JP3487424B2 - 親水性ポリエステル繊維、親水性不織布およびその製造方法 - Google Patents

親水性ポリエステル繊維、親水性不織布およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改良された親水性
能を有するポリエステル系繊維および不織布に関するも
のであり、詳しくは親水性能の耐久性が高く、例えば水
流交絡法で絡合される不織布においても親水性能を保持
できるポリエステル系繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは比較的優れた特性を有しているため、
衣料用素材を始め、家庭用、産業用各種材料として多方
面に利用されている。特に繊維分野においてはその優れ
た物理的、化学的な特性および経済性のため織編物、不
織布用原料として幅広く使用されている。しかしなが
ら、ポリエステル系繊維は疎水性繊維であり、帯電し易
く、親水性がないなどの欠点があり、これら欠点を改良
するため多数の方法が提案されている。ポリエステルを
重合時に親水性物質、特定のリン化合物を添加してブロ
ック共重合体を得る方法(特公昭63−12897
号)、紡糸時に親水性物質を添加する方法(特開昭59
−711676号)、或いは、繊維表面に親水性物質を
グラフト重合する方法(特公昭57−386号)、繊維
を低温プラズマで処理する方法(特開昭59−4747
6号)、親水性基を含有するポリエステルエーテル共重
合体の水分散体を繊維表面に付着させる方法(特公昭4
5−10794号、特開昭62−19165号)等があ
る。しかしながら、親水性物質の添加やグラフト重合に
よる方法ではポリエステル繊維の性能が低下するとか、
生産性が悪化する等の欠点がある。また、親水性基を含
有するポリエステルエーテル共重合体の水分散体を繊維
表面に付着させる方法では親水性の耐久性能が劣り、高
圧の水流での絡合処理、あるいは、おしぼり等のように
長時間水または水溶液に浸漬される等で繊維表面のポリ
エステルエーテル共重合体が脱落し、親水性能を保持し
えない等の欠点がある。また、不織布においては親水性
繊維、例えばレーヨン、晒綿等を混合して親水性不織布
を得ることが可能であるが、嵩高な不織布が得られな
い、生産性が悪い、価格が高い等の欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
方法に比べて親水性能の耐久性が高く、高圧の水流での
絡合処理や長時間水または水溶液に浸漬されるような場
合でも、親水性能を保持できるポリエステル繊維および
それを用いた不織布を、経済的に提供することである。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明は、(1) ポリ
エステルポリエーテルブロック共重合体、アニオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤およ
び/または両性イオン界面活性剤を含有し、かつ35℃
未満の温度では安定であって、35℃以上に加熱すると
分散が破壊されてポリエステルポリエーテルブロック共
重合体が析出する特性を有する水性分散混合液が、捲縮
ポリエステル繊維に付与された後、35℃以上の温度で
処理され、前記ポリエステルポリエーテルブロック共重
合体が、繊維100重量部に対し、0.05〜2.0重
量部の割合で付与されて表面が親水化され、不織布用で
あることを特徴とする親水性ポリエステル繊維、(2)
ポリエステルポリエーテルブロック共重合体、アニオ
ン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性
剤および/または両性イオン界面活性剤を含有し、かつ
35℃未満の温度では安定であって、35℃以上に加熱
すると分散が破壊されてポリエステルポリエーテルブロ
ック共重合体が析出する特性を有する水性分散混合液が
付与された後、35℃以上の温度で処理され、前記ポリ
エステルポリエーテルブロック共重合体が、繊維100
重量部に対し、0.05〜2.0重量部の割合で付与さ
れて表面が親水化された捲縮親水性ポリエステル繊維を
20重量%以上含有し、目付けが20〜100g/m 2
の不織布であり、ニードルパンチ法、スティッチボンド
法、サーマルボンド法および水流交絡法の内の少なくと
も1種の絡合方法で絡合されてなり、ラローズ法で測定
した3分後の吸水率が不織布重量に対して30重量%以
上であることを特徴とする親水性不織布、(3)第1又
は2の発明に記載のポリエステルポリエーテルブロック
共重合体が、酸成分が芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカ
ルボン酸またはそれらのエステル形成誘導体であり、ポ
リエーテル成分が平均分子量500以上のポリオキシア
ルキレングリコールまたはその誘導体をポリエステル成
分に対して5〜150重量%共重合されてなるものであ
ることを特徴とする親水性ポリエステル繊維又は親水性
不織布、(4)第1〜3の発明のいずれかに記載のポリ
エステル繊維が、エチレンテレフタレート単位を主体と
するポリエステルであることを特徴とする親水性ポリエ
ステル繊維又は親水性不織布、(5)第1〜4の発明の
いずれかに記載のポリエステル繊維が、融点または軟化
点が20℃以上異なる2種のポリエステルが芯鞘型また
は並列型に複合されている繊維であることを特徴とする
親水性ポリエステル繊維又は親水性不織布、(6)ポリ
エステル繊維トウに捲縮を付与した後、該ポリエステル
繊維トウにポリエステルポリエーテルブロック共重合
体、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオ
ン界面活性剤および/または両性イオン界面活性剤を含
有しており、かつ35℃未満の温度では安定であって、
35℃以上に加熱すると分散が破壊されてポリエステル
ポリエーテルブロック共重合体が析出する特性を有する
水性分散混合液を付与し、次いで熱処理後、切断して得
られたポリエステルステープルを20重量%以上含有す
るカードウェブを作成し、水流交絡法で絡合させること
を特徴とする親水性不織布の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるポリエステル
繊維は、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリ
エステルであることが好ましく、ポリエチレンテレフタ
レートがより好ましい。さらに、酸成分としてテレフタ
ル酸が50重量%以上で、それ以外にイソフタル酸、ジ
フェニルスルホンジカルボン酸、3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンジカルボン
酸等を1種類または2種類以上共重合したポリエステル
が好ましい。また、グリコール成分としてエチレングリ
コールが70重量%以上で、それ以外にジエチレングリ
コール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコール等を1種類または2種類以
上共重合したポリエステルが好ましい。これらのポリエ
ステルを単独で繊維に形成しても良く、あるいは、融点
または軟化点が20℃以上異なるポリエステルを芯鞘型
あるいは並列型に複合して繊維を形成しても良い。これ
らのポリエステル繊維は必要により、艶消し剤、顔料、
抗菌剤、芳香剤等を含有させても差し支えない。また、
これらのポリエステル繊維の断面形状は丸、中空丸、異
形、中空異形等、いずれの形状でも差し支えない。
【0006】前記ポリエステルポリエーテルブロック共
重合体の酸成分は、主としてテレフタル酸が用いられる
が、他に、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、
および、それらのエステル形成性誘導体を単独あるいは
2種以上を混合して用いることができる。具体的には、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、3,5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム等の芳香
族ジカルボン酸、蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂肪族ジカル
ボン酸、さらに、これらのジメチルエステル、ジエチル
エステル等のジアルキルエステル等を挙げることができ
る。
【0007】また、グリコール成分としては、エチレン
グリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキ
サンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペン
チルグリコール、ジエチレングリコール、ハイドロキノ
ン等を単独あるいは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0008】さらに、エーテル成分のポリオキシアルキ
レングリコールおよび/またはその誘導体の共重合成分
として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドと
のランダムまたはブロック共重合体等のポリオキシアル
キレングリコール、ポリテトラメチレングリコールにエ
チレンオキサイドを付加して得られるブロック共重合体
のごとき両末端が水酸基のポリオキシアルキレングリコ
ール、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポ
リエチレングリコール、ナトリウムスルホフェノキシポ
リエチレングリコールのごとき片末端がエーテル結合を
介して封鎖されたポリオキシアルキレングリコール誘導
体等が挙げられる。これらのポリオキシアルキレングリ
コール化合物は単独あるいは2種以上の混合物として用
いることができる。
【0009】上記ポリオキシアルキレングリコール化合
物の平均分子量は500以上であり、800〜5000
の範囲がより好ましい。平均分子量が500未満の場
合、十分な親水性が得られない。また、ポリオキシアル
キレングリコール化合物は5〜150重量%の範囲、よ
り好ましくは40〜130重量%の範囲で共重合され
る。5重量%未満であると水分散性が悪く、乳化分散が
困難になるとともに十分な親水性が得られない。150
%以上であるとポリエステル繊維との親和性が低下し、
かつ、親水性がよくなり過ぎるため、親水性の耐久性が
悪くなる。
【0010】本発明においては、上記ポリエステルポリ
エーテルブロック共重合体は繊維100重量部に対し
て、0.05〜2.0重量部の割合で付与されることが
好ましく、さらに、0.1〜1.0重量部の範囲がより
好ましい。ポリエステルポリエーテルブロック共重合体
の割合が0.05重量部未満であると十分な親水性およ
びその耐久性が得られず、また、2.0重量部以上であ
ると繊維表面の粘着性が増し、不織布生産時の工程通過
性が悪くなる。
【0011】上記ポリエステルポリエーテルブロック共
重合体を使用した変性ポリエステル系の樹脂の市販品と
して、高松油脂(株)製のSR−1000、SR−18
00、SR−6200、SR−5000等が挙げられ
る。
【0012】本発明のポリエステル繊維に付着させる水
性分散混合液は、前記ポリエステルポリエーテルブロッ
ク共重合体の他にアニオン界面活性剤とカチオン界面活
性剤とを含有し、かつ、ノニオン界面活性剤および/ま
たは両性イオン界面活性剤を含有していることが必要で
ある。一般にアニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤
とを混合すると容易にイオンコンプレックスを生成し沈
殿を生じてしまう。しかし、混合前のアニオン界面活性
剤あるいはカチオン界面活性剤の少なくともどちらか一
方にノニオン界面活性剤および/または両性イオン界面
活性剤が所定量混合されていると両者を混合しても低温
領域では安定であり、イオンコンプレックスを生じな
い。
【0013】35℃以下に保持した上記混合液に、ポリ
エステルポリエーテルブロック共重合体を含有させ、ポ
リエステル繊維に付与した後、35℃以上に加熱する
と、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤とがイオ
ンコンプレックスを形成し、分散破壊が生じるとともに
ポリエステルポリエーテルブロック共重合体が析出して
ポリエステル繊維の表面に強固に固着し、親水性のポリ
エステル繊維を得ることができる。また、生成したイオ
ンコンプレックスがポリエステル繊維とポリエステルポ
リエーテルブロック共重合体との双方に強固に固着する
ため、得られた親水性の耐久性は極めて高くなる。アニ
オン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活
性剤、両性イオン界面活性剤は従来公知の界面活性剤が
使用でき、各々、1種類または2種類以上を混合して使
用してもさしつかえない。
【0014】アニオン界面活性剤としてはカルボン酸
塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩
等があり、具体的には、高級脂肪酸石鹸、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸アミドスルホン酸
ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、高
級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルリン酸塩等を例示することがで
きる。
【0015】カチオン界面活性剤としては脂肪族アミン
塩および4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム
塩、複素環4級アンモニウム塩等があり、具体的には、
脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、アルキル
ピリジウム塩、アルキルイソキノリウム塩、ベンゼトニ
ウム塩等を例示することができる。
【0016】ノニオン界面活性剤としてはエーテル型、
エステル型、エーテルエステル型、含窒素型等があり、
具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリ
マー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、多価アルコール脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を例示することが
できる。
【0017】両性イオン界面活性剤としては、ベタイン
型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等があ
り、具体的には、アルキルジメチルベタイン、アルキル
ジエチレントリアミン酢酸、アルキルメチルアミノカル
ボン酸塩等を例示することができる。
【0018】これらの界面活性剤の使用量は適宜に設定
されるが、通常はポリエステルポリエーテルブロック共
重合体に対して、それぞれ5〜200重量%、好ましく
は10〜100重量%である。
【0019】さらに具体的に水性分散混合液の調製例を
以下に述べるが、これに限定されるものではない。アニ
オン界面活性剤、および、カチオン界面活性剤の水性分
散液の少なくともどちらか一方にポリエステルポリエー
テルブロック共重合体を混合し、ポリエステルポリエー
テルブロック共重合体含有の水性分散液を調製する。さ
らに、ノニオン界面活性剤および/または両性イオン界
面活性剤をこれらの水性分散液の少なくともどちらか一
方に混合して、使用直前に2種類の水性分散液を35℃
以下、より好ましくは25℃以下の温度で混合攪拌す
る。
【0020】調製した水性分散混合液に、必要に応じ
て、抗菌剤、酸化防止剤、防腐剤、制電剤等を添加して
も差し支えはない。
【0021】上記のように調製した水性分散混合液を3
5℃以下の温度に保持したままで、ポリエステル繊維の
表面に前記の割合となるように付着させる。付着方法は
浸漬、スプレー、ローラー法等公知の方法が使用でき、
また、水性分散混合液を付着させる前に他の界面活性剤
等が付着していても差し支えはない。水性分散混合液を
付着させたポリエステル繊維を、次いで、35℃以上、
より好ましくは50℃以上の温度に加熱、乾燥すること
で本発明の親水性ポリエステル繊維が得られる。
【0022】本発明の親水性ポリエステル繊維を20重
量%以上、より好ましくは30重量%以上含有する繊維
集合体を作製し、従来公知の方法で繊維間を絡合するこ
とにより本発明の親水性不織布を得ることができる。ま
た、上記繊維集合体と疎水性合成繊維集合体とを積層し
て同様に繊維間を絡合することにより、片面のみが親水
性を有する不織布を得ることができる。本発明の親水性
ポリエステル繊維の含有量が20重量%以下では十分な
親水性が得られない。
【0023】上記繊維集合体において、親水性ポリエス
テル繊維と混合する繊維としては従来公知の繊維が使用
できる。すなわち、コットン、晒綿、シルク等の天然繊
維、レーヨン、ポリノジック等の再生繊維、あるいは、
ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル等
の合成繊維等であり、これらの繊維を1種または2種以
上が0〜80重量%混合される。一般的に天然繊維や再
生繊維は優れた親水性能を有している。これらの繊維に
本発明の親水性ポリエステル繊維を混合することにより
親水性能を損なうことなく、嵩高性、強力、均一地合、
工程通過性等の欠点を改善できる。
【0024】上記繊維集合体の絡合方法として、ニード
ルパンチ法、サーマルボンド法、水流交絡法、レジンボ
ンド法、スティッチボンド法等、従来公知の方法が使用
できる。本発明の親水性ポリエステル繊維の性能から、
水流交絡法が最も好ましいが、その他に、ニードルパン
チ法、サーマルボンド法、スティッチボンド法等が好ま
しい。レジンボンド法では繊維間の絡合に使用される樹
脂が繊維表面にも付着するため親水性が低下し、好まし
くない。
【0025】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。 (水性分散混合液調製):酸成分としてテレフタル酸8
0重量%、イソフタル酸20重量%、グリコール成分と
してエチレングリコールのエステル成分100重量部、
および、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル
(平均分子量1100)のエーテル成分70重量部を共
重合したポリエステルポリエーテルブロック共重合体
(a)、ラウリルホスフェートK塩(b)、ジオクチル
スルホコハク酸Na塩(c)、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル(d)を混合し乳化分散液を予備調製す
る。一方、高級脂肪酸アミドの4級アンモニウム塩
(e)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
(f)の混合乳化分散液を予備調製する。これら2種類
の乳化分散液を25℃以下の温度に冷却してから混合
し、水性分散混合液を得た。最終的に、(a)の濃度は
10重量%、および、(a)100重量部に対し、
(b)20重量部、(c)20重量部、(d)20重量
部、(e)30重量部、(f)20重量部となるように
調製した。この水性分散混合液はポリエステル繊維に付
着させるまで25℃以下の温度に保持して使用した。
【0026】(ステープル繊維の親水性測定方法):ロ
ーラーカードで解繊したステープル繊維1gで直径約8
〜9cmの綿玉を作製する。500mlのビーカーに純
水を入れ、水面にこの綿玉を静かに置いてから、完全に
水没するまでの秒数を測定した。初期親水性はステープ
ル繊維そのもので測定し、2回目親水性は初期親水性を
測定した後のステープル繊維を軽く絞って乾燥してか
ら、再度測定した。また、耐久親水性は200mlの広
口ビンにローラーカードで解繊したステープル繊維2g
と純水200mlを入れ、振とう機で2Hz、30分間
振とうした後、さらに純水200mlですすいでから乾
燥したステープル繊維を使用して測定した。
【0027】(カード通過性):荒く解繊したステープ
ル繊維を20cm巾のローラーカード(大和機工製)で
ウェブを作製する際に、次の規準で評価した。 ○:ネップが5ケ/g以下。投入した綿量の95%以上
がウェブ化できる。また、ほぼ均一なウェブが作製でき
る。 △:ネップが5〜20ケ/g。投入した綿量の85〜9
5%がウェブ化できる。また、不均一であるがウェブが
作製できる。 ×:ネップが20ケ/g以上。投入した綿量の85%以
下しかウェブ化できないか、または、綿が連続して出て
こないためウェブとならない。
【0028】(ラローズ法吸水率):図1に示すラロー
ズ法吸水性能測定装置(東洋紡エンジニアリング(株)
製)を用いて測定した。すなわち、給水容器(1)のコ
ック(3)を開いて吸水計測管(4)の先端まで水を満
たすとともにグラスフィルター(8)の上面まで純水を
張り、コック(3)を閉める。さらに、グラスフィルタ
ー(8)の上面にろ紙を接触させて余分な水を吸い取る
とともに、吸水計測管(4)の目盛りを0に合わせる。
その後、直径6cmの測定試料をグラスフィルターの上
面に静かに乗せ、直ちに直径6cmの真鍮製おもりを乗
せると同時に時間を計り始める。3分後の吸水計測管
(4)の目盛りを読み取り、吸水量を測定する。吸水率
は次式で求めた。 ラローズ法吸水率(wt%)=100×吸水量(ml=
g)/試料の重量(g)
【0029】(水滴吸収率):ろ紙の上に測定する不織
布を置き、0.2mlの20℃の水滴を1cmの高さか
ら滴下する。それぞれ、50ケ所に1滴づつ滴下し、不
織布に吸収された水滴の割合を求めた。 (不織布厚み):直径2cmの測定板を使用し、3g/
cm2の荷重をかけて測定した。
【0030】(実施例1〜3、比較例1〜2)艶消し剤
として二酸化チタンを0.5重量%含有する、極限粘度
0.610のポリエチレンテレフタレートを公知の方法
で紡糸、延伸して単糸繊度1.7dtexのトウを得
た。このトウに捲縮付与した後、上記水性分散混合液を
浸漬法により表1に記載の割合となるように付与し、次
いで、130℃の温度に設定された乾燥機で5分間熱処
理を行ない、さらに、このトウを切断して、51mmの
親水性ポリエステルステープルを得た。
【0031】(比較例3)水性分散混合液を(b)、
(c)、(d)の界面活性剤のみの乳化分散液とした以
外は実施例1と同様にしてポリエステルステープルを得
た。 (比較例4) 水性分散混合液を(a)、(b)、
(c)、(d)の界面活性剤のみの乳化分散液とした以
外は実施例1と同様にしてポリエステルステープルを得
た。
【0032】(実施例4)実施例1のポリエチレンテレ
フタレートを芯成分、エチレンテレフタレート単位にイ
ソフタル酸、ジエチレングリコールを共重合し軟化点を
105℃とした変性ポリエステルを鞘成分として、公知
の複合紡糸方法で紡糸、延伸して単糸繊度2.2dte
xのトウを得た。このトウに捲縮付与した後、上記水性
分散混合液をスプレー法により表1に記載の割合となる
ように付与し、次いで、50℃の温度に設定された乾燥
機で10分間熱処理を行ない、さらに、このトウを切断
して、51mmの親水性の熱接着性ポリエステルステー
プルを得た。
【0033】(実施例5〜8、比較例5〜6)実施例
2、実施例4、および、比較例3との繊維を使用して、
表2に記載の混合比率でウェブを作製し、水流交絡法で
目付け50g/m2の不織布を作製した。水流交絡は孔
径0.1mm、孔ピッチ0.8mmのノズル3本を使用
し、各ノズルの水圧70kg/cm2で、100メッシ
ュのステンレス網上にのせた繊維ウェブを、5m/分の
速度で走行させて片面を処理し、さらに、反対面を同様
に処理した後、120℃で10分間乾燥した。
【0034】(実施例9)実施例2の繊維50%、1.
7dtexのビスコースレーヨン50%の混合比率でウ
ェブを作製し、実施例1と同様にして、水流交絡法で表
3記載の不織布を作製した。
【0035】(比較例7) 実施例2の繊維を比較例3
の繊維にかえた以外は実施例9と同様にして、水流交絡
法で表3記載の不織布を作製した。 (比較例8) 1.7dtexのビスコースレーヨン1
00%を使用して、実施例9と同様にして、水流交絡法
で表3記載の不織布を作製した。
【0036】実施例1〜9および比較例1〜8の評価結
果について表1〜3に示した。
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】実施例の結果のように、本発明の親水性ポ
リエステル繊維は親水性能、および、その耐久性は極め
て優れていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明の親水性ポリエステル繊維および
親水性不織布は、親水性能およびその耐久性が非常に高
く、また、ポリエステル本来の優れた特性を損なうこと
がないので、それを用いた親水性不織布は、紙おむつ、
生理処理用品のトップシートおよび/またはセカンドシ
ート、おしり拭き用ウェットワイプス、器物用ウェット
ワイプス、おしぼり、キッチンペーパー、カウンターク
ロス、トレーマット、手術用ドレープ、手術衣等、各種
の衛生材料、家庭用品、食品包材等の極めて多種類の用
途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において評価に使用したラローズ法吸水
性能測定装置の概略図である。
【符号の説明】
1…給水容器、 2…20℃の純水、 3
…コック、4…吸水計測管、 5…吸水試験部、
6…直径6cmの真鍮製重り 7…直径6cmの円形試料、 8…グラスフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72 Fターム(4L033)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルポリエーテルブロック共重
    合体、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニ
    オン界面活性剤および/または両性イオン界面活性剤を
    含有し、かつ35℃未満の温度では安定であって、35
    ℃以上に加熱すると分散が破壊されてポリエステルポリ
    エーテルブロック共重合体が析出する特性を有する水性
    分散混合液が、捲縮ポリエステル繊維に付与された後、
    35℃以上の温度で処理され、前記ポリエステルポリエ
    ーテルブロック共重合体が、繊維100重量部に対し、
    0.05〜2.0重量部の割合で付与されて表面が親水
    化され、不織布用であることを特徴とする親水性ポリエ
    ステル繊維。
  2. 【請求項2】 ポリエステルポリエーテルブロック共重
    合体、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニ
    オン界面活性剤および/または両性イオン界面活性剤を
    含有し、かつ35℃未満の温度では安定であって、35
    ℃以上に加熱すると分散が破壊されてポリエステルポリ
    エーテルブロック共重合体が析出する特性を有する水性
    分散混合液が付与された後、35℃以上の温度で処理さ
    れ、前記ポリエステルポリエーテルブロック共重合体
    が、繊維100重量部に対し、0.05〜2.0重量部
    の割合で付与されて表面が親水化された捲縮親水性ポリ
    エステル繊維を20重量%以上含有し、目付けが20〜
    100g/m 2 の不織布であり、ニードルパンチ法、ス
    ティッチボンド法、サーマルボンド法および水流交絡法
    の内の少なくとも1種の絡合方法で絡合されてなり、ラ
    ローズ法で測定した3分後の吸水率が不織布重量に対し
    て30重量%以上であることを特徴とする親水性不織
    布。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のポリエステルポリ
    エーテルブロック共重合体が、酸成分が芳香族ジカルボ
    ン酸、脂肪族ジカルボン酸またはそれらのエステル形成
    誘導体であり、ポリエーテル成分が平均分子量500以
    上のポリオキシアルキレングリコールまたはその誘導体
    をポリエステル成分に対して5〜150重量%共重合さ
    れてなるものであることを特徴とする親水性ポリエステ
    ル繊維又は親水性不織布
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のポリエス
    テル繊維が、エチレンテレフタレート単位を主体とする
    ポリエステルであることを特徴とする親水性ポリエステ
    ル繊維又は親水性不織布
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のポリエス
    テル繊維が、融点または軟化点が20℃以上異なる2種
    のポリエステルが芯鞘型または並列型に複合されている
    繊維であることを特徴とする親水性ポリエステル繊維又
    は親水性不織布
  6. 【請求項6】ポリエステル繊維トウに捲縮を付与した
    後、該ポリエステル繊維トウにポリエステルポリエーテ
    ルブロック共重合体、アニオン界面活性剤、カチオン界
    面活性剤、ノニオン界面活性剤および/または両性イオ
    ン界面活性剤を含有しており、かつ35℃未満の温度で
    は安定であって、35℃以上に加熱すると分散が破壊さ
    れてポリエステルポリエーテルブロック共重合体が析出
    する特性を有する水性分散混合液を付与し、次いで熱処
    理後、切断して得られたポリエステルステープルを20
    重量%以上含有するカードウェブを作成し、水流交絡法
    で絡合させることを特徴とする親水性不織布の製造方
    法。
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