JP5231888B2 - 透水性付与剤、それが付着した透水性繊維および不織布の製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の透水性繊維は、不織布製造用ポリオレフィン系繊維に、本発明の透水性付与剤を処理して得られ、得られた繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着割合が0.1〜2重量%である。
また、本発明の不織布の製造方法は、本発明の透水性繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含むものである。
水溶性高分子(A)(以下成分(A)ということがある)は、本発明の透水性付与剤に必須に含まれる成分であり、後述の成分(B)の透水性能の優れた化合物と成分(C)のポリオレフィンとの親和性が高い化合物を併用してなる相乗効果を、さらに引き出す効果がある。
成分(A)としては、ポリビニルアルコールおよび/またはその誘導体、多糖類および/またはその誘導体、水溶性ポリエーテル、水溶性ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン由来の骨格を有する合成高分子等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶液安定性や耐久親水性向上という理由から、ポリビニルアルコールおよび/またはその誘導体(A1)、多糖類および/またはその誘導体(A2)、水溶性ポリエーテル(A3)および水溶性ポリエステル(A4)から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子であることが好ましい。
多糖類誘導体としては、上記の多糖類の塩や、多糖類のヒドロキシル基の水素原子の一部または全てに、ヒドロキシル基、オキシカルボニル基(−COO−又は−OCO−)、エーテル結合等が置換されているものが挙げられる。例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルスターチ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガムおよびヒドロキシプロピルメチルスターチから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらのなかでも、相乗効果をさらに引き出す効果が大きいとの理由から、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースがより好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがさらに好ましい。
成分(A2)がヒドロキシプロポキシ基を有するセルロースの場合、ヒドロキシプロポキシ基置換モル数は、0.1〜0.3が好ましく、0.15〜0.25がより好ましい。なお、ここでいうヒドロキシプロポキシ基置換モル数とは、セルロースのグルコース環単位当たりに付加した、ヒドロキシプロポキシ基の平均モル数をいう。
成分(A2)がヒドロキシエトキシ基を有するセルロースの場合、ヒドロキシエトキシ基置換モル数は、0.1〜0.3が好ましく、0.15〜0.25がより好ましい。なお、ここでいうヒドロキシエトキシ基置換モル数とは、セルロースのグルコース環単位当たりに付加した、ヒドロキシエトキシ基の平均モル数をいう。
成分(A3)のポリアルキレングルコール重合体が、プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)との共重合体の場合、PO/EOのモル比は10/90〜70/30が好ましく、20/80〜40/60がより好ましく、30/70〜40/60がさらに好ましい。
POのモル比が70以上になると水に溶け難くなる場合がある。プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)との共重合体は、ランダム型またはブロック型のいずれであってもよく、混合物であってもよい。
アルキルホスフェート塩および/またはポリオキシアルキレン基含有アルキルホスフェート塩(B)(以下成分(B)ということがある)は、本発明の透水性付与剤に必須に含まれる成分であり、瞬時透水性能に優れる成分である。
成分(B)は、前述の一般式(1)で示される化合物であることが好ましい。式中、R1は炭素数6〜22のアルキル基であり、炭素数は8〜18が好ましく、8〜16がより好ましく、8〜12がさらに好ましい。アルキル基の炭素数が6未満ではカード工程通過性が低下することがある。一方、アルキル基の炭素数が22超であると、初期透水性が低下することがある。なお、アルキル基の炭素数は分布があっても良く、2種類以上のアルキルホスフェート塩の混合物でも良い。R2はエチレン基および/またはプロピレン基である。mは0〜15の整数であり、mは0〜10が好ましく、0〜8がより好ましく、0〜3がさらに好ましく、mが0でポリオキシアルキレン基を含有しない場合が特に好ましい。nは1〜2の整数である。Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオンからなる群から選択されるイオン性残基であり、これらの中でも透水性の付与とカード通過性の向上という理由から、オクチルホスフェートカリウム塩、デシルホスフェートカリウム塩、ラウリルホスフェートカリウム塩、ミリスチルホスフェートカリウム塩、セチルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレン2モル付加セチルホスフェートカリウム塩、ポリオキシエチレン3モル付加ラウリルホスフェートジエタノールアンモニウム塩、ポリオキシエチレン3モル付加ラウリルホスフェートトリエタノールアンモニウム塩が好ましく、オクチルホスフェートカリウム塩、デシルホスフェートカリウム塩、ラウリルホスフェートカリウム塩がさらに好ましい。
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)(以下成分(C)ということがある)は、本発明の透水性付与剤に必須に含まれる成分である。成分(C)は、ポリオレフィンとの親和性が高いので、耐久透水性を付与する成分である。
本発明の透水性付与剤は、本発明の効果を阻害しない範囲で両性界面活性剤(D)やカチオン性界面活性剤(E)を含有してもよいが、皮膚への刺激性が強くなるという理由から、透水性付与剤の不揮発分全体に占める両性界面活性剤(D)および/またはカチオン性界面活性剤(E)の重量割合は、10重量%未満、8重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満の順で好ましい。
トリアルキルグリシン型両性界面活性剤は、グリシン分子構造中の窒素原子に3つのアルキル基が結合している第4級アンモニウムとカルボキシル基の分子内塩構造を有する化合物である。トリアルキルグリシン中のアルキル基としては炭素数1〜22のアルキル基であれば特に限定はないが、炭素数が最も大きいアルキル基の炭素数が12以下である場合は、耐久親水性が得られない。
アルキルアミドプロピル型両性界面活性剤は、アルキル基としては炭素数10〜22等を挙げることができる。アルキル基の1個が、炭素数12以下である場合は、耐久親水性が得られない。
本発明の透水性付与剤は、本発明の効果を阻害しない範囲でシリコーン系化合物(F)を含有してもよいが、液戻り防止性が不足するという問題とカード時にスカムが発生するという理由から、透水性付与剤の不揮発分全体に占めるシリコーン系化合物(F)の重量割合は、10重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満の順で好ましい。
シリコーン系化合物は、分子内にシリコーン結合(−O−Si−O−)を複数有する有機ケイ素化合物であれば特に限定はなく、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン等の各種変性シリコーンやそれらの混合物が挙げられる。
本発明の透水性付与剤は、必要に応じて水および/または溶剤を含有していてもよく、水を必須に含有することが好ましい。本発明に使用する水としては、純水、蒸留水、精製水、軟水、イオン交換水、水道水等のいずれであってもよい。透水性付与剤を製造する際の透水性付与剤全体に占める不揮発分の重量割合は、10〜25重量%が好ましく、18〜23重量%が特に好ましい。不揮発分の重量割合が10重量%未満の場合、輸送コストが高くなる。一方、25重量%超の場合、当該透水性付与剤の流動性が失われて外観がゼリー状になり取扱いが不便になる。
また、本発明の透水性付与剤は、透水性付与剤全体に占める不揮発分の重量割合を1重量%としたときの水性液のpH(20℃)が5〜8の範囲になることが好ましい。pHが5未満でも8超でも人間の体液や血液のpHから遠ざかることにより皮膚への刺激性が強くなるので好ましくない。
本発明の透水性付与剤の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、アルキルホスフェート塩および/またはポリオキシアルキレン基含有アルキルホスフェート塩(B)の水溶液に、通常のエステル反応で合成したポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)を配合して約50℃の温度で均一に攪拌する。攪拌しながら所定量の水を注入し希釈する。次いで、攪拌しながら、あらかじめ調製した4重量%水溶液の水溶性高分子(A)を投入して均一に攪拌すると20重量%の透水性付与剤が得ることができる。
本発明の透水性繊維は、繊維本体とこれに付着した上記透水性付与剤とから構成される透水性繊維であり、一般的には所定の長さに切断した短繊維である。透水性付与剤の不揮発分の付着割合は、前記透水性繊維に対して0.1〜2重量%であり、好ましくは0.3〜1重量%である。透水性繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着割合が0.1重量%未満では、瞬時透水性、耐久透水性が低下することがある。一方、透水性付与剤の付着割合が2重量%を超えると、繊維をカード処理する時に巻付きが多くなって生産性が大幅に低下し、乾式法等の方法により得られた不織布等の繊維製品が透水後にベトツキが大きくなることがある。
また、本発明の不織布の製造方法は、本発明の透水性繊維(例えば短繊維)をカード機等に通して繊維ウエブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含むものである。本発明の透水性付与剤は、不織布の製造において繊維ウェブを熱処理する工程を有する場合に、特に好適に使用されるものである。
繊維ウェブを熱処理して接合させる方法としては、加熱ロールまたは超音波によるによる熱圧着、加熱空気による熱融着、熱圧着点(ポイントボンディング)法等の熱融着法が挙げられる。繊維ウェブを熱処理して接合させる一例としては、芯に高融点の樹脂を使用し鞘に低融点の樹脂を使用する鞘芯型の複合繊維の場合、低融点の樹脂の融点付近で熱処理することで、繊維交点の熱接着を容易に行なうことができる。
不織布の製造方法としては、透水性付与剤が付与された短繊維をカード機等に通しスライバーとしたものを上述のように熱処理して接合させ一体化する方法、透水性付与剤が付与された紡績糸や連続糸等を用いて編織加工により編織物としたものを上述のように熱処理して接合させる方法、エアレイド法でパルプ等を積層する際に本発明の透水性繊維(短繊維)と混綿して、上述のように熱処理して接合させる方法等も挙げられる。その他、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法等により得られた繊維成形体に対して、本発明の透水性付与剤を付着させたものを加熱ロールまたは加熱空気等で熱処理して、または加熱ロールまたは加熱空気等で熱処理したものに本発明の透水性付与剤を付着させて、不織布を製造する方法も挙げられる。
得られたスパンボンド不織布に本発明の透水性付与剤を付与する方法としては、グラビア法、フレキソ法、ゲートロール法等のロールコーティング法、スプレーコーティング法等で行うことができるが、不織布への塗布量を片面ずつ調節できるものであれば特に限定されるものではない。また、乾燥の方法としては、熱風および赤外線により乾燥させる方法、熱源に接触させて乾燥させる方法等を用いてよい。
本発明の透水性繊維は、液戻り防止性に優れた物性を有している。透水性繊維の液戻り量は、通常1.2g以下、好ましくは1.0g以下、さらに好ましくは0.8g以下、より好ましくは0.6g以下、特に好ましくは0.4g以下、最も好ましくは0.2g以下である。
表1および2に示す各成分および水を混合して、透水性付与剤全体に占める不揮発分の重量割合が20重量%の実施例1〜7、比較例1〜8の透水性付与剤をそれぞれ調製した。表1および2には、各透水性付与剤の不揮発分全体に占める各成分の重量割合(重量%)を示している。得られた透水性付与剤をそれぞれ約60℃の温水で不揮発分の重量割合が1重量%の濃度になるよう希釈して希釈液を得た。また、各希釈液のpH(20℃)をそれぞれ測定した。結果を表1、2に示す。
次に、繊維本体300gに対しそれぞれの透水性付与剤の希釈液150gをスプレーで付着させた。繊維本体は、透水性付与剤等の繊維処理剤が付着していない、ポリプロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)系複合繊維であり、単繊維繊度が1.5Dtex、繊維長が38mmのものであった。それぞれの透水性付与剤の希釈液を付着させた繊維を、60℃の温風乾燥機の中に2時間入れた後、室温で8時間以上放置して乾燥させて、透水性繊維を得た。
(1)シリンダー巻付き
カード試験機を用いて30℃×70%RHの条件でカード工程で得られた試料短繊維40gをカーディングした後にシリンダーを観察し、以下の基準で評価した。なお、5が最も良い評価である。
5…巻付きなし、4…シリンダー面の1/10に巻付きあり、3…シリンダー面の1/5に巻付きあり、2…シリンダー面の1/3に巻付きあり、1…全面に巻付きあり
カード試験機を用いて30℃×70%RHの条件でカード工程で得られた試料短繊維200gをカーディングした後にローラーに付着したスカムを観察し、スカム発生の有無を評価した。
不織布を濾紙(東洋濾紙、No.5)の上に重ね、不織布表面から10mmの高さに設置したビューレットより1滴(約0.05ml)の生理食塩水を滴下して、不織布表面から水滴が消失するまでの時間を測定した。不織布表面の20箇所でこの測定を行って5秒未満の個数を表示する。この個数が18個以上であれば瞬時透水性は良好である。
不織布(10cm×10cm)を市販の紙おむつに重ね、その上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水80mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させた。注水後3分間放置した後に、不織布を2枚の濾紙(東洋濾紙、No.5)の間に挟み、その上に板(10cm×10cm)と重り(合計3.5Kg)を乗せて3分間放置して脱水し、その後さらに5分間風乾した。風乾後の試料不織布に上記円筒内で生理食塩水が通過した箇所について、不織布の瞬時透水性の試験方法によって、生理食塩水の消失時間を20箇所で測定し、消失時間5秒未満の個数を表示する。この個数が18個以上であれば耐久透水性は良好である。試験に供した不織布について、同様の作業を繰り返して行う。この繰り返し試験では回数を重ねても生理食塩水の消失個数(消失時間5秒未満となる箇所の個数)が多い方が良い。
市販の紙おむつの上に不織布(10cm×10cm)を置き、さらにその上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水100mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させた。生理食塩水が全て紙おむつに吸収されたら円筒を取り除き、予め秤量した濾紙(東洋濾紙、No.5)を20枚重ね、これに5Kgの荷重を乗せる。5分間放置後、濾紙の重さを計り、重量増加分を測定して液戻り量(g)とした。1.2g以下を許容範囲としているが、1.0g以下が望ましい。
細胞株はV79細胞を用いるコロニー形成法により、水抽出液3.13〜100%の濃度範囲で検討し、コロニー形成を50%阻害する濃度(%)をIC50とした。抽出条件および処理条件等は「第15改正 日本薬局方 2006年度」のプラスチック製医薬品容器試験法の細胞毒性試験に準拠して実施する。合否の判定は、濃度70%以上を合格とする。
25℃×40%RHの温湿度で24時間調湿した透水性繊維(W1)を、メタノールを用いて、迅速残脂抽出装置R−11型(東海計器(株)製)で抽出し、透水性付与剤の不揮発分の付着量(W2)を求めた。そして下記の式より、透水性繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着割合C%を求めた。
C=W2/W1×100(%)
成分a2:その誘導体(ヒドロキシプロピルメチルセルロース:マーポローズ 90MP−10万、松本油脂製薬(株)製):粘度(2重量%濃度)10万mPa・s(cp)、メトキシ基置換度1.4、ヒドロキシプロポキシ基置換モル数0.2。
成分a3:多糖類および/またはその誘導体(ヒドロキシエチルメチルセルロース:メトローズ SEB−30T、信越化学工業(株)製):粘度(2重量%濃度)3万mPa・s(cp)、メトキシ基置換度1.5、ヒドロキシエトキシ基置換モル数0.2。
成分a4:水溶性ポリエーテル(ポリエチレングリコール:PEO−4、住友精化(株)製):重量平均分子量140万、粘度(5重量%濃度)4000〜5000万mPa・s(cp)。
成分a5:ジメチルテレフタレートとジメチルイソフタレートとをモル比80:20で合計25重量部、エチレングリコール20重量部およびポリエチレングリコールモノフェニルエーテル(j重量平均分子量:3000)55重量部とを混合し、触媒として少量の酢酸亜鉛とチタンテトラブトキシドを加えて、常圧下175〜200℃で、180分間反応させて、ほぼ理論量のメタノールを留去し、エステル交換反応を完了させた。次いで、230℃に昇温して1時間ほど反応させた後、0.5mmHgに減圧して230〜260℃において20分間、続いて0.1〜0.5mmHgで275℃において、40分間反応させ、得られた重合体(重量平均分子量7000)を直ちに温水に撹絆しながら投入して10重量%分散液を得た。
成分b1:オクチルホスフェートカリウム塩
成分b2:ラウリルホスフェートカリウム塩
成分b3:ポリオキシエチレン2モルラウリルホスフェートカリウム塩
成分b4:セチルホスフェートカリウム塩
成分c:ポリオキシエチレンカスターワックスのマレイン酸エステルとステアリン酸とのエステル(ポリオキシエチレン基中のオキシエチレン基の付加モル数:20)
成分d1:N,N−ジメチル−N−ラウリル N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン
成分d2:トリアルキルグリシン誘導体(ビスターMS、松本油脂製薬(株)製)
成分d3:(ポリ)アルキルアルキレンアミドジアルキルグリシン誘導体(ビスターCAP、松本油脂製薬(株)製)
成分e1:ポリオキシエチレンベヘン酸ジエチレントリアミンのエピクロルヒドリンを反応させたカチオン化物(ポリオキシエチレン基の数:15)
成分e2:ステアリン酸ジエタノールアミドとクロロプロピレンオキサイドを反応させたカチオン物
成分f:ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン変性シリコーン(Si含有率:65%、POE含有率:100%、分子量:10000)。なお、POE含有率は、ポリオキシアルキレン中のポリオキシエチレンの含有率(重量%)を示す。
一方、表4から明らかなように、これらの成分組成範囲から外れる比較例1〜8は、総ての必要特性を満足することはできなかった。
Claims (13)
- ポリビニルアルコールおよび/またはその誘導体(A1)、多糖類および/またはその誘導体(A2)、水溶性ポリエーテル(A3)および水溶性ポリエステル(A4)から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子(A)と、アルキルホスフェート塩および/またはポリオキシアルキレン基含有アルキルホスフェート塩(B)と、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)とを含む透水性付与剤であって、
前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める、成分(A)の重量割合が0.5〜10重量%、成分(B)の重量割合が30〜65重量%、成分(C)の重量割合が30〜65重量%である、透水性付与剤。 - 透水性付与剤の不揮発分全体に占める両性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤の重量割合が10重量%未満である、請求項1に記載の透水性付与剤。
- 透水性付与剤の不揮発分全体に占めるシリコーン系化合物の重量割合が10重量%未満である、請求項1または2に記載の透水性付与剤。
- 前記成分(A)が前記成分(A1)を必須に含み、前記ポリビニルアルコールの重合度が400〜4000であり、けん化度が50モル%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の透水性付与剤。
- 前記成分(A)が前記成分(A2)を必須に含み、前記多糖類がセルロース、寒天、ゼラチン、アルギン酸、デオキシリボ核酸、カラギーナン、グアーガム、ジェランガムおよびタマリンドガムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の透水性付与剤。
- 前記成分(A2)の2重量%水溶液の粘度(20℃)が3〜20万mPa・sである、請求項5に記載の透水性付与剤。
- 前記成分(A)が前記成分(A3)を必須に含み、該成分(A3)が、炭素数が2〜4のオキシアルキレン単位を有するポリアルキレングルコール重合体であり、重量平均分子量が3000〜700万で、エステル成分を含まない水溶性ポリエーテルである、請求項1〜3のいずれかに記載の透水性付与剤。
- 前記成分(A)が前記成分(A4)を必須に含み、該成分(A4)が、芳香族ジカルボン酸、炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸(誘導体)と、アルキレングリコールと、ポリアルキレングリコールとを重縮合させたポリエステル化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の透水性付与剤。
- 前記成分(C)のポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルが炭素数6〜22のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステルのアルキレンオキシド付加物であり、ジカルボン酸の炭素数が2〜10であり、脂肪酸の炭素数が10〜22である、請求項1〜9のいずれかに記載の透水性付与剤。
- 不織布製造用ポリオレフィン系繊維に用いられる、請求項1〜10のいずれかに記載の透水性付与剤。
- 不織布製造用ポリオレフィン系繊維に請求項1〜11のいずれかに記載の透水性付与剤を処理して得られ、得られた繊維に対する透水性付与剤の不揮発分の付着割合が0.1〜2重量%である、透水性繊維。
- 請求項12に記載の透水性繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含む、不織布の製造方法。
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