JP2018084004A - 透水性付与剤及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙おむつ又ナプキン等の吸収性物品におけるトップシートの長期的に耐久親水性を維持できる透水性付与剤を提供する。【解決手段】多価アルコール脂肪酸エステルサルフェート塩(A)と、有機リン酸エステル化合物(B1)及び有機スルホン酸化合物(B2)から選ばれる少なくとも1種である化合物(B)とを含む透水性付与剤であって、前記サルフェート塩(A)を構成する脂肪酸が少なくとも1つの炭素—炭素二重結合を含み、前記化合物(B)が炭素数6〜10の炭化水素基を有する化合物(B1)又は化合物(B2)を必須に含有する、透水性付与剤。【選択図】なし

Description

本発明は、透水性付与剤及びその利用に関する。
一般に、紙おむつや合成ナプキンを代表とする生理用品等の吸収性物品は、少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含む繊維(ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維等)を主材とする各種不織布に親水性を付与したトップシートと、撥水性を付与したバックシートと、トップシートとバックシートの間に綿状パルプや高分子吸収体等からなる材料を配置した3層から形成される構造になっていることが多い。
尿や体液等の液体はトップシートを通過して吸収体に吸収されるが、トップシートには透水性のよいこと、すなわち液体がトップシート上から内部の吸収体に完全に吸収される迄の時間が極めて短い瞬時透水性が必要である。さらに、僅か1回から2回の液体の吸収によってトップシート上の処理剤が流出して透水性が急激に低下するのは、おむつの取り替え回数が増すことになって好ましくないので、トップシートには繰り返しの液体吸収に耐える耐久透水性が要求される。加えて一度吸収体に吸収された液体が再びトップシート上に戻らないようにすること、すなわち液戻り防止性が必要である。
また、不織布の製造面からは、カード工程の高速化に伴い、シリンダーへの巻付き防止や静電気発生防止といった良好なカード通過性が要求される。
このような要求特性を満足するために、例えば、特許文献1、2に記載の処理剤を用いることが開示されている。
国際公開2004/090221号公報 特開2013−155453号公報
しかし、上記特許文献1及び2に記載の処理剤を用いると、おむつ等の製品がすぐに使用される場合には問題が生じないが、製品が在庫として長期間放置された場合に、経時的におむつの基本的な性能である尿を吸収する性能が低下する問題が発生した。
本願発明者らは、原因を調査した結果、おむつ製品の中で、トップシートの耐久透水性が経時的に低下していることが原因であることを突き止めた。
本発明の目的は、長期的に耐久親水性を維持できる透水性付与剤を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のサルフェート塩(A)と、特定の炭素数を有する化合物を含む透水性付与剤であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、多価アルコール脂肪酸エステルサルフェート塩(A)と、有機リン酸エステル化合物(B1)及び有機スルホン酸化合物(B2)から選ばれる少なくとも1種である化合物(B)とを含む透水性付与剤であって、前記サルフェート塩(A)を構成する脂肪酸が少なくとも1つの炭素―炭素二重結合を含み、前記化合物(B)が炭素数6〜10の炭化水素基を有する化合物(B1)又は化合物(B2)を必須に含有する、透水性付与剤である。
前記サルフェート塩(A)に対する化合物(B)の重量比率(B/A)が、0.2〜20であると好ましい。
前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める前記サルフェート塩(A)の重量割合が4〜60重量%であり、前記化合物(B)の重量割合が15〜95重量%であると好ましい。
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)をさらに含み、前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める前記エステル(C)の重量割合が0.2〜50重量%であると好ましい。
不織布製造用合成繊維に用いられると好ましい。
本発明の透水性繊維は、不織布製造用合成繊維に対して、上記透水性付与剤を付着させてなる。
本発明の不織布の製造方法は、上記透水性繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含む。
本発明の透水性付与剤によれば、該処理剤が付与された原料短繊維を用いて製造された不織布は、長期的に耐久親水性を維持できる。
本発明の透水性付与剤を構成する各成分について説明する。
〔多価アルコール脂肪酸エステルサルフェート塩(A)〕
多価アルコール脂肪酸エステルサルフェート塩(A)(以後単にサルフェート塩(A)と表すことがある)は、構成する脂肪酸が少なくとも1つの炭素―炭素二重結合を含む。
後述する成分(B)と併用することにより、長期的に耐久親水性を維持できる。
長期的に耐久親水性を維持できる理由は定かではないが、構成する脂肪酸が少なくとも1つの炭素―炭素二重結合を含むので、経時的に重合反応が進行し、エステル化合物の分解による分子量低下に起因する耐久性の低下を防止しているためではないか、と推定している。
サルフェート塩(A)は、多価アルコール脂肪酸エステル(a)を硫酸化及び中和して得られる構造を有したサルフェート塩である。
硫酸化の方法は、特に限定されず、発煙硫酸、濃硫酸、クロルスルホン酸、三酸化硫黄ガス等により、公知の方法を用いることができる。
中和の方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。中和に用いる塩基性物質としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、アンモニア、ヒドロキシアルキル鎖の炭素原子数が2〜4の、モノ、ジ及びトリアルカノールアミン、アルキル鎖の炭素原子数が1〜4の、1級、2級及び3級アルキルアミン等である。塩基性物質は二種以上併用してもよい。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(a)は、多価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物であり、合成品であっても、天然品であってもよい。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(a)の合成品に用いる多価アルコールは、ヒドロキシル基を2つ以上有する多価アルコールであり、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ショ糖等が挙げられ、低起泡性及びスカム抑制の観点から、グリセリン、ソルビタンがより好ましく、グリセリンがさらに好ましい。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(a)の合成品に用いる脂肪酸は、不飽和脂肪酸を必須に含み、飽和脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸又はヒドロキシ不飽和脂肪酸等を含有していてもよい。
このような不飽和脂肪酸としては、たとえば、オレイン酸、リシノール酸、リノレン酸が挙げられ、飽和脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸又はヒドロキシ不飽和脂肪酸としては、たとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラノリン脂肪酸、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリン酸、ヒドロキシウンデカン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
これらのなかでも、耐久親水性の観点から、リノレン酸が好ましい。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(a)は、分子量が大きい程、耐久親水性が良好である。従って、前記多価アルコール脂肪酸エステル(a)の総炭素数は23以上が好ましく、27以上がより好ましく、31以上がさらに好ましく、39以上が特に好ましい。前記多価アルコール脂肪酸エステル(a)の総炭素数の好ましい上限値は100であり、90がより好ましく、80がさらに好ましい。前記多価アルコール脂肪酸エステル(a)の総炭素数が100を越えると、スカム抑制が低下する可能性がある。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(a)の天然品としては、牛脂、豚脂、馬脂、羊脂、鳥脂、鯨油、海豚油、鰯油、鱈油、鮫油、ひまし油、菜種油、綿実油、胡麻油、オリーブ油、大豆油、やし油、パーム油、パーム核油、落花生油、トウモロコシ油、ひまわり油等が挙げられる。中でも、耐久親水性の観点から、牛脂や菜種油が好ましい。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(a)としては、前記天然品に加えて、前記天然品を水素添加した構造を有する硬化油や半硬化油等も挙げられ、たとえば、硬化やし油、硬化パーム油、半硬化パ−ム油、硬化パ−ム核油、硬化大豆油、硬化菜種油、硬化ひまし油、硬化牛脂、半硬化牛脂、硬化豚脂、半硬化鰯油、硬化鰯油、硬化鱈油、半硬化鱈油、硬化鮫油、半硬化鮫油等が挙げられる。
〔化合物(B)〕
化合物(B)は、有機リン酸エステル化合物(B1)及び有機スルホン酸化合物(B2)から選ばれる少なくとも1種であり、親水性に寄与する化合物である。
〔有機リン酸エステル化合物(B1)〕
有機リン酸エステル化合物(B1)としては、下記一般式(1)で示される化合物及び下記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 2018084004
Figure 2018084004
一般式(1)及び(2)中、Rは炭素数6〜10の炭化水素基である。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であって、mは0〜15の整数である。nは1〜2の整数である。Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基又は有機アミン基である。Qは、M又はRO(AO)mである。Yは1又は2である。
の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられる。Rの炭素数は6〜10であり、6〜8が好ましい。Rの炭素数は分布があってもよく、Rは直鎖状であっても分岐を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。
Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。オキシアルキレン単位の繰り返し数であるmは0〜15の整数であり、0〜10が好ましく、0〜3がさらに好ましく、mが0でポリオキシアルキレン基を含有しない場合が特に好ましい。(AO)mは、オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を50モル%以上有するポリオキシアルキレン基が好ましい。
nは1〜2の整数である。n=2の場合、上記一般式(1)で示される化合物を構成する2つの有機基[RO(AO)m]−は、同一でもよく、異なっていてもよい。
また、Q=RO(AO)mの場合、一般式(2)で示される化合物を構成する2つの有機基[RO(AO)m]−は、同一でもよく、異なっていてもよい。
は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基又は有機アミン基である。アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができる。アンモニウム基及び有機アミン基としては、NRaRbRcRdで示される基を挙げることができる。NRaRbRcRdで示される基は、有機スルホン酸化合物(B)のところで説明したMと同様である。
有機リン酸エステル化合物(B1)は、一般式(1)においてn=1で示される有機リン酸エステル化合物(B1−1)及び一般式(1)においてn=2で示される有機リン酸エステル化合物(B1−2)を含む混合物や、有機リン酸エステル化合物(B1−1)、(B1−2)及び一般式(2)においてY=1、Q=RO(AO)mで示される有機リン酸エステル化合物(B1−3)を含む混合物であることが好ましい。これら混合物には、一般式(2)においてY=1、Q=水素原子で示される有機リン酸エステル化合物(B1−4)を含有してもよい。
有機リン酸エステル化合物(B1−1)、(B1−2)、(B1−3)及び(B1−4)並びに無機リン酸のP核積分比率(%)は、31P−NMRにおける各リン原子由来のピークの積分値から計算することができる。なお、P核積分比率(%)は、有機リン酸エステル化合物(B1−1)、(B1−2)、(B1−3)、(B1−4)及び無機リン酸の積分値の合計を100%として計算したものをいう。無機リン酸に関しては、後述する。
有機リン酸エステル化合物(B1−1)のP核積分比率(%)は、5〜55%が好ましく、10〜50%がより好ましく、15〜45%がさらに好ましい。有機リン酸エステル化合物(B1−2)のP核積分比率(%)は、15〜65%が好ましく、20〜60%がより好ましく、25〜55%がさらに好ましい。有機リン酸エステル化合物(B1−3)のP核積分比率(%)は、15〜65%が好ましく、20〜60%がより好ましく、25〜55%がさらに好ましい。有機リン酸エステル化合物(B1−4)のP核積分比率(%)は、0〜10%が好ましく、0〜8%がより好ましく、0〜7%がさらに好ましい。無機リン酸のP核積分比率(%)は、0〜10%が好ましく、0〜8%がより好ましく、0〜7%がさらに好ましい。
有機リン酸エステル化合物(B1)の製造方法としては、特に限定はなく、公知の手法を採用できる。例えば、有機リン酸エステル化合物(B1)の製造方法は、RO(AO)mHで示される有機ヒドロキシル化合物と無水燐酸Pとを反応させて反応物を得る工程(I)を含むものである。また、工程(I)において、無機燐酸や水を加えて反応してもよい。有機リン酸エステル化合物(B1)の製造方法は、工程(I)の後、水を前記反応物に添加して加水分解する工程(II)を含んでもよい。工程(II)を含むことで、有機リン酸エステル化合物(B1)に含まれる有機リン酸エステル化合物(B1−3)及び(B1−4)の比率を調整することができる。前記反応物に添加する水の量は、前記有機リン酸エステル化合物(B1)に対して、0.01〜5重量%が好ましく、0.05〜4重量%がより好ましく、0.1〜3重量%がさらに好ましい。水の添加量が0.01重量%未満及び5重量%超では、有機リン酸エステル化合物(B1−3)及び(B1−4)の量の調節が困難となる場合がある。有機リン酸エステル化合物(B1)の製造方法としては、工程(I)又は工程(II)の後、Mを有するアルカリ化合物で中和する工程(III)を含んでもよい。
有機リン酸エステル化合物(B1)は、無水リン酸や無機リン中の不純物由来としてヒ素などの重金属化合物を含んでいる。本発明の処理剤は、ヒ素などの重金属化合物を含有してもよい。処理剤の不揮発分に占める重金属化合物の重量割合は、人体への影響や環境への安全性の点から、0.01重量%以下が好ましく、0.005重量%以下がより好ましく、0.001重量%以下がさらに好ましい。
有機リン酸エステル化合物(B1)を製造する際に、無機リン酸及び/又はその塩が生成される。そのため、有機リン酸エステル化合物(B1)を含む原料には、無機リン酸及び/又はその塩が含まれている。無機リン酸及び/又はその塩の比率は、有機ヒドロキシル化合物と無水燐酸Pとの割合や反応条件等によって調整することが可能である。
〔有機スルホン酸化合物(B2)〕
有機スルホン酸化合物(B2)は、下記式(4)で示される化合物である。
−SOT (4)
(式中、Tはアルカリ金属、4級窒素含有化合物または4級リン含有化合物、Rは有機基を表す)
で表される有機基としては、炭素数6〜10の分岐を有してもよい飽和または不飽和のアルキル基、アルキルエーテル基である。
有機スルホン酸化合物(B2)としては、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、テトラブチルホスフィンヘキサンスルホネート、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム、ジヘキシルスルホサクシネートナトリウム、ジデシルスルホサクシネートナトリウム、石油スルホネートナトリウム等が例示され、中でも、ジオクチルスルホサクシネートナトリウムが好ましい。
〔エステル(C)〕
エステル(C)は、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したものである。
本願発明の透水性付与剤がエステル(C)を含むと、耐久親水性の長期化が極端に向上するために好ましい。
このときの透水性付与剤の不揮発分全体に占めるエステル(C)の重量割合は、0.2〜50重量%が好ましく、10〜45重量%がより好ましく、15〜40重量%がさらに好ましく、20〜35重量%が特に好ましい。該重量割合が0.2重量%未満の場合、耐久親水性の長期化の効果が発揮されないことがある。該重量割合が50重量%超の場合、繊維のカード通過性が低下することがある。
ポリヒドロキシエステルは、構造上、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステルであり、多価アルコールの水酸基のうち、2個以上(好ましくは全部)の水酸基がエステル化されている。したがって、ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルは、複数の水酸基を有するエステルである。
ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸は、脂肪酸の炭化水素基に酸素原子を介してポリオキシアルキレン基が結合した構造を有し、ポリオキシアルキレン基の脂肪酸の炭化水素基と結合していない片末端が水酸基となっている。
ポリヒドロキシエステルとしては、たとえば、炭素数6〜22(好ましくは12〜22)のヒドロキシ脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物のアルキレンオキシド付加物を挙げることができる。
炭素数6〜22のヒドロキシ脂肪酸としては、たとえば、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリン酸、ヒドロキシウンデカン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸が挙げられ、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸が好ましい。多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、グリセリンが好ましい。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。
アルキレンオキシドの付加モル数は、上記ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルの水酸基1モル当量当り、80以下が好ましく、5〜30がさらに好ましい。付加モル数が80を超えると吸収性物品の液戻り量が増加することがあるので好ましくない。また、アルキレンオキシドに占めるエチレンオキシドの割合は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。エチレンオキシドの割合が50モル%未満では、繊維や不織布に十分な耐久透水性が得られないことがあるので好ましくない。
ポリヒドロキシエステルは、たとえば、多価アルコールとヒドロキシ脂肪酸(ヒドロキシモノカルボン酸)を通常の条件でエステル化してエステル化物を得て、次いでこのエステル化物にアルキレンオキシドを付加反応させることによって製造できる。ポリヒドロキシエステルは、ひまし油などの天然から得られる油脂やこれに水素を添加した硬化ひまし油を用い、さらにアルキレンオキシドを付加反応させることによっても、好適に製造できる。
ポリヒドロキシエステルを製造する場合、多価アルコールの水酸基1モル当量あたりのヒドロキシ脂肪酸のカルボキシル基モル当量は、0.5〜1の範囲であることが好ましい。
ポリヒドロキシエステルとジカルボン酸との縮合物において、ジカルボン酸の炭素数については、2〜10が好ましく、2〜8がさらに好ましい。このようなジカルボン酸としては、たとえば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸等が挙げられる。ジカルボン酸と共に、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸等のジカルボン酸以外のカルボン酸を20%以下(好ましくは10%以下)含有してもよい。ポリヒドロキシエステルとジカルボン酸との縮合物を製造する場合、ポリヒドロキシエステルの水酸基1モル当量あたりのジカルボン酸のカルボキシル基モル当量は、0.2〜1の範囲であることが好ましく、0.4〜0.8がさらに好ましい。エステル(C)を製造する際のエステル化の方法、反応条件等については、特に限定はなく、公知の方法、通常の条件を採用できる。
エステル(C)は、上述のポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物(以下、縮合物ということがある)において、少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステルである。縮合物の少なくとも1つ以上の水酸基を封鎖する脂肪酸の炭素数は10〜50が好ましく、12〜36がさらに好ましい。脂肪酸中の炭化水素基の炭素数は分布があってもよく、炭化水素基は直鎖状であっても分岐を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、多環構造を有していてもよい。このような脂肪酸としては、たとえば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられるが、ベヘン酸やウールグリースを精製したラノリン誘導体である炭素数12〜36のラノリン脂肪酸が好ましい。縮合物と脂肪酸とのエステルを製造する場合、縮合物の水酸基1モル当量あたりの脂肪酸のカルボキシル基モル当量は0.2〜1の範囲であることが好ましく、0.4〜1がさらに好ましい。エステル化の反応条件については特に限定はない。
エステル(C)は、本願発明の効果を発揮する観点から、ヨウ素価が1〜100であると好ましく、1〜80がより好ましく、1〜60がさらに好ましい。なお、本発明でのヨウ素価は、JIS K−0070に基づき測定した値をいう。
〔透水性付与剤〕
前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める前記サルフェート塩(A)の重量割合は4〜60重量%が好ましく、10〜55重量%がより好ましく、15〜50重量%がさらに好ましく、20〜45重量%が特に好ましい。該重量割合が4重量%未満の場合、耐久親水性の長期化の効果が発揮されないことがある。該重量割合が60重量%超の場合、繊維のカード通過性が悪化する。
前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める前記化合物(B)の重量割合は15〜95重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましく、25〜70重量%がさらに好ましく、30〜60重量%が特に好ましい。該重量割合が15重量%未満の場合、繊維のカード通過性が悪化することがある。該重量割合が95重量%超の場合、繊維や不織布の耐久親水性が不足することがある。
前記サルフェート塩(A)に対する化合物(B)の重量比率(B/A)は、0.2〜20が好ましく、0.3〜15がより好ましく、0.5〜10がさらに好ましく、1〜5が特に好ましい。0.2未満では繊維のカード通過性が悪化することがあり、20超では耐久親水性の長期化の効果が発揮されないことがある。
本発明の透水性付与剤は、必要に応じて水及び/又は溶剤を含有していてもよく、水を必須に含有することが好ましい。本発明に使用する水としては、純水、蒸留水、精製水、軟水、イオン交換水、水道水等のいずれであってもよい。透水性付与剤を製造する際の透水性付与剤全体に占める不揮発分の重量割合は、10〜60重量%が好ましく、18〜50重量%が特に好ましい。
また、本発明の透水性付与剤は、必要に応じて、抗菌剤、酸化防止剤、防腐剤、艶消し剤、顔料、防錆剤、芳香剤、消泡剤等をさらに含有してもよい。また、pH調整として、リン酸や乳酸等の無機酸、有機酸を含有してもよい。
本発明の透水性付与剤の製造方法としては、公知の方法を採用できる。例えば、成分(A)と必要に応じて成分(C)を配合し約70℃の温度で撹伴する。次に、成分(B)の水溶液を配合して約70℃の温度で均一に攪拌する。次いで、攪拌しながら所定量の水を注入し希釈すると10〜60重量%の透水性付与剤が得ることができる。
〔透水性繊維〕
本発明の透水性繊維は、疎水性合成繊維(繊維本体)とこれに付着した上記透水性付与剤とから構成される透水性繊維であり、一般的には所定の長さに切断した短繊維である。透水性付与剤の不揮発分の付着率は、前記透水性繊維に対して0.1〜2重量%であり、好ましくは0.3〜1重量%である。該付着率が0.1重量%未満では、繊維や不織布の瞬時透水性、耐久透水性が低下することがある。一方、該付着率が2重量%を超えると、繊維をカード処理する時に巻付きが多くなって生産性が大幅に低下し、乾式法等の方法により得られた不織布等の繊維製品が透水後にベトツキが大きくなることがある。
疎水性合成繊維(繊維本体)としては、たとえば、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、2種類以上の熱可塑性樹脂からなる複合繊維等であり、複合繊維の組み合わせとしては、ポリオレフィン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂の場合、例えば、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状高密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン等が挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂の場合、例えば、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、直鎖状高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂/ポリエステル系樹脂の場合、例えば、共重合ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。さらにポリアミド系樹脂/ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂等からなる繊維も例示することができる。
これら疎水性合成繊維(繊維本体)のなかでも、付着した透水性付与剤が尿や体液等の液体で濡れても繊維表面に残り易いという理由から、ポリオレフィン系繊維(ポリオレフィン繊維やポリオレフィン繊維を含む複合繊維)、ポリエステル系繊維(ポリエステル繊維やポリエステル繊維を含む複合繊維)等の疎水性合成繊維に本発明の透水性付与剤は好適である。また、これらのなかでも、不織布製造用の疎水性合成繊維に対して、本発明の透水性付与剤は特に好適である。
繊維の断面構造は鞘芯型、並列型、偏心鞘芯型、多層型、放射型あるいは海島型が例示できるが、繊維製造工程での生産性や、不織布加工の容易さから、偏心を含む鞘芯型または並列型が好ましい。また、断面形状は円形または異形形状とすることができる。異形形状の場合、例えば扁平型、三角形〜八角形等の多角型、T字型、中空型、多葉型等の任意の形状とすることができる。
本発明の透水性付与剤は、そのまま希釈等せずに繊維本体に付着させてもよく、水等で不揮発分全体の重量割合が0.5〜5重量%となる濃度に希釈してエマルジョンとして繊維本体に付着させてもよい。透水性付与剤を繊維本体へ付着させる工程は、繊維本体の紡糸工程、延伸工程、捲縮工程等のいずれであってもよい。本発明の透水性付与剤を繊維本体に付着させる手段については、特に限定はなく、ローラー給油、ノズルスプレー給油、ディップ給油等の手段を使用してもよい。繊維の製造工程やその特性に合わせ、より均一に効率よく目的の付着量が得られる方法を採用すればよい。また、透水性付与剤が付与された繊維の乾燥の方法としては、熱風および赤外線により乾燥させる方法、熱源に接触させて乾燥させる方法等を用いてよい。
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、各実施例、比較例における評価項目と評価方法は以下の通りである。又、各実施例、比較例における処理剤の明細と評価結果を表1〜表3にまとめて示す。処理剤の明細中、配合比率はいずれも重量%を表す。
(実施例1〜14及び比較例1〜6)
下記(A−1〜D−5)の各成分を用い、表1〜6に記載の比率で混合を行い、撹拌して、各実施例・比較例の高圧水流絡合用繊維処理剤の不揮発分を調製し、イオン交換水で希釈して、0.5%濃度のエマルションを得た。
A−1 牛脂サルフェートナトリウム塩
A−2 ロート油ナトリウム塩
A−3 菜種油サルフェートカリウム塩
A−4 グリセリンモノリノレン酸エステルサルフェートナトリウム塩
A−5 グリセリンモノオレイン酸エステルサルフェートナトリウム塩
A−6 ソルビタンモノリノール酸エステルサルフェートナトリウム塩
B1−1 ヘキシルホスフェートカリウム塩
B1−2 オクチルホスフェートカリウム塩
B1−3 ポリオキシエチレン(4モル)オクチルホスフェートジエタノールアミン塩
B1−4 デシルホスフェートカリウム塩
B2−1 2−エチルヘキシルスルホン酸ナトリウム塩
B2−2 デシルスルホン酸ナトリウム塩
B2−3 ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩
B´1−1 セチルホスフェートカリウム塩
B´2−1 ラウリルスルホン酸ナトリウム塩
C−1 ポリオキシエチレン(20モル)カスターワックスのマレイン酸縮合物の水酸基1 モル当量あたりステアリン酸1モル当量で封鎖したエステル(ヨウ素価6)
C−2 ポリオキシエチレン(20モル)カスターワックスのマレイン酸縮合物の水酸基1 モル当量あたりベヘン酸1モル当量で封鎖したエステル
D−1 ポリオキシエチレン変性シリコーン(Si元素含有率:20%、分子量:10000)
D−2 ポリエチレングリコール(分子量:400)モノオレエート
次に、予め脱脂しておき、処理剤が付着していない2.2dtex×38mmのポリプロピレン(芯)−ポリエチレン(鞘)系複合繊維を用い、原料短繊維に対する処理剤の不揮発分の付着量が0.45重量%になるように、前記処理剤のエマルションを給油し、当該原綿を80℃、2時間で乾燥した。得られた処理剤付与綿を下記の各評価に供した。
〔カード通過性〕
(静電気防止性)
カード試験機を用いて20℃×45%RHの条件で試料透水性繊維40gをシリンダー回転数970rpm(設定可能な最高回転数)でミニチュアカード機に通す。発生した静電気の電圧を測定し、以下の基準で評価する。なお、5が最も良い評価であり、1.0kV以下であれば実用に供し得る。
5…0.5kV未満、4…0.5〜1.0kV、3…1.0kV超〜1.5kV、
2…1.5kV超〜2.0kV、1…2.0kVより大
(シリンダー巻付き)
カード試験機を用いて30℃×70%RHの条件で試料短繊維40gをカーディングした後にシリンダーを観察し、以下の基準で評価した。なお、5が最も良い評価である。4以上であると実用に供し得る。
5 … 巻付きなし
4 … 巻付いているが、巻付がシリンダー面の1/10以下に巻付きあり
3 … 巻付がシリンダー面の1/10超かつ1/5以下に巻付きあり
2 … 巻付がシリンダー面の1/5超かつ1/3以下に巻付きあり
1 … 巻付がシリンダー面の1/3超〜全面に巻付きあり
〔液流れ距離〕
不織布(10cm×10cm)を、45度に傾斜した台上に置き、不織布表面から10mmの高さに設置したビューレットより1滴(約0.05ml)の生理食塩水を滴下して、滴下位置から、生理食塩水が吸収されて消失するまでの距離を測定する。不織布表面の10箇所でこの測定を行って平均液流れ距離を算出する。この距離が20mm未満であれば瞬時透水性は良好である。
〔不織布の瞬時透水性〕
不織布を濾紙(東洋濾紙、No.5)の上に重ね、不織布表面から10mmの高さに設置したビューレットより1滴(約0.05ml)の生理食塩水を滴下して、不織布表面から水滴が消失するまでの時間を測定する。不織布表面の20箇所でこの測定を行って5秒未満の個数を表示する。この個数が16個以上であれば瞬時透水性は良好となり実用に供し得る。
〔不織布の耐久透水性〕
不織布(10cm×10cm)を市販の紙おむつに重ね、その上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水80mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させた。注水後3分間放置した後に、不織布を2枚の濾紙(東洋濾紙、No.5)の間に挟み、その上に板(10cm×10cm)と重り(合計3.5Kg)を乗せて3分間放置して脱水し、その後さらに5分間風乾した。風乾後の試料不織布に上記円筒内で生理食塩水が通過した箇所について、不織布の瞬時透水性の試験方法によって、生理食塩水の消失時間を20箇所で測定し、消失時間5秒未満の個数を表示した。この個数が10個以上であれば耐久透水性は良好である。試験に供した不織布について、同様の作業を繰り返して行う。この繰り返し試験では回数を重ねても生理食塩水の消失個数(消失時間5秒未満となる箇所の個数)が多い方が良い。
〔不織布の液戻り防止性〕
市販の紙おむつの上に不織布(10cm×10cm)を置き、さらにその上に内径60mmの円筒を置き、生理食塩水100mlを円筒内に注入して不織布を通して紙おむつに吸収させた。生理食塩水が全て紙おむつに吸収されたら円筒を取り除き、予め秤量した濾紙(東洋濾紙、No.5)を20枚重ね、これに5Kgの荷重を乗せた。5分間放置後、濾紙の重さを計り、重量増加分を測定して液戻り量(g)とした。1.2g以下を許容範囲としているが、1.0g以下が望ましい。
〔透水性の経時性〕
不織布(10cm×10cm)を40℃×70%RHの環境試験器に30日放置する。この不織布を30日後に環境試験器から取り出して、上記に示した不織布の液流れ距離、瞬時透水性及び耐久透水性試験を行う。環境試験器投入前後の液流れ距離、瞬時透水性及び耐久透水性の差が小さいほど、透水性の経時低下が小さいとする。この経時低下が小さい方がよい。
液流れ距離の経時低下の合否の判定方法は、経時前の液流れ距離の合否の判定方法に準ずる。
瞬時透水性及び耐久透水性の経時低下の合否の判定は、経時前後の不織布の瞬時透水及び耐久透水2回目の生理食塩水の消失個数をそれぞれ比較し、双方(瞬時透水及び耐久透水)とも経時後の消失個数が経時前の消失個数の7割以上であるものを良好とした。
Figure 2018084004
Figure 2018084004
Figure 2018084004
表1〜3から明らかなように、実施例1〜14の透水性付与剤は、多価アルコール脂肪酸エステルサルフェート塩(A)と、有機リン酸エステル化合物(B1)及び有機スルホン酸化合物(B2)から選ばれる少なくとも1種である化合物(B)とを含む透水性付与剤であって、前記サルフェート塩(A)を構成する脂肪酸が少なくとも1つの炭素―炭素二重結合を含み、前記化合物(B)が炭素数6〜10の炭化水素基を有する化合物(B1)又は化合物(B2)を必須に含有するために、当該処理剤が付与された透水性繊維は、カード通過性に優れ、経時前後の瞬時透水性及び耐久透水性に優れ、本願の課題が解決できた。
一方、サルフェート塩(A)がない場合(比較例3及び4)、化合物(B1)がない場合(比較例1及び2)、有機リン酸エステル化合物又は有機スルホン酸化合物であっても、炭素数6〜10の炭化水素基を有しない場合(比較例5及び6)には、本願の課題のうち、少なくとも1つを解決することができなかった。

Claims (7)

  1. 多価アルコール脂肪酸エステルサルフェート塩(A)と、有機リン酸エステル化合物(B1)及び有機スルホン酸化合物(B2)から選ばれる少なくとも1種である化合物(B)とを含む透水性付与剤であって、
    前記サルフェート塩(A)を構成する脂肪酸が少なくとも1つの炭素―炭素二重結合を含み、前記化合物(B)が炭素数6〜10の炭化水素基を有する化合物(B1)又は化合物(B2)を必須に含有する、透水性付与剤。
  2. 前記サルフェート塩(A)に対する化合物(B)の重量比率(B/A)が、0.2〜20である、請求項1に記載の透水性付与剤。
  3. 前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める前記サルフェート塩(A)の重量割合が4〜60重量%であり、前記化合物(B)の重量割合が15〜95重量%である、請求項1に記載の透水性付与剤。
  4. ポリオキシアルキレン基含有ヒドロキシ脂肪酸多価アルコールエステルとジカルボン酸との縮合物の少なくとも1つの水酸基を脂肪酸で封鎖したエステル(C)をさらに含み、前記透水性付与剤の不揮発分全体に占める前記エステル(C)の重量割合が0.2〜50重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の透水性付与剤。
  5. 不織布製造用合成繊維に用いられる、請求項1〜4のいずれかに記載の透水性付与剤。
  6. 不織布製造用合成繊維に対して、請求項1〜5のいずれかに記載の透水性付与剤を付着させてなる、透水性繊維。
  7. 請求項6に記載の透水性繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、得られた繊維ウェブを熱処理する工程を含む、不織布の製造方法。
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