JP2006124877A - 無機繊維用集束剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無機繊維束に良好な耐擦過性および開繊性を付与し、無機繊維強化複合材料において十分な強度を発現できる無機繊維用集束剤および無機繊維用集束剤水性分散体を提供する。
【解決手段】 炭素数12〜24の脂肪族カルボン酸アルカリ土類金属塩(A)ならびに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂(B)を含有してなる無機繊維用集束剤;炭素数12〜24の脂肪族カルボン酸アルカリ土類金属塩(A)、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂(B)、並びに水性媒体からなる無機繊維用集束剤水性分散体;該集束剤または集束剤水性分散体で処理して得られる無機繊維束;該無機繊維束からなる無機繊維製品;プリプレグ;並びに該プリプレグを成形してなる無機繊維強化複合材料成形物;である。
【選択図】なし

Description

本発明は無機繊維用の集束剤に関する。詳しくは、脂肪族カルボン酸のアルカリ土類金属塩ならびに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含有してなる無機繊維用集束剤に関する。
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などのマトリックス樹脂に繊維を複合した繊維強化複合材料がスポーツ、レジャー、航空宇宙分野等に広く利用されている。これらの複合材料に使用される繊維としては、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維およびポリエステル繊維などの有機繊維、ならびにガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維およびスラッグ繊維などの無機繊維が用いられている。これらのうち、特に炭素繊維は、引っ張り強度が秀でているため高性能繊維強化複合材料用に用いられる。炭素繊維は通常、フィラメントまたはトウの形で製造され、さらに一方向に引き揃えたシート、フィラメントワインディング、織物またはチョップドファイバー等に加工されて使用されている。炭素繊維の加工において、繊維はその加工工程中で各種のガイド類と繰り返し接触するため、摩擦を受けても毛羽や糸切れを発生しない耐擦過性が要求される。このため通常、毛羽や糸切れを防止するために、フィラメントまたはトウに繊維用集束剤が付与される。また高品位の加工品を得るため、弱い接圧で、容易に薄くかつ隙間無く繊維が拡がる性質(開繊性)が要求される。さらに、これらのフィラメントやトウがマトリックス樹脂と組み合わされた繊維強化複合材料は十分な強度を発現することが要求される。
これらの要求に対して、特許文献−1および特許文献−2には特定の低分子量エステル化合物とポリエポキシ化合物もしくは非イオン性界面活性剤の組み合わせからなる集束剤が提案されている。
しかしながら、これらの集束剤は耐擦過性および開繊性に優れるものの、低分子量エステル化合物を使用するため、マトリックス樹脂と集束剤の親和性が低く、最終的に繊維強化複合材料成形物とした際、十分な強度を発現することができなかった。
また、特許文献−3には水溶性ポリアミド/ポリエチレンオキサイド共重合体からなる集束剤が提案されている。この集束剤は最終的な成形物とした際、十分な強度を発現するが、十分な開繊性を発現することができなかった。
特開平9−31851号公報 特開平6−10264号公報 特開平9−3777号公報
本発明の課題は、良好な耐擦過性、開繊性、および最終成形物において十分な強度を発現できる無機繊維用集束剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわちち本発明は、炭素数12〜24の脂肪族カルボン酸アルカリ土類金属塩(A)ならびに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂(B)を含有してなる無機繊維用集束剤;炭素数12〜24の脂肪族カルボン酸アルカリ土類金属塩(A)、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂(B)、並びに水性媒体からなる無機繊維用集束剤水性分散体;
ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維およびスラッグ繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を、該集束剤または該水性分散体で処理して得られる無機繊維束;該無機繊維束からなる繊維製品;該繊維製品を強化繊維とし、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂をマトリックスとしてなるプリプレグ;並びに該プリプレグを成形してなる繊維強化複合材料成形物;である。
本発明の無機繊維用集束剤または無機繊維用集束剤水性分散体で処理して得られる
無機繊維束は耐擦過性および開繊性が優れ、かつマトリックス樹脂との親和性が良好であることから、該無機繊維束または該無機繊維束から得られる無機繊維製品とマトリックス樹脂を複合して得られる複合材料は高強度を有する。
また、本発明の無機繊維用集束剤水性分散体は経日分散安定性に優れている。
本発明の無機繊維用集束剤の必須構成成分である(A)は、炭素数12〜24(カルボキシル基の炭素原子も含む)の脂肪族カルボン酸のアルカリ土類金属塩である。
(A)を構成する脂肪族カルボン酸(a)としては、直鎖脂肪族カルボン酸(a1)および分岐脂肪族カルボン酸(a2)が挙げられ、(a1)には直鎖飽和脂肪族カルボン酸(a11)および直鎖不飽和脂肪族カルボン酸(a12)、並びに(a2)には分岐飽和脂肪族カルボン酸(a21)および分岐不飽和脂肪族カルボン酸(a22)が含まれる。
(a11)としては、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸など、
(a12)としては、セチル酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、セトレイン酸、エルカ酸およびブラシジン酸など、
(a21)としては、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、およびイソベヘン酸酸など、
(a22)としては、イソセチル酸、イソオレイン酸、イソエライジン酸、イソリノール酸、イソリノレン酸、イソセトレイン酸、イソエルカ酸およびイソブラシジン酸などが挙げられる。
これらのうち脂肪族カルボン酸として好ましいのは、炭素数16〜22のものであり、さらに好ましいのは(a1)で炭素数16〜22のものであり、とくに好ましいのはパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸およびこれらの併用である。炭素数が12以上あれば耐擦過性が良好であり、24以下であればマトリックス樹脂との親和性が良好である。
(A)を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウムおよびベリリウムなどが挙げられ、好ましいものは、マグネシウム、カルシウム、バリウムおよびこれらの併用である。
(A)の具体例としては、(a11)のアルカリ土類金属塩(ジラウリン酸マグネシウム、ジラウリン酸カルシウム、ジラウリン酸バリウム;ジミリスチン酸マグネシウム、ジミリスチン酸カルシウム、ジミリスチン酸酸バリウム;ジパルミチン酸マグネシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジパルミチン酸バリウム;ジステアリン酸マグネシウム、ジステアリン酸カルシウム、ジステアリン酸バリウム;ジベヘン酸マグネシウム、ジベヘン酸カルシウム、ジベヘン酸バリウム;パルミチン酸ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸ステアリン酸バリウム);(a12)のアルカリ土類金属塩(ジオレイン酸マグネシウム、ジオレイン酸カルシウム、ジオレイン酸バリウム);(a13)のアルカリ土類金属塩(ジイソステアリン酸マグネシウム、ジイソステアリン酸カルシウム、ジイソステアリン酸バリウム);が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、ジステアリン酸マグネシウム、ジステアリン酸カルシウム、ジステアリン酸バリウム;ジオレイン酸マグネシウム、ジオレイン酸カルシウム、ジオレイン酸バリウム;ジベヘン酸マグネシウム、ジベヘン酸カルシウム、ジベヘン酸バリウムであり、さらに好ましいのは、耐擦過性およびマトリックス樹脂との親和性の観点からジステアリン酸マグネシウム、ジステアリン酸カルシウム、ジステアリンバリウムであり、特に好ましいのは耐擦過性およびマトリックス樹脂との親和性の観点からジステアリン酸マグネシウムである。これらの塩は必要により、単独でも2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
集束剤中に含まれる熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂(B)のうち、熱可塑性樹脂としては、ビニル重合系樹脂{ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン/α−オレフィン共重合体など)、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル樹脂〔(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜18)エステルなどの(共)重合物〕、およびスチレン樹脂〔ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン樹脂、スチレン/無水マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル酸エステル樹脂、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)など〕など};縮合系樹脂{ポリアミド樹脂〔6ナイロン、66ナイロンなど〕、ポリエステル樹脂〔ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど〕、芳香族ポリエーテル樹脂〔ポリエーテルエーテルケトンなど〕};重付加系樹脂〔ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂など〕などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては例えば、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシズルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール系エポキシ樹脂、ポリウレタン系エポキシ樹脂、脂肪族アルコールのグリシジル化物など)、不飽和ポリエステル樹脂(ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と不飽和二塩基酸からなるポリエステルなど)、ビニルエステル樹脂(先述したエポキシ樹脂の(メタ)アクリレートなど)、変性ポリエーテル(アミノ基、メルカプト基などの官能基を分子末端に有するポリエーテル)、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
(B)のうち、好ましいものは、熱硬化性樹脂であり、より好ましくは変性ポリエーテル、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂である。
本発明の集束剤中における(A)は通常は耐擦過性および開繊性を付与する成分として作用する。
(A)の含有量は集束剤の質量に基づいて0.1〜40質量%、好ましくは1〜20%(以下、特に限定しない限り%は質量%を表す)、さらに好ましくは2〜15%である。(A)の含有量が0.1%以上あれば耐擦過性が特に良好に発揮できる、40%以下であればマトリックス樹脂と集束剤との親和性が特に良好に発揮できる。
本発明の集束剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに他の添加剤として平滑剤、防腐剤および酸化防止剤から選ばれる1種以上を含んでいてもよい。
他の添加剤としては以下のものが挙げられる。
平滑剤;ワックス類(ポリエチレン、ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレンなど)、高級脂肪酸アルキル(炭素数1〜24)エステル類(メチルステアレート、エチルステアレート、プロプルステアレート、ブチルステアレート、オクチルステアレート、ステアリルステアレートなど)、高級脂肪酸(ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸)など。
防腐剤;安息香酸類、サリチル酸類、ソルビン酸類、第4級アンモニウム塩類イミダゾール類など。
酸化防止剤;フェノール類(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなど)、チオジプロピオネート類(ジラウリル 3,3’−チオジプロピオネートなど)、ホスファイト類(トリフェニルホスファイトなど)。
他の添加剤の含有量は、通常、集束剤の質量に基づいてそれぞれ10%以下、好ましくは5%以下である。
本発明の無機繊維用集束剤は、(A)と(B)、さらに必要により他の添加剤を混合することにより得ることができる。(B)が常温で固体の場合は、万能混合機(例えば株式会社三英製作所製 万能混合攪拌機5DM−Lなど)を用いて、50〜100℃に加熱して(B)を溶融しておき、その中に(A)を添加して分散させることが好ましい。この際、(A)の粒径は通常0.1〜30μmである。本発明の集束剤は、通常、常温で液状または固状であり、液状の場合、粘度は25℃で50〜200,000mPa・sである。固状の場合、融点は25〜100℃である。
本発明の無機繊維用集束剤水性分散体(以下、集束剤水性分散体と略記)は、上記の(A)、(B)および水性媒体を必須成分としてなるものである。(A)および(B)として好ましいものは前述と同様のものである。
水性媒体としては、水、親水性有機溶媒およびこれらの混合物が挙げられ、好ましいのは水である。
親水性有機溶媒としては、炭素数1〜4の低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、炭素数3〜6のケトン(アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、炭素数2〜6のグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなど)およびそのモノアルキル(炭素数1〜2)エーテル、ジメチルホルムアミド、並びに炭素数3〜5の酢酸アルキルエステル(酢酸メチル、酢酸エチルなど)が挙げられる。親水性有機溶媒と水との混合物を使用する場合の水性媒体中の親水性有機溶媒は20%以下が好ましい。
集束剤水性分散体において、本発明の効果を損なわない範囲において、前述の、他の平滑剤、防腐剤および酸化防止剤から選ばれる1種以上の添加剤を含んでいてもよく、これらの含有量は前述と同様である。
本発明における(A)は水性媒体に不溶であり、集束剤水性分散体中における分散粒子は、(B)が水性媒体に不溶の場合は(B)と(A)のそれぞれの粒子、および/または(A)と(B)の混合物からなる粒子、(B)が水性媒体に可溶の場合は(A)のみからなる粒子である。なお、前述の添加剤を含有し、添加剤が水性媒体に不溶の場合は、添加剤も粒子として含まれる。
本発明の集束剤水性分散体中における(A)は通常は耐擦過性および開繊性を付与する成分として作用する。(A)の含有量は、集束剤水性分散体の水性媒体以外の成分の質量に基づいて0.1〜40質量%、好ましくは1〜20%(以下、特に限定しない限り%は質量%を表す)、さらに好ましくは2〜15%である。(A)の含有量が0.1%以上あれば耐擦過性が特に良好に発揮できる、40%以下であればマトリックス樹脂と集束剤との親和性が特に良好に発揮できる。
集束剤水性分散体の製造方法としては例えば以下の方法が挙げられる。
(1):予め、(A)、(B)および乳化剤からなる混合物を製造し、この混合物と水性媒体を撹拌して集束剤水性分散体とする方法。
この場合、混合物を水性媒体に室温〜60℃(好ましくは室温)で投入しながら撹拌・乳化分散、または室温〜90℃の混合物中に水性媒体を投入しながら撹拌・乳化分散することで行うことができる。
(2):予め、(B)、水性媒体および乳化剤からなる(B)の水性分散体を製造しておき、そこへ(A)または別途製造された(A)の水性分散体を添加して本発明の集束剤水性分散体を得る方法であって、(A)の添加もしくは(A)の水性分散体の製造の際に必要により乳化剤を添加する方法。
(3):予め、(B)および水性媒体からなる(B)の水性溶液を製造しておき、そこへ(A)または別途製造された(A)の水性分散体を添加して本発明の集束剤水性分散体を得る方法であって、(A)の添加の際に必要により乳化剤を添加する方法。
これらのうち好ましいのは、(2)および(3)であり、(B)と水性媒体(さらに必要により乳化剤)からなる(B)の水性分散体または水性溶液に、(A)または(A)の水性分散体を添加する方法である。
特に、(A)の添加方法として別途製造された(A)の水性分散体を添加する方法が好ましい。(A)を予め水性分散体としておいて添加することにより、本発明の集束剤水性分散体の経日分散安定性がさらに良好になる。
乳化剤としては、下記に示す公知の界面活性剤が用いられ、例えば非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、たとえばアルキレンオキサイド[以下、AOと略記:(炭素数2〜4;エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−BO、1,4−BOおよびこれらの2種以上の併用、以下同じ)]付加型非イオン界面活性剤[例えば、高級アルコール(炭素数8〜18)または高級脂肪酸(炭素数12〜24)のAO付加物(重量平均分子量、以下Mwと略記=158〜200,000);アルキルフェノール(炭素数10〜20)、スチレン化フェノール(炭素数14〜62)、スチレン化クミルフェノールまたはスチレン化クレゾール(炭素数15〜61)のAO付加物(Mw500〜5,000)またはポリアルキレングリコール(Mw150〜6,000)に高級脂肪酸を反応させたもの;多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコール(炭素数2〜32、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなど)に高級脂肪酸(炭素数12〜24、たとえばラウリン酸、ステアリン酸)を反応させて得られたエステル化物のAO付加物(Mw350〜10,000);高級脂肪酸アミドのAO付加物(Mw200〜30,000);多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールアルキル(炭素数8〜60)エーテルのAO付加物(Mw220〜30,000)など]、および多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコール(炭素数2〜32)型非イオン界面活性剤[多価アルコール脂肪酸(炭素数8〜36)エステル、多価アルコールアルキル(炭素数7〜32)エーテル、脂肪酸(炭素数8〜32)アルカノールアミドなど)]などが挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、たとえば、カルボン酸(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはその塩(ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルカノールアミンなどの塩)、炭素数8〜16の脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩、
炭素数8〜24の脂肪族アルコールエーテルカルボン酸(例えば、炭素数8〜24、好ましくは炭素数10〜18の脂肪族アルコールのAO1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物など)、硫酸エステル塩[高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪酸アルコールの硫酸エステル塩など)]、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪酸アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和したもの)、硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)、スルホン酸塩[アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル、α−オレフィン(炭素数12〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型など]およびリン酸エステル塩[高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)エチレンオキシド付加物リン酸エステル塩、アルキル(炭素数8〜60)フェノールエチレンオキシド付加物リン酸エステル塩など]が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、たとえば、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、アミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、たとえば、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
乳化剤のうち好ましいのはアニオン界面活性剤、非イオン活性剤またはアニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤との併用である。
アニオン界面活性剤のうちさらに好ましいのは炭素数8〜24の脂肪族アルコールエーテルカルボン酸(C)である。
(C)を使用すると、(A)の経日分散安定性が特に良好に発揮できる。
炭素数が8以上24以下であれば脂肪族アルカリ土類金属および水との相溶性が良好であるため、水性分散体の経時安定性が良好である。(C)を構成する好ましい脂肪族アルコールとしては、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールおよびオレイルアルコールなどが挙げられる。
また、これらの脂肪族アルコールに付加するAOとしては、EOが好ましい。AOの付加モル数としては、1〜10モルが好ましく、2〜5モルがさらに好ましい。付加モル数が1モル以上あれば水性媒体との親和性が良好であり、10モル以下であれば(A)との親和性が良好であり、(A)の水性媒体中での分散安定性が良好になる。
(C)は、必要により少なくとも一部が中和された中和塩であってもよい。中和塩としては、アルカリ金属(ナトリウムおよびカリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アミン(炭素数1〜8のモノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン)塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなど)および第4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩およびベンジルトリアルキルアンモニウム塩など)が挙げられる。
(C)の市販品としては、三洋化成工業(株)社製「ビューライトLCA−H」、「ビューライトLCA−25NH」などが挙げられる。
非イオン界面活性剤のうち好ましいのは、経日分散安定性の観点から、高級アルコール(炭素数8〜18)または高級脂肪酸(炭素数12〜24)のAO付加物(重量平均分子量、以下Mwと略記=158〜200,000);アルキルフェノール(炭素数10〜20)、スチレン化フェノール(炭素数14〜62)、スチレン化クミルフェノールまたはスチレン化クレゾール(炭素数15〜61)のAO付加物(Mw500〜5,000)である。
乳化剤の全使用量は、(A)+(B)+その他の添加剤の合計の質量に基づいて、通常30%以下、好ましくは1〜25%であり、さらに好ましくは5〜20%である。1%以上配合すれば、(A)および(B)の水性媒体中での分散安定性が良好であり、30%以下であればマトリックス樹脂と集束剤との親和性が低下することはなく良好である。
乳化剤として(C)を使用する場合は、(C)の使用量は、(A)との質量比[(C)/(A)]が、好ましくは0.2〜10、さらに好ましくは0.5〜5である。
0.2〜10であれば、集束剤水性分散体の経日分散安定性が特に良好に発揮できる。
なお、(C)は、前述の集束剤水性分散体の製造方法のうちの(2)または(3)の方法で使用する場合は、集束剤水性分散体の経日分散安定性の観点から、(A)の添加もしくは(A)の水性分散体の製造の際に使用することが好ましい。
本発明の集束剤水性分散体において、水性媒体以外の成分の含有率は、通常0.1〜70%、集束剤水性分散体の運搬時には、運搬効率の観点から好ましくは10〜70%であり、集束剤水性分散体の使用直前に水で希釈して0.1〜5%とすることが好ましい。
水性媒体以外の成分の合計質量に基づく(A)/(B)/他の添加剤/乳化剤の質量比は、通常0.1〜40/20〜99.9/0〜10/0〜30であり、耐擦過性およびマトリックス樹脂と集束剤との親和性の観点から、好ましくは、1〜20/50〜98/0〜5/1〜25であり、さらに好ましくは、2〜15/60〜93/0〜5/5〜20である。
本発明の集束剤水性分散体における分散粒子の平均粒子径は0.01〜50μmであり、好ましくは0.01〜20μmである。平均粒子径がこの範囲であれば耐擦過性が良好である。平均粒子径はレーザー回折法[例えば、(株)堀場製作所製の「LA−700測定装置での測定]で測定できる。
本発明の無機繊維束は、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維およびスラッグ繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を、上記の集束剤または水性分散体で処理して得られる無機繊維束である。
これらの繊維は単独でも2種以上を組み合わせても構わない。ガラス繊維としては、アルカリ含有率1%以下のボロシリケートガラス繊維およびソーダライム系ガラス繊維などが挙げられる。炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル、レーヨンまたは石油ピッチを炭化して製造されるものなどが挙げられる。セラミック繊維としては、アルミナ繊維、炭化珪素繊維および窒化珪素繊維などが挙げられる。金属繊維としては、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、タングステン、ベリリウムおよび銅などの金属を繊維化したものなどが挙げられる。鉱物繊維としては、アスベストなどが挙げられる。岩石繊維としては、安山岩、玄武岩および蛇文岩などを溶融し、高圧空気で吹き付けて急冷し繊維状にしたものなどが挙げられる。スラッグ繊維としては、溶鉱炉のスラッグ(鉱滓)に水蒸気または圧縮空気を吹き付けて繊維状にしたものが挙げられる。これらの無機繊維のうち複合材料に高強度を与えるという観点から好ましいものは炭素繊維である。
これらの無機繊維を集束剤または集束剤水性分散体(好ましくは集束剤水性分散体)で処理して、無機繊維束を作製する際は、使用直前に集束剤または集束剤水性分散体を水性媒体で希釈して、水性媒体以外の成分(以下、有効成分と記載する)の含有率が0.1〜5%の範囲で用いることが好ましい。処理方法としては、スプレー法または浸漬法などにより無機繊維上に集束剤また集束剤水性分散体を付着させ、50〜250℃の熱風乾燥により、水性媒体を蒸発させて有効成分を無機繊維上に付着させる方法が挙げられる。無機繊維上への有効成分の付着量は、無機繊維の質量に基づいて、通常0.05〜5%、好ましくは0.2〜2.5%である。無機繊維束のうち好ましいのは炭素繊維からなる無機繊維束である。
本発明の無機繊維製品は、上記のようにして得られた無機繊維束を加工して繊維製品としたものであって、例えば織物、編み物、組み物、フェルト、マット、ペーパー、チョップドファイバーまたはミルドファイバーなどである。
本発明のプレプリグは、上記の無機繊維束または無機繊維製品を強化繊維とし、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂をマトリックスとするものである。
熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂としては前述の(B)として例示したものが挙げられ、好ましいものは熱硬化性樹脂であり、より好ましいものはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂である。
本発明におけるプリプレグを作製する方法には、通常、熱溶融または溶剤希釈したマトリックス樹脂を、上記の無機繊維束または無機繊維製品に含浸させた後、溶剤を乾燥させる方法などが挙げられる。
マトリックス樹脂/無機繊維束または無機繊維製品の質量比は、通常10〜90/90〜10、好ましくは20〜70/80〜30である。
本発明の無機繊維強化複合材料成形物は、上記のプレプリグをさらに加熱・成形して得られるものである。
加熱・成形の方法は公知の方法を用いればよく、例えばフィラメントワイディング成形法(回転するマンドレルに張力をかけながら巻き付け、加熱・成形する方法)、プレス成型法(プリプレグシートを積層して加熱・成形する方法)、オートクレーブ法(プリプレグシートを型に圧力をかけ押しつけて加熱・整形する方法)、およびチョップドファイバーもしくはミルドファイバーをマトリックス樹脂と混合して射出成形する方法などが挙げられる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用した原料の略号は以下の通りである。
エポキシ;ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製「エピコート828」)、
ポリエーテル;両末端アミン変性ポリプロピレングリコール(ハンツマンコーポレーション製「ジェファーミンD−400」)、
ポリエステル;ビスフェノールA−EO8モル付加物とマレイン酸の不飽和ポリエステル(モル比6/5、重量平均分子量 3,200)
ビューライト;ラウリルアルコール(EO)3モル付加物カルボキシメチル化物(三洋化成工業(株)製の「ビューライトLCA−H」)
エレミノール;スチレン化フェノールEO・PO付加物(HLB9.8)(三洋化成工業(株)製「STP−200」)
実施例1
5Lの万能混合機(株式会社三英製作所製 万能混合攪拌機5DM−L)にジステアリン酸マグネシウム50g、エポキシ800g、エレミノール150gを仕込み、80℃に加熱して、30分間撹拌し、均一化した。この中に合計1,500gの水を6時間かけて滴下し、2,500gの集束剤水性分散体(S1)を得た。
実施例2
実施例1と同様の万能混合機に、エポキシ750g、エレミノール100gを仕込み、80℃に加熱して、30分間撹拌し、均一化した。この中に合計1,500gの水を滴下し、2,350gの(B)の水性分散体を得た。また、500mLビーカー中にビューライトを100g入れて、50℃に加熱した。ここにジラウリン酸マグネシウム50gを加え、30分間撹拌し溶解させた。この溶液を50℃に加熱した水2,500g中に撹拌下に2時間かけて滴下し、(A)の水性分散体を得た。これを先の(B)の水性分散体と混合し、5,000gの集束剤水性分散体)(S2)を得た。
実施例3〜8
原料の種類と量のみを表1に記載のように変更したこと以外は実施例2と同様にして
実施例3〜8の集束剤水性分散体(S3)〜(S8)を得た。
実施例9
(B)の水性分散体の代わりに、ポリエーテル850gを常温で水1,500g中に溶解させて得られた(B)の水性溶液を用い、ジラウリン酸マグネシウムの代わりにジステアリン酸マグネシウムを使用したこと以外は、製造例2に示した方法と同様にして5,000gの集束剤水分散体(S9)を得た。
実施例10
原料の種類と量のみを表1に記載のように変更したこと以外は実施例9と同様にして実施例10の集束剤水性分散体(S10)を得た。
比較例1
実施例1と同様の万能混合機にエポキシ樹脂750g、エレミノール250gを加え、80℃に加熱し、30分間撹拌・均一化した。この中に合計1,500gの水を滴下し、2,500gの集束剤水性分散体(X1)を得た。
比較例2
1,000gのポリエーテルを常温で水1,500gに撹拌下滴下し、溶解させ集束剤水性溶液(X2)を得た。
比較例3
エポキシの代わりにポリエステルを使用したこと以外は比較例1と同様にして集束剤水性分散体(X3)を得た。
比較例4
特許文献−1(特開平9−31851号公報)記載の実施例「試験区分1」に記載の集束剤稀釈液を作製した。すなわち、
500mlのガラス反応容器中にエチレングリコール/パルミトレイン酸/ステアリン酸=1/1.8/0.2(モル比)=31g/231g/29gを仕込み、窒素ガス下に100℃で溶融した後、パラトルエンスルホン酸を0.4%仕込み、120℃で2mmHgの減圧下に4時間反応させた。次いで窒素ガス下に105℃で常圧に戻し、吸着剤(協和化学(株)製 キョーワード1000)を添加して触媒を吸着させ、濾過することにより触媒を除去し、エステル化合物を得た。該エステル化合物を6g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 エピコート828)、を6g、エポキシ化1,2−ポリブタジエン(エポキシ当量500)を69g、およびポリオキシエチレン(25モル)トリベンジルフェノールEO(25モル)付加物15gを、90℃で溶融混合した後、40℃まで冷却し、40℃の水460gをこの混合物に撹拌下2時間かけて添加して集束剤水性分散体(X4)を得た。
比較例5
特許文献−3(特開平9−3777号公報)記載の実施例1に記載の集束剤稀釈液を作製した。
すなわち、水溶性ポリアミド(松本油脂社製「KP2021A」)25g、ノニオン系界面活性剤(第一工業社製「エパン450」)1g、蒸留水974gを混合し、集束剤水性溶液(X5)を得た。
(S1)〜(S10)、および(X1)〜(X5)の平均粒子径を表1に示す。また、これらの集束剤水性分散体の有効成分が1.5%になるように水で希釈した。ここに未処理炭素繊維(繊度800tex、フィラメント数12,000本)を浸漬して含浸させた後、150℃で3分間熱風乾燥させて得られた炭素繊維束について、下記方法により開繊性、耐擦過性およびマトリックス樹脂との接着性について評価し、その結果を表1に示した。
性能評価(1):平均粒子径
集束剤水性分散体における分散粒子の平均粒子径を(株)堀場製作所製LA−700測定装置を用いて測定した。測定されたメジアン径を平均粒子径とした。
性能評価(2):経日分散安定性
220mlの蓋つき瓶中に集束剤水性分散体を200g入れて密閉し、40℃の恒温槽に7日間放置した後、沈降物の有無を目視で判定した。
判定基準:
わずかに沈降物あり・・△、
沈降物なし・・○
性能評価(3):開繊性
評価は浅野機械製作所製糸走行試験装置を用い、以下の条件で行った。
表面が平滑な直径10mmのステンレス棒5本を50mm間隔でそれぞれ平行にかつ炭素繊維束糸条が120度の角度で接触しながら通過するようにジグザグに配置した。このステンレス棒間に上述の処理された炭素繊維束をジグザグにかけ、初期張力1,000gを付加しながら3m/分の速度で通過させた時の、ステンレス棒上の炭素繊維束の拡がり幅(mm)を測定した。
性能評価(4):耐擦過性
評価は浅野機械製作所製糸走行試験装置を用い、以下の条件で行った。
表面が平滑な直径10mmのステンレス棒5本を50mm間隔でそれぞれ平行にかつ炭素繊維束糸条が120度の角度で接触しながら通過するようにジグザグに配置した。このステンレス棒間に上述の処理された炭素繊維束をジグザグにかけ、初期張力300gを付加しながら3m/分の速度で通過させ、繊維束糸条に対して直角方向からレーザー光線を照射する。レーザー光線を遮蔽する回数から発生した毛羽個数をカウントし、個/mで表示する。
性能評価(5):マトリックス樹脂との親和性
上述の処理された炭素繊維束を一方向に引き揃えて金型に入れ、これにビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(エポキシ当量190)/BF3モノエチルアミン塩=100/3部に調合した樹脂を加えて真空で含浸する。このとき繊維の体積含有率が60%となるように炭素繊維束の量を調節する。含浸後、150℃、1時間加圧下で硬化させ、さらに140℃、4時間硬化させる。こうして得た厚さ2.5mm、幅6.0mmのテストピースについてASTMD−2344に従って層間剪断強度(ILSS)を測定した。
本発明の無機繊維用集束剤または無機繊維用集束剤水性分散体で無機繊維を処理して得られる無機繊維束、またはそれからできる無機繊維製品は耐擦過性および開繊性に優れ
かつマトリックス樹脂との親和性が良好であることから、高強度の無機繊維強化複合材料に好適である。そしてこれらの複合材料は各種の土木・建築用材料、輸送機用材料、スポーツ用品材料、発電装置用材料などとして好適に使用できる。

Claims (10)

  1. 炭素数12〜24の脂肪族カルボン酸アルカリ土類金属塩(A)ならびに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂(B)を含有してなる無機繊維用集束剤。
  2. (A)の含有量が集束剤の質量に基づいて0.1〜40質量%である請求項1記載の集束剤。
  3. 炭素数12〜24の脂肪族カルボン酸アルカリ土類金属塩(A)、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂(B)、並びに水性媒体からなる無機繊維用集束剤水性分散体。
  4. さらに、アルコールの炭素数が8〜24の脂肪族アルコールエーテルカルボン酸(C)を含有してなる請求項3記載の水性分散体。
  5. (B)と水性媒体からなる(B)の水性分散体または水性溶液に、(A)または(A)と(C)を添加してなる請求項3または4記載の水性分散体。
  6. 分散粒子が0.01〜50μmの平均粒子径を有する請求項3〜5のいずれか記載の水性分散体。
  7. ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維およびスラッグ繊維からなる群より選ばれる1種以上の無機繊維を、請求項1もしくは2記載の集束剤または請求項3〜6のいずれか記載の水性分散体で処理して得られる無機繊維束。
  8. 請求項7記載の無機繊維束からなる無機繊維製品。
  9. 請求項7記載の無機繊維束または請求項8記載の無機繊維製品を強化繊維とし、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂をマトリックスとしてなるプリプレグ。
  10. 請求項9記載のプリプレグを成形してなる無機繊維強化複合材料成形物。
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