JP2001303449A - 親水性ポリエステル系不織布の製造方法 - Google Patents

親水性ポリエステル系不織布の製造方法

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JP2001303449A
JP2001303449A JP2000130887A JP2000130887A JP2001303449A JP 2001303449 A JP2001303449 A JP 2001303449A JP 2000130887 A JP2000130887 A JP 2000130887A JP 2000130887 A JP2000130887 A JP 2000130887A JP 2001303449 A JP2001303449 A JP 2001303449A
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hydrophilic
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Tadaaki Hamaguchi
忠昭 濱口
Masaru Maruyama
大 丸山
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】親水性能の耐久性が高く、繰返し、あるいは、
長時間水または水溶液に浸漬されるような場合でも良好
な親水性能を保持できるポリエステル系不織布を、経済
的に提供する。 【解決手段】ポリエステル繊維を80重量%以上含有す
る不織布に、35℃未満の温度では安定であって、35
℃以上に加熱すると分散が破壊されてポリエステルポリ
エーテルブロック共重合体が析出する特性を有するポリ
エステルポリエーテルブロック共重合体を含む水性分散
混合液を付与した後、35℃以上の温度で処理すること
を特徴とする親水性ポリエステル系不織布の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改良された親水性
能を有するポリエステル系不織布の製造方法に関するも
のであり、詳しくは親水性能およびその耐久性が高く、
繰返し、あるいは、長期間、水に浸漬しても良好な親水
性能が保持できるポリエステル系不織布の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは比較的優れた特性を有しているため、
家庭用、産業用各種材料として多方面に利用されてい
る。特に繊維分野においてはその優れた物理的、化学的
な特性および経済性のため不織布として幅広く使用され
ている。しかしながら、ポリエステル繊維は疎水性繊維
であり、帯電し易く、親水性がないなどの欠点があり、
これら欠点を改良するため多数の方法が提案されてい
る。ポリエステルを重合時に親水性物質、特定のリン化
合物を添加してブロック共重合体を得る方法(特公昭6
3−12897号)、紡糸時に親水性物質を添加する方
法(特開昭59−711676号)、或いは、繊維表面
に親水性物質をグラフト重合する方法(特公昭57−3
86号)、繊維を低温プラズマで処理する方法(特開昭
59−47476号)、親水性基を含有するポリエステ
ルオリゴマーの水分散体を繊維表面に付着させる方法
(特開昭62−19165号)等がある。しかしなが
ら、親水性物質の添加やグラフト重合による方法ではポ
リエステル繊維の性能が低下するとか、繊維および/ま
たは不織布の生産性が悪化する等の欠点がある。また、
親水性基を含有するポリエステルオリゴマーの水分散体
を繊維表面に付着させる方法では親水性の耐久性能が劣
り、高圧の水流での絡合処理、あるいは、おしぼり等の
ように長時間水または水溶液に浸漬される等で繊維表面
のポリエステルオリゴマーが脱落し、不織布での親水性
能を保持しえない等の欠点がある。また、不織布におい
ては親水性繊維、例えばレーヨン、晒綿等を混合して親
水性不織布を得ることが可能であるが、嵩高な不織布が
得られない、生産性が悪い、価格が高い等の欠点があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
方法に比べて親水性能の耐久性が高く、繰返し、あるい
は、長時間水または水溶液に浸漬されるような場合でも
良好な親水性能を保持できるポリエステル系不織布を、
経済的に提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1).ポリ
エステル繊維を80重量%以上含有する不織布に、ポリ
エステルポリエーテルブロック共重合体を含み、かつ3
5℃未満の温度では安定であって、35℃以上に加熱す
ると分散が破壊されてポリエステルポリエーテルブロッ
ク共重合体が析出する特性を有する水性分散混合液を付
与した後、35℃以上の温度で処理することを特徴とす
る親水性ポリエステル系不織布の製造方法、(2).上
記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体が、酸成
分が芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸またはそ
れらのエステル形成誘導体であり、ポリエーテル成分が
平均分子量500以上のポリオキシアルキレングリコー
ルまたはその誘導体をポリエステル成分に対して5〜1
50重量%共重合させてなるものであることを特徴とす
る(1)記載の親水性ポリエステル系不織布の製造方
法、(3).(2)記載のポリエステルポリエーテルブ
ロック共重合体が、不織布100重量部に対し、0.0
5重量部以上の割合で付与されたことを特徴とする
(1)記載の親水性ポリエステル系不織布の製造方法、
(4).上記水性分散混合液が、ポリエステルポリエー
テルブロック共重合体の他にアニオン界面活性剤とカチ
オン界面活性剤とを含有し、かつノニオン界面活性剤お
よび/または両性イオン界面活性剤を含有しており、加
熱によりイオンコンプレックスが生成して分散が破壊さ
れることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載
の親水性ポリエステル系不織布の製造方法、(5).上
記ポリエステル繊維を80重量%以上含有する不織布
が、水流交絡法で繊維間絡合されたことを特徴とする
(1)〜(4)のいずれかに記載の親水性ポリエステル
系不織布の製造方法、(6).上記ポリエステル繊維を
80重量%以上含有する不織布が、スパンボンドである
ことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の親
水性ポリエステル系不織布の製造方法、である。
【0005】本発明の不織布で使用されるポリエステル
繊維は、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリ
エステルであることが好ましく、ポリエチレンテレフタ
レートがより好ましい。さらに、酸成分としてテレフタ
ル酸が50重量%以上で、それ以外にイソフタル酸、ジ
フェニルスルホンジカルボン酸、3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンジカルボン
酸等を1種類または2種類以上共重合したポリエステル
が好ましい。また、グリコール成分としてエチレングリ
コールが70重量%以上で、それ以外にジエチレングリ
コール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコール等を1種類または2種類以
上共重合したポリエステルが好ましい。これらのポリエ
ステルを単独で繊維に形成しても良く、あるいは、融点
または軟化点が20℃以上異なるポリエステル、あるい
は、120℃での乾熱収縮率が10%以上異なるポリエ
ステルを芯鞘型あるいは並列型に複合して繊維を形成し
ても良い。これらのポリエステル繊維は必要により、艶
消し剤、顔料、抗菌剤、芳香剤等を含有させても差し支
えない。また、これらのポリエステル繊維の断面形状は
丸、中空丸、異形、中空異形等、いずれの形状でも差し
支えない。
【0006】また、本発明で使用される不織布は単独あ
るいは2種類以上の上記ポリエステル繊維が80〜10
0重量%とポリエステル以外の繊維20〜0重量%とで
構成される。ポリエステル以外の繊維としては、コット
ン、晒綿、シルク等の天然繊維、レーヨン、ポリノジッ
ク等の再生繊維、あるいは、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ナイロン、アクリル等の合成繊維、ポリエチレン
/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリプロピレン等
の複合繊維であり、これらの繊維が単独または2種類以
上で組み合わされて使用されていても差し支えない。さ
らに、複数の素材、製法、密度、厚み等の異なる不織布
が積層された複合不織布でも使用に差し支えない。本発
明で使用するポリエステルポリエーテルブロック共重合
体成分は特にポリエステル繊維と強固に固着し、親水性
の耐久性を高めるため、ポリエステル繊維の割合が80
重量%未満であると初期の親水性は良好であるが、その
耐久性は悪くなる。
【0007】さらに、本発明で使用される不織布は従来
公知の製造方法から製造される。カードウェブ、エアー
レイドウェブ、あるいは、湿式抄造ウェブを使って、ニ
ードルパンチ法、スティッチボンド法、サーマルボンド
法、レジンボンド法、水流交絡法等の単独、または、こ
れらを組み合わせて製造される。また、ポリエステル長
繊維ウェブを使用したスパンボンド法の不織布も好適で
ある。
【0008】前記ポリエステルポリエーテルブロック共
重合体の酸成分は、主としてテレフタル酸が用いられる
が、他に、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、
および、それらのエステル形成性誘導体を単独あるいは
2種以上を混合して用いることができる。具体的には、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、3,5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム等の芳香
族ジカルボン酸、蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂肪族ジカル
ボン酸、さらに、これらのジメチルエステル、ジエチル
エステル等のジアルキルエステル等を挙げることができ
る。
【0009】また、グリコール成分としては、エチレン
グリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキ
サンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、ハイドロキノ
ン等を単独あるいは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0010】さらに、エーテル成分のポリオキシアルキ
レングリコールおよび/またはその誘導体の共重合成分
として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドと
のランダムまたはブロック共重合体等のポリオキシアル
キレングリコール、ポリテトラメチレングリコールにエ
チレンオキサイドを付加して得られるブロック共重合体
のごとき両末端が水酸基のポリオキシアルキレングリコ
ール、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポ
リエチレングリコール、ナトリウムスルホフェノキシポ
リエチレングリコールのごとき片末端がエーテル結合を
介して封鎖されたポリオキシアルキレングリコール誘導
体等が挙げられる。これらのポリオキシアルキレングリ
コール化合物は単独あるいは2種以上の混合物として用
いることができる。
【0011】上記ポリオキシアルキレングリコール化合
物の平均分子量は500以上であり、800〜5000
の範囲がより好ましい。平均分子量が500未満の場
合、十分な親水性が得られない。また、ポリオキシアル
キレングリコール化合物は5〜150重量%の範囲、よ
り好ましくは40〜130重量%の範囲で共重合され
る。5重量%未満であると水分散性が悪く、乳化分散が
困難になるとともに十分な親水性が得られない。150
%以上であるとポリエステル繊維との親和性が低下し、
かつ、親水性がよくなり過ぎるため、親水性の耐久性が
悪くなる。
【0012】本発明においては、上記ポリエステルポリ
エーテルブロック共重合体は不織布100重量部に対し
て、0.05重量部以上の割合で付与されることが好ま
しく、さらに、0.2重量部以上がより好ましい。ポリ
エステルポリエーテルブロック共重合体の割合が0.0
5重量部未満であると十分な親水性およびその耐久性が
得られない。
【0013】上記ポリエステルポリエーテルブロック共
重合体を使用した変性ポリエステル系の樹脂の市販品と
して、高松油脂(株)製のSR−1000、SR−18
00、SR−6200、SR−5000等が挙げられ
る。
【0014】本発明のポリエステル系不織布に付着させ
る水性分散混合液は前記ポリエステルポリエーテルブロ
ック共重合体の他にアニオン界面活性剤とカチオン界面
活性剤とを含有し、かつ、ノニオン界面活性剤および/
または両性イオン界面活性剤を含有していることが必要
である。一般にアニオン界面活性剤とカチオン界面活性
剤とを混合すると容易にイオンコンプレックスを生成し
沈殿を生じてしまう。しかし、混合前のアニオン界面活
性剤あるいはカチオン界面活性剤の少なくともどちらか
一方にノニオン界面活性剤および/または両性イオン界
面活性剤が所定量混合されていると両者を混合しても低
温領域では安定であり、イオンコンプレックスを生じな
い。
【0015】35℃以下に保持した上記混合液に、ポリ
エステルポリエーテルブロック共重合体を含有させ、ポ
リエステル系不織布に付与した後、35℃以上に加熱す
ると、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤とがイ
オンコンプレックスを形成し、分散破壊が生じるととも
にポリエステルポリエーテルブロック共重合体が析出し
てポリエステル繊維の表面に強固に固着し、親水性のポ
リエステル系不織布を得ることができる。また、生成し
たイオンコンプレックスがポリエステル繊維とポリエス
テルポリエーテルブロック共重合体との双方に強固に固
着するため、得られた親水性の耐久性は極めて高くな
る。アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオ
ン界面活性剤、両性イオン界面活性剤は従来公知の界面
活性剤が使用でき、各々、1種類または2種類以上を混
合して使用しても差し支えない。
【0016】アニオン界面活性剤としてはカルボン酸
塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩
等があり、具体的には、高級脂肪酸石鹸、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸アミドスルホン酸
ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、高
級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルリン酸塩等を例示することがで
きる。
【0017】カチオン界面活性剤としては脂肪族アミン
塩および4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム
塩、複素環4級アンモニウム塩等があり、具体的には、
脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、アルキル
ピリジウム塩、アルキルイソキノリウム塩、ベンゼトニ
ウム塩等を例示することができる。
【0018】ノニオン界面活性剤としてはエーテル型、
エステル型、エーテルエステル型、含窒素型等があり、
具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリ
マー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、多価アルコール脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を例示することが
できる。
【0019】両性イオン界面活性剤としては、ベタイン
型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等があ
り、具体的には、アルキルジメチルベタイン、アルキル
ジエチレントリアミン酢酸、アルキルメチルアミノカル
ボン酸塩等を例示することができる。
【0020】これらの界面活性剤の使用量は適宜に設定
されるが、通常はポリエステルポリエーテルブロック共
重合体に対して、それぞれ5〜200重量%、好ましく
は10〜100重量%である。
【0021】さらに具体的に水性分散混合液の調製例を
以下に述べるが、これに限定されるものではない。アニ
オン界面活性剤、および、カチオン界面活性剤の水性分
散液の少なくともどちらか一方にポリエステルポリエー
テルブロック共重合体を混合し、ポリエステルポリエー
テルブロック共重合体含有の水性分散液を調製する。さ
らに、ノニオン界面活性剤および/または両性イオン界
面活性剤をこれらの水性分散液の少なくともどちらか一
方に混合して、使用直前に2種類の水性分散液を35℃
以下、より好ましくは25℃以下の温度で混合攪拌す
る。
【0022】調製した水性分散混合液に、必要に応じ
て、抗菌剤、酸化防止剤、防腐剤、制電剤、着色剤等を
添加しても差し支えはない。
【0023】上記のように調製した水性分散混合液を3
5℃以下の温度に保持したままで、ポリエステル系不織
布に前記の割合となるように付着させる。付着方法は浸
漬法、吸尽法、スプレー法等公知の方法が使用でき、ま
た、水性分散混合液を付着させる前に他の界面活性剤等
が付着していても差し支えはない。水性分散混合液を付
着させたポリエステル系不織布を、次いで、35℃以
上、より好ましくは50℃以上の温度に加熱、乾燥する
ことで親水性ポリエステル系不織布が得られる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。(水性分散混合液調製):酸成分としてテレフタ
ル酸80重量%、イソフタル酸20重量%、グリコール
成分としてエチレングリコールのエステル成分100重
量部、および、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエ
ーテル(平均分子量1100)のエーテル成分70重量
部を共重合したポリエステルポリエーテルブロック共重
合体(a)、ラウリルホスフェートK塩(b)、ジオク
チルスルホコハク酸Na塩(c)、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル(d)を混合し乳化分散液を予備調製
する。一方、高級脂肪酸アミドの4級アンモニウム塩
(e)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
(f)の混合乳化分散液を予備調製する。これら2種類
の乳化分散液を25℃以下の温度に冷却してから混合
し、水性分散混合液を得た。最終的に、(a)の濃度は
1.0重量%、および、(a)100重量部に対し、
(b)20重量部、(c)20重量部、(d)20重量
部、(e)30重量部、(f)20重量部となるように
調製した。この水性分散混合液はポリエステル繊維に付
着させるまで25℃以下の温度に保持して使用した。
【0025】(ラローズ法吸水率):図1に示すような
ラローズ法吸水性能測定装置(東洋紡エンジニアリング
(株)製)を用いて測定した。すなわち、給水容器
(1)のコック(3)を開いて吸水計測管(4)の先端
まで水を満たすとともにグラスフィルター(8)の上面
まで純水を張り、コック(3)を閉める。さらに、グラ
スフィルター(8)の上面にろ紙を接触させて余分な水
を吸い取るとともに、吸水計測管(4)の目盛りを0に
合わせる。その後、直径6cmの測定試料をグラスフィ
ルターの上面に静かに乗せ、直ちに直径6cmの真鍮製
おもりを乗せると同時に時間を計り始める。3分後の吸
水計測管(4)の目盛りを読み取り、吸水量を測定す
る。吸水率は次式で求めた。ラローズ法吸水率(wt
%)=100×吸水量(ml=g)/試料の重量(g)
【0026】(水滴吸収率):ろ紙の上に測定する不織
布を置き、0.2mlの20℃の水滴を1cmの高さか
ら滴下する。それぞれ、50ケ所に1滴づつ滴下し、不
織布に吸収された水滴の割合を求めた。
【0027】(親水性の耐久性評価方法):200ml
の広口ビンに筒状にまるめた10cm×20cmの不織
布試料と純水200mlを入れ、1Hzの振とう機で3
0分間振とうした後、さらに純水200mlで不織布試
料をすすいでから乾燥する。この不織布試料を使用し
て、上記のラローズ法吸水率、水滴吸収率を測定し、そ
れぞれ振とう処理前(初期)のラローズ法吸水率、水滴
吸収率とから次式で求めた。
【0028】ラローズ法吸水率に対する耐久性(%)=
100×振とう処理後吸水率(wt%)/振とう処理前
吸水率(wt%)水滴吸収率に対する耐久性(%)=1
00×振とう処理後吸収率(%)/振とう処理前吸収率
(%)
【0029】(実施例1〜2、比較例1)単糸繊度3.
5dtexのポリエチレンテレフタレート長繊維がニー
ドルパンチ法で絡合して構成された目付け130g/m
2のスパンボンド不織布に上記水性分散混合液を浸漬法
で処理し、ポリエステルポリエーテルブロック共重合体
が表1に記載の付着率となるようにローラーでプレスし
て余分の水性分散混合液を絞った後、130℃で乾燥し
て、表1に記載のポリエステル不織布を得た。
【0030】(比較例2)水性分散混合液を(b)、
(c)、(d)、(e)、(f)の界面活性剤のみの乳
化分散液とした以外は実施例1と同様にして表1に記載
のポリエステル不織布を得た。界面活性剤の各成分割合
は前記水性分散混合液と同じにし、不織布に対する付着
率は0.55wt%とした。
【0031】(比較例3)水性分散混合液を(a)およ
び(b)、(c)、(d)の界面活性剤のみの乳化分散
液とした以外は実施例1と同様にして表1に記載のポリ
エステル不織布を得た。
【0032】(実施例3)単糸繊度2.0dtexのポ
リエチレンテレフタレート長繊維が部分圧着して構成さ
れた目付け50g/mのスパンボンド不織布に実施例
1と同様に加工して、表1に記載のポリエステル不織布
を得た。
【0033】(実施例4)1.7dtex、44mmの
ポリエチレンテレフタレート繊維85wt%と2.2d
tex、51mmの芯鞘型ポリエステル系熱接着性繊維
15wt%とからなるカードウェブが水流交絡して構成
された目付け50g/m2の不織布に実施例1と同様に
加工して(ただし、乾燥は室温で自然乾燥)、表1に記
載のポリエステル不織布を得た。
【0034】(比較例4)実施例4に使用した不織布を
本発明の加工をしないでそのまま性能を測定した。結果
を表1に示す。
【0035】(比較例5)1.7dtex、44mmの
ポリエチレンテレフタレート繊維70wt%と2.2d
tex、51mmの芯鞘型のポリエチレン/ポリプロピ
レン熱接着性繊維30wt%とからなるカードウェブ
が、水流交絡して構成された目付け50g/m2の不織
布を使用して、実施例4と同様に加工して、表1に記載
のポリエステル系不織布を得た。
【0036】実施例および比較例の不織布の評価結果を
表1に示した。
【表1】
【0037】実施例の結果のように、本発明で得られる
親水性ポリエステル系不織布は親水性能、および、その
耐久性は極めて優れていることがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明で得られる親水性ポリエステル系
不織布は親水性能およびその耐久性が非常に高く、ま
た、ポリエステル本来の優れた特性を損なうことがない
ので、紙おむつ、生理処理用品、各種ワイプス、キッチ
ンペーパー、カウンタークロス、コーヒーフィルター、
トレーマット、手術用ドレープ、手術衣、土木用ドレン
材等、極めて広範囲の用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において不織布の評価に使用したラロー
ズ法吸水性能測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1…給水容器、 2…20℃の純水、 3
…コック、4…吸水計測管、 5…吸水試験部、
6…直径6cmの真鍮製重り 7…直径6cmの円形試料、 8…グラスフィルタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル繊維を80重量%以上含有す
    る不織布に、35℃未満の温度では安定であって、35
    ℃以上に加熱すると分散が破壊されてポリエステルポリ
    エーテルブロック共重合体が析出する特性を有するポリ
    エステルポリエーテルブロック共重合体を含む水性分散
    混合液を付与した後、35℃以上の温度で処理すること
    を特徴とする親水性ポリエステル系不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】上記ポリエステルポリエーテルブロック共
    重合体が、酸成分が芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカル
    ボン酸またはそれらのエステル形成誘導体であり、ポリ
    エーテル成分が平均分子量500以上のポリオキシアル
    キレングリコールまたはその誘導体をポリエステル成分
    に対して5〜150重量%共重合させてなるものである
    ことを特徴とする請求項1記載の親水性ポリエステル系
    不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のポリエステルポリエーテル
    ブロック共重合体が、不織布100重量部に対し、0.
    05重量部以上の割合で付与されたことを特徴とする請
    求項1記載の親水性ポリエステル系不織布の製造方法。
  4. 【請求項4】上記水性分散混合液はポリエステルポリエ
    ーテルブロック共重合体の他にアニオン界面活性剤とカ
    チオン界面活性剤とを含有し、かつノニオン界面活性剤
    および/または両性イオン界面活性剤を含有しており、
    加熱によりイオンコンプレックスが生成して分散が破壊
    されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の親水性ポリエステル系不織布の製造方法。
  5. 【請求項5】上記ポリエステル繊維を80重量%以上含
    有する不織布が、水流交絡法で繊維間絡合されたことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の親水性ポリ
    エステル系不織布の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記ポリエステル繊維を80重量%以上
    含有する不織布が、スパンボンドであることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の親水性ポリエステル
    系不織布の製造方法。
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