JP2018117479A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成でステータを適切に冷却できる回転電機を提供する。【解決手段】リード側のコイルエンド21aと反リード側のコイルエンド21bとを含むステータ16と、ケーシング18とを有する回転電機10であって、リード側のコイルエンド21aに対して軸方向に対向する位置から冷媒を吐出する第1吐出孔48を有する第1冷媒吐出機構40と、反リード側のコイルエンド21bに対して軸方向に対向する位置から冷媒を吐出する第2吐出孔58を有する第2冷媒吐出機構50と、第1冷媒吐出機構40と第2冷媒吐出機構50とを連通するパイプ70を備え、パイプ70がケーシング18の内部に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ステータコアの軸方向の端面から軸方向外側に突出するコイルエンドに向かって冷媒を吐出してステータの冷却を行う回転電機の構造に関する。本発明の回転電機は、例えば、車両駆動用の電動機として車両に搭載される。
回転電機は、周知の通り、駆動に伴い、銅損や鉄損、機械損といった損失が生じ、これら損失に応じた熱が発生する。この発熱により回転電機が過度に高温になると、部品の劣化や、永久磁石の減磁等を招く。そこで、従来から、ステータコイルのうち、ステータコアよりも軸方向外側に突出するコイルエンドに冷媒となる液体、例えば冷却油を噴射し、ステータコイル、ひいては、回転電機を冷却する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、電動モータ(回転電機)の側面部(コイルエンド)を覆うサイドカバーを設け、当該サイドカバーに潤滑油が流れる油路と、当該潤滑油をステータの上側半円部分に向かって噴きかける複数の吐出孔と、を形成した冷却構造が開示されている。かかる技術によれば、ステータの上側半円部分に潤滑油がかかった後、重力の影響で、ステータの下側半円部分にも、潤滑油が流れていくため、ステータ全体を効果的に冷却できる。
特許第5740311号公報
ところで、回転電機の中には、ステータコイルの温度を検出するために、温度センサを取り付けたものがある。そして、この場合、温度センサで検知された温度に応じて、種々の制御パラメータを変更する。例えば、回転電機を熱から保護するために、ステータコイルの検出温度が過度に高い場合には、ステータコイルに流れる電流を制限し、銅損を低減することがある。また、ステータコイルの検出温度に応じて、冷媒液体の吐出流量を調整することもある。このように、ステータコイルの温度に応じて、通電量や冷媒の吐出流量を制御することで、回転電機をより確実に熱から保護できる。
しかし、温度センサは、通常、コイルエンドに設けられることが多い。そのため、特許文献1等のように、コイルエンドに冷媒を吐出すると、温度センサに冷媒がかかることがある。温度センサに、冷媒がかかると、ステータコイルの実際の温度と、温度センサによる検出温度との乖離が大きくなり、結果として、通電量や冷媒の吐出流量を適切に制御できなかった。
このため、温度センサに冷媒がかからないように温度センサを避けて冷媒を吐出することが考えられる。しかし、この場合、温度センサ近傍のステータコイルの冷却が不十分になり、温度センサ近傍のステータコイルの温度が上昇してしまう場合がある。そこで、温度センサの取り付けられていない側のコイルエンドに冷媒を吐出して、ステータコイルを均一に冷却することが考えられる。
ところが、両側のコイルエンドに向かって冷媒を吐出しようとすると、回転電機の軸方向の両側から冷媒を導入することが必要となり、構造が複雑になってしまい、組立や加工が複雑になってしまうという問題がある。
そこで、本発明は、簡便な構成でステータを適切に冷却できる回転電機を提供することを目的とする。
本発明の回転電機は、ステータと、前記ステータを覆うケーシングとを有する回転電機であって、前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアの軸方向の一端側の端面から軸方向外側に突出する一端側コイルエンドと、前記ステータコアの前記一端側と軸方向の反対側の他端側の端面から軸方向外側に突出する他端側コイルエンドと、を含み、前記一端側コイルエンドに対して軸方向に対向する位置から前記一端側コイルエンドに向かって冷媒を吐出する複数の第1吐出孔を有する第1冷媒吐出機構と、前記他端側コイルエンドに対して軸方向に対向する位置から前記他端側コイルエンドに向かって冷媒を吐出する複数の第2吐出孔を有する第2冷媒吐出機構と、前記第1冷媒吐出機構と前記第2冷媒吐出機構とを連通する第1冷媒供給流路と、前記ケーシングの外部と前記第1冷媒供給流路とを連通する第2冷媒供給流路と、を備え、前記第1冷媒供給流路が前記ケーシングの内部に配置されていることを特徴とする。
第1冷媒吐出機構と第2冷媒吐出機構とを連通する第1冷媒供給流路をケーシングの内部に配置するという簡便な構成で一端側コイルエンドと他端側コイルエンドとを冷却することができる。これにより、ステータを適切に冷却できる。
本発明の回転電機は回転軸が重力方向と交差する姿勢で載置され、前記一端側コイルエンドに取り付けられた温度センサを含み、前記第1冷媒吐出機構の前記第1吐出孔が、水平方向視で前記ステータを左右に均等に分割する左右分割線からみて前記温度センサの配置領域と同じ領域、かつ、前記温度センサの下端よりも重力方向上側となる領域以外の領域に配置され、前記第2冷媒吐出機構の前記第2吐出孔が、前記左右分割線を挟んで左右両側の領域に配置されてもよい。
第1冷媒吐出機構の第1吐出孔を特定の領域に配置することで温度センサに冷媒がかかることが防止される。また、第2冷媒吐出機構の第2吐出孔を左右両側に配置することにより、ステータコイルを均等に冷却することができる。これによって、ステータコイルの温度の検出精度を維持しつつ、ステータを適切に冷却できる。
本発明は、簡便な構成でステータを適切に冷却できる回転電機を提供することができる。
実施形態における回転電機の概略断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC部の拡大図である。 図1のD部の拡大図である。 第1冷媒吐出機構の第1吐出孔とステータとの位置関係を示す図である。 第2冷媒吐出機構の第2吐出孔とステータとの位置関係を示す図である。 従来の吐出機構の一例を示す図である。 従来技術におけるリード側の吐出孔とステータとの位置関係を示す図である。 従来技術における反リード側の吐出孔とステータとの位置関係を示す図である。 リード側における本実施形態での検出温度と従来技術での検出温度を示す図である。 反リード側における本実施形態での検出温度と従来技術での検出温度を示す図である。 他の実施形態における回転電機のリード側の拡大断面図である。 図13のG−G視のリード側冷媒吐出機構の立面図である。 他の実施形態における回転電機の概略断面図である。 図15のA2−A2断面図である。 図15のB2−B2断面図である。 図15のC2部の拡大図である。 図15のD2部の拡大図である。 他の実施形態における回転電機の上半分の概略断面図である。
以下、実施形態である回転電機10について図面を参照して説明する。図1は、実施形態である回転電機10の概略断面図である。また、図2は、図1のA−A断面図、図3は、図1のB−B断面図である。また、図4は、図1のC部拡大図、図5は図1のD部拡大図である。なお、図1から図5において、Z軸方向は垂直方向、X軸方向およびY軸方向が水平方向であり、重力は、Z方向下向きに作用している。また、Y軸方向が回転軸12の延びる方向である。
この回転電機10は、電動車両、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される。電動車両において、当該回転電機10は、車両を走行させるための動力を発生する走行用モータとして用いられてもよいし、回生制動力やエンジンの余剰動力により発電するジェネレータとして用いられてもよい。電動車両において、回転電機10は、その回転軸12は、重力方向であるZ方向と直交するY軸方向となるように載置されている。ただし、回転電機10は、回転軸12がZ方向と交差するのであれば、水平方向であるXY面に対して傾斜して載置されていてもよい。
回転電機10は、回転軸12と、当該回転軸12に固着されたロータ14と、ロータ14の外周に配されたステータ16と、これらを収容するケーシング18と、を備えている。回転軸12は、軸受28を介してケーシング18に軸支されており、自転可能となっている。ロータ14は、積層鋼板等からなるロータコアと、当該ロータコア内に埋め込まれる複数の永久磁石と、を備えた略環状部材である。ロータ14は、回転軸12に固着されており、回転軸12は、当該ロータ14と一体となって回転する。
ステータ16は、ステータコア20とステータコイル22とを備えている。ステータコア20は、積層鋼板等からなる略環状部材で、環状のヨークと、当該ヨークの内周から径方向内側に突出する複数のティースと、を備えている。各ティースには、ステータコイル22を構成する巻線が巻回されている。この巻線の巻回方法は、巻線を一つのティースに巻回する集中巻でもよいし、巻線を複数のティースに跨って巻回する分布巻でもよい。いずれにしても、ステータ16の軸方向両端には、ステータコイル22のうち、ステータコア20の軸方向端面から軸方向外側に突出した部分であるコイルエンド21a,21bが存在している。
ステータコイル22は、三相のコイル、すなわち、U相コイル、V相コイル、W相コイルを結線して構成される。コイルの結線態様は、特に限定されないが、本実施形態では、三相のコイルそれぞれの末端を、中性点で一括して接続したスター結線としている。回転電機10を、電動機として使用する場合は、このステータコイル22に三相交流電流を印加する。これにより、回転磁界が形成され、ロータ14が回転する。また、回転電機10を発電機として使用する場合には、車両の回生制動力やエンジンの余剰動力により、回転軸12およびロータ14が回転する。これにより、ステータコイル22に電流が誘導される。
三相のコイルそれぞれの始端は、端子台30(図1では図示せず、図2参照)に設けられた入出力端子32に接続される。端子台30は、ステータ16の軸方向一端に取り付けられる部材で、入出力端子32を有している。入出力端子32は、三相のコイルそれぞれと、外部に設けられたインバータとを電気的に中継する。なお、以下では、回転電機10の軸方向両側のうち、この端子台30および後述する温度センサ34が設けられる側(図1におけるY方向マイナス側)を、「リード側」と呼び、反対側(図1におけるY方向プラス側)を「反リード側」と呼ぶ。本実施形態における「リード側」が請求項における「一端側」に、「反リード側」が請求項における「他端側」に対応する。
リード側のコイルエンド21aには、ステータコイル22の温度を検出するための温度センサ34が、設けられている。温度センサ34は、温度に応じた電気信号を出力できるのであれば、特に限定されず、例えば、サーミスタ等からかなる。回転電機10の駆動を制御する制御部(図示せず)は、回転電機10を熱から保護するために、温度センサ34の検出温度が高い場合には、ステータコイル22に流れる電流を制限する。また、制御部は、温度センサ34の検出温度に応じて、ステータコイル22に吐出する冷却油(冷媒)の吐出流量を調整する。
ここで、図2に示す通り、水平方向視で、ステータ16を左右均等に分割する線を左右分割線Lv、ステータ16を上下均等に分割する線を上下分割線Lhとすると、端子台30および温度センサ34は、左右分割線Lvに対して20〜60度程度、傾いた位置に設けられている。換言すれば、端子台30および温度センサ34は、ステータ16の上下中心よりも上側、かつ、左右中心からずれた位置に設けられている。
ケーシング18は、ケース本体24と、カバー26と、ケース本体24およびカバー26の内面に取り付けられる二つの第1、第2吐出プレート46,56に大別される。ケース本体24は、軸方向一端(本実施形態ではリード側端部)が完全開口された略円筒形部材である。また、カバー26は、ケース本体24の開口を覆う部材で、ボルト等の固定手段により、ケース本体24に固定される。このケーシング18の基本的な構成は、公知の従来技術を利用できるため、ここでの詳説は、省略する。以下では、主に、ケーシング18に設けられた第1冷媒吐出機構40および第2冷媒吐出機構50について説明する。
カバー26のうち、リード側のコイルエンド21aとの対向面には、冷却油を吐出する第1冷媒吐出機構40が設けられている。また、ケース本体24のうち、反リード側のコイルエンド21bとの対向面には、冷却油を吐出する第2冷媒吐出機構50が設けられている。
第1冷媒吐出機構40は、図2、図4に示すように、カバー26の内面に形成された第1冷却溝44と、第1冷却溝44に連通する第1チャネル45と、第1冷却溝44を覆う第1吐出プレート46とで構成される。第1冷却溝44は、カバー26のうち、コイルエンド21aと軸方向に対向する位置において、周方向に延びる溝である。第1チャネル45は、第1冷却溝44から斜め上方向(Z方向プラス側)に向かって延びる孔であり、カバー26のY方向プラス側の内面には、図2、図4に示すように、パイプ70がはまり込む孔49が設けられている。パイプ70は、請求項に記載の「第1冷媒供給流路」に対応する。
また、第1吐出プレート46は、第1冷却溝44よりも十分に幅広の円弧状のプレートである。この第1吐出プレート46は、ボルト47によりカバー26の内面に固着される。このとき、第1吐出プレート46は、カバー26のY方向プラス側の内面に液密に密着するとともに、第1冷却溝44を完全に覆う。そして、これにより、カバー26と第1吐出プレート46との間に、冷却油が流れる第1冷媒路42が形成される。図2、図4に示すように、第1冷媒路42は、第1チャネル45と連通している。
第1吐出プレート46には、周方向に間隔をあけて並ぶ複数の第1吐出孔48が形成されている。各第1吐出孔48は、第1吐出プレート46を厚み方向に貫通しており、第1冷媒路42に流れる冷却油は、この第1吐出孔48を介して外部に噴出する。したがって、冷却油は、第1冷媒路42から第1吐出孔48を介して軸方向に噴出し、リード側のコイルエンド21aの軸方向端面に当たることになる。第1吐出プレート46の複数の第1吐出孔48は、温度センサ34に冷却油がかからないような位置に配されるが、これについては、後に詳説する。
第2冷媒吐出機構50も、第1冷媒吐出機構40とほぼ同じ構造を有している。すなわち、図3に示すように、第2冷媒吐出機構50は、ケース本体24のY方向マイナス側内面において周方向に延びる第2冷却溝54と、第2冷却溝54に連通する第2チャネル55と、第2冷却溝54を覆う第2吐出プレート56とで構成される。第2吐出プレート56は、ボルト57によりケース本体24の内面に固着されてケース本体24の内面に液密に密着するとともに、第2冷却溝54を完全に覆う。第2チャネル55は、第2冷却溝54から斜め上方向(Z方向プラス側)に向かって延びる孔であり、ケース本体24のY方向マイナス側の内面には、図2、図4に示すように、第1冷媒供給流路であるパイプ70がはまり込む孔59が設けられている。第2吐出プレート56には、周方向に間隔を開けて並ぶ複数の第2吐出孔58が形成されている。冷却油は、第2冷媒路52から第2吐出孔58を介して軸方向に噴出し、反リード側のコイルエンド21bの軸方向端面に当たる。第2吐出プレート56の複数の第2吐出孔58は、コイルエンド21bの全面に冷却油がかかるような位置に配されるが、これについては、後述する。
図1に示すように、ケーシング18の内部には、第1冷媒吐出機構40と第2冷媒吐出機構50との間を連通するパイプ70が取り付けられている。パイプ70のリード側端は、カバー26のY方向プラス側の内面に設けられた孔49に嵌め込まれており、パイプ70の反リード側端は、ケース本体24のY方向マイナス側の内面に設けられた孔59に嵌め込まれている。パイプ70は、孔49から第1チャネル45を介して第1冷媒吐出機構40の第1冷媒路42に連通している。また、パイプ70は、孔59から第2チャネル55を介して第2冷媒吐出機構50の第2冷媒路52に連通している。このように、パイプ70は、ケーシング18の内部で第1冷媒吐出機構40と第2冷媒吐出機構50との間を連通する。
ケーシング18の外側には、図1、図3、図5に示すように、ケーシング18の外部にはケーシング18の底部に配置された冷却油溜め(図示せず)から冷却油をケース本体24に設けられた冷媒供給孔63を通して第2冷媒吐出機構50の第2冷媒路52に導く冷媒供給管62が設けられている。図5に示すように、冷却油溜めに貯留されている冷却油は、冷却ポンプ(図示せず)によって冷媒供給管62、冷媒供給孔63から第2冷媒吐出機構50の第2冷媒路52に流入する。第2冷媒路52に流入した冷却油の一部は、第2冷媒吐出機構50の第2吐出プレート56に設けられている複数の第2吐出孔58から反リード側のコイルエンド21bに向かって吐出される。また、図5に示すように、冷却油の一部は、第2冷媒路52から第2チャネル55を通ってパイプ70に流入する。図4に示すように、パイプ70に流入した冷却油は、第1冷媒吐出機構40の第1チャネル45から第1冷媒路42に流入する。そして、第1冷媒路42に流入した冷却油は、第1冷媒吐出機構40の第1吐出プレート46に設けられている複数の第1吐出孔48からリード側のコイルエンド21aに向かって吐出される。コイルエンド21a、21bに吐出された冷却油は、重力により、下方に落下し、ケーシング18の底部に配置された冷却油溜めに溜まる。冷却油溜めに溜まった冷却油は、自然冷却された後、再び、冷却ポンプ、冷媒供給管62、冷媒供給孔63を介して、第1、第2冷媒吐出機構40,50に供給される。冷媒供給管62、冷媒供給孔63は、第1冷媒供給流路であるパイプ70と連通しており、請求項に記載の「第2冷媒供給流路」を構成する。
以上説明したように、本実施形態の回転電機10は、ケーシング18の内部に配置されたパイプ70で第1冷媒吐出機構40と第2冷媒吐出機構50とを連通し、第2冷媒吐出機構50に流入した冷却油をケーシング18の内部で第1冷媒吐出機構40に供給するように構成し、1か所の冷媒供給管62から冷却油を供給する簡便な構成により、ステータコイル22を好適に冷却することができる。
以上の説明では、パイプ70のリード側端部がはまり込む孔49が設けられている第1チャネル45とパイプ70の反リード側端部がはまり込む孔59が設けられている第2チャネル55とは、それぞれ、第1冷却溝44から斜め上方向(Z方向プラス側)に向かって延びる孔、第2冷却溝54から斜め上方向(Z方向プラス側)に向かって延びる孔であるとして説明したが、第1チャネル45、第2チャネル55は、それぞれ第1冷却溝44、第2冷却溝54と連通していれば上記の配置に限定されない。例えば、第1チャネル45を周方向に延びる第1冷却溝44の周方向の延長上に配置し、第2チャネル55を周方向に延びる第2冷却溝54の周方向の延長上に配置するように構成してもよい。
次に、第1、第2冷媒吐出機構40,50における第1、第2吐出孔48,58の配置について図6、図7を参照して説明する。図6は、第1冷媒吐出機構40の第1吐出孔48とステータ16との位置関係を、図7は、第2冷媒吐出機構50の第2吐出孔58とステータ16との位置関係を説明する図である。なお、図6は、図1のリード側からコイルエンド21aを、図7は、図1の反リード側からコイルエンド21bを見ている。したがって、図2と図6、および、図3と図7は、視線の向きが反転している。そして、視線の向きが反転している関係上、図2と図6、および、図3と図7では、第1、第2吐出孔48,58や温度センサ34等の位置が、左右反転して見えている。
既述した通り、リード側のコイルエンド21aには、温度センサ34および端子台30が取り付けられている。温度センサ34および端子台30は、上下分割線Lhより上側、かつ、左右分割線Lvからずれた位置に配されている。このように温度センサ34を上下分割線Lhより上側に配することで、ケーシング18の底に溜まった冷却油に温度センサ34が浸かりにくくなる。また、温度センサ34を、上下分割線Lhより上側に配することで、後述する回避領域Eaを狭くでき、第1吐出孔48の配置可能領域が広くなる。
第1冷媒吐出機構40の第1吐出孔48は、この温度センサ34に冷却油がかからないような位置に配されている。具体的には、第1吐出孔48は、回避領域Eaを避けた領域に配される。回避領域Eaとは、図6で、破線で囲った領域であり、左右分割線Lvからみて温度センサ34と同じ側、かつ、温度センサ34の下端より重力方向上側となる領域である。
本実施形態では、左右分割線Lvを挟んで温度センサ34とは逆側、かつ、上下分割線Lhよりも上側となる領域に、第1冷媒吐出機構40の第1吐出孔48を設けている。第1吐出孔48から吐出された冷却油は、コイルエンド21aの軸方向端面に当たった後は、重力の影響により、コイルエンド21aに沿って下方に落下していく。図6において、薄墨ハッチングは、冷却油がかかる範囲を示している。
図6から明らかな通り、第1吐出孔48を、上下分割線Lhよりも上側に配しておけば、吐出された冷却油が重力により下方に広がるため、第1吐出孔48の個数が少なくても広い範囲に冷却油をかけることができる。また、左右分割線Lvからみて温度センサ34と同じ側には第1吐出孔48を設けていないため、温度センサ34には、冷却油は、かからない。
図7においても、薄墨ハッチングは、冷却油がかかる範囲を示している。また、図7が図示する反リード側には、温度センサ34は設けられていないが、図7では、参考として、リード側に配された温度センサ34の位置を二点鎖線で示している。
第2冷媒吐出機構50の第2吐出孔58は、左右分割線Lvを挟んで左右両側の領域に配されている。本実施形態では、左右分割線Lvを中心として、温度センサ34と同じ領域には、五個の第2吐出孔58を、温度センサ34の逆側の領域には二個の第2吐出孔58を設けている。換言すれば、第2冷媒吐出機構50は、7個の第2吐出孔58が設けられており、第1冷媒吐出機構40の第1吐出孔48よりも多い。そして、吐出孔の個数が多い分、第2冷媒吐出機構50から単位時間当たりに吐出する冷媒流量も、第1冷媒吐出機構40のそれよりも多くなっている。また、全ての第2吐出孔58は、いずれも、上下分割線Lhよりも上側に配されている。
第2吐出孔58から噴出した冷却油は、反リード側のコイルエンド21bの軸方向端面に当たった後は、重力の影響により、コイルエンド21bに沿って下方に落下していく。また、左右両側に第2吐出孔58が設けられているため、冷却油は、コイルエンド21bの全体にかかることになる。また、本実施形態では、反リード側において、向かって左側に配される第2吐出孔58を、向かって右側に配される第2吐出孔58よりも多く設けている。これは、反リード側における向かって左側は、リード側における向かって右側であり、温度センサ34が配される側だからである。リード側において、温度センサ34が配される領域は、冷却油がかからず、冷却能力が低くなりがちである。そこで、反リード側では、冷却油の吐出流量を増やして冷却能力を高めるため、第2吐出孔58の個数を多くしている。
次に、複数の第1、第2吐出孔48,58を、上述のような配置とする理由について、従来技術と比較して説明する。図8は、従来の吐出機構の一例を示す概略図である。また、図9は、リード側の吐出孔104とステータ16との位置関係を、図10は、反リード側の吐出孔106とステータ16との位置関係を説明する図である。
従来では、コイルエンド21a、21bより重力方向上側に、回転軸12と平行に延びる第1、第2の配管100,102を設けていた。各配管100,102は、その始端が冷却油の供給源に接続されているとともに、その末端が完全に閉塞された配管である。配管100,102の末端近傍の周面には、吐出孔104,106が二つずつ形成されており、この吐出孔104,106から冷却油が外部に放出される。したがって、従来技術では、冷却油は、配管100,102から吐出孔104,106を介して径方向に吐出され、コイルエンド21a、21bの外周面に当たることになる。コイルエンド21a、21bの外周面に当たった冷却油は、その後、コイルエンド21a、21bに沿って下方に落下していく。ただし、冷却油の吐出流量にもよるが、上下分割線Lhより下側まで冷却油が到達することは難しい。通常、冷却油は、図9、図10において薄墨ハッチングで示すように、左右分割線Lvから40〜70度程度、傾斜した範囲にかかる。
ここで、リード側において、温度センサ34は、左右分割線Lvに対して、20度〜70度程度、傾いた位置に設けられているため、従来技術では、温度センサ34の配置範囲と冷却油がかかる範囲とが重複する。したがって、従来技術では、温度センサ34に冷却油がかかりやすかった。この場合、温度センサ34の温度が低下するため、ステータコイル22の実際の温度と、温度センサ34による検出温度との乖離が大きくなっていた。
ここで、既述した通り、回転電機10の制御部は、回転電機10を熱から保護するために、温度センサ34の検出温度に基づいて、通電量や冷却油の流量等を制御している。したがって、温度センサ34に冷却油がかかり、実際のコイル温度よりも低い温度が検出されると、回転電機10を熱から適切に保護することができない。
かかる問題を避けるために、温度センサ34を、上下分割線Lhよりも下側に配することも考えられる。かかる配置とすれば、従来技術でも、温度センサ34に、吐出孔104から吐出された冷却油がかからなくなる。しかし、ケーシング18の底部には、落下した冷却油を貯留する冷却油溜めが設けられているので、温度センサ34をステータ16の下部に設けると、冷却油溜めに溜まっている冷却油に温度センサ34が浸るおそれがある。この場合でも、温度センサ34の検出精度が低下する。つまり、検出温度の精度を維持するためには、温度センサ34は、上下分割線Lhよりも重力方向上側に設けられることが望ましい。
また、従来技術では、吐出孔104がステータ16の上側にのみ設けられているため、冷却油のかかる範囲が小さく、ステータコイル22の冷却効率が悪かった。本実施形態では、第1、第2吐出孔48,58を、周方向に間隔を開けて複数設けているため、コイルエンド21a、21bの広い範囲に冷却油をかけることができる。結果として、本発明によれば、ステータ16を効率的に冷却できる。
また、本実施形態では、リード側において、左右分割線Lvからみて温度センサ34と反対側にのみ冷却油をかけているため、実際のコイル温度と、温度センサ34での検出温度との乖離を小さく抑えることができる。
図11、図12は、本実施形態と従来技術におけるステータコイル22の温度を測定した実験結果である。実験では、本実施形態および従来技術の回転電機10を駆動し、そのときのステータコイル22の温度を検出した。ステータコイル22の温度検出には、サーミスタからなる温度センサ34と、熱電対とを用いた。温度センサ34は、リード側のコイルエンド21aのうち、左右分割線Lvから45度、傾斜した位置に設けた。熱電対は、リード側では、45度間隔で8個、反リード側では、45度間隔で7個設けた。各熱電対は、冷却油がかからないように、コイルエンド21aの内部に設けている。したがって、熱電対の検出温度のほうが、温度センサ34の検出温度よりも、実際のコイル温度に近いと言える。
図11は、リード側における温度測定結果を、図12は、反リード側における温度測定結果を示している。また、図11において、黒四角は、従来技術における温度センサ34の検出温度を、白四角は、本実施形態における温度センサ34の検出温度を示している。また、図11、図12において、破線は、従来技術における熱電対の検出温度を、実線は、本実施形態における熱電対の検出温度を示している。また、図11、図12における径方向の目盛Knは、温度を示しており、隣接する目盛の差分値(Kn+1−Kn)は、nの値に関わらず一定の固定値である。
図11、図12から明らかな通り、従来技術では、温度センサ34の検出温度(黒四角)は、K2程度であるのに対し、熱電対の検出温度(破線)は、コイルエンド21a、21b下側半分、特に、反リード側の下側半分では、高くなっており、K4を超えている。一方、本実施形態では、温度センサ34の検出温度(白四角)は、K3程度となっている。また、熱電対の検出温度(実線)は、温度センサ34が配されているリード側の右半分では高くなっており、K4を超えている。
従来技術と本実施形態とを比較すると、熱電対の検出温度の最高値は、従来技術と本実施形態でほぼ同じであるが、温度センサ34の検出温度は、本実施形態に比べて従来技術では、低くなっている。つまり、実際のコイル温度に近い熱電対の検出温度と、温度センサ34の検出温度との乖離は、従来技術のほうが大きいことが分かる。
ここで、回転電機10の制御部は、回転電機10を熱から保護するため、温度センサ34の検出温度が高くなれば、通電量を減らしたり、冷却油の流量を増やしたりする。温度センサ34の検出温度と実際のコイル温度との乖離が大きくなると、本来で、電流制限や冷却油量の増加が必要であるにも関わらず、それらが行われず、回転電機10が熱から十分に保護されないおそれがある。
本実施形態では、リード側の第1吐出孔48を、温度センサ34に冷却油がかからない位置に配しているため、従来技術に比して、温度センサ34の検出温度と、実際のコイル温度との乖離が小さい。その結果、ステータコイル22の通電量や冷却油の流量を適切に制御できる。一方で、本実施形態では、リード側であって、温度センサ34が配置される側の冷却が不足しがちになる。そこで、本実施形態では、リード側での冷却能力の低下を補うべく、反リード側における第2吐出孔58の数を多くし、第2冷媒吐出機構50から単位時間当たりに吐出される冷却油量を、第1冷媒吐出機構40から単位時間当たりに吐出される冷却油量より多くしている。これにより、反リード側における冷却能力を高めることができ、ステータコイル22の温度増加をより抑制できる。
さらに、本実施形態では、反リード側のうち、左右分割線Lvからみて温度センサ34と同じ領域に配される第2吐出孔58の個数(五個)を、温度センサ34の反対側に配される第2吐出孔58の個数(二個)より多くしている。これにより、リード側における冷却不足を、反リード側で補うことができ、ステータコイル22の温度のバラツキをより低減できる。
また、本実施形態では、コイルエンド21a、21bと軸方向に対向する面に形成された複数の第1、第2吐出孔48,58から冷却油を吐出している。したがって、コイルエンド21a、21bの重力方向上側の吐出孔104,106から冷却油を吐出する従来技術に比べて、広い範囲に冷却油をかけることができ、ステータコイル22をより効果的に冷却できる。特に、温度センサ34が設けられていない反リード側では、本実施形態では、コイルエンド21b全体に冷却油をかけることができるため、従来技術に比べて、コイルエンド21bの温度を全体的に低減できる。
また、これまでの説明で明らかな通り、本実施形態では、第1、第2吐出孔48,58を全て、上下分割線Lhよりも重力方向上側に設けている。かかる構成とすることで、重力を利用して、第1、第2吐出孔48,58より下側にも冷却油をかけることができる。したがって、本実施形態によれば、上下分割線Lhよりも下側にのみ吐出孔を設ける場合に比して、ステータコイル22を効果的に冷却できる。
また、従来技術では、ケース本体24、カバー26の両側にそれぞれ配管100、102を取り付けて冷却油をケーシング18の内部に導入しているので、冷却油の配管構造が複雑になっていた。これに対して、本実施形態の回転電機10は、ケーシング18の内部に配置されたパイプ70で第1冷媒吐出機構40と第2冷媒吐出機構50とを連通し、第2冷媒吐出機構50に流入した冷却油をケーシング18の内部で第1冷媒吐出機構40に供給するように構成し、1か所の冷媒供給管62から冷却油を供給する簡便な構成としている。これにより、冷却油の導入配管を簡素化し、組立や加工を簡素化することができる。
なお、本実施形態の回転電機10では、ケース本体24に冷媒供給孔63を設け、冷媒供給管62をケース本体24に取り付けて冷却油を冷媒供給管62から第2冷媒吐出機構50に供給することとして説明したが、第2冷媒供給流路を構成する冷媒供給管62、冷媒供給孔63が第1冷媒供給流路であるパイプ70と連通する構成であれば、他の構成としてもよい。例えば、カバー26に冷媒供給孔63を設け、冷媒供給管62をカバー26に取りつけて冷却油を冷媒供給管62から第1冷媒吐出機構40に供給し、第1冷媒吐出機構40に流入した冷却油をケーシング18の内部に配置されたパイプ70を通して第2冷媒吐出機構50に供給するように構成してもよい。また、冷媒供給管62、冷媒供給孔63とパイプ70を連通させる内部配管を設け、冷媒供給管62、冷媒供給孔63からパイプ70に冷却油を供給し、パイプ70を通して第1冷媒吐出機構40、第2冷媒吐出機構50に冷却油を供給するようにしてもよい。
次に、図13、図14を参照しながら他の実施形態の回転電機110について説明する。先に図1から図5を参照して説明した実施形態の回転電機10と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。
図13、図14に示す実施形態の回転電機110は、図1から図5を参照して説明した回転電機10の第1冷媒吐出機構40に代えて、カバー26のY方向プラス側の内面とコイルエンド21aとの間にリード側冷媒吐出機構80を配置したものである。
図13、図14に示すように、リード側冷媒吐出機構80は弓型で平板状の本体81と、本体81のY方向プラス側の面に取り付けられたリード側吐出プレート86とで構成されている。
図14に示すように、本体81は、Y方向プラス側の面に配置された周方向に延びる弓型の冷却溝82と、本体81から斜め上方向(Z方向プラス側)に向かって延びる突出部85と、突出部85の内部に設けられ、冷却溝82と連通するチャネル83と、本体81の周方向の両端部で半径方向外側に突出するリブ85aとを有している。
リード側吐出プレート86は、冷却溝82より幅広の円弧状のプレートである。このリード側吐出プレート86は、ボルト87により、本体81のY方向プラス側の内面に固着される。このとき、リード側吐出プレート86は、本体81のY方向プラス側の内面に液密に密着するとともに、冷却溝82を完全に覆う。そして、これにより、本体81の冷却溝82とリード側吐出プレート86との間に、冷却油が流れる冷媒路82aが形成される。チャネル83は、突出部85の中に配置され、冷却溝82に連通して冷却溝82から斜め上方向に向かって延びる孔である。図13、図14に示すように、冷媒路82aは、チャネル83と連通している。また、突出部85のY方向プラス側の面には、第1冷媒供給流路であるパイプ70がはまり込む孔84が設けられている。
リード側吐出プレート86は、先に、図1から図5を参照して説明した回転電機10の第1吐出プレート46と同様に、周方向に間隔を開けて並ぶ複数の吐出孔88が形成されている。各吐出孔88は、リード側吐出プレート86を厚み方向に貫通しており、冷媒路82aに流れる冷却油は、この吐出孔88を介して外部に噴出する。したがって、冷却油は、冷媒路82aから吐出孔88を介して軸方向に噴出し、リード側のコイルエンド21aの軸方向端面に当たることになる。リード側吐出プレート86の複数の吐出孔88は、温度センサ34に冷却油がかからないような位置に配されている。
本体81から半径方向外側に突出した2つのリブ85aには、本体81をステータコア20の端面に固定する取り付け部材89が固定されている。このように、リード側冷媒吐出機構80は、ステータコア20によって支持されている。
先に、図1から図5を参照して説明した回転電機10と同様、冷媒供給管62、冷媒供給孔63から第2冷媒吐出機構50の第2冷媒路52に流入した冷却油の一部は、第2冷媒路52から第2チャネル55を通ってパイプ70に流入する。そして、図13に示すように、パイプ70に流入した冷却油は、リード側冷媒吐出機構80のチャネル83から冷媒路82aに流入する。そして、冷媒路82aに流入した冷却油は、リード側冷媒吐出機構80のリード側吐出プレート86に設けられている複数の第1吐出孔88からリード側のコイルエンド21aに向かって吐出される。
本実施形態の回転電機110は、先に図1から図5を参照して説明した回転電機10と同様の効果を奏する。
以上の説明では、パイプ70のリード側端部がはまり込む孔84および冷却溝82と連通するチャネル83が設けられている突出部85は、本体81から斜め上方向(Z方向プラス側)に向かって延びていることとして説明したが、突出部85の配置はこれに限定されない。例えば、突出部85は、周方向に延びる本体81の周方向に向かって突出する位置に配置してもよい。この場合、パイプ70の反リード側端部がはまり込む孔59が設けられる第2チャネル55も周方向に延びる第2冷却溝54の周方向の延長上に配置する。
次に図15から図19を参照しながら、他の実施形態の回転電機120について説明する。先に図1から図5を参照して説明した回転電機10と同様の部分には、同様の符号を付して説明は省略する。
図15から図19に示すように、本実施形態の回転電機120は、先に図1から図5を参照して説明した回転電機10の円弧状の第1冷却溝44を円弧状部分144aとパイプ70のリード側端部が配置される位置に突出した突出部145とを含む第1冷却溝144とし、円弧状の第1吐出プレート46に代わって第1冷却溝144を覆うように円弧部と円弧部から突出した突出部146aとから構成される第1吐出プレート146としたものである。第1冷媒供給流路であるパイプ70は、第1吐出プレート146に設けられた孔149に嵌め込まれている。
また、実施形態の回転電機120は、先に図1から図5を参照して説明した回転電機10の円弧状の第2冷却溝54を円弧状部分154aとパイプ70のリード側端部が配置される位置に突出した突出部155とを含む第2冷却溝154とし、円弧状の第2吐出プレート56に代わって第2冷却溝154を覆うように円弧部と円弧部から突出した突出部156aとから構成される第2吐出プレート156としたものである。パイプ70は、第2吐出プレート156に設けられた孔159に嵌め込まれている。
本実施形態の回転電機120では、図19に示すように、冷却油は、冷媒供給管62、冷媒供給孔63から第2冷媒吐出機構150の第2冷媒路152に流入する。第2冷媒路152に流入した冷却油の一部は、第2冷媒吐出機構150の第2吐出プレート156に設けられている複数の第2吐出孔158から反リード側のコイルエンド21bに向かって吐出される。また、図19に示すように、冷却油の一部は、第2冷媒路152から第2冷却溝154の突出部155を通ってパイプ70に流入する。図18に示すように、パイプ70に流入した冷却油は、第1冷媒吐出機構140の第1冷却溝144の突出部145から第1冷媒路142に流入する。そして、第1冷媒路142に流入した冷却油は、第1冷媒吐出機構140の第1吐出プレート146に設けられている複数の第1吐出孔148からリード側のコイルエンド21aに向かって吐出される。コイルエンド21a、21bに吐出された冷却油は、重力により、下方に落下し、ケーシング18の底部に配置された冷却油溜めに溜まる。冷却油溜めに溜まった冷却油は、自然冷却された後、再び、冷却ポンプ、冷媒供給管62、冷媒供給孔63を介して、第1、第2冷媒吐出機構140,150に供給される。
本実施形態の回転電機120は、先に図1から図5を参照して説明した回転電機10と同様の効果を奏する。
また、本実施形態の回転電機120も先に図1から図5を参照して説明した回転電機10と同様、第1冷却溝144の突出部145、第2冷却溝154の突出部155をそれぞれ、周方向に延びる第1冷却溝144、第2冷却溝154の周方向の延長上に配置するようにしてもよい。
次に、図20を参照しながら他の実施形態の回転電機130について説明する。先に図1から図5を参照して説明した実施形態の回転電機10と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。
本実施形態の回転電機130は、図1から図5を参照して説明した回転電機10のパイプ70に代えて、ケース本体24、カバー26の内部に内部流路270、271を配置したものである。内部流路270、271は、第1冷媒供給流路を構成する。図20に示すように、ケース本体24に設けられた内部流路270は、第2冷媒吐出機構50の第2冷媒路52と連通している。また、カバー26に設けられた内部流路271は、第1冷媒吐出機構40の第1冷媒路42と連通している。
本実施形態の回転電機130では、図20に示すように、冷媒供給管62、冷媒供給孔63から第2冷媒吐出機構50の第2冷媒路52に流入した冷却油の一部は、第2冷媒路52からケース本体24に設けられた内部流路270、カバー26に設けられた内部流路271を通って第1冷媒吐出機構40の第1冷媒路42に流入する。そして、第1冷媒路42に流入した冷却油は、第1冷媒吐出機構40の第1吐出プレート46に設けられている複数の第1吐出孔48からリード側のコイルエンド21aに向かって吐出される。
本実施形態の回転電機130は、先に図1から図5を参照して説明した回転電機10と同様の効果を奏する。
10、110、120、130 回転電機、12 回転軸、14 ロータ、16 ステータ、18 ケーシング、20 ステータコア、21a、21b コイルエンド、22 ステータコイル、24 ケース本体、26 カバー、28 軸受、30 端子台、32 入出力端子、34 温度センサ、40、140 第1冷媒吐出機構、42、142 第1冷媒路、44、144 第1冷却溝、45 第1チャネル、46、146 第1吐出プレート、47、57、87 ボルト、48、88、148 第1吐出孔、49、59、84、149、159 孔、50、150 第2冷媒吐出機構、52、152 第2冷媒路、54、154 第2冷却溝、55 第2チャネル、56、156 第2吐出プレート、58、158 第2吐出孔、62 冷媒供給管、63 冷媒供給孔、70 パイプ、80 リード側冷媒吐出機構、81 本体、82 冷却溝、82a 冷媒路、83 チャネル、85、145、146a、155、156a 突出部、85a リブ、86 リード側吐出プレート、89 取り付け部材、100、102 配管、104、106 吐出孔、144a、154a 円弧状部分、270、271 内部流路。

Claims (1)

  1. ステータと、前記ステータを覆うケーシングとを有する回転電機であって、
    前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアの軸方向の一端側の端面から軸方向外側に突出する一端側コイルエンドと、前記ステータコアの前記一端側と軸方向の反対側の他端側の端面から軸方向外側に突出する他端側コイルエンドと、を含み、
    前記一端側コイルエンドに対して軸方向に対向する位置から前記一端側コイルエンドに向かって冷媒を吐出する複数の第1吐出孔を有する第1冷媒吐出機構と、
    前記他端側コイルエンドに対して軸方向に対向する位置から前記他端側コイルエンドに向かって冷媒を吐出する複数の第2吐出孔を有する第2冷媒吐出機構と、
    前記第1冷媒吐出機構と前記第2冷媒吐出機構とを連通する第1冷媒供給流路と、
    前記ケーシングの外部と前記第1冷媒供給流路とを連通する第2冷媒供給流路と、を備え、
    前記第1冷媒供給流路が前記ケーシングの内部に配置されている回転電機。
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