JPH1087710A - 重合体粒子の製造方法 - Google Patents

重合体粒子の製造方法

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JPH1087710A
JPH1087710A JP24165996A JP24165996A JPH1087710A JP H1087710 A JPH1087710 A JP H1087710A JP 24165996 A JP24165996 A JP 24165996A JP 24165996 A JP24165996 A JP 24165996A JP H1087710 A JPH1087710 A JP H1087710A
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JP
Japan
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weight
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monomer
polymer particles
water
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Application number
JP24165996A
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English (en)
Inventor
Kazunori Takigawa
和徳 瀧川
Hiroki Yoshino
浩樹 吉野
Hideki Hosoi
英機 細井
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 比較的均一な粒子径分布を有するミクロンサ
イズの重合体粒子を簡単な操作で効率よく製造する方法
を提供する。 【解決手段】 重合性単量体、20℃の水に対する溶解
度が0.05重量%以下で分子量が20,000以下の
水難溶性物質、及び20℃の水に対する溶解度が0.0
5重量%以下の重合開始剤からなる溶液(A)と、乳化
剤及び/又は水溶性高分子化合物、及び水からなる溶液
(B)を混合し、これらの混合物に機械的剪断を加える
ことでO/W型エマルションを調製し、次いで重合する
ことにより平均粒子径約2〜15μmの重合体粒子を製
造する。また、平均粒子径約2〜15μmの該重合体粒
子の存在下に重合性単量体をグラフト重合することによ
り、平均粒子径約2〜20μmのグラフト重合体粒子を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子径が約2〜1
5μmで比較的均一な粒子径分布を有する重合体粒子を
製造する方法に関するものであり、また粒子径約2〜1
5μmの重合体粒子にグラフト重合した粒子径約2〜2
0μmのグラフト重合体粒子を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、比較的大きさの揃ったミクロンサ
イズの粒子径を有する重合体粒子は多くの分野で注目を
集めており、また様々な用途に必要とされている。例え
ば、樹脂改質剤または塗料の分野での光拡散剤あるいは
艶消し剤、化粧品の分野での滑り性付与剤、電子複写機
の分野でのトナー用材料としての展開が挙げられる。ま
た、特に粒子径分布が均一な重合体粒子が必要とされる
用途としては、例えば、診断薬担体、液晶パネル用スペ
ーサー、クロマトグラフィー用充填剤、標準粒子等への
展開が挙げられる。このようなミクロンサイズの重合体
粒子の応用は、今後益々拡大していくことが期待されて
いる。
【0003】しかしながら、一般に、このようなミクロ
ンサイズの粒子径を有し、かつ粒子径分布が均一な重合
体粒子を製造することは容易ではなく、それ故このよう
な重合体粒子を簡単に且つ効率よく製造する技術の開発
が望まれている。
【0004】粒子径分布が比較的均一な重合体粒子を製
造する方法としては、乳化重合法が知られている。しか
し乳化重合法では、通常、サブミクロンオーダーの小粒
子径の重合体粒子しか得られず、特殊な条件下において
も3μm程度が限界と言われている。
【0005】一方、ミクロンサイズの重合体粒子を簡単
な操作で製造する方法としては、懸濁重合法が知られて
いる。しかし懸濁重合法で得られる重合体粒子は粒子径
分布が広く、従って粒子径分布の比較的均一な重合体粒
子を得るには、得られた重合体粒子を乾式又は湿式の分
級装置を用いて分級する工程が必要となる。このような
方法では、工程数が多くなり、製造が煩雑になるだけで
なく、収率も著しく低下し、また粒子径の精度も不十分
であるという欠点がある。
【0006】これに対し、均一な粒子径分布を有する重
合体粒子を得るための方法として、以下のような技術が
提案されている。例えば特開昭54−97582号公
報、特開昭63−137911号公報、あるいは特開平
2−240108号公報等に開示されているのは、乳化
重合法において連鎖移動剤を多量に用いることにより、
通常の重合体粒子よりもはるかに低い分子量を有するオ
リゴマーを含む重合体粒子を製造してこれをシード粒子
とし、このシード粒子に水に幾分可溶な重合性単量体を
吸収させて重合体粒子を製造する方法である。しかしな
がらこの方法においては、シード粒子は乳化重合法で形
成するためサブミクロンサイズの粒子しか得られず、よ
って得られる重合体粒子の大きさに限界があり、ミクロ
ンサイズの重合体粒子を得るためには、重合性単量体の
吸収、重合工程を数回繰り返す必要がある。このため重
合工程が煩雑になり、重合安定性も低下し、また均一な
粒子径の重合体粒子が得られにくくなるという問題点が
あった。さらに重合体粒子中に残存するオリゴマーは、
該重合体粒子を成形加工あるいは使用する際に悪影響を
及ぼす場合があり、またオリゴマーを生成するために用
いられる連鎖移動剤は強い臭気を発するという問題もあ
った。
【0007】また特開昭54−126288号公報、特
開昭61−215605号公報等に開示されているの
は、第1段階において膨潤助剤と呼ばれる低分子量の疎
水性化合物をシード粒子に吸収させ、第2段階において
該シード粒子に重合性単量体を吸収させ膨潤粒子を形成
し、その後重合を行うことにより重合体粒子を製造する
方法である。この方法では一度に多量の重合性単量体を
シード粒子に吸収させることが可能なため、一回の膨
潤、重合操作で粒子径分布が均一なミクロンサイズの重
合体粒子を得ることができる。しかし、疎水性化合物の
膨潤助剤をシード粒子に吸収させる工程が容易ではな
く、このため、水溶性の有機溶媒を使用する必要があ
り、その除去操作を行わねばならず、あるいは膨潤助剤
をシード粒子より小さく微分散し、シード粒子に吸収さ
せる操作が必要になる。したがって、プロセスが煩雑に
ならざるを得ず、またその工程に長時間を要するため生
産性が低下するといった問題を生じる。さらには用いら
れた膨潤助剤は粒子中に残存するため、得られた重合体
粒子を成形加工あるいは使用する場合に悪影響を及ぼす
ことが懸念される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有する上記問題点を解決し、比較的均一な粒子径分布を
有するミクロンサイズの重合体粒子を簡単な操作で効率
よく製造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、比較的均
一な粒子径分布を有するミクロンサイズの重合体粒子を
簡単な操作で効率よく製造するために検討を重ねた結
果、重合性単量体、水難溶性物質、重合開始剤、乳化剤
及び/又は水溶性高分子化合物、及び水からなる特定の
O/W型エマルションを形成し、次いで重合することに
よって、前述の課題を解決し得ることを見出し本発明に
至った。
【0010】すなわち請求項1の製造方法においては、
重合性単量体(A−1)100重量部、20℃の水に対
する溶解度が0.05重量%以下で分子量が20,00
0以下の水難溶性物質(A−2)0.01〜20重量
部、及び20℃の水に対する溶解度が0.05重量%以
下の重合開始剤(A−3)0.001〜5重量部からな
る溶液(A)と、乳化剤及び/又は水溶性高分子化合物
(B−1)0.01〜5重量部、及び水100〜500
重量部からなる溶液(B)とを混合し、前記溶液(A)
と溶液(B)との混合物に機械的剪断を加えることによ
ってO/W型エマルションを調製し、次いで重合を行う
ことにより、平均粒子径約2〜15μmの重合体粒子
(C)を得る。
【0011】請求項2の製造方法においては、重合性単
量体(a−1)100重量部、及び20℃の水に対する
溶解度が0.05重量%以下の重合開始剤(a−2)
0.001〜5重量部からなる溶液(a)と、20℃の
水に対する溶解度が0.05重量%以下で分子量が2
0,000以下の水難溶性物質(b−1)0.01〜2
0重量部、乳化剤及び/又は水溶性高分子化合物(b−
2)0.01〜5重量部、及び水100〜500重量部
からなる分散液(b)とを混合し、前記溶液(a)と分
散液(b)との混合物に機械的剪断を加えることによっ
てO/W型エマルションを調製し、次いで重合を行うこ
とにより、平均粒子径約2〜15μmの重合体粒子
(c)を得る。
【0012】請求項3の製造方法においては、請求項1
に記載の製造方法により製造した平均粒子径約2〜15
μmの重合体粒子(C)の存在下に、重合性単量体
(D)10〜300重量部をグラフト重合することによ
り、平均粒子径約2〜20μmのグラフト重合体粒子を
得る。
【0013】請求項4の製造方法においては、請求項2
に記載の製造方法により製造した平均粒子径約2〜15
μmの重合体粒子(c)の存在下に、重合性単量体
(d)10〜300重量部をグラフト重合することによ
り、平均粒子径約2〜20μmのグラフト重合体粒子を
得る。
【0014】請求項5の製造方法では、請求項1又は3
に記載の製造方法において、前記水難溶性物質(A−
2)を、分子内に少なくとも1つの重合性不飽和基を有
する化合物とする。
【0015】請求項6の製造方法では、請求項2又は4
に記載の製造方法において、前記水難溶性物質(b−
1)を、分子内に少なくとも1つの重合性不飽和基を有
する化合物とする。
【0016】請求項7の製造方法では、請求項1、3、
5のいずれか1項に記載の製造方法において、前記重合
性単量体(A−1)を、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニ
ル系単量体、酢酸ビニル及び塩化ビニルから選ばれた1
種または2種以上の単量体及び分子内に2個以上の重合
性不飽和基を有する多官能性単量体からなるものとす
る。
【0017】請求項8の製造方法では、請求項2、4、
6のいずれか1項に記載の製造方法において、前記重合
性単量体(a−1)を、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニ
ル系単量体、酢酸ビニル及び塩化ビニルから選ばれた1
種または2種以上の単量体及び分子内に2個以上の重合
性不飽和基を有する多官能性単量体からなるものとす
る。
【0018】請求項9の製造方法では、請求項3又は5
に記載の製造方法において、前記重合性単量体(A−
1)を、その単独重合体のガラス転移温度が0℃以下で
ある(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、及
び分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する多官能性
単量体からなるものとし、かつ前記重合性単量体(D)
を、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、芳
香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、酢酸ビ
ニル、塩化ビニルから選ばれた1種または2種以上の単
量体とする。
【0019】請求項10の製造方法では、請求項4又は
6に記載の製造方法において、前記重合性単量体(a−
1)を、その単独重合体のガラス転移温度が0℃以下で
ある(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、及
び分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する多官能性
単量体からなるものとし、かつ前記重合性単量体(d)
を、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、芳
香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、酢酸ビ
ニル、塩化ビニルから選ばれた1種または2種以上の単
量体とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法について
詳細に説明する。
【0021】本発明で用いられる溶液(A)の調製に用
いられる重合性単量体(A−1)、及び溶液(a)の調
製に用いられる重合性単量体(a−1)としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル等に代表されるような
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチ
ルスチレン等に代表されるような芳香族ビニル系単量
体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリ
ロニトリル等に代表されるようなシアン化ビニル系単量
体、酢酸ビニル、塩化ビニル等から選ばれた1種又は2
種以上からなる単量体、及び(メタ)アクリル酸アリ
ル、フタル酸ジアリル、ジ(メタ)アクリル酸エチレン
グリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレング
リコール、イタコン酸ジアリル、ジビニルベンゼン、ト
リアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等
に代表されるような分子内に2個以上の重合性不飽和基
を有する多官能性単量体からなる単量体系が好適に用い
られる。
【0022】得られる粒子がゴム的性質を有することを
要求される場合には、その単独重合体のガラス転移温度
が0℃以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステル
系単量体及び分子内に2個以上の重合性不飽和基を有す
る多官能性単量体からなる単量体系が用いられる。
【0023】また上記溶液(A)の調製に用いられる、
20℃の水に対する溶解度が0.05重量%以下で分子
量が20,000以下の水難溶性物質(A−2)、及び
分散液(b)の調製に用いられる、20℃の水に対する
溶解度が0.05重量%以下で分子量が20,000以
下の水難溶性物質(b−1)としては、例えば、メタク
リル酸ステアリル、メタクリル酸ジノニルフェニル等に
代表される長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸
アルキルエステル系単量体類、セチルアルコールあるい
はステアリルアルコール等に代表される高級アルコール
類、ヘキサデカン、オクタデカン等に代表される炭化水
素類、1−クロロドデカン、1−クロロデカン等に代表
されるようなハロゲン化炭化水素類、又は、例えば、セ
グメントの主成分がメタクリル酸メチルで末端にメタク
リロイル基を有する数平均分子量6,000のAA−
6、あるいはセグメントの主成分がアクリル酸ブチルで
末端がメタクリロイル基を有する数平均分子量6,00
0のAB−6(何れも東亜合成化学工業(株)製)等に
代表されるような、末端に(メタ)アクリロイル基、p
−スチリルアルキル基、ジヒドロキシル基あるいはジカ
ルボキシル基等を有する各種マクロモノマー類等から選
ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0024】ただし、本発明の製造方法により得られる
重合体粒子を樹脂改質剤として用いる場合には、水難溶
性物質として高級アルコール類、炭化水素類、ハロゲン
化炭化水素類等の非重合性の化合物を使用すると、重合
体粒子中に残存した水難溶性物質が原因となって成形時
のガス発生や滑性過多等の問題を起こしやすい。この問
題を解決するため、分子内に少なくとも1つの重合性不
飽和基を有する重合性の水難溶性物質を使用することが
好ましい。
【0025】なお、20℃の水に対する溶解度が0.0
5重量%以上のものを用いると、O/W型エマルション
の安定性が不足し、目的とする粒子径の重合体粒子が得
られにくくなるため好ましくない。
【0026】上記溶液(A)を調製する際の重合性単量
体(A−1)に対する水難溶性物質(A−2)の使用量
としては、重合性単量体(A−1)100重量部に対し
て、水難溶性物質(A−2)が通常0.01〜20重量
部、好ましくは0.1〜10重量部の範囲である。水難
溶性物質(A−2)が0.01重量部より少ないと、エ
マルションの安定性が不足し、目的粒子径のエマルショ
ンを形成し難く、あるいは一旦形成できても維持し難く
なる。また20重量部より多いと、エマルション中の重
合性単量体(A−1)の含有率が低下するため、水難溶
性物質(A−2)が重合性の場合は目的の組成を有する
重合体粒子が得られにくくなり、また水難溶性物質(A
−2)が非重合性の場合は不純物として残存しやすくな
る傾向がある。
【0027】分散液(b)を調製する際の水難溶性物質
(b−1)の使用量についても、同様の理由で溶液
(a)を調製する際の重合性単量体(a−1)100重
量部に対して、水難溶性物質(b−1)が通常0.01
〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0028】上記溶液(A)の調製に用いる、20℃の
水に対する溶解度が0.05重量%以下の重合開始剤
(A−3)、及び溶液(a)の調製に用いる、20℃の
水に対する溶解度が0.05重量%以下の重合開始剤
(a−2)としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキ
サイド又はオクタノイルパーオキサイド等に代表される
ような有機過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)又は2,2′−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)等に代表されるようなア
ゾ系化合物等から選ばれる1種又は2種以上の組み合わ
せを好適に用いることができる。
【0029】重合開始剤(A−3)の使用量は、用いる
重合性単量体種により異なるが、溶液(A)を調製する
際の重合性単量体(A−1)100重量部に対して、通
常0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜3重
量部の範囲である。重合開始剤を5重量部より多く用い
た場合は、重合中の反応熱を除去することが困難にな
り、また0.001重量部より少ない場合は重合転化率
が上がり難く、未反応の重合性単量体が残存する。
【0030】また重合開始剤(a−2)の使用量も、用
いる重合性単量体種により異なるが、上記と同様の理由
により、重合性単量体(a−1)100重量部に対し
て、通常0.001〜5重量部、好ましくは0.005
〜3重量部の範囲である。
【0031】水に対する溶解度が0.05重量%以上の
水溶性重合開始剤あるいは比較的水溶性の高い油溶性重
合開始剤を用いた場合には、乳化剤濃度が臨界ミセル濃
度以下であっても、水相中に溶解している重合性単量体
と重合開始剤ラジカルとの反応により重合が開始し、こ
のため目的の重合体粒子以外に新粒子が多量に発生する
という問題を生じる。従って、水に対する溶解度が0.
05重量%以下の油溶性重合開始剤を用いることが必要
である。
【0032】なお、水に対する溶解度が0.05重量%
以下の重合開始剤を用いた場合でも、水相で重合が開始
することを防止するために、必要に応じて、例えば、亜
硝酸ナトリウム、ハイドロキノンに代表されるような水
溶性の重合禁止剤を併用することができる。
【0033】以上に示した重合性単量体(A−1)、水
難溶性物質(A−2)、及び重合開始剤(A−3)を均
一に溶解し、O/W型エマルションを形成するための溶
液(A)を調製する。また重合性単量体(a−1)及び
重合開始剤(a−2)を均一に溶解し、O/W型エマル
ションを形成するための溶液(a)を調製する。
【0034】次に溶液(B)について説明する。
【0035】溶液(B)の調製に用いられる乳化剤及び
/又は水溶性高分子化合物(B−1)、及び分散液
(b)の調製に用いられる乳化剤及び/又は水溶性高分
子化合物(b−2)としては、公知のものが特に制限な
く使用可能である。例えば、乳化剤としてはカルボン酸
系乳化剤、スルホン酸系乳化剤、リン酸系乳化剤等が、
また水溶性高分子化合物としてはポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩等が用い
られる。
【0036】上記溶液(B)を調製する際の乳化剤と水
溶性高分子化合物(B−1)の使用量は、両者の総量と
して、溶液(A)を調製する際の重合性単量体(A−
1)100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、
好ましくは0.05〜3重量部の範囲である。使用量が
5重量部より多い場合は新粒子が発生しやすく、さらに
は重合体粒子に不純物として残存し易くなり、また、使
用量が0.01重量部より少ない場合は、系の重合安定
性が低下するという問題を生じる。
【0037】上記分散液(b)を調製する際の乳化剤と
水溶性高分子化合物(b−2)の使用量は、上記と同様
の理由で、溶液(a)を調製する際の重合性単量体(a
−1)100重量部に対して、通常0.01〜5重量
部、好ましくは0.05〜3重量部の範囲である。
【0038】上記乳化剤及び/又は水溶性高分子化合物
(B−1)と水とを混合し、溶液(B)を調製する。そ
の際の水の使用量は、溶液(A)を調製する際の重合性
単量体(A−1)100重量部に対して、通常100〜
500重量部の範囲である。水量が100重量部より少
ない場合には、重合中の反応熱の除去が困難となるだけ
でなく、重合安定性も低下し、また500重量部より多
い場合には、得られる重合体粒子分散液の固形分濃度が
低下し、生産効率が低下する。
【0039】また上記水難溶性物質(b−1)、乳化剤
及び/又は水溶性高分子化合物(b−2)及び水を混
合、撹拌することにより、水難溶性物質(b−1)が乳
化分散された分散液(b)を調製する。その際の水の使
用量も、同様の理由で重合性単量体(a−1)100重
量部に対して、通常100〜500重量部の範囲であ
る。
【0040】以上により調製した溶液(A)と溶液
(B)、あるいは溶液(a)と分散液(b)とを混合
し、次いで機械的剪断を加えてO/W型エマルションを
調製する。その調整には、エマルションの粒径を制御す
るために、剪断の強さを調節可能な分散装置が特に制限
なく使用でき、例えば、高圧ホモジナイザー、ホモミキ
サー、超音波分散装置、あるいは遠心ポンプ等を好適に
用いることができる。この際、重合開始剤を溶液(A)
及び溶液(a)に加えているため、剪断による発熱によ
り重合が開始する可能性がある場合は冷却操作を行うこ
とが好ましい。
【0041】O/W型エマルションの粒子径は、目的と
する重合体粒子により、約2〜15μm程度の範囲で調
製される。分散条件等については、得られるO/W型エ
マルションに粗大エマルション等が存在せず、できる限
りシャープな粒子径分布を形成するように適宜決めるこ
とができる。
【0042】かかる方法により調製したO/W型エマル
ションを含む分散系を、撹拌機が付設され、加熱冷却が
可能なジャケットを備えた重合可能な装置に加え、次い
で昇温し、重合条件に付すことにより平均粒子径約2〜
15μmの重合体粒子(C)、又は平均粒子径約2〜1
5μmの重合体粒子(c)を得ることができる。
【0043】上記により得られた重合体粒子(C)及び
重合体粒子(c)には、必要に応じてグラフト重合する
ことが可能である。すなわち、平均粒子径約2〜15μ
mの前記重合体粒子(C)100重量部に、重合性単量
体(D)10〜300重量部をグラフト重合することに
より、平均粒子径約2〜20μmのグラフト重合体粒子
を得ることができる。また、平均粒子径約2〜15μm
の前記重合体粒子(c)100重量部に、重合性単量体
(d)10〜300重量部をグラフト重合することによ
り、平均粒子径約2〜20μmのグラフト重合体粒子を
得ることができる。
【0044】上記重合性単量体(D)及び(d)として
は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等に代表される
ような(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体、
スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロ
ロメチルスチレン等に代表されるような芳香族ビニル系
単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタ
クリロニトリル等に代表されるようなシアン化ビニル系
単量体、酢酸ビニル、塩化ビニル等から選ばれた1種又
は2種以上の単量体が好適に用いられる。
【0045】上記グラフト重合方法としては、公知の方
法が特に制限はなく利用でき、重合体粒子(C)あるい
は(c)の分散液の存在下で、重合性単量体(D)ある
いは(d)を一括あるいは連続添加することにより行う
ことができる。その際の重合開始剤については特に制限
はなく、例えば、重合体粒子(C)あるいは(c)の製
造に用いた残存油溶性重合開始剤を利用することも可能
であるし、またレドックス系重合を行うことも可能であ
る。レドックス系重合を行う場合には、[硫酸第一
鉄、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート、エチ
レンジアミン四酢酸塩]系、[硫酸第一鉄、グルコー
ス、ピロリン酸ナトリウム]系、[硫酸第一鉄、デキ
ストロース、ピロリン酸ナトリウム]系等に代表される
ようなレドックス系重合の還元剤のみを添加しても良い
し、また有機過酸化物、アゾ系重合開始剤等と先に示し
た還元剤とを組み合わせて用いても良い。
【0046】
【実施例】次に具体的な実施例を挙げて説明するが、こ
れらはいずれも例示的なものであり、本発明の内容を何
ら限定するものではない。
【0047】なお、平均粒子径及び粒子径分布の測定
は、マイクロトラック粒度分析計Model 9230
UPA、マイクロトラック粒度分析計Model 9
220FRA(何れも日機装(株)製)及び光学顕微鏡
写真を画像解析することにより行った。
【0048】また、O/W型エマルションの調製は、機
械的剪断を加える工程で分散液の温度が上がらないよう
に必要に応じて冷水で冷却しながら行った。
【0049】実施例1:重合体粒子(C)の製造例1 アクリル酸ブチル97.5重量部、メタクリル酸アリル
2重量部、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール
0.5重量部、メタクリル酸ステアリル1重量部、及び
ベンゾイルパーオキサイド0.04重量部を均一に溶解
し、溶液(A)を調製した。これとは別に水250重量
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量
部、及び亜硝酸ナトリウム0.015重量部からなる溶
液(B)を調製した。
【0050】この溶液(A)と溶液(B)とを混合し、
その混合液にT.K.Auto Homomixer
(特殊機化工業(株)製)により6,000rpmの回
転数で20分間機械的剪断を与え、O/W型エマルショ
ンを調製した。
【0051】得られたエマルションは、平均粒子径が
4.1μm、CV値[(標準偏差/平均粒子径)×10
0]が18%であった。さらに光学顕微鏡で観察した結
果、粗大エマルションは存在しないことが確認された。
【0052】以上により調製したO/W型エマルション
を含む分散液の全量をガラス製反応器に加え、窒素気流
中で撹拌しながら65℃まで昇温した。次いで、系の温
度を65℃に保って5時間撹拌し、重合体粒子(C)の
分散液を得た。
【0053】得られた重合体粒子は、平均粒子径が4.
0μm、CV値が18%であった。また重合転化率は9
9%であった。
【0054】実施例2:重合体粒子(c)の製造例1 アクリル酸ブチル97.5重量部、メタクリル酸アリル
2.5重量部、及びベンゾイルパーオキサイド0.04
重量部を均一に溶解し、溶液(a)を調製した。これと
は別にメタクリル酸ステアリル1重量部、水250重量
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量
部、及び亜硝酸ナトリウム0.015重量部からなる分
散液(b)を調製した。
【0055】この溶液(a)と分散液(b)とを混合
し、その混合液にT.K.AutoHomomixer
により5,000rpmの回転数で20分間機械的剪断
を与え、O/W型エマルションを調製した。得られたエ
マルションは、平均粒子径が6.1μm、CV値が20
%であった。さらに光学顕微鏡で観察した結果、粗大エ
マルションは存在しないことが確認された。
【0056】以上により調製したO/W型エマルション
を実施例1と同様の手順で重合し、重合体粒子(c)の
分散液を得た。得られた重合体粒子の粒子径は、平均粒
子径が6.0μm、CV値が20%であった。また重合
転化率は99%であった。
【0057】実施例3:重合体粒子(c)の製造例2 実施例2と全く同様にして溶液(a)を調製した。ま
た、メタクリル酸ステアリルの代わりにカルコール68
(主にセチルアルコールとステアリルアルコールの混合
物:花王(株)製)を用いた以外は実施例2と同様にし
て分散液(b)を調製した。
【0058】この溶液(a)と分散液(b)とを混合
し、その混合液を遠心ポンプにより1,750rpmで
1時間通過させた。得られたエマルションは、平均粒子
径が2.9μm、CV値が21%であった。さらに光学
顕微鏡で観察した結果、粗大エマルションは存在しない
ことが確認された。
【0059】その後は実施例1と同様にして重合体粒子
(c)の分散液を得た。得られた重合体粒子は、平均粒
子径が2.8μm、CV値が21%であった。また重合
転化率は99%であった。
【0060】実施例4:重合体粒子(C)の製造例2 メタクリル酸メチル97.5重量部、ジメタクリル酸
1,3−ブチレングリコール2.5重量部、メタクリル
酸ジノニルフェニル5重量部、及びラウロイルパーオキ
サイド0.2重量部を均一に溶解し、溶液(A)を調製
した。これとは別に水250重量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.3重量部、ポリビニルアルコ
ールGH−23(日本合成化学工業(株)製)1重量部
及び亜硝酸ナトリウム0.015重量部からなる溶液
(B)を調製した。
【0061】この溶液(A)と溶液(B)とを混合し、
その混合液に、T.K.AutoHomomixerに
より6,000rpmの回転数で20分間機械的剪断を
与え、O/W型エマルションを調製した。得られたエマ
ルションは、平均粒子径が2.8μm、CV値が22%
であった。さらに光学顕微鏡で観察した結果、粗大エマ
ルションは存在しないことが確認された。
【0062】その後は、実施例1と同様にして重合体粒
子(C)を製造した。得られた重合体粒子は、平均粒子
径が2.7μm、CV値が23%であった。また重合転
化率は98%であった。
【0063】実施例5:重合体粒子(C)の製造例3 スチレン97.5重量部、ジビニルベンゼン2.5重量
部、ヘキサデカン1重量部、及びラウロイルパーオキサ
イド1重量部を均一に溶解し、溶液(A)を調製した。
これとは別に水250重量部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム1.0重量部、及び亜硝酸ナトリウム
0.015重量部からなる溶液(B)を調製した。
【0064】この溶液(A)と溶液(B)とを混合し、
その混合液を遠心ポンプにより1,750rpmで2時
間通過させた。得られたO/W型エマルションは、平均
粒子径が6.0μm、CV値が23%であった。さらに
光学顕微鏡で観察した結果、粗大エマルションは存在し
ないことが確認された。
【0065】以上により調製したO/W型エマルション
を含む分散液の全量をガラス製反応器に加え、窒素気流
中で撹拌しながら65℃まで昇温した。次いで、系の温
度を65℃に保って7時間撹拌し、重合体粒子(C)の
分散液を得た。得られた重合体粒子は、平均粒子径が
5.9μm、CV値が23%であった。また重合転化率
は98%であった。
【0066】実施例6:重合体粒子(c)の製造例3 アクリル酸ブチル77重量部、スチレン20重量部、メ
タクリル酸アリル3重量部、及び2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.05重量部を均一に溶解し溶液
(a)を調製した。これとは別にメタクリル酸ステアリ
ル1重量部、水250重量部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.5重量部、及び亜硝酸ナトリウム
0.03重量部からなる分散液(b)を調製した。
【0067】この溶液(a)と分散液(b)とを混合
し、その混合液をT.K.AutoHomomixer
により4,000rpmの回転数で30分間機械的剪断
を与え、O/W型エマルションを調製した。得られたエ
マルションは、平均粒子径が13.1μm、CV値が2
3%であった。さらに光学顕微鏡で観察した結果、粗大
エマルションは存在しないことが確認された。
【0068】以上により調製したO/W型エマルション
を含む分散液の全量をガラス製反応器に加え、窒素気流
中で撹拌しながら65℃まで昇温した。次いで、系の温
度を65℃に保って6時間撹拌し、重合体粒子(c)の
分散液を得た。得られた重合体粒子は、平均粒子径が1
2.8μm、CV値が24%であった。また重合転化率
は99%であった。
【0069】実施例7:重合体粒子(C)の製造例4 アクリル酸ブチル60重量部、アクリロニトリル37重
量部、メタクリル酸アリル3重量部、1−クロロドデカ
ン1重量部、及び2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)0.06重量部を均一に溶解し、溶
液(A)を調製した。これとは別に水250重量部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4重量部、及
び亜硝酸ナトリウム0.015重量部からなる溶液
(B)を調製した。
【0070】この溶液(A)と溶液(B)とを混合し、
その混合液にT.K.Auto Homomixerに
より5,500rpmの回転数で20分間機械的剪断を
与え、O/W型エマルションを調製した。得られたエマ
ルションは、平均粒子径が4.9μm、CV値が20%
であった。さらに光学顕微鏡で観察した結果、粗大エマ
ルションは存在しないことが確認された。
【0071】以上により調製したO/W型エマルション
を含む分散液の全量をガラス製反応器に加え、窒素気流
中で撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、系の温
度を60℃に保って5時間撹拌し、重合体粒子(C)の
分散液を得た。得られた重合体粒子は、平均粒子径が
4.8μm、CV値が21%であった。また重合転化率
は99%であった。
【0072】比較例1:重合体粒子(C)の比較製造例 メタクリル酸ステアリルを使用しない以外は実施例1と
全く同様にして、O/W型エマルションを調製した。得
られたエマルションを光学顕微鏡で観察した結果、約1
μm〜数十μm程度の非常にブロードな粒子径分布を有
していた。
【0073】以上により調製したO/W型エマルション
を含む分散液の全量をガラス製反応器に加え、実施例1
と全く同様にして重合体粒子の製造を試みた。
【0074】その結果、重合安定性が悪く、スケールが
多量に発生し、ミクロンサイズの重合体粒子を安定に得
ることはできなかった。
【0075】比較例2:重合体粒子(c)の比較製造例 溶液(a)の調製にベンゾイルパーオキサイドを使用せ
ず、分散液(b)の調製に過硫酸カリウム0.4重量部
を加えた以外は実施例2と全く同様にしてO/W型エマ
ルションを調製した。得られたエマルションは、平均粒
子径が6.5μm、CV値が22%であった。さらに光
学顕微鏡で観察した結果、粗大エマルションは存在しな
いことが確認された。
【0076】上記O/W型エマルションを含む分散液の
全量をガラス製反応器に加え、その後は実施例2と全く
同様にして重合体粒子(c)の製造を試みた。
【0077】その結果、サブミクロンサイズの新粒子が
多量に発生し、また重合安定性が悪く重合スケールが多
量に発生した。すなわちミクロンサイズの重合体粒子を
安定に得ることができなかった。
【0078】実施例8:グラフト重合体粒子の製造例1 実施例1で得られた重合体粒子(C)の分散液を窒素気
流中で65℃に保ち、水60重量部、硫酸第一鉄7水塩
0.0014重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム0.0057重量部、及びホルムアルデヒドスルホキ
シル酸ナトリウム0.14重量部を添加した。その後、
メタクリル酸メチル40重量部及びt−ブチルハイドロ
パーオキサイド69%水溶液0.14重量部からなる混
合溶液を2時間にわたって連続追加した。この間にドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25重量部を連
続的に添加した。上記混合溶液の追加終了後、重合を完
結させるために、さらにt−ブチルハイドロパーオキサ
イド69%水溶液0.02重量部を添加し、その後1時
間保持した。
【0079】得られたグラフト重合体粒子は、平均粒子
径が4.5μm、CV値が19%であった。また重合転
化率は99%であった。
【0080】実施例9:グラフト重合体粒子の製造例2 メタクリル酸メチル40重量部を、水60重量部、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25重量部から
なる溶液と混合し、その混合液にT.K.Auto H
omomixerにより10,000rpmの回転数で
20分間機械的剪断を与え、重合性単量体(d)のエマ
ルションを調製した。
【0081】この重合性単量体(d)のエマルション
を、65℃に保持された実施例3で得られた重合体粒子
(c)の分散液に、2時間にわたって連続添加した。そ
の後、系の温度を65℃に保って4時間撹拌し、グラフ
ト重合体粒子の分散液を得た。
【0082】得られた重合体粒子は、平均粒子径が3.
1μm、CV値が22%であった。また重合転化率は9
8%であった。
【0083】実施例10:グラフト重合体粒子の製造例
実施例3で得られた重合体粒子(c)の分散液を窒素気
流中で65℃に保ち、水60重量部、硫酸第一鉄7水塩
0.0028重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム0.011重量部、及びホルムアルデヒドスルホキシ
ル酸ナトリウム0.28重量部を添加した。その後、ス
チレン32重量部、アクリロニトリル10重量部及びク
メンハイドロパーオキサイド0.08重量部からなる混
合液を3時間にわたって連続追加した。この間にドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25重量部を連続
的に添加した。上記混合溶液の追加終了後、重合を完結
させるために、65℃で2時間保持した。
【0084】得られたグラフト重合体粒子は、平均粒子
径が3.2μm、CV値が21%であった。また重合転
化率は99%であった。
【0085】
【発明の効果】請求項1〜10に記載の製造方法によれ
ば、比較的均一な粒子径分布を有するミクロンサイズの
重合体粒子を簡単な操作で効率よく製造することができ
る。製造された重合体粒子は、例えば樹脂改質剤または
塗料の分野での光拡散剤あるいは艶消し剤、化粧品の分
野での滑り性付与剤、電子複写機の分野でのトナー用材
料等に好適に用いられる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性単量体(A−1)100重量部、2
    0℃の水に対する溶解度が0.05重量%以下で分子量
    が20,000以下の水難溶性物質(A−2)0.01
    〜20重量部、及び20℃の水に対する溶解度が0.0
    5重量%以下の重合開始剤(A−3)0.001〜5重
    量部からなる溶液(A)と、乳化剤及び/又は水溶性高
    分子化合物(B−1)0.01〜5重量部、及び水10
    0〜500重量部からなる溶液(B)とを混合し、 前記溶液(A)と溶液(B)との混合物に機械的剪断を
    加えることによってO/W型エマルションを調製し、 次いで重合を行うことを特徴とする平均粒子径約2〜1
    5μmの重合体粒子(C)の製造方法。
  2. 【請求項2】重合性単量体(a−1)100重量部、及
    び20℃の水に対する溶解度が0.05重量%以下の重
    合開始剤(a−2)0.001〜5重量部からなる溶液
    (a)と、20℃の水に対する溶解度が0.05重量%
    以下で分子量が20,000以下の水難溶性物質(b−
    1)0.01〜20重量部、乳化剤及び/又は水溶性高
    分子化合物(b−2)0.01〜5重量部、及び水10
    0〜500重量部からなる分散液(b)とを混合し、 前記溶液(a)と分散液(b)との混合物に機械的剪断
    を加えることによってO/W型エマルションを調製し、 次いで重合を行うことを特徴とする平均粒子径約2〜1
    5μmの重合体粒子(c)の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の製造方法により製造した
    平均粒子径約2〜15μmの重合体粒子(C)の存在下
    に、重合性単量体(D)10〜300重量部をグラフト
    重合することを特徴とする、平均粒子径約2〜20μm
    のグラフト重合体粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の製造方法により製造した
    平均粒子径約2〜15μmの重合体粒子(c)の存在下
    に、重合性単量体(d)10〜300重量部をグラフト
    重合することを特徴とする、平均粒子径約2〜20μm
    のグラフト重合体粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記水難溶性物質(A−2)が、分子内に
    少なくとも1つの重合性不飽和基を有する化合物である
    ことを特徴とする、請求項1又は3に記載の重合体粒子
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記水難溶性物質(b−1)が、分子内に
    少なくとも1つの重合性不飽和基を有する化合物である
    ことを特徴とする、請求項2又は4に記載の重合体粒子
    の製造方法。
  7. 【請求項7】前記重合性単量体(A−1)が(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステル系単量体、芳香族ビニル系単
    量体、シアン化ビニル系単量体、酢酸ビニル及び塩化ビ
    ニルから選ばれた1種または2種以上の単量体、及び分
    子内に2個以上の重合性不飽和基を有する多官能性単量
    体からなることを特徴とする、請求項1、3、5のいず
    れか1項に記載の重合体粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】前記重合性単量体(a−1)が(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステル系単量体、芳香族ビニル系単
    量体、シアン化ビニル系単量体、酢酸ビニル及び塩化ビ
    ニルから選ばれた1種または2種以上の単量体、及び分
    子内に2個以上の重合性不飽和基を有する多官能性単量
    体からなることを特徴とする、請求項2、4、6のいず
    れか1項に記載の重合体粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】前記重合性単量体(A−1)が、その単独
    重合体のガラス転移温度が0℃以下である(メタ)アク
    リル酸アルキルエステル系単量体、及び分子内に2個以
    上の重合性不飽和基を有する多官能性単量体からなり、
    かつ前記重合性単量体(D)が、(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シア
    ン化ビニル系単量体、酢酸ビニル及び塩化ビニルから選
    ばれた1種または2種以上の単量体であることを特徴と
    する、請求項3又は5に記載の重合体粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記重合性単量体(a−1)が、その単
    独重合体のガラス転移温度が0℃以下である(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステル系単量体、及び分子内に2個
    以上の重合性不飽和基を有する多官能性単量体からな
    り、かつ前記重合性単量体(d)が、(メタ)アクリル
    酸アルキルエステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、
    シアン化ビニル系単量体、酢酸ビニル及び塩化ビニルか
    ら選ばれた1種または2種以上の単量体であることを特
    徴とする、請求項4又は6に記載の重合体粒子の製造方
    法。
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