JP3571465B2 - 繊維製品用透水性付与剤および透水性繊維製品 - Google Patents

繊維製品用透水性付与剤および透水性繊維製品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は疎水性繊維を用いた繊維製品の親水性を著しく改善することができる絡合性に優れた透水性付与剤および該透水性付与剤を付与された透水性繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バインダー繊維は物性上の特徴および価格上の利点から、広い分野で使用されており、例えば、バインダー繊維として疎水性の強いオレフィン系繊維を含めたポリエステル系繊維を主材とする各種の不織布がドライタッチが要求される紙オムツやナプキンの表面層に使用されている。
【0003】
しかし、このような不織布はポリオレフィン繊維等のバインダー繊維の強い疎水性のため非常に透水しにくい。水を透過させるには大変長い時間を要する。この透水性を改善するため種々の試みがなされてきた。疎水性ポリマーを含む繊維製品の透水性改善方法としては、(イ)親水性化合物を繊維製品表面に付着させる方法、(ロ)親水性化合物を繊維製品表面にグラフト重合する方法、(ハ)繊維製品を薬液あるいは低温プラズマなどで処理して、繊維製品表面に親水基を形成させる方法または(ニ)親水性化合物をポリマー中に添加する方法等が知られている。
【0004】
例えば上記(イ)の方法として、(a)硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、スルホン酸塩基等の少なくとも1つの塩基を含むアニオン系界面活性剤でポリプロピレンからなる多孔質膜状物を処理する方法(特開昭54−153872号公報)、(b)ソルビタンの脂肪酸モノエステルの有機溶剤液でポリプロピレン等からなる微多孔質疎水性膜を処理する方法(特開昭59−501049号公報)、(c)ポリエーテル変性アミノポリシロキサンでポリオレフィン系繊維を被覆する方法(特開昭61−15192号公報)等がある。しかし、いずれの方法も繰り返し透水に対する耐久性に劣り、特に熱融着のための熱処理剤後の親水性が低下するという問題点がある。また、(d)ポリオキシアルキレン変性シリコーンとノニオン界面活性剤を繊維に付着させる方法(特開昭63−303184号公報、特開平2−80672号公報)では、繊維どうしの絡合性や熱接着を阻害したり、コスト高であるという問題点がある。米国特許第4943612号には、アルキルアミノアクリレートやベタインエステルなどの窒素化合物とグリシジルアクリレートなどの共重合物ポリマーラテックスが耐水性と造膜性が良いとされている。また、米国特許第3997490号には、ポリウレタン尿素ポリアミンとエピクロルヒドリンの反応生成物中に両性化剤を使用して反応させ、不織布に付着させて風合い改良および表面コーティング性能向上の効果を得る方法が記載されているが、いずれの発明もナプキンやオムツ用不織布に用いた時に不織布の透水性が悪く、また該不織布表面を擦った時にポリマーラテックスの皮膜が剥がれ易く皮膚を刺激するという問題がある。
【0005】
また、(ロ)や(ハ)の方法では量産が困難であったり、特殊な装置を必要としたり、あるいは透水性能が十分でないなどの問題をも有している。更に(ニ)の方法では透水性能が発現する程度まで親水性化合物をポリマー中に添加すると、生産性が低下したり、熱あるいは光に対する安定性に欠けたりして未だ満足できる方法は見いだされていない。
【0006】
またウエブ製造に関しては、水流を利用した抄紙法による湿式法とか空気流あるいは梳綿機を利用した乾式法などに代表される生産設備面に於いて近年著しい進展があったので、非常に高速で高品質のウエブ生産が可能になってきた。これらのウエブの接着に関しても、低融点熱可塑性高分子”熱融着繊維”をウエブにした後にこれを熱圧着して接着する方法など色々な技術革新がなされている。
【0007】
しかし、高速でウエブを作る場合は、静電気防止性やウエブの絡合性が問題になり、原綿の静電気防止性や絡合性が不足すると地合いが低下する。さらに成型体が繊維状になると、繊維状物を織編物や不織布に加工する工程での工程通過性という問題も生じてくる。
【0008】
繰り返し透水に対して耐久性のある透水性ならびに良好な静電防止性、絡合性および工程通過性を有し、かつ量産可能なバインダー繊維および不織布が得られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、バインダー繊維に対して、繰り返し透水に対して耐久性のある透水性を付与し、さらにウエブあるいは不織布等の繊維製品製造の際における良好な静電防止性、絡合性をも付与できる繊維製品用透水性付与剤を提供せんとするものである。
【0010】
本発明はさらに短繊維を不織布用ウエブに形成するための梳綿工程(以下カードと呼称)での良好な通過性をバインダー繊維に付与することのできる透水性付与剤を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は(1)(ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミド成分および(2)トリアルキルグリシン誘導体成分からなる繊維製品用透水性付与剤、およびこれを付与したバインダー繊維で作製された透水性繊維製品に関する。
【0012】
本発明で用いる(ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミド成分は、炭素数12以上の脂肪酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸等の1価の飽和あるいは不飽和脂肪酸、またはマレイン酸あるいはアジピン酸等の飽和あるいは不飽和2価脂肪酸、または安息香酸あるいはフタル酸等の一価あるいは二価の芳香族カルボン酸から選ばれた少なくとも1種類以上とポリアルキレンポリアミンとの縮合物からなる成分である。好ましい酸成分はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸等の1価の飽和あるいは不飽和脂肪酸が好ましい。また、コストの点ではパルミチン酸、ステアリン酸、アジピン酸、フタル酸、コハク酸が好ましい。
【0013】
上記のような酸と縮合されるポリアルキレンポリアミンは炭素数2〜6のアルキレン基にアミン基が2〜6個結合している化合物である。メトキシ、プロポキシ等のアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。具体的にはジエチレントリアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、ポリエトキシジエチレントリアミン、ポリプロポキシジエチレントリアミン、アミノエチルアミンエタノールアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジヒドロキシエチルアミン等の1種類以上を組み合わせた成分が挙げられる。好ましいポリアルキレンポリアミンはアミノエチルアミンエタノールアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチレントリアミンである。
【0014】
(ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミドは上記の酸成分とポリアルキレンポリアミンとを縮合させて得られるが、縮合に際してカルボキシル基とアミンとのモル比は、必ずしもアミン基がすべてアミド基に誘導されるモル比を採る必要はなく、一部分アルカノイル化されないアミンが生じるような比で縮合させてもよい。好ましくはその比をカルボキシル基:アミン=1:1〜1:2とすることが望ましい。(ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミドとしては、さらにアミノ基、アミド基の活性水素とアルキレンオキシドを反応させて得られる、ポリオキシアルキレン基を有するものが透水性に優れており好ましい。アルキレンオキシドの付加モル数は上記アミド成分1モルに対し10〜100モルが特に好ましい。
【0015】
本発明の透水性付与剤を構成するトリアルキルグリシン誘導体は、グリシン分子構造中の窒素原子に3つのアルキル基が結合して形成された第4級アンモニウムとカルボキシル基の陰イオンの分子内塩、いわゆるベタイン構造を有する化合物である。アルキル基としては炭素数1〜22のものから任意に選んで構成することができる。トリアルキルグリシン誘導体の具体例としてはジメチルドデシルグリシンヒドロキサイド、ジメチルテトラデシルグリシンヒドロキサイド、ジメチルオクタデシルグリシンヒドロキサイド、ヘプタデシルイミダゾリウムヒドロキシエチルグリシンヒドロキサイドなどの分子内塩が挙げられ、これらの中でも2個のアルキル基がメチル、エチルなどの低級アルキル基で1個が炭素数12以上の長鎖アルキル基を有するものが好ましい。特にヘプタデシルイミダゾリウムヒドロキシエチルグリシンヒドロキサイド、βヒドロキシオクタデシルジメチルグリシンヒドロキサイドが好ましい。
【0016】
本発明の透水性付与剤における(ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミド成分とトリアルキルグリシン誘導体成分の混合割合は、(ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミド成分1重量部に対してトリアルキルグリシン誘導体成分を1重量部以上、好ましくは2重量部以上の割合とする。
【0017】
本発明の透水性付与剤にはさらに所望によりジオキシエチレンドデシル燐酸エステルナトリウム塩等の帯電防止剤、ノニオン性の乳化剤、カルナバワックス等の油滑剤等を添加してもよい。本発明の透水性付与剤は疎水性繊維あるいは疎水性繊維からなる繊維製品、特にポリオレフィン繊維、フィブリル化ポリオレフィン繊維、芯鞘構造のポリエステル・ポリエチレン系、ポリエステル・ポリプロピレン系、ポリエチレン・ポリプロピレン系、コポリプロピレン・ポリプロピレン系、コポリエステル・ポリプロピレン系、コポリエステル・ポリエステル系複合繊維等のバインダー繊維に適用することが好ましい。
【0018】
本発明の透水性処理剤は、バインダー繊維に対し0.1〜2.0重量%、好ましくは0.3〜0.7重量%付着させる。付着量が0.1重量%未満では透水性と耐久性が不足し、付着量が2.0重量%を越えるとカード工程でバインダー繊維の巻付き量が非常に多くなりウエブの生産性が大幅に低下したり、透水後のべとつきが大きくなるので好ましくない。
【0019】
処理の方法としては本発明の透水性処理剤をエマルジョンであるいはストレートで繊維に付着させる。エマルジョンの場合、水に5〜30重量%に希釈し、ストレート給油の場合、低粘度の鉱物油に5〜30重量%に希釈し、上記した量を繊維に付着させる。給油はローラおよびノズルのいずれでもよい。また、水等の適当な溶媒に溶解させた溶液を調製し、溶液中にバインダー繊維を浸漬するか、あるいはその溶液をバインダー繊維に噴霧処理する等の方法を適用することもできる。
【0020】
本発明の透水性処理剤は、バインダー繊維としてポリオレフィン繊維、フィブリル化ポリオレフィン繊維のみに限らず、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、塩ビ繊維および、これらの組合わされた複合繊維にも用いることができる。
【0021】
本発明の透水性付与剤を適用することにより、繰り返し透水に対する耐久性を著しく改善することが出来ると同時に、バインダー繊維およびウエブの絡合性およびカード工程での静電気発生と巻付きを防止し生産性を著しく改善することが出来る。これによりウエブおよび織布の地合いが一段と改善される。
【0022】
このようなバインダー繊維およびそれらの組み合わせ繊維を用いてなるウエブ、さらにはこのウエブを1枚かそれ以上用いて形成された不織布は繰り返し透水に対して優れた透水性を有する。不織布としては、スパンボンド、スパンレースおよびメルトブローなどの不織布を用いることもできる。
【0023】
特に、ウエブを熱融着、熱圧着して形成した不織布であっても、本発明の透水性付与剤の処理効果は損なわれず、得られる不織布は透水性および繰り返し透水に対しても耐久性がある。また、バインダー繊維を使用した場合には、シリコーン系の処理剤に比べ、繊維どうしの絡合性と熱接着性が著しく改善される。
【0024】
本発明の透水性処理剤で処理されたバインダー繊維およびその繊維からなる不織布を使用すると、優れた透水性を有する紙オムツ等の繊維製品、繰り返し透水性を有するナプキン、肌着等の衣料製品、さらに水に対して良好な分散性を有する湿式抄紙用バインダー繊維あるいは20g/m以下の低目付のウエブや不織布を得ることができる。
【0025】
ここに本発明は(1)(ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミド成分および(2)トリアルキルグリシン誘導体成分からなる繊維製品用透水性付与剤を付与されたバインダー繊維で形成された透水性繊維製品を提供するものである。なお、繊維製品には繊維から形成される最終製品たる肌着等の衣料製品のみでなく、バインダー繊維自体、およびバインダー繊維を混用して形成されるウエブ、不織布をも含むものとする。
【0026】
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1
ポリプロピレン繊維に、1モルのアミノエチルアミンエタノールアミンと2.0モルステアリン酸を撹拌機付きの4口フラスコ中で空気を窒素置換して縮合反応を行って得られるアミド成分30重量部、ヘプタデシルイミダゾリウムヒドロキシエチルグリシンヒドロキサイドの分子内塩:
【化1】
Figure 0003571465
70重量部、水900重量部とを混合して調整した処理剤を、給油処理して5重量部(対繊維重量:以下O.W.F.と言う。固形分では0.5重量%)付与し乾燥した。
【0027】
これを混打綿、高速カードの各工程を通し、目付20g/mのウエブを作製した。カード工程では20℃、40%RHでの静電気の発生量、巻付き状況およびウエブの状態を主体に工程通過性を判定した。それぞれのランク付けは以下の通りに行い、後述の実施例および比較例における評価結果とともに表1にまとめて示した。
静電気発生量
5:0.5KV以下
4:0.5KV〜1.0KV
3:1.0KV〜1.5KV
2:1.5KV〜2.0KV
1:2.0KVより大
巻付き状況
5:巻き付きなし
4:シリンダー面の1/10に巻き付きあり
3:シリンダー面の1/5に巻き付きあり
2:シリンダー面の1/3に巻き付きあり
1:全面に巻き付きあり
ウエブの状態
5:張りがあり均一
4:張りがあるが、ウエブが揺れる
3:張りがあるが、クラウデイーがある
2:張りがなく、若干垂れている
1:若干ウエブ切れあり
静電気の発生量は0.2KVであり、巻付き現象は全く認められなかった。また、ウエブ垂れが無くウエブの張り具合も極めて良好であった。
【0028】
さらに、このウエブを136℃で熱処理し不織布に成型した後、その表面にピペットで水滴を置き、水滴の消失時間と拡散状態を観察した(透水性)。ランク付けは以下の通りに行った。
透水性
5:瞬時に水滴が消失し、べとつきが全然ない。
4:10秒以内に水滴が消失し、べとつきが全然ない。
3:10〜30秒以内に水滴が消失し、べとつきが全然ない。
2:30〜60秒以内に水滴が消失し、水滴部分のみにべとつきが残る。
1:60秒を越えても水滴が消失せず、べとつきが残る。
直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。
【0029】
この不織布を水中に30秒間浸し、引き上げて遠心分離機で脱水し、乾燥した後、再度その表面に水滴を置き、水滴の消失時間と拡散状態を判定する「繰り返し透水性試験」を行ったところ、直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。
【0030】
実施例2
ポリプロピレン繊維に、1モルのジエチレントリアミンと2.5モルのベヘン酸を撹拌機付きの4つ口フラスコ中で空気を窒素置換して縮合反応を行って得られる成分45重量部、ヘプタデシルイミダゾリウムヒドロキシエチルグリシンヒドロキサイドの分子内塩40重量部、ジオキシエチレンドデシル燐酸エステルナトリウム塩15重量部および水900重量部とを混合して調整した処理剤を用いて処理して、実施例1と同様に評価した。
【0031】
カード工程では20℃、40%RHでの静電気の発生量が0.3KVであった。また、巻付き現象は全く認められずウエブ垂れが無くウエブの張り具合も極めて良好であった。
【0032】
目付20g/mのウエブを136℃で熱処理し不織布に成型した後、その表面に水滴を置き水滴の消失時間と拡散状態を試験した結果、直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のみのべとつきも認められなかった。
【0033】
繰り返し透水性試験の結果では直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。
【0034】
実施例3
ポリプロピレン繊維によるスパンボンド不織布に、実施例1のポリプロピレン繊維用処理剤を給油処理して10重量部(O.W.F)付与し乾燥した。最初の透水では直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。繰り返し透水性試験でも直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。
【0035】
実施例4
芯鞘構造のポリエステル/ポリエチレン複合繊維に、1モルのジエチレントリアミンと2モルのベヘン酸を撹拌機付きの4口フラスコ中で空気を窒素置換して縮合反応を行って得られる成分に21モルのエチレンオキシドを付加反応して得られる成分45重量部、ジメチルオクタデシルグリシンヒドロキサイドの分子内塩40重量部、ドデシル燐酸エステルナトリウム塩15重量部及び水900重量部とを混合して調整した処理液を5重量部付与した場合、カード工程では20℃、40%RHでの静電気の発生量が0.3KVであり巻付き現象は全く認められずウエブ垂れが無くウエブの張り具合も極めて良好であった。その目付20g/mの不織布の表面に水滴を置いた結果、直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。繰り返し透水性試験の結果では直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。
【0036】
実施例5
実施例4において混合して調製した処理剤を1.2デニール、10mmのポリエステル繊維に給油処理して5重量部付与し乾燥した。このポリエステル繊維は、水中に於いて泡立ちの少ない安定した分散性が得られ、湿式不織布を作製することが可能であった。
【0037】
実施例6
実施例1において、ポリプロピレン繊維に、1モルのジエチレントリアミンに25モルのエチレンオキシドを付加反応して得られる成分2モルと1.8モルのアジピン酸を撹拌機付きの4口フラスコ中で空気を窒素置換して縮合反応を行って得られる平均分子量7000の成分40重量部、ジメチルオクタデシルグリシンヒドロキサイドの分子内塩40重量部、ドデシル燐酸エステルカリウム塩20重量部及び水900重量部とを混合して調整した処理剤を用いて処理した場合、カード工程では20℃、40%RHでの静電気の発生量が0.1KVであり巻付き現象は全く認められずウエブ垂れが無くウエブの張り具合も極めて良好であった。目付20g/mのウエブを136℃で熱処理して得た不織布の表面に水滴を置いた時に、水滴は直ちに消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。繰り返し透水性試験に於いては直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。
【0038】
実施例7
アジピン酸を用いた縮合反応に於いて、アジピン酸をイソフタル酸に代えた以外は実施例6と同様にして評価した。カード工程では20℃、40%RHでの静電気の発生量が0.2KVであり巻付き現象は全く認められずウエブ垂れが無くウエブの張り具合も極めて良好であった。その不織布の透水性および繰り返し透水性試験では水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。
【0039】
実施例8
実施例1において、ポリプロプレン繊維に、1モルのジメチルアミノエチルアミンと1モルのベヘン酸を撹拌機付きの4口フラスコ中で空気を窒素置換して縮合反応を行って得られる成分30重量部、βヒドロキシオルタデシルジメチルグリシンヒドロキサイドの分子内塩30重量部、テトラオキシエチレンドデシル硫酸エステルナトリウム塩40重量部及び水900重量部とを混合して調整した処理剤を用いて処理した場合、カード工程では20℃、40%RHでの静電気の発生量が0.6KVであり巻付き現象は全く認められずウエブ垂れが無くウエブの張り具合も極めて良好であった。目付20g/mのウエブを136℃で熱処理し不織布に成型した後、その表面に水滴を置き水滴の消失時間と拡散状態を試験した結果、直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、−カ所のべとつきも認められなかった。繰り返し透水性試験の結果では直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。
【0040】
実施例9
実施例1において、ポリプロプレン繊維に、1モルのジメチルアミノエチルアミンと1モルのステアリン酸を撹拌機付きの4口フラスコ中で空気を窒素置換して縮合反応を行って得られる成分25重量部、βヒドロキシオルタデシルジメチルグリシンヒドロキサイドの分子内塩35重量部、トリオキシエチレンテトラデシルエーテル15重量部、ジオキシエチレンドデシル燐酸エステルカリウム塩25重量部及び水900重量部とを混合して調整した処理液を用いて処理した場合、カード工程では20℃、40%RHでの静電気の発生量が0.3KVであり巻付き現象は全く認められずウエブ垂れが無くウエブの張り具合も極めて良好であった。目付20g/mのウエブを136℃で熱処理し不織布に成型した後、その表面に水滴を置き水滴の消失時間と拡散状態を試験した結果、直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のみのべとつきも認められなかった。繰り返し透水性試験の結果では直ちに水滴は消失し拡散状態も良好であり、一カ所のべとつきも認められなかった。
【0041】
実施例10および11
実施例1において、ポリエチレン・ポリプロピレン系芯鞘複合構造繊維に、1モルのジエチレントリアミンと2モルのステアリン酸を撹拌機付きの4口フラスコ中で空気を窒素置換して縮合反応を行って得られるアミドに15モルのエチレンオキシドを付加反応して得られるアミド成分35重量部、ジメチルオクタデシルグリシンヒドロキサイド分子内塩35重量部、ジオキシエチレンドデシル燐酸エステルカリウム塩30重量部及び水900重量部とを混合して調整した処理液を用いて処理した場合、カード工程では20℃、40%RHでの静電気の発生量が0.1KVであり、カードウエブの張り具合が極めて良好であった。これを熱処理して目付20g/mの不織布に成型し、その表面に水滴を置くと水滴は拡散せず直ちに消失し、一カ所のべとつきも認められなかった。繰り返し透水性試験の結果でも、水の拡散がなく直ちに消失し、べとつきも全く認められなかった。
また、上記の処理液を付与した繊維を高速のカードにかけ、目付15g/mのウエブを作製し、次いで不織布を同様に作製することが可能であった(実施例11)。
【0042】
比較例1
ヘプタデシルイミダゾリウムヒドロキシエチルグリシンヒドロキサイドの分子内塩100重量部、水900重量部とを混合して調整した処理剤を用いた以外、実施例1と同様にして評価した。ウエブの張り具合も極めて悪く、得られた不織布は最初の透水では直ちに水滴は消失し良好であるが一カ所でべとつきが有った。また、繰り返し透水性試験を行ったところ水滴が消失するのに120秒以上の時間を要し数箇所でべとつきが認められた。
【0043】
比較例2
実施例10で使用したアミド成分100重量部と水900重量部からなる処理液を用いた以外、実施例1と同様にウエブおよび不織布を作製し、評価した。
【0044】
比較例3
特開平2−80672号公報の実施例7に記載されている、ポリオキシアルキレン変性シリコーン(Si−7)35重量部、POE(2)ステアリルアミノラウレート30重量部、ステアリン酸ジエタノールアミド35重量部を用いた以外、実施例1と同様にして評価した。その結果、カードの工程通過性に劣り、かつ熱接着して作製した不織布は繰り返し伸長に対する回復性に劣るものであった。
【0045】
以上の評価結果を上述のランク付けに従って評価し、以下の表1に示す。
【表1】
Figure 0003571465
【0046】
【発明の効果】
本発明は新規な繊維製品用透水性付与剤を提供した。
本発明の透水性付与剤で処理された繊維製品は透水性に優れ、かつ繰り返し透水に対しても耐久性がある。
また、本発明の透水性付与剤で処理されたバインダー繊維は良好な静電防止性、絡合性を有し、さらにカード工程での良好な通過性を有する。

Claims (3)

  1. (1)(ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミド成分および(2)トリアルキルグリシン誘導体成分からなる繊維製品用透水性付与剤。
  2. (1)(ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミド成分および(2)トリアルキルグリシン誘導体成分からなる繊維製品用透水性付与剤を付与されたバインダー繊維で形成された透水性繊維製品。
  3. (ポリ)アルキルポリアルキレンポリアミンアミド成分がポリオキシアルキレン基を有することを特徴とする請求項2記載の透水性繊維製品。
JP16909396A 1995-06-28 1996-06-28 繊維製品用透水性付与剤および透水性繊維製品 Expired - Lifetime JP3571465B2 (ja)

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