゲーム機、電子ペーパー、インジケーター、掲示板、時計、およびスマートウォッチ等のウェアラブルデバイス等が挙げられる。フレキシブルディスプレイとしては、フレキシブル特性を有する、上記のような画像表示装置が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」および「部」は、特記ない限り、質量%および質量部を意味する。まず評価方法について説明する。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により、標準ポリスチレン換算によって求めた。具体的な測定条件は以下のとおりであった。
(1)前処理方法
得られたポリアミドイミド樹脂にDMF溶離液(10mM臭化リチウム溶液)を濃度2mg/mLとなるように加え、80℃にて30分間撹拌しながら加熱し、冷却後、目開き0.45μmのメンブランフィルターを用いてろ過して得られた溶液を測定溶液とした。
(2)測定条件
カラム:TSKgel SuperAWM−H×2+SuperAW2500×1(6.0mm I.D.×150mm×3本)(いずれも東ソー(株)製)
溶離液:DMF(10mMの臭化リチウム添加)
流量:1.0mL/min.
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
TA Instrument社製DMA Q800を用い、次のような試料および条件下で測定して、損失弾性率と保存弾性率の値の比であるtanδ曲線を得た。tanδ曲線のピークの最頂点から、ポリアミドイミド樹脂のTgを算出した。
試料(フィルム):長さ5−15mm、幅5mm
実験モード:DMA Multi−Frequency−Strain
実験モード詳細条件:
(1)Clamp:Tension:Film
(2)Amplitude:5μm
(3)Frequncy:10Hz(全温度区間で変動なし)
(4)Preload Force:0.01N
(5)Force Track:125N
温度条件:(1)昇温範囲:常温〜400℃、(2)昇温速度:5℃/分
主要収集データ:(1)保存弾性率(Storage modulus、E')、(2)損失弾性率(Loss modulus、E")、(3)tanδ(E"/E')
<イミド化率の測定>
実施例および比較例で使用したポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂のイミド化率は、NMRにより測定し、式(10)に示した部分構造に由来するシグナルを用いて算出した。測定条件および得られた結果からイミド化率を算出する方法は次の通りである。
Figure 2018119141
(測定試料の調製方法)
ポリアミドイミド樹脂B:
溶剤を少なくとも含む樹脂組成物(ワニス)に大過剰量の貧溶媒としてのメタノールを加えて再沈殿法により析出・乾燥させて得た樹脂を、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解させて2質量%溶液としたものを測定試料とした。
ポリアミドイミド樹脂A:
樹脂を含むフィルムを重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解させて2質量%溶液としたものを測定試料とした。
(NMRの測定条件)
測定装置:Bruker社製600MHzNMR装置AVANCE600
試料温度:303K
測定手法:1H−NMR,HSQC
(ポリイミド樹脂のイミド化率の算出方法)
ポリイミド樹脂を含む溶液を測定試料として得られたH−NMRスペクトルにおいて、式(10)中のプロトン(A)に由来するシグナルの積分値をInt、プロトン(B)に由来するシグナルの積分値をIntとした。これらの値から、以下の式(NMR−1)によりイミド化率(%)を求めた。
Figure 2018119141
(ポリアミドイミド樹脂のイミド化率の算出方法)
ポリイミド樹脂を含む溶液を測定試料として得られたHSQCスペクトルにおいて、式(10XXX)中のプロトン(C)に由来するシグナルの積分値をInt、プロトン(D)およびプロトン(E)に由来するシグナルの積分値の平均値をIntDEとした。これらの値から、以下の式(NMR−2)によりβ値を求めた。
Figure 2018119141
次に、複数のポリイミド樹脂について、式(NMR−2)によるβ値および式(NMR−1)によるイミド化率(%)を求め、この結果から以下の相関式(NMR−3)を得た。
Figure 2018119141
そして、ポリアミドイミド樹脂を含む溶液を測定試料として得られたHSQCスペクトルにおいて、上記と同様にして式(NMR−2)によりβ値を求めた。このβ値を上記の相関式(NMR−3)へ代入することにより、ポリアミドイミド樹脂のイミド化率(%)を得た。
<全光線透過率(Tt)の測定>
得られたポリアミドイミドフィルムの全光線透過率Ttは、JIS K7105:1981に準拠して、スガ試験機(株)製の全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DPにより測定した。
<黄色度(YI値)の測定>
得られたポリアミドイミドフィルムの黄色度(Yellow Index:YI値)は、JIS K 7373:2006に準拠して、日本分光(株)製の紫外可視近赤外分光光度計V−670を用いて測定した。サンプルがない状態でバックグランド測定を行った後、サンプルをサンプルホルダーにセットして、300〜800nmの光に対する透過率測定を行い、3刺激値(X、Y、Z)を求めた。YI値は、下記の式に基づいて算出した。
Figure 2018119141
<表面硬度の測定>
得られたポリアミドイミドフィルムの表面硬度として、JIS K5600−5−4:1999に準拠して、サンプル表面の鉛筆硬度を測定した。荷重100g、走査速度60mm/分の条件で測定を行い、光量4,000ルクスの照度条件下で行い傷の有無の評価を行い、鉛筆硬度を決定した。
<弾性率の測定>
得られたポリアミドイミドフィルムの弾性率は、(株)島津製作所製オートグラフAG−ISを用いて測定した。10mm幅に切り出したフィルムを試験片とし、チャック間距離500mm、引張速度20mm/minの条件でS−S曲線を測定し、その傾きから弾性率を算出した。
<屈曲耐性の測定>
得られたポリアミドイミドフィルムの屈曲耐性として、(株)東洋精機製作所製MIT耐折疲労試験機(型式0530)を用いて往復折り曲げ回数を測定した。厚み50μm、10mm幅に切り出したフィルムを試験片とし、R=1mm、135°、加重0.75kgf、速度175cpmの条件でフィルムが破断するまでの往復折り曲げ回数を測定した。
[実施例1]
窒素雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)52g(162.38mmol)および水分量を500ppmに調整したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)693.8gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAc中に溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)28.90g(65.05mmol)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)9.57g(32.52mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、テレフタロイルクロリド(TPC)13.21g(63.10mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン4.99g(63.10mmol)と無水酢酸21.91g(214.66mmol)とを加え、室温で30分間撹拌した後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノール中に6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。
得られたポリアミドイミド樹脂に、濃度が15質量%となるようにDMAcを加え、ポリアミドイミドワニスを作製した。得られたポリアミドイミドワニスをポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥し、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下で300℃30分間乾燥し、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例2]
実施例1のDMAcの水分量を100ppmに調整したものへ変更し、70℃昇温後の加熱時間を1時間に変更してポリアミドイミド樹脂を得たこと以外は実施例1と同様にして、ポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例3]
窒素雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)52g(162.38mmol)および水分量を500ppmに調整したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)657.63gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAc中に溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)21.67g(48.79mmol)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)4.78g(16.26mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、テレフタロイルクロリド(TPC)19.81g(97.57mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン7.49g(94.65mmol)と無水酢酸14.61g(143.11mmol)とを加え、室温で30分間撹拌した後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに5時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノール中に6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。
得られたポリアミドイミド樹脂に、濃度が15質量%となるようにDMAcを加え、ポリアミドイミドワニスを作製した。得られたポリアミドイミドワニスをポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥し、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下で300℃30分間乾燥し、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例4]
窒素雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)52g(162.38mmol)および水分量を500ppmに調整したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)673.93gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAc中に溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)28.90g(65.05mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、テレフタロイルクロリド(TPC)19.81g(97.57mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン7.49g(94.65mmol)と無水酢酸14.61g(143.11mmol)とを加え、室温で30分間撹拌した後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに5時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノール中に6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。
得られたポリアミドイミド樹脂に、濃度が15質量%となるようにDMAcを加え、ポリアミドイミドワニスを作製した。得られたポリアミドイミドワニスをポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥し、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下で230℃30分間乾燥し、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例5]
窒素雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)52g(162.38mmol)および水分量を500ppmに調整したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)734.10gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAc中に溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)28.90g(65.05mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、4,4‘−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC)28.80g(97.57mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン7.49g(94.65mmol)と無水酢酸14.61g(143.11mmol)とを加え、室温で30分間撹拌した後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに5時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノール中に6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。
得られたポリアミドイミド樹脂に、濃度が15質量%となるようにDMAcを加え、ポリアミドイミドワニスを作製した。得られたポリアミドイミドワニスをポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥し、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下で300℃30分間乾燥し、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例6]
窒素雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)52g(162.38mmol)および水分量を500ppmに調整したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)734.10gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAc中に溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)28.90g(65.05mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、4,4‘−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC)28.80g(97.57mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン7.49g(94.65mmol)と無水酢酸26.56g(260.2mmol)とを加え、室温で30分間撹拌した後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに5時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノール中に6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。
得られたポリアミドイミド樹脂に、濃度が15質量%となるようにDMAcを加え、ポリアミドイミドワニスを作製した。得られたポリアミドイミドワニスをポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥し、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下で300℃30分間乾燥し、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例7]
窒素雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)52g(162.38mmol)および水分量を500ppmに調整したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)667.75gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAc中に溶解させた。次に、フラスコにテレフタロイルクロリド(TPC)4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)21.67g(48.79mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、4,4‘−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC)9.60g(32.52mmol)とテレフタロイルクロリド(TPC)16.51g(81.31mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン8.73g(110.42mmol)と無水酢酸10.96g(107.33mmol)とを加え、室温で30分間撹拌した後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに5時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノール中に6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。
得られたポリアミドイミド樹脂に、濃度が15質量%となるようにDMAcを加え、ポリアミドイミドワニスを作製した。得られたポリアミドイミドワニスをポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥し、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下で300℃30分間乾燥し、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
[比較例1]
実施例1において70℃昇温後の攪拌時間を1時間に変更してポリアミドイミド樹脂を得たこと以外は実施例1と同様にして、ポリアミドイミドフィルムを得た。
[比較例2]
実施例3において70℃昇温後の攪拌時間を1時間に変更してポリアミドイミド樹脂を得たこと以外は実施例3と同様にして、ポリアミドイミドフィルムを得た。
[比較例3]
窒素雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)52g(162.38mmol)および水分量を500ppmに調整したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)831.46gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAc中に溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)72.24g(162.62mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン6.43g(81.31mmol)と無水酢酸36.52g(357.77mmol)とを加え、室温で30分間撹拌した後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに1時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノール中に6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリイミド樹脂を得た。
得られたポリイミド樹脂に、濃度が15質量%となるようにDMAcを加え、ポリイミドワニスを作製した。得られたポリイミドワニスをポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥し、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下で300℃30分間乾燥し、膜厚50μmのポリイミドフィルムを得た。
[比較例4]
窒素雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)52g(162.38mmol)および水分量を500ppmに調整したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)733.51gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAc中に溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)28.90g(65.05mmol)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)28.71g(97.57mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン6.43g(81.31mmol)と無水酢酸36.52g(357.77mmol)とを加え、室温で30分間撹拌した後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに1時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノール中に6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリイミド樹脂を得た。
得られたポリイミド樹脂に、濃度が15質量%となるようにDMAcを加え、ポリイミドワニスを作製した。得られたポリイミドワニスをポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥し、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下で300℃30分間乾燥し、膜厚50μmのポリイミドフィルムを得た。
[比較例5]
実施例1においてDMAcの水分量を1,000ppmに変更してポリアミドイミド樹脂を得たこと以外は実施例1と同様にして、ポリアミドイミドフィルムを得た。
[比較例6]
実施例1においてDMAcの水分量を1,700ppmに、70℃昇温後の攪拌時間を5時間に変更してポリアミドイミド樹脂を得たこと以外は実施例1と同様にして、ポリアミドイミドフィルムを得た。
[比較例7]
実施例5において70℃昇温後の攪拌時間を30分に変更し、ポリアミドイミド樹脂を得たこと以外は実施例5と同様にして、ポリアミドイミドフィルムを得た。
[比較例8]
実施例7において70℃昇温後の攪拌時間を30分に変更し、ポリアミドイミド樹脂を得たこと以外は実施例7と同様にして、ポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例8]
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)45g(140.5mmol)および水分量を200ppmに調製したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)600.9gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)4.14g(14.1mmol)を加え、室温で2.5時間撹拌した後、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)25.01g(56.3mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。さらに、4,4‘−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC)4.15g(14.1mmol)およびテレフタロイルクロリド(TPC)11.43g(56.3mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに無水酢酸21.55g(211.1mmol)と4−ピコリン3.28g(35.2mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却した後、メタノール647gおよびイオン交換水180gを加えてポリアミドイミドの沈殿を得た。それをメタノール中に12時間浸漬し、濾過で回収してメタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。なお、各成分のモル比は表1の通りである。
得られたポリアミドイミド樹脂に、濃度が15質量%となるようにDMAcを加え、ポリアミドイミドワニスを作製した。得られたポリアミドイミドワニスをポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥し、自立膜を得た。自立膜を金枠に固定し、さらに大気下で300℃30分間乾燥し、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例9]
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)14.67g(45.8mmol)および水分量を200ppmに調製したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)233.3gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに4,4’−オキシジフタル酸二無水物(OPDA)4.283g(13.8mmol)を加え、室温で16.5時間撹拌した。その後、4,4‘−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC)1.359g(4.61mmol)およびテレフタロイルクロリド(TPC)5.609g(27.6mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに無水酢酸4.937g(48.35mmol)と4−ピコリン1.501g(16.12mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却した後、メタノール360gおよびイオン交換水170gを加えてポリアミドイミドの沈殿を得た。それをメタノール中に12時間浸漬し、濾過で回収してメタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。なお、各成分のモル比は表1の通りである。
実施例8と同様にして、実施例9で得られたポリアミドイミド樹脂から、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例10]
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(OPDA)4.283gに変えて4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)6.140gを、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)14.67g(45.8mmol)に変えてTFMB8.809g(27.5mmol)および2,2’−ジメチルベンジジン(MB)3.889g(18.3mmol)を用いた以外は、実施例9と同様にして、ポリアミドイミド樹脂を得た。なお、各成分のモル比は表1の通りである。
実施例8と同様にして、実施例10で得られたポリアミドイミド樹脂から、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
[実施例11]
2,2’−ジメチルベンジジン(MB)3.889gに変えて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)3.670g(18.3mmol)を用いた以外は、実施例9と同様にして、ポリアミドイミド樹脂を得た。なお、各成分のモル比は表1の通りである。
実施例8と同様にして、実施例11で得られたポリアミドイミド樹脂から、膜厚50μmのポリアミドイミドフィルムを得た。
上記の実施例で得たポリアミドイミドワニスに含まれるポリアミドイミド樹脂(B)および比較例で得たワニスに含まれる樹脂(B)における各構成単位の割合および合成条件を次の表1に示す。また、ポリアミドイミド樹脂(B)および樹脂(B)のイミド化率を上記測定方法に従い測定した結果も表1に示す。なお表1中、ポリアミドイミド樹脂(B)および樹脂(B)のイミド化率を「イミド化率B」、工程(1)を開始する際の溶剤中の水分量を「w[ppm]」、工程(2)における加熱時間を「t[分]」、工程(1)において添加されるテトラカルボン酸二無水物のモル量に対する工程(2)において添加される脱水剤のモル量の割合を「脱水剤添加量」と記載する。ここで、比較例3および4で得られたポリイミド樹脂Bのイミド化率Bの測定において、樹脂を変更した以外はポリアミドイミド樹脂Bと同様にして、ポリイミド樹脂Bを調製した。
Figure 2018119141
上記の実施例で得たポリアミドイミドフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂(A)および上記の比較例で得たフィルムに含まれる樹脂(A)のイミド化率を上記測定方法に従い測定した結果を、表2に「イミド化率A」として示す。ここで、比較例3および4で得られたポリイミドフィルムに含まれるポリイミド樹脂Aのイミド化率の測定において、樹脂を変更した以外はポリアミドイミド樹脂Aと同様にして、ポリイミド樹脂Aを調製した。さらに、実施例および比較例で得たフィルムについて、上記測定方法に従い、鉛筆硬度、黄色度(YI)、全光線透過率(Tt)、弾性率および屈曲耐性(往復折り曲げ回数)を測定した。得られた結果を表1に示す。なお、ポリアミドイミドフィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂(A)および上記の比較例で得たフィルムに含まれる樹脂(A)における各構成単位の割合の割合は、それぞれ対応する、表1に示すポリアミドイミド樹脂(B)および樹脂(B)における構成単位の割合と同じである。また、実施例10および11では、アミック酸を有する繰り返し単位およびイミド結合を有する繰り返し単位とは別の構造に由来するシグナルが重なることを確認した。このため、そのシグナルにおいて、重なりのない部分の強度を積分しその部分の面積比から本来のシグナル強度を求め、イミド化率AおよびBを算出した。
Figure 2018119141

Claims (15)

  1. ジアミンに由来する構成単位、ジカルボン酸に由来する構成単位、および、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を少なくとも有し、2次元NMRにより測定して95%以上のイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂Aを含むフィルム。
  2. ジアミンは、式(3):
    Figure 2018119141
    [式(3)中、Xは式(3e’):
    Figure 2018119141
    〔式(3e’)中、R10〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、R10〜R17に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す〕
    を表す]
    で表される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載のフィルム。
  3. ジカルボン酸は、式(2):
    Figure 2018119141
    [式(2)中、Zは式(2a)または式(2b)
    Figure 2018119141
    〔式(2a)および式(2b)中、Uは、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−または−Ar−SO−Ar−を表し、*は結合手を表す〕
    で表される基を表し、BおよびBは、それぞれ独立して、OHまたはハロゲン原子を表す]
    で表される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1または2に記載のフィルム。
  4. テトラカルボン酸二無水物は、式(4):
    Figure 2018119141
    [式(4)中、Yは、式(4g):
    Figure 2018119141
    〔式(4g)中、Wは、単結合、−C(CH−または−C(CF−を表し、*は結合手を表す〕
    を表す]
    で表される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
  5. ポリアミドイミド樹脂Aはフッ素原子を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
  6. 3以下のYIを有する、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム。
  7. 4,000ルクスの照度条件下でASTM D 3363に従い測定して3B以上の鉛筆硬度を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム。
  8. ジアミンに由来する構成単位、ジカルボン酸に由来する構成単位、および、テトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位を有し、2次元NMRにより測定して60%以上のイミド化率を有するポリアミドイミド樹脂B、および、溶剤を少なくとも含む、樹脂組成物。
  9. ジアミンは、式(3):
    Figure 2018119141
    [式(3)中、Xは式(3e’):
    Figure 2018119141
    〔式(3e’)中、R10〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、R10〜R17に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す〕
    を表す]
    で表される少なくとも1種の化合物を含む、請求項8に記載の樹脂組成物。
  10. ジカルボン酸は、式(2):
    Figure 2018119141
    [式(2)中、Zは式(2a)または式(2b):
    Figure 2018119141
    〔式(2a)および式(2b)中、Uは、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−または−Ar−SO−Ar−を表し、*は結合手を表す〕
    で表される基を表し、BおよびBは、それぞれ独立して、OHまたはハロゲン原子を表す]
    で表される少なくとも1種の化合物を含む、請求項8または9に記載の樹脂組成物。
  11. テトラカルボン酸二無水物は、式(4):
    Figure 2018119141
    [式(4)中、Yは、式(4g):
    Figure 2018119141
    〔式(4g)中、Wは、単結合、−C(CH−または−C(CF−を表し、*は結合手を表す〕
    を表す]
    で表される少なくとも1種の化合物を含む、請求項8〜10のいずれかに記載の樹脂組成物。
  12. ポリアミドイミド樹脂Bはフッ素原子を含む、請求項8〜11のいずれかに記載の樹脂組成物。
  13. 請求項8〜12のいずれかに記載の樹脂組成物の塗膜を乾燥させてなるフィルム。
  14. (1)ジアミン、ジカルボン酸、および、テトラカルボン酸二無水物を溶剤中で共重合しポリアミドイミド樹脂前駆体を得る工程、および、
    (2)ポリアミドイミド樹脂前駆体を少なくとも含む溶液に、脱水剤および第三級アミンを添加し、70〜120℃の温度で加熱する工程
    を少なくとも含む、ポリアミドイミド樹脂の製造方法であって、工程(1)を開始する際の溶剤中の水分量をw(ppm)とし、工程(2)における加熱時間をt(分)とすると、wおよびtが次の式:
    Figure 2018119141
    を満たす、製造方法。
  15. 工程(2)において添加される脱水剤のモル量は、工程(1)において添加されるテトラカルボン酸二無水物のモル量の2倍以上である、請求項14に記載の製造方法。
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