JP5231888B2 - 透水性付与剤、それが付着した透水性繊維および不織布の製造方法 - Google Patents

透水性付与剤、それが付着した透水性繊維および不織布の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、透水性付与剤、それが付着した透水性繊維および不織布に関する。詳細には、不織布製造用ポリオレフィン系繊維に対して、本発明の透水性付与剤を付与することにより、不織布製造時のカード工程で優れた通過性が得られ、得られた不織布に瞬時透水性、耐久透水性、液戻り防止性を併せ持ち、かつ安全性にも優れる透水性付与剤、それが付着した透水性繊維および不織布の製造方法に関する。
一般に、紙おむつや合成ナプキンを代表とする生理用品等の吸収性物品は、疎水性の強いポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維を主材とする各種不織布に親水性を付与したトップシートと、吸収材及び撥水性を付与したバックシートの間に綿状パルプや高分子吸収体等からなる材料を配置した3層から形成される構造になっている。尿や体液等の液体はトップシートを通過して吸収体に吸収されるが、この時トップシートのベトツキ感を無くすために、透水性のよいこと、すなわち液体がトップシート上から内部の吸収体に完全に吸収される迄の時間が極めて短い瞬時透水性が必要である。加えて一度吸収体に吸収された液体が再びトップシート上に戻らないようにすること、すなわち液戻り防止性が必要になる。さらに、僅か1回から2回の液体の吸収によってトップシート上の処理剤が流出して透水性が急激に低下するのは、おむつの取り替え回数が増すことになって好ましくないので、トップシートには繰り返しの液体吸収に耐える耐久透水性が要求される。また、不織布の製造面からはカード工程の高速化に伴いシリンダーへの巻付きやスカムが発生しないこと、すなわち良好なカード通過性が要求される。さらに、安全性への配慮から皮膚への刺激性の少ない要求が一層強くなってきている。親水性に極めて劣るポリオレフィン系繊維について、上記のような要求に応える透水性付与剤およびそれが付着した透水性繊維が要求されている。
紙おむつの快適な着用のためには瞬時透水性がよく、繰り返しの透水に対しても親水性を維持し、且つ液戻り性を少なくすることが重用である。また不織布の製造時にはカード工程通過性が重要である。これらの特性を透水性付与剤によって改善する技術が提案されている。ポリオレフィン系繊維の疎水性繊維の表面に対して、瞬時透水性がよく、かつ繰り返しの液体透水に対しても親水性を維持するという相反する要求特性を透水性付与剤に求められ、アルキルホスフェート塩にカチオン性界面活性剤や両性界面活性剤等の配合割合の調整等で補っていた。しかし、瞬時透水性が得られる場合でも耐久親水性が不足したり、耐久親水性がある程度得られる場合でも瞬時透水性が不足したりして、現在の衛生材料用途に要求される瞬時透水性・耐久透水性の両者を満足するものが得られていなかった。さらには、皮膚への刺激性の強いものが多いという問題点があった。また、これらの成分に変性シリコーンを併用すると耐久透水性は少し改善されるものの、それでも不十分な性能レベルにあった。また、変性シリコーンを使用することにより濡れ戻り防止性が不十分になったり、不織布の製造工程であるカード機にスカムが発生する問題があった。
たとえば、特許文献1では炭素数10〜30のアルキル燐酸エステル塩に炭素数10〜30のベタイン化合物や硫酸エステル塩、あるいはスルホネート塩を配合した処理剤が開示されている。特許文献2ではアルキル燐酸エステル塩にポリエーテル変性シリコーンを併用する方法が開示されている。特許文献3ではアルキル燐酸エステル塩に2種類のベタイン化合物を併用する方法が開示されている。特許文献4ではポリオキシアルキレン脂肪酸アミドにアシル化ポリアミンカチオン化物やアルキルホスフェート塩、トリアルキルグリシン誘導体、ポリオキシアルキレン変性シリコーンを併用する方法が提案されている。特許文献5ではアルキルホスフェート塩にトリアルキルグリシン誘導体、アルコキシル化リシノレイン型化合物、ポリオキシアルキレン変性シリコーンを併用して繊維を処理する方法が提案されている。
しかし、これらの処理剤そのものでは、現在の衛生材料用途に要求される瞬時透水性、耐久透水性、液戻り防止性には不十分なレベルにあるだけでなく、カチオン性界面活性剤や両性界面活性剤は、皮膚への刺激性が強いという問題がある。また、変性シリコーンを使用することにより液戻り防止性が不十分になったり、不織布の製造工程であるカード機にスカムが発生するという問題の頻度が、カード工程の高速化に伴って多くなってきている。このように、これらの処理剤では全ての性能レベルを満足することができない。従って、衛生材料用途において、高い性能レベルと安全性を併せ持つ高性能の処理剤が望まれている。
特開昭60−215870号公報 特開平4−82961号公報 特開2000−170076号公報 特開2002−161474号公報 特開2002−161477号公報
そこで本発明は、従来の問題点を解決して、瞬時透水性、耐久透水性、液戻り防止性およびカード通過姓のいずれについても高い性能レベルを有し、安全性にも優れた透水性付与剤、それが付着した透水性繊維および不織布の製造方法を提供するものである。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびシリコーン系化合物を使用しなくても、透水性能の優れた化合物と、ポリオレフィンとの親和性が高い化合物を併用することで、その相乗効果により、前記課題を解決する処理剤であること、この処理剤を処理して得られる透水性繊維が優れた瞬時透水性、耐久透水性、および液戻り性を有することを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明にかかる透水性付与剤は、水溶性高分子(A)と、アルキルホスフェート塩および/またはポリオキシアルキレン基含有アルキルホスフェート塩(B)と、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)とを含む透水性付与剤であって、前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める、成分(A)の重量割合が0.5〜10重量%、成分(B)の重量割合が30〜65重量%、成分(C)の重量割合が30〜65重量%である。
前記成分(A)は、ポリビニルアルコールおよび/またはその誘導体(A1)、多糖類および/またはその誘導体(A2)、水溶性ポリエーテル(A3)および水溶性ポリエステル(A4)から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子であることが好ましい。
また、透水性付与剤の不揮発分全体に占める両性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤の重量割合は10重量%未満であることが好ましく、透水性付与剤の不揮発分全体に占めるシリコーン系化合物の重量割合は10重量%未満であることが好ましい。
前記成分(A)が前記成分(A1)を必須に含む場合、前記ポリビニルアルコールの重合度が400〜4000であり、けん化度が50モル%以上であることが好ましい。
本発明の透水性付与剤において、前記成分(A)が前記成分(A2)を必須に含む場合、前記多糖類がセルロース、寒天、ゼラチン、アルギン酸、デオキシリボ核酸、カラギーナン、グアーガム、ジェランガムおよびタマリンドガムから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、前記成分(A2)の2重量%水溶液の粘度(20℃)が3〜20万mPa・sであることが好ましい。
本発明の透水性付与剤において、前記成分(A)が前記成分(A3)を必須に含む場合、該成分(A3)が、炭素数が2〜4のオキシアルキレン単位を有するポリアルキレングルコール重合体であり、重量平均分子量が3000〜700万で、エステル成分を含まない水溶性ポリエーテルであることが好ましい。
本発明の透水性付与剤において、前記成分(A)が前記成分(A4)を必須必須に含む場合、該成分(A4)は、芳香族ジカルボン酸、炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸(誘導体)と、アルキレングリコールと、ポリアルキレングリコールとを重縮合させたポリエステル化合物であることが好ましい。
前記成分(B)は、下記一般式で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0005231888
(式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基であり、Rはエチレン基および/またはプロピレン基であり、mは0〜15の整数であり、nは1〜2の整数であり、Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオンおよびトリエタノールアンモニウムイオンからなる群から選択されるイオン性残基である。)
また、前記成分(C)のポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルは、炭素数6〜22のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステルのアルキレンオキシド付加物であり、ジカルボン酸の炭素数が2〜10であり、脂肪酸の炭素数が10〜22であることが好ましい。
また、本発明の透水性付与剤は、不織布製造用ポリオレフィン系繊維に透水性を付与するために用いられることが好ましい。
また、本発明の透水性繊維は、不織布製造用ポリオレフィン系繊維に、本発明の透水性付与剤を処理して得られ、得られた繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着割合が0.1〜2重量%である。
また、本発明の不織布の製造方法は、本発明の透水性繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含むものである。
本発明にかかる透水性付与剤、この透水性付与剤が付着した透水性繊維および不織布は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびシリコーン系化合物を使用しなくても、透水性能の優れた化合物とポリオレフィンとの親和性が高い化合物を併用することで、その相乗効果と保持効果が得られ、その結果、瞬時透水性、耐久透水性、液戻り防止性、カード通過性をも向上させ、さらに安全性にも優れる。
本発明の透水性付与剤は、水溶性高分子(A)と、アルキルホスフェート塩および/またはポリオキシアルキレン基含有アルキルホスフェート塩(B)と、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)とを必須に含む。以下、詳細に説明する。
〔水溶性高分子(A)〕
水溶性高分子(A)(以下成分(A)ということがある)は、本発明の透水性付与剤に必須に含まれる成分であり、後述の成分(B)の透水性能の優れた化合物と成分(C)のポリオレフィンとの親和性が高い化合物を併用してなる相乗効果を、さらに引き出す効果がある。
成分(A)としては、ポリビニルアルコールおよび/またはその誘導体、多糖類および/またはその誘導体、水溶性ポリエーテル、水溶性ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン由来の骨格を有する合成高分子等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶液安定性や耐久親水性向上という理由から、ポリビニルアルコールおよび/またはその誘導体(A1)、多糖類および/またはその誘導体(A2)、水溶性ポリエーテル(A3)および水溶性ポリエステル(A4)から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子であることが好ましい。
ポリビニルアルコールおよび/またはその誘導体(A1)(以下成分(A1)ということがある)は、酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルをけん化するこにより得られる。ポリビニルアルコールの重合度は400〜4000であり、ポリ酢酸ビニルのけん化度は50モル%以上であることが好ましい。これらは、1種または2種以上を併用してもよい。ポリビニルアルコールの重合度は、1000〜3000がより好ましく、1500〜3000がさらに好ましく、1800〜2600が特に好ましい。重合度が400未満の場合、耐久親水性が向上しない場合がある。一方、重合度が4000超の場合、透水性付与剤の粘度が高くなり取り扱い難くなる場合がある。成分(A1)のけん化度は、75〜99.5モル%がより好ましく、80〜99モル%がさらに好ましく、95〜99モル%が特に好ましい。けん化度が50モル%未満の場合、水溶性が劣る場合がある。
多糖類および/またはその誘導体(A2)(以下成分(A2)ということがある)は、寒天、ゼラチン、アルギン酸、デオキシリボ核酸、カラギーナン、グアーガム、ジェランガム、タマリンドガム等の天然系高分子化合物等である。これらは、1種または2種以上を併用してもよい。
多糖類誘導体としては、上記の多糖類の塩や、多糖類のヒドロキシル基の水素原子の一部または全てに、ヒドロキシル基、オキシカルボニル基(−COO−又は−OCO−)、エーテル結合等が置換されているものが挙げられる。例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルスターチ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガムおよびヒドロキシプロピルメチルスターチから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらのなかでも、相乗効果をさらに引き出す効果が大きいとの理由から、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースがより好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがさらに好ましい。
成分(A2)がメトキシ基を有するセルロースの場合、メトキシ基置換度は、1.0〜2.0が好ましく、1.2〜2.0がより好ましく、1.4〜1.9がさらに好ましい。メトキシ基置換度が1.0未満の場合、水に溶解し難くなる場合がある。一方、2.0超の場合、製造するのが難しくなる場合がある。なお、ここでいうメトキシ基置換度とは、セルロースのグルコース環単位当たり、メトキシ基で置換された水酸基の平均個数をいう。
成分(A2)がヒドロキシプロポキシ基を有するセルロースの場合、ヒドロキシプロポキシ基置換モル数は、0.1〜0.3が好ましく、0.15〜0.25がより好ましい。なお、ここでいうヒドロキシプロポキシ基置換モル数とは、セルロースのグルコース環単位当たりに付加した、ヒドロキシプロポキシ基の平均モル数をいう。
成分(A2)がヒドロキシエトキシ基を有するセルロースの場合、ヒドロキシエトキシ基置換モル数は、0.1〜0.3が好ましく、0.15〜0.25がより好ましい。なお、ここでいうヒドロキシエトキシ基置換モル数とは、セルロースのグルコース環単位当たりに付加した、ヒドロキシエトキシ基の平均モル数をいう。
また、成分(A2)の温度20℃における2重量%水溶液の粘度は、3〜20万mPa・sであることが好ましく、該粘度は1500〜15万mPa・sがより好ましく、3000〜12万mPa・sがさらに好ましく、3500〜10万mPa・sが特に好ましい。粘度が3未満の場合、耐久親水性が低下する場合がある。一方、粘度が20万mPa・s超の場合、透水性付与剤の製品粘度が高くなり取り扱いが難しくなる場合がある。
水溶性ポリエーテル(A3)(以下成分(A3)ということがある)は、炭素数が2〜4のオキシアルキレン単位を有するポリアルキレングルコール重合体であり、重量平均分子量が3000〜700万で、エステル成分を含まない水溶性ポリエーテルであることが好ましい。ポリアルキレングルコール重合体は、重合体の片末端または両末端が、1価以上のアルコール類等によりエーテル結合を介して封鎖されていてもよい。例えばグリセリン、グリセリンの縮合度が2〜12のポリグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等のアルコールに炭素数が2〜4のオキシアルキレン単位を重合した重合体が挙げられる。ポリアルキレングリコール重合体としては、ポリエチレングリコール、プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)との共重合体等が挙げられこれらのなかでもポリエチレングリコールが好ましい。これらは、1種または2種以上を併用してもよい。成分(A3)の重量平均分子量は、3000〜300万がより好ましく、3000〜200万がさらに好ましく、4000〜160万が特に好ましい。重量平均分子量が3000未満の場合、相乗効果をさらに引き出す効果が少なくなり、耐久親水性が向上しない場合がある。一方、700万超の場合、生産することが難しい場合がある。
成分(A3)のポリアルキレングルコール重合体が、プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)との共重合体の場合、PO/EOのモル比は10/90〜70/30が好ましく、20/80〜40/60がより好ましく、30/70〜40/60がさらに好ましい。
POのモル比が70以上になると水に溶け難くなる場合がある。プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)との共重合体は、ランダム型またはブロック型のいずれであってもよく、混合物であってもよい。
水溶性ポリエステル(A4)(以下成分(A4)ということがある)は、芳香族ジカルボン酸、炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸(誘導体)と、アルキレングリコールと、ポリアルキレングリコールとを重縮合させたポリエステル化合物であることが好ましい。これらは、1種または2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる成分(A4)中の芳香族ジカルボン酸、炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、アジピン酸ジメチル、ピメリン酸、セバシン酸、ジメチレンセバシン酸などが挙げられる。なかでも、芳香族ジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
アルキレングリコールとしては、例えば、炭素数が2〜6程度が適当である。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールとしては、炭素数2〜4のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレングリコールが挙げられる。好ましくはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、オキシエチレン基/オキシプロピレン基=100/0〜40/60(モル比)の割合でランダム結合したもの、オキシエチレン基/オキシプロピレン基=100/0〜40/60(モル比)の割合でブロック結合したもの等が挙げられる。なかでも、H(OCHCHOH(式中、mは2〜250の整数であり、好ましくは30〜200、さらに好ましくは50〜150で表されるポリエチレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコールは、反応性を考慮して、重量平均分子量が5000以下であることが好ましい。
また、アルキレングリコール及びポリアルキレングリコールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2以上のものを組み合わせてもよい。この場合、異なる種類のものを組み合わせてもよいし、同じ種類の分子量が異なるもの等を組み合わせてもよい。特に、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)は、重量平均分子量が5000以下であれば、何種類組み合わせてもよい。
成分(A4)のポリエステル化合物としては、芳香族ジカルボン酸、エチレングリコール及びポリエチレングリコールを縮重合反応させて得られたものが好ましく、特にランダム共重合体であるものがより好ましい。ポリエステル化合物を製造する反応は、当該分野において公知の方法及び条件を適宜選択して行うことができる。また、常圧で行ってもよく、減圧で行ってもよい。
本発明の透水性付与剤に含まれる成分(A)は、成分(A1)、成分(A2)、成分(A3)および成分(A4)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、これらの中でも、成分(B)と成分(C)を併用することによる相乗効果を保持する効果が得られることから、成分(A2)または成分(A3)を必須に含むことがより好ましく、成分(A2)を必須に含むことがさらに好ましい。
透水性付与剤の不揮発分に占める成分(A)の重量割合は0.5〜10重量%であり、1〜8重量がより好ましく、1〜7重量%がさらに好ましく、2〜6重量%が特に好ましい。成分(A)の重量割合が0.5重量%未満では、耐久透水性が低下することがある。一方、成分(A)の重量割合が10重量%超であると、カード通過性、瞬時透水性および耐久透水性が低下することがある。なお、本発明の透水性付与剤の不揮発分とは、透水性付与剤を105℃で熱処理して溶媒等を除去し、恒量に達したときの揮発せずに残存した成分をいう。
〔成分(B)〕
アルキルホスフェート塩および/またはポリオキシアルキレン基含有アルキルホスフェート塩(B)(以下成分(B)ということがある)は、本発明の透水性付与剤に必須に含まれる成分であり、瞬時透水性能に優れる成分である。
成分(B)は、前述の一般式(1)で示される化合物であることが好ましい。式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基であり、炭素数は8〜18が好ましく、8〜16がより好ましく、8〜12がさらに好ましい。アルキル基の炭素数が6未満ではカード工程通過性が低下することがある。一方、アルキル基の炭素数が22超であると、初期透水性が低下することがある。なお、アルキル基の炭素数は分布があっても良く、2種類以上のアルキルホスフェート塩の混合物でも良い。Rはエチレン基および/またはプロピレン基である。mは0〜15の整数であり、mは0〜10が好ましく、0〜8がより好ましく、0〜3がさらに好ましく、mが0でポリオキシアルキレン基を含有しない場合が特に好ましい。nは1〜2の整数である。Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオンからなる群から選択されるイオン性残基であり、これらの中でも透水性の付与とカード通過性の向上という理由から、オクチルホスフェートカリウム塩、デシルホスフェートカリウム塩、ラウリルホスフェートカリウム塩、ミリスチルホスフェートカリウム塩、セチルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレン2モル付加セチルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレン3モル付加ラウリルホスフェートジエタノールアンモニウム塩、ポリオキシエチレン3モル付加ラウリルホスフェートトリエタノールアンモニウム塩が好ましく、オクチルホスフェートカリウム塩、デシルホスフェートカリウム塩、ラウリルホスフェートカリウム塩がさらに好ましい。
透水性付与剤の不揮発分に占める成分(B)の重量割合は30〜65重量%であり、32〜45重量がより好ましく、35〜42重量%がさらに好ましく、37〜42重量%が特に好ましい。成分(B)の重量割合が30重量%未満では、瞬時透水性能とカード通過性が低下することがある。一方、成分(B)の重量割合が65重量%超であると、耐久透水性が低下することがある。
〔成分(C)〕
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)(以下成分(C)ということがある)は、本発明の透水性付与剤に必須に含まれる成分である。成分(C)は、ポリオレフィンとの親和性が高いので、耐久透水性を付与する成分である。
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルは、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルが炭素数6〜22のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステルのアルキレンオキシド付加物であり、ジカルボン酸の炭素数が2〜10であり、脂肪酸の炭素数が10〜22であることが好ましい。
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとしては、たとえば、炭素数6〜22(好ましくは12〜22)のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステルのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。ヒドロキシ脂肪酸の炭素数が6未満であると、親水性が強くなり、一方、22を超えると疎水性が強くなり、十分な耐久親水性を得られないことがある。
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルを製造する場合、それぞれの原料比率(モル比)はヒドロキシ脂肪酸/(多価アルコール×多価アルコール1分子中に含まれる水酸基の数)=1/2〜2/1の範囲であることが好ましい。
炭素数6〜22のヒドロキシ脂肪酸としては、たとえば、グリコール酸、乳酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、サリチル酸等が挙げられ、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸が好ましい。多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、グリセリンが好ましい。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。
アルキレンオキシドの付加モル数は、炭素数6〜22のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステルの水酸基1モル当り、好ましくは80以下、さらに好ましくは5〜30である。良好な耐久親水性を得るためには、親水基と疎水基のバランスを調整することが重要である。そのためには、アルキレンオキシドの付加モル数は、このエステル1モル当りでは、好ましくは5〜150、さらに好ましくは10〜80である。アルキレンオキシドに占めるエチレンオキシドの割合は、好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。エチレンオキシドの割合が50モル%未満では、疎水性が強くなるために十分な親水性が得られないことがある。
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルは、たとえば、多価アルコールとヒドロキシモノカルボン酸を通常の条件でエステル化し、次いでアルキレンオキシドを付加反応させることによっても製造できる。ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとしては、ひまし油などの天然から得られる油脂やこれに水素を添加した硬化ひまし油も好適である。
ジカルボン酸の炭素数については、2〜10が好ましく、2〜8がさらに好ましい。ジカルボン酸の炭素数が10を超えると十分な親水性を付与できないことがある。このようなジカルボン酸としては、たとえば、オキシジプロピオン酸、ジプロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、セバシン酸、フタル酸等が挙げられる。ジカルボン酸と共に、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸等のジカルボン酸以外のカルボン酸を20%以下(好ましくは10%以下)含有しても良い。ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物を製造する場合、それぞれの原料比率(モル比)は、好ましくは1:1〜2:1、さらに好ましくは1.5:1〜2:1である。エステル化の反応は通常の条件で良く、特に限定はない。
縮合物の少なくとも1つの水酸基を封鎖する脂肪酸の炭素数については、10〜22が好ましく、12〜22がさらに好ましい。脂肪酸の炭素数が10未満であると親水性が強くなり、一方、22を超えると疎水性が強くなる。このように、親水性と疎水性とがアンバランスであると、十分な耐久親水性を得ることができないことがある。このような脂肪酸としては、たとえば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イコサン酸、ベヘン酸等が挙げられる。縮合物と脂肪酸とのエステルを製造する場合、それぞれの原料比率(モル比)は、好ましくは1:0.2〜1:1のモル比で反応されるが、さらに好ましくは1:0.4〜1:0.8のモル比である。エステル化の反応条件については特に限定はない。
透水性付与剤の不揮発分に占める成分(C)の重量割合は30〜65重量%であり、40〜65重量がより好ましく、45〜65重量%がさらに好ましく、50〜65重量%が特に好ましい。成分(C)の重量割合が30重量%未満では、耐久透水性が低下することがある。一方、成分(C)の重量割合が65重量%超であると、カード通過性が低下し、瞬時透水性および耐久親水性が低下することがある。
〔両性界面活性剤(D)、カチオン性界面活性剤(E)〕
本発明の透水性付与剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で両性界面活性剤(D)やカチオン性界面活性剤(E)を含有してもよいが、皮膚への刺激性が強くなるという理由から、透水性付与剤の不揮発分全体に占める両性界面活性剤(D)および/またはカチオン性界面活性剤(E)の重量割合は、10重量%未満、8重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満の順で好ましい。
両性界面活性剤(D)(以下成分(D)ということがある)は、例えば、トリアルキルグリシン型両性界面活性剤、アルキルアミドプロピル型両性界面活性剤等が挙げられる。
トリアルキルグリシン型両性界面活性剤は、グリシン分子構造中の窒素原子に3つのアルキル基が結合している第4級アンモニウムとカルボキシル基の分子内塩構造を有する化合物である。トリアルキルグリシン中のアルキル基としては炭素数1〜22のアルキル基であれば特に限定はないが、炭素数が最も大きいアルキル基の炭素数が12以下である場合は、耐久親水性が得られない。
アルキルアミドプロピル型両性界面活性剤は、アルキル基としては炭素数10〜22等を挙げることができる。アルキル基の1個が、炭素数12以下である場合は、耐久親水性が得られない。
カチオン性界面活性剤(E)(以下成分(E)ということがある)は、下記の一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 0005231888
式中、Rは炭素数8〜24の脂肪族炭化水素基であり、RはRが炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基のときには、炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基であり、そしてRが炭素数19〜24の脂肪族炭化水素基のときには、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基でありRおよびRは各々独立して、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基でありそしてXはハロゲンイオン、硝酸イオン、酢酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンおよびジメチル燐酸イオンからなる群から選択されるイオン性残基である。
成分(E)の一般式(2)で表されるカチオン性界面活性剤は、単独または2種以上併用することができる。上記式(2)中RとRは各々独立して、好ましくは炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基である。RまたはRの炭素数が7以下の場合は、カード通過性が悪化するとともに、親水性が強くなり過ぎて耐久親水性が低下し、液戻り性が増加し易くなるので好ましくなく、R、Rの何れか一方の炭素数が25以上の場合は、瞬時透水性が低下し易くなるので好ましくない。RとRは、好ましくは炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基である。RとRのいずれかの炭素数が4以上では、瞬時透水性および耐久親水性が低下し易くなるので好ましくない。
一般式(2)で表されるカチオン性界面活性剤の例としては、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジ椰子アルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジラウリルメチルエチルアンモニウムエトサルフェート等が挙げられる。
[シリコーン系化合物(F)]
本発明の透水性付与剤は、本発明の効果を阻害しない範囲でシリコーン系化合物(F)を含有してもよいが、液戻り防止性が不足するという問題とカード時にスカムが発生するという理由から、透水性付与剤の不揮発分全体に占めるシリコーン系化合物(F)の重量割合は、10重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満の順で好ましい。
シリコーン系化合物は、分子内にシリコーン結合(−O−Si−O−)を複数有する有機ケイ素化合物であれば特に限定はなく、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン等の各種変性シリコーンやそれらの混合物が挙げられる。
〔その他の成分〕
本発明の透水性付与剤は、必要に応じて水および/または溶剤を含有していてもよく、水を必須に含有することが好ましい。本発明に使用する水としては、純水、蒸留水、精製水、軟水、イオン交換水、水道水等のいずれであってもよい。透水性付与剤を製造する際の透水性付与剤全体に占める不揮発分の重量割合は、10〜25重量%が好ましく、18〜23重量%が特に好ましい。不揮発分の重量割合が10重量%未満の場合、輸送コストが高くなる。一方、25重量%超の場合、当該透水性付与剤の流動性が失われて外観がゼリー状になり取扱いが不便になる。
また、本発明の透水性付与剤は、透水性付与剤全体に占める不揮発分の重量割合を1重量%としたときの水性液のpH(20℃)が5〜8の範囲になることが好ましい。pHが5未満でも8超でも人間の体液や血液のpHから遠ざかることにより皮膚への刺激性が強くなるので好ましくない。
また、本発明の透水性付与剤には、必要に応じて、抗菌剤、酸化防止剤、防腐剤、艶消し剤、顔料、抗菌剤、芳香剤、消泡剤等がさらに含まれていてもよい。
〔透水性付与剤の製造方法〕
本発明の透水性付与剤の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、アルキルホスフェート塩および/またはポリオキシアルキレン基含有アルキルホスフェート塩(B)の水溶液に、通常のエステル反応で合成したポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)を配合して約50℃の温度で均一に攪拌する。攪拌しながら所定量の水を注入し希釈する。次いで、攪拌しながら、あらかじめ調製した4重量%水溶液の水溶性高分子(A)を投入して均一に攪拌すると20重量%の透水性付与剤が得ることができる。
〔透水性繊維〕
本発明の透水性繊維は、繊維本体とこれに付着した上記透水性付与剤とから構成される透水性繊維であり、一般的には所定の長さに切断した短繊維である。透水性付与剤の不揮発分の付着割合は、前記透水性繊維に対して0.1〜2重量%であり、好ましくは0.3〜1重量%である。透水性繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着割合が0.1重量%未満では、瞬時透水性、耐久透水性が低下することがある。一方、透水性付与剤の付着割合が2重量%を超えると、繊維をカード処理する時に巻付きが多くなって生産性が大幅に低下し、乾式法等の方法により得られた不織布等の繊維製品が透水後にベトツキが大きくなることがある。
繊維本体としては、たとえば、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、塩ビ繊維、ポリ乳酸繊維、2種類以上の熱可塑性樹脂からなる複合繊維等が挙げられる。複合繊維の組み合わせとしては、例えば、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状高密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂;ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、直鎖状高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート等のポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂;共重合ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂/ポリエステル系樹脂等が例示できる。さらにポリアミド系樹脂/ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂等からなる複合繊維も例示することができる。これらの繊維のなかでも、付着した透水性付与剤が尿や体液等の液体によって脱落し難いという理由から、不織布製造用ポリオレフィン系繊維に対し、本発明の透水性付与剤は好適である。
繊維の断面構造は鞘芯型、並列型、偏心鞘芯型、多層型、放射型あるいは海島型が例示できるが、繊維製造工程での生産性や、不織布加工の容易さから、偏心を含む鞘芯型または並列型が好ましい。また、断面形状は円形または異形形状とすることができる。異形形状の場合、例えば扁平型、三角形〜八角形等の多角型、T字型、中空型、多葉型等の任意の形状とすることができる。多葉型とは、繊維表面の伸長方向に沿って任意の数と大きさの溝を持つ繊維をいう。
本発明の透水性付与剤は、そのまま希釈等せずに繊維本体に付着させてもよく、水等で不揮発分全体の重量割合が0.5〜5重量%となる濃度に希釈してエマルジョンとして繊維本体に付着させてもよい。透水性付与剤を繊維本体へ付着させる工程は、繊維本体の紡糸工程、延伸工程、捲縮工程等のいずれでもよい。本発明の透水性付与剤を繊維本体に付着させる手段については、特に限定はなく、ローラー給油、ノズルスプレー給油、ディップ給油等の手段を使用してもよい。繊維の製造工程やその特性に合わせ、より均一に効率よく目的の付着量が得られる方法を採用すればよい。また、乾燥の方法としては、熱風および赤外線により乾燥させる方法、熱源に接触させて乾燥させる方法等を用いてよい。
〔不織布の製造方法〕
また、本発明の不織布の製造方法は、本発明の透水性繊維(例えば短繊維)をカード機等に通して繊維ウエブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含むものである。本発明の透水性付与剤は、不織布の製造において繊維ウェブを熱処理する工程を有する場合に、特に好適に使用されるものである。
繊維ウェブを熱処理して接合させる方法としては、加熱ロールまたは超音波によるによる熱圧着、加熱空気による熱融着、熱圧着点(ポイントボンディング)法等の熱融着法が挙げられる。繊維ウェブを熱処理して接合させる一例としては、芯に高融点の樹脂を使用し鞘に低融点の樹脂を使用する鞘芯型の複合繊維の場合、低融点の樹脂の融点付近で熱処理することで、繊維交点の熱接着を容易に行なうことができる。
不織布の製造方法としては、透水性付与剤が付与された短繊維をカード機等に通しスライバーとしたものを上述のように熱処理して接合させ一体化する方法、透水性付与剤が付与された紡績糸や連続糸等を用いて編織加工により編織物としたものを上述のように熱処理して接合させる方法、エアレイド法でパルプ等を積層する際に本発明の透水性繊維(短繊維)と混綿して、上述のように熱処理して接合させる方法等も挙げられる。その他、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法等により得られた繊維成形体に対して、本発明の透水性付与剤を付着させたものを加熱ロールまたは加熱空気等で熱処理して、または加熱ロールまたは加熱空気等で熱処理したものに本発明の透水性付与剤を付着させて、不織布を製造する方法も挙げられる。
スパンボンド法の一例としては、複合繊維樹脂を紡糸し、次に、紡出された複合長繊維フィラメントを冷却流体により冷却し、延伸空気によってフィラメントに張力を加えて所期の繊度とする。その後、紡糸されたフィラメントを捕集ベルト上に捕集し、交絡処理を行ってスパンボンド不織布を得る。交絡処理をする方法としては、たとえば加熱ロール処理により繊維を融着する方法、超音波により繊維を融着する方法、ホットエアースルーにより繊維を融着する方法などがある。これらの交絡処理方法のなかでは、加熱ロール処理が好ましい。
得られたスパンボンド不織布に本発明の透水性付与剤を付与する方法としては、グラビア法、フレキソ法、ゲートロール法等のロールコーティング法、スプレーコーティング法等で行うことができるが、不織布への塗布量を片面ずつ調節できるものであれば特に限定されるものではない。また、乾燥の方法としては、熱風および赤外線により乾燥させる方法、熱源に接触させて乾燥させる方法等を用いてよい。
〔透水性繊維の物性〕
本発明の透水性繊維は、液戻り防止性に優れた物性を有している。透水性繊維の液戻り量は、通常1.2g以下、好ましくは1.0g以下、さらに好ましくは0.8g以下、より好ましくは0.6g以下、特に好ましくは0.4g以下、最も好ましくは0.2g以下である。
本発明の透水性繊維は、耐久透水性に優れている。透水性繊維の耐久透水性評価は、繰り返しの評価が3回目において生理食塩水の消失時間を20箇所で測定し、消失時間5秒未満となる箇所の個数は、通常10個以上、好ましくは12個以上、さらに好ましくは14個以上、より好ましくは16個以上、特に好ましくは18個以上、最も好ましくは20個である。
本発明の透水性繊維は、安全性に優れている。衛生材料用途では、人体に直接接することから、高い安全性が求められている。透水性繊維の安全性評価は、細胞毒性試験結果(IC50)を実施し、70%以上が好ましい。本発明の透水性付与剤を繊維本体に付着させることによって、上記物性が得られる。
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各実施例および比較例における評価項目と評価方法は以下の通りである。なお、例中の「部」および「%」とあるのは、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
(実施例1〜7および比較例1〜8)
表1および2に示す各成分および水を混合して、透水性付与剤全体に占める不揮発分の重量割合が20重量%の実施例1〜7、比較例1〜8の透水性付与剤をそれぞれ調製した。表1および2には、各透水性付与剤の不揮発分全体に占める各成分の重量割合(重量%)を示している。得られた透水性付与剤をそれぞれ約60℃の温水で不揮発分の重量割合が1重量%の濃度になるよう希釈して希釈液を得た。また、各希釈液のpH(20℃)をそれぞれ測定した。結果を表1、2に示す。
次に、繊維本体300gに対しそれぞれの透水性付与剤の希釈液150gをスプレーで付着させた。繊維本体は、透水性付与剤等の繊維処理剤が付着していない、ポリプロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)系複合繊維であり、単繊維繊度が1.5Dtex、繊維長が38mmのものであった。それぞれの透水性付与剤の希釈液を付着させた繊維を、60℃の温風乾燥機の中に2時間入れた後、室温で8時間以上放置して乾燥させて、透水性繊維を得た。
得られた透水性繊維をそれぞれ混打綿工程およびカード試験機を用いたカード工程に通し、目付30g/mのウェブを作製した。その際、それぞれの透水性繊維について、下記に示す評価方法でカード工程における物性(カード通過性:シリンダー巻付きおよびスカム発生の有無)を評価し、結果を表3および4に示した。得られたウェブをエァースルー型熱風循環乾燥機中130℃で熱処理してウェブを固定し、不織布を得た。得られた不織布について、下記に示す評価方法で物性(瞬時透水性、耐久透水性および液戻り防止性)をそれぞれ評価し、結果を表3および4に示した。
〔評価方法〕
(1)シリンダー巻付き
カード試験機を用いて30℃×70%RHの条件でカード工程で得られた試料短繊維40gをカーディングした後にシリンダーを観察し、以下の基準で評価した。なお、5が最も良い評価である。
5…巻付きなし、4…シリンダー面の1/10に巻付きあり、3…シリンダー面の1/5に巻付きあり、2…シリンダー面の1/3に巻付きあり、1…全面に巻付きあり
(2)スカム発生の有無
カード試験機を用いて30℃×70%RHの条件でカード工程で得られた試料短繊維200gをカーディングした後にローラーに付着したスカムを観察し、スカム発生の有無を評価した。
(3)不織布の瞬時透水性
不織布を濾紙(東洋濾紙、No.5)の上に重ね、不織布表面から10mmの高さに設置したビューレットより1滴(約0.05ml)の生理食塩水を滴下して、不織布表面から水滴が消失するまでの時間を測定した。不織布表面の20箇所でこの測定を行って5秒未満の個数を表示する。この個数が18個以上であれば瞬時透水性は良好である。
(4)不織布の耐久透水性
不織布(10cm×10cm)を市販の紙おむつに重ね、その上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水80mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させた。注水後3分間放置した後に、不織布を2枚の濾紙(東洋濾紙、No.5)の間に挟み、その上に板(10cm×10cm)と重り(合計3.5Kg)を乗せて3分間放置して脱水し、その後さらに5分間風乾した。風乾後の試料不織布に上記円筒内で生理食塩水が通過した箇所について、不織布の瞬時透水性の試験方法によって、生理食塩水の消失時間を20箇所で測定し、消失時間5秒未満の個数を表示する。この個数が18個以上であれば耐久透水性は良好である。試験に供した不織布について、同様の作業を繰り返して行う。この繰り返し試験では回数を重ねても生理食塩水の消失個数(消失時間5秒未満となる箇所の個数)が多い方が良い。
(5)不織布の液戻り防止性
市販の紙おむつの上に不織布(10cm×10cm)を置き、さらにその上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水100mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させた。生理食塩水が全て紙おむつに吸収されたら円筒を取り除き、予め秤量した濾紙(東洋濾紙、No.5)を20枚重ね、これに5Kgの荷重を乗せる。5分間放置後、濾紙の重さを計り、重量増加分を測定して液戻り量(g)とした。1.2g以下を許容範囲としているが、1.0g以下が望ましい。
(6)細胞毒性試験(IC50
細胞株はV79細胞を用いるコロニー形成法により、水抽出液3.13〜100%の濃度範囲で検討し、コロニー形成を50%阻害する濃度(%)をIC50とした。抽出条件および処理条件等は「第15改正 日本薬局方 2006年度」のプラスチック製医薬品容器試験法の細胞毒性試験に準拠して実施する。合否の判定は、濃度70%以上を合格とする。
(7)透水性繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着割合
25℃×40%RHの温湿度で24時間調湿した透水性繊維(W1)を、メタノールを用いて、迅速残脂抽出装置R−11型(東海計器(株)製)で抽出し、透水性付与剤の不揮発分の付着量(W2)を求めた。そして下記の式より、透水性繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着割合C%を求めた。
C=W2/W1×100(%)
Figure 0005231888
成分a1:ポリビニルアルコール(ゴーセノールAH−26 日本合成化学工業(株)製):粘度(4重量%濃度)62mPa・s(cp)、けん化度98mol%、重合度2600。
成分a2:その誘導体(ヒドロキシプロピルメチルセルロース:マーポローズ 90MP−10万、松本油脂製薬(株)製):粘度(2重量%濃度)10万mPa・s(cp)、メトキシ基置換度1.4、ヒドロキシプロポキシ基置換モル数0.2。
成分a3:多糖類および/またはその誘導体(ヒドロキシエチルメチルセルロース:メトローズ SEB−30T、信越化学工業(株)製):粘度(2重量%濃度)3万mPa・s(cp)、メトキシ基置換度1.5、ヒドロキシエトキシ基置換モル数0.2。
成分a4:水溶性ポリエーテル(ポリエチレングリコール:PEO−4、住友精化(株)製):重量平均分子量140万、粘度(5重量%濃度)4000〜5000万mPa・s(cp)。
成分a5:ジメチルテレフタレートとジメチルイソフタレートとをモル比80:20で合計25重量部、エチレングリコール20重量部およびポリエチレングリコールモノフェニルエーテル(j重量平均分子量:3000)55重量部とを混合し、触媒として少量の酢酸亜鉛とチタンテトラブトキシドを加えて、常圧下175〜200℃で、180分間反応させて、ほぼ理論量のメタノールを留去し、エステル交換反応を完了させた。次いで、230℃に昇温して1時間ほど反応させた後、0.5mmHgに減圧して230〜260℃において20分間、続いて0.1〜0.5mmHgで275℃において、40分間反応させ、得られた重合体(重量平均分子量7000)を直ちに温水に撹絆しながら投入して10重量%分散液を得た。
成分b1:オクチルホスフェートカリウム塩
成分b2:ラウリルホスフェートカリウム塩
成分b3:ポリオキシエチレン2モルラウリルホスフェートカリウム塩
成分b4:セチルホスフェートカリウム塩
成分c:ポリオキシエチレンカスターワックスのマレイン酸エステルとステアリン酸とのエステル(ポリオキシエチレン基中のオキシエチレン基の付加モル数:20)
Figure 0005231888
成分b5:ステアリルホスフェートカリウム塩
成分d1:N,N−ジメチル−N−ラウリル N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン
成分d2:トリアルキルグリシン誘導体(ビスターMS、松本油脂製薬(株)製)
成分d3:(ポリ)アルキルアルキレンアミドジアルキルグリシン誘導体(ビスターCAP、松本油脂製薬(株)製)
成分e1:ポリオキシエチレンベヘン酸ジエチレントリアミンのエピクロルヒドリンを反応させたカチオン化物(ポリオキシエチレン基の数:15)
成分e2:ステアリン酸ジエタノールアミドとクロロプロピレンオキサイドを反応させたカチオン物
成分f:ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン変性シリコーン(Si含有率:65%、POE含有率:100%、分子量:10000)。なお、POE含有率は、ポリオキシアルキレン中のポリオキシエチレンの含有率(重量%)を示す。
Figure 0005231888
Figure 0005231888
表3から明らかなように、実施例1〜7の本発明の透水性処理剤を給油した透水性繊維は、カード通過性が良好であり、透水性不織布の瞬時透水性、耐久親水性および液戻り量も少なく良好であった。さらには、細胞毒性試験にも合格した。透水性能の優れた化合物と、ポリオレフィンとの親和性が高い化合物を併用したことで、その相乗効果が良く現れている。この透水性処理剤を付与すれば、繊維に瞬時透水性、耐久透水性、および液戻り防止性を付与し、さらに皮膚への刺激性も低減する事ができ、本発明の効果が確認された。
一方、表4から明らかなように、これらの成分組成範囲から外れる比較例1〜8は、総ての必要特性を満足することはできなかった。

Claims (13)

  1. ポリビニルアルコールおよび/またはその誘導体(A1)、多糖類および/またはその誘導体(A2)、水溶性ポリエーテル(A3)および水溶性ポリエステル(A4)から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子(A)と、アルキルホスフェート塩および/またはポリオキシアルキレン基含有アルキルホスフェート塩(B)と、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)とを含む透水性付与剤であって、
    前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める、成分(A)の重量割合が0.5〜10重量%、成分(B)の重量割合が30〜65重量%、成分(C)の重量割合が30〜65重量%である、透水性付与剤。
  2. 透水性付与剤の不揮発分全体に占める両性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤の重量割合が10重量%未満である、請求項1記載の透水性付与剤。
  3. 透水性付与剤の不揮発分全体に占めるシリコーン系化合物の重量割合が10重量%未満である、請求項1または2に記載の透水性付与剤。
  4. 前記成分(A)が前記成分(A1)を必須に含み、前記ポリビニルアルコールの重合度が400〜4000であり、けん化度が50モル%以上である、請求項1〜のいずれかに記載の透水性付与剤。
  5. 前記成分(A)が前記成分(A2)を必須に含み、前記多糖類がセルロース、寒天、ゼラチン、アルギン酸、デオキシリボ核酸、カラギーナン、グアーガム、ジェランガムおよびタマリンドガムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれかに記載の透水性付与剤。
  6. 前記成分(A2)の2重量%水溶液の粘度(20℃)が3〜20万mPa・sである、請求項に記載の透水性付与剤。
  7. 前記成分(A)が前記成分(A3)を必須に含み、該成分(A3)が、炭素数が2〜4のオキシアルキレン単位を有するポリアルキレングルコール重合体であり、重量平均分子量が3000〜700万で、エステル成分を含まない水溶性ポリエーテルである、請求項1〜のいずれかに記載の透水性付与剤。
  8. 前記成分(A)が前記成分(A4)を必須に含み、該成分(A4)が、芳香族ジカルボン酸、炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸(誘導体)と、アルキレングリコールと、ポリアルキレングリコールとを重縮合させたポリエステル化合物である、請求項1〜のいずれかに記載の透水性付与剤。
  9. 前記成分(B)が、下記一般式で示される化合物である、請求項1〜8のいずれかに記載の透水性付与剤。
    Figure 0005231888
    (式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基であり、Rはエチレン基および/またはプロピレン基であり、mは0〜15の整数であり、nは1〜2の整数であり、Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオンおよびトリエタノールアンモニウムイオンからなる群から選択されるイオン性残基である。)
  10. 前記成分(C)のポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルが炭素数6〜22のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステルのアルキレンオキシド付加物であり、ジカルボン酸の炭素数が2〜10であり、脂肪酸の炭素数が10〜22である、請求項1〜のいずれかに記載の透水性付与剤。
  11. 不織布製造用ポリオレフィン系繊維に用いられる、請求項1〜10のいずれかに記載の透水性付与剤。
  12. 不織布製造用ポリオレフィン系繊維に請求項1〜11のいずれかに記載の透水性付与剤を処理して得られ、得られた繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着割合が0.1〜2重量%である、透水性繊維。
  13. 請求項12に記載の透水性繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含む、不織布の製造方法。
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