JPH0544167A - 炭素繊維用サイジング剤 - Google Patents

炭素繊維用サイジング剤

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JPH0544167A
JPH0544167A JP22110491A JP22110491A JPH0544167A JP H0544167 A JPH0544167 A JP H0544167A JP 22110491 A JP22110491 A JP 22110491A JP 22110491 A JP22110491 A JP 22110491A JP H0544167 A JPH0544167 A JP H0544167A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、炭素繊維に集束性及び平滑性を付与
することができ、また水洗という簡単な手段によって炭
素繊維から除去できるため、該炭素繊維を強化材として
用いる複合材料に所期の物性を発揮させることができ
る、炭素繊維用サイジング剤を提供するものである。 【構成】本発明は、下記のA成分とB成分とを、A成分
/B成分=0.5〜1.3/1.0(モル比)でエステ
ル形成反応させて得られる、分子中に遊離の水酸基を有
するポリエーテルポリエステルを含有して成ることを特
徴としている。 A成分:ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体 B成分:分子中に3〜7個の水酸基を有するポリエーテ
ルポリオール

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素繊維用サイジング剤
に関する。複合材料の強化材として炭素繊維が用いられ
ている。該炭素繊維はもともと伸度が小さく、脆い繊維
である。したがって該炭素繊維は、その製織工程等で毛
羽立ち易く、ハンドリング性が悪い。そこで、ハンドリ
ング性を良くするために、該炭素繊維をサイジング剤で
処理することが行われている。本発明は、かかる炭素繊
維用サイジング剤の改良に関し、特に水洗によって脱サ
イジングの容易な炭素繊維用サイジング剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素繊維用サイジング剤として各
種のエポキシ樹脂水性エマルジョン型サイジング剤が提
案されている(特公昭57−49675、特公昭62−
34876、特公昭62−56266、特公昭62−5
6267、特公昭63−48989)。
【0003】ところが、これら従来の炭素繊維用サイジ
ング剤には、炭素繊維の集束性を向上させることができ
ても、該炭素繊維に充分な平滑性を付与することができ
ないという欠点がある。炭素繊維の平滑性が不足する
と、その製織工程等で該炭素繊維が毛羽立ち易く、製織
工程等における速度を上げることができないのである。
【0004】またこれら従来の炭素繊維用サイジング剤
には、これらで処理した炭素繊維をそのマトリックスが
エポキシ樹脂以外の樹脂である複合材料の強化材として
用いた場合、該複合材料に所期の物性を発揮させること
ができないという欠点がある。従来のエポキシ樹脂水性
エマルジョン型サイジング剤は、これを炭素繊維に付与
すると、水洗という簡単な手段によっては該炭素繊維か
ら除去することが難しく、炭素繊維と共に該サイジング
剤も複合材料中に持ち込まれてしまい、その結果、該複
合材料のマトリックスがエポキシ樹脂である場合には、
該炭素繊維は該マトリックスとの濡れが良いため、得ら
れる複合材料に所期の物性を発揮させることができる
が、該複合材料のマトリックスがエポキシ樹脂以外の樹
脂である場合、例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
脂、フェノール樹脂等である場合には、該炭素繊維は該
マトリックスとの濡れが悪いため、得られる複合材料に
所期の物性を発揮させることができないのである。
【0005】炭素繊維用サイジング剤には、炭素繊維に
充分な集束性及び平滑性を付与することができ、同時に
水洗という簡単な手段によって脱サイジングし、該炭素
繊維と広く一般のマトリックスとの濡れを良くして、得
られる複合材料に所期の物性を発揮させ得るものである
ことが要請されているのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の炭素繊維用サイジング剤では、炭素
繊維に充分な集束性及び平滑性を付与することができ
ず、また水洗という簡単な手段によっては脱サイジング
することが難しく、広く一般のマトリックスを対象とす
る複合材料に所期の物性を発揮させることができない点
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記観点で鋭意研究した結果、特定の2成分を、特定の
モル比範囲でエステル形成反応させて得られる、特定の
ポリエーテルポリエステルを含有して成るものが正しく
好適であることを見出した。
【0008】すなわち本発明は、下記のA成分とB成分
とを、A成分/B成分=0.5〜1.3/1.0(モル
比)でエステル形成反応させて得られる、分子中に遊離
の水酸基を有するポリエーテルポリエステルを含有して
成ることを特徴とする炭素繊維用サイジング剤に係る。 A成分:ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体 B成分:分子中に3〜7個の水酸基を有するポリエーテ
ルポリオール
【0009】本発明においてA成分は、ジカルボン酸又
はそのエステル形成性誘導体であり、これには芳香族ジ
カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン
酸、又はこれらのエステル形成性誘導体がある。
【0010】芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成
性誘導体としては、1)フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボ
ン酸、2)上記芳香族ジカルボン酸のジメチルエステ
ル、ジエチルエステル、ビスヒドロキシエチルエステル
等、該芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル又は
ビスヒドロキシアルキルエステル、3)イソフタル酸ジ
クロライド、テレフタル酸ジクロライド、フタル酸無水
物等の芳香族ジハライド又は酸無水物、等が挙げられ
る。
【0011】また脂肪族ジカルボン酸又はそのエステル
形成性誘導体としては、1)マロン酸、コハク酸、マレ
イン酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカル
ボン酸又は不飽和脂肪族ジカルボン酸、2)上記飽和脂
肪族ジカルボン酸又は不飽和脂肪族ジカルボン酸のジメ
チルエステル、ジエチルエステル、ビスヒドロキシエチ
ルエステル等、該飽和脂肪族ジカルボン酸又は不飽和脂
肪族ジカルボン酸の低級アルキルエステル又はビスヒド
ロキシアルキルエステル、3)コハク酸無水物、マレイ
ン酸無水物等の酸無水物、等が挙げられる。
【0012】更に脂環族ジカルボン酸又はそのエステル
形成性誘導体としては、1)1,3−シクロヘキサンジ
カルボン酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等
の飽和脂環族ジカルボン酸又は不飽和脂環族ジカルボン
酸、2)上記飽和脂環族ジカルボン酸又は不飽和脂環族
ジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、
ビスヒドロキシエチルエステル等、該飽和脂環族ジカル
ボン酸又は不飽和脂環族ジカルボン酸の低級アルキルエ
ステル又はビスヒドロキシアルキルエステル、等が挙げ
られる。
【0013】A成分は以上例示したようなジカルボン酸
又はそのエステル形成性誘導体であるが、これらのうち
では芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体
が好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸又はこれらの低級アルキルエス
テルが特に好ましい。
【0014】本発明においてB成分は、分子中に3〜7
個の水酸基を有するポリエーテルポリオールであり、こ
れには分子中に3〜7個の活性水素を有する窒素含有化
合物をポリアルコキシル化して得られるポリエーテルポ
リオール、分子中に3〜7個の活性水素を有する多価ア
ルコールをポリアルコキシル化して得られるポリエーテ
ルポリオール、多価アルコールを縮合して得られる分子
中に3〜7個の水酸基を有するポリエーテルポリオール
がある。
【0015】上記の分子中に3〜7個の活性水素を有す
る窒素含有化合物としては、1)トリエタノールアミ
ン、テトラエタノールエチレンジアミン等のアルカノー
ルアミン、2)エチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン等のアルキレンジアミン、3)ジエチレントリアミ
ン、ペンタメチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリ
アミン、4)フェニレンジアミン、トルエンジアミン等
の芳香族ポリアミン、5)p−アミノフェノール、m−
アミノフェノール等の芳香族アミノフェノール、等が挙
げられる。
【0016】また上記の分子中に3〜7個の活性水素を
有する多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール
等の脂肪族多価アルコールが挙げられ、更に上記の多価
アルコールを縮合して得られる分子中に3〜7個の水酸
基を有するポリエーテルポリオールとしては、ジグリセ
リン、トリグリセリン等のポリグリセリン等が挙げられ
る。
【0017】B成分は以上例示したような分子中に3〜
7個の水酸基を有するポリエーテルポリオールである
が、これらのうちでは、分子中に3〜5個の活性水素を
有する窒素含有化合物又は多価アルコールを炭素数2〜
4のアルキレンオキサイドでポリアルコキシル化したも
のが好ましい。
【0018】B成分においてポリアルコキシル化に用い
るアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等であり、これ
らはブロック状又はランダム状に反応させることができ
るが、用いるアルキレンオキサイド中でエチレンオキサ
イドは35重量%以上とするのが好ましく、40〜80
重量%とするのが特に好ましい。得られるポリエーテル
ポリエステルの水洗除去性が良くなるからである。また
B成分は分子量(GPCによる重量平均分子量、以下同
じ)2000〜20000のものが好ましく、5000
〜15000のものが特に好ましい。A成分とのエステ
ル形成反応を進行させ易くし、得られるポリエーテルポ
リエステルがゲル化するのを未然に防止するためであ
る。
【0019】本発明におけるポリエーテルポリエステル
は、以上説明したようなA成分とB成分とを特定のモル
比でエステル形成反応させて得られる、分子中に遊離の
水酸基を有するものである。該モル比は、A成分/B成
分=0.5〜1.3/1.0であるが、0.6〜1.1
/1.0とするのが好ましい。モル比が0.5/1.0
よりも小さいと、B成分が未反応で残り、得られるポリ
エーテルポリエステルの分子量も小さくなるため、炭素
繊維に付与する集束性が不足する。逆にモル比が1.3
/1.0よりも大きいと、エステル形成反応中に架橋が
生じ、得られるポリエーテルポリエステルがゲル化し易
くなるため、その取扱い性が悪くなる。
【0020】本発明におけるポリエーテルポリエステル
は、分子量3000〜50000のものが好ましく、5
000〜40000のもの、更には10000〜300
00のものが特に好ましい。また本発明におけるポリエ
ーテルポリエステルは、その分子中でポリオキシアルキ
レン部分が70〜98重量%を占め、且つ該ポリオキシ
アルキレン部分中でオキシエチレン部分が34〜80重
量%を占めるものが好ましい。いずれも、ポリエーテル
ポリエステルの取扱い性を良くすると共に、該ポリエー
テルポリエステルにより良い集束性、平滑性及び水洗除
去性を持たせるためである。
【0021】本発明の炭素繊維用サイジング剤はかくし
て得られるポリエーテルポリエステルを含有して成るも
のである。該サイジング剤はこれに所望する性能との関
係で界面活性剤や他の補助成分を含有することもでき
る。該ポリエーテルポリエステルは常温又は加温の水に
容易に溶解する。通常、該サイジング剤はポリエーテル
ポリエステルを0.1〜50重量%含有する水溶液とし
て調製し、使用するが、該水溶液は常温で長時間安定で
ある。
【0022】本発明の炭素繊維用サイジング剤は、これ
を水溶液となし、浸漬法、スプレー法等で炭素繊維に付
着させることができる。付着後、ローラーで絞り、ヒー
ターで乾燥して、サイジング処理を終了する。炭素繊維
用サイジング剤の炭素繊維に対する付着量は該炭素繊維
用サイジング剤の水溶液の濃度と付着後の絞り率とによ
って調整できる。付着量は炭素繊維に対しポリエーテル
ポリエステルとして0.1〜10重量%とするのが好ま
しく、0.5〜5.0重量%とするのが特に好ましい。
炭素繊維により良い集束性及び平滑性を付与するためで
ある。
【0023】本発明の炭素繊維用サイジング剤はPAN
系又はピッチ系の炭素繊維に極めて有効である。本発明
の炭素繊維用サイジング剤はこれらの炭素繊維表面を均
一に被覆し、該炭素繊維を充分に集束させ、且つ該炭素
繊維に充分な平滑性を付与する。本発明の炭素繊維用サ
イジング剤が付着された炭素繊維は、その製織工程等で
毛羽立ちや単糸切れが殆んどなく、したがって工程スピ
ードを上げることができ、生産性を著しく向上するので
ある。また本発明の炭素繊維用サイジング剤はこれを付
着後の炭素繊維から水洗という簡単な手段によって容易
に除去することができる。有機溶剤処理や熱処理という
厄介な手段をとる必要がなく、これらの手段によって生
じる炭素繊維の損傷を未然に防止できるのである。しか
も本発明の炭素繊維用サイジング剤は、上記のようにこ
れを水洗除去した炭素繊維を複合材料の強化材として用
いると、該複合材料におけるマトリックスとの間に双方
の接着性を阻害するような物質が介在しないため、広く
一般の樹脂をマトリックスとする複合材料の物性を所期
の通りに向上することができる。
【0024】以下、本発明の構成及び効果をより具体的
にするため実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限
定されるというものではない。 ・試験区分1{ポリエーテルポリオール(B成分)の合
成} ・・B−1の合成 オートクレーブにエチレンジアミン120g(2モル)
を仕込み、70℃でプロピレンオキサイド476g
(8.2モル)を50分かけて反応させ、窒素ガス雰囲
気下で触媒として水酸化カリウム13.0gを加えた
後、120℃×10mmHg下で1.5時間、脱水した。次
に窒素ガス雰囲気下で常圧に戻した後、115〜110
℃×4〜5kg/cm2下でプロピレンオキサイド3480g
(60モル)を6時間かけて反応させ、更に同温同圧下
で1時間保持した。そして120〜125℃×5〜6kg
/cm2下でエチレンオキサイド6468g(147モル)
を4時間かけて反応させ、更に同温同圧下で1時間保持
した。反応終了後、残存する水酸化カリウムを中和し、
100℃×5mmHg下で1.5時間、脱水を行い、濾過し
て、B−1を得た。B−1は水酸基価42.6、分子量
5260であった。
【0025】・・B−2の合成 オートクレーブにグリセリン184g(2モル)を仕込
み、触媒として水酸化カリウム12.0gを加えた後、
110〜120℃×5〜6kg/cm2下でエチレンオキサイ
ド6380g(145.0モル)及びプロピレンオキサ
イド3480g(60.0モル)の混合物を10時間か
けて反応させ、更に同温同圧下で1時間保持した。残存
する水酸化カリウムを中和し、濾過して、B−2を得
た。B−2は水酸基価34.2、分子量4950であっ
た。
【0026】・・B−3〜B−8の合成 B−1、B−2の場合と同様にして、B−3〜B−8を
得た。B−1〜B−8の内容を表1にまとめて示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1において、 b−1:エチレンジアミン、b−2:グリセリン、b−
3:トリエタノールアミン、b−4:ジアミノジフェニ
ルメタン、b−5:トリメチロールプロパン、b−6:
ペンタエリスリトール、b−7:ソルビトール 結合状態:用いたエチレンオキサイドとプロピレンオキ
サイドの結合状態 EO/PO:用いたエチレンオキサイド/プロピレンオ
キサイドの重量比
【0029】・試験区分2(ポリエーテルポリエステル
の合成) ・・実施例1 A成分としてジメチルテレフタレート(A−1)を用
い、A−1/B−2=1.0/1.0(モル比)の割合
で双方を仕込み、触媒として水酸化カリウムを加え、1
40℃×1mmHg下で6時間反応させ、その間、メタノー
ルを留去した。次に反応物を100℃に冷却し、水酸化
カリウムを燐酸で中和した後、脱水し、濾過して、ポリ
エーテルポリエステル(実施例1)を得た。このポリエ
ーテルポリエステルは分子量24800であった。
【0030】・・実施例2〜8及び比較例1〜3 用いたA成分及びB成分並びにこれらのモル比を変え、
実施例1の場合と同様にして、ポリエーテルポリエステ
ル(実施例2〜8及び比較例1〜3)を得た。実施例1
〜8及び比較例1〜3の内容を表2、表3にまとめて示
した。
【0031】・・比較例4 無水フタル酸(2モル)とポリエチレングリコール(分
子量1000、1モル)とのエステル形成反応物をトリ
エタノールアミンで中和し、ポリエーテルポリエステル
(比較例4)を得た。このポリエーテルポリエステルは
オキシエチレン部分88重量%、分子量1100であっ
た。
【0032】・・比較例5 固形エポキシ樹脂(エピコート1001、油化シェル社
製)5重量部と液状エポキシ樹脂(エピコート828、
油化シェル社製)10重量部とを90℃で加熱混合した
後、界面活性剤としてポリオキシエチレン(85モル)
ノニルフェニルエーテル5重量部を加え、これを水に分
散させて、エポキシ樹脂水性エマルジョン型サイジング
剤を得た。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】表2、表3において、 A−1:ジメチルテレフタレート、A−2:ジメチルイ
ソフタレート、A−32,6−ジメチルナフタレンジカ
ルボキシレート、A−4:テレフタル酸/イソフタル酸
=0.8/0.2(モル比)の混合物、A−5:テレフ
タル酸/アジピン酸=0.8/0.2(モル比)の混合
物 A/B:A成分/B成分(モル比) EO:オキシアルキレン中に占めるオキシエチレン部分
の重量% *1:エステル形成反応中にゲル化
【0036】・試験区分3(評価及び測定) 試験区分2で得た実施例1〜8及び比較例3〜5の各ポ
リエーテルポリエステル又はエポキシ樹脂水性エマルジ
ョン型サイジング剤について、次のようにその性能を評
価又は測定し、結果を表4にまとめて示した。尚、比較
例1、2の各ポリエーテルポリエステルはゲル化してい
たので使用しなかった。
【0037】・・炭素繊維への付着 各ポリエーテルポリエステルの3.0重量%水溶液又は
エポキシ樹脂水性エマルジョン型サイジング剤の3.0
重量%(エポキシ樹脂換算)水性エマルジョンを調製し
た。調製した各水溶液又は水性エマルジョン中にポリア
クリロニトリル系繊維から得られた未サイジングの炭素
繊維(引張強度350kg/mm2、引張弾性率28ton/m
m2、3000フィラメント)を連続的に浸漬し、該炭素
繊維に対するポリエーテルポリエステル又はエポキシ樹
脂の付着量が3.0重量%となるように絞り条件を調節
して、連続的に120℃のオーブン中へ通して乾燥し
た。
【0038】・・集束性の評価 繊維−繊維間の擦過試験は、東洋精機社製のラビングテ
スターを用い、荷重100g/3000フィラメント、
内角35度、1回撚り、擦過長20mm、100回/分の
速さで往復運動させた。また繊維−金属間の擦過試験
は、大栄化学精機社製のTM式抱合力テスターを用い、
荷重100g/3000フィラメント、θ=150度、
擦過長30mm、クロムメッキ金属櫛を150回/分の速
さで往復運動させた。いずれも切断に至る擦過回数で評
価した。
【0039】・・平滑性の評価 繊維−繊維間の摩擦係数(F/F)は、直径5.1cm×
長さ7.6cmの円筒に炭素繊維を巻き、その上に炭素繊
維を前記の巻き付け方向と平行に掛け、該円筒に荷重
(T1)を加えて回転させ、この際の張力(T2)を20
℃×65%RHの条件下で測定した。また繊維−金属間
の摩擦係数(F/M)は円筒に炭素繊維を巻くことなく
同様に測定した。
【0040】・・水洗除去性の評価 ポリエーテルポリエステル又はエポキシ樹脂を付着した
炭素繊維束を50℃の水中へ浴比1対30で浸漬し、3
0分放置後、流水にてゆるやかに洗浄し、105℃×2
0分間、乾燥した後、FT−IRスペクトル分析(AT
R法)により、同一条件で測定した。ポリエーテルポリ
エステルの場合は水洗前後のIRスペクトル波数110
0cm-1のエーテル結合による吸光度差を比較し、またエ
ポキシ樹脂の場合は水洗前後のIRスペクトル波数16
15cm-1の芳香族環による吸光度差を比較して、ポリエ
ーテルポリエステル又はエポキシ樹脂の水洗除去性を下
記の基準で評価した。 5;全く残っていない 4;殆んど残っていない 3;極わずかに残っている 2;わずかに残っている 1;水洗前とかわらない程度残っている
【0041】・・曲げ強度の測定 上記で水洗除去後に乾燥した炭素繊維束をカッターで繊
維長4mmに切断した後、切断して得たチョップドファイ
バー20重量部と6,6−ナイロン樹脂80重量部とを
混合し、押出し機で混練押出ししてペレットを作製し
た。このペレットを射出成形し、成形物の曲げ強度を測
定した。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、炭素繊維に集束性及び平滑性を付与することが
でき、また水洗という簡単な手段によって炭素繊維から
除去できるため、該炭素繊維を強化材として用いる複合
材料に所期の物性を発揮させることができる効果があ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のA成分とB成分とを、A成分/B
    成分=0.5〜1.3/1.0(モル比)でエステル形
    成反応させて得られる、分子中に遊離の水酸基を有する
    ポリエーテルポリエステルを含有して成ることを特徴と
    する炭素繊維用サイジング剤。 A成分:ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体 B成分:分子中に3〜7個の水酸基を有するポリエーテ
    ルポリオール
  2. 【請求項2】 A成分が芳香族ジカルボン酸又はそのエ
    ステル形成性誘導体である請求項1記載の炭素繊維用サ
    イジング剤。
  3. 【請求項3】 B成分が分子中に3〜5個の活性水素を
    有する窒素含有化合物又は多価アルコールを炭素数2〜
    4のアルキレンオキサイドでポリアルコキシル化したも
    のである請求項1又は2記載の炭素繊維用サイジング
    剤。
  4. 【請求項4】 ポリエーテルポリエステルが分子量30
    00〜50000のものである請求項1、2又は3記載
    の炭素繊維用サイジング剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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