JP4468575B2 - 耐久透水性付与剤及びその繊維 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維製品、特に紙おむつ、合成ナプキン等のトップシートに用いられる不織布用繊維に好適な処理剤と該処理剤が付与された繊維及び繊維製品に関するものである。更に、詳しくは、表面シートを通して一度吸収された尿や体液などが、再び表面シートから逆流して着用者に付着すること、即ち、液戻りを改善すると共に、表面シートの液の吸収特性や耐久透水性を改善した繊維用処理剤と該処理剤が付与された繊維及び繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、紙おむつや生理用品等の吸収性物品は、疎水性の強いポリオレフィン系やトリアセテート繊維を含めたポリエステル系繊維を主材とする各種不織布に親水性を付与した表面シートと、撥水性のバックシートの間に綿状パルプや高分子吸収体等からなる材料を配置した構造になっている。尿や体液などの液体は表面シートを通過して吸収体に吸収されるが、この時表面シートのベトツキ感を無くすために、透水性の良いことが、即ち、液体が表面シート上から内部の吸収体に完全に吸収される迄の時間が、極めて短いことが必要であることは勿論、一度吸収体に吸収された液体が再び表面シート上に戻らないようにすることが必要になる。更に僅か1回から2回の液体の吸収によつて表面シート上の処理剤が流出して透水性が急激に低下するのは、おむつの取り替え回数が増すことになって好ましくないので、耐久性のある親水性が要求される他、経日による表面特性の劣化防止も要求される。
又、不織布の製造面からは円滑な製造ができるように、繊維の帯電防止やカード工程を通る場合にはシリンダーへの巻付きが無く、均一なウェブが形成されることが要求される。
【0003】
おむつの快適な着用のためには透水性が良く、且つ液戻りが少なく、液体の繰り返しの透水に対しても親水性を維持(耐久親水性)していることが重要であり、これら特性を処理剤によって改善する技術が提案されている。特公昭63−14081号公報では、炭素数12〜22の直鎖アルキルホスフェートカリウム塩で繊維を処理する方法、特開昭60−215870号公報では炭素数10〜30のアルキル燐酸エステル塩に炭素数10〜30のベタイン化合物や硫酸エステル塩、あるいはスルホネート塩を配合した処理剤が提案され、又、アルキル燐酸エステル塩にポリエーテル変性シリコーンを併用する方法が特開平4−82961号公報で、更に、アルキル燐酸エステル塩に2種類のベタイン化合物を併用する方法が特開2000−170076号公報で提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、提案された方法では要求される不織布の表面特性の性能に一長一短があるが、液の戻り性においてはいずれの方法でも十分ではない。透水性の向上には親水性の処理剤が、液戻りの低減には疎水性の処理剤が好ましいが、これらの特性は単に処理剤成分の親水性や疎水性といった性質だけでなく、成分の化学構造や親水性と疎水性のバランス、成分間の相互作用などに影響されるが、透水性と液戻り低減を両立させることが難しいため、液戻り防止は不織布表面層に親水性性能の異なる不織布を用いて二重構造にすることや綿状パルプや高分子吸収体の配置や量を調整するなど、いわゆる紙おむつや生理用品等の構造に工夫をこらすというような手段に頼らざるを得なかった。
本発明の目的は、今まで紙おむつや生理用品等の構造的な手段に頼っていた液戻り量の低減を処理剤によって達成し、更に、耐久親水性の向上と耐久親水性の経日劣化を低減させて表面特性に優れた繊維と繊維製品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルキルホスフェート塩/トリアルキルグリシン誘導体/ポリアルキレン変性シリコーンから成る系に、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドとアシル化ポリアミンカチオン化物を配合した処理剤によって得られる。即ち、(a)ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドを30〜60重量%、(b)アシル化ポリアミンカチオン化物を5〜20重量%、(c)アルキルホスフェート塩を10〜60重量%、(d)トリアルキルグリシン誘導体を10〜30重量%、(e)ポリオキシアルキレン変性シリコーンを5〜20重量%含有することを特徴とする耐久透水性付与剤によって本発明の効果が得られる。
【0006】
本発明のポリオキシアルキレン脂肪酸アミドにおいて、ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等があり、特にポリオキシエチレン単独、又はポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのランダム又はブロックコポリマーが好ましい。付加モル数は2〜20モル、より好ましくは5〜15モルである。共重合するポリオキシエチレンはポリオキシプロピレンと等モルないし、それ以上が好ましい。
上記に用いられる脂肪酸アミドは、炭素数16以上、より好ましくは18〜28の側鎖を有しても良い飽和または不飽和脂肪酸とアルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等を常法に従って反応させることにより得られる。脂肪酸の炭素数が16未満では、耐久親水性が低下し、好ましくない。特に好適な脂肪酸アルカノールアミドはステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸等の高級脂肪酸とジエタノールアミンの2:1〜1:2当量反応物である。
ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドの配合比率は、30〜60重量%が好ましく、35〜55重量%がより好ましい。30重量%未満では十分な耐久親水性が得られず、又、液の戻り量も多くなるが、60重量%を越えると液の戻り量は減少するものの、カード工程でシリンダー巻付きの原因となりウェブの均一性が低下する。
【0007】
アシル化ポリアミンカチオン化物の配合比率は、5〜20重量%が好ましい。5重量%未満では耐久親水性が低下するとともに液の戻り量も増加し、20重量%を越えると製品粘度及び溶液粘度が高くなり作業性が悪くなる。アシル化ポリアミンカチオン化物は、高級脂肪酸とポリエチレンポリアミン類との常法の反応で得られるアシルモノアミド又はジアミドをクロロプロピレンオキサイドと反応させて得ることが出来る。アシル基の炭素数は16以上、より好ましくは18〜28の側鎖を有しても良い飽和又は不飽和の脂肪酸で、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等を例示することが出来、ポリエチレンポリアミン類としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等、又はジエチルエチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン等を挙げることが出来る。
【0008】
アルキルホスフェート塩は、アルキル基として炭素数6〜18が好ましく、特に炭素数8〜14がより好ましい。アルキル基の炭素数が18より大きくなると親水性が低下し、6未満ではカード工程通過性が低下する。塩としては、アルカリ金属塩、アミン塩が例示されるが、アルカリ金属塩が好ましい。アルキルホスフェート塩の配合量は、10〜60重量%、より好ましくは、15〜55重量%である。60重量%を越えると耐久親水性が低下し、10重量%未満では、カード工程の通過性が低下する。
上記アルキルホスフェート塩に親水性を補うためにポリオキシアルキレン基を付加したポリオキシアルキレンアルキルホスフェート塩を併用しても良い。その併用量は該アルキルホスフェート塩に対して10〜30重量%である。
【0009】
トリアルキルグリシン誘導体は、グリシン分子構造中の窒素原子に3つのアルキル基が結合している第4級アンモニウムとカルボキシル基の分子内塩、いわゆるベタイン構造を有する化合物である。アルキル基としては炭素数1〜22のものから任意に選んで構成する事が出来る。トリアルキルグリシン誘導体の具体例としてはジメチルドデシルグリシンヒドロキサイド、ジメチルテトラデシルグリシンヒドロキサイド、ジメチルオクタデシルグリシンヒドロキサイド、ヘプタデシルイミダゾリウムヒドロキシエチルグリシンヒドロキサイド、β−ヒドロキシオクタデシルジメチルグリシンヒドロキサイド等の分子内塩が挙げられ、これ等の中でも2個のアルキル基がメチル、エチル等の低級のアルキル基で、1個が炭素数12以上の長鎖アルキル基を有するものが好ましい。特に、ジメチルオクタデシルグリシンヒドロキサイド、ヘプタデシルイミダゾリウムヒドロキシエチルグリシンヒドロキサイドが好ましい。トリアルキルグリシン誘導体の配合比率は、10〜30重量%が好ましい。10重量%未満では十分な耐久親水性が得られず、30重量%を越えると耐久親水性は向上するものの、液戻り量が多くなると共に不織布表面のサラリ感が低下する。
【0010】
ポリオキシアルキレン変性シリコーンとしては、下記の一般式で表されるものが好ましい。
【0011】
【化1】
【0012】
この変性シリコーン中のSi含有率は20〜70%である必要があり、70%を越えると製品の安定性が悪くコストが高くなる。また、20%未満の場合は十分な親水性性能が得られず好ましくない。上記のポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、及びこれ等の構成モノマーが共重合されたもの等を挙げることができるが、ポリオキシエチレン部を少なくともポリオキシアルキレンに対して20重量%以上含有する必要がある。これ未満では、十分な親水性性能が得られず好ましくない。又、上記変性シリコーンの分子量は、1,000〜100,00にする必要があり、この範囲を外れると親水性が低下し、特に1,000未満の場合にこの傾向が著しい。以上に述べたポリオキシアルキレン変性シリコーンを5〜20重量%、好ましくは、5〜15重量%配合したものが重要である。この配合量が20重量%を越えると耐久性に優れた親水性が得られるものの、本発明の目的である液戻り量が多くなると共に製綿工程、不織布製造工程において、スカム発生が多くなる傾向にある。5重量%未満の場合は、十分な耐久親水性が得られない。
【0013】
本発明の耐久透水性付与剤には、更に所望によりアルカンスルフォネートナトリウム塩等の帯電防止剤、両性のN−アルキルスルフォピロリドンやノニオン性の乳化剤、カルナバワックス等の潤滑剤等を添加しても良い。又、必要があれば適切な消泡剤及び防腐剤を添加しても良い。
【0014】
本発明の耐久透水性付与剤は、疎水性繊維あるいは疎水性繊維からなる繊維製品、フィブリル化ポリオレフィン繊維、芯鞘構造のポリエステル・ポリエチレン系、ポリエステル・ポリプロピレン系、コポリプロピレン・ポリプロピレン系、コポリエステル・ポリプロピレン系、コポリエステル・コポリエステル系複合繊維等の熱融着繊維及びその繊維製品に適用する事が好ましい。
【0015】
本発明の耐久透水性付与剤は、熱融着繊維としてポリオレフィン繊維、フィブリル化ポリオレフィン繊維に限らずポリエステル繊維、ナイロン繊維、塩ビ繊維、及びこれ等の組み合わされた複合繊維に用いる事が出来る。不織布としてはスパンボンド、スパンレース、及びメルトブロー等の不織布に用いることも出来る。なお、繊維製品用には繊維から形成される最終製品たる肌着などの衣料製品のみならず、熱融着繊維自体、及び熱融着性繊維を混合して形成されるウェブ、不織布も含まれる。
【0016】
本発明の耐久透水性付与剤は、エマルジョンあるいはストレートで繊維に付着する事が出来る。エマルジョンの場合は水で5〜30重量%濃度に希釈して、ストレート給油の場合は低粘度の炭化水素化合物に5〜30重量%濃度に希釈して、下記の量を付着させたり、繊維製造時にポリマーに添加する事が出来る。給油はローラー、ノズルスプレーの何れでも良い。
本発明の耐久透水性付与剤は、通常繊維に対して0.1〜2.0重量%、好ましくは0.3〜0.7重量%付着させる。付着量が0.1重量%未満では透水性と耐久性が不足し、付着量が2.0重量%を越えると繊維をカード処理する時に捲付きが多くなり、生産性が大幅に低下したり、不織布などの繊維製品が透水後にベトツキが大きくなるので好ましくない。
ポリマーに添加する時は2〜30重量%、好ましくは3〜15重量%添加する。添加する量が2重量%未満では透水性能が不足し、30重量%を越えると繊維強度が低下し、生産性が大幅に低下するので好ましくない。
【0017】
本発明の耐久透水性付与剤を繊維や繊維製品に付与する事により、尿や体液の液戻り量が低減されると共に、繰り返し透水に対する耐久性の経日劣化(耐久親水性が経日変化によって低下する)を著しく改善する事が出来ると同時に、不織布の製造工程では帯電防止性や潤滑性が改善されるので、開繊性が良くなりカード通過性を一段と向上させることが出来る。
【0018】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、各実施例、比較例における評価項目と評価方法は以下の通りである。又、各実施例、比較例における処理剤の明細と評価結果を表1〜表2にまとめて示す。処理剤の明細中、配合割合はいずれも重量%を表す。
【0019】
実施例、比較例の処理剤を給油処理して5重量部(対繊維重量、O.W.Fと言う。処理剤純分では0.5重量%)付与して乾燥した。次いで、これを混打綿、カードの各工程を通し、目付30g/m2のウェブを作製した。目付30g/m2のウェブをエァースルー型熱風循環乾燥機において130℃で熱処理してウェブの固定を行った。このようにして作製した不織布を以下の親水性の試験に用いた。
【0020】
カード特性:カード通過性は、30℃×70%RHの条件に於いてシリンダー巻付き状況及びウェブの状態を主体に判定し、静電気防止性は20×45%RHでの発生静電気の帯電圧で判定した。各々のランク付けは以下の通りである。
カード通過性:カード試験機を用いて30℃×70%RHの条件で試料短繊維40gをカーディングした後にシリンダーを観察し、以下の基準で評価した。
5…巻付きなし、4…シリンダー面の1/10に巻付きあり、3…シリンダー面の1/5に巻付きあり、2…シリンダー面の1/3に巻付きあり、1…全面に巻付きあり。 5が最も良い
静電気防止性:カード試験機を用いて20℃×45%RHの条件で試料短繊維40gをウェブとし、ウェブに発生した静電気の電圧を測定し、以下の基準で評価した。100V未満であれば実用に供し得る。
5…50V未満、4…0.5〜1.0KV、3…1.0〜1.5KV、
2…1.5〜2.0KV、1…2.0KVより大。 5が最も良い
【0021】
液戻り量:市販の紙おむつの上に不織布(10cm×10cm)を置き、更にその上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水100mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させる。生理食塩水が全て紙おむつに吸収されたら円筒を取り除き、予め秤量した濾紙(東洋濾紙、No.5)を20枚重ね、これに5Kgの加重を乗せる。5分間放置後、濾紙の重さを計り、重量増加分を測定して液戻り量(g)とした。 1.5g以下を許容範囲としているが、1.0g以下が望ましい。
【0022】
不織布の初期親水性:目付30g/m2の不織布を濾紙(東洋濾紙、No.5)の上に重ね、不織布表面から10mmの高さに設置したビューレットより1滴(約0.05ml)の生理食塩水を滴下して、不織布表面から水滴が消失するまでの時間を測定する。不織布表面の20箇所でこの測定を行って5秒未満の個数を表示する。この個数が18回以上であれば初期親水性は良好である。
【0023】
不織布の耐久親水性:上記の不織布(10cm×10cm)を市販の紙おむつに重ね、その上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水80mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させる。注水後3分間放置した後に、不織布を2枚の濾紙(東洋濾紙、No.5)の間に挟み、その上に板(10cm×10cm)と重り(合計3.5Kg)を乗せて3分間放置して脱水し、その後更に5分間風乾する。風乾後の試料不織布に上記円筒内で生理食塩水が通過した箇所について、不織布の初期親水性の試験方法によって、生理食塩水の消失時間を20箇所で測定し、5秒未満の個数を表示する。この個数が18回以上であれば耐久親水性は良好である。試験に供した不織布について、同様の作業を繰り返して行う。この繰り返し試験では回数を重ねても生理食塩水の消失個数が多い方が良い。
【0024】
耐久親水性の経日変化:上記の不織布(10cm×10cm)を40℃×70%RHの環境試験器に30日放置する。30日後に不織布(10cm×10cm)を環境試験器から取り出して、上記の不織布の初期親水性、耐久親水性試験を行う。環境試験器投入前後の耐久親水性試験の繰り返し評価の差が小さいほど耐久親水性の経日変化が小さいとする。この経日変化が小さい方が良い。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
請求項1で示した組成及びその比率範囲に該当する実施例は、液戻り量が少なく耐久透水性等その他の必要特性を総合的に充分満足させる結果となった。特に実施例5,6は液戻り量が少なく経日変化後の耐久透水性に優れる。またこの比率範囲から外れる比較例は総ての必要特性を満足させることはできない。各成分の最適な組合せによる相乗効果が良く現れている。比較例4,5の液戻り量は少ないレベルにあるが、耐久透水性及び経日変化後の透水性に劣る。比較例は各実施例に比べて耐久透水性及び経日変化後の透水性に劣る結果になっている。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る処理剤は、尿や体液の液戻り量を減少する共に、耐久親水性性能の向上及び経日変化による親水性の低下を低減できる効果をもたらす。それと共に本発明に係る処理剤は、静電気防止性が良好であるので、低湿時の静電気トラブルを防止出来、又、潤滑性が良いのでカード通過性をも向上させる事が出来る。
又、本発明に係る処理剤をポリプロピレン繊維等の疎水性繊維、及び不織布に噴霧等の手段により付与すれば、繊維に親水性を付与し尿や体液の液戻り量を減少する共に、更にその耐久親水性の経日的な低下を低減出来る。
従って、本発明に係る処理剤を用いれば、体液輸送繊維としてのドライタッチを付与しながら繊維のウェブを作る為の工程通過性と生産性を改良出来ると言う格別の効果を奏するものである。
Claims (3)
- (a)ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドを30〜60重量%、(b)アシル化ポリアミンカチオン化物を5〜20重量%、(c)アルキルホスフェート塩を10〜60重量%、(d)トリアルキルグリシン誘導体を10〜30重量%、(e)ポリオキシアルキレン変性シリコーンを5〜20重量%含有することを特徴とする透水性付与剤。
- 繊維又は繊維製品に対し、請求項1記載の透水性付与剤を0.1〜2.0重量%付与したことを特徴とする透水性繊維。
- 請求項1において(a)(b)(c)(d)(e)の各々が以下の成分であることを特徴とする請求項1記載の透水性付与剤及び請求項2記載の透水性繊維。
(a)ポリオキシアルキレンが付加モル数5〜15のポリオキシエチレンであり、脂肪酸アミドが炭素数16〜28を有する脂肪酸エタノールアミドであるポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、(b)アシル基の炭素数が18〜28であり、ポリアミンがポリエチレンポリアミンであるアシル化ポリアミンカチオン化物、(c)アルキル基の炭素数が8〜14であり、塩がカリウムであるアルキルホスフェート塩、(d)炭素数が14〜20であるトリアルキルグリシンヒドロキサイド、(e)ポリオキシアルキレンに対してポリオキシエチレン部を20重量%以上含有し、且つ分子量が1,000〜100,000であるポリオキシアルキレン変性シリコーン。
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