JP5650991B2 - 透水性付与剤、それが付着した透水性繊維および不織布の製造方法 - Google Patents
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Description
以上のように、これらの処理剤では全ての性能レベルを満足することができない。従って、衛生材料用途において、高い性能レベルと安全性を併せ持つ高性能の処理剤が望まれている。
前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める前記ポリエーテルポリエステル化合物(A)の重量割合は5〜60重量%であることが好ましい。また、前記透水性付与剤の不揮発分全体に占めるアルキルホスフェート塩(B)の重量割合は5〜80重量%であることが好ましい。
本発明にかかる透水性繊維は、不織布製造用疎水性合成繊維に対して、請求項1〜6のいずれかに記載の透水性付与剤を付着させたものである。
本発明にかかる不織布の製造方法は、前記の透水性繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含むものである。
上記一般式(1)で示されるポリエーテルポリエステル化合物(A)(以下、成分(A)ということがある)は、瞬時透水性と耐久透水性において非常に優れる成分である。一般式(1)中、R1、R3は、それぞれ独立して、1価の脂肪族アルコールからOH基を除いた残基(脂肪族炭化水素基)である。脂肪族炭化水素基の炭素数は分布があってもよく、脂肪族炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよく、直鎖状であっても分岐を有していてもよく、多環構造を有していてもよい。脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜60が挙げられるが、耐久透水性を向上させる点から、10〜60がより好ましく、12〜60がさらに好ましく、14〜60が特に好ましい。
一般式(3)で示される化合物は、成分(A)と同様に、瞬時透水性と耐久透水性において優れる成分である。透水性付与剤が一般式(3)で示される化合物を含有する場合、該化合物の重量割合は、成分(A)100重量部に対して、0〜100重量部が好ましく、0〜60重量部がより好ましく、10〜50重量部がさらに好ましく、15〜40重量部が特に好ましい。
一般式(4)で示される化合物は、不織布の液戻り性に優れているが、透水性にやや劣る成分である。透水性付与剤が一般式(4)で示される化合物を含有する場合、該化合物の重量割合は、成分(A)100重量部に対して、0〜100重量部が好ましく、0〜50重量部がより好ましく、10〜45重量部がさらに好ましく、10〜35重量部が特に好ましい。該化合物の重量割合が100重量部より多くなると、瞬時透水性が悪化することがある。
なお、成分(A)と一般式(3)で示される化合物と一般式(4)で示される化合物のそれぞれの重量割合は、GPC(ゲル透水クロマトグラフ)分析によって求めることができる。
本発明の透水性付与剤は、成分(A)に加え、前述の一般式(2)で示されるアルキルホスフェート塩(B)(以下、成分(B)ということがある)をさらに含むことが好ましい。成分(B)は、特にカード通過性能、耐久透水性を保持する性能、液戻り量を少なくする性能に優れた成分である。
一般式(2)中、R4は炭素数6〜22のアルキル基であり、炭素数は10〜18が好ましく、10〜16がより好ましく、10〜14がさらに好ましい。アルキル基の炭素数が6未満では、カード工程通過性が低下すると共に製品の臭気が強くなることがあり、アルキル基の炭素数が22超であると、化合物の水溶性、カード通過性、瞬時透水性が低下することがある。アルキル基の炭素数は分布があってもよく、アルキル基は直鎖状であっても分岐を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。
AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。オキシアルキレン単位の繰り返し数であるbは0〜15の整数であり、0〜10が好ましく、0〜3がさらに好ましく、bが0でポリオキシアルキレン基を含有しない場合が特に好ましい。(AO)bは、オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を50モル%以上有するポリオキシアルキレン基が好ましい。nは1〜2の整数であり、Y+は水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオンおよびトリエタノールアンモニウムイオンからなる群から選択されるイオン性残基である。これらは混合物であってもよく、また、1種または2種以上を用いてもよい。
また、本発明の透水性付与剤は、その効果をより一層発揮させるために、特に瞬時透水性能と耐久透水性能に優れた成分(A)と、特にカード通過性能、耐久透水性を保持する性能、液戻り量を少なくする性能に優れた成分(B)との重量比(A)/(B)を5/95〜80/20となるようにすることが好ましく、5/95〜50/50がさらに好ましく、10/90〜30/70が特に好ましい。
平滑剤(C)(以下、成分(C)ということがある)は、エステル油および鉱物油から選ばれる少なくとも1種であり、より一層のカード通過性等を向上することができる成分である。とくに、シリンダーへの巻付きが少なくウェブにネップが発生しにくいので、表面品位の優れた不織布が得られる。
成分(C)をさらに含む場合において、透水性付与剤の不揮発分全体に占める成分(C)の重量割合は、0.2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がさらに好ましく、10〜20重量%が特に好ましい。重量割合が、40重量%超になると、透水性付与剤の水溶性が不足し溶液安定性の低下やカード工程での制電性が低下することがある。
1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した(ポリ)エーテル化合物のアルキレンオキサイドの付加モル数は、0〜150が好ましく、0〜50がさらに好ましく、アルキレンオキサイドを含有しない場合が特に好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ショ糖などのポリオール類が挙げられる。さらに、グリセリンの縮合物であるジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン等のポリグリセリンも含まれる。さらに、これらの(ポリ)オキシアルキレン付加物も挙げられる。
多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した(ポリ)エーテル化合物のアルキレンオキサイドの付加モル数は、0〜150が好ましく、0〜50がさらに好ましく、0〜20が特に好ましい。
飽和脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
また、多価アルコールおよび/または1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した(ポリ)エーテル化合物と脂肪酸とから得られる脂肪酸エステルとしては、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンモノステアレート、トリメチロールプロパンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20モル)グリセリンモノステアレート等が挙げられる。
これらの中でも、脂肪酸エステルとしては、イソオクチルパルミテートやイソオクチルステアレートが特に好ましい。
本発明の透水性付与剤は、耐久透水性を補助する成分として、ジアルキルスルホサクシネート塩(D1)、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(D2)および含窒素系界面活性剤(D3)から選ばれる少なくとも1種の成分(D)を、安全性を損なわない範囲で含んでもよい。透水性付与剤の不揮発分全体に占める成分(D)の重量割合は0.2〜40重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましく、5〜30重量%がさらに好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。重量割合が40重量%超になると、カード通過性等が悪化することがある。また、成分(D1)および/または成分(D3)を必須に含む場合は、透水性付与剤の不揮発分全体に占める成分(D1)と成分(D3)の合計量は、0.2〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましく、5〜10重量%がさらに好ましい。
前記のジアルキルスルホサクシネート塩(D1)(成分(D1)ということがある)は、α位にスルホン酸塩の基を有するコハク酸のジアルキルエステルである。ジアルキルエステルを構成するアルキル基の炭素数は分布があってもよく、アルキル基は直鎖状であっても分岐を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。アルキル基の炭素数は6〜18が好ましく、8〜18がより好ましく、10〜18がさらに好ましく、12〜14が特に好ましい。アルキル基の炭素数が6未満ではカード通過性が低下することがある。一方、アルキル基の炭素数が18超であると、瞬時透水性が低下することがある。
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステル(以下、ポリヒドロキシエステルということがある)とジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(D2)(成分(D2)ということがある)は、疎水性繊維との親和性が高く、成分(D2)を含む付与剤は水と接触しても繊維から脱落し難くなることから、耐久透水性をより向上できる成分である。
ポリヒドロキシエステルとしては、たとえば、炭素数6〜22(好ましくは12〜22)のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物のアルキレンオキシド付加物を挙げることができる。ヒドロキシ脂肪酸の炭素数が6未満であると、親水性が強くなり、一方、22を超えると疎水性が強くなる。いずれの場合も他の成分との相溶性が悪くなるため、十分な耐久透水性を得られないことがある。
ポリヒドロキシエステルを製造する場合、多価アルコールの水酸基1モル当量あたりのヒドロキシ脂肪酸のカルボキシル基モル当量は、0.5〜1の範囲であることが好ましい。
縮合物の少なくとも1つ以上の水酸基を封鎖する脂肪酸の炭素数は10〜50が好ましく、12〜36がさらに好ましい。また、脂肪酸の炭素数が10未満であると親水性が強くなり、十分な耐久透水性を得ることができないことがある。脂肪酸中の炭化水素基の炭素数は分布があってもよく、炭化水素基は直鎖状であっても分岐を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、多環構造を有していてもよい。このような脂肪酸としては、たとえば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられるが、ベヘン酸やウールグリースを精製したラノリン誘導体である炭素数12〜36のラノリン脂肪酸が好ましい。縮合物と脂肪酸とのエステルを製造する場合、縮合物の水酸基1モル当量あたりの脂肪酸のカルボキシル基モル当量は0.2〜1の範囲であることが好ましく、0.4〜1がさらに好ましい。エステル化の反応条件については特に限定はない。
含窒素系界面活性剤(D3)(成分(D3)ということがある)としては、アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(D3a)、イミダゾリニウム型カチオン界面活性剤(D3b)、アルキルベタイン界面活性剤(D3c)、アルキルイミダゾール型ベタイン界面活性剤(D3d)、アミド基含有ベタイン界面活性剤(D3e)および高級脂肪酸アルカノールアミド型界面活性剤(D3f)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の成分(D3)は、瞬時透水性や耐久透水性に優れた成分であるが、カード通過性や安全性が劣ることがあるので最少量の使用が好ましい。
本発明の透水性付与剤は、本発明の効果を阻害しない範囲でポリオキシアルキレン変性シリコーン(E)(成分(E)ということがある)を含有してもよいが、液戻り防止性が不足するという問題とカード時にスカムが発生するという理由から、透水性付与剤の不揮発分全体に占めるシリコーン系化合物(E)の重量割合は、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、7重量%未満、5重量%未満、3重量%未満の順で好ましい。
成分(E)は、分子量が1,000〜100,000であり、Si含有率が20〜70重量%である。ポリオキシアルキレンがポリオキシエチレンやポリオキシプロピレンであり、ポリオキシアルキレン全体のうちポリオキシエチレンが占める割合が20重量%以上である。
本発明の透水性付与剤の製造方法としては、公知の方法を採用できる。例えば、成分(A)と必要に応じて成分(C)を配合し約70℃の温度で撹伴する。次に、必要に応じて成分(B)の水溶液を配合して約70℃の温度で均一に攪拌する。次に、必要に応じて成分(D)を配合して約70℃の温度で均一に攪拌する。次いで、攪拌しながら所定量の水を注入し希釈すると10〜40重量%の透水性付与剤が得ることができる。
本発明の透水性繊維は、不織布製造用疎水性合成繊維(繊維本体)とこれに付着した上記透水性付与剤とから構成される透水性繊維であり、一般的には所定の長さに切断した短繊維である。透水性付与剤の不揮発分の付着率は、前記透水性繊維に対して0.1〜2重量%が好ましく、0.3〜1重量%がさらに好ましい。透水性繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着率が0.1重量%未満では、瞬時透水性、耐久透水性が低下することがある。一方、透水性付与剤の不揮発分の付着率が2重量%を超えると、繊維をカード処理する時に巻付きが多くなって生産性が大幅に低下し、乾式法等の方法により得られた不織布等の繊維製品が透水後にベトツキが大きくなることがある。
不織布の製造方法として、特に限定なく、公知の方法を採用できる。原料繊維としては短繊維や長繊維を用いることができる。原料繊維が短繊維のウェブ形成方式としては、カード方式やエアレイド方式等の乾式法や抄紙方式等の湿式法が挙げられる。また原料繊維が長繊維のウェブ形成方式としては、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法等が挙げられる。また、繊維間結合方式としては、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、スティッチボンド法等が挙げられる。
本発明の不織布の製造方法は、本発明の透水性繊維(例えば短繊維)をカード機等に通し繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含むものが好ましい。すなわち、本発明の透水性付与剤は、不織布の製造において繊維ウェブを熱処理する工程を有する場合に、特に好適に使用されるものである。
繊維ウェブを熱処理して接合させる方法としては、加熱ロールまたは超音波によるによる熱圧着、加熱空気による熱融着、熱圧着点(ポイントボンディング)法等の熱融着法が挙げられる。繊維ウェブを熱処理して接合させる一例としては、芯に高融点の樹脂を使用し鞘に低融点の樹脂を使用する鞘芯型の複合繊維の場合、低融点の樹脂の融点付近で熱処理することで、繊維交点の熱接着を容易に行なうことができる。
不織布の製造方法としては、透水性付与剤が付与された短繊維をカード機等に通しウェブとしたものを上述のように熱処理して接合させ一体化する方法、エアレイド法でパルプ等を積層する際に本発明の透水性繊維(短繊維)と混綿して、上述のように熱処理して接合させる方法等も挙げられる。その他、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法等により得られた繊維成形体に対して、本発明の透水性付与剤を付着させたものを加熱ロールまたは加熱空気等で熱処理して、または加熱ロールまたは加熱空気等で熱処理したものに本発明の透水性付与剤を付着させて、不織布を製造する方法も挙げられる。
得られたスパンボンド不織布に本発明の透水性付与剤を付与する方法としては、グラビア法、フレキソ法、ゲートロール法等のロールコーティング法、スプレーコーティング法等で行うことができるが、不織布への塗布量を片面ずつ調節できるものであれば特に限定されるものではない。また、乾燥の方法としては、熱風および赤外線により乾燥させる方法、熱源に接触させて乾燥させる方法等を用いてよい。
本発明の透水性繊維は、液戻り防止性に優れた物性を有している。透水性繊維の液戻り量は、通常1.2g以下、好ましくは1.0g以下、さらに好ましくは0.8g以下、より好ましくは0.6g以下、特に好ましくは0.4g以下、最も好ましくは0.2g以下である。
表1および2に示す各成分および水を混合して、透水性付与剤全体に占める不揮発分の重量割合が25重量%の実施例1〜10、比較例1〜11の透水性付与剤をそれぞれ調製した。得られた透水性付与剤をそれぞれ約60℃の温水で不揮発分の重量割合が0.8重量%の濃度になるよう希釈して希釈液を得た。
次に、繊維本体300gに対しそれぞれの透水性付与剤の希釈液150gをスプレーで付着させ、透水性繊維に付着する透水性付与剤の不揮発分の付着量を0.4重量%にした。繊維本体は、透水性付与剤等の繊維処理剤が付着していない、ポリプロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)系複合繊維であり、単繊維繊度が1.5Dtex、繊維長が38mmのものであった。それぞれの透水性付与剤の希釈液を付着させた繊維を、60℃の温風乾燥機の中に2時間入れた後、室温で8時間以上放置して乾燥させて、透水性繊維を得た。
(1)シリンダー巻付き
カード試験機を用いて30℃×70%RHの条件で試料短繊維40gをカーディングした後にシリンダーを観察し、以下の基準で評価した。なお、5が最も良い評価である。
5…巻付きなし、4…シリンダー面の1/10に巻付きあり、3…シリンダー面の1/5に巻付きあり、2…シリンダー面の1/3に巻付きあり、1…全面に巻付きあり
カード試験機を用いて30℃×70%RHの条件で試料短繊維200gをカーディングした後にローラーに付着したスカムを観察し、スカム発生の有無を評価した。
カード試験機を用いて25℃×65%RHの条件で試料短繊維20gをカーディングした後にウェブを観察し、発生したネップ数を数えた。なお、ネップ数0が最も優れる。
不織布を濾紙(東洋濾紙、No.5)の上に重ね、不織布表面から10mmの高さに設置したビューレットより1滴(約0.05ml)の生理食塩水を滴下して、不織布表面から水滴が消失するまでの時間を測定する。不織布表面の20箇所でこの測定を行って5秒未満の個数を表示する。この個数が18個以上であれば瞬時透水性は良好である。
不織布(10cm×10cm)を市販の紙おむつに重ね、その上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水80mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させた。注水後3分間放置した後に、不織布を2枚の濾紙(東洋濾紙、No.5)の間に挟み、その上に板(10cm×10cm)と重り(合計3.5kg)を乗せて3分間放置して脱水し、その後さらに5分間風乾した。風乾後の試料不織布に上記円筒内で生理食塩水が通過した箇所について、不織布の瞬時透水性の試験方法によって、生理食塩水の消失時間を20箇所で測定し、消失時間5秒未満の個数を表示した。この個数が18個以上であれば耐久透水性は良好である。試験に供した不織布について、同様の作業を繰り返して行う。この繰り返し試験では回数を重ねても生理食塩水の消失個数(消失時間5秒未満となる箇所の個数)が多い方がよい。
市販の紙おむつの上に不織布(10cm×10cm)を置き、さらにその上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水100mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させた。生理食塩水が全て紙おむつに吸収されたら円筒を取り除き、予め秤量した濾紙(東洋濾紙、No.5)を20枚重ね、これに5kgの荷重を乗せた。5分間放置後、濾紙の重さを計り、重量増加分を測定して液戻り量(g)とした。1.2g以下を許容範囲としているが、1.0g以下が望ましい。
細胞株はV79細胞を用いるコロニー形成法により、水抽出液3〜100%の濃度範囲で検討し、コロニー形成を50%阻害する濃度(%)をIC50とした。抽出条件および処理条件等は「第15改正 日本薬局方 2006年度」のプラスチック製医薬品容器試験法の細胞毒性試験に準拠して実施した。合否の判定は、濃度70%以上を合格(○)とし、70%未満を不合格(×)とした。
透水性繊維に付着する透水性付与剤の不揮発分の付着率は、25℃×40%RHの温湿度で24時間調湿した透水性繊維(W1)を、メタノールを用いて、迅速残脂抽出装置R−11型(東海計器(株)製)で抽出し、透水性付与剤の不揮発分の付着量(W2)を求めた。そして下記の式より、透水性付与剤の不揮発分の付着率C%を求めた。
C=W2/W1×100(%)
<GPC分析>
東ソー(株)製高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、試料濃度2mg/ccで分離カラム(昭和電工(株)製Shodex(登録商標)KF−G、KF−402HQ)に注入し、RI検出器で測定されたピークの面積より各成分の重量比率を算出した。
成分b2:トリデシルホスフェートカリウム塩
成分b3:ポリオキシエチレン2モルセチルホスフェートカリウム塩
成分c1:イソオクチルパルミテート
成分c2:イソオクチルステアレート
成分d11:ジ椰子アルキルスルホサクシネートナトリウム塩
成分d12:ジトリデシルスルホサクシネートナトリウム塩
成分d21:ポリオキシエチレン(20モル)カスターワックスのマレイン酸縮合物の水酸基1モル当量あたりステアリン酸1モル当量で封鎖したエステル
成分d22:ポリオキシエチレン(20モル)カスターワックスのマレイン酸縮合物の水酸基1モル当量あたりベヘン酸1モル当量で封鎖したエステル
成分d31:ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド
成分d32:1−ヒドロキシエチル−1−エチル−2−オレイルイミダゾリニウムエチルサルフェート
成分d33:ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン
成分d34:2−ラウリル―N―カルボキシメチル―N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン
成分d35:ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン
成分d36:ステアリン酸ジエタノールアミド
成分e:ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン変性シリコーン(Si含有率:65%、POE含有率:100%、分子量:10000)。なお、POE含有率は、ポリオキシアルキレン中のポリオキシエチレンの含有率(重量%)を示す。
成分f1:ポリオキシエチレンベヘン酸ジエチレントリアミンのエピクロルヒドリンを反応させたカチオン化物(ポリオキシエチレン基の数:15)
成分f2:ポリオキシエチレン(10モル)ベヘン酸ジエタノールアミド
成分f3:ポリオキシエチレン(20モル)カスターワックスのマレイン酸縮合物(未封鎖物)
Claims (10)
- 前記ポリエーテルポリエステル化合物(A)と前記アルキルホスフェート塩(B)との重量比(A/B)が、5/95〜80/20である、請求項2に記載の透水性付与剤。
- 前記透水性付与剤の不揮発分全体に占めるポリエーテルポリエステル化合物(A)の重量割合が5〜60重量%であり、前記アルキルホスフェート塩(B)の重量割合が5〜80重量%である、請求項2または3に記載の透水性付与剤。
- エステル油および鉱物油から選ばれる少なくとも1種の平滑剤(C)をさらに含有し、前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める前記平滑剤(C)の重量割合が0.2〜40重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の透水性付与剤。
- 前記エステル油が、1価アルコールおよび/または1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した(ポリ)エーテル化合物と脂肪酸とから得られる脂肪酸エステル、および多価アルコールおよび/または多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した(ポリ)エーテル化合物と脂肪酸とから得られる脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種であり、前記鉱物油が、マシン油、スピンドル油および流動パラフィンから選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の透水性付与剤。
- ジアルキルスルホサクシネート塩(D1)、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(D2)および含窒素系界面活性剤(D3)から選ばれる少なくとも1種の成分(D)をさらに含み、前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める前記成分(D)の重量割合が0.2〜40重量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の透水性付与剤。
- 不織布製造用疎水性合成繊維に用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の透水性付与剤。
- 不織布製造用疎水性合成繊維に対して、請求項1〜8のいずれかに記載の透水性付与剤を付着させた、透水性繊維。
- 請求項9に記載の透水性繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含む、不織布の製造方法。
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