JP3157110B2 - 着色微粒子、液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子 - Google Patents

着色微粒子、液晶表示素子用スペーサ及び液晶表示素子

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JP3157110B2
JP3157110B2 JP22505696A JP22505696A JP3157110B2 JP 3157110 B2 JP3157110 B2 JP 3157110B2 JP 22505696 A JP22505696 A JP 22505696A JP 22505696 A JP22505696 A JP 22505696A JP 3157110 B2 JP3157110 B2 JP 3157110B2
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茂 野村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コントラストの良
好な液晶表示素子用スペーサとして好適に用いることが
できる着色微粒子及びその液晶表示素子用スペーサ並び
に液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、パソコン、携帯型電子
機器等に広く使用されており、高画質化及び大面積化に
伴い、画像の表示コントラストを更に高くすることが望
まれている。
【0003】液晶表示素子は、通常、二枚の電極付透明
基板を電極が対向するように配置し、両基板の間に液晶
を封入して製造される。この両基板の間隔を一定に保持
するために、一般にスペーサが用いられるが、透明のス
ペーサを用いると表示コントラストが低下するので、画
像の表示コントラストの低下を防止するために、着色ス
ペーサが用いられるようになってきている。
【0004】このような着色スペーサの製造方法として
は、例えば、特開平1−144429号公報には、微粒
子の表面を酸で処理した後染料で染色する方法が開示さ
れている。また、特開平3−33165号公報には、こ
の染色微粒子を更にシランカップリング剤で処理する方
法が開示されている。特開平7−11005号公報に
は、微粒子を酸化オスミウム、酸化ルテニウム等で処理
する方法が開示されている。そのほか、ガラスビーズの
表面に金属酸化膜を被覆する方法等が知られている。
【0005】その他の着色スペーサの製造方法として
は、顔料が分散された重合性単量体を適当な分散安定剤
の存在下に水中で分散し、ホモジナイザー等で高速攪拌
することにより適度な粒径を形成した後重合する懸濁重
合法等がある。分散安定剤は、粒子同士の再合着を防ぐ
ため添加する必要があり、特開平5−310807号公
報には、このような分散安定剤としてポリビニルアルコ
ール等の水溶性高分子を用いることにより、微粒子を安
定に形成し、微粒子同士の合着を防止して必要な粒径に
することができることが開示されている。
【0006】一方、液晶表示素子において、液晶とスペ
ーサとの界面で液晶分子の配向が変則的になり、表示品
質を低下させるおそれがあることは以前より周知であっ
た。特に近年需要の伸びているスーパーツィステッドネ
マチック液晶(STN液晶)を用いた液晶表示素子にお
いては、このような液晶の異常配向現象が起こりやす
い。
【0007】このような異常配向が起こると、液晶表示
素子を点灯作動させたときに、スペーサの周囲に光抜け
(「ドメイン」ともいう。)と呼ばれる白い領域が出現
する。この光抜けが多くのスペーサの周囲に生じると、
あたかも白い線が多くのスペーサを連結しているように
見えることになる。この白い線は、ディスクリネーショ
ン線と呼ばれ、液晶分子の異常配向を特徴付けるものと
してよく知られている。このディスクリネーション線が
多く現れると、液晶表示素子のコントラストが低下し、
表示品質を著しく低下させることになる。
【0008】光抜けの現象は、液晶とスペーサとの界面
において液晶の配向が界面以外の領域の液晶の配向と異
なるために生じるものである。このようなスペーサ界面
の液晶の異常配向を生じさせる原因は、スペーサ表面が
液晶に対して何らかの規制力を有しているためであり、
この液晶に対する規制力を減少させるか、解消しない限
り光抜けは解決せず、コントラストを著しく損なう。
【0009】従来の着色スペーサにおいては、スペーサ
周囲の異常配向が大きく、結果として画質の向上に寄与
しないどころか透明なスペーサよりもコントラストの低
下をもたらすことが判明した。このようなスペーサ周囲
の異常配向の原因についてはその詳細なメカニズムは不
明であるが、スペーサの表面状態が特に重要であること
がわかってきた。
【0010】従来の着色スペーサは、表面が染料や金属
酸化膜で覆われているため、表面の酸素含有量が多くな
り、強い親水性を有する場合が多い。その一部は液晶に
対して特に強い配向規制力を示す水酸基になっている。
【0011】懸濁重合法による着色スペーサの場合に
も、ポリビニルアルコールが重合時に重合性単量体とグ
ラフト反応して微粒子の表面にポリビニルアルコール層
が形成され、熱水洗浄等の方法等の強力な洗浄方法をも
ってしても除去不可能であるので、その表面に水酸基を
有することとなる。
【0012】また、染色法は、表面に形成されたポリビ
ニルアルコールを酸等で変性し、染料等で染色するもの
であるが、水酸基をすべて変性させることができず、表
面に水酸基を有することとなる。これらの着色微粒子に
おいては、この水酸基が原因となって液晶表示素子のコ
ントラスト低下の原因となっているスペーサ周囲の光抜
けを引き起こすことがわかっている。
【0013】このような光抜けを防止する方法として、
アルキル基等の疎水性が強く、かつ、液晶に対してその
配向を規制する能力をほとんど有していないものでスペ
ーサの表面を被覆することにより、スペーサの周囲の光
抜けを防止し、コントラストを飛躍的に向上させること
ができることが報告されている。しかしながら、光抜け
を防止するのに充分な表面の疎水化の程度を表す指標は
これまでなく、表面にアルキル基が被覆された着色スペ
ーサを工業的に効率よく生産することは困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
み、表面の疎水化の程度を容易に評価することができ、
液晶表示素子用スペーサとして用いたときに異常配向が
なく、表示品質の良好な着色微粒子、及び、液晶表示素
子を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均粒径が
1.0〜10μmである着色微粒子であって、TOF−
SIMSによる表面分析において、質量数13(MAS
S−13)と質量数16(MASS−16)とのピーク
高の比(MASS−16)/(MASS−13)が、
0.8以下であることを特徴とする着色微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
【0016】本発明の着色微粒子は、TOF−SIMS
(飛行時間型二次イオン質量分析計(Time of
Flight Secondary Ion Mass
Spectol))による表面分析において、質量数
13(MASS−13)と質量数16(MASS−1
6)とのピーク高の比(MASS−16)/(MASS
−13)が、0.8以下である。該ピーク高の比が0.
8を超えると、着色微粒子の表面の水酸基の量が多くな
り、液晶表示素子用スペーサとして用いたときに、異常
配向を起こすので、上記範囲に限定される。
【0017】本発明において、TOF−SIMSは、着
色微粒子の表面にイオン流を当てることにより生じる二
次イオンのフラグメントを分析し、質量が異なれば、一
定距離を通る時間が異なることを利用して質量数をそれ
ぞれ同定するものである。
【0018】本発明においては、着色微粒子を清浄なシ
リコンウエハー上に散布した状態で上記TOF−SIM
Sにより表面分析を行い、質量数13(MASS−1
3)及び質量数16(MASS−16)のピーク高を測
定する。
【0019】本発明においては、上記ピーク高の比(M
ASS−16)/(MASS−13)が0.8以下であ
ることにより、着色微粒子の表面がアルキル基で被覆さ
れていることを推定することができる。
【0020】本発明の着色微粒子は、平均粒径が1.0
〜10μmである。1.0μm未満であると、液晶表示
素子用スペーサとして用いたときに、液晶セルのギャッ
プ精度が低下し、10μmを超えると、液晶セルのギャ
ップを出せないので、上記範囲に限定される。
【0021】本発明の着色微粒子の製造方法としては、
例えば、重合性単量体に顔料を分散して重合させること
等により得られた微粒子の表面にアルキル基を被覆させ
る方法等が挙げられる。上記重合方法としては、例え
ば、懸濁重合法等が挙げられる。
【0022】上記重合性単量体としては特に限定され
ず、例えば、多官能アクリル等を用いることができる。
上記多官能アクリルとしては特に限定されず、例えば、
テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、
テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テ
トラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロ
ールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。
【0023】本発明においては、上記多官能アクリル以
外の重合性単量体等を用いてもよく、上記多官能アクリ
ル以外の重合性単量体としては、例えば、α−メチルス
チレン、p−メトキシスチレン、スチレン、ジビニルベ
ンゼン、トリビニルベンゼン、ビニルトルエン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド等が挙げられる。
【0024】上記懸濁重合法は、通常、上記重合性単量
体を溶解しない水性媒体中に、重合性単量体を含有する
成分を分散させ、微粒子状に懸濁させた後、重合開始剤
を用いて重合する。上記水性媒体としては、例えば、水
等が挙げられる。上記水性媒体中には、通常、微粒子を
安定に存在させるために分散安定剤を添加する。上記分
散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、エ
チレングリコールとプロピレングリコールとの共重合高
分子等の水溶性高分子;界面活性剤等が挙げられる。
【0025】上記重合開始剤としては、通常の懸濁重合
で使用されるものを用いることができ、例えば、有機過
酸化物、アゾニトリル系化合物等が挙げられる。上記過
酸化物としては、例えば、過酸化アセチル、過酸化オク
タノイル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、過酸
化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、t
−ブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。上記ア
ゾニトリル系化合物としては、例えば、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,
4′−ジメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビスメ
チルブチロニトリル等が挙げられる。
【0026】上記重合開始剤は、重合性単量体100重
量部に対して0.01〜20重量部用いられるのが好ま
しい。0.01重量部未満であると、重合率が低下する
ことがあり、20重量部を超えると、一定以上の効果は
ない。上記重合温度は、使用する重合開始剤の種類にも
よるが、40〜100℃が好ましい。40℃未満である
と、重合速度が小さく、100℃を超えると、重合反応
を制御しにくくなる。上記重合時間は30分〜10時間
が好ましい。30分未満であると、重合率が低く、10
時間を超える時間は不要である。
【0027】本発明の着色微粒子を上記懸濁重合法によ
り製造する場合には、例えば、上記重合性単量体、上記
重合開始剤、顔料、上記分散安定剤等からなる混合物を
高速攪拌機等を用いて分散させ、顔料及び上記重合開始
剤を上記重合性単量体に分散させた分散液を得た後、上
記分散安定剤を溶解した水性媒体200〜3000重量
部中に上記分散液100重量部を更に分散させ、これを
攪拌羽根等で攪拌する等により製造することができる。
上記攪拌羽根の形状及び大きさ、攪拌速度等を変えるこ
とにより必要な粒径の懸濁粒状物を得ることができ、上
記懸濁粒状物の平均粒径は、0.5〜100μmが好ま
しい。
【0028】このようにして得られた重合性単量体が分
散した水溶性媒体を加熱することにより着色微粒子を得
ることができる。このようにして得られる着色微粒子
は、平均粒径0.1〜100μm程度となるので、分級
することにより、0.1〜10μmの着色微粒子とする
ことができる。
【0029】上記着色微粒子に含有される顔料としては
特に限定されず、例えば、キナクリンレッド、パラレッ
ド、塩素化パラレッド、リトールルビン、ピグメントス
カーレッド、マダーレーク、アリザリンマルーン、ヘリ
オボルド、チオインジゴ、トルイジンマルーン、カルバ
ドールジオキサジンバイオレッド、レッドレークC、ピ
ラゾロンレッド、ナフトールレッド、アントラキノンレ
ッド、イソインドリノレッド、アントラキノンイエロ
ー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ベンジジン
イエロートルイジン、ベンジジンオレンジ、ジスアゾレ
ッド、ジアニシジンオレンジ、ピランスロンオレンジ、
GRペリノオレンジ、イソインドリノンイエロー、フラ
パンスロンイエロー、アンスラピリミジンイエロー、ニ
ッケルアゾイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーン、塩素化フタロシアニングリーン、臭素
化フタロシアニングリーン、部分臭素化塩素化フタロシ
アニングリーン、ピグメントグリーンB、インダスロン
ブルー、アニリンブラック等の有機顔料;カドミウムイ
エロー、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッ
ド、クロームバーミリオン、鉛シアナミド、アンチモン
ホワイト、アンチモンレッド、チタンホワイト、チタン
イエロー、レモンイエロー、マルスイエロー、オーカ
ー、コバルトバイオレット、マンガンバイオレット、ウ
ルトラマリン、ベルリンブルー、コバルトブルー、セル
リアンブルー、クロームグリーン、エメラルドグリー
ン、コバルトグリーン、カーボンブラック等の無機顔料
が挙げられる。
【0030】本発明において、上記顔料としては、その
ほか、二酸化チタン、亜鉛華、鉛白、リトポン等の白色
顔料を用いることができる。上記顔料は、単独で用いて
もよいし、2種類以上を併用してもよい。上記顔料の粒
径は、光透過性、膜表面の均一性等の観点から、平均粒
径で0.01〜1μmが好ましい。本発明の着色微粒子
における上記顔料の含有量は、1〜25重量%が好まし
い。1重量%未満であると、着色が薄くなり画質を向上
することができず、25重量%を超えると、機械強度が
低下する。
【0031】上記懸濁重合法において、上記重合単量体
に上記顔料を分散させる方法としては、例えば、サンド
ミル、高速攪拌機、その他の機械的剪断力がかかる方法
等を用いることができる。
【0032】このようにして得られた着色微粒子の表面
にアルキル基を被覆させる方法としては、例えば、長鎖
のアルキル基を有する重合性単量体、アルキル基を有す
るシランカップリング剤等をスペーサ表面に被覆させる
方法;着色微粒子の表面を覆っているポリビニルアルコ
ールをアルキル基を有する処理剤と反応させる方法等が
挙げられる。
【0033】このうち、ポリビニルアルコールをアルキ
ル基を有する処理剤と反応させる方法としては、例え
ば、アルデヒドによるアセタール化反応を利用する方
法;モノイソシアネート、アクリル酸クロライド、メタ
クリル酸クロライド等によりポリビニルアルコールの水
酸基を変性してその活性水素をなくす方法等が挙げられ
る。
【0034】上記シランカップリング剤としては、例え
ば、エチルトリクロルシラン、プロピルトリクロルシラ
ン、ブチルトリクロルシラン、アミルトリクロルシラ
ン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘプチルトリクロルシ
ラン、オクチルトリクロルシラン、ラウリルトリクロル
シラン、オクタデシルトリクロルシラン等が挙げられ
る。上記アルキル基を有するシランカップリング剤等を
スペーサ表面に被覆させる場合、着色微粒子10gに対
して上記シランカップリング剤0.01〜5gを反応さ
せることが好ましい。
【0035】上記アセタール化反応で用いられるアルデ
ヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、ブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、シク
ロヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ラウリル
アルデヒド等の脂肪族アルデヒド;ベンズアルデヒド、
ナフチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド等が挙げられ
る。
【0036】上記アルデヒドの添加量は、スペーサ1g
に対して0.01〜100ミリモルが好ましい。0.0
1ミリモル未満であると、水酸基がスペーサの表面に存
在し異常配向が起き、100ミリモルを超えると、後工
程でアルデヒドの除去が困難となる。
【0037】上記アセタール化反応は、例えば、以下の
方法により行うことができる。水又は水/アルコール系
溶媒に着色微粒子を分散させた後、塩酸等の酸触媒を用
いて反応させる。反応温度は30〜90℃で、1〜10
時間反応させることにより、水酸基がアセタール化され
る。
【0038】上記塩酸等の酸触媒の添加量は、全系に対
して0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%未満
であると、反応に長時間を要するためスペーサが劣化し
易くなり、10重量%を超えると、反応系に不純物が多
くなって精製に手間がかかる。
【0039】本発明において、TOF−SIMSによる
表面分析における上記ピーク高の比が0.8以下である
ことにより異常配向を防止することができる理由は定か
ではないが、上記MASS−13は、着色微粒子の表面
のアルキル基由来の炭素のマイナスイオンの質量数13
を表し、上記MASS−16は、着色微粒子の表面の水
酸基由来の酸素のマイナスイオンの質量数16を表し、
そのピーク高の比(MASS−16)/(MASS−1
3)は、着色微粒子の表面におけるアルキル基の存在量
に対する水酸基の存在量を表すものと推定される。
【0040】本発明の着色微粒子は、上記ピーク高の比
が0.8以下であることにより、表面の大部分がアルキ
ル基により被覆されており、水酸基は微量であることが
推定されるので、液晶表示素子用スペーサとして用いた
ときに、光抜けを防止することができ、更に、着色スペ
ーサであるので、表示品質、特に、コントラストを向上
させることができる。
【0041】本発明2は、本発明の着色微粒子が用いら
れている液晶表示素子用スペーサである。本発明3は、
本発明2の液晶表示素子用スペーサが用いられている液
晶表示素子である。本発明3の液晶表示素子としては、
例えば、図1に表されるもの等が挙げられ、例えば、以
下のようにして作製される。
【0042】まず一対の透明基板10の対向する面に、
それぞれ絶縁膜11(例えば、SiO2 )を形成しそれ
ぞれの上記基板の絶縁膜11上に透明導電膜12(例え
ば、ITO)をフォトリソグラフィーによりパターニン
グして形成する。上記それぞれの基板の透明導電膜12
上に配向膜13(例えば、ポリイミド膜)を形成する。
次に上記基板上の配向膜13に液晶表示素子用スペーサ
ー9を散布する。
【0043】その後、上記基板に対向する基板の周囲
に、シール剤14を用いて周辺部に接着層を形成し、ス
ペーサーを散布した方の基板と貼り合わせ、更に液晶8
をこれら基板間に注入することにより、液晶セルを形成
する。液晶セルに配線を設けることにより液晶表示素子
15を得る。
【0044】上記液晶表示素子用スペーサー9の散布密
度としては、10〜1000個/mm2 が好ましい。1
0個/mm2 未満であると、液晶セルのギャップが出な
くなることがあり、1000個/mm2 を超えると、ス
ペーサーのためにコントラストが低下することがある。
【0045】本発明3の液晶表示素子は、本発明2の液
晶表示素子用スペーサが用いられているので、液晶セル
の点灯時でも見えにくく、また、光抜けもほとんどない
ので、高画質であり、更に、スペーサが含有する顔料に
は液晶に対する汚染性がまったくないので、高い信頼性
を得ることができる。
【0046】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0047】(1)TOF−SIMSによる表面分析 着色微粒子の表面分析を、TOF−SIMS(PHI−
Evans社製 TFS−2000)を用い、一次イオ
ン69Ga+ 、イオン電流2μA、質量範囲1〜100
0mass、分析エリア177×177μm2 、チャー
ジ防止のため試料表面にメッシュ挿入し、電子線中和に
よるランダムラスタスキャンにより、MASS−13と
MASS−16とのピーク高の比を測定した。
【0048】(2)液晶セルの作製 一対の透明ガラス板(150mm×150mm)の一面
にCVD法によりSiO2 膜を蒸着し更にSiO2 膜上
に透明電極基板ITOをスパッタリングにより全面にI
TOを形成した。更にリソグラフィーによりパターニン
グを行った。上記一対の透明ガラス板のITO膜上にス
ピンコート法によりポリイミド中間体(LP−64、東
レ社製)を形成し、280℃にて90分焼成することに
よりポリイミド配向膜を形成した。この後、ポリイミド
配向膜と液晶分子とが接触したときに互いに240度の
角度となる方向にラビングを行った。この透明基板の一
方に実施例1〜4、比較例1〜2の液晶表示素子用スペ
ーサを散布し、他の一方に周辺シール剤(主剤SE45
00、硬化剤T、HAVENCHEMICAL社製)を
スクリーン印刷法にて印刷し周辺にシール剤を形成し両
者を貼り合わせた後160℃にて90分硬化させて空セ
ルを作製した。このときのギャツプは6.1μmであっ
た。このようにして得られた空セルに所定量のカイラル
剤を配合した液晶(S−811、メルク社製)を注入す
ることにより液晶セルを作製し更に95℃にて30分間
熱処理した。
【0049】(3)異常配向の測定 このようにして得られた液晶セルを顕微鏡で200倍に
拡大した画面を写真にとり、光抜けの状態を観察した。
観察時の電圧は5.2ボルトであった。光抜けの測定は
初期状態の写真画面のスペーサ面積SB と、同一画面で
の90ボルトの直流電圧をセルに30秒間印加した後の
スペーサ周囲の光抜けしている面積SAとを測定し、そ
の比(SA /SB )を求めた。この値が1.5以内であ
れば画像品質が低下せず、コントラストが低下しないこ
とになる。
【0050】実施例1 ジビニルベンゼン/テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレートをそれぞれ45重量部混合し、更に顔
料としてアントラキノンレッド/フタロシアニンブルー
/フタロシアニングリーン各2重量部及びカーボンブラ
ック4重量部を、重合開始剤として2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル4重量部を加え、サンドミルにて3
0分間分散した。このようにして調製した着色液を1L
の丸底セパラブルフラスコにて攪拌下2%ポリビニルア
ルコール水溶液400gに滴下した。更に攪拌を行い全
体の粒径が6μmとなったところで、窒素を還流しなが
ら昇温し、85℃にて5時間反応を行い、着色微粒子を
得た。得られた着色微粒子を分級し、平均粒径8μm、
粒径の変動係数3%の着色微粒子を10g得た。
【0051】上述のようにして得られた着色微粒子10
gを2%塩酸水70gに浸漬し、攪拌下にラウリルアル
デヒド3gをイソプロピルアルコール10gに溶解した
液を滴下した。その後50℃に昇温し3時間反応させ濾
過した後、70gの純水とイソプロピルアルコール30
gの液に処理したスペーサを浸漬し濾過をした。同じ作
業を9回繰り返した後70gのトルエンに浸漬し濾過を
した。この作業を4回繰り返して乾燥後、表面にアルキ
ル基が被覆された着色微粒子を得た。上記方法でTOF
−SIMSによる表面分析、液晶セルの作製、及び、異
常配向の測定を行った。その結果を表1に示した。
【0052】実施例2 ラウリルアルデヒド3gをイソプロピルアルコール10
gに溶解した液の代わりにオクチルアルデヒド5gをイ
ソプロピルアルコール10gに溶解した液を用いたこと
以外は実施例1と同様に行い、表面にアルキル基が被覆
された着色微粒子を得た。上記方法でTOF−SIMS
による表面分析、液晶セルの作製、及び、異常配向の測
定を行った。その結果を表1に示した。
【0053】実施例3 ジビニルベンゼン/テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート/スチレンをそれぞれ37.5重量部
混合し、更に顔料としてアントラキノンレッド/フタロ
シアニンブルー/フタロシアニングリーン各2重量部及
びカーボンブラック4重量部を、重合開始剤として2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル4重量部を加え、サ
ンドミルにて30分間分散した。このようにして調製し
た着色液を1Lの丸底セパラブルフラスコにて攪拌下2
%エチレングリコール/プロピレングリコール共重合高
分子(三洋化成社製、メルポールHA−2200)水溶
液400gに滴下した。更に攪拌を行い全体の粒径が6
μmとなったところで、窒素を還流しながら昇温し、8
5℃にて5時間反応を行い、着色微粒子を得た。得られ
た着色微粒子を分級し、平均粒径6.1μm、粒径の変
動係数3%の着色微粒子を10g得た。
【0054】300mL丸底セパラブルフラスコにて、
窒素還流下、上述のようにして得られた着色微粒子10
gをトルエン100gに分散し、プロピルトリクロルシ
ラン1gをトルエン10gに溶解した液を10分間にわ
たり滴下した。反応浴槽の温度を70℃にて3時間反応
した後、濾過し、イソプロピルアルコールにて洗浄し
た。200℃の真空乾燥中で2時間乾燥後、表面にアル
キル基が被覆された着色微粒子を得た。上記方法でTO
F−SIMSによる表面分析、液晶セルの作製、及び、
異常配向の測定を行った。その結果を表1に示した。
【0055】実施例4 プロピルトリクロルシラン1gをトルエン10gに溶解
した液の代わりにヘキシルトリクロルシラン1gをトル
エン10gに溶解した液を用いたこと以外は実施例3と
同様に行い、表面にアルキル基が被覆された着色微粒子
を得た。上記方法でTOF−SIMSによる表面分析、
液晶セルの作製、及び、異常配向の測定を行った。その
結果を表1に示した。
【0056】比較例1 平均粒径6μm、粒径の変動係数3%の着色微粒子に分
級した後、表面をラウリルアルデヒドでアセタール化処
理しなかったこと以外は実施例1と同様に行い、着色微
粒子を得た。上記方法でTOF−SIMSによる表面分
析、液晶セルの作製、及び、異常配向の測定を行った。
その結果を表1に示した。
【0057】比較例2 ジビニルベンゼン/テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート/スチレンをそれぞれ37.5重量部
混合し、更に重合開始剤として2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル4重量部を加え、サンドミルにて30分
間分散した。このようにして調製した液を1Lの丸底セ
パラブルフラスコにて攪拌下2%エチレングリコール/
プロピレングリコール共重合高分子(三洋化成社製、メ
ルポールHA−2200)水溶液400gに滴下した。
更に攪拌を行い全体の粒径が6μmとなったところで、
窒素を還流しながら昇温し、85℃にて5時間反応を行
い、透明微粒子を得た。得られた透明微粒子を分級し、
平均粒径6.1μm、粒径の変動係数3%の透明微粒子
を10g得た。
【0058】上述のようにして得られた透明微粒子10
gを95%濃硫酸30gに加え、60℃にて3時間熱処
理した。硫酸を除去した後充分に水洗を行った。黒色塩
基染料(カロチンブラック、保土谷化学社製)6gを3
00mlの水に溶解し、酢酸にてpH4に調製した液
に、該酸処理微粒子5gを加え95℃にて10時間染色
した。染色液を濾過後、熱水洗浄を繰り返し充分に表面
の不純物を取り去り、着色微粒子を得た。上記方法でT
OF−SIMSによる表面分析、液晶セルの作製、及
び、異常配向の測定を行った。その結果を表1に示し
た。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の着色微粒子は、上述の通りであ
るので、表面の疎水化の程度を容易に評価することがで
き、液晶表示素子用スペーサとして用いると、異常配向
がなく、表示品質の良好な液晶表示素子を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の一実施形態の断面図で
ある。
【符号の説明】
8 液晶分子 9 液晶表示素子用スペーサ 10 透明基板 11 絶縁膜 12 透明導電膜 13 配向膜 14 シール剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 G01N 23/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が1.0〜10μmである着色
    微粒子であって、TOF−SIMSによる表面分析にお
    いて、質量数13(MASS−13)と質量数16(M
    ASS−16)とのピーク高の比(MASS−16)/
    (MASS−13)が、0.8以下であることを特徴と
    する着色微粒子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の着色微粒子が用いられて
    いることを特徴とする液晶表示素子用スペーサ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の液晶表示素子用スペーサ
    が用いられていることを特徴とする液晶表示素子。
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