JP2018100472A - 繊維用集束剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、高い集束性を保持しながら、幅の広い繊維束を得ることができ、かつ、繊維とマトリックス樹脂間に高い接着性を付与できる繊維用集束剤組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)を含む繊維用集束剤組成物であって、ポリエステル樹脂(A)が、カルボン酸成分(a)と、アルキレンオキサイド付加物(b1)を含むジオール成分(b)とのポリエステルであり、アルキレンオキサイド付加物(b1)中のオキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の重量割合が特定の値である繊維用集束剤組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維用の集束剤に関する。
アラミド繊維、ガラス繊維及び炭素繊維等の各種繊維と、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂等のマトリックス樹脂との複合材料が、建築材料、スポーツ用具、レジャー用品及び航空機等の分野で広く利用されている。これらの繊維は加工工程において毛羽立ちや糸切れを防止するため、一般的に、集束剤が付与されている。
近年、複合材料を様々な用途へ展開すべく、その強度をさらに高めることが求められている。そのため、集束剤を高機能化し、複合材料の強度を向上させる開発が行われている。
例えば、特定のポリエステル樹脂を含有する集束剤(特許文献1)、水溶性高分子を含有する集束剤(特許文献2)、3級アミン化合物を含有する集束剤(特許文献3)が挙げられる。
特開2009−1954号公報 特開2015−165055号公報 特開2013−129934号公報
複合材料の物性向上には、繊維の特性を有効に生かすという点から、繊維とマトリックス樹脂との接着性、毛羽の観点から繊維束の集束性、マトリックス樹脂の含浸の観点から繊維束の幅が重要である。
よって、繊維とマトリックス樹脂との接着性に優れ、繊維の取扱い性(集束性)が良好で、かつ幅の広い繊維束を形成できる集束剤が望まれている。
これらの点で、特許文献1、2、3で提案された集束剤は、繊維とマトリックス樹脂との接着性、繊維の取扱い性(集束性)及び幅の広い繊維束の全てを満たすものではなく、その結果、複合材料の強度も十分でないという課題があった。
本発明の目的は、高い集束性を保持しながら、幅の広い繊維束を得ることができ、かつ、繊維とマトリックス樹脂との間に高い接着性を付与できる繊維用集束剤組成物を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリエステル樹脂(A)を含む繊維用集束剤組成物であって、
ポリエステル樹脂(A)が、カルボン酸成分(a)と、アルキレンオキサイド付加物(b1)を含むジオール成分(b)とのポリエステルであり、アルキレンオキサイド付加物(b1)が、1分子中にオキシプロピレン基を3〜100モル有し、オキシブチレン基は有しないアルキレンオキサイド付加物(b11)及び/又は1分子中にオキシブチレン基を3〜100モル有するアルキレンオキサイド付加物(b12)を含み、アルキレンオキサイド付加物(b1)中のオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計とオキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計との比[(オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計)/(オキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計)]が0.2〜1.0である繊維用集束剤組成物;前記繊維用集束剤組成物が水及び/又は有機溶剤に分散されてなる繊維用集束剤分散体;前記繊維用集束剤組成物が水及び/又は有機溶剤に溶解されてなる繊維用集束剤溶液;前記繊維用集束剤組成物で繊維を処理してなる繊維束;並びにこの繊維束を含有する繊維製品である。
本発明の繊維用集束剤組成物は、繊維束に良好な集束性を付与しながら、繊維束の幅を広くすることができ、かつ、繊維とマトリックス樹脂との間に高い接着性を付与できるという効果を奏する。
本発明の繊維用集束剤組成物は、ポリエステル樹脂(A)を必須成分として含む。
このポリエステル樹脂(A)は、カルボン酸成分(a)と、アルキレンオキサイド付加物(b1)を含むジオール成分(b)とのポリエステルである。
前記のアルキレンオキサイド付加物(b1)は、1分子中にオキシプロピレン基を3〜100モル有し、オキシブチレン基は有しないアルキレンオキサイド付加物(b11)及び/又は1分子中にオキシブチレン基を3〜100モル有するアルキレンオキサイド付加物(b12)を含む。
ここで、アルキレンオキサイド付加物(b11)は、1分子中にオキシプロピレン基を3〜100モル有し、オキシブチレン基は有しないものであれば、プロピレンオキサイド単独付加物でもよいし、エチレンオキサイド等との共付加物(ブロック状又はランダム状)でもよい。但し、ブチレンオキサイドとの共付加物(ブチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの3元共付加を含む)は(b12)又は(b14)として取り扱うものとする。
さらに、アルキレンオキサイド付加物(b1)中のオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計とオキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計との比[(オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計)/(オキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計)]は0.2〜1.0である。
本発明のポリエステル樹脂(A)は、カルボン酸成分(a)と、アルキレンオキサイド付加物(b1)を含むジオール成分(b)とのポリエステルである。
本発明のポリエステル樹脂(A)を構成するカルボン酸成分(a)としては、飽和脂肪族ジカルボン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、ダイマー酸、芳香族ジカルボン酸;及びこれらの無水物、又は低級アルコール(炭素数1〜8のアルコールが好ましい)とのエステル等が挙げられる。
飽和脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数2〜22の直鎖又は分岐の飽和脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、ジメチルマロン酸、α−メチルグルタル酸、β−メチルグルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸、イソプロピルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、イコサンジカルボン酸、デシルコハク酸、ドデシルコハク酸及びオクタデシルコハク酸等)等が挙げられる。
不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数4〜22の直鎖又は分岐の不飽和脂肪族ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸及びオクタデセニルコハク酸等)等が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、炭素数7〜14の脂環式ジカルボン酸(1,3−又は1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジ酢酸及びジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸等)等が挙げられる。
ダイマー酸としては、炭素数8〜24の直鎖又は分岐の不飽和脂肪族カルボン酸(オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸等)の二量体等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フェニルマロン酸、フェニルコハク酸、β−フェニルグルタル酸、α−フェニルアジピン酸、β−フェニルアジピン酸、ビフェニル−2,2’−又は4,4’−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム及び5−スルホイソフタル酸カリウム等)等が挙げられる。
カルボン酸の無水物としては、上記ジカルボン酸の無水物、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸及び無水フタル酸等が挙げられる。
カルボン酸と低級アルコールとのエステルとしては、上記ジカルボン酸の低級アルコール(メタノール及びエタノール等)とのエステル、例えば、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム等があげられる。
前記のカルボン酸成分(a)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、集束性の観点から好ましいのは、炭素数2〜22の直鎖又は分岐の飽和脂肪族ジカルボン酸、炭素数4〜22の直鎖又は分岐の不飽和脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸であり、更に好ましくはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸及びこれらのうちの2種以上の併用であり、特に好ましくはアジピン酸、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらのうちの2種以上の併用である。
本発明のポリエステル樹脂(A)を構成するジオール成分(b)は、集束性の観点からアルキレンオキサイド付加物(b1)を必須成分として含む。
アルキレンオキサイド付加物(b1)としては、活性水素基を有する化合物〔後述の2価アルコール(b2)[直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオール等]及び1級アミン等〕にアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」をAOと略記することがある。)を付加した化合物が挙げられる。
ここで、前記のアルキレンオキサイド付加物(b1)のうち、繊維とマトリックス樹脂との接着性の観点から好ましいのは直鎖又は分岐の脂肪族ジオールのアルキレンオキサイド付加物及び芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物であり、更に好ましいのは、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物及び/又は炭素数2〜6のアルキレングリコールのアルキレンオキサイド付加物である。
また、前記のアルキレンオキサイド付加物(b1)としては、1分子中にオキシプロピレン基を3〜100モル有し、オキシブチレン基は有しないアルキレンオキサイド付加物(b11);1分子中にオキシブチレン基を3〜100モル有するアルキレンオキサイド付加物(b12);オキシプロピレン基もオキシブチレン基も有さず、オキシエチレン基を有するアルキレンオキサイド付加物(b13);及びこれら(b11)〜(b13)以外のアルキレンオキサイド付加物(b14)等が挙げられる。
前記のアルキレンオキサイド付加物(b1)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の(b1)の原料となる1級アミンとしては、炭素数1〜22の1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン及びドデシルアミン等)等が挙げられる。
活性水素基を有する化合物に付加するAOとしては、炭素数2〜4のAO[エチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」をEOと略記することがある。)、1,2−プロピレンオキサイド、1,3−プロピレンオキサイド、(以下、これらの「プロピレンオキサイド」をPOと略記することがある。)、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド及び2,3−ブチレンオキサイド(以下、これらの「ブチレンオキサイド」をBOと略記することがある。)等が挙げられる。
これらのAOは2種以上を併用してもよく、2種以上の併用の場合の結合様式は、ブロック付加、ランダム付加及びこれらの併用のいずれでもよい。
また、POとして、好ましいのは1,2−プロピレンオキサイドであり、BOとして好ましいのは1,2−ブチレンオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド(テトラヒドロフラン)である。
また、アルキレンオキサイド付加物(b1)は、繊維束の幅の観点から、1分子中にオキシプロピレン基を3〜100モル有し、オキシブチレン基は有しないアルキレンオキサイド付加物(b11)及び/又は1分子中にオキシブチレン基を3〜100モル有するアルキレンオキサイド付加物(b12)を必須成分として含む。
前述したように、アルキレンオキサイド付加物(b11)は、1分子中にオキシプロピレン基を3〜100モル有し、オキシブチレン基は有しないものであれば、プロピレンオキサイド単独付加物でもよいし、エチレンオキサイド等との共付加物でもよい。但し、ブチレンオキサイドとの共付加物(ブチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの3元共付加を含む)は(b12)又は(b14)として取り扱うものとする。
前記の(b11)1分子が有するオキシプロピレン基のモル数は、繊維束の幅の観点から、3〜80モルであることが好ましい。
前記の(b11)としては、後述の2価アルコール(b2)[直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオール等]からブタンジオール(1,4−ブタンジオール等)を除いたアルコール又は1級アミンに、プロピレンオキサイド単独付加、又はプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドを付加した下記のもの等が挙げられる。
2種以上のアルキレンオキサイドを併用する場合の結合様式は、ブロック付加、ランダム付加及びこれらの併用のいずれでもよい。
前記の(b11)のうち、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール(炭素数2〜16)のAO付加物としては、具体的には、エチレングリコールのPO3モル付加物、エチレングリコールのPO15モル付加物、エチレングリコールのPO100モル付加物、プロピレングリコールのPO2モル付加物、プロピレングリコールのPO10モル付加物、プロピレングリコールのPO20モル付加物、プロピレングリコールのPO30モル付加物、プロピレングリコールのPO99モル付加物、プロピレングリコールのPO2モル/EO10モル付加物(ブロック付加物)、プロピレングリコールのPO10モル/EO10モル付加物(ブロック付加物)、プロピレングリコールのPO10モル/EO10モルモル付加物(ランダム付加物)、1,6−ヘキサンジオールPO10モル付加物、オクタンジオールPO10モル付加物、デカンジオールPO15モル付加物、ドデカンジオールPO20モル付加物、ヘキサデカンジオールPO20モル付加物及びネオペンチルグリコールPO30モル付加物等が挙げられる。
前記の(b11)のうち、脂環式ジオール(炭素数4〜16)のAO付加物としては、具体的には、水素化ビスフェノールAのPO20モル付加物等が挙げられる。
前記の(b11)のうち、芳香族ジオール(炭素数6〜15)のAO付加物としては、具体的には、ビスフェノールAのPO3モル付加物、ビスフェノールAのPO10モル付加物、ビスフェノールAのPO20モル付加物及びビスフェノールAのPO100モル付加物等が挙げられる。
前記の(b11)のうち、1級アミン(炭素数1〜22)のAO付加物としては、具体的には、ドデシルアミンのPO15モル付加物等が挙げられる。
アルキレンオキサイド付加物(b11)のうちで、繊維とマトリックス樹脂との接着性の観点から好ましいのは、直鎖又は分岐の脂肪族ジオールのAO付加物及び芳香族ジオールのAO付加物であり、更に好ましいのはビスフェノールAのAO付加物及び炭素数2〜6のアルキレングリコール(ブタンジオールを除く)のAO付加物(プロピレングリコールのAO付加物等)である。
1分子中にオキシブチレン基を3〜100モル有するアルキレンオキサイド付加物(b12)としては、後述の2価アルコール(b2)[直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオール等]又は1級アミンに、ブチレンオキサイド単独付加、ブチレンオキサイドとエチレンオキサイドを共付加、又はブチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを共付加した下記のもの等が挙げられる。
2種以上のアルキレンオキサイドを併用する場合の結合様式は、ブロック付加、ランダム付加及びこれらの併用のいずれでもよい。
前記の(b12)1分子が有するオキシブチレン基のモル数は、繊維束の幅の観点から、3〜20モルであることが好ましい。
前記の(b12)のうち、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール(炭素数2〜16)のAO付加物としては、具体的には、エチレングリコールのBO3モル付加物、エチレングリコールのBO15モル付加物、プロピレングリコールのBO15モル/EO10モル付加物(ブロック付加物)、1,4−ブタンジオールBO10モル付加物、1,4−ブタンジオールBO10モル/PO5モル/EO5モル付加物(ブロック付加物)、1,6−ヘキサンジオールBO10モル付加物、オクタンジオールBO10モル付加物、デカンジオールBO10モル付加物、ドデカンジオールBO30モル/EO50モル付加物(ブロック付加物)、ヘキサデカンジオールBO50モル付加物及びネオペンチルグリコールBO10モル付加物等が挙げられる。
前記の(b12)のうち、脂環式ジオール(炭素数4〜16)のAO付加物としては、具体的には、水素化ビスフェノールAのBO15モル付加物等が挙げられる。
前記の(b12)のうち、芳香族ジオール(炭素数6〜15)のAO付加物としては、具体的には、ビスフェノールAのBO3モル付加物、ビスフェノールAのPO5モル/BO10モル付加物(ランダム付加物)、ビスフェノールAのBO15モル付加物、ビスフェノールAのBO30モル/EO10モル付加物(ランダム付加物)及びビスフェノールAのBO50モル/EO50モル付加物(ブロック付加物)等が挙げられる。
前記の(b12)のうち、1級アミン(炭素数1〜22)のAO付加物としては、具体的には、ドデシルアミンのBO100モル付加物等が挙げられる。
アルキレンオキサイド付加物(b12)のうちで、繊維とマトリックス樹脂との接着性の観点から好ましいのは、直鎖又は分岐の脂肪族ジオールのAO付加物及び芳香族ジオールのAO付加物であり、更に好ましいのはビスフェノールAのAO付加物及び炭素数2〜6のアルキレングリコールのAO付加物(ブチレングリコールのAO付加物等)である。
オキシプロピレン基もオキシブチレン基も有さず、オキシエチレン基を有するアルキレンオキサイド付加物(b13)としては、後述の2価アルコール(b2)[直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオール等]からプロピレングリコール(1,2−プロピレングリコール及び1,3−プロピレングリコール等)及びブタンジオール(1,4−ブタンジオール等)を除いたアルコール又は1級アミンに、エチレンオキサイド等を付加した下記のもの等が挙げられる。
前記の(b13)1分子が有するオキシエチレン基のモル数は、繊維束の幅の観点から3〜600モルであることが好ましく、3〜500モルであることが更に好ましく、3〜100モルであることが特に好ましく、3〜50モルであることが最も好ましい。
前記の(b13)のうち、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール(炭素数2〜16)のAO付加物としては、具体的には、エチレングリコールのEO3モル付加物、エチレングリコールのEO23モル付加物、エチレングリコールのEO90モル付加物、エチレングリコールのEO200モル付加物、エチレングリコールのEO500モル付加物、1,6−ヘキサンジオールEO100モル付加物、オクタンジオールEO100モル付加物、デカンジオールEO100モル付加物、ドデカンジオールEO100モル付加物、ヘキサデカンジオールEO100モル付加物及びネオペンチルグリコールEO100モル付加物等が挙げられる。
前記の(b13)のうち、脂環式ジオール(炭素数4〜16)のAO付加物としては、具体的には、水素化ビスフェノールAのEO4モル付加物等が挙げられる。
前記の(b13)のうち、芳香族ジオール(炭素数6〜15)のAO付加物としては、具体的には、ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物、ビスフェノールAのEO50モル付加物、ビスフェノールAのEO200モル付加物、ビスフェノールAのEO500モル付加物及びビスフェノールAのEO50モル付加物等が挙げられる。
前記の(b13)のうち、1級アミン(炭素数1〜22)のAO付加物としては、具体的には、ドデシルアミンのEO10モル付加物及びドデシルアミンのEO50モル付加物等が挙げられる。
アルキレンオキサイド付加物(b13)のうちで、繊維とマトリックス樹脂との接着性の観点から好ましいのは、直鎖又は分岐の脂肪族ジオールのAO付加物及び芳香族ジオールのAO付加物であり、更に好ましいのはビスフェノールAのAO付加物及び炭素数2〜6のアルキレングリコール(プロピレングリコール及びブタンジオールを除く)のAO付加物(エチレングリコールのAO付加物等)である。
前記の(b11)〜(b13)以外のアルキレンオキサイド付加物(b14)としては、後述の2価アルコール(b2)[直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオール等]又は1級アミンのAO付加物であって、オキシプロピレン基を3モル未満又は100モルを超えて有し、オキシブチレン基は有しないAO付加物、及び後述の2価アルコール(b2)[直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオール等]又は1級アミンのAO付加物であって、オキシブチレン基を3モル未満又は100モルを超えて有するAO付加物である下記のもの等が挙げられる。
前記の(b14)のうち、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール(炭素数2〜16)のAO付加物としては、具体的には、エチレングリコールのPO2モル付加物、エチレングリコールのPO250モル付加物、プロピレングリコールのPO1モル/EO10モル付加物(ブロック付加物)、1,6−ヘキサンジオールのBO1モル付加物、1,6−ヘキサンジオールのBO210モル付加物及び1,6−ヘキサンジオールのBO2モル/PO1モル/EO10付加物(ブロック付加物)等が挙げられる。
前記の(b14)のうち、脂環式ジオール(炭素数4〜16)のAO付加物としては、具体的には、水素化ビスフェノールAのPO1モル/BO1モル/EO5モル付加物(ブロック付加物)等が挙げられる。
前記の(b14)のうち、芳香族ジオール(炭素数6〜15)のAO付加物としては、具体的には、ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO205モル付加物及びビスフェノールAのBO2モル付加物等が挙げられる。
前記の(b14)のうち、1級アミン(炭素数1〜22)のAO付加物としては、具体的には、ドデシルアミンのPO2モル付加物等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂(A)を構成するジオール成分(b)は、アルキレンオキサイド付加物(b1)以外にもその他の2価アルコール(b2)を含有していても良い。
前記の2価アルコール(b2)としては、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール等が挙げられる。
直鎖又は分岐の脂肪族ジオールとして好ましいものとしては、アルキレングリコールが挙げられ、中でも更に好ましいものとしては炭素数2〜16のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ヘキサデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等)等が挙げられる。
脂環式ジオールとしては、炭素数4〜16の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等)等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、炭素数6〜15の芳香族ジオール(ビスフェノールA、ビスフェノールS及びヒドロキノン等)等が挙げられる。
前記の通り、本発明のポリエステル樹脂(A)を構成するアルキレンオキサイド付加物(b1)中のオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計とオキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計との比[(オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計)/(オキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計)]は0.2〜1.0であり、好ましくは0.3〜1.0である。
この比が0.2未満であると、繊維束の幅及び繊維とマトリックス樹脂との接着性が悪化する。
上記オキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基のそれぞれの含有重量は、ポリエステル樹脂(A)製造時の各原料の仕込み重量から計算する以外にも、例えばNMR測定により求めることができる。
ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量は、取扱い性(集束性)の観点から、1,000〜20,000であることが好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以降GPCと略記)を用いて以下の条件で測定することができる。
装置(一例):東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例):TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度:40℃
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をアパチャー1μmのPTFEフィルターでろ過したものを用いる)
移動相:テトラヒドロフラン(重合禁止剤を含まない)
溶液注入量:100μl
検出装置:屈折率検出器
基準物質:東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(重量平均分子量: 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
ポリエステル樹脂(A)を製造する方法としては、例えば、カルボン酸成分(a)及びジオール成分(b)を所定のモル比で仕込み、反応温度100〜250℃、圧力−0.1〜1.2MPaで撹拌下、水を溜去させる方法が挙げられる。前記の方法で得られた反応物に、さらにジオール成分(b)を加えて反応させてもよい。
ここで、前記のカルボン酸成分(a)が有するカルボキシ基と、ジオール成分(b)が有する水酸基との当量比[(a)が有するカルボキシ基/(b)が有する水酸基]は、特に限定されないが、取扱い性(集束性)の観点から好ましくは1/0.5〜1/2である。
ポリエステル樹脂(A)を製造するときには、触媒をポリエステル樹脂(A)の重量に基づいて0.05〜0.5重量%加えることが好ましい。触媒としては、パラトルエンスルホン酸、ジブチルチンオキサイド、テトライソプロポキシチタネート及びシュウ酸チタン酸カリウム等が挙げられ、反応性及び環境への影響の観点からテトライソプロポキシチタネート及びシュウ酸チタン酸カリウムが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
本発明の繊維用集束剤組成物は、ポリエステル樹脂(A)以外に、ポリエステル樹脂(A)以外の樹脂(B)を含有してもよい。
本発明の繊維用集束剤組成物が、ポリエステル樹脂(A)以外の樹脂(B)を含有すると、マトリックス樹脂の繊維束に対する含浸性が良くなるため、複合材料の強度に優れる。
この目的で併用するポリエステル樹脂(A)以外の樹脂(B)としては、熱硬化性樹脂[エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリレート変性樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等]及び熱可塑性樹脂[ポリアミド樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂(A)以外のポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びポリスチレン樹脂等]等が挙げられる。
樹脂(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。また、ポリエステル樹脂(A)及び(A)以外のポリエステル樹脂には、不飽和ポリエステル樹脂は含まれないものとする。
樹脂(B)のうち、複合材料の強度等の観点から、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及び前記ポリエステル樹脂(A)以外のポリエステル樹脂が好ましく、更に好ましくはエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂であり、特に好ましくはエポキシ樹脂であり、最も好ましくはビスフェノールAのジグリシジルエーテルとエピクロルヒドリンとの縮合物である。
本発明の繊維用集束剤組成物は、界面活性剤(C)を含有してもよい。
界面活性剤(C)を含有すると、無機繊維に付着した集束剤が平滑になり易いため、無機繊維束の耐擦過性が更に優れ、有機溶剤を多量に含有しない水性エマルションを作製しやすい。
界面活性剤(C)としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤等の界面活性剤等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
界面活性剤(C)のうち好ましいのは、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及びこれらの併用である。
更に好ましいのはアルキルフェノールのAO付加物、アリールアルキルフェノール(スチレン化フェノール、スチレン化クミルフェノール及びスチレン化クレゾール等)のAO付加物、アルキルフェノールのAO付加物の硫酸エステル塩、アリールアルキルフェノールのAO付加物の硫酸エステル塩及びこれらの混合物であり、特に好ましいのは、アリールアルキルフェノールのAO付加物、アリールアルキルフェノールのAO付加物の硫酸エステル塩及びこれらの混合物である。
本発明の繊維用集束剤組成物には、必要に応じてその他の添加剤を加えても良い。
前記のその他の添加剤としては、平滑剤、防腐剤及び酸化防止剤等が挙げられる。
平滑剤としては、ワックス類(ポリエチレン、ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン、変性ポリエチレン及び変性ポリプロピレン等)、高級脂肪酸アルキル(炭素数1〜24)エステル類(メチルステアレート、エチルステアレート、プロプルステアレート、ブチルステアレート、オクチルステアレート及びステアリルステアレート等)、高級脂肪酸(ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸等)等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸類、サリチル酸類、ソルビン酸類及び第4級アンモニウム塩類イミダゾール類等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール類(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等)、チオジプロピオネート類(ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート等)及びホスファイト類(トリフェニルホスファイト等)等が挙げられる。
これらのその他の添加剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
繊維用集束剤組成物が含有する前記のポリエステル樹脂(A)の重量割合は、繊維用集束剤組成物の合計重量に基づき、取扱い性(集束性)の観点から、10〜100重量%であることが好ましく、更に好ましくは10〜90重量%であり、特に好ましくは15〜80重量%であり、とりわけ好ましくは20〜70重量%であり、最も好ましくは40〜70重量%である。
繊維用集束剤組成物が前記の樹脂(B)を含有する場合、その重量割合は、繊維用集束剤組成物の合計重量に基づき、繊維とマトリックス樹脂との接着性の観点から、好ましくは0〜90重量%であり、更に好ましくは1〜85重量%であり、特に好ましくは5〜80重量%であり、とりわけ好ましくは10〜75重量%であり、最も好ましくは10〜50重量%である。
繊維用集束剤組成物が前記の界面活性剤(C)を含有する場合、その重量割合は、繊維用集束剤組成物の合計重量に基づき、繊維束の集束性の観点から、好ましくは0〜20重量%であり、更に好ましくは0.5〜20重量%であり、特に好ましくは1〜15重量%であり、最も好ましくは2〜10重量%である。
繊維用集束剤組成物が前記のその他の添加剤を含有する場合、その重量割合は、繊維用集束剤組成物の合計重量に基づき、取扱い性(集束性)の観点から、好ましくは0.1〜10重量%であり、更に好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の繊維用集束剤組成物の製造方法に特に制限はないが、例えば、混合容器に、ポリエステル樹脂(A)、並びに、必要により、樹脂(B)、界面活性剤(C)及びその他の添加剤を投入順序に特に制限なく投入し、好ましくは20〜150℃で、更に好ましくは50〜120℃で均一になるまで撹拌して製造する方法等が挙げられる。
本発明の繊維用集束剤分散体は、本発明の繊維用集束剤組成物が溶剤に分散されてなることが好ましい。
また、本発明の繊維用集束剤溶液は、本発明の繊維用集束剤が溶剤に溶解されてなることが好ましい。
繊維用集束剤組成物を溶剤に溶解又は分散することにより、繊維束への繊維用集束剤組成物の付着量を適量にすることが容易になる。
前記の溶剤としては、水及び有機溶剤等が挙げられる。
前記の有機溶剤としては、炭素数1〜4の1価のアルコール(メタノール、エタノール及びイソプロパノール等)、炭素数2〜6のグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等)、そのモノ低級アルキル(好ましくは炭素数1〜8)エーテル、炭素数3〜6のケトン(アセトン、エチルメチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、ジメチルホルムアミド、芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等)及び炭素数3〜5の酢酸アルキルエステル(酢酸メチル及び酢酸エチル等)等が挙げられる。
これらの溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の溶剤のうち、火気などの安全性等の観点から好ましいのは、水、及び水混和性有機溶剤(エタノール等)と水との混合溶剤であり、更に好ましいのは水である。
本発明の繊維用集束剤分散体及び繊維用集束剤溶液は、コスト等の観点から、流通時は高濃度であって、繊維束の製造時は低濃度であることが好ましい。すなわち、高濃度で流通することで輸送コスト及び保管コスト等を低下させ、低濃度で繊維を処理することで、優れた集束性と開繊性とを両立した繊維束を製造することができる。
繊維用集束剤分散体及び繊維用集束剤溶液が高濃度の場合の濃度(溶剤以外の成分の重量割合)は、保存安定性等の観点から、好ましくは30〜80重量%であり、更に好ましくは40〜70重量%である。
繊維用集束剤分散体及び繊維用集束剤溶液が低濃度の場合の濃度(溶剤以外の成分の重量割合)は、繊維束の製造時に繊維用集束剤の付着量を適量にすることができるという観点等から、好ましくは0.5〜15重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。
本発明の繊維用集束剤分散体及び繊維用集束剤溶液の製造方法に特に制限はないが、例えば、上記の方法で得られた本発明の繊維用集束剤組成物に溶剤を投入して、繊維用集束剤組成物を溶剤中に溶解又は乳化分散させる方法が挙げられる。
繊維用集束剤組成物を溶剤中に溶解又は乳化分散する際の温度は、混合し易さの観点から、好ましくは20〜90℃であり、更に好ましくは40〜90℃である。
繊維用集束剤組成物を溶剤中に溶解又は乳化分散する時間は、好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜10時間である。
繊維用集束剤組成物を水性媒体中に溶解又は乳化分散する際には、公知の混合装置、溶解装置及び乳化分散装置を使用することができ、具体的には、撹拌羽根(羽根形状:カイ型及び三段パドル等)、ナウタミキサー[ホソカワミクロン(株)製等]、リボンミキサー、コニカルブレンダー、モルタルミキサー、万能混合機{万能混合撹拌機「5DM−L」[(株)三英製作所製]等}、ヘンシエルミキサー[日本コークス工業(株)等]及びオートクレーブ等が使用できる。
本発明の繊維用集束剤組成物、繊維用集束剤分散体又は繊維用集束剤溶液を適用できる繊維としては、無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維及びスラッグ繊維等)及び有機繊維(アラミド繊維等)等が挙げられ、成形体強度の観点から炭素繊維が好ましい。
本発明の繊維束の製造方法においては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維及びスラッグ繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種の繊維を、上記の繊維用集束剤組成物、あるいはこの集束剤組成物が分散された繊維用集束剤分散体又はこの集束剤組成物が溶解された繊維用集束剤溶液で処理して繊維束が得られる。
得られる繊維束は、3,000〜50,000本程度の繊維が束ねられていることが好ましい。
繊維の処理方法としては、スプレー法又は浸漬法等が挙げられる。繊維上への繊維用集束剤組成物の付着量は、繊維の重量に基づいて、好ましくは0.05〜5重量%であり、更に好ましくは0.2〜2.5重量%である。繊維用集束剤組成物の付着量がこの範囲であると、集束性に優れる。
本発明の繊維製品は、前記のように本発明の繊維用集束剤組成物、繊維用集束剤分散体又は繊維用集束剤溶液で処理された繊維束とマトリックス樹脂とからなる。本発明の繊維製品は、必要により、後述の触媒を含有してもよい。
マトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂(ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリフェニレンスルフィド等)及び熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂及びフェノール樹脂等)等が挙げられる。
エポキシ樹脂用の触媒としては、公知(特開2005−213337号公報に記載のもの等)のエポキシ樹脂用硬化剤及び硬化促進剤等が挙げられる。
また、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂用の触媒としては、過酸化物[ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエイト、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン及びジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等]及びアゾ系化合物(アゾビスイソバレロニトリル等)等が挙げられる。
本発明の繊維製品において、マトリックス樹脂と繊維束との重量比(マトリックス樹脂/繊維束)は、成形体強度等の観点から、好ましくは10/90〜90/10であり、更に好ましくは20/80〜70/30であり、特に好ましくは30/70〜60/40である。
繊維製品が触媒を含有する場合、触媒の含有率は、成形体強度等の観点から、マトリックス樹脂に対して好ましくは0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.1〜5重量%であり、特に好ましくは1〜3重量%である。
繊維製品は、熱溶融(溶融温度:60〜350℃)したマトリックス樹脂、又は溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン及び酢酸エチル等)で希釈したマトリックス樹脂を、繊維束に含浸させることで製造できる。溶剤を使用した場合、プリプレグを乾燥させて溶剤を除去することが好ましい。
本発明の繊維製品を成形することによって、繊維強化複合材料が得られる。マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂である場合、プリプレグを加熱成形し、常温で固化することで成形体とすることができる。マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である場合、プリプレグを加熱成形し、硬化することで成形体とすることができる。硬化は完結している必要はないが、成形体が形状を維持できる程度に硬化していることが好ましい。成形後、更に加熱して完全に硬化させてもよい。加熱成形の方法は特に限定されず、例えばフィラメントワインディング成形法(回転するマンドレルに張力をかけながら巻き付け、加熱成形する方法)、プレス成形法(プリプレグシートを積層して加熱成形する方法)、オートクレーブ法(プリプレグシートを型に圧力をかけ押しつけて加熱成形する方法)及びチョップドファイバー又はミルドファイバーをマトリックス樹脂と混合して射出成形する方法等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
また、製造例5〜11及び比較例1〜2で製造したポリエステル樹脂の重量平均分子量は、GPCを用いて以下の条件で測定した。
装置:東ソー(株)製 HLC−8120
カラム:TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度:40℃
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をアパチャー1μmのPTFEフィルターでろ過したものを用いる)
移動相:テトラヒドロフラン(重合禁止剤を含まない)
溶液注入量:100μl
検出装置:屈折率検出器
基準物質:東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(重量平均分子量: 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
<製造例1 ビスフェノールAのPO(1,2−プロピレンオキサイド)10モル付加物(b11−1)の製造>
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、ビスフェノールAのPO(1,2−プロピレンオキサイド)3モル付加物「ニューポールBP−3P」[三洋化成工業(株)製]402重量部(1モル部)、及び水酸化カリウム2重量部を投入し、窒素置換後、圧力を−0.08MPaとした。120℃に昇温し、PO(1,2−プロピレンオキサイド)406重量部(7モル部)を圧力が0.5MPaG以下になるように調整しながら6時間かけて滴下した後、120℃で5時間熟成した。次いで100℃に冷却後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]30重量部を投入し、100℃で1時間撹拌して処理した後、吸着処理剤をろ過してビスフェノールAのPO(1,2−プロピレンオキサイド)10モル付加物(b11−1)を得た。
<製造例2 ビスフェノールAのEO40モル付加物(b13−1)の製造>
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、ビスフェノールAのEO4モル付加物「ニューポールBPE−40」[三洋化成工業(株)製]404重量部(1モル部)、及び水酸化カリウム2重量部を投入し、窒素置換後、圧力を−0.08MPaとした。130℃に昇温し、EO1584重量部(36モル部)を圧力が0.5MPaG以下になるように調整しながら6時間かけて滴下した後、130℃で3時間熟成した。次いで100℃に冷却後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]30重量部を投入し、100℃で1時間撹拌して処理した後、吸着処理剤をろ過してビスフェノールAのEO40モル付加物(b13−1)を得た。
<製造例3 ビスフェノールAのBO(1,2−ブチレンオキサイド)10モル付加物(b12−1)の製造>
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、ビスフェノールA228重量部(1モル部)、トルエン400重量部及び水酸化カリウム2重量部を投入し、窒素置換した。100℃に昇温し、BO(1,2−ブチレンオキサイド)720重量部(10モル部)を圧力が0.5MPaG以下になるように調整しながら12時間かけて滴下した後、120℃で5時間熟成し、−0.1MPaにてトルエンを除去した。次いで100℃に冷却後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]30重量部を投入し、100℃で1時間撹拌して処理した後、吸着処理剤をろ過してビスフェノールAのBO(1,2−ブチレンオキサイド)10モル付加物(b12−1)を得た。
<製造例4 ビスフェノールAのPO(1,2−プロピレンオキサイド)4モル付加物(b11−4)>
製造例1において、PO(1,2−プロピレンオキサイド)406重量部(7モル部)を58重量部(1モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、ビスフェノールAのPO(1,2−プロピレンオキサイド)4モル付加物(b11−4)460重量部を得た。
<製造例5 ポリエステル樹脂(A−1)の製造>
ビスフェノールAのEO2モル付加物(b13−2)「ニューポールBPE−20」[三洋化成工業(株)製]316重量部(1モル部)、製造例1で得られたビスフェノールAのPO10モル付加物(b11−1)539重量部(0.67モル部)、製造例2で得られたビスフェノールAのEO40モル付加物(b13−1)676重量部(0.34モル部)、テレフタル酸(a−1)299重量部(1.80モル部)及びシュウ酸チタン酸カリウム5重量部を、ガラス反応容器中、230℃で0.001MPaまで減圧し水を留去しながら15時間反応させ、本発明のポリエステル樹脂(A−1)[重量平均分子量:8,900]1776重量部を得た。
<製造例6ポリエステル樹脂(A−2)の製造>
ビスフェノールAのEO2モル付加物(b13−2)316重量部(1モル部)、ポリオキシプロピレングリコール(b11−2)「ニューポールPP−1000」[三洋化成工業(株)製、数平均分子量1,000]667重量部(0.67モル部)、ポリオキシエチレングリコール(b13−3)「PEG−1000」[三洋化成工業(株)製、数平均分子量1,000]776重量部(0.78モル部)、テレフタル酸(a−1)344重量部(2.07モル部)及びシュウ酸チタン酸カリウム10重量部を、ガラス反応容器中、230℃で0.001MPaまで減圧し水を留去しながら15時間反応させ、ポリエステル樹脂(A−2)[重量平均分子量:5,700]2039重量部を得た。
<製造例7 ポリエステル樹脂(A−3)の製造>
製造例5において、ビスフェノールAのPO10モル付加物(b11−1)を製造例3で得られたビスフェノールAのBO10モル付加物(b12−1)581重量部(0.61モル部)に、ビスフェノールAのEO40モル付加物(b13−1)を613重量部(0.31モル部)に、テレフタル酸(a−1)をフマル酸(a−2)206重量部(1.78モル部)に変更した以外は製造例5と同様にして、ポリエステル樹脂(A−3)[重量平均分子量:12,000]1663重量部を得た。
<製造例8 ポリエステル樹脂(A−4)の製造>
製造例5において、ビスフェノールAのEO40モル付加物(b13−1)を投入せず、テレフタル酸(a−1)を216重量部(1.30モル部)に変更した以外は製造例5と同様にして、ポリエステル樹脂(A−4)[重量平均分子量:2,900]1035重量部を得た。
<製造例9 ポリエステル樹脂(A−5)の製造>
製造例6において、ポリオキシエチレングリコール(b13−3)をポリオキシエチレングリコール(b13−4)「PEG−20000」[三洋化成工業(株)製、数平均分子量2,000]373重量部(0.02モル部)に、テレフタル酸(a−1)を248重量部(1.50モル部)に変更した以外は製造例6と同様にして、ポリエステル樹脂(A−5)[重量平均分子量:8,400]1561重量部を得た。
<製造例10 ポリエステル樹脂(A−6)の製造>
製造例6において、ポリオキシエチレングリコール(b13−3)を投入せず、ポリオキシプロピレングリコール(b11−2)をポリオキシプロピレングリコール(b11−3)「ニューポールPP−4000」[三洋化成工業(株)製、数平均分子量4,150]6225重量部(1.50モル部)に、テレフタル酸(a−1)を262重量部(1.58モル部)に変更した以外は製造例6と同様にして、ポリエステル樹脂(A−6)[重量平均分子量:7,400]6757重量部を得た。
<製造例11 ポリエステル樹脂(A−7)の製造>
製造例5において、ビスフェノールAのPO10モル付加物(b11−1)を製造例4で得られたビスフェノールAのPO4モル付加物(b11−4)690重量部(1.50モル部)に、ビスフェノールAのEO40モル付加物(b13−1)を627重量部(0.32モル部)に、テレフタル酸(a−1)を376重量部(2.27モル部)に変更した以外は製造例5と同様にして、ポリエステル樹脂(A−7)[重量平均分子量:3,700]1938重量部を得た。
<比較製造例1 ポリエステル樹脂(A’−1)の製造>
ビスフェノールAのEO2モル付加物(b13−2)316重量部(1モル部)、ビスフェノールAのEO40モル付加物(b13−1)1761重量部(0.89モル部)、テレフタル酸(a−1)113重量部(0.68モル部)及びシュウ酸チタン酸カリウム5重量部を、ガラス反応容器中、230℃で0.001MPaまで減圧し水を留去しながら15時間反応させ、比較のためのポリエステル樹脂(A’−1)[重量平均分子量:1,800]2177重量部を得た。
<比較製造例2 ポリエステル樹脂(A’−2)の製造>
製造例5において、ビスフェノールAのPO10モル付加物(b11−1)を52重量部(0.06モル部)に、ビスフェノールAのEO40モル付加物(b13−1)を357重量部(0.18モル部)に、テレフタル酸(a−1)を131重量部(0.79モル部)に変更した以外は製造例5と同様にして、比較のためのポリエステル樹脂(A’−2)[重量平均分子量:1,900]838重量部を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜2
表1に記載の重量部のポリエステル樹脂(A)、エポキシ樹脂[ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとエピクロルヒドリンとの縮合物、商品名:「JER834」、三菱化学(株)製]、界面活性剤[スチレン化フェノールのプロピレンオキサイドエチレンオキサイド付加物「Soprophor 796/P」、ソルベイ日華(株)製]、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を混合し、固形分濃度1.5重量%の繊維用集束剤組成物の溶液を作製した。
実施例8
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び滴下ロートを備えた反応容器に、表1に記載の重量部のポリエステル樹脂(A)、エポキシ樹脂[ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとエピクロルヒドリンとの縮合物、商品名:「JER834」、三菱化学(株)製]、界面活性剤[スチレン化フェノールのプロピレンオキサイドエチレンオキサイド付加物「Soprophor 796/P」、ソルベイ日華(株)製]を投入し、加温しながら5分間撹拌の後、水を滴下ロートから1時間かけて滴下し、固形分濃度1.5重量%の繊維用集束剤組成物の分散液を作製した。
なお、表1に、(b1)中のオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計とオキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計との比[(オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計)/(オキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計)]を記載する。
実施例1〜7で得た繊維用集束剤組成物の溶液、実施例8で得た繊維用集束剤組成物の分散体及び比較例1〜2で得た繊維用集束剤組成物の溶液を用いて、以下の評価方法で、炭素繊維束の集束性、繊維束幅及び接着性を評価した。
<集束性の評価>
繊維用集束剤組成物の溶液又は繊維用集束剤組成物の分散体に、未処理炭素繊維(繊度800tex、フィラメント数12,000本)を浸漬して集束剤を含浸させ、その後、繊維用集束剤組成物の溶液又は繊維用集束剤組成物の分散体から取り出した炭素繊維を、180℃で3分間熱風乾燥させて炭素繊維束を作製した。
得られた炭素繊維束の集束性を、JIS L1096−1999 8.19.1 A法(45°カンチレバー法)に準じて評価した。数値が大きいほど集束性に優れることを意味する。
この処理条件で得られた炭素繊維束をカンチレバーで評価した集束性の値は、一般に13cm以上が好ましい。
<繊維束幅の評価>
上記の方法にて得られた炭素繊維束の幅を測定し、繊維束幅(mm)を評価した。数値が大きいほど幅の広い繊維束が得られ、マトリックス樹脂の含浸に優位であることを意味する。
炭素繊維束の繊維束幅は、一般に9mm以上が好ましい。
<接着性の評価>
マイクロドロップレット法により接着性を評価した。(1)上記の方法にて得られた炭素繊維束から、炭素繊維フィラメントを取り出し、試料ホルダーにセットした。
(2)エポキシ樹脂「JER828」[三菱化学(株)製]100重量部、硬化剤「JERキュアW」[三菱化学(株)製]25重量部からなるマトリックス樹脂のドロップを炭素繊維フィラメント上に形成し、100℃×2時間、175℃×4時間加熱し硬化させ測定用の試料を得た。
(3)測定試料を複合材料界面特性評価装置HM410[東栄産業株式会社製]にセットし、炭素繊維フィラメントからドロップを引き抜く際の最大引き抜き荷重Fを測定した。
(4)界面剪断強度τを次式により算出した。

界面剪断強度τ(単位:MPa)=F/πdl
[但し、F:最大引き抜き荷重 d:炭素繊維フィラメント直径 l:ドロップの引き抜き方向の粒子径を表す。]
この値が大きいほど接着性が高いことを意味し、一般に50MPa以上が好ましい。
本発明の実施例1〜7の集束剤組成物の溶液で処理した炭素繊維及び実施例8の繊維用集束剤組成物の分散体で処理した炭素繊維は、集束性、繊維束幅及び接着性のいずれの評価でも良好な結果を示した。
一方、比較例1のように、ジオール成分にプロピレンオキサイド付加物(b11)及びブチレンオキサイド付加物(b12)のいずれも含有しないものは、繊維束幅が狭く、接着性が低い。
また、比較例2のように、ジオール成分にプロピレンオキサイド付加物(b11)を含有していてもアルキレンオキサイド付加物(b1)中のオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計とオキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計との比[(オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計)/(オキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計)]が0.2未満であるものも、繊維束幅が狭く、接着性が低い。
本発明の繊維用集束剤組成物を用いて製造される繊維束はマトリックス樹脂との接着性に優れるので、得られる繊維強化複合材料は、非常に強度が高く、各種の土木・建築用材料、輸送機用材料、スポーツ用品材料及び発電装置用材料等として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. ポリエステル樹脂(A)を含む繊維用集束剤組成物であって、
    ポリエステル樹脂(A)が、カルボン酸成分(a)と、アルキレンオキサイド付加物(b1)を含むジオール成分(b)とのポリエステルであり、
    アルキレンオキサイド付加物(b1)が、1分子中にオキシプロピレン基を3〜100モル有し、オキシブチレン基は有しないアルキレンオキサイド付加物(b11)及び/又は1分子中にオキシブチレン基を3〜100モル有するアルキレンオキサイド付加物(b12)を含み、アルキレンオキサイド付加物(b1)中のオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計とオキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計との比[(オキシプロピレン基及びオキシブチレン基の含有重量の合計)/(オキシプロピレン基、オキシブチレン基及びオキシエチレン基の含有重量の合計)]が0.2〜1.0である繊維用集束剤組成物。
  2. アルキレンオキサイド付加物(b1)が、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物及び/又は炭素数2〜6のアルキレングリコールのアルキレンオキサイド付加物を含む請求項1に記載の繊維用集束剤組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の繊維用集束剤組成物が、水及び/又は有機溶剤に分散されてなる繊維用集束剤分散体。
  4. 請求項1又は2に記載の繊維用集束剤組成物が、水及び/又は有機溶剤に溶解されてなる繊維用集束剤溶液。
  5. 炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維及びスラッグ繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種の繊維を、請求項1又は2に記載の繊維用集束剤組成物で処理してなる繊維束。
  6. 請求項5に記載の繊維束を含有する繊維製品。
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