JP2002339246A - 無機繊維用集束剤 - Google Patents

無機繊維用集束剤

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JP2002339246A JP2001063999A JP2001063999A JP2002339246A JP 2002339246 A JP2002339246 A JP 2002339246A JP 2001063999 A JP2001063999 A JP 2001063999A JP 2001063999 A JP2001063999 A JP 2001063999A JP 2002339246 A JP2002339246 A JP 2002339246A
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    • C03C25/00Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
    • C03C25/10Coating
    • C03C25/24Coatings containing organic materials
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    • C03C25/32Macromolecular compounds or prepolymers obtained otherwise than by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂等のマトリックス樹脂に繊維を複合した繊
維強化複合材料が広く利用されているが、用いられてい
る繊維はその加工工程中で各種のガイド類と繰り返し接
触し、摩擦を受け、毛羽や糸切れを発生する問題があっ
た。また、高品位の加工品を得るためには、弱い接圧で
容易に薄くかつ隙間なく繊維が拡がる性質が求められて
いる。 【解決手段】 ジカルボン酸5〜100重量%およびモ
ノカルボン酸0〜95重量%からなるカルボン酸成分
と、ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油系ポリオール
のアルキレンオキシド付加物からなるアルコール成分と
のエステルを含有することを特徴とする無機繊維用集束
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機繊維用の集束
剤に関する。さらに詳しくは、複合材料に使用される無
機繊維用の集束剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂等のマトリックス樹脂に繊維を複合
した繊維強化複合材料がスポーツ、レジャー、航空宇宙
分野等に広く利用されている。上記複合材料に使用され
る繊維としては、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリ
エチレン繊維、ポリエステル繊維などの有機繊維並びに
ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維が用いられてい
る。これらの繊維は通常、フィラメント又はトウの形で
製造され、更に一方向に引き揃えたシート、テープ、フ
ィラメントワインデイング、織物又はチョップドファイ
バー等に加工されて使用されている。かかる繊維のうち
無機繊維の加工において、繊維はその加工工程中で各種
のガイド類と繰り返し接触するため、摩擦を受けても毛
羽や糸切れを発生しない耐擦過性が要求される。通常、
毛羽や糸切れを防止するために、フィラメント又はトウ
に繊維用集束剤が付与される。また高品位の加工品を得
るため、弱い接圧で容易に薄くかつ隙間無く繊維が拡が
る性質(開繊性)が要求される。
【0003】無機繊維用集束剤として、各種のエポキシ
樹脂(特開平3−76872号公報)やポリウレタン樹
脂(特開平1−314786号公報)からなるものが知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
無機繊維用集束剤では、加工工程中の繊維の糸切れや毛
羽を少なくする耐擦過性と良好な開繊性の両方を満足す
るものは無かった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ジカルボン酸(a1)5〜100
重量%およびモノカルボン酸(a2)0〜95重量%か
らなるカルボン酸成分(A)と、ヒマシ油および/また
は硬化ヒマシ油系ポリオールのアルキレンオキシド付加
物(b)からなるアルコール成分(B)とのエステル
(C)を含有することを特徴とする無機繊維用集束剤;
ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱
物繊維、岩石繊維およびスラッグ繊維からなる群から選
ばれる無機繊維を処理する集束剤であって、繊度800
tex、フィラメント数12,000本の炭素繊維を集
束剤付着量1重量%で処理したときに、0.05〜0.
5の繊維−繊維摩擦係数および0.05〜5gの張力変
動を与えることを特徴とする無機繊維用集束剤;該集束
剤で処理された無機繊維束;該無機繊維束または該無機
繊維束からなる繊維製品を強化繊維とし、熱硬化性樹脂
または熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とするプリプレ
グ;並びに該プリプレグを成形してなる成形物に関する
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、ジカルボン酸
(a1)としては、炭素数2〜40の、飽和もしくは不
飽和脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、ペンタデカン
ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸など)、脂環式ジ
カルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸
など)、オキシジカルボン酸(タルトロン酸、リンゴ
酸、酒石酸など)およびエーテルジカルボン酸(ジグリ
コール酸など)、炭素数8〜20の芳香(脂肪)族ジカ
ルボン酸(テレ−、イソ−およびオルトフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ベンジルコハク酸など)並びにこ
れらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、炭素数2〜30、とくに炭素数4〜20の
飽和もしくは不飽和脂肪族ジカルボン酸である。モノカ
ルボン酸(a2)としては、炭素数2〜40の、飽和も
しくは不飽和脂肪族モノカルボン酸(酢酸、プロピオン
酸、カプリン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステ
アリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、オレイン酸な
ど)、脂環式モノカルボン酸(シクロヘキサンモノカル
ボン酸など)、オキシモノカルボン酸(グリコール酸、
乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン
酸、リシノール酸など)、炭素数7〜20の芳香(脂
肪)族もしくは芳香(脂肪)族オキシモノカルボン酸
(安息香酸、ナフトエ酸、サリチル酸、ベンジル酸、没
食子酸、マンデル酸、トロバ酸など)、並びにこれらの
2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいも
のは炭素数12〜30の飽和もしくは不飽和脂肪族モノ
カルボン酸であり、さらに好ましいのは、ステアリン酸
である。
【0007】カルボン酸(A)中のモノカルボン酸(a
2)の量は、カルボン酸(A)の重量に基づいて通常0
〜95重量%であり、好ましくは30〜90重量%であ
る。カルボン酸(A)中のモノカルボン酸(a2)の量
が95重量%を超えると開繊性が不良となり好ましくな
い。
【0008】本発明におけるヒマシ油および/または硬
化ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油、硬化ヒマ
シ油、これらと多価アルコールとのエステル交換物およ
びこれらの混合物が挙げられる。多価アルコールとして
は、ジオール〔脂肪族(炭素数2〜12、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール)、脂環式(炭素数6〜20、例えばシクロヘキサ
ン−1,2−、1,3−および1,4−ジオール、シク
ロペンタン−1,2−および1,3−ジオール、水素添
加ビスフェノールA)、芳香脂肪族(炭素数8〜16、
例えばビスヒドロキシエチルベンゼン、p−キシリレン
グリコール、フタリルアルコールなど)など〕;3価〜
8価またはそれ以上の多価アルコール〔炭素数3〜2
0、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリス
リトール、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシ
リトール、マンニトール、グルコース、フルクトース、
シュークロースおよびこれらの分子間もしくは分子内脱
水物、例えばポリグリセリン(重合度2〜20)、ジペ
ンタエリスリトール、ソルビタンなど〕、並びにこれら
のアルコールおよび後述する多価フェノールのアルキレ
ン(炭素数2〜4)オキシド(通常1〜20モル、好ま
しくは1〜10モル)付加物などが挙げられる。
【0009】本発明におけるヒマシ油および/または硬
化ヒマシ油系ポリオールのアルキレンオキシド付加物
(b)において、アルキレンオキシドとしては、炭素数
2〜4のエチレンオキシド(以下EOと略記)、プロピ
レンオキシド(以下POと略記)、1,2−ブチレンオ
キシド(以下BOと略記)およびこれらの混合物等が挙
げられる。これらのうち好ましいのは、EOまたはEO
とPOとの併用系であり、より好ましいのはEOであ
る。併用する場合の付加様式は、ランダムまたはブロッ
クのいずれであってもよく、EOとPOの重量比は開繊
性の観点から(100:0)〜(20:80)とくに
(100:0)〜(50:50)が好ましい。
【0010】アルキレンオキシドの付加モル数は、ヒマ
シ油および/または硬化ヒマシ油系ポリオールに存在す
るOH基1個当たり通常1〜50モル、開繊性の観点か
ら、好ましくは5〜40モルである。
【0011】アルキレンオキシドの付加方法は常法でよ
く、通常50〜180℃、水酸化カリウム等の触媒(ヒ
マシ油および/または硬化ヒマシ油系ポリオールの重量
に対して通常0.01〜3重量%)の存在下、加圧下
(通常4kg/cm2 以下)で行われる。
【0012】本発明において用いられるアルコール成分
(B)は、(b)のみでもよく、また(b)以外のアル
コール成分(b’)を含有していてもよい。(b)以外
のアルコール成分(b’)としては、炭素数1〜33の
飽和もしくは不飽和脂肪族または脂環式アルコール〔1
価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、
オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、
トリデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイ
ルアルコール、シクロヘキサノールなど)、多価アルコ
ール(前記のものなど)〕、炭素数7〜30の芳香脂肪
族アルコール〔1価アルコール(ベンジルアルコール、
β−フェニルエチルアルコール、メチルフェニルカルビ
ノール、シンナミルアルコール、ナフチルエチルアルコ
ールなど)、多価アルコール(前記のものなど)〕、こ
れらのアルコールおよびフェノールのアルキレン(炭素
数2〜4)オキシド(1〜30モル)付加物、並びに前
記のヒマシ油および/または硬化ヒマシ油系ポリオール
などが挙げられる。
【0013】該フェノールとしては、1価フェノール
〔単環(炭素数6〜20、例えばフェノール、o−、m
−およびp−クレゾール、ブチルフェノール、オクチル
フェノール、ノニルフェノール)、多環(炭素数10〜
20、例えばフェニルフェノール、ナフトール)な
ど〕;2価フェノール〔単環(炭素数6〜16、例えば
ハイドロキノン、レゾルシン)、多環(炭素数13〜2
0、例えばビスフェノールF、ビスフェノールA、ビス
フェノールS)など〕;3価〜4価またはそれ以上のフ
ェノール〔単環(炭素数6〜16、例えば1,3,5−
トリヒドロキシベンゼン)、多環(炭素数13〜20、
例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン)な
ど〕などが挙げられる。(b’)を使用する場合、
(B)中における(b’)の含有量は、(B)の重量に
基づいて通常20重量%以下、好ましくは0〜10重量
%である。
【0014】本発明におけるエステル(C)は、(A)
と(B)を反応させるか、または(A)と前記ヒマシ油
および/または硬化ヒマシ油系ポリオールとのエステル
にアルキレンオキシドを付加することにより製造するこ
とができる。具体的には、(A)と(B)、または
(A)とヒマシ油および/または硬化ヒマシ油系ポリオ
ールの当量比は通常(1:0.5)〜(1:2)、耐擦
過性並びに開繊性の観点から、好ましくは(1:0.
7)〜(1:1.5)である。
【0015】エステル化の方法は公知の方法でよく、た
とえばジカルボン酸およびモノカルボン酸を含有するカ
ルボン酸成分(A)もしくは(A)の低級(炭素数1〜
4)アルコールエステルと、ヒマシ油および/または硬
化ヒマシ油系ポリオールのアルキレンオキシド付加物
(b)とからなるアルコール成分(B)、または該
(A)もしくは(A)の低級(炭素数1〜4)アルコー
ルエステルとヒマシ油および/または硬化ヒマシ油系ポ
リオールを、通常80〜180℃、必要によりパラトル
エンスルホン酸等の酸性触媒〔(A)もしくはその低級
アルコールエステルと(B)の合計重量、または(A)
もしくはその低級アルコールエステルとヒマシ油および
/または硬化ヒマシ油系ポリオールの合計量に対して通
常0.05〜3重量%〕存在下、エステル化するか、ま
たはエステル交換する方法でよい。
【0016】本発明におけるエステル(C)としては、
使用する(a1)と(a2)および(B)の使用割合に
より種々の粘度を有するものが挙げられる。25℃にお
ける粘度は、通常300mPa・s以上、耐擦過性並び
に開繊性の観点から、好ましくは500〜50,000
mPa・sである。(C)の酸価は通常0.1〜60、
好ましくは0.2〜30である。また、(C)の重量平
均分子量(以下Mwと略記)は通常500〜5,00
0、好ましくは1,000〜4,000である。
【0017】エステル(C)の全集束剤中における含有
量はとくに限定されないが、通常0.5〜100重量
%、耐擦過性、開繊性並びにコンポジット物性の観点か
ら、好ましくは2〜70重量%である。
【0018】本発明の集束剤は、必要に応じて、第三成
分として、公知の集束剤成分〔分子中に2個以上のエポ
キシ基を有するエポキシ樹脂(例えば特開平3−768
72号公報に記載のもの、後述するエポキシ樹脂な
ど)、多価アルコールと多価カルボン酸の縮合反応によ
り得られるポリエステル樹脂(例えば特開昭60−65
181号公報に記載のもの)、高分子ポリオールとポリ
イソシアネートとのウレタン化反応により得られるポリ
ウレタン樹脂(例えば特開平1−314786号公報に
記載のもの)、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合
反応により得られるフェノール樹脂、キシレンとホルム
アルデヒドとの縮合反応により得られるキシレン樹脂、
ケトンとアルデヒドとの縮合反応により得られるケトン
樹脂(シクロヘキサノン、アセトフェノンなどとホルム
アルデヒドまたはアセトアルデヒドの縮合樹脂など)、
テレピン油を原料とするテルペン樹脂(α−ピネンの重
合によるポリピネン樹脂など)およびε−アミノラウロ
ラクタムとの開環重合により得られるポリアミド樹脂な
ど〕;柔軟剤(ポリオキシステアリン酸アミドなど);
希釈剤(スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼ
ン、フェニルグリシジルエーテルなどの反応性希釈剤や
ノニルフェノール、トリクレジルフォスフェートなどの
非反応性希釈剤);酸化防止剤〔ヒンダードアミン化合
物[ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル
−4−)セバケート、フェニル−β−ナフチルアミンな
ど]、ヒンダードフェノール化合物(2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール、ブチルヒドロキシアニソール
など)など〕;紫外線吸収剤〔ベンゾフェノン化合物
(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノンなど)、ベンゾトリアゾール
化合物[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾールなど]、サリチル酸エステル化合物
(フェニルサリチレートなど)など〕;ワックス(例え
ば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、重合ワックス、密ロウなど);可塑剤〔フタル酸エ
ステル(ジオクチルフタレートなど)、リン酸エステル
(トリクレジルホスフェートなど)、脂肪族二塩基酸エ
ステル[ジ(2−エチルヘキシル)アジペートなど]、
脂肪酸エステル(メチルアセチルリシノレートなど)、
トリメリット酸エステル[トリ(2−エチルヘキシル)
トリメリテートなど]、ピロメリット酸エステル[テト
ラ(2−エチルヘキシル)ピロメリテートなど]な
ど〕;消泡剤〔シリコーン化合物(ジメチルシリコーン
オイルなど)など〕;平滑剤〔鉱物油(流動パラフィン
など)、動植物油(ナタネ油、ヤシ油、牛脂、鯨油な
ど)、脂肪酸エステル(2−エチルヘキシルオレート、
オレイルオレートなど)、シリコーン化合物(ジメチル
ポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、
ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンなど)な
ど〕;抗菌剤(塩酸クロルヘキシジンなど);防かび剤
〔10,10’−オキシビスフェノキサアルシン、N−
(フルオロジクロルメチルチオ)フタルイミドなど〕;
粘度調整剤(アルギン酸ナトリウムなど);難燃剤(ハ
ロゲン化合物、リン化合物、グアニジン化合物など)な
どを含ませることができる。
【0019】これら第三成分の、エステル(C)の重量
に基づく通常量および、コンポジット(複合材料)物性
の観点からの好ましい添加量は、公知の集束剤成分は通
常1,500重量%以下、好ましくは10〜1,000
重量%、柔軟剤、ワックス、可塑剤および平滑剤はそれ
ぞれ通常30重量%以下、好ましくは1〜20重量%、
希釈剤は通常70重量%以下、好ましくは1〜50重量
%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および難燃剤はそれぞれ
通常20重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%、
消泡剤および粘度調整剤はそれぞれ通常10重量%以
下、好ましくは0.1〜5重量%、抗菌剤および防かび
剤はそれぞれ通常10重量%以下、好ましくは0.01
〜5重量%である。
【0020】本発明の対象となる繊維は、ガラス繊維、
炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石
繊維およびスラッグ繊維からなる群から選ばれる無機繊
維であり、これらの無機繊維は2種以上を組み合わせて
も使用できる。ガラス繊維としては、アルカリ含有率1
%以下のボロシリケートガラス繊維、ソーダライム系ガ
ラス繊維などが挙げられる。炭素繊維としては、ポリア
クリルニトリル繊維、レーヨンまたは石油ピッチを炭化
して製造されるものが挙げられる。セラミック繊維とし
ては、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、窒化珪素繊維など
が挙げられる。金属繊維としては、鋼、合金鋼、ステン
レス鋼、タングステン、ベリリウム、銅などの金属を繊
維化したものが挙げられる。鉱物繊維としては、アスベ
ストなどが挙げられる。岩石繊維としては、安山岩、玄
武岩、蛇文岩などを溶融し、高圧空気で吹き付けて急冷
し繊維状にしたものが挙げられる。スラッグ繊維として
は、溶鉱炉のスラッグ(鉱滓)に水蒸気または圧縮空気
を吹き付けて繊維状にしたものが挙げられる。これらの
無機繊維のうち複合材料に高強度を与えるという観点か
ら、好ましいものは炭素繊維である。
【0021】本発明の集束剤の繊維への付与は、集束剤
の水性分散体またはアセトン等の有機溶剤溶液を用いて
付着させ、次いで乾燥させることによって行うことがで
きる。該水性分散体の固形分(前記希釈剤を除く)濃度
は通常1〜60重量%、好ましくは2〜30重量%であ
る。また、アセトン等の有機溶剤溶液の固形分(前記希
釈剤を除く)濃度は通常1〜60重量%、好ましくは2
〜30重量%である。安全性等を考慮すると、水性分散
体で使用することが好ましい。
【0022】水性分散体とするには、界面活性剤を使用
することができる。界面活性剤としては、非イオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤およ
び両性界面活性剤が挙げられる。
【0023】非イオン界面活性剤としては、たとえば、
アルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加型非イオン界
面活性剤〔高級アルコール(炭素数8〜18)、高級脂
肪酸(炭素数12〜24)、アルキル(炭素数1〜1
8)フェノール、スチレン化(1〜10モル)フェノー
ル、スチレン化(1〜10モル)クミルフェノール等に
直接アルキレンオキシド(炭素数2〜4、例えばEO、
PO、BOおよびこれらの2種以上の併用)を付加させ
たもの(分子量158〜Mw200,000);グリコ
ールにアルキレンオキシドを付加させて得られるポリア
ルキレングリコール(分子量150〜Mw6,000)
に高級脂肪酸などを反応させたもの;多価アルコール
(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセ
リン、ソルビタンなどの2価〜8価またはそれ以上の多
価アルコール)に高級脂肪酸を反応させて得られたエス
テル化物にアルキレンオキシドを付加させたもの(分子
量250〜Mw30,000)など〕および多価アルコ
ール(炭素数3〜60)型非イオン界面活性剤〔多価
(2価〜8価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素
数3〜60)エステルなど〕などが挙げられる。
【0024】カチオン界面活性剤としては、第4級アン
モニウム塩型〔テトラアルキル(炭素数1〜30)アン
モニウム塩(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ステア
リルトリメチルアンモニウムブロマイドなど);ポリオ
キシアルキレン(炭素数2〜4)トリアルキル(炭素数
1〜30)アンモニウム塩(ポリオキシエチレントリメ
チルアンモニウムクロライドなど)など〕、アミン塩型
〔脂肪族高級(炭素数12〜60)アミン(ラウリルア
ミン、ステアリルアミンなど)の無機酸塩または有機酸
塩;脂肪族アミン(炭素数1〜30)のEO付加物など
の無機酸塩または有機酸塩など〕などが挙げられる。
【0025】アニオン界面活性剤としては、カルボン酸
(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはそ
の塩(ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルカノ
ールアミンなどの塩)、硫酸エステル塩〔高級アルコー
ル(炭素数8〜18)硫酸エステル塩など〕、高級アル
キルエーテル硫酸エステル塩〔炭素数8〜18の脂肪族
アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステ
ル塩など〕、スルホン酸塩〔アルキル(炭素数1〜2
0)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数1〜2
0)ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジアルキ
ル(炭素数1〜20)エステル、α−オレフィン(炭素
数12〜18)スルホン酸塩など〕およびリン酸エステ
ル塩〔高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステ
ル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)EO付加物リ
ン酸エステル塩など〕などが挙げられる。
【0026】両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性
界面活性剤〔高級アルキルアミン(炭素数12〜18)
のプロピオン酸ナトリウムなど〕、ベタイン型両性界面
活性剤〔アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイ
ンなど〕、硫酸エステル塩型両性界面活性剤〔高級アル
キル(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウ
ム塩、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナト
リウム塩など〕、スルホン酸塩型両性界面活性剤〔ペン
タデシルスルホタウリン、イミダゾリンスルホン酸な
ど〕、リン酸エステル型両性界面活性剤〔グリセリン高
級脂肪酸(炭素数8〜22)エステル化物のリン酸エス
テルアミン塩〕などが挙げられる。
【0027】上記の界面活性剤は、本発明の集束剤を乳
化する目的並びに帯電防止の目的等で用いられる。エス
テル(C)に対する界面活性剤の配合量は重量比で通
常、界面活性剤/エステル(C)=1/99〜90/1
0、集束剤の乳化性およびコンポジットの物性の観点か
ら好ましくは、5/95〜80/20である。
【0028】本発明の集束剤を繊維に付着させる方法
は、一般に行われているローラーサイジング法、ローラ
ー浸漬法、スプレー法などの公知の方法を用いることが
できる。集束剤の繊維に対する固形分付着量は、通常
0.1〜10重量%、糸物性の観点から好ましくは0.
5〜2.5重量%である。
【0029】本発明の集束剤が付与された繊維束のフィ
ラメント、トウまたはストランドは、公知の方法(熱風
乾燥、遠赤外線乾燥、熱ローラー乾燥など)により乾燥
される。
【0030】ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、
金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維またはスラッグ繊維につ
いて、それぞれの加工工程中での毛羽や糸切れを防止す
るために必要な繊維−繊維摩擦係数は、炭素繊維は通常
0.05〜0.5、好ましくは0.1〜0.4、ガラス
繊維およびスラッグ繊維は通常0.1〜0.6、好まし
くは0.1〜0.5、セラミック繊維、金属繊維、鉱物
繊維および岩石繊維は0.2〜0.6、好ましくは0.
2〜0.5であり、張力変動は、炭素繊維は通常0.0
5〜5g、好ましくは0.1〜4g、ガラス繊維、セラ
ミック繊維およびスラッグ繊維は通常0.5〜5g、好
ましくは0.5〜4g、金属繊維、鉱物繊維および岩石
繊維は通常1〜5g、好ましくは1〜4gである。本発
明の集束剤を用いた場合は、処理された上記の無機繊維
束は繊維−繊維摩擦係数および張力変動を上記範囲とす
ることができる。
【0031】本発明におけるマトリックス樹脂として
は、繊維を強化材とする複合材料のマトリックス樹脂と
して通常使用される熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が
挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹
脂等が挙げられる。
【0032】エポキシ樹脂としては、グリシジル型エポ
キシ樹脂および非グリシジル型エポキシ樹脂が挙げられ
る。グリシジル型エポキシ樹脂としては、(ビス)フェ
ノール型エポキシ樹脂〔フェノール型[ノボラック型フ
ェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させたもの、
例えば市販品のエピコート154(シェル化学製)];
ビスフェノール型[エピクロルヒドリンとビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、2,2’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどのビスフェノ
ール化合物との縮合物、例えば市販品のエピコート82
8、エピコート834、エピコート1001(いずれも
シェル化学製)]など〕、エステル型エポキシ樹脂〔メ
タクリル酸グリシジルエステルとエチレン性不飽和単量
体(アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビ
ニルなど)の共重合体〕、エーテル型エポキシ樹脂〔エ
ピクロルヒドリンと多価アルコール(前記のもの)もし
くはポリエーテルポリオールとを反応させたもの〕、お
よびアミン系多官能(2〜10)エポキシ樹脂〔トリグ
リシジルアミン、テトラグリシジルアミンなどの重合
体〕などが挙げられる。非グリシジル型エポキシ樹脂と
しては、環状脂肪族エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタ
ジエンおよびエポキシ化大豆油などが挙げられる。上記
エポキシ樹脂のエポキシ当量は通常65〜4,000、
好ましくは100〜2,000である。
【0033】不飽和ポリエステル樹脂としては、不飽和
二塩基酸(無水マレイン酸、フマル酸、イアタコン酸な
ど)または飽和二塩基酸(無水フタル酸、イソフタル
酸、ヘット酸、アジピン酸など)とグリコール(エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチル
グリコールなど)とを重縮合させたもの、およびさらに
スチレン、クロルスチレン、t−ブチルスチレン、メチ
ルメタクリレートなどの重合性モノマーで架橋したもの
などが挙げられる。
【0034】ポリイミド樹脂としては、重縮合により
イミド環を形成するもの、およびイミド環を有するモ
ノマーの付加重合により、三次元化するもの(ポリアミ
ノビスマレイミド)が挙げられる。としては、四塩基
酸無水物(無水ピロメリット酸、3,4,3’,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物など)
とジアミン(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’−ジアミノベンゾフェノンなど)から得られる
ものが挙げられ、としては、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタンと無水マレイン酸から得られるN,N’−
ジフェニルメタンビスマレイミドと4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタンの付加重合で得られるものなどが挙げ
られる。フェノール樹脂としては、フェノール化合物
(フェノール、クレゾール、キシレノールなど)とアル
デヒド(ホルムアルデヒドなど)の反応で得られる樹
脂、およびさらに硬化剤(ヘキサメチレンテトラミンな
ど)を反応させたものが挙げられる。
【0035】熱可塑性樹脂としては、ビニル重合系樹脂
{ポリオレフィン樹脂〔ポリエチレン(Mw2,000
〜500,000)、エチレン/α−オレフィン(炭素
数3〜12)共重合体[エチレンの共重合割合90モル
%〜99モル%またはそれ以上、Mw2,000〜50
0,000)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(エチレ
ンの共重合割合90モル%〜99モル%またはそれ以
上、Mw2,000〜500,000)、ポリプロピレ
ン(Mw10,000〜500,000)、プロピレン
/α−オレフィン(炭素数4〜12)共重合体[プロピ
レンの共重合割合90モル%〜99モル%またはそれ以
上、Mw10,000〜500,000]など〕、塩素
含有ビニル樹脂〔ポリ塩化ビニル(Mw10,000〜
1,000,000)など〕、(メタ)アクリル樹脂
〔(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アルキ
ル(炭素数1〜18)エステル[(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
−2−エチルヘキシルなど]などの(共)重合物(Mw
10,000〜5,000,000)など〕、およびス
チレン樹脂〔ポリスチレン(Mw10,000〜1,0
00,000)、AS(アクリロニトリル/スチレン)
樹脂[A/Sモル比(90〜50)/(10〜50)、
Mw10,000〜1,000,000]、ABS(ア
クリロニトリル/ブタジエン/スチレン)樹脂(Mw1
0,000〜1,000,000)、スチレン/ブタジ
エン樹脂[スチレン/ブタジエンモル比(90〜50)
/(10〜50)、Mw10,000〜1,000,0
00]、スチレン/無水マレイン酸樹脂[スチレン/無
水マレイン酸モル比(99〜50)/(1〜50)、M
w10,000〜500,000]、スチレン/アクリ
ル酸エステル樹脂[スチレン/アクリル酸エステルモル
比(99〜50)/(1〜50)、Mw10,000〜
500,000]、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)
(Mw10,000〜500,000)など〕など};
縮合系樹脂{ポリアミド樹脂〔6ナイロン(Mw10,
000〜500,000)、66ナイロン(Mw10,
000〜500,000)など〕、ポリエステル樹脂
〔PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂(Mw
5,000〜100,000)、PBT(ポリブチレン
テレフタレート)樹脂(Mw5,000〜100,00
0)〕、芳香族ポリエーテル樹脂(ポリエーテルエーテ
ルケトンなど)など};重付加系樹脂{ポリウレタン樹
脂(Mw5,000〜200,000)、ポリアセター
ル樹脂(Mw10,000〜200,000)など、芳
香族ポリエーテル樹脂(ポリエーテルエーテルケトンな
ど)など}などが挙げられる。
【0036】これらのうち、好ましいのは熱硬化性樹脂
であり、より好ましくはエポキシ樹脂または不飽和ポリ
エステル樹脂、さらに好ましくはエポキシ樹脂とくにビ
スフェノールA型エポキシ樹脂である。
【0037】本発明の集束剤で処理された繊維束または
該繊維束からなる繊維製品(ステープル、糸、トウ、ト
ップ、カセ、編織物および不織布など)とマトリックス
樹脂から複合材料を製造するには公知の方法を採用すれ
ばよく、例えば繊維束を予めマトリックス樹脂に含浸
し、回転するマンドレルに張力をかけながら巻き付ける
フィラメントワインド(PW)成形法、繊維束を予め一
方向に配列もしくは編み物ないし織物状として樹脂を含
浸させたプリプレグシートを積層するプレス成形法、あ
るいは繊維束のカットファイバーをマトリックス樹脂と
適当に混合したあと射出成形する方法などが挙げられ
る。射出成形法においては、繊維束のカットファイバー
とマトリックス樹脂の混合重量比は通常5/95〜90
/10、好ましくは20/80〜70/30である。
【0038】以下本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、部は重量部を表わす。
【0039】製造例1 下記の集束剤組成物1〜5に示した配合量で、各成分を
高粘度乳化装置に仕込み、40〜90℃に熱して均一に
混合した後、水を徐々に加え、乳化転相させ均一な白色
の水性分散体の集束剤(固形分:50重量%)を得た。 比較製造例1 集束剤組成物の配合量を下記の集束剤組成物6〜8に示
した配合量とする以外は製造例1と同様にして水性分散
体の集束剤(固形分:50重量%)を得た。 実施例1〜5、比較例1〜3 上記集束剤を水で希釈し、濃度が3%の水分散液を作成
し、これら水分散液中に未処理炭素繊維(繊度800t
ex、フィラメント数12,000本)糸束を浸漬して
含浸させた後、100℃で20分間熱風中で乾燥して1
80℃で2分間熱セットしてボビンに巻き取られた炭素
繊維束について、集束剤の付着量並びに下記方法によ
り、解じょ性、耐擦過性、開繊性、コンポジット(複合
材料)物性を評価し、その結果を表1に示した。
【0040】 集束剤組成物1 セバシン酸(イ)とステアリン酸(ロ)と 硬化ヒマシ油EO25モル付加物(ハ)とのエステル 25部 [(イ):(ロ):(ハ)=1:0.75:1.5(当量比)] ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量:185) 40部 [油化シェルエポキシ(株)製エピコート828] ビスフェノールAのEO10モル付加物とマレイン酸(モル比6/5) のポリエステル(分子量:3,200) 20部 スチレン化(2モル)フェノールEO25モル付加物 15部 集束剤組成物2 アジピン酸(ニ)とステアリン酸(ロ)と ヒマシ油EO40モル付加物(ホ)とのエステル 20部 [(ニ):(ロ):(ホ)=1:0.75:1.5(当量比)] ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量:185) 40部 [油化シェルエポキシ(株)製エピコート828] ビスフェノールAのEO2モル付加物とマレイン酸(モル比6/5) のポリエステル(分子量:2,600) 25部 スチレン化(7モル)クミルフェノールEO25モル付加物 15部 集束剤組成物3 アジピン酸(ニ)とステアリン酸(ロ)と ヒマシ油EO40モル付加物(ホ)とのエステル 25部 [(ニ):(ロ):(ホ)=1:0.21:1.5(当量比)] ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量:470) 40部 [油化シェルエポキシ(株)製エピコート1001] ビスフェノールAのEO4モル付加物とフマル酸(モル比4/3) のポリエステル(分子量:3,000) 15部 スチレン化(3モル)フェノールEO20モル付加物 20部 集束剤組成物4 マレイン酸(ヘ)とステアリン酸(ロ)と 硬化ヒマシ油EO25モル付加物(ハ)とのエステル 25部 [(ヘ):(ロ):(ハ)=1:0.75:1.5(当量比)] ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量:185) 35部 [油化シェルエポキシ(株)製エピコート828] ポリエーテル型ポリウレタン樹脂 [大日本インキ(株)製HYDRAN HW−312B] 25部 スチレン化(7モル)クミルフェノールEO25モル付加物 15部 集束剤組成物5 トリデカンジカルボン酸(ト)とステアリン酸(ロ)と 硬化ヒマシ油EO25モル付加物(ハ)とのエステル 25部 [(ト):(ロ):(ハ)=1:0.75:1.5(当量比)] ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量:185) 35部 [油化シェルエポキシ(株)製エピコート828] ポリエーテル型ポリウレタン樹脂 [大日本インキ(株)製HYDRAN HW−312B] 20部 スチレン化(3モル)フェノールEO25モル付加物 20部 集束剤組成物6 ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量:185) 40部 [油化シェルエポキシ(株)製エピコート828] ビスフェノールAのEO2モル付加物とマレイン酸(モル比4/3) のポリエステル(分子量:1,300) 35部 スチレン化(7モル)フェノールPO20モルEO40モル付加物 25部 集束剤組成物7 ビスフェノールAのEO2モル付加物とマレイン酸(モル比4/3) のポリエステル(分子量:2,600) 45部 ポリエーテル型ポリウレタン樹脂 [大日本インキ(株)製HYDRAN HW−312B] 30部 スチレン化(7モル)クミルフェノールPO15モルEO30モル 付加物 25部 集束剤組成物8 セバシン酸(イ)とステアリン酸(ロ)と 硬化ヒマシ油EO25モル付加物(ハ)とのエステル 20部 [(イ):(ロ):(ハ)=1:0.25:6(当量比)] ビスフェノールAジグリシジルエーテル(エポキシ当量:470) 40部 [油化シェルエポキシ(株)製エピコート1001] ビスフェノールAのEO10モル付加物とマレイン酸(モル比6/5) のポリエステル(分子量:3,200) 20部 スチレン化(2モル)フェノールPO15モルEO30モル付加物 20部
【0041】性能評価方法: (1)解じょ性:ボビンに巻かれた炭素繊維束を50m
/分の速度でタテ取り解じょした時の延テスト長さ10
5m当たりの糸切れ回数として表示する。糸切れ回数が
10回以下であることが好ましい。
【0042】(2)耐擦過性:表面が平滑な直径10m
mのステンレス棒5本を50mm間隔でそれぞれ平行
に、かつ炭素繊維束糸条が120度の角度で接触しなが
ら通過するようにジグザグに配置した。この装置に原糸
換算で12,000D−フィラメント数12,000本
の炭素繊維束糸条を初期張力300gを付加しながら3
m/分の速度で通過させ、繊維束糸条に対して直角方向
からレーザー光線を照射する。レーザー光線を遮蔽する
回数から発生した毛羽個数をカウントし、個/mで表示
する。毛羽個数が50個/m以下であることが好まし
い。
【0043】(3)開繊性:表面が平滑な直径10mm
のステンレス棒5本を50mm間隔でそれぞれ平行にか
つ炭素繊維束糸条が120度の角度で接触しながら通過
するようにジグザグに配置した。このステンレス棒間に
サイジングされた炭素繊維束をジグザグにかけ、原糸換
算で12,000D−フィラメント数12,000本の
炭素繊維束糸条を初期張力1,000gを付加しなが
ら、上記ステンレス棒に3m/分の速度で通過させた時
の、ステンレス棒上の炭素繊維束の拡がり幅(mm)を
測定した。
【0044】(4)繊維−繊維摩擦係数および張力変
動:炭素繊維(繊度800tex、フィラメント数1
2,000本)を湯洗(180℃×30〜60分)した
後、繊維用集束剤のエチルエーテル溶液(濃度5〜20
重量%)に含浸、その後乾燥させ、繊維用集束剤固形分
付着量1.0±0.1重量%の試料糸を作成した。直径
5cm×長さ7.5cmの金属製の円筒に試料糸を綾角
度10度で巻き付け(厚み3mm)、その上に試料糸を
巻き付け方向と平行に掛け(荷重T1:3g)、該円筒
を周速0.016mm/分で回転させた時の張力(T
2:最大値、T3:最小値)から張力変動(T2−T
3)を求め、さらに下記式から繊維−繊維摩擦係数を求
めた。なお、測定時の温度、湿度は20℃、65%RH
であった。 繊維−繊維摩擦係数(μ)=(1/π)×2.303×l
og(T2/T1) 〔式中、πは円周率で3.14〕
【0045】(5)コンポジット(複合材料)物性:炭
素繊維束を一方向に引き揃えて金型に入れ、これにエピ
コート828(100部)/BF3MEA(3部)に調
合した樹脂を加えて真空で含浸する。このとき繊維の体
積含有率が60%になるように炭素繊維の量を調節す
る。含浸後、150℃×1時間加圧下でキュアーさせ、
さらに金型から取り出し、140℃×4時間ポストキュ
アーする。厚さ2.5mm、幅6.0mmのサイズを有
するテストピースについて、ASTM D−3039−
72−Tに従って引張強度(MPa)を測定し、AST
MD−2344に従って層間せん断強度(ILSS)
(MPa)を測定した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の集束剤は、複合材料に使用され
る各種の無機繊維に付着処理されることにより、繊維の
加工工程において各種のガイド類と接触し、摩擦を受け
ても毛羽や糸切れの発生を良好に抑えることができる。
また、繊維束の開繊性も良好となることから、処理され
た繊維束または繊維束からなる繊維製品とマトリックス
樹脂からなる複合材料は高強度を示し、極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA01 AA04 AA07 AA08 AB08 AB09 AB10 AB11 AB28 AC05 AC08 AC12 AC15 AD04 AD13 AD25 AD27 AD28 AD38 AD45 AG03 AH02 4G060 BA01 BB02 BC01 BC07 BD15 CB08 CB22 CB23 CB24 CB26 CB31 CB36 4L033 AA09 AB01 AC12 BA17 BA18 BA21 CA33 CA34 CA45 CA49 CA50 CA55

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸(a1)5〜100重量%
    およびモノカルボン酸(a2)0〜95重量%からなる
    カルボン酸成分(A)と、ヒマシ油および/または硬化
    ヒマシ油系ポリオールのアルキレンオキシド付加物
    (b)からなるアルコール成分(B)とのエステル
    (C)を含有することを特徴とする無機繊維用集束剤。
  2. 【請求項2】 さらにエポキシ樹脂、ポリウレタン樹
    脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹
    脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂およびポリアミド樹脂か
    らなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する請
    求項1記載の集束剤。
  3. 【請求項3】 ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊
    維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維およびスラッグ繊維
    からなる群から選ばれる無機繊維を処理する集束剤であ
    って、繊度800tex、フィラメント数12,000
    本の炭素繊維を集束剤付着量1重量%で処理したとき
    に、0.05〜0.5の繊維−繊維摩擦係数および0.
    05〜5gの張力変動を与えることを特徴とする無機繊
    維用集束剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の集束剤が水
    性分散体または溶液であることを特徴とする集束剤。
  5. 【請求項5】 ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊
    維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維およびスラッグ繊維
    からなる群から選ばれる1種または2種以上の無機繊維
    が請求項1〜4いずれか記載の集束剤で処理された無機
    繊維束。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の無機繊維束または該無機
    繊維束からなる繊維製品を強化繊維とし、熱硬化性樹脂
    または熱可塑性樹脂をマトリックスとすることを特徴と
    するプリプレグ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のプリプレグを成形してな
    る成形物。
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