WO2007108206A1 - 繊維処理剤およびその応用 - Google Patents

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Abstract

 繊維処理剤は、成分(a)と、成分(b)および/または成分(c)とを必須成分として含む繊維処理剤であって、成分(a)が、芳香族ジカルボン酸、炭素数4~22の脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸(誘導体)と、アルキレングリコールと、ポリアルキレングリコールとを重縮合させたポリエステル化合物であり、成分(b)が、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステルであり、成分(c)が、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩であり、そのアルキル基の炭素数が6~18であり、前記繊維処理剤の不揮発分に占める成分(a)の割合が30~90重量%で、成分(b)と成分(c)との合計の割合が5~60重量%である。

Description

明 細 書
繊維処理剤およびその応用
技術分野
[0001 ] 本発明は、 繊維処理剤およびその応用に関する。 さらに詳しくは、 高圧水 流絡合法による不織布の製造に用いられるポリエステル短繊維等の処理に使 用する繊維処理剤と、 ポリエステル短繊維およびその製造方法と、 不織布お よびその製造方法とに関する。
背景技術
[0002] 従来から、 おしぼりや手拭等の不織布の製造方法として、 高圧水流絡合法 が用いられており、 ポリエステル短繊維 (以下、 単に短繊維ということがあ る。 ) に対してこの方法を適用しょうという試みがなされている。 そのため には、 ポリエステル繊維は一般に疎水性繊維であるため繊維処理剤処理など の方法で親水性を付与する必要がある。
[0003] 親水性を付与する方法としては、 短繊維製造工程時において、 繊維処理剤 処理により親水性を付与する方法 (方法 A) 、 または短繊維をウェブ状態に 加工し高圧水流絡合法にょリ不織布を作製してから、 処理剤で不織布に親水 性を付与する方法 (方法 B ) が考えられる。 方法 Aは、 短繊維製造時にのみ 繊維処理剤を付与すればよく、 低コス卜で生産効率が良いというメリッ卜が ある。 しかしながら、 繊維処理剤が高圧水流絡合法によって洗い流されてし まい、 おしぼりや手拭として使用するために必要な親水性が不足するという 問題がある。 一方、 方法 Bは、 短繊維製造時の処理剤に加えて、 不織布に加 ェ後に別途、 処理剤により親水性を付与するので、 高圧水流絡合法による親 水性の低下はなく十分な親水性を与えることが易しい。 しかしながら、 不織 布を処理剤加工する設備が必要であることや製造工程が多くなるために、 生 産効率の悪化、 高コス卜などのデメリッ卜がある。 このように、 方法 Aおよ び方法 Bを比較すると、 それぞれ一長一短があるが、 方法 Bにおけるデメリ ットは避けるべきであり、 方法 Aにおいて、 高圧水流による処理後でも親水 性が保持される特性 (すなわち、 耐久親水性) を有した処理剤が開発される ことが強く望まれている。
[0004] 一方で、 ポリエステル短繊維を高圧水流絡合処理する前工程として、 ゥェ ブ作製工程がある。 ウェブ作製工程で、 カード通過時に静電気発生量が多い と、 ウェブが均一でなくなり、 不織布の厚さに斑が生じるこのため、 繊維処 理剤には、 静電気発生の抑制および良好なカード通過性が要求され、 一般的 に界面活性剤を主体にした繊維処理剤が使用される。 しかしながら、 界面活 性剤は起泡する性質が通常あり、 高圧水流絡合時において脱落した繊維処理 剤による起泡によって、 ウェブが乱れ、 不織布の厚さに斑が生じ、 不織布の 品質が低下するという問題がある。 また、 高圧水流絡合に用いられる水は、 硬度の高い工業用水や川の水であることが多く、 しかも、 循環使用する場合 が多いので、 カルシウム塩等のスカムが発生して循環水のノズルが詰まると いう問題が発生することがある。 また、 繊維の集束性が不足するとウェブに しわが発生したり、 高圧水流絡合処理された不織布の強力が不足するという 問題がある。
[0005] ポリエステル繊維に耐久親水性を付与する例として、 特許文献 1には、 ポ リエステルポリエーテルブロック共重合体、 ノニオン活性剤、 ァニオン活性 剤およびカチオン活性剤からなる混合物をポリエステル繊維不織布に使用す る例が開示されている。 特許文献 1の例は不織布用処理剤であるが、 この処 理剤をポリエステル繊維製造工程時に使用しょうと試みても 3 5 °C以上で重 合体が析出することから、 熱源の多い繊維製造設備での使用には適さない。 しかも、 エマルシヨンタンク、 オイリングバス等において、 スカム発生や給 油ノズル詰まりの原因となる。 また、 この処理剤が均一に付与できないなど の問題が生じるために使用することはできない。 一方、 起泡性の問題を解決 する例として、 特許文献 2には、 二塩基酸とジオールからなるエステル化合 物およびアルキルリン酸エステルを含む繊維処理剤をポリエステル繊維に使 用する例が開示されている。 特許文献 2の例では、 耐久親水性エステル化合 物は、 耐久親水性が不十分である。 また、 これらの公知文献記載の技術では 、 スカム発生を抑制するとは考えにくい。
特許文献 1 : 曰本国特許第 3 4 8 7 4 2 4号公報
特許文献 2: 曰本国特開 2 0 0 3— 3 2 8 2 7 2号公報
[0006] 上記特許文献 1および 2の実施例において、 また、 他の公知例においても
、 良好な乳化安定性、 高圧水流絡合処理後における良好な耐久親水性、 低起 泡性、 スカム発生抑制を同時に満足する繊維処理剤が見出されていないのが 現状であり、 これらの物性を満足する繊維処理剤の開発が期待されている。 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明が解決しょうとする課題は、 ポリエステル繊維の高圧水流絡合法に よる不織布製造時に、 起泡性が低くスカム発生を抑制し、 その結果、 その操 業性を高めることができ、 しかも、 高圧水流絡合後の不織布において良好な 親水性 (耐久親水性) を付与できる繊維処理剤と、 この繊維処理剤で処理し て得られるポリエステル短繊維およびその製造方法と、 このポリエステル短 繊維を含む不織布およびその製造方法とを提供することである。
課題を解決するための手段
[0008] 上記課題を解決するために、 本発明者は鋭意検討した結果、 特定のポリエ ステル化合物 (成分 (a ) ) と、 特定のエステル (成分 (b ) ) および Zま たはアルキル基の炭素数が特定の範囲にあるジアルキルスルホコハク酸エス テル塩 (成分 (c ) ) とを必須成分として含有した繊維処理剤を使用すると 、 上記課題が解決されることを見出し、 本発明に到達した。
[0009] したがって、 本発明にかかる繊維処理剤は、 成分 (a ) と、 成分 (b ) お よび Zまたは成分 (c ) とを必須成分として含む繊維処理剤であって、 成分 ( a ) が、 芳香族ジカルボン酸、 炭素数 4〜2 2の脂肪族ジカルボン酸およ びこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも 1種のジカルボン 酸 (誘導体) と、 アルキレングリコールと、 ポリアルキレングリコールとを 重縮合させたポリエステル化合物であり、 成分 (b ) が、 ポリオキシアルキ レン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮 合物の少なくとも 1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステルであり、 成分 ( C ) が、 ジアルキルスルホコハク酸エステル塩であり、 そのアルキル基の炭 素数が 6〜 1 8であり、 前記繊維処理剤の不揮発分に占める成分 (a ) の割 合が 3 0〜9 0重量%で、 成分 (b ) と成分 (c ) との合計の割合が 5〜 6 0重量%である。
[0010] 前記成分 (a ) が、 芳香族ジカルボン酸および Zまたはそのエステル形成 性誘導体と、 下記化学式 (1 ) で表されるアルキレングリコールと、 下記化 学式 (2 ) で表されるポリアルキレングリコールとを必須成分として重縮合 したポリエステル化合物であると好ましい。
[001 1 ] [化 1 ]
Figure imgf000005_0001
(但し、 式中、 mは 2〜 8の整数である。 )
[0012] [化 2]
Figure imgf000005_0002
(但し、 式中、 nは 2 0〜2 0 0の整数であり、 Rは水素原子、 アルキル 基または芳香族基である。 )
[0013] 前記成分 (b ) において、 ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸 多価アルコールエステルが炭素数 6〜 2 2のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコ ールとのエステルのアルキレンォキシド付加物であり、 ジカルボン酸の炭素 数が 2〜 1 0であり、 脂肪酸の炭素数が 1 0〜2 2であると好ましい。
[0014] 前記成分 (c ) が、 ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩であ リ、 そのアルキル基の炭素数が 1 0〜 1 6であると好ましい。
[0015] 前記繊維処理剤を含み、 不揮発分濃度が 1 %に調整された水エマルション が、 4 0 °Cに加熱した場合に析出物を生じないエマルシヨンであると好まし い。
本発明にかかるポリエステル短繊維は、 ポリエステル短繊維本体を上記繊 維処理剤で処理して得られる。
[0016] 本発明にかかるポリエステル不織布は、 上記ポリエステル短繊維を含有す る。
本発明にかかるポリエステル短繊維の製造方法は、 上記繊維処理剤でポリ エステル短繊維本体を処理する繊維処理工程を含む。
本発明にかかる不織布の製造方法は、 上記ポリエステル短繊維および Zま たは製造方法で得られるポリエステル短繊維を集積させて繊維ウェブを作製 し、 高圧水流絡合法で処理する高圧水流絡合処理工程を含む。
発明の効果
[0017] 本発明の繊維処理剤は、 ポリエステル繊維の高圧水流絡合法による不織布 製造時に、 起泡性が低くスカム発生を抑制し、 その結果、 その操業性を高め ることができ、 しかも、 高圧水流後の不織布において良好な親水性 (耐久親 水性) を付与できる。
[0018] 本発明のポリエステル短繊維は、 ポリエステル短繊維本体をこの繊維処理 剤で処理して得られるので、 良好な耐久親水性を有する。 本発明のポリエス テル短繊維の製造方法は、 このようなポリエステル短繊維を効率よく製造す ることができる。
また、 本発明の不織布は、 このポリエステル短繊維を含有するので、 良好 な耐久親水性を有する。 本発明の不織布の製造方法は、 このような不織布を 効率よく製造することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 本発明の繊維処理剤は、 成分 (a ) と、 成分 (b ) および Zまたは成分 (
c ) とを必須成分として含む繊維処理剤である。 以下、 各成分を説明する。 〔成分 ( a ) 〕
[0020] 成分 (a ) は、 芳香族ジカルボン酸、 炭素数 4〜2 2の脂肪族ジカルボン 酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも 1種のジカ ルボン酸 (誘導体) と、 アルキレングリコールと、 ポリアルキレングリコー ルとを必須成分として重縮合させたポリエステル化合物である。 成分 (a ) は、 ポリエステル繊維に対する親和性が強く、 耐久親水性が良好な成分であ る。 また、 成分 (a ) は水に溶かしたときの起泡性も比較的低い特性を有し ている。
[0021 ] エステル形成性誘導体とは、 カルボン酸の誘導体であって、 カルボン酸ェ ステルをエステル化反応またはエステル交換反応によって形成できる誘導体 である。 エステル形成性誘導体の具体例としては、 芳香族ジカルボン酸のェ ステル、 酸無水物、 アミドゃ炭素数 4〜2 2の脂肪族ジカルボン酸のエステ ル、 酸無水物、 アミド等が挙げられ、 エステルが好ましい。
[0022] ジカルボン酸 (誘導体) としては、 特に限定はないが、 たとえば、 フタル 酸、 テレフタル酸、 イソフタル酸、 2, 6 _ナフタレンジカルボン酸等の芳 香族ジカルボン酸;琥珀酸、 ダルタル酸、 アジピン酸、 ピメリン酸、 セバシ ン酸の炭素数 4〜2 2の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸ジメチル、 5 _ スルホイソフタル酸ジメチル、 1, 4 _ナフタレンジカルボン酸ジメチル等 の芳香族ジカルボン酸エステル; アジピン酸ジメチル、 ピメリン酸ジメチル 、 セバシン酸ジメチル等の炭素数 4〜2 2の脂肪族ジカルボン酸エステル等 が挙げられる。 これらのジカルボン酸 (誘導体) は、 1種または 2種以上を 併用してもよい。 また 1, 3, 5 _ベンゼントリカルボン酸、 1, 2, 4 - ベンゼン卜リカルボン酸などの卜リカルボン酸を併用してもかまわない。
[0023] ジカルボン酸 (誘導体) のうちでも、 芳香族ジカルボン酸および Zまたは そのエステル形成誘導体が好ましく、 テレフタル酸、 イソフタル酸およびそ のエステルから選ばれた少なくとも 1種がさらに好ましく、 テレフタル酸ェ ステルおよびイソフタル酸エステルの併用が特に好ましい。
[0024] アルキレングリコールとしては、 その炭素数が 2〜8程度のアルキレング リコール (上記化学式 (1 ) で表されるアルキレングリコール) が好ましい 。 アルキレングリコールの具体例としては、 エチレングリコール、 プロピレ ングリコール、 ブチレングリコール、 1, 6—へキサンジオール、 1, 8 _ オクタンジオール、 1, 4—シクロへキサンジメタノール等が挙げられる。 これらのアルキレングリコールは、 1種または 2種以上を併用してもよい。 アルキレングリコールのなかでもエチレングリコールやプロピレンダリコ ール、 ブチレングリコールなどが好ましく、 エチレングリコールがさらに好 ましい。
[0025] ポリアルキレングリコールとしては、 特に限定はないが、 たとえば、 炭素 数 2〜 4のォキシアルキレン単位を有するポリォキシアルキレングリコール が挙げられ、 上記化学式 (2 ) で表されるポリアルキレングリコール (片方 末端構造が水酸基 (R =水素原子) であるか、 アルキル基または芳香族基等 で封鎖されており、 別の片方末端構造が水酸基であるポリオキシアルキレン グリコール) が好ましい。
[0026] 化学式 (2 ) の Rにおけるアルキル基については、 特に限定はないが、 炭 素数が 1〜2 2 (好ましくは 1〜 1 2 ) のアルキル基を挙げることができる 。 アルキル基としては、 たとえば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 プチ ル基、 ペンチル基、 へキシル基、 ォクチル基、 ラウリル基、 ステアリル基、 ベへ二ル基等を挙げることができる。
一般式 (2 ) の Rにおける芳香族基とは、 本発明においては、 ベンゼン、 ナフタレン、 アントラセン等の芳香族炭化水素を含有する有機基を意味し、 含有する芳香族炭化水素の数は 1つ以上であればよい。 Rが芳香族基の場合 、 一般式 (2 ) において酸素原子と結合する Rの部位は、 芳香族炭化水素部 分であってもよく、 そうでなくても良い。 芳香族基としては、 たとえば、 フ ェニル基、 トルィル基、 キシリル基、 スチレン化フエニル基、 フエ二ルェチ ル基、 ジスチレン化フエニル基、 トリスチレン化フエニル基、 ベンジル基、 ベンジル化フエニル基、 ジベンジル化フエニル基、 卜リベンジル化フエニル 基等を挙げることができる。
[0027] 一般式 (2 ) の Rとしては、 アルキル基または芳香族基が好ましい。
化学式 (2 ) において、 nは 2 0〜2 0 0であり、 好ましくは 4 0〜 1 5 0であり、 さらに好ましくは 5 0〜 1 0 0である。 nが 2 0未満であると、 親水性が不足し、 水に分散させることが困難になり、 未溶解物が発生するな どの理由から、 繊維への均一な付与が困難になることゃスカムが発生するこ とがある。 一方、 nが 2 0 0超であると、 ポリエステル繊維への親和性が弱 くなリ、 良好な耐久親水性を付与できなくなることがある。
[0028] ポリアルキレングリコールとしては、 たとえば、 ポリエチレングリコール 、 ポリプロピレングリコール、 ポリブチレングリコール、 ポリオキシェチレ ンメチルエーテル、 ポリオキシエチレンェチルエーテル、 ポリオキシェチレ ンプロピルエーテル、 ポリオキシエチレンラウリルエーテル、 ポリオキシェ チレンフエニルエーテル、 ポリオキシェチレンスチレン化フエニルエーテル 等が挙げられる。 ポリアルキレングリコールのなかでも、 得られるポリエス テル化合物の分子量を制御し易いことや、 またポリアルキレングリコールと 反応していないポリエステルオリゴマー量を減らし、 水への分散性が向上す る効果があることから、 ポリオキシエチレンメチルエーテル、 ポリオキシェ チレンェチルエーテル、 ポリオキシエチレンプロピルエーテル、 ポリオキシ エチレンラウリルエーテル、 ポリオキシエチレンフエニルエーテル、 ポリオ キシェチレンスチレン化フエニルエーテル等が好ましい。
[0029] また、 ポリアルキレングリコールは、 ォキシエチレン基 Zォキシプロピレ ン基 = 1 0 0 Z 0〜4 0 Z 6 0 (モル比) の割合で結合したもの等であって もよい。 これらのポリアルキレングリコールは、 1種または 2種以上を併用 してもよい。
[0030] 成分 (a ) は、 ジカルボン酸 (誘導体) と、 アルキレングリコールと、 ポ リアルキレングリコールとを必須成分として重縮合させて得られるが、 これ らの成分以外の成分 (以下、 共重縮合成分ということがある。 ) とともに重 縮合させたものであってもよい。 共重縮合成分としては、 たとえば、 化学式 ( 2 ) において、 nが 2 0未満の整数であり、 Rは水素原子、 アルキル基ま たは芳香族基である構造を有する低重合度ポリアルキレングリコール等を挙 げることができる。 [0031] 上記ポリエステル化合物を製造する場合、 ジカルボン酸 (誘導体) 、 アル キレングリコールおよびポリアルキレングリコールの原料比率は、 ジカルボ ン酸 (誘導体) Zアルキレングリコール =20Z80〜60Z40 (モル比 ) の範囲内であるのが好ましく、 20Z80〜50Z50 (モル比) の範囲 内であるのがさらに好ましい。 また、 ジカルボン酸 (誘導体) Zポリアルキ レングリコール =100Z2〜1 OOZ100 (モル比) の範囲内であるこ とが好ましい。 ジカルボン酸 (誘導体) Zポリアルキレングリコール =10 0Z2超であると親水性が不足し、 水に均一に分散させることが困難になり 繊維に均一に給油しにくくなることがある。 一方、 ジカルボン酸 (誘導体) Zポリアルキレングリコール = 100/100未満の時は、 ポリエステル繊 維への親和性が弱くなリ、 良好な耐久親水性を付与できなくなることがある
[0032] ポリエステル化合物を製造する反応は、 当該分野において公知の方法およ び条件を適宜選択して行うことができる。 また、 反応圧については、 常圧で 行ってもよく、 減圧で行ってもよい。
ポリエステル化合物は、 水に分散させることができ、 たとえば、 通常 60 °C程度の水に撹拌しながら投入することにより行われる。 ポリエステル化合 物の分散性が良好でない場合は適切な界面活性剤を使用することにより分散 性を向上させることができるが、 界面活性剤の使用量が増えると、 耐久親水 性が低下し、 経時的な乳化破壊によリスカムが発生するおそれがあるので、 乳化剤を用いずに分散できる成分 (a) が好ましい。
〔成分 (b) 〕
[0033] 成分 (b) は、 ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコ ールエステル (以下、 ポリヒドロキシエステルということがある) とジカル ボン酸との縮合物の少なくとも 1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステルで ある。 成分 (b) は、 耐久親水性の向上を補助する作用があり、 成分 (a) 、 成分 (b) をそれぞれ単独で使用するよりも、 これらを併用することによ リ良好な耐久親水性が得られる。 成分 (b) には、 また、 高圧水流絡合処理 における発泡を抑制する作用や、 硬水安定性に優れるためにスカムを低減さ せる作用もある。
[0034] ポリヒドロキシエステルは、 構造上、 ポリオキシアルキレン基含有ヒドロ キシ脂肪酸と多価アルコールとのエステル、 または、 多価アルコールとヒド ロキシ脂肪酸 (ヒドロキシモノカルボン酸) を通常の条件でエステル化して エステル化物を得て、 次いでこのエステル化物にアルキレンォキシドを付加 反応させることによつて製造されるエステルであり、 多価アルコールの水酸 基のうち、 2個以上 (好ましくは全部) の水酸基がエステル化されている。 したがって、 ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコール エステルは、 複数の水酸基を有するエステルである。
[0035] ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸は、 脂肪酸主鎖に酸素原子 を介してポリォキシアルキレン基が結合した構造を有し、 ポリォキシアルキ レン基の脂肪酸主鎖と結合していない片末端が水酸基となっている。
ポリヒドロキシエステルとしては、 たとえば、 炭素数 6〜 2 2のヒドロキ シ脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物のアルキレンォキシド付加物を 挙げることができる。 ヒドロキシ脂肪酸の炭素数が 6未満であると、 親水性 が強くなリ、 一方、 2 2を超えると疎水性が強くなる。 いずれの場合も他の 成分との相溶性が悪くなるため、 十分な耐久親水性を得られないことがある
[0036] ポリヒドロキシエステルを製造する場合、 それぞれの原料比率 (モル比) はヒドロキシ脂肪酸 Z (多価アルコール X多価アルコール 1分子中に含まれる 水酸基の数) = 1 Z 2〜2 Z 1の範囲であることが好ましい。
炭素数 6〜2 2のヒドロキシ脂肪酸としては、 たとえば、 リシノール酸、 1 2—ヒドロキシステアリン酸、 サリチル酸等が挙げられ、 リシノール酸、 1 2—ヒドロキシステアリン酸が好ましい。
[0037] 多価アルコールとしては、 たとえば、 エチレングリコール、 グリセリン、 ソルビタン、 トリメチロールプロパン等が挙げられ、 グリセリンが好ましい 。 アルキレンォキシドとしては、 エチレンォキシド、 プロピレンォキシド、 ブチレンォキシド等の炭素数 2〜 4のアルキレンォキシドが挙げられる。
[0038] アルキレンォキシドの付加モル数は、 上記エステル化物の水酸基 1モル当 リ、 好ましくは 8 0以下、 さらに好ましくは 5〜3 0である。 良好な耐久親 水性を得るためには、 親水基と疎水基のバランスを調整することが重要であ る。 そのためには、 アルキレンォキシドの付加モル数は、 このエステル 1モ ル当リでは、 好ましくは 5〜 1 5 0、 さらに好ましくは 1 0〜8 0である。 アルキレンォキシドに占めるエチレンォキシドの割合は、 好ましくは 5 0モ ル%以上、 さらに好ましくは 8 0モル%以上である。 エチレンォキシドの割 合が 5 0モル%未満では、 疎水性が強くなるために十分な親水性が得られな いことがある。
[0039] ポリヒドロキシエステルは、 たとえば、 多価アルコールとヒドロキシ脂肪 酸 (ヒドロキシモノカルボン酸) を通常の条件でエステル化してエステル化 物を得て、 次いでこのエステル化物にアルキレンォキシドを付加反応させる ことによって製造できる。 ポリヒドロキシエステルは、 エステル化物として 、 ひまし油などの天然から得られる油脂やこれらに水素を添加した硬化ひま し油等を用い、 さらにアルキレンォキシドを付加反応させることによって、 好適に製造できる。
[0040] 成分 (b ) のエステルは、 ポリヒドロキシエステルとジカルボン酸との縮 合物において、 その少なくとも 1つの水酸基が脂肪酸で封鎖されたエステル である。 上記で説明するように、 ポリヒドロキシエステルは水酸基を有して いる。 縮合物は、 たとえば、 ポリヒドロキシエステル 2分子がジカルボン酸 1分子と脱水縮合反応して得られる生成物が主成分となる。 この主成分とな る縮合物 (以下、 縮合物 Aということがある。 ) の構造は、 ポリヒドロキシ エステルに由来する構造をひ、 a ' (ここで、 ひおよびひ' は同一であって もよい) とし、 ジカルボン酸に由来する構造を^とすると、 Οί— β — Οί, と 表現することができる。 Qf _ ^間および Q? ' —^間の結合は、 ポリヒドロキ シエステル中の水酸基と、 ジカルボン酸中のカルボキシル基との反応で形成 されたエステル結合である。 [0041] 成分 (b ) のエステルは、 縮合物の少なくとも 1つの水酸基が脂肪酸で封 鎖されたエステルである。 上記縮合物 Aにおいて、 Q?は 1個以上の水酸基を 有しているから、 縮合物 Aは 2個以上の水酸基を有している。 成分 (b ) の エステルでは、 その水酸基の少なくとも 1つが脂肪酸で封鎖されている。
[0042] ジカルボン酸の炭素数については、 2〜 1 0が好ましく、 2〜8がさらに 好ましい。 ジカルボン酸の炭素数が 1 0を超えると十分な耐久親水性を付与 できないことがある。 ジカルボン酸としては、 たとえば、 ォキシジプロピオ ン酸、 コハク酸、 マレイン酸、 セバシン酸、 フタル酸等およびこれらのジカ ルボン酸の無水物等が挙げられる。 ジカルボン酸と共に、 ラウリン酸、 ォレ イン酸、 ステアリン酸、 ベヘン酸、 安息香酸等のジカルボン酸以外のカルボ ン酸を 2 0 %以下 (好ましくは 1 0 %以下) 含有しても良い。 ポリヒドロキ シエステルとジカルボン酸との縮合物を製造する場合、 それぞれの原料比率 (モル比) は、 好ましくは 1 : 1〜2 : 1、 さらに好ましくは 1 . 5 : 1〜 2 : 1である。 エステル化の反応は通常の条件で良く、 特に限定はない。
[0043] 縮合物の少なくとも 1つの水酸基を封鎖する脂肪酸の炭素数については、
1 0〜2 2が好ましく、 1 2〜2 2がさらに好ましい。 脂肪酸の炭素数が 1 0未満であると親水性が強くなリ、 一方、 2 2を超えると疎水性が強くなる 。 このように、 親水性と疎水性とがアンバランスであると、 十分な耐久親水 性を得ることができないことがある。 このような脂肪酸としては、 たとえば 、 ラウリン酸、 ミリスチン酸、 パルミチン酸、 ステアリン酸、 ォレイン酸、 ィコサン酸、 ベヘン酸等が挙げられる。 縮合物と脂肪酸とのエステルを製造 する場合、 それぞれの原料比率 (モル比) は、 好ましくは 1 : 0. 2〜 1 : 1のモル比で反応されるが、 さらに好ましくは 1 : 0. 4〜 1 : 0. 8のモ ル比である。 エステル化の反応条件については特に限定はない。
[0044] 成分 (b ) は、 アルコキシル化リシノレイン型化合物および Zまたはその 水素添加物とジカルボン酸とのエステルであって、 そのエステルの少なくと も一つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステルと表現することができるものも 含む。 ここで、 ジカルボン酸および脂肪酸は上記で説明したとおりである。 [0045] アルコキシル化リシノレイン型化合物としては、 ひまし油などの天然から 得られる油脂やこれに水素を添加した硬化ひまし油等が挙げられる。
成分 (b) のエステルは、 縮合物 Aを主成分として含む多数の成分の混合 物であることが多い。 縮合物 Aは、 たとえば、 以下の化学式 (3) で表現す ることができる。
[0046] [化 3]
Figure imgf000014_0001
(但し、 X1および X2は、 同一であってもよく、 異なっていてもよい; X1は 、 -O-CO-R4- (OA) g_または一 (OA) g—である; X2は、 -0 -CO-R5- (OA) g_または一 (OA) g—である; X1および X2におい て、 Aは炭素数 1〜5のアルキレン基であり、 Aおよび gは、 それぞれ同一 であってもよく、 異なっていてもよい、 gはいずれも 80以下であり、 gの 総和は 1 0〜 80の範囲を満足する; R4は、 ヒドロキシ脂肪酸 (HO— R4 _COOH、 OH基は R4の側鎖で結合していてもよく、 末端で結合していて もよい) から OH基と COOH基を除いた部分である; R5は、 ヒドロキシ脂 肪酸 (HO_R5_COOH、 OH基は R5の側鎖で結合していてもよく、 末 端で結合していてもよい) から OH基と COOH基を除いた部分である; R2 は 2価の有機基である; R1は、 多価アルコール (R1 (OH) J から全ての OH基を除いた部分であり、 eは 2≤e≤4を満足する整数である; R3は、 多価アルコール (R3 (OH) f) から全ての OH基を除いた部分であり、 f は 2≤ f ≤4を満足する整数である; Yは一 CO— R6であり、 Yが複数ある 場合は、 その一部が水素原子であってもよい。 ) ; R6は、 炭素数 1 2〜22 の炭化水素基である。 )
[0047] 上記化学式 (3) において、 Aとしては、 たとえば、 エチレン基、 プロピ レン基等を挙げることができ、 1種または 2種以上を併用してもよい。 gの 総和は、 好ましくは 5〜 30である。
上記化学式 (3) において、 R4や R5を含有するヒドロキシ脂肪酸として は、 リシノール酸、 1 2—ヒドロキシステアリン酸、 サリチル酸等を挙げる ことができ、 リシノール酸、 1 2—ヒドロキシステアリン酸が好ましい。
[0048] 上記化学式 (3) において、 R2としては、 ォキシジプロピオン酸、 コハク 酸、 マレイン酸、 セバシン酸、 フタル酸等およびこれらのジカルボン酸の無 水物等からカルボキシル基 (または酸無水物基) を除いた 2価の有機基を挙 げることができ、 (無水) コハク酸、 (無水) マレイン酸からカルボキシル 基 (または酸無水物基) を除いた 2価の有機基が好ましい。
上記化学式 (3) において、 R1を含有する多価アルコールとしては、 ェチ レンダリコール、 グリセリン、 ソルビタン、 トリメチロールプロパン等を挙 げることができ、 グリセリンが好ましい。
[0049] 上記化学式 (3) において、 R6としては、 ラウリル酸、 ミリスチン酸、 パ ルミチン酸、 ステアリン酸、 ォレイン酸、 ィコサン酸、 ベヘン酸等からカル ポキシル基を除いた 1価の炭化水素基を挙げることができ、 1種または 2種 以上を併用してもよい。
〔成分 (c) 〕
[0050] 成分 (c) は、 ジアルキルスルホコハク酸エステル塩であり、 そのアルキ ル基の炭素数が 6〜 1 8である。 成分 (c) は、 成分 (b) と同様に耐久親 水性を補助する作用があり、 成分 (a) 、 成分 (c) をそれぞれ単独で使用 するよりも、 これらを併用することにより良好な耐久親水性が得られる。 さ らに、 成分 (a) 、 成分 (b) および成分 (c) を併用することにより、 一 層良好な耐久親水性が得られる。 また、 成分 (c) は、 繊維に対する浸透性 が良好な成分であり、 ポリエステル短繊維本体を本発明の繊維処理剤で処理 する際に、 繊維処理剤を均一付着させる作用がある。 また、 成分 (C ) には 、 繊維 Z繊維摩擦を高め、 高圧水流絡合処理後の不織布の強力を高める作用 がある。
[0051 ] 成分 (c ) は、 炭素数 6〜 1 8のアルキル基を有するものであるが、 炭素 数 8〜 1 6のアルキル基を有すると好ましく、 炭素数 1 0〜 1 6のアルキル 基を有するとさらに好ましく、 炭素数 1 0〜 1 4のアルキル基を有すると特 に好ましい。 アルキル基としては、 直鎖、 分岐のいずれでもよく 2個のアル キル基は同一であっても異なっていてもよい。 アルキル基の炭素数が 6未満 ではカード通過性の低下や高圧水流絡合工程時の発泡の程度が高くなる。 一 方、 アルキル基の炭素数が 1 8を超えると、 ポリエステル短繊維に十分な親 水性を付与することができなくなる。
[0052] 成分 (c ) としては、 ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、 ァ ミン塩を挙げることができ、 ナトリウム塩およびカリウム塩であると、 繊維 処理剤で処理されたポリェステル短繊維に液体が速やかに浸透するので好ま しい。
[0053] 成分 (c ) としては、 たとえば、 ジへキシルスルホサクシネートナトリウ ム塩、 ジ _ 2 _ェチルへキシルスルホサクシネートナトリウム塩、 ジォクチ ルスルホサクシネートナトリゥム塩、 ジラウリルスルホサクシネートナトリ ゥム塩、 ジ椰子アルキルスルホサクシネートナトリウム塩、 ジトリデシルス ルホサクシネートナトリゥム塩、 ジミリスチルスルホサクシネートナトリウ ム塩、 ジステアリルスルホサクシネートナトリウム塩等が挙げられる。 これ らのジアルキルスルホコハク酸エステル塩は、 1種または 2種以上を併用し てもよい。
〔その他の成分〕
[0054] 本発明の繊維処理剤は、 必要に応じて水および Zまたは溶剤を含有してい てもよい。
[0055] 本発明の繊維処理剤には、 カード工程時の静電気の抑制、 繊維の集束性を 向上する等の目的でその他の成分 (以下、 添加剤ということがある。 ) を含 んでいてもよい。
静電気を抑制する添加剤 (以下、 帯電防止剤ということがある。 ) として は、 たとえば、 アルキルホスフェート塩、 ポリアルキレンアルキルホスフエ 一卜塩、 アルキルスルホネート塩、 アルキルサルフェート塩、 ポリアルキレ ンアルキルサルフェート塩、 ポリアルキレンアルキルアミノエ一テル、 脂肪 酸石鹼、 4級アンモニゥム塩、 アルキルべタイン等が挙げられる。 これらの うちでも、 アルキル基の短いアルキルホスフエート塩は硬水安定性が良好で あり、 泡立ちも少ないので好ましく使用でき、 具体的には、 へキシルホスフ エー卜カリウム塩、 へキシルホスフェートナトリウム塩、 ォクチルホスフエ 一卜カリウム塩、 ォクチルホスフェートナトリウム塩等が好ましい。 また、 4級アンモニゥム塩は耐久親水性を向上させる効果もあるので好ましく使用 でき、 具体的には、 ジ椰子アルキルジメチルアンモニゥムクロライド、 ジ硬 化牛脂ジメチルアンモニゥムクロライド等が好ましい。
[0056] 集束性向上を目的とした添加剤 (以下、 集束剤ということがある。 ) とし ては、 たとえば、 ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、 ポリオキシアル キレンアルキルフ Iニルエーテル、 ポリアルキレングリコール脂肪酸エステ ル、 ポリアルキレングリコールロジン (ァビエチン酸) エステル、 ポリオキ シアルキレンスチレン化フエニルエーテル、 ポリオキシアルキレンべンジル 化フエニルエーテル等が挙げられる。 これらのうちでも、 ポリアルキレング リコールロジン (ァビエチン酸) エステル、 ポリオキシアルキレンスチレン 化フエニルエーテル、 ポリオキシアルキレンベンジル化フエニルエーテル等 は、 少量で集束性を高める効果があり、 耐久親水性を低下させることがなく 、 集束性を高めることができるので好ましい。
[0057] また、 本発明の繊維処理剤には、 必要に応じて、 抗菌剤、 酸化防止剤、 防 腐剤、 艷消し剤、 顔料、 抗菌剤、 芳香剤、 消泡剤等がさらに含まれていても よい。
〔各成分の配合割合〕
[0058] 本発明の繊維処理剤の不揮発分に占める成分 (a ) の割合は、 3 0〜9 0 重量%であり、 好ましくは 50〜 80重量%、 さらに好ましくは 55〜 75 重量%である。 成分 (a) の割合が前記不揮発分の 30重量%未満であると 耐久親水性が低下し、 高圧水流絡合処理後の不織布における親水性が不足す ることがある。 一方、 成分 (a) の割合が前記不揮発分の 90重量%超であ ると、 カード通過性が低下しウェブの乱れが発生したり、 ポリエステル繊維 の集束性が不足することにより不織布の強力が低下したりすることがある。 なお、 本発明の繊維処理剤の不揮発分とは、 水分などを除くための熱乾燥ェ 程後においても繊維表面に残存する繊維処理剤中の成分を意味し、 一般的に は 1 1 0°C、 30分間の熱処理条件において揮発せずに残存した成分を意味 する。
[0059] 本発明の繊維処理剤の不揮発分に占める、 成分 (b) と成分 (c) との合 計の割合は、 5〜60重量%であり、 好ましくは 1 0〜60重量%、 より好 ましくは 1 0〜50重量%、 さらに好ましくは 20〜50重量%、 特に好ま しくは 20〜40重量%、 最も好ましくは 25〜 40重量%である。 成分 ( b) と成分 (c) との合計の割合が前記不揮発分の 5重量%未満であると、 耐久親水性が不足することがある。 一方、 成分 (b) と成分 (c) との合計 の割合が前記不揮発分の 60重量%超であると、 成分 (b) と成分 (c) の 比率にもよるが、 乳化が悪くなリエマルシヨン安定性が不良となって、 ポリ エステル繊維に均一に処理 (付着) することが困難になる。 また硬水安定性 が低下して高圧水流絡合処理時のスカム発生原因になることがある。
[0060] 本発明の繊維処理剤が成分 (c) を含有しない場合、 本発明の繊維処理剤 の不揮発分に占める成分 (a) の割合は 30〜90重量%であり、 成分 (b ) の割合は 5〜60重量%である。 一般に、 成分 (b) は水に難溶であるこ とが多いので、 その含有量は成分 (a) の割合より少なくするのが良いから 、 成分 (a) の割合は 50〜90重量%で、 成分 (b) の割合は 1 0〜50 重量%であると好ましい。 なお、 成分 (b) の占める割合が 1 0重量%未満 であると十分な耐久親水性が得られなくなることがある。
[0061] 本発明の繊維処理剤が成分 (b) を含有しない場合、 本発明の繊維処理剤 の不揮発分に占める成分 (a ) の割合は 3 0〜9 0重量%であり、 成分 (c ) の割合は 5〜6 0重量%である。 成分 (c ) は硬水安定性が悪く、 含有量 が増えるとスカムのおそれがあることから、 成分 (c ) の割合が 1 0〜6 0 重量%であると好ましく、 1 0〜 3 0重量%であるとさらに好ましい。 成分 ( c ) の割合が 5重量%未満であると十分な耐久親水性が得られなくなるこ とがある。
[0062] 本発明の繊維処理剤が成分 (a ) 、 成分 (b ) および成分 (c ) を含む場 合、 本発明の繊維処理剤の不揮発分に占める成分 (a ) の割合は 3 0〜9 0 重量%であり、 成分 (b ) と成分 (c ) の合計の割合は 5〜 6 0重量% (好 ましくは 1 0〜6 0重量%) である。 成分 (a ) の割合が 4 0〜 8 0重量% であり、 成分 ( b ) の割合が 5〜 4 0重量%であり、 成分 ( c ) の割合が 5 〜 4 0重量%であると好ましい。
[0063] 上記添加剤等をカードエ程時の静電気の抑制や繊維の集束性を向上させる 等のために配合する場合、 本発明の繊維処理剤の不揮発分に占める添加剤の 割合は、 帯電防止剤では、 3〜 3 0重量%が好ましく、 特に 5〜 2 0重量% が好ましい。 集束剤では、 0〜 4 0重量%が好ましく、 特に 1 0〜 3 0重量 %が好ましい。 これらの添加剤の合計が 4 0重量%以上になると、 親水性が 不足し、 高圧水流絡合後の不織布において良好な親水性 (耐久親水性) を付 与できないことがある。
[0064] 本発明の繊維処理剤を含み、 不揮発分濃度が 1 %に調整された水エマルシ ョンが、 4 0 °Cに加熱した場合に析出物を生じないエマルシヨンであると、 処理剤を使用濃度に調整する時に高温の水で溶解することができるので、 迅 速かつ均一なエマルシヨンを調製することができる。 また、 後述の繊維処理 工程時に、 給油スプレーノズル詰まりやフィルター詰まりの発生、 ローラー 給油時の斑付き等の問題が発生することなく、 繊維処理が可能となる。 ここ で、 析出物とは、 常温で水に均一に分散していた成分が 4 0 °Cに加熱される と乳化が破壊されて静置状態では水に均一に分散できずに沈降する成分のこ とである。 本発明の繊維処理剤では、 この析出物が生じないようにするため に、 ァニオン界面活性剤およびカチオン界面活性剤を同時に含有しないもの が好ましい。
[0065] 本発明の繊維処理剤が処理対象とする繊維としては、 疎水性繊維;ポリオ レフイン繊維、 ポリエステル繊維、 ナイロン繊維およびポリ塩化ビニル繊維 等の非複合繊維、 芯鞘構造のポリエステル—ポリエチレン系複合繊維、 ポリ プロピレン一ポリエチレン系複合繊維、 コポリプロピレン一ポリプロピレン 系複合繊維、 コポリエステル一ポリプロピレン系複合繊維、 コポリエステル —コポリエステル系複合繊維等の熱融着繊維を挙げることができる。 なかで も、 対象繊維がポリエステル繊維や芯鞘構造のポリエステル—ポリェチレン 系複合繊維などのポリエステルを少なくとも一部含む繊維であると耐久親水 性を付与する効果が高い。
[0066] 本発明の繊維処理剤が付与された繊維は、 高圧水流絡合処理法によリ不織 布を作製したときに良好な親水性を示すが、 このような親水性不織布を作製 するその他の方法としては、 公知のニードルパンチ法、 サーマルポンド法、 スパンポンド法、 エアーレイド法等を挙げることができる。
〔ポリエステル短繊維、 不織布およびその製造方法〕
[0067] 本発明のポリエステル短繊維は、 ポリエステル短繊維本体を上記繊維処理 剤で処理して得られる繊維である。 本発明のポリエステル短繊維の製造方法 は、 上記繊維処理剤でポリエステル短繊維本体を処理する繊維処理工程を含 む。
[0068] ポリエステル短繊維本体は、 エチレンテレフタレート単位を主体とするポ リエステルからなることが好ましく、 ポリエチレンテレフタレー卜であると さらに好ましい。 ポリエステルは、 酸成分としてテレフタル酸が 5 0重量% 以上で、 それ以外にイソフタル酸、 ジフエニルスルホンジカルボン酸、 3, 5—ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、 ナフタレンジカルボン酸 等を 1種類または 2種類以上を共重合したポリエステルが好ましい。 また、 グリコール成分としてエチレングリコールが 7 0重量0 /0以上で、 それ以外に ジエチレングリコール、 ブタンジオール、 シクロへキサンジメタノール、 ネ ォペンチルダリコール等を 1種類または 2種類以上共重合したポリエステル から構成されるものが好ましい。 ポリエステル短繊維本体は、 上述したポリ エステルを溶融紡糸して製造され、 カツ卜長と捲縮は用途により選択される 。 これらのポリエステル繊維の断面形状は、 丸、 中空丸、 異形、 中空異形等 いずれの形状であってもよい。
[0069] 本発明のポリエステル短繊維において、 本発明の繊維処理剤に含まれる不 揮発分の付着割合は、 ポリエステル短繊維本体に対して、 0. 0 5〜2重量 %であり、 好ましくは 0. 1〜 1重量%である。 ポリエステル短繊維本体に 対する不揮発分の付着割合が 0. 0 5重量%未満では、 制電性ゃ耐久親水性 が低下する。 一方、 不揮発分の付着割合が 2重量%を超えると、 繊維をカー ド処理する時に巻付き増加や高圧水流絡合処理の発泡が多くなリ生産性が大 幅に低下する。 本発明のポリエステル短繊維の製造方法では、 繊維処理剤に 含まれる不揮発分の付着割合が上記範囲になるように制御されるとよい。
[0070] 本発明の繊維処理剤を、 原液のままポリエステル短繊維本体に処理しても よいが、 通常は、 水に溶解または乳化させた希釈液 (エマルシヨン) の状態 でポリエステル短繊維本体に処理する。 希釈液中の不揮発分の濃度について は、 特に限定はないが、 通常は 1重量%〜2 0重量%、 好ましくは 2重量% 〜1 2重量%で用いる。 繊維処理剤の原液または希釈液は、 上記処理時に均 一に分散していることが望ましく、 その温度は、 通常4 0°〇〜6 0°〇程度で める。
[0071] ポリエステル短繊維の製造方法において、 ポリエステル短繊維の紡糸工程 、 延伸工程前または延伸工程中、 クリンパー前の時点等で、 ポリエステル短 繊維本体を本発明の繊維処理剤で処理する繊維処理工程を行えばよい。 なお 、 クリンパー前の時点での処理は省略してもよい。 紡糸工程や延伸工程で処 理する場合は、 ローラー,タツチ、 スプレー、 浸漬等の通常の処理方法 (給 油方法) で行うことができる。
[0072] 本発明の不織布は、 本発明のポリエステル短繊維を含有しており、 たとえ ば、 水流絡合法等の公知の方法で、 ポリエステル短繊維の繊維間を絡合させ ることによって得られる。
以下、 本発明の不織布の製造方法の一例として、 ポリエステル短繊維を集 積させて繊維ウェブを作製し、 ついで、 この繊維ウェブに高圧水流絡合法で 処理する高圧水流絡合処理工程を施して、 不織布を製造する方法について詳 しく説明する。
[0073] まず、 本発明のポリエステル短繊維を集積させて繊維ウェブを作製する。
繊維ウェブを作製するには、 繊維をカード機に供給し、 カード機から排出さ れるフリースを適宜積層すればよい。 カード機としては、 フリース中の繊維 がほぼ一方向に配列するパラレルカード機、 フリース中の繊維が無配向とな るランダムカード機、 前二者の中間程度の配向となるセミランダムカード機 、 従来綿繊維の開繊に最も一般的に使用されているフラッ卜カード機等を使 用することができる。 カード機から排出されたフリースを、 そのまま多数枚 重ねて、 一方向に繊維が配列したウェブまたは繊維が無配向となっている繊 維ウェブとしてもよい。 また、 一方向に繊維が配列したフリースを、 各フリ ースの繊維が直交する状態で多数枚重ねて、 縦■横均一な繊維ウェブとして もよい。 本発明においては、 縦,横の引張強度が同等である方が好ましいの で、 繊維ウェブとしても、 綿繊維が無配向となっている繊維ウェブまたは各 フリース間の綿繊維が直交している繊維ゥェブを採用することが好ましい。
[0074] このようにして得られた繊維ウェブは、 本発明のポリエステル短繊維のみ で構成されていてもよいし、 他種繊維とともに構成されていてもよい。 繊維 ウェブ中に含有される他種繊維としては、 従来公知の天然繊維、 再生繊維、 合成繊維等が用いられる。 これらの繊維を 1種または 2種以上併用してもよ い。 天然繊維としては、 たとえば、 綿や羊毛や絹等が挙げられる。 再生繊維 としては、 たとえば、 レーヨン繊維等が挙げられる。 合成繊維としては、 た とえば、 ポリアミド系繊維、 ポリオレフイン系繊維、 ポリアクリル系繊維、 ポリビニルアルコール系繊維等が挙げられる。 合成繊維は、 一般に使用され ている非複合型繊維であってもよいし、 異種重合体の組み合わせよりなる芯 —鞘型複合繊維やサイドバイサイド型複合繊維でもよい。 また、 このような 他種繊維は、 ポリエステル短繊維と同様に、 短繊維であるのが好ましい。 こ れは、 ポリエステル短繊維と他種繊維とが均一に混合しやすくなるからであ る。
[0075] 繊維ウェブの重量 (目付) は、 1 0〜 1 50 gZm2程度であるのが好まし い。 目付が 1 O gZm2未満であると、 繊維密度が小さくなつて、 高圧水流絡 合処理によるエネルギーを繊維に与える効率が悪くなリ、 三次元的絡合が不 十分になる傾向が生じる。 一方、 目付が 1 50 gZm2を超える場合も、 単位 面積当りの繊維量が多すぎて、 全ての繊維に高圧水流絡合処理によるエネル ギーを与えにくくなリ、 三次元的絡合が不十分になる傾向が生じる。
[0076] 次に、 高圧水流絡合処理が繊維ウェブに施される。 高圧水流絡合処理は、 繊維ウェブに高圧水流を衝突させるという絡合処理手段である。 この手段に よって、 高圧水流のエネルギーが、 繊維ウェブ中の繊維に与えられ、 繊維は このエネルギーによって運動させられ、 その結果、 繊維相互間に三次元的絡 合が発現してくるのである。 高圧水流は、 例えば、 孔径が 0. 05〜2. 0 mm程度、 特に 0. 1〜0. 4mmの噴射孔から、 噴射圧力 5〜 1 50 k g /cm2 - G程度で、 水または温水等の液体を噴出させれば、 容易に得ること ができる。 高圧水流絡合処理は、 一般的に、 この噴射孔が 0. 3〜 1 Omm 間隔で一列または複数列に多数配列した装置を、 繊維ウェブの進行方向と噴 射孔の列とが直交するように配置し、 進行する繊維ウェブ上に、 高圧水流を 衝突させることによって行われる。 噴射孔と繊維ウェブ間との距離は、 1〜 1 5 cm程度が好ましい。 この距離が 1 cm未満であると、 繊維ゥ ιブに高 圧水流が衝突したときのエネルギーが大きすぎて、 得られる不織布の地合が 乱れるおそれがある。 一方、 1 5 cmを超えると、 繊維ウェブに高圧水流が 衝突したときのエネルギーが小さくなつて、 繊維に十分な運動エネルギーを 与えることができず、 三次元的絡合が不十分になる傾向が生じる。
[0077] 高圧水流絡合処理については、 二段階またはそれ以上に別けて施すのが好 ましい。 すなわち、 第一段階の高圧水流絡合処理においては、 高圧水流の噴 射圧力を低くして、 繊維に与える運動量を少なくし、 繊維ウェブの地合が乱 れるのを防止しながら、 繊維相互間にある程度の予備的な三次元的絡合を与 える。 この第一段階における噴射圧力としては、 5〜30 k gZcm2■ G程 度であるのが好ましい。 噴射圧力が 5 k gZcm2■ G未満であると、 繊維相 互間に三次元的絡合が殆ど生じないおそれがある。 また、 噴射圧力が 3 O k gZcm2■ Gを超えると、 繊維ウェブの地合が乱れるおそれがある。 このよ うな第一段階の高圧水流絡合処理によって、 繊維に絡合が与えられ、 ある程 度、 繊維が拘束された状態で、 第二段階の高圧水流絡合処理を施す。 この際 の噴射圧力は、 第一段階の噴射圧力よりも高くして、 繊維に大きな運動量を 与え、 繊維相互間の三次元的絡合をさらに進行させるのである。 第二段階に おける噴射圧力は、 40〜 150 k gZcm2■ G程度が好ましい。 噴射圧力 が 40 k gZcm2■ Gであると、 繊維相互間の三次元的絡合の進行が不十分 になる傾向が生じる。 また、 噴射圧力が 150 k gZcm2■ Gを超えると、 繊維相互間の三次元的絡合が強固になりすぎて、 得られる不織布の柔軟性や 嵩高性が低下する傾向が生じる。 また、 第一段階の処理で、 ある程度繊維が 拘束されているにもかかわらず、 得られる不織布の地合が乱れる恐れもある 。 以上のような方法によると、 得られる不織布の地合の乱れが少なくなリ、 且つ引張強度が高くなるという利点がある。
[0078] 繊維ウェブに高圧水流絡合処理を施す際、 繊維ウェブは、 通常、 支持体に 担持されている。 すなわち、 高圧水流絡合処理が施される側とは、 反対面に 支持体が置かれている。 この支持体は、 繊維ウェブに施された高圧水流を良 好に通過させるものであれば、 どのようなものでも使用でき、 例えばメッシ ュスクリーンや有孔板等が採用される。 一般的には、 金網等のメッシュスク リーンが採用され、 また孔の大きさは、 20〜 100メッシュ程度であるの が好ましい。
[0079] 繊維ゥェブに高圧水流絡合処理を施した後、 繊維ゥェブには液体流として 使用した水や温水等の液体が含浸された状態になっており、 この液体を従来 公知の方法で除去して、 不織布が得られるのである。 ここで、 液体を除去す る方法としては、 まず、 マングルロール等の絞り装置を用いて、 過剰の液体 を機械的に除去し、 引き続き連続熱風乾燥機等の乾燥装置を用いて、 残余の 液体を除去する方法等が用いられる。 以上のようにして得られた不織布は、 繊維相互間の三次元的絡合が十分になされておリ、 おしぼリや手拭き等の素 材として使用するのに十分な引張強度を持つものである。
〔ポリエステル短繊維の物性〕
[0080] 本発明のポリエステル短繊維は、 耐久親水性に優れている。 ポリエステル 短繊維について実施例で詳細に説明した耐久親水性試験を行った場合、 1 0 回目において 2 0 °Cの水に沈むまでの時間 (秒数) は、 通常 3 0秒以下であ リ、 好ましくは 2 0秒以下であり、 さらに好ましくは 1 0秒以下であり、 特 に好ましくは 5秒以下である。
実施例
[0081 ] 以下に本発明を実施例によって説明するが、 本発明はこれに限定されるも のではない。 なお、 各実施例および比較例における評価項目と評価方法は以 下の通りである。 以下では、 「%」 はいずれも 「重量%」 を表す。
[0082] (実施例 1〜 1 0および比較例 1〜 5 )
表 1に示す各成分を混合して、 繊維処理剤 (1 ) 〜 (1 0 ) および比較繊 維処理剤 (1 ) 〜 (5 ) をそれぞれ調製した。 得られた繊維処理剤それぞれ について下記に示す方法 (エマルシヨン安定性試験、 抑泡性試験、 硬水安定 性試験) にて評価した。 次に、 (比較) 繊維処理剤をそれぞれ約 6 0 °Cの温 水で、 (比較) 繊維処理剤の不揮発分の濃度 0 . 6重量%に希釈して希釈液 を得た。 繊維本体 (ポリエステル製で 1 . 4 5 d t e X 3 8隱の短繊維) 1 0 0 gに対しそれぞれの繊維処理剤の希釈液 5 0 gをスプレー処理した。 そ れぞれの (比較) 繊維処理剤の希釈液で処理した繊維を、 8 0 °Cの温風乾燥 機の中に 2時間入れた後、 室温で 8時間以上放置して乾燥させた。 得られた ポリエステル短繊維を下記の方法 (制電性試験、 集束性試験、 耐久親水性試 験) にて評価した。
[0083] 次に、 得られたポリエステル短繊維をそれぞれ大和機ェ社製開繊機 (型式 O P - 4 0 0 ) によリ開繊処理を施した。 次いで、 開繊処理されたポリエス テル短繊維を、 ランダムカード機に供給し、 排出されたフリースを積層して
、 目付 1 OO gZm2の繊維ウェブを得た。 この繊維ウェブを、 金属製ネット よりなる支持体上に配置し、 噴射圧力 1 5 k gZcm2■ Gで第一段階の高圧 水流絡合処理を施し、 綿繊維相互間を予備的に三次元絡合させた。 引き続き 、 噴射圧力 1 OO k gZ cm2■ Gで第二段階の高圧水流絡合処理を施し、 乾 燥して不織布をそれぞれ得た。 得られた不織布を下記の方法 (不織布の地合 、 不織布における吸水性試験) にて評価した。
[0084] 表 2にそれぞれの評価結果を記載した。
[評価方法]
[0085] (1 ) エマルシヨン安定性試験
1 ) エマルシヨン外観
繊維処理剤にイオン交換水を加え、 含まれる不揮発分濃度が 1重量%のェ マルシヨンを用意し、 25°Cでの外観を目視判定した。
〇:未溶解物がなく、 均一に分散している。
△:若干の未溶解物が見られる。
X :未溶解物が見られる。
2) エマルシヨン熱安定性試験
繊維処理剤にイオン交換水を加え、 含まれる不揮発分濃度が 1重量%のェ マルシヨンを用意し、 撹拌しながら 40°Cに加熱し、 しばらく静置させた後 、 析出物の発生または増加を観察した。
〇:析出物の発生または増加が見られない。
△: 40°Cに加熱することにより若干の析出物の発生または増加が見られる
X : 40°Cに加熱することによリ析出物が発生または増加して、 溶液の下層 部にかなリの沈降物が見られる。
[0086] (2) 抑泡性試験
繊維処理剤に含まれる不揮発分の濃度が 0. 1重量%のエマルシヨンを用 意し、 30m lのメスシリンダ一に 1 0m l添加した。 約 1 0回振とうした 後、 5分後の高さを測定した。 測定の雰囲気は、 全て 20°Cとした。
抑泡性
〇:泡の高さが 1 0 cm以下。
X :泡の高さが 1 0 cmより高い。
[0087] (3) 硬水安定性試験
カルシウムイオン濃度が 50 p pmである硬水を調製し、 これに繊維処理 剤を加えて、 不揮発分の濃度 1重量%のエマルシヨンを調製した。 また、 ィ オン交換水でも同じ濃度のエマルシヨンを調製した。 それぞれ 25°Cにおけ る溶液の状態について、 エマルシヨンの未溶解物 (沈降物) 量を確認した。 〇:イオン交換水エマルシヨンと硬水エマルシヨンで析出物量に変化がない
△:イオン交換水エマルシヨンと比較して、 硬水エマルシヨンに析出物がや や多く見られる。
X :イオン交換水エマルシヨンと比較して、 硬水エマルシヨンに析出物が多 く見られる。
[0088] (4) 制電性試験
それぞれの繊維処理剤で処理したポリエステル短繊維を温湿度 20°Cx 4
5%RHの条件下でミニチュアカード機に通して、 ウェブを作製した。 カー ド通過時の発生静電気量を測定し、 評価した。
〇:発生静電気量が 0〜― 0. 05 kVの範囲。
△ :発生静電気量が— 0. 05〜― 0. 5 kVの範囲。
X :発生静電気量が— 0. 5 kVよリ大。
[0089] (5) 集束性試験
上記 (4) の制電性試験で作製したウェブをミニチュア練条機に通して、 練条スライバーを作製し、 ドラフトカをドラフトフオーステスターにて測定 した。 一般的にドラフト力が高いと集束性が良好と考えることができる。 な お、 ドラフ卜力の測定条件は以下に示すとおりである。
〇: ドラフ卜力が 75 g以上 Δ: ドラフト力が 60〜 75 gの範囲
X : ドラフ卜力が 60 g未満
(ドラフ卜力測定条件)
ドラフ卜倍率: 1. 2倍
測定温湿度: 20 °C X 65 % R H
フロントローラー速度: 2mZ分
二ップ圧: 20 k g
[0090] (6) 耐久親水性試験
上記 (4) の制電性試験で作製したウェブ 5 gを、 ポリプロピレン製編み 寵に入れ、 20°Cの水に浮かべてから沈むまでの時間を測定した。 その後、 この濡れたウェブを遠心脱水機にて脱水した後、 80°Cで 20分間乾燥させ 、 20分間室温で調湿してから再度、 20°Cの水に沈むまでの時間 (秒数) を測定した。 この操作を繰り返し、 沈む時間が 60秒を超えると親水性が低 下したと判断した。 繰り返しのウェブ沈降回数が多いほど、 耐久親水性が優 れるという指標となる。 なお、 表 2に示した数値は、 水に沈むまでの秒数で める。
[0091] (7) 不織布の地合評価
高圧水流絡合処理により得られた不織布の地合を目視判定にて評価した。
〇:不織布の地合の乱れが少なく、 見た目が良好である。
△:不織布の地合に若干の乱れが見られる。
X :不織布の地合に乱れが見られる。
[0092] (8) 不織布における吸水性試験
高圧水流絡合処理により得られた不織布から、 縦 20 cmX横 2 cmの大 きさの試験布を切り取り、 その上端を固定し、 下端におもりをつけて試験布 に若干の張力をかける。 水を入れた水槽に試験布の下端を浸して、 1 0分間 静置させ、 試験布に吸い上げられた高さを測定した。
〇:吸い上げ高さが 5 cm超。
△:吸い上げ高さが 5〜1 cm。 X :吸い上げ高さが 1 cm未満。
[0093] [表 1]
Figure imgf000029_0001
[0094] 上記数値はいずれも繊維処理剤に含まれる不揮発分の割合 (成分 A 1、 成 分 A 2および成分 A 3では、 下記に示すようにそれぞれの水分散液として得 られているが、 水を除いたそれぞれの不揮発分の割合を表 1では示している o )
[0095] 表 1に記載した各成分は下記の通りである。
成分 A 1 :ジメチルテレフタレートとジメチルイソフタレートとをモル比 80 : 20で合計 25重量部、 エチレングリコール 20重量部およびポリェ チレングリコールモノフエニルエーテル (平均分子量: 3000) 55重量 部とを混合し、 触媒として少量の酢酸亜鉛とチタンテトラブトキシドを加え て、 常圧下 1 75〜200°〇で1 80分間反応させて、 ほぼ理論量のメタノ 一ルを留去し、 エステル交換反応を完了させた。 次いで、 230°Cに昇温し て 1時間ほど反応させた後、 0. 5mmH gに減圧して 230〜260°Cに おいて 20分間、 続いて 0. 1〜0. 5mmH gで 275°Cにおいて 40分 間反応させ、 得られた重合体 (平均分子量 7000) を直ちに温水に撹絆し ながら投入して成分 A 1の水分散液を得た。 得られた水分散液中の成分 A 1 の濃度は 1 0重量%であった。
[0096] 成分 A 2 :ジメチルテレフタレートとジメチルイソフタレートと 5—スル ホイソフタル酸ジメチルをモル比 75: 20:5で合計 25重量部、 エチレン グリコール 1 0重量部、 ジエチレングリコール 20重量部およびポリェチレ ングリコール (平均分子量 2000) 55重量部とを混合し、 触媒として少 量の酢酸亜鉛とチタンテトラブトキシドを加えて、 常圧下 1 75〜200°C において、 1 80分間反応させて、 ほぼ理論量のメタノールを留去し、 エス テル交換反応を完了させた。 次いで、 230°Cに昇温して 1時間ほど反応さ せた後、 0. 5mmH gに減圧して 230〜260°Cにおいて 20分間、 続 いて 0. 1〜0. 5mmH gで 275°Cにおいて、 40分間反応させ、 得ら れた重合体 (平均分子量 5000) を直ちに温水に撹絆しながら投入して成 分 A 2の水分散液を得た。 得られた水分散液中の成分 A 2の濃度は 1 0重量 %であった。
[0097] 成分 A 3 : ジメチルテレフタレートとジメチルイソフタレートとをモル比
80 : 20で合計 28重量部、 エチレングリコール 7重量部およびポリェチ レングリコールモノメチルエーテル (平均分子量: 1 000) 65重量部と を混合し、 触媒として少量の酢酸亜鉛とチタンテトラブトキシドを加えて、 常圧下 1 75〜200°〇で1 80分間反応させて、 ほぼ理論量のメタノール を留去し、 エステル交換反応を完了させた。 次いで、 230°〇に昇温して1時 間ほど反応させた後、 0. 5mmH gに減圧して 230〜260°Cにおいて 20分間、 続いて 0. 1〜0. 5mmH gで 275°Cにおいて 40分間反応 させ、 得られた重合体 (平均分子量 7000) を直ちに温水に撹絆しながら 投入して成分 A 3の水分散液を得た。 得られた水分散液中の成分 A 3の濃度 は 1 0重量%であった。
[0098] 成分 B :ポリオキシエチレンカスターワックスのマレイン酸エステルとス テアリン酸とのエステル (ポリオキシエチレン基中のォキシエチレン基の付 加モル数: 20)
成分 C 1 : ジ椰子アルキルスルホサクシネートナ卜リゥム塩
成分 C2 : ジ 2 _ェチルへキシルスルホサクシネートナトリウム塩 成分 D :へキシルホスフエ一卜力リウム塩 成分 E:ポリオキシエチレン椰子脂肪酸エステル (平均分子量 8 0 0 ) 成分 F :ポリオキシエチレン変性ロジンエステル
[0099] [表 2]
Figure imgf000031_0001
産業上の利用可能性
[0100] 本発明の繊維処理剤は、 繊維の処理に適しており、 ポリエステル短繊維を 高圧水流絡合法で処理して、 不織布を製造する際に特に適している。
本発明のポリエステル短繊維は、 高圧水流絡合法で処理して、 不織布を製 造する際に適している。 本発明のポリエステル短繊維の製造方法は、 このよ うなポリエステル短繊維を効率よく製造することができる。
本発明の不織布は、 耐久親水性を必要とする各種用途に適している。 本発 明の不織布の製造方法は、 このような不織布を効率よく製造することができ る。

Claims

請求の範囲
[1] 成分 (a) と、 成分 (b) および Zまたは成分 (c) とを必須成分として 含む繊維処理剤であって、
成分 (a) が、 芳香族ジカルボン酸、 炭素数 4〜22の脂肪族ジカルボン 酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも 1種のジカ ルボン酸 (誘導体) と、 アルキレングリコールと、 ポリアルキレングリコー ルとを重縮合させたポリエステル化合物であり、
成分 (b) が、 ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコ ールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも 1つの水酸基を脂肪酸 で封鎖したエステルであり、
成分 (c) が、 ジアルキルスルホコハク酸エステル塩であり、 そのアルキ ル基の炭素数が 6〜1 8であり、
前記繊維処理剤の不揮発分に占める成分 (a) の割合が 30〜90重量% で、 成分 (b) と成分 (c) との合計の割合が 5〜60重量%である、 繊維処理剤。
[2] 前記成分 (a) が、 芳香族ジカルボン酸および Zまたはそのエステル形成 誘導体と、 下記化学式 (1 ) で表されるアルキレングリコールと、 下記化学 式 (2) で表されるポリアルキレングリコールとを必須成分として重縮合し たポリエステル化合物である、 請求項 1に記載の繊維処理剤。
[化 1]
Figure imgf000032_0001
(但し、 式中、 mは 2〜 8の整数である。 ) [化 2]
Figure imgf000033_0001
(但し、 式中、 nは 2 0〜2 0 0の整数であり、 Rは水素原子、 アルキル 基または芳香族基である。 )
[3] 前記成分 (b ) において、 ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸 多価アルコールエステルが炭素数 6〜 2 2のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコ ールとのエステルのアルキレンォキシド付加物であり、 ジカルボン酸の炭素 数が 2〜 1 0であり、 脂肪酸の炭素数が 1 0〜2 2である、 請求項 1または
2に記載の繊維処理剤。
[4] 前記成分 (c ) が、 ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩であ リ、 そのアルキル基の炭素数が 1 0〜 1 6である、 請求項 1〜3のいずれか に記載の繊維処理剤。
[5] 前記繊維処理剤を含み、 不揮発分濃度が 1 %に調整された水エマルション が、 4 0°Cに加熱した場合に析出物を生じないエマルシヨンである、 請求項 1〜 4のいずれかに記載の繊維処理剤。
[6] ポリエステル短繊維本体を請求項 1〜 5のいずれかに記載の繊維処理剤で 処理して得られる、 ポリエステル短繊維。
[7] 請求項 6に記載のポリエステル短繊維を含有する、 不織布。
[8] 請求項 1〜 5のいずれかに記載の繊維処理剤でポリエステル短繊維本体を 処理する繊維処理工程を含む、 ポリエステル短繊維の製造方法。
[9] 請求項 6に記載のポリエステル短繊維および Zまたは請求項 8に記載の製 造方法で得られるポリエステル短繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、 高 圧水流絡合法で処理する高圧水流絡合処理工程を含む、 不織布の製造方法。
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