JPH08101394A - 液晶表示素子用スペーサー、その製造方法及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用スペーサー、その製造方法及びそれを用いた液晶表示素子

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JPH08101394A
JPH08101394A JP25056494A JP25056494A JPH08101394A JP H08101394 A JPH08101394 A JP H08101394A JP 25056494 A JP25056494 A JP 25056494A JP 25056494 A JP25056494 A JP 25056494A JP H08101394 A JPH08101394 A JP H08101394A
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JP25056494A
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Kazuhiko Kamiyoshi
和彦 神吉
Kazuo Ukai
和男 鵜飼
Toichi Yamada
都一 山田
Susumu Tanaka
進 田中
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 相互にブロッキングすることがなく、良好な
単粒子分散性が得られ、また液晶の配向を乱すことのな
い液晶表示素子用スペーサーを提供すること。樹脂が液
晶中に溶け出したり膨潤することがないスペーサーを提
供すること。 【構成】 樹脂微球体の表面にホットメルト型接着剤層
が形成されている液晶表示素子用スペーサー。そのホッ
トメルト型接着剤層は、重量平均分子量(Mw)が10
0,000〜500,000の範囲にあり、重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/M
n)が2.0〜2.5の範囲にあり、且つガラス転移温
度が60℃〜90℃の範囲にある、(メタ)アクリル酸
エステル重合体もしくは共重合体からなる。樹脂微球体
としては、3個以上のエチレン性不飽和基を有する化合
物100〜60重量%と2個のエチレン性不飽和基を有
する化合物0〜40重量%とからなる単量体100重量
部と、(メタ)アクリロニトリル5〜50重量部とを重
合させた重合体微粒子の内部に、顔料が均一に分散され
ている着色重合体微粒子を用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置の液晶セル
内に配置される液晶表示素子用スペーサーおよびその製
造方法と、それを用いた液晶表示素子に関し、詳しくは
表面にホットメルト型接着剤層が形成されていて液晶表
示素子の基板に良好に固着させることができる液晶表示
素子用スペーサーおよびその製造方法と、それを用いた
液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より液晶セル内に配置される液晶表
示素子用スペーサーの基板に対する接着性を良くするた
めに、例えば以下に示すように、樹脂微球体の表面にホ
ットメルト型接着剤層が形成された液晶表示素子用スペ
ーサーが使用されている。
【0003】(1)粒子の表面に、オレフィン系樹脂か
らなる接着剤層が形成されたスペーサー(特開平1−2
47155号公報)。
【0004】(2)微球体の表面に、機械的な方法(メ
カノフュージョン法)でアクリル系樹脂微球体を固着す
ることにより、接着剤層を形成したスペーサー(特開昭
63−94224号公報)。
【0005】(3)微球体表面に、エポキシ樹脂からな
る接着剤層を形成したスペーサー。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)のスペーサ
ーにおいては、オレフィン系樹脂は常温でも粘着性を持
つためにこのスペーサーを長時間放置するとブロッキン
グを起こす傾向があり、従って、長期保存に耐えられな
かった。また、オレフィン系樹脂は液晶の正常な配向を
乱し易いという欠点を持っていた。
【0007】上記(2)のスペーサーにおいては、接着
剤層を形成するアクリル系樹脂が液晶に溶解し易いため
に液晶を注入したセル中でスペーサーを基板に固定する
ことが困難であった。さらに、アクリル系樹脂が液晶中
に溶け出し液晶を汚染することによって液晶表示体の性
能を低下させるという問題もあった。
【0008】上記(3)のスペーサーにおいては、エポ
キシ樹脂の硬化剤として使用される、例えばアミン系化
合物が液晶の作動に悪影響を及ぼすという問題があり、
さらにその硬化剤の作用で保存中に硬化反応が進行する
ために、スペーサーを低温で保存しなければならないと
いう問題があった。
【0009】本発明は上記の欠点を解消するためになさ
れたものであって、その目的とするところは、相互にブ
ロッキングするということがなくて、良好な単粒子分散
性が得られ、また液晶の配向を乱すこともない液晶表示
素子用スペーサーを提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、樹脂が液晶中に溶け
出したり、膨潤することがなく、従って、基板に確実に
固定することができ、しかも液晶を汚染することのない
液晶表示素子用スペーサーを提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は液晶の作動に悪
影響を及ぼすことがなく、保管も容易な液晶表示素子用
スペーサーを提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、上記特徴を有
する着色された液晶表示素子用スペーサーとその製造方
法を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、上記液晶表示
素子用スペーサーを用いた液晶表示素子を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子用
スペーサーは、樹脂微球体の表面に、重量平均分子量
(Mw)が100,000〜500,000の範囲にあ
り、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比(Mw/Mn)が2.0〜2.5の範囲にあり、且
つガラス転移温度が60℃〜90℃の範囲にある、(メ
タ)アクリル酸エステル重合体もしくは共重合体からな
るホットメルト型接着剤層が形成されていることを特徴
とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】上記樹脂微球体は、3個以上のエチレン性
不飽和基を有する化合物100〜60重量%と2個のエ
チレン性不飽和基を有する化合物0〜40重量%とから
なる単量体100重量部と、(メタ)アクリロニトリル
5〜50重量部とを重合させた重合体微粒子の内部に、
顔料が均一に分散されている着色重合体微粒子であるの
が好ましい。本発明の液晶表示素子用スペーサーの製造
方法は、樹脂微球体の表面に、重量平均分子量(Mw)
が100,000〜500,000の範囲にあり、重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)が2.0〜2.5の範囲にあり、且つガラス
転移温度が60℃〜90℃の範囲にある、(メタ)アク
リル酸エステル重合体もしくは共重合体からなるホット
メルト型接着剤層を形成させる液晶表示素子用スペーサ
ーの製造方法であって、該樹脂微球体が、3個以上のエ
チレン性不飽和基を有する化合物100〜60重量%と
2個のエチレン性不飽和基を有する化合物0〜40重量
%とからなる単量体100重量部と、(メタ)アクリロ
ニトリル5〜50重量部と、顔料とを混合し、これを水
性媒体中に微粒子状に懸濁させ重合して得られる着色重
合体微粒子であることを特徴とし、そのことにより上記
目的が達成される。
【0016】本発明の液晶表示素子は、上記液晶表示素
子用スペーサー(無着色または着色されたもの)を用い
ることを特徴としそのことにより上記目的が達成され
る。
【0017】本発明に使用される樹脂微球体を形成し得
る樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニル
ベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合
体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、
ジアリルフタレート重合体、トリアリルイソシアヌレー
ト重合体、ベンゾグアナミン重合体等があげられる。特
に好ましい樹脂は、ジビニルベンゼン共重合体、ジビニ
ルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−ア
クリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体
等の網目構造を有する樹脂である。
【0018】該樹脂微球体は、後述する着色重合体微粒
子の製造において、着色されていないこと以外は、着色
重合体微粒子と同様にして製造された重合体微粒子を使
用することもできる。
【0019】樹脂微球体の形状は、限定するものではな
いが、例えば、真球状、楕円球状、円柱状のものを用い
ることができる。該樹脂微球体の平均粒径は1μm以上
100μm以下が好ましく、さらに好ましくは1.5〜
15μm である。
【0020】本発明においては、以下に示す着色された
重合体微粒子(以下、着色重合体微粒子という)を樹脂
微球体として用いることができる。樹脂微球体としてこ
の着色重合体微粒子を用いると、着色された液晶表示素
子用スペーサーを得ることができる。
【0021】即ち、着色重合体微粒子は、3個以上のエ
チレン性不飽和基を有する化合物100〜60重量%と
2個のエチレン性不飽和基を有する化合物0〜40重量
%とからなる単量体100重量部と、(メタ)アクリロニ
トリル5〜50重量部とを重合させた重合体微粒子の内
部に、顔料が均一に分散されているものである。
【0022】上記3個以上のエチレン性不飽和基を有す
る化合物としては、テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリエスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレート、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリ
ルトリメリテート等が挙げられる。
【0023】上記2個のエチレン性不飽和基を有する化
合物としてはジビニルベンゼン、1,4−ジビニロキシ
ブタン、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、ジア
リルアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0024】そして、この発明では、上記の3個以上の
エチレン性不飽和基を有する化合物100〜60重量
%、好ましくは90〜70重量%と、2個のエチレン性
不飽和基を有する化合物0〜40重量%、好ましくは1
0〜30重量%とからなる単量体を用いる。
【0025】3個以上のエチレン性不飽和基を有する化
合物が60重量%を下回ると、重合体の架橋構造が少な
くなり、得られる着色重合体微粒子の機械的強度や耐溶
剤性が低下する。一方、この3個以上のエチレン性不飽
和基を有する化合物が多くなると、その重合性が低下す
る傾向にあり、これを改善するため及び重合体の架橋度
を調製するために、2個のエチレン性不飽和基を有する
化合物を40重量%以下の範囲で使用する場合がある。
【0026】さらに、上記単量体の種類及びその使用量
は極めて重要であって、この割合を外れると、これに後
述の(メタ)アクリロニトリルを適量使用しても、単量
体中に顔料を均一に分散させることが難しくなる。
【0027】(メタ)アクリロニトリルは、上記単量体
の合計100重量部に対して5〜50重量部、好ましく
は10〜40重量部使用する。この(メタ)アクリロニ
トリルの使用量が5重量部未満では、単量体中の顔料の
分散性が低下し、逆に(メタ)アクリロニトリルの使用
量が50重量部を越えると、エチレン性不飽和基を有す
る単量体の量が相対的に少なくなって、得られる着色重
合体微粒子の機械的強度が低下する。
【0028】また、この発明で用いる顔料は、市販され
ている通常の有機顔料、無機顔料のいずれであってもよ
く、これ等の顔料は、単独で或いは2種以上を混合して
使用される。顔料の粒径は、平均粒径で1ミクロン以下
が好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましい。
【0029】上記有機顔料としては、キナクリドンレッ
ド、パラレッド、塩素化パラ、リトールルビン、ピグメ
ントスカーレッド、マダーレーク、アリザリンマルー
ン、ヘリオボルドー、チオインジゴ、トルイジンマルー
ン、カルバゾールジオキサジンバイオレット、レッドレ
ークC、ピラゾロンレッド、ナフトールレッド、アント
ラキノンレッド、イソインドリノンレッド、アントラキ
ノンイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、
ベンジジンイエロートルイジン、ベンジジンオレンジ、
ジスアゾレッド、ジアニシジンオレンジ、ピランスロン
オレンジ、、GRペリノンオレンジ、イソインドリノン
イエロー、フラバンスロンイエロー、アンスラピリミジ
ンイエロー、ニッケルアゾイエロー、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーン
B、インダンスロンブルー、アニリンブラック等が挙げ
られる。
【0030】上記無機顔料としては、カドミウムイエロ
ー、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、
クロームバーミリオン、鉛シアナミド、アンチモンホワ
イト、アンチモンレッド、チタンホワイト、チタンイエ
ロー、レモンイエロー、マルスイエロー、オーカー、コ
バルトバイオレット、マンガンバイオレット、ウルトラ
マリン、ベルリンブルー、コバルトブルー、セルリアン
ブルー、クロムグリーン、エメラルドグリーン、コバル
トグリーン、カーボンブラック等が挙げられる。
【0031】これ等の顔料の使用量は、前記単量体と
(メタ)アクリロニトリルとの合計に対して、一般に、
1〜50重量%が好ましく、3〜30重量%がより好ま
しい。顔料の使用量が1重量%を下回ると、重合体微粒
子を濃色に着色することが難しく、逆に顔料の使用量が
50重量%を上回ると、重合体微粒子の機械的強度が低
下する。
【0032】この発明で使用される着色重合体微粒子を
製造する具体的な方法としては、次のような方法が好適
である。
【0033】先ず、前記の特定のエチレン性不飽和基を
有する化合物からなる単量体と(メタ)アクリロニトリ
ルと顔料とを適量混合し、顔料を上記単量体と(メタ)
アクリロニトリルに均一に分散させる。顔料の混合分散
には、ボールミル、ビーズミル、サンドミルアトライタ
ー、サンドグラインダー、ナノマイザー等が使用され
る。この場合、必要であれば、例えば、楠本化成社製の
ディスパロン(商品名)等の公知の顔料分散剤を用い
る。
【0034】次に、前記単量体と(メタ)アクリロニト
リルと顔料との混合液を、水性媒体中に微粒子状に懸濁
させる。水性媒体としては、一般に水が用いられる。そ
して、この水性媒体には、通常、水溶性の懸濁安定剤を
適量溶解させるか或いは難水溶性の懸濁安定剤を適量分
散させ用いる。
【0035】水溶性の懸濁安定剤としては、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ゼラ
チン、メチルセルロース、ポリメタクリルアミド、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレンオキサイドモノステ
アレート、ソルビタンテトラオレエート、グリセリンモ
ノオレエート、ドデシルベンゼンスルホン酸等の水溶性
有機化合物が用いられる。
【0036】また、難水溶性の懸濁安定剤としては、硫
酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、燐酸マグ
ネシウムコロイド(二燐酸ナトリウムと塩化ナトリウム
との混合物)、コロイダルシリカ、酸化アルミ等の難水
溶性の無機化合物が用いられる。
【0037】前記単量体と(メタ)アクリロニトリルと
顔料との混合物を、水性媒体中に微粒子状に懸濁させる
には、例えば、上記混合液中の単量体と(メタ)アクリ
ロニトリルとの合計100重量部に対して、水性媒体を
200〜1000重量部混合し、これを攪拌羽根で攪拌
する。攪拌羽根の攪拌速度や水性媒体の粘度を変えるこ
とにより、重合性単量体の懸濁粒子の粒子径や粒子径の
分布を調節することができる。懸濁粒子の平均粒子径
は、一般に0.1〜300μmの範囲に調節される。
【0038】顔料を分散させた粒子状の前記単量体と
(メタ)アクリロニトリルとを、懸濁重合させるには、
上記懸濁液にラジカル重合開始剤を予め添加しておく
か、或いは加熱の直前に添加し、これを加熱することに
よってラジカル重合開始剤を分解させ、単量体と(メ
タ)アクリロニトリルとを重合させる。
【0039】ラジカル重合開始剤としては、アゾニトリ
ル系化合物や有機過酸化物からなる通常の油溶性ラジカ
ル重合開始剤が用いられる。アゾニトリル系化合物から
なる重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4’−ジメチル
バレロニトリル、2,2’−アゾビス−メチルブチロニ
トリル、2,2’−アゾビス−メチルヘプトニトリルな
どが挙げられる。
【0040】有機過酸化物からなるラジカル重合開始剤
としては、過酸化アセチル、過酸化デカノイル、過酸化
ラウロイル、過酸化ベンゾイル、過酸化p−クロロベン
ゾイル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過酸化炭
酸ジイソプロピル、過酸化ジ炭酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、過酸化アセチルシクロヘキシルスルフォニル、過イ
ソ酪酸t−ブチル、過ビバリン酸t−ブチル、過2−エ
チルヘキサン酸t−ブチル、過酸化ジt−ブチル、過酸
化t−ブチルクミル、過酸化ジクミルなどが挙げられ
る。
【0041】これ等のラジカル重合開始剤は、単量体と
(メタ)アクリロニトリルの合計量100重量部に対し
て、一般に0.5〜15重量部の範囲で使用される。開
始剤が0.5重量部を下回ると重合率が著しく低下し、
15重量部を上回る量の開始剤は必要ではない。重合温
度は、使用するラジカル重合開始剤の種類により異なる
が、一般に40〜150℃程度である。また、重合時間
は、一般に30分〜10時間程度である。
【0042】こうして、着色重合体微粒子が生成し、こ
の着色重合体微粒子は、濾過或いは遠心分離等の手段で
分離され、水等で洗浄した後加熱或いは減圧等により乾
燥され、着色重合体微粒子(樹脂微球体)の製品とされ
る。この着色重合体微粒子は、一般に0.1〜300μ
m程度の平均粒径を有し、重合体微粒子の内部に顔料が
均一に分散されている。
【0043】この着色重合体微粒子は、耐溶剤性(有機
溶剤により顔料が抽出されない性質)が優れており、通
常、そのままで使用されるが、予めシランカップリング
剤により表面処理を行っておくと、耐溶剤性を一層向上
させることができる。
【0044】この目的に使用するシランカップリング剤
としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−〔N−アリル−N−(2−アミノエチ
ル)〕アミノプロピルトリメトキシシラン、3−〔N−
アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリエトキシ
シラン、3−〔N−アリル−N−メタクリル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、3−〔N,N−ジグリシジ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系シ
ランカップリング剤が好適である。
【0045】また、N,N−ビス〔3−(メチルジメト
キシシリル)プロピル〕アミン、N,N−ビス〔3−
(トリメトキシシリル)プロピル〕アミン、N,N−ビ
ス〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレ
ンジアミン、N,N−ビス〔3−(トリメトキシシリ
ル)プロピル〕エチレンジアミン、N−グリシジル−
N,N−ビス〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピ
ル〕アミン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(ト
リメトキシシリル)プロピル〕アミン等のアミド系シラ
ンカップリング剤も好適である。
【0046】その他、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のビニル
系シランカップリング剤、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン等のメタクリル系シランカップリン
グ剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等
のグリシジル系シランカップリング剤、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シランカ
ップリング剤も用いられる。
【0047】本発明に使用されるホットメルト型接着剤
層は、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸
エステルを用いて常法に従って重合して得られる重合体
もしくは共重合体からなる。
【0048】アクリル酸エステルとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル等があげられ、メタクリル酸エ
ステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル等があげられる。本発明では、これらモノマーの
一種もしくは二種以上が使用される。また、スチレン、
α−メチルスチレン、エチルスチレン、アクリロニトリ
ル、塩化ビニル、酢酸ビニル等が共重合モノマーとして
使用されてもよい。
【0049】該ホットメルト型接着剤層を形成し得る重
合体もしくは共重合体の重量平均分子量(Mw)は10
0,000〜500,000の範囲であり、好ましく
は、120,000〜300,000である。該ホット
メルト型接着剤層を形成し得る重合体もしくは共重合体
の重量平均分子量(Mw)が100,000未満である
と、該ホットメルト型接着剤層が溶剤や液晶に膨張した
り溶解するので好ましくなく、500,000を超える
と、該ホットメルト型接着剤層の軟化温度が高くなり過
ぎる。
【0050】該ホットメルト型接着剤層を形成し得る重
合体もしくは共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は2.0〜2.
5であり、好ましくは、2.2〜2.5である。該重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)が2.0を下回ると、ホットメルト型接着剤
層の接着性能が低下するために好ましくない。比(Mw
/Mn)が2.5を超えると、重合体の低分子量成分が
液晶に溶解するため液晶を汚染し易くなる。
【0051】該ホットメルト型接着剤層を形成し得る重
合体もしくは共重合体のガラス転移温度は60℃〜90
℃の範囲であり、好ましくは、65〜80℃である。該
ガラス転移温度が60℃未満であると、スペーサーを長
期に保管する際に、スペーサー相互で合着しブロッキン
グを起こすことがある。ガラス転移温度が90℃を超え
ると、ホットメルト型接着剤層の軟化温度が高くなり過
ぎるために取り扱い性が劣る。
【0052】樹脂微球体の表面にホットメルト型接着剤
層を形成するには、例えば、以下の方法がある。
【0053】(a)接着剤となる樹脂を溶剤により溶解
させたものを樹脂微球体と混ぜ合わせた後、溶剤を乾燥
させ、ボールミル等により解砕する方法。
【0054】(b)接着剤となる樹脂を溶剤(A)によ
り溶解させた液を溶剤(A)とは溶け合わない他の溶剤
(B)中で乳化させ、この乳化液中に樹脂微球体を加え
ることにより、乳化粒子を樹脂微球体表面に被覆させた
後、溶剤(A)及び溶剤(B)に共に溶解性を持つ溶剤
(C)を加えることにより、樹脂微球体表面に緻密な接
着剤被覆層を形成する方法。
【0055】(c)接着剤となる樹脂微粉と樹脂微球体
とを機械的に混合させることによって、機械的剪断力に
より、樹脂微球体表面に接着剤層を形成する方法。
【0056】得られた液晶表示素子用スペーサーの表面
にはホットメルト接着剤層が形成され、該ホットメルト
接着剤層の軟化温度以上にスペーサーを加熱することに
より、該スペーサーを液晶表示素子の基板表面に接着さ
せることができる。ホットメルト接着剤層の厚みは、
0.05〜0.5μm が好ましい。
【0057】上記の液晶表示素子用スペーサーを用いて
液晶表示素子を作製するには、例えば、次のような方法
が採用される。
【0058】先ず、二枚の電極付き透明基板を用意す
る。そして、一方の透明基板の周辺部に、周辺部スペー
サーを分散させた光又は熱硬化型接着剤からなるシール
材を、液晶注入口を残して枠状に塗工する。また、他方
の透明基板の全面に、液晶表示素子用スペーサーとし
て、分級により粒度を調整した前記の液晶表示素子用ス
ペーサーの水分散液を散布し乾燥させる。
【0059】その後、上記一方の透明基板を他方の透明
基板の上に重ね合わせ、シール材及び液晶表示素子用ス
ペーサーを介して一定の間隙をおいて対向させ、周辺部
のシール材を光又は熱により硬化させてセルを形成す
る。ここでセルを加熱することにより、液晶表示素子用
スペーサーは両基板に接着される。
【0060】次に、液晶注入口からセル内に液晶を封入
した後、液晶注入口を光又は熱硬化型液晶注入口封止剤
で塞ぎ、この封止剤を光又は熱により硬化させ、それに
より液晶注入口を封止して、液晶表示素子を作製する。
【0061】得られた液晶表示素子において、液晶表示
素子用スペーサーは、セル間隙内の液晶と接する基板全
面に散在し、かつ基板内面に接着している。
【0062】液晶としては、一般に、ネマティック液
晶、特に正の誘電率異方性を有するネマティック液晶が
用いられるが、コレステリック液晶やスメクチック液晶
も使用できる。
【0063】
【作用】ホットメルト型接着剤層を形成する重合体また
は共重合体を、アクリル酸エステルおよび/またはメタ
クリル酸エステルから形成することにより、形成された
ホットメルト型接着剤層は液晶材料との相互作用が小さ
いため液晶分子の正常な配向に悪影響を及ぼすことがな
い。
【0064】また、その重合体または共重合体の重量平
均分子量が100,000以上であることにより、ホッ
トメルト型接着剤層が溶剤や液晶に膨張したり溶解する
ことがない。従って、本発明によるスペーサーを例えば
イソプロピルアルコール20重量%を含む水溶液に分散
させてノズルにより基板上に湿式散布を行う際、スペー
サー同志が合着して塊を生じたりすることがなく良好な
単粒子性がもたらされる。
【0065】さらに、液晶が注入されたセル内でホット
メルト型接着剤層が液晶に溶け込むことがないために、
スペーサーの基板への接着性が低下することはなく、ま
た、液晶汚染を起こすこともない。
【0066】さらに、(メタ)アクリル酸エステル重合
体もしくは共重合体の重量平均分子量が500,000
以下に制限されていることにより、スペーサーを基板上
に散布した後、120℃〜170℃の範囲で加熱するこ
とによって、樹脂微球体の表面に形成されている接着剤
層を良好に融解させて基板上にスペーサーを固着させる
ことができる。
【0067】また、重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.5以下である
ことにより、ホットメルト型接着剤層が加熱により溶け
る際に微球体表面でその流動性が良くなり、ホットメル
ト型接着剤(重合体もしくは共重合体)は微球体と液晶
基板との接触点に集まり易くなり、強固な接着状態が得
られる。
【0068】さらに、(メタ)アクリル酸エステル重合
体もしくは共重合体のガラス転移温度が60℃以上であ
ることにより、スペーサーを長期に保管する際に、スペ
ーサー相互で合着してブロッキングを起こすおそれがな
い。また、ガラス転移温度が90℃以下であるために、
120℃〜170℃の範囲で接着剤層は充分に軟化し基
板上にスペーサーを容易に固着することができる。
【0069】さらに、樹脂微球体として上記構成の着色
重合体微粒子を用いることにより、機械的強度と耐溶剤
性が高められ且つ均一で濃色に着色された微粒子が得ら
れる。その理由は以下の通りである。
【0070】上記のように、予め、3個以上のエチレン
性不飽和基を有する化合物100〜60重量%と2個の
エチレン性不飽和基を有する化合物0〜40重量%とか
らなる単量体100重量部と、(メタ)アクリロニトリ
ル5〜50重量部と、顔料とを均一に混合しておいて、
これを水性媒体中に微粒子状に懸濁させると、(メタ)
アクリロニトリルはシアノ基により電子吸引力が非常に
強いため、顔料粒子の表面と親和性が大きく、(メタ)
アクリロニトリルが顔料粒子の表面近傍に集まるものと
考えられる。その結果、顔料粒子相互間の分子間力が弱
められ、顔料粒子の凝集が殆ど起こらなくなり、単量体
の微粒子液滴中に顔料が均一に分散されるものと推察さ
れる。
【0071】そして、単量体の微粒子状液滴中に顔料が
均一に分散された状態で懸濁重合を行うと、顔料粒子の
表面近傍に存在する(メタ)アクリロニトリルは単量体
と共重合して共重合体を形成し、顔料粒子の表面を被覆
する。こうして、顔料粒子の凝集防止が確実に行われ、
重合体微粒子の内部に顔料粒子が均一に分散された着色
重合体微粒子が得られる。
【0072】このように重合体微粒子の内部に顔料粒子
が均一に分散されると、顔料粒子が凝集した状態で分散
された重合体微粒子に比べ、機械的強度が高められ且つ
均一で濃色に着色されることになる。
【0073】しかも、単量体は、上記のように特定のエ
チレン性不飽和基を有する化合物からなるので、この単
量体の重合によって得られる重合体微粒子は、適度の架
橋構造を有し、この架橋構造と(メタ)アクリロニトリ
ルによる共重合体の分子構造とが相まって、着色重合体
粒子の機械的強度と耐溶剤性(有機溶剤により顔料が抽
出されない性質)が向上するものと推察される。
【0074】そして、特に、上記のような着色重合体微
粒子を樹脂微球体として用いて液晶表示素子用スペーサ
ーを構成すると、この液晶表示素子用スペーサーは、機
械的強度と耐溶剤性に優れ且つ均一で濃色に着色され、
可視光線透過率を殆ど零にすることができ、その結果、
この液晶表示素子により表示を行う場合、暗部において
液晶層内の液晶表示素子用スペーサーが白点として視認
されず、液晶表示素子の表示コントラストの低下を防止
することができる。
【0075】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。
【0076】(実施例1)イソブチルメタクリレートと
メチルメタクリレートとを80対20(重量比)の割合
で共重合させて、表1に示す特性を有する熱可塑性樹脂
を得た。
【0077】得られた熱可塑性樹脂を、樹脂微球体(ミ
クロパールSPN−206、平均粒子径:6.0μm、
標準偏差:0.24μm、積水フアインケミカル社製)
の表面に被覆することにより接着剤層を形成した。この
ものをイソプロピルアルコール水溶液(水/イソプロピ
ルアルコール=80/20(重量比))に懸濁させ、得
られた懸濁液をノズルにより噴霧し、ポリイミド薄膜が
被覆され且つラビングにより配向処理された液晶基板上
に散布した。
【0078】他方、別の一枚の液晶基板上にスクリーン
印刷により、液晶注入孔を残した形状でエポキシシール
材を印刷した。
【0079】上記2枚の液晶基板を重ね合わせてホット
プレスにより加熱硬化させた。次に、液晶注入孔よりス
ーパーツイスト・ネマチック液晶を注入した後、感光性
接着剤により封孔した。このようにして作製した液晶表
示セルに駆動回路を接続し作動させた。その結果を液晶
表示性能として表1に示す。また、上記懸濁液における
スペーサーの分散性および該スペーサーの基板に対する
固着性をあわせて表1に示す。
【0080】なお、スペーサーの分散性は、分散液を顕
微鏡下で観察してスペーサーの分散性を判断した。スペ
ーサーの基板に対する固着性は、粘着テープ(セキスイ
メンディングテープ、積水化学社製)を、スペーサーが
散布されている基板表面に貼り付けた後、このテープを
剥離し、粒子が基板から外れたかどうかを200倍拡大
鏡で調べ、もとの粒子数に対して50%以上の粒子が残
存している場合を良好とした。
【0081】(実施例2、3および比較例1〜4)表1
に示す組成および特性を有する熱可塑性樹脂を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子用スペー
サーを得た。
【0082】得られたスペーサーについて実施例1と同
条件で液晶表示性能、スペーサーの分散性およびスペー
サーの基板に対する固着性を測定した。それらの結果を
表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】(実施例4) (A)着色重合体微粒子の製造 テトラメチロールメタントリアクリレート85.5gと
ジビニルベンゼン28.5gとアクリロニトリル36.
0gとを均一に混合し、これに顔料としてアニリンブラ
ック14.5gを添加し、ビーズミルを用いて48時間
かけて顔料を均一に分散させた。
【0085】この顔料分散の単量体混合物に、過酸化ベ
ンゾイル2.0gを均一に混合し、これを濃度3重量%
のポリビニルアルコール水溶液850gに投入しよく攪
拌し、これをホモジナイザーで粒径が約3〜10μmの
微粒子状に懸濁させた。
【0086】この懸濁液を、温度計と攪拌機と環流冷却
器とを備えた2リットルのセパラブルフラスコに移し、
窒素雰囲気中で攪拌しながら85℃に加熱し7時間重合
反応を行い、さらに90℃で3時間加熱し重合反応を行
った。
【0087】その後、重合反応液を冷却し、生成した着
色重合体微粒子を濾過し充分に水洗して乾燥させて、粒
径が約3〜10μmの着色重合体微粒子145gを得
た。この着色重合体粒子を分級して、所望(平均粒径
6.67μm、標準偏差0.35μm)の粒度分布を有
する着色重合体微粒子を得た。
【0088】(B)着色重合体微粒子の性能評価 ・着色状態 上記の着色重合体微粒子について、目視により色濃度を
観察したところ、黒色で濃色且つ均一に着色されてい
た。また、着色重合体微粒子の表面及び切断面を走査型
電子顕微鏡により観察したところ、重合体微粒子の内部
に顔料が均一に分散されていることが確認された。
【0089】・機械的強度 微小圧縮試験機(島津製作所製のPCT−20型)を用
いて、分級により粒度を調製した前記着色重合体微粒子
(平均粒径6.67μm、標準偏差0.35μm)の機
械的強度を測定した。この機械的強度は、一個の微粒子
試料における10%圧縮変形強さ(K10値)(kgf/
mm2)及び徐荷重時の圧縮変形の回復率(%)で評価
した。
【0090】ここで、微粒子試料の10%圧縮変形の強
さ(K10値)は、K10=3/21/2・F・S-3/2・R
-1/2で表され、Fは圧縮荷重(kgf)、Sは10%圧
縮変形時の変位(mm)、Rは微粒子試料の粒径(m
m)である。その結果、K10値は480±20(kgf
/mm2)、回復率は64.4%で、機械的強度が優れ
ていた。
【0091】・耐溶剤性 着色重合体微粒子1gを50mlのエタノール溶剤及び
アセトン溶剤に添加し、20℃で7日間放置した後濾過
し、この濾液について可視光線領域の最大吸収透過率を
測定した。その結果、エタノール溶剤では透過率98.
6%、アセトン溶剤では97.5%で、有機溶剤による
顔料の抽出(脱色)が殆どなく、耐溶剤性が優れてい
た。
【0092】(C)液晶表示素子用スペーサーの製造 樹脂微球体として、上記A項で得られた着色重合体微粒
子を用いたこと以外は、実施例1と同条件で行い、液晶
表示素子用スペーサーを得た。
【0093】この液晶表示素子用スペーサーを用いて、
実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0094】得られたスペーサーの単粒子分散性、基板
に対する固着性、および液晶表示素子の表示性能の結果
を表2に示す。
【0095】(実施例5、6及び比較例5〜8)表2に
示す組成および特性を有する熱可塑性樹脂を用いて接着
剤層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして液晶
表示素子用スペーサーを得た。
【0096】得られたスペーサーについて実施例4と同
条件で液晶表示特性、スペーサーの分散性およびスペー
サーの基板に対する固着性を測定した。それらの結果を
表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、以下の特性を有する液
晶表示素子用スペーサーおよびそれを用いた液晶表示素
子を得ることができる。
【0099】(a)相互にブロッキングするということ
がなくて、良好な単粒子分散性が得られ、また液晶の配
向を乱すということもない液晶表示素子用スペーサー。
【0100】(b)樹脂が液晶中に溶け出したり膨潤す
ることがなく、従って、基板に確実に固定することがで
き、しかも液晶を汚染することのない液晶表示素子用ス
ペーサー。
【0101】(c)液晶の作動に悪影響を及ぼすことが
なく、保管も容易な液晶表示素子用スペーサー。
【0102】特に、樹脂微球体として上記構成の着色重
合体微粒子を使用すると、この着色重合体微粒子は、顔
料が均一に分散され且つ濃色に着色され、優れた機械的
強度と耐溶剤性を有するので、液晶表示素子用スペーサ
ーとして用いると、得られた液晶表示素子を表示させた
場合、暗部において液晶層内のスペーサーが白点として
視認されず、液晶表示素子の表示コントラストの低下を
防止することができるという利点がある。
【0103】また、上記着色重合体微粒子の製造方法に
よれば、重合体微粒子の生成と、この重合体微粒子の内
部への顔料の均一分散とが一つの重合工程で一挙に行わ
れ、製造工程が簡素化され、安価に着色重合体微粒子を
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 進 滋賀県甲賀郡水口町泉1259 積水フアイン ケミカル株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂微球体の表面に、重量平均分子量
    (Mw)が100,000〜500,000の範囲にあ
    り、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
    の比(Mw/Mn)が2.0〜2.5の範囲にあり、且
    つガラス転移温度が60℃〜90℃の範囲にある、(メ
    タ)アクリル酸エステル重合体もしくは共重合体からな
    るホットメルト型接着剤層が形成されていることを特徴
    とする液晶表示素子用スペーサー。
  2. 【請求項2】 前記樹脂微球体が、3個以上のエチレン
    性不飽和基を有する化合物100〜60重量%と2個の
    エチレン性不飽和基を有する化合物0〜40重量%とか
    らなる単量体100重量部と、(メタ)アクリロニトリル
    5〜50重量部とを重合させた重合体微粒子の内部に、
    顔料が均一に分散されている着色重合体微粒子であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用スペーサ
    ー。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液晶表示素子用スペーサ
    ーの製造方法であって、 該樹脂微球体が、3個以上のエチレン性不飽和基を有す
    る化合物100〜60重量%と2個のエチレン性不飽和
    基を有する化合物0〜40重量%とからなる単量体10
    0重量部と、(メタ)アクリロニトリル5〜50重量部
    と、顔料とを混合し、これを水性媒体中に微粒子状に懸
    濁させ重合して得られる着色重合体微粒子であることを
    特徴とする液晶表示素子用スペーサーの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の液晶表
    示素子用スペーサーを用いることを特徴とする液晶表示
    素子。
JP25056494A 1994-08-03 1994-10-17 液晶表示素子用スペーサー、その製造方法及びそれを用いた液晶表示素子 Pending JPH08101394A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006321940A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Hayakawa Rubber Co Ltd 微粒子表面にホットメルト樹脂コーティング被膜を形成する方法、接着性微粒子、液晶セルスペーサー及び液晶表示素子
WO2019045004A1 (ja) 2017-09-01 2019-03-07 積水化学工業株式会社 複合粒子、複合粒子粉体及び調光材

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KR20200049700A (ko) 2017-09-01 2020-05-08 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 복합 입자, 복합 입자 분체 및 조광재
CN110709449B (zh) * 2017-09-01 2023-11-21 积水化学工业株式会社 复合粒子、复合粒子粉末以及调光材料
KR20240027869A (ko) 2017-09-01 2024-03-04 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 복합 입자, 복합 입자 분체 및 조광재

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