JP2018115265A - 樹脂微粒子含有組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、水性スラリーを乾燥させた後、所定の有機溶媒等へ分散させると、激しく凝集し、スラリー内で所望の分散径が得られないという問題があった。
しかしながら、この方法で得られる有機溶媒分散物は、水分を含んだ状態となるため、残存水分量に影響を受けやすいハードコートフィルム等への用途には不適であった。
しかしながら、このような樹脂粒子溶剤分散体は、有機溶剤の種類が限定されるため、幅広い用途に応用できないものとなっていた。
以下に本発明を詳述する。
上記樹脂微粒子は、架橋重合体及び常温固体の極性基含有化合物を含有する。
上記重合性モノマーは、後述する架橋性モノマーとは異なるものであり、ラジカル重合性二重結合を1つ有する単官能性モノマーであることが好ましい。
上記重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の極性基含有(メタ)アクリル系モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノマー、ビニルピリジン、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマル酸、エチレン、プロピレン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記樹脂微粒子の平均粒子径が上記好ましい下限以上、且つ、上記好ましい上限以下であると、反射防止やブロッキング防止、さらには造孔、賦形等の様々な用途で本発明の樹脂微粒子含有組成物を用いることができる。
上記樹脂微粒子の平均粒子径は、好ましい下限が150nm、好ましい上限が5μmである。なお、上記樹脂微粒子の平均粒子径は、動的光散乱法を利用して測定した平均粒子径を意味する。
また、乳化重合では2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]スルファトハイドレイト、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等をはじめとするイミダゾール系アゾ化合物の酸混合物、もしくは2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の水溶性アゾ化合物もしくは、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ等のオキソ酸類、過酸化水素、過酢酸、過ギ酸、過プロピオン酸等の過酸化物等が挙げられ、なかでも、残留量が少なく、ガスバリア性への影響が少ないことから、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ等のオキソ酸類が好ましく用いられる。
また、上記モノマー組成物には、上述した重合性モノマー、架橋性モノマー、極性基含有化合物、重合開始剤に加えて、必要に応じて、溶剤、カップリング剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、界面活性剤等の添加剤を含有してもよい。
上記極性基含有化合物は、常温固体であり、分子中に水酸基又はカルボキシル基を1〜2個有し、20℃の水への溶解性が0〜6g/100mL、沸点が150〜400℃の化合物である。なお、上記極性基含有化合物は、上記重合性モノマー、架橋性モノマーとは異なるものであり、ラジカル重合性二重結合を有しないものであることが好ましい。
上記極性基含有化合物は、沸点が150〜400℃である。また、融点は24〜250℃(昇華点含む)であることが好ましい。上記極性基含有化合物の融点、沸点を上記範囲内とすることで、乾燥後も樹脂微粒子の粒子表面に残留させることが可能となる。上記極性基含有化合物の沸点の好ましい下限は200℃、好ましい上限は300℃である。上記極性基含有化合物の融点の好ましい下限は40℃、好ましい上限は200℃である。なお、上記沸点は、常圧における沸点を意味する。
上記極性基含有化合物の20℃の水への溶解性の好ましい下限は0g/100mL、好ましい上限は3g/100mLである。
上記極性基含有化合物としては、例えば、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、2,2−ジエチル1,3−プロパンジオール、2−ブチル2−エチル1,3−プロパンジオール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸、マロン酸、コハク酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、アジピン酸、フマル酸、ソルビン酸等が挙げられる。
上記溶媒としては、上記樹脂微粒子を分散させることができるものであれば特に限定されず、例えば、水、アルコール、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドンが挙げられる。なかでも、水が好ましい。上記溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記樹脂微粒子の作製に使用した重合溶媒をそのまま溶媒として使用してもよい。
また、本発明の樹脂微粒子含有組成物は、プラスチックフィルムのブロッキング防止剤、積層セラミックコンデンサのグリーンシートの離型フィルムとの張り付き防止、固体酸化物形燃料電池の電極造孔材料、光拡散板や光拡散シートの凹凸賦形材料、各種インク、塗料、接着剤等として用いることができる。
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水570g、イソブチルメタクリレート21g、トリメチロールプロパントリアクリレート9g、ミリスチルアルコール(沸点:286℃、20℃の水への溶解性:0g/100mL)0.3g、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート(日油社製、パーロイルSBP)0.2g及びt−ブチルパーオキシピバレート(日油社製、パーブチルPV)0.4g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬、ネオゲンS−20F)7.5gを投入し、ホモジナイザーで3分間混合した後、150rpmで撹拌しながら窒素ガスを供給して窒素雰囲気とすることでモノマー組成物を調製した。次いで、ジャケットにより70℃に昇温して水懸濁重合を開始した。
得られた樹脂微粒子含有組成物を希釈した後、ゼータサイザー(マルバーン社製、ゼータサイザーナノZS90)に供給して平均粒子径を測定したところ、平均粒子径(Z平均粒子径)は243nmであった。
また、得られた樹脂微粒子含有組成物を乾燥後、樹脂微粒子5gを25gのヘキサンに投入し、30分間放置した。次いで、樹脂微粒子を取り除き、ヘキサンを乾燥させた後の固形分の有無を確認した。固形分が確認された場合、ミリスチルアルコール(極性基含有化合物)が樹脂微粒子の表面に存在するものと認定した。以下の実施例、比較例についても同様の確認を行った。
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水570g、n−ブチルメタクリレート27g、ポリエチレングリコールジアクリレート3g、セチルアルコール(沸点:344℃、20℃の水への溶解性:0g/100mL)10.0g、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート(パーロイルSBP)0.2g、t−ブチルパーオキシピバレート(パーブチルPV)0.4g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオゲンS−20F)7.5gを投入し、ホモジナイザーで3分間混合した後、150rpmで撹拌しながら窒素ガスを供給して窒素雰囲気とすることでモノマー組成物を調製した。次いで、ジャケットにより70℃に昇温して水懸濁重合を開始した。
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水570g、イソブチルメタクリレート27g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート3g、ラウリン酸(沸点:298℃、20℃の水への溶解性:0g/100mL)3g、ペルオキソ二硫酸カリウム0.6g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬、ネオゲンS−20F)7.5gを投入し、ホモジナイザーで3分間混合した後、150rpmで撹拌しながら窒素ガスを供給して窒素雰囲気とすることでモノマー組成物を調製した。次いで、ジャケットにより80℃に昇温して乳化重合を開始した。
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水570g、スチレン15g、トリメチロールプロパントリアクリレート15g、2−ブチル,2−エチル−1,3−プロパンジオール(沸点:178℃、20℃の水への溶解性:0g/100mL)5.0g、ペルオキソ二硫酸カリウム0.6g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオゲンS−20F)7.5gを投入し、ホモジナイザーで3分間混合した後、150rpmで撹拌しながら窒素ガスを供給して窒素雰囲気とすることでモノマー組成物を調製した。次いで、ジャケットにより80℃に昇温して乳化重合を開始した。
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水570g、n−ブチルメタクリレート27gにポリプロピレングリコールジアクリレート3g、ジブチルヒドロキシトルエン(沸点:265℃、20℃の水への溶解性:0g/100mL)10g、ペルオキソ二硫酸カリウム0.6g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬、ネオゲンS−20F)7.5gを投入し、ホモジナイザーで3分間混合した後、150rpmで撹拌しながら窒素ガスを供給して窒素雰囲気とすることでモノマー組成物を調製した。次いで、ジャケットにより80℃に昇温して乳化重合を開始した。
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水570g、n−ブチルメタクリレート28.5g、ネオペンチルグリコールジメタクリレート1.5g、ソルビン酸(沸点:228℃、20℃の水への溶解性:0.25g/100mL)3g、ペルオキソ二硫酸カリウム0.6g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬、ネオゲンS−20F)7.5gを投入し、ホモジナイザーで3分間混合した後、150rpmで撹拌しながら窒素ガスを供給して窒素雰囲気とすることでモノマー組成物を調製した。次いで、ジャケットにより80℃に昇温して乳化重合を開始した。
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水570g、n−ブチルメタクリレート30g、ペルオキソ二硫酸カリウム0.6g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬、ネオゲンS−20F)7.5gを投入し、ホモジナイザーで3分間混合した後、150rpmで撹拌しながら窒素ガスを供給して窒素雰囲気とすることでモノマー組成物を調製した。次いで、ジャケットにより80℃に昇温して乳化重合を開始した。
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水570g、メチルメタクリレート30g、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート(パーロイルSBP)0.2g、t−ブチルパーオキシピバレート(パーブチルPV)0.4g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオゲンS−20F)7.5gを投入し、ホモジナイザーで3分間混合した後、150rpmで撹拌しながら窒素ガスを供給して窒素雰囲気とすることでモノマー組成物を調製した。次いで、ジャケットにより70℃に昇温して水懸濁重合を開始した。
攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水570g、イソブチルメタクリレート21g、トリメチロールプロパントリアクリレート9g、1,6−ヘキサンジオール(沸点:250℃、20℃の水への溶解性:100g/100mL)0.3g、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート(日油社製、パーロイルSBP)0.2g及びt−ブチルパーオキシピバレート(日油社製、パーブチルPV)0.4g、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬、ネオゲンS−20F)7.5gを投入し、ホモジナイザーで3分間混合した後、150rpmで撹拌しながら窒素ガスを供給して窒素雰囲気とすることでモノマー組成物を調製した。次いで、ジャケットにより70℃に昇温して水懸濁重合を開始した。
得られた樹脂微粒子含有組成物を希釈した後、ゼータサイザー(マルバーン社製、ゼータサイザーナノZS90)に供給して平均粒子径を測定したところ、平均粒子径(Z平均粒子径)は264nmであった。
実施例及び比較例で得られた樹脂微粒子含有組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1−1)2−ブタノン再分散性
得られた樹脂微粒子含有組成物2gをアルミカップに注ぎ、60℃で15時間乾燥した後、2−ブタノン20gに添加してマグネチックスターラーで10分撹拌し、再分散させた。得られた2−ブタノン再分散液をゼータサイザーに供給して、平均粒子径(Z平均粒子径)を測定した。なお、再分散後に樹脂微粒子が凝集し、平均粒子径が測定不能であった場合は「凝集」とした。
(1−2)2−ブタノン3日後再分散性
再分散した2−ブタノン再分散液を3日間静置した後、再度マグネチックスターラーで10分撹拌し、再分散させた。得られた2−ブタノン再分散液(3日後)をゼータサイザーに供給して、平均粒子径(Z平均粒子径)を測定した。なお、「(1−1)2−ブタノン再分散性」の評価が「凝集」である場合は、2−ブタノン3日後再分散性の評価は行わなかった。
得られた微粒子含有組成物を、予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)からなる支持フィルム(幅400mm,長さ30mm,厚さ38μm)上にブレードコーターを用いて塗布し、形成された塗膜を100℃で10分間乾燥することにより溶剤を除去して支持フィルム上に微粒子含有樹脂層を形成した。
得られた微粒子含有樹脂層の状態について目視で確認し、均一に塗工できている場合を「〇」、はじいて均一でない場合を「×」とした。
得られた微粒子含有組成物を乾燥用のバットに入れ、60℃の乾燥機に入れて、6時間乾燥した。乾燥後の含有水分量(含水量)測定を 加熱式迅速水分計(メトラー HR83)を用いて測定した。なお、乾燥後の含水量が少ない場合、有機溶剤に対する再分散性が高いものとなる。
Claims (5)
- 平均粒子径50nm〜10μmの樹脂微粒子を含有する樹脂微粒子含有組成物であって、
前記樹脂微粒子は、架橋重合体及び常温固体の極性基含有化合物を含有し、
前記極性基含有化合物は、分子中に水酸基又はカルボキシル基を1〜2個有し、20℃の水への溶解性が0〜6g/100mL、沸点が150〜400℃である
ことを特徴とする樹脂微粒子含有組成物。 - 架橋重合体は、重合性モノマー及び架橋性モノマーを重合した重合体であり、全モノマー100重量部に対して架橋性モノマーの含有量が5〜80重量部であることを特徴とする請求項1記載の樹脂微粒子含有組成物。
- 樹脂微粒子は、粒子表面に極性基含有化合物を有することを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂微粒子含有組成物。
- 更に、溶媒を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の樹脂微粒子含有組成物。
- 請求項1、2、3又は4記載の樹脂微粒子含有組成物を含有することを特徴とするコーティング材料。
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