JP2018085967A - 収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法 - Google Patents

収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018085967A
JP2018085967A JP2016231737A JP2016231737A JP2018085967A JP 2018085967 A JP2018085967 A JP 2018085967A JP 2016231737 A JP2016231737 A JP 2016231737A JP 2016231737 A JP2016231737 A JP 2016231737A JP 2018085967 A JP2018085967 A JP 2018085967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentration
container
alcoholic beverage
beverage
phosphoric acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016231737A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6938140B2 (ja
Inventor
間 祥 子 菊
Shoko Kikuma
間 祥 子 菊
下 さゆり 宮
Sayuri Miyashita
下 さゆり 宮
田 聡 池
Satoshi Ikeda
田 聡 池
崎 健太郎 岩
Kentaro Iwasaki
崎 健太郎 岩
頭 英 明 鬼
Hideaki Kito
頭 英 明 鬼
部 健 一 渡
Kenichi Watabe
部 健 一 渡
志 文 昭 貴
Fumiaki Kishi
志 文 昭 貴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Brewery Co Ltd
Kirin Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
Kirin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Brewery Co Ltd, Kirin Co Ltd filed Critical Kirin Brewery Co Ltd
Priority to JP2016231737A priority Critical patent/JP6938140B2/ja
Publication of JP2018085967A publication Critical patent/JP2018085967A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6938140B2 publication Critical patent/JP6938140B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

【課題】収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料の提供。【解決手段】容器詰めアルコール飲料であって、ナトリウムの濃度が3.5〜80mg/100mLであり、リン酸の濃度が0.005〜0.05w/v%である、容器詰めアルコール飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法に関する。
アルコール含有飲料においては、原材料由来のさまざまな成分とアルコールとの相乗効果により、飲みにくさを感じることがある。アルコール飲料に使われる原材料の中でも、ナトリウム塩は、アルコール含有飲料にボディ感(厚み)を付与したり、緩衝能を高めたりする効果があり、非常に有用であるが、アルコールとの組み合わせにより、渋味・収斂味・苦味等を呈することがある。
一方、リン酸について、その濃度調整によりアルコール飲料にスッキリ感がもたらされるとの報告(特許文献1)があるものの、この文献では、ナトリウムに起因する渋味・収斂味・苦味等とリン酸との関連については検討されていない。また、果汁率が30%から70%である果汁飲料においては、リン酸添加により加熱殺菌に伴う異風味を抑制し、風味を改善する技術(特許文献2)が開示されているが、アルコール飲料に関する検討はされておらず、またナトリウムに起因する渋味・収斂味・苦味等に関する検討はされていない。
特開2007−117063号公報 特開2011−167170号公報
本発明者らは、ナトリウムを含有するアルコール飲料において、リン酸の濃度を所定の範囲に調整することにより収斂味を低減できることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
従って、本発明は、収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)容器詰めアルコール飲料であって、ナトリウムの濃度が3.5〜80mg/100mLであり、リン酸の濃度が0.005〜0.05w/v%である、容器詰めアルコール飲料。
(2)アルコール濃度が1〜10v/v%である、前記(1)に記載の容器詰めアルコール飲料。
(3)果汁を含有する、前記(1)または(2)に記載の容器詰めアルコール飲料。
(4)果汁の含有量が9w/v%以下である、前記(3)に記載の容器詰めアルコール飲料。
(5)ウイスキーを実質的に含有しない、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の容器詰めアルコール飲料。
(6)容器詰めアルコール飲料を製造する方法であって、ナトリウムの濃度を3.5〜80mg/100mLに調整し、リン酸の濃度を0.005〜0.05w/v%に調整することを含んでなる、方法。
(7)前記容器詰めアルコール飲料のアルコール濃度が1〜10v/v%である、前記(6)に記載の方法。
(8)前記容器詰めアルコール飲料が果汁を含有するものである、前記(6)または(7)に記載の方法。
(9)前記容器詰めアルコール飲料の果汁の含有量が9w/v%以下である、前記(8)に記載の方法。
(10)前記容器詰めアルコール飲料がウイスキーを実質的に含有しないものである、前記(6)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)ナトリウムを含有する容器詰めアルコール飲料の収斂味を低減する方法であって、該容器詰めアルコール飲料のリン酸濃度を0.005〜0.05w/v%に調整することを含んでなる、方法。
(12)前記容器詰めアルコール飲料のナトリウム濃度が3.5〜80mg/100mLである、前記(11)に記載の方法。
(13)前記容器詰めアルコール飲料のアルコール濃度が1〜10v/v%である、前記(11)または(12)に記載の方法。
(14)前記容器詰めアルコール飲料が果汁を含有するものである、前記(11)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15)前記容器詰めアルコール飲料の果汁の含有量が9w/v%以下である、前記(14)に記載の方法。
(16)前記容器詰めアルコール飲料がウイスキーを実質的に含有しないものである、前記(11)〜(15)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料が提供される。特に、本発明によれば、ボディ感(厚み)を付与したり、緩衝能を高めたりする等の目的でナトリウムを含有させたアルコール飲料において、ナトリウムに起因する収斂味を低減できる点で有利である。また、本願発明によれば、果汁を含有するアルコール飲料においても、果汁に含まれるナトリウムに起因する収斂味を低減できる点で有利である。さらに、本発明によれば、僅かな濃度のリン酸によって上記の効果が得られるため、リン酸による風味の変化が最小限に抑えられる点でも有利である。
発明の具体的説明
本発明の容器詰めアルコール飲料はナトリウムを含有するものであり、さらにリン酸を含有するものである。本発明では、容器詰めアルコール飲料中のリン酸の濃度を所定の範囲に調整することにより、ナトリウムに起因する収斂味を低減することができる。このような飲料は、ナトリウムを含有するアルコール飲料の製造過程において、リン酸の濃度を調整することにより製造することができる。リン酸の濃度調整は、リン酸を添加することにより行ってもよいし、あるいは、リン酸を含有する原料を配合すること、またはその配合量を増減させることによって行ってもよい。
本発明の飲料中のリン酸濃度は、0.005〜0.05w/v%となるように調整される。飲料中のリン酸濃度は、当技術分野において標準的な方法、例えば、キャピラリー電気泳動法により測定することができる。このような測定は、市販のキャピラリー電気泳動システムや有機酸分析キット(例えばアジレント・テクノロジー株式会社製)を用いることにより、簡便に行うことができる。その際に、より正確な濃度測定のためには、既知の濃度を有する幾つかの対照サンプルの測定値に基づいて作成した検量線を用いることが望ましい。
本発明の飲料中のナトリウム濃度は特に制限されるものではない。しかしながら、飲用したときに収斂味を感じやすい濃度として、本発明の飲料中のナトリウム濃度を3.5mg/100mL以上とすることが好ましい。また、飲料中のナトリウム濃度が過度に高いと、本発明により収斂味が低減されたとしても、塩味が強くなり、その飲料は風味のバランスを欠くことになる。よって、本発明の飲料中のナトリウム濃度は80mg/100mL以下とすることが好ましい。本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の飲料中のナトリウム濃度は3.5〜80mg/100mLとされる。飲料中のナトリウム濃度は、当技術分野において標準的な方法により測定することができる。その際に、より正確な濃度測定のためには、既知の濃度を有する幾つかの対照サンプルの測定値に基づいて作成した検量線を用いることが望ましい。
本発明の飲料(最終製品)のアルコール濃度は特に制限されるものではない。しかしながら、アルコールも収斂味の原因となり、また、刺激的な風味の原因にもなるため、本発明による収斂味の低減効果によって風味のバランスの良い飲料を得るためには、本発明の飲料のアルコール濃度を1〜10v/v%とするのが好ましく、さらには1〜9v/v%とすることがより好ましい。アルコール濃度の調整は、食品としての安全性が確認されたエタノール含有材料の添加によって行うことができる。エタノール含有材料としては、原料用アルコールや蒸留酒(スピリッツ)を用いることができ、好ましい蒸留酒の例としては、ウオッカ、焼酎、テキーラ、ラム等が挙げられる。
本発明の飲料におけるアルコールは、本発明の飲料の製造過程において発酵により生成させることもできるが、アルコール供給源としてのエタノール含有材料の配合により与えることもできる。エタノール含有材料としては、原料用アルコールや蒸留酒(スピリッツ)を用いることができ、好ましい蒸留酒の例としては、ウオッカ、ジン、焼酎、テキーラ、ラム等が挙げられる。本発明の好ましい実施態様によれば、アルコール供給源は、原料用アルコール、ウオッカ、ジン、または焼酎とされ、より好ましくは原料用アルコール、ウオッカ、または焼酎とされる。ここで、ウイスキーはそれ自体の収斂味が強いため、ウイスキーを含有する飲料ではナトリウムに起因する収斂味が目立ちにくく、また、リン酸による収斂味の低減効果が感じられにくい。よって、本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の飲料はウイスキーを実質的に含有しないものとされる。ウイスキーを「実質的に含有しない」とは、その飲料を飲用したときに感じられるナトリウムに起因する収斂味の強さに影響を与えない程度の量のウイスキーであれば含有していてもよいことを意味し、例えば、飲料全体に対するウイスキーの含有量が0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下であることを意味する。本発明のさらに好ましい実施態様によれば、本発明の飲料はウイスキーを全く含有しないものとされる。
本発明の飲料は、果汁を含有していてもよい。果汁を含有するアルコール飲料では、果汁の苦味等により収斂味がより強く感じられるため、本発明の適用対象として好適である。しかしながら、果汁の含有量が10w/v%以上になると、果汁自体の味が強くなり、収斂味が目立ちにくくなるため、本発明により収斂味を低減する必要がなくなる。よって、本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の飲料における果汁の含有量は9w/v%以下とされる。本明細書に記載される果汁の含有量は、ストレート果汁に相当する果汁100%濃度の液体の質量の、本発明の飲料の容量に対する百分率である。
本発明の飲料に含まれる果汁はどのような果実から得られるものであってもよく、特に限定されないが、好ましくは柑橘類の果実から得られるものとされる。好ましい柑橘類の例としては、例えば、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、マンダリン、シークヮーサー、イヨカン、ブンダン、キンカン、ベルガモット、ライム、ユズ、スダチ、カボス等が挙げられる。
本発明の飲料は、飲料の製造に用いられる他の成分を含んでもよい。このような他の成分としては、例えば、甘味料(例えば、砂糖、ブドウ糖、果糖、オリゴ糖、異性化液糖、糖アルコール、高甘味度甘味料等)、酸味料(例えば、酒石酸、イタコン酸、フマル酸、グルコン酸、アジピン酸、酢酸、またはそれらの塩類等)、色素、香料、食品添加剤(例えば、起泡・泡持ち向上剤、苦味料、保存料、酸化防止剤、増粘安定剤、乳化剤、食物繊維、pH調整剤など)等を適宜添加することができる。
本発明の飲料は、二酸化炭素を圧入したもの、すなわち、炭酸飲料とすることができる。炭酸ガス圧は、好みに応じて適宜調整することができ、例えば、0.1〜0.4MPa(20℃におけるガス圧)の範囲で調整することができる。
本発明の飲料は、容器詰飲料として提供される。本発明の飲料に使用される容器は、飲料の充填に通常使用される容器であればよく、例えば、金属缶、樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル、カップ)、紙容器、瓶、パウチ容器等が挙げられるが、好ましくは金属缶・樽容器、プラスチック製ボトル(例えば、PETボトル)、または瓶とされる。
本発明の飲料は、リン酸の濃度調整以外は、通常の飲料の製造方法に従って製造することができる。例えば、まず、タンク中において、アルコールを含有した水溶液に、糖または甘味料、および香料と共に酸味料を加えて香味を調整することにより、アルコール飲料を製造することができる。さらに、香味を整えた水溶液に炭酸ガスを加えて、炭酸ガス含有飲料を製造することもできる。本発明の飲料は、このような製造過程のいずれかの段階で、リン酸もしくはリン酸を含む材料を適宜加えることによって製造することができる。
本発明の他の態様によれば、ナトリウムを含有する容器詰めアルコール飲料の収斂味を低減する方法が提供され、該方法は、該容器詰めアルコール飲料のリン酸濃度を0.005〜0.05w/v%に調整することを含んでなる。
さらに、本明細書では、フィチン酸もまた、リン酸と同様の収斂味低減効果を奏することが実証されている。従って、本発明では、フィチン酸でリン酸の全部または一部を置き換えることが可能である。
従って、本発明の他の態様によれば、ナトリウムの濃度が3.5〜80mg/100mLであり、フィチン酸およびリン酸の濃度の合計が0.005〜0.05w/v%である、容器詰めアルコール飲料が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、容器詰めアルコール飲料を製造する方法であって、ナトリウムの濃度を3.5〜80mg/100mLに調整し、フィチン酸およびリン酸の濃度の合計を0.005〜0.05w/v%に調整することを含んでなる方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、ナトリウムを含有する容器詰めアルコール飲料の収斂味を低減する方法であって、該容器詰めアルコール飲料のフィチン酸濃度およびリン酸濃度の合計を0.005〜0.05w/v%に調整することを含んでなる方法が提供される。
以下の実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:ナトリウムに起因するアルコール飲料の収斂味を低減するための条件の検討
アルコール飲料におけるナトリウムによる収斂味を低減するための最適な条件を見出すため、様々な飲料サンプルを製造し、各飲料サンプルについて官能評価を行った。
試飲サンプルは、以下に示す表に記載の材料を混合することによって製造した。試飲サンプルのガス圧は0.15〜0.2MPaであった。
官能評価は、訓練されたパネリスト5名または6名によって行い、0(収斂味を感じない)、1(収斂味を僅かに感じる)、2(収斂味を感じる)、および3(収斂味を強く感じる)の4段階のスコアを用いて行った。
(1)ナトリウム濃度と収斂味との関係およびリン酸添加による収斂味低減効果
下記の表に、試飲サンプルの原料および配合量、アルコール度数、ナトリウム濃度およびリン酸濃度とともに、官能評価結果を示す。官能評価結果は6名のパネリストが示したスコアの平均値とした。
Figure 2018085967
表1から明らかなように、リン酸を含有しないサンプルにおいては、ナトリウムの含有量の増加に伴って収斂味が強くなることが分かった(試験区1〜8)。さらに、リン酸を含有しないサンプルとリン酸を含有するサンプルとの比較により、リン酸の配合により収斂味が低減されることが分かった(試験区1〜8と試験区9〜16との比較)。
さらに、ナトリウム濃度が160mg/100mLの試験区(試験区8および試験区16)では、塩味が強すぎて飲料としての風味のバランスを欠くため、収斂味の官能評価を行わなかった。また、ナトリウム濃度が1.8mg/100mLの試験区(試験区2および試験区10)では、リン酸を添加しなくても収斂味が弱いため、リン酸添加による収斂味低減効果が弱いように感じられた。従って、リン酸の濃度調整による収斂味低減効果は、3.5〜80mg/100mLのナトリウム濃度を有する飲料において特に顕著であることがわかった。
(2)リン酸濃度と収斂味低減効果の関係
下記の表に、試飲サンプルの原料および配合量、アルコール度数、ナトリウム濃度およびリン酸濃度とともに、官能評価結果を示す。官能評価結果は6名のパネリストが示したスコアの平均値とした。
Figure 2018085967
表2から明らかなように、リン酸濃度が0.005w/v%以上となるサンプル(試験区19〜21)において収斂味スコアが1未満となり、収斂味が十分に低減されていることがわかった。また、リン酸濃度が0.06w/v%である試験区21では、収斂味は低減されているものの、酸味が強く、ボディ感が減り、アルコール感が目立つため、飲料としての風味のバランスが良いとはいえなかった。従って、飲料におけるリン酸濃度は、0.005〜0.05w/v%とすることが望ましいものと考えられた。
(3)リン酸の収斂味低減効果に対する果汁の影響
下記の表に、試飲サンプルの原料および配合量、アルコール度数、ナトリウム濃度およびリン酸濃度とともに、官能評価結果を示す。官能評価結果は6名のパネリストが示したスコアの平均値とした。
Figure 2018085967
表3から明らかなように、果汁を含有する飲料においても、リン酸添加による収斂味低減効果が見られた。ただし、果汁の含有量が10w/v%以上である試験区(試験区28〜31)では、収斂味が感じられるものの、収斂味が果汁の味にまぎれてしまうため、飲料全体の風味のバランスとして収斂味が目立たなかった。従って、飲料における果汁の含有量は、9w/v%以下とすることが望ましいものと考えられた。
(4)様々なアルコール原料における収斂味低減効果
下記の表に、試飲サンプルの原料および配合量、アルコール度数、ナトリウム濃度およびリン酸濃度とともに、官能評価結果を示す。官能評価結果は5名のパネリストが示したスコアの平均値とした。
アルコール原料としては、酒類原料用アルコール(第一アルコール株式会社)、スミノフウォッカ40度(キリンビール株式会社)、宝焼酎25°(宝酒造株式会社)、ギルビージン(キリンビール株式会社)、ウィスキー富士山麓(キリンビール株式会社)を使用した。ポリデキストロースとしては、ライテスII IPパウダー(ダニスコジャパン株式会社)を使用した。
Figure 2018085967
表4から明らかなように、アルコール原料としてウイスキーを用いた場合には、リン酸による収斂味の低減効果は感じられにくいことが分かった(試験区40および41)。これは、ウィスキー自体の収斂味が強いため、ウイスキーを含有する飲料ではナトリウムに起因する収斂味が目立ちにくいことが原因であると考えられる。ナトリウムの収斂味低減効果には、アルコール原料として、酒類原料用アルコール、ウォッカ、焼酎およびジンを用いることが望ましく、特に、酒類原料用アルコール、ウォッカおよび焼酎がより好適であると考えられる。
(5)様々な有機酸の収斂味低減効果
下記の表に、試飲サンプルの原料および配合量、アルコール度数、ナトリウム濃度およびリン酸濃度とともに、官能評価結果を示す。官能評価結果は6名のパネリストが示したスコアの平均値とした。有機酸はとしては、それぞれ食品添加物を使用した。
Figure 2018085967
表5には、リン酸の代わりに様々な有機酸を用いたときの収斂味スコアが記載されている。各有機酸の量は、0.016w/v%のリン酸と同程度の酸度になる量とした。表5から明らかなように、フィチン酸を添加した試験区46において、リン酸を添加した場合と同様の収斂味低減効果が見られた。

Claims (12)

  1. 容器詰めアルコール飲料であって、ナトリウムの濃度が3.5〜80mg/100mLであり、リン酸の濃度が0.005〜0.05w/v%である、容器詰めアルコール飲料。
  2. アルコール濃度が1〜10v/v%である、請求項1に記載の容器詰めアルコール飲料。
  3. 果汁を含有する、請求項1または2に記載の容器詰めアルコール飲料。
  4. 果汁の含有量が9w/v%以下である、請求項3に記載の容器詰めアルコール飲料。
  5. ウイスキーを実質的に含有しない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器詰めアルコール飲料。
  6. 容器詰めアルコール飲料を製造する方法であって、ナトリウムの濃度を3.5〜80mg/100mLに調整し、リン酸の濃度を0.005〜0.05w/v%に調整することを含んでなる、方法。
  7. 前記容器詰めアルコール飲料のアルコール濃度が1〜10v/v%である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記容器詰めアルコール飲料が果汁を含有するものである、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記容器詰めアルコール飲料の果汁の含有量が9w/v%以下である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記容器詰めアルコール飲料がウイスキーを実質的に含有しないものである、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ナトリウムを含有する容器詰めアルコール飲料の収斂味を低減する方法であって、該容器詰めアルコール飲料のリン酸濃度を0.005〜0.05w/v%に調整することを含んでなる、方法。
  12. 前記容器詰めアルコール飲料のナトリウム濃度が3.5〜80mg/100mLである、請求項11に記載の方法。
JP2016231737A 2016-11-29 2016-11-29 収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法 Active JP6938140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016231737A JP6938140B2 (ja) 2016-11-29 2016-11-29 収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016231737A JP6938140B2 (ja) 2016-11-29 2016-11-29 収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018085967A true JP2018085967A (ja) 2018-06-07
JP6938140B2 JP6938140B2 (ja) 2021-09-22

Family

ID=62493753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016231737A Active JP6938140B2 (ja) 2016-11-29 2016-11-29 収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6938140B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023199666A1 (ja) * 2022-04-11 2023-10-19 サントリーホールディングス株式会社 ミネラルと多糖類を含有するアルコール飲料

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007117063A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Suntory Ltd 爽快なスッキリ感を有するアルコール飲料
JP2013005786A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Suntory Holdings Ltd 炭酸飲料の後口改善方法
JP2014132906A (ja) * 2014-04-21 2014-07-24 Asahi Breweries Ltd 未発酵のビールテイスト飲料
JP2016007149A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 サントリー食品インターナショナル株式会社 ナトリウムを含有する容器詰め飲料
JP2016049047A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 キリン株式会社 非発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法
JP2016106586A (ja) * 2014-12-08 2016-06-20 アサヒビール株式会社 非発酵ビール様発泡性飲料
JP2017012004A (ja) * 2015-06-26 2017-01-19 サントリー食品インターナショナル株式会社 ナトリウムを含有する炭酸飲料

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007117063A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Suntory Ltd 爽快なスッキリ感を有するアルコール飲料
JP2013005786A (ja) * 2011-06-27 2013-01-10 Suntory Holdings Ltd 炭酸飲料の後口改善方法
JP2014132906A (ja) * 2014-04-21 2014-07-24 Asahi Breweries Ltd 未発酵のビールテイスト飲料
JP2016007149A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 サントリー食品インターナショナル株式会社 ナトリウムを含有する容器詰め飲料
JP2016049047A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 キリン株式会社 非発酵ビールテイスト飲料及びその製造方法
JP2016106586A (ja) * 2014-12-08 2016-06-20 アサヒビール株式会社 非発酵ビール様発泡性飲料
JP2017012004A (ja) * 2015-06-26 2017-01-19 サントリー食品インターナショナル株式会社 ナトリウムを含有する炭酸飲料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023199666A1 (ja) * 2022-04-11 2023-10-19 サントリーホールディングス株式会社 ミネラルと多糖類を含有するアルコール飲料

Also Published As

Publication number Publication date
JP6938140B2 (ja) 2021-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6792401B2 (ja) 飲料、飲料の製造方法、及び飲料の香味向上方法
JP2020146063A (ja) 木質成分含有飲料
JP6942561B2 (ja) 柑橘の劣化臭が抑制された柑橘系飲料およびその製法
JP6858496B2 (ja) 自然なアルコール感が付与された飲料、およびその製造方法
JP2016144418A (ja) 果汁含有アルコール飲料
JP6625817B2 (ja) 容器詰めアルコール飲料
JP6996907B2 (ja) 柑橘の劣化臭が抑制された柑橘系飲料およびその製法
JP6938140B2 (ja) 収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法
JP7033435B2 (ja) アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、果実感とボディ感の増強方法
JP6764235B2 (ja) アルコール感が低減された柑橘系アルコール飲料、およびその製造方法
JP6869645B2 (ja) アルコール感が増強されたアルコール含有容器詰め炭酸飲料、およびその製造方法
JP2019140925A (ja) 果汁含有高アルコール飲料、果汁含有高アルコール飲料ベース、果汁含有高アルコール飲料の製造方法、及び、果汁含有高アルコール飲料の香味向上方法
TWI687516B (zh) 賦予或增強似酒風味之飲料
JP6978525B2 (ja) 飲料、飲料の製造方法及び難消化性グルカンを含む飲料のえぐ味を改善する方法
JP2020120692A (ja) 木質成分と炭酸ガスを含有する容器詰め飲料
JP2020036604A (ja) 飲料、飲料の製造方法及び難消化性グルカンを含む飲料のえぐ味を改善する方法
JP2020092636A (ja) アルコール飲料、アルコール飲料の製造方法、及び、アルコール臭低減方法
WO2019239793A1 (ja) 高アルコール飲料、高アルコール飲料の製造方法、及び、高アルコール飲料の香味向上方法
JP2020054298A (ja) リンゴ酸を含有するノンアルコール飲料
JP2019140924A (ja) 果汁含有低アルコール飲料、果汁含有低アルコール飲料ベース、果汁含有低アルコール飲料の製造方法、及び、果汁含有低アルコール飲料の香味向上方法
JP7471076B2 (ja) 炭酸感に寄与する刺激が増強された発泡性飲料
JP7361463B2 (ja) アルコール飲料
JP2023005587A (ja) 雑味が低減された低エキスアルコール飲料およびその製造方法
JP2022171221A (ja) 果汁感が増強または付与された果実風味アルコール飲料およびその製造方法
JP2016220633A (ja) 柑橘系果汁風味を有する低果汁アルコール飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190722

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201009

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210618

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210618

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210629

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6938140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150