JP2006321940A - 微粒子表面にホットメルト樹脂コーティング被膜を形成する方法、接着性微粒子、液晶セルスペーサー及び液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粒子表面にホットメルト樹脂コーティング被膜を形成する方法を提供する。かかる方法は、(a)被コーティング用微粒子を溶液中に分散させる工程、(b)スチレン及びメタクリル酸メチルの少なくとも一方のモノマーの単分散シード液滴を形成する工程、(c)前記微粒子の表面に、前記シード液滴を付着させる工程、及び(d)付着した前記モノマーを重合する工程、を含む。また、かかる方法から得られる接着性微粒子及び液晶セルスペーサー、並びにかかる液晶セルスペーサーを用いる液晶表示素子を提供する。
【選択図】なし
Description
(1)ホットメルト接着剤層を形成する第一の方法としては、ホットメルト接着剤であるポリマーを溶剤に溶解した後、微粒子と溶剤とを混合し、乾燥・ボールミル等で解砕する方法。
(2)他の方法としては、ホットメルト接着剤であるポリマーを水不溶の溶剤に溶解した後、界面活性剤を用いて水中に乳化させ、そこに微粒子を懸濁分散し微粒子にホットメルト樹脂を付着させ、その後、液の温度を下げて樹脂を溶剤に対して過飽和の状態にするか、又は/同時に沈殿剤を加えて、析出させる方法。
(3)また、他の方法としては、ホットメルト樹脂の微粒子と被コーティング微粒子とに機械的に衝撃を与えて物理的にコーティングする、いわゆるハイブリダイゼーションという方法。
以上のような方法が考えられる。
(2)の方法でも、水中に乳化した液滴の直径は均一でなくなり、直径の分布が広いため、各微粒子への液滴の衝突の確率は均一でも、付着する液滴の大きさが異なるため、(1)と同じようにコーティングの厚みが定まらないという問題があった。
(3)の方法では、コーティングの厚みはある程度一定であるが、機械的に弱い力でホットメルト樹脂微粒子が接着しているだけなので、ホットメルト樹脂微粒子が剥離して液晶を汚染したり、乾式散布の場合はキャリアパイプを汚染したりして、乾式散布性が時間と共に変化するという問題があった。
つまり、各微粒子でのホットメルト接着剤の基材への接触面積が異なることにより、各微粒子の接着力の違いが現れ、弱い接着力のスペーサーが振動により液晶セル中を移動する場合、液晶の乱れによるいわゆる光抜けの発生が今までより強く現れたり、ひどい時にはポリイミド膜を傷付けたりし、また液晶及び散布機機材への汚染という現象が発生して、液晶の表示性能を著しく低下させるという問題が起き、解決できないままであった。
すなわち、本発明は、微粒子表面にホットメルト樹脂コーティング被膜を形成する方法であって、(a)被コーティング用微粒子を溶液中に分散させる工程、(b)スチレン及びメタクリル酸メチルの少なくとも一方のモノマーの単分散シード液滴を形成する工程、(c)前記微粒子の表面に、前記シード液滴を付着させる工程、及び(d)付着した前記モノマーを重合する工程、を含むことを特徴とする方法に係るものである。また、本発明は、かかる方法から得られる接着性微粒子及び液晶セルスペーサー、並びにかかる液晶セルスペーサーを用いる液晶表示素子に係るものである。
被コーティング用微粒子は、それ自体を、所定のモノマーの単分散シード液滴の分散液に直接添加しても良く、被コーティング用微粒子の分散液として、所定のモノマーの単分散シード液滴の分散液とは別々に調製し、これらの分散液を互いに混合しても良い。
(1)(被コーティング用微粒子)
コーティング被膜を施す微粒子は、特に制限されることなく、種々の材料、形状等からなることができる。一般に、スペーサーとしては、粒子径分布の狭い球状架橋樹脂微粒子が使用され、かかる微粒子を用いることもできる。
この場合、シード重合では、元々粒子径分布が狭いのでそのまま使用されるが、懸濁重合では粒子径分布が広いので分級の工程を必要とする場合がある。
このようにして得られる微粒子の分散液中で、微粒子の表面に、シード液滴を付着させることができる。
シード液滴の材料、つまり、ホットメルト樹脂原料の液滴の材料としては、モノマーを用いる。かかるモノマーとしては、スチレン及び/又はメタクリル酸メチルが好適である。それ以外のモノマーの場合には、シード液滴の大きさが不均一になり易く、液滴直径の分布が広く、単分散になり難い。
ホットメルト樹脂原料の液滴の粒子径分布が狭いがゆえに、被コーティング用微粒子に均一にサイズの揃った液滴がほぼ同じ確率で衝突し、各粒子に同じ膜厚のコーティング被膜が得られる。
好ましくは、シード液滴の粒径は、コーティング被膜を施す微粒子の1/5以下の直径である。シード液滴の粒径が大きすぎると歪なコーティング被膜が形成される傾向がある。例えば、5〜12μmの直径の被コーティング用微粒子では、1〜2.4μm以下である。液滴の粒径の下限は、被コーティング用微粒子の粒径にもよるが、0.01μm以上が適切である。好ましいシード液滴の粒子径は、0.05〜3.0μmである。
以下のような手段を利用することが出来る。
すなわち、シード液滴は、界面活性剤を利用する乳化重合方式、界面活性能を有する水溶性重合開始剤を利用したソープフリー重合方式、界面活性能を有する水溶性高分子を利用した分散重合方式等、種々の方法を用いて形成することが出来る。なお、かかる方法においては、公知のように、溶媒として、エタノール等の有機溶媒や、シード液滴の安定剤として、セチルアルコール等を用いることができる。また、前述のように被コーティング用微粒子を添加した状態でシード液滴を作製することもできる。
利用可能な界面活性剤としては、カチオン性の第四級アンモニウム、アルキルアミンオキサイド等、アニオン性のサルフェート、エーテルサルフェート、スルフォネート、リン酸エステル、スルホサクシネート等、ノニオン性のアルキルフェノールEO(エチレンオキサイド)、高級アルコールEO、脂肪酸エステル、アマイド、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンエステル、EO‐PO(エチレンオキサイド‐プロピレンオキサイド)ブロックポリマー等を使用することが出来る。
これらの界面活性剤の濃度は、0.5重量部〜5.0重量部(被コーティング用微粒子を含めた溶液、モノマー及び重合開始剤の総重量を100重量部とする)が適当であるが、添加するモノマーの量により適宜決定することが出来る。
この方法により、0.05μm〜0.10μmの範囲で直径が非常に揃った単分散液滴を容易に形成することが出来る。
利用可能な水溶性重合開始剤としては、水溶性アゾ重合開始剤、3級アミン等を使用することが出来る。
これらの重合開始剤の濃度は0.5重量部〜5.0重量部(モノマーを100重量部とする)が適当であるが、添加するモノマーの量により適宜決定することが出来る。
この方法により、0.10μm〜1.00μmの範囲で直径が非常に揃った単分散液滴を容易に形成することが出来る。
これらの水溶性高分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が適当であり、水溶性高分子の濃度は、添加するモノマーの量により適宜決定することが出来るが、0.5重量部〜10.0重量部(被コーティング用微粒子を含めた溶液、モノマー及び重合開始剤を含めた総重量を100重量部とする)が適当である。
この方法により、0.10μm〜4.0μmの範囲で直径が非常に揃った単分散液滴を容易に形成することが出来る。
添加できる重合開始剤としては、ラジカル発生能を有する有機過酸化物のパーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル化合物等を利用することが出来、ラジカル発生能を有するアゾ化合物としてはジアゾアミノベンゼン、ビスアジドホーメート、ビスアゾエステル、ビスジオキソトリアゾリン誘導体、ジフルオロジアジン、アゾビスイソブチルニトリル等を利用することが出来る。
微粒子表面にシード液滴を付着させるには、特に制限されることなく、種々の方法を用いることができる。懸濁液中で、微粒子とシード液滴とを衝突させることにより、付着させることができる。微粒子とシード液滴との衝突には、超音波処理、撹拌等の物理的な手段を用いることができる。微粒子の懸濁液中に、シード液滴の原料モノマーを添加することでもよく、この場合、微粒子の懸濁液中に、前述のシード液滴を形成するための種々の薬剤を予め添加しておき、添加した原料モノマーからシード液滴が形成され、これが撹拌等によって微粒子に付着するようにさせることができる。
すなわち、液滴が大きく、液滴が多く、数が一定の場合で、被コーティング用微粒子の粒子直径が大きく、粒子径が同じ場合は、被コーティング用微粒子の数が少なく、そして衝突させる時間が長いほど、コーティングされる膜厚は厚くなる。
付着したシード液滴のモノマーを重合させることによって、ホットメルト樹脂コーティング被膜が形成される。スチレンの場合、ポリスチレンが、メタクリル酸メチルの場合、ポリメタクリル酸メチル(PMMA、ポリメチルメタクリレートともいう)が、スチレン及びメタクリル酸メチルの場合、スチレン‐ポリメチルメタクリレート共重合体が形成される。
加える温度と時間は、重合開始剤の種類によって変化するが、一般に50℃以上、1時間以上が必要である。
かかる方法としては、遠心分離を利用する方法、ろ過を利用する方法、比重差や粒子径の違いを利用する方法等を用いることが出来るが、これらに限られるものではない。
この場合、ホットメルト樹脂の軟化点以上の温度で乾燥させないように注意する必要がある。軟化点以上の温度で乾燥させた場合は、ホットメルト樹脂コーティング被膜同士が接着して、スペーサー等として散布する場合、いわゆる凝集という問題が発生して、好ましくない。軟化点の20℃以上低い温度で乾燥させるのが良い。
コーティング被膜の膜厚は必要な条件により決められるが、一般に、同程度の接着力を得るには、粒子径が大きいスペーサーほど膜厚を厚くする必要がある。その理由としては、スペーサーは球状であり、粒子径の違いにより基板との接触面積は殆んど変らないが、その質量は半径の3乗に比例して大きくなるためである。
得られるホットメルト樹脂コーティング被膜、すなわち、微粒子表面上の接着性被膜は、微粒子を所望の基材と接着させるのに用いることができる。一対の基材間の距離を所定の間隔に保つスペーサーとして微粒子を用いる場合、接着性被膜は双方の基材に接着し、基材同士を接着させることができる。接着性被膜は、加熱による軟化等の手段により十分な接着力の接着性を発揮させることができる。
また、熱により軟化したホットメルト樹脂が移動して基材と十分な接触面積を確保するためには、加熱時間もある程度必要な場合がある。条件が可能な場合、10分以上の加熱時間が好ましい。
スペーサーは液晶にとっては異物であるため、スペーサーの周りでは、液晶の配向が乱れて、スペーサーの周りのみ光が洩れてしまう、いわゆる光抜けの現象が発生することがある。この現象を解消するために、スペーサーに表面処理をしてスペーサー周りの液晶の配向を規制する方法が取られている。
表面処理されたスペーサーにホットメルト樹脂コーティングを施すと、表面処理の部分はコーティングされてしまうので、熱を加える前は液晶を規制する能力は無い。
しかし、熱を加えてホットメルト樹脂が軟化し、スペーサー表面を移動し、基材に集まると、スペーサー表面の表面処理が現れることになる。
この時点で液晶規制力が発現し、スペーサー周りの光抜けを防止することができる。
スペーサーが透明な場合は、スペーサーの部分には液晶が無いため、光を通してしまうが、スペーサーを着色することにより、この部分の光抜けを防止することが出来る。
したがって、ブラックモードの表示の場合やカラー表示の場合のコントラストを向上させることが出来る。この場合ももちろん、着色した粒子の表面を表面処理した後、ホットメルト樹脂コーティング被膜を形成することは、コントラストの改善に更に有効であり、十分利用することが出来る。
液晶パネルが使用されている時に、振動により光りぬけが著しく発生するため、表示性能を大きく低下させる危険を持っている。特に、車載用途では、常時振動が加わるため、いつ発生するか判らず非常に危険である。さらに、移動がひどい場合には、ポリイミドを傷つける状態までなってしまい、液晶表示としては致命的な欠陥になる。
本発明では、このような振動から発生するスペーサー移動による表示性能の低下を解決することが出来るので、液晶セル形成後も安心して使用することが出来、非常に有用である。以上の本発明により、振動の発生があってもスペーサーの移動が無い表示の良好な液晶パネルを製造することが可能となる。
(測定方法)
ホットメルト粒子径の測定方法・・・シード重合したホットメルト樹脂被覆粒子を乾燥させ、電子顕微鏡JSM-6060(日本電子テクニクス社製)で粒子径を測定する。
ホットメルト樹脂被覆層の厚さの測定方法・・・被コーティング用微粒子を予めコールターカウンターマルチタイザ‐IIで30000個測定し、個数平均粒子径を計算する。次に、同様の方法で、ホットメルト樹脂被覆粒子の個数平均粒子径を測定する。コーティング層の厚みは以下で計算される。
(ホットメルト樹脂被覆粒子径−被コーティング粒子径)/2
接着力・・・ポリイミドがコーティングされたガラス基板に、乾式散布機ディスパーμ〔日清エンジニアリング(株)製〕を用い、散布密度200個/mm2で散布する。次に、150℃のオーブンに30分間入れてホットメルト樹脂被覆層を溶融させる。冷却後、エアーガンを使用し、ガラス基板から1cmの距離より0.4MPaの圧力で垂直に圧縮空気を1分間吹き付け、その部分のスペーサーの残存率を、透過顕微鏡を用いて測定する。
残存率=圧縮空気吹き付け後のスペーサー数/散布直後のスペーサー数×100%
○:移動や飛散なし、△:一部に移動や飛散あり、×:全て移動及び飛散を指標とする。
表面形状・・・電子顕微鏡JSM-6060(日本電子テクニクス社製)を使用し、粒子の凸凹の様子を確認する。○:滑らか、×:凸凹ありを指標とする。
粒子自身の光りぬけ・・・液晶セルを組み立て、ブラックモードで電圧をかけない状態でバックライトを当てて、目視及び透過顕微鏡によりスペーサー部分の光抜けを観察する。○:なし、×:有りを指標とする。
粒子周りの光りぬけ・・・液晶セルを組み立てブラックモードで電圧を2.0Vかけた状態でバックライトを当てて、目視及び透過顕微鏡によりスペーサー周りの光抜けを観察する。○:なし、×:有りを指標とする。
液晶の表示性能・・・実施例及び比較例のスペーサーを使用して液晶セルを組み立てる。ブラックモードで電圧をかけない場合とかけた場合のコントラストをそれぞれについて比較する。また、目視及び透過顕微鏡によりスペーサー自身及び周りの光抜けを観察する。次に、これに超音波及び手によって振動を与える。振動を加えた前後に於ける液晶パネルのコントラストや欠陥等の表示性能を、電圧をかけない場合とかけた場合でそれぞれ比較する。同様に、目視及び透過顕微鏡によりスペーサー自身及び周りの光抜けの変化を観察する。
以上を総合的に判断する。◎:非常に良好、○:良好、△:使用可能、×:不良又は性能低下を指標とする。
実験内容を表1に、結果を表2にまとめる。
300mLセパラブルフラスコ中へ、スペーサー〔早川ゴム(株)製、ハヤビーズL-11、粒径5.01μm〕20重量部、脱イオン水38重量部、過硫酸カリウム0.07重量部を投入し、超音波処理を行ない、分散液を作製する。
反応装置内に窒素を流通させ、この分散液を60rpmの回転数で攪拌し、エタノール78重量部、スチレン25重量部を混合させた溶液を投入した後、70℃24時間の条件でコーティング処理する。
この処理により、ポリスチレンの微粒子が表面に均一な層で付着したコーティング微粒子が観察される。
ホットメルト接着性液晶セルスペーサー粒子の平均粒子径は5.42μmであり、0.2μmのホットメルトコーティング層が形成される。接着試験において移動・飛散する粒子はない。また、電子顕微鏡での観察では、スペーサー表面は滑らかである。セル形成後、振動による粒子の移動は発生しない。したがって、振動の前後で光りぬけのレベルは変化しない。但し、スペーサー自身及びスペーサー周りの光ぬけは存在し、コントラストはその分低下する。以上を総合的に判断すると、表示性能は一般に使用できるレベルである。
実験内容を表1に、結果を表2にまとめる。
300mLセパラブルフラスコへ、スペーサー〔早川ゴム(株)製、ハヤビーズL-11、粒径12.03μm〕20重量部、エタノール78重量部、ポリビニルピロリドンK-30〔和光純薬(株)製〕1.8重量部、セチルアルコール0.5重量部を投入し、超音波処理を行ない、分散液を作製する。
反応装置内に窒素を流通させ、この分散液を60rpmの回転数で攪拌した後、アゾビスイソブチルニトリル〔和光純薬(株)製〕0.2重量部‐スチレン20重量部の混合溶液を投入し、70℃24時間の条件でコーティング処理を行なう。
この処理により、ポリスチレンの微粒子が表面に均一な層で付着したコーティング微粒子が観察される。
ホットメルト接着性液晶セルスペーサー粒子の平均粒子径は、13.24μmであり、0.6μmのホットメルトコーティング層である。接着試験において、移動・飛散する粒子はない。また、電子顕微鏡での観察では、スペーサー表面は滑らかである。セル形成後、振動による粒子の移動は発生しない。したがって、振動の前後で光りぬけのレベルは変化しない。但し、スペーサー自身及びスペーサー周りの光ぬけは存在し、そのためコントラストはその分低下する。以上を総合的に判断すると、振動する環境でも表示性能は一般に使用できるレベルである。
実験内容を表1に、結果を表2にまとめる。
300mLセパラブルフラスコ中へ、スペーサー表面処理品〔早川ゴム(株)製、ハヤビーズL-11-DE、粒径5.98μm〕20重量部、エタノール78重量部、ポリビニルピロリドンK-30〔和光純薬(株)製〕1.8重量部、セチルアルコール0.5重量部を投入し、超音波処理を行ない、分散液を作製する。
反応装置内に窒素を流通させ、この分散液を60rpmの回転数で攪拌した後、アゾビスイソブチルニトリル〔和光純薬(株)製〕0.2重量部、スチレン20重量部の混合溶液を投入し、70℃24時間の条件でコーティング処理を行なう。
この処理により、ポリスチレンの微粒子が表面に均一な層で付着したコーティング微粒子が観察される。
スペーサー粒子の平均粒子径は、6.99μmであり、0.5μmのホットメルトコーティング層がある。接着試験で移動・飛散した粒子はない。また、電子顕微鏡での観察では、スペーサー表面は滑らかである。セル形成後、振動による粒子の移動は発生しない。したがって、振動の前後で光りぬけのレベルは変化しない。スペーサー周りの光りぬけはないが、スペーサー自身の光りぬけは存在し、コントラストがやや低下する。以上を総合的に判断すると、振動する環境でも表示性能は良好に使用できるレベルである。
実験内容を表1に、結果を表2にまとめる。
300mLセパラブルフラスコへ、ブラックスペーサー〔早川ゴム(株)製、ハヤビーズL-34、粒径5.98μm〕20重量部、エタノール78重量部、ポリビニルピロリドンK-30〔和光純薬(株)製〕1.8重量部、セチルアルコール0.5重量部を投入し、超音波処理を行ない、分散液を作製する。
反応装置内に窒素を流通させ、この分散液を60rpmの回転数で攪拌した後、アゾビスイソブチロニトリル〔和光純薬(株)製〕0.2重量部、スチレン20重量部の混合溶液を投入し、70℃24時間の条件でコーティング処理を行なう。
ホットメルト接着性液晶セルスペーサー粒子の平均粒子径は6.98μmであり、0.5μmのホットメルトコーティング層である。接着試験で移動・飛散した粒子はない。また、電子顕微鏡での観察では、スペーサー表面は滑らかである。セル形成後、振動による粒子の移動は発生しない。したがって、振動の前後で光りぬけのレベルは変化しない。スペーサー自身の光りぬけはなかったが、スペーサー周りの光りぬけは存在し、コントラストがやや低下する。以上を総合的に判断すると、振動する環境でも表示性能は良好に使用できるレベルである。
実験内容を表1に、結果を表2にまとめる。
300mLセパラブルフラスコへ、ブラックスペーサー表面処理品〔早川ゴム(株)製、ハヤビーズL-34-DE、粒径5.99μm〕20重量部、エタノール78重量部、ポリビニルピロリドンK-30〔和光純薬(株)製〕1.8重量部、セチルアルコール0.5重量部を投入し、超音波処理を行ない、分散液を作製する。
反応装置内に窒素を流通させ、この分散液を60rpmの回転数で攪拌した後、アゾビスイソブチルニトリル〔和光純薬(株)製〕0.2重量部、スチレン20重量部の混合溶液を投入し、70℃24時間の条件でコーティング処理を行なう。
平均粒子径5.0μm、偏差係数2.8%の被コーティング粒子そのものを使用して液晶セルを製造する。
接着試験では全ての粒子が飛散する。スペーサー自身及びスペーサー周りの光ぬけは両方とも存在し、コントラストはその分低下する。また、セル形成後、振動により粒子の移動が発生し、光抜けがひどくなり、表示性能が大幅に低下する。以上を総合的に判断すると、振動する環境では使用できないレベルである。
Claims (6)
- 微粒子表面にホットメルト樹脂コーティング被膜を形成する方法であって、
(a)被コーティング用微粒子を溶液中に分散させる工程、
(b)スチレン及びメタクリル酸メチルの少なくとも一方のモノマーの単分散シード液滴を形成する工程、
(c)前記微粒子の表面に、前記シード液滴を付着させる工程、及び
(d)付着した前記モノマーを重合する工程
を含むことを特徴とする方法。 - 微粒子とその表面上のホットメルト樹脂コーティング被膜とからなる接着性粒子であって、ホットメルト樹脂コーティング被膜が請求項1記載の方法によって形成されていることを特徴とする接着性粒子。
- 微粒子とその表面上のホットメルト樹脂コーティング被膜とからなる液晶セルスペーサーであって、請求項2記載の接着性粒子からなることを特徴とする液晶セルスペーサー。
- 微粒子が着色粒子であることを特徴とする請求項3記載の液晶セルスペーサー。
- 微粒子が予め表面処理されていることを特徴とする請求項3又は4記載の液晶セルスペーサー。
- 液晶セルスペーサーを具える液晶表示素子であって、請求項3〜5のいずれか一項記載の液晶セルスペーサーの加熱によるホットメルト樹脂の溶融及び固化によって基板間接着性が発現していることを特徴とする液晶表示素子。
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