JP6625817B2 - 容器詰めアルコール飲料 - Google Patents

容器詰めアルコール飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP6625817B2
JP6625817B2 JP2015077200A JP2015077200A JP6625817B2 JP 6625817 B2 JP6625817 B2 JP 6625817B2 JP 2015077200 A JP2015077200 A JP 2015077200A JP 2015077200 A JP2015077200 A JP 2015077200A JP 6625817 B2 JP6625817 B2 JP 6625817B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcoholic beverage
juice
alcohol
beverage
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015077200A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016195570A (ja
Inventor
直人 今泉
直人 今泉
晃 吉弘
晃 吉弘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Holdings Ltd filed Critical Suntory Holdings Ltd
Priority to JP2015077200A priority Critical patent/JP6625817B2/ja
Publication of JP2016195570A publication Critical patent/JP2016195570A/ja
Priority to JP2019211121A priority patent/JP6975761B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6625817B2 publication Critical patent/JP6625817B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、容器詰めアルコール飲料に関する。特に本発明は、酒らしい味わいの厚みと芳香を備えつつ、水で希釈されても優れた香味バランスが維持される容器詰めアルコール飲料に関する。
近年、開栓してそのまますぐに飲めるタイプの容器詰めアルコール飲料(RTD:Ready To Drink)が消費者に人気である。日本では、チューハイ、カクテル、ハイボールといったアルコール度数が10%未満の低アルコールのRTDの売上が伸びている。
これに対し、外国では、RTS(Ready To Serve)のアルコール飲料の市場が拡大している。RTS飲料は、多くのものはアルコール度数が10%前後以上で、グラスに注いでオンザロックや水割りにして飲むことが主な楽しみ方である。グラスに氷を入れて注ぐだけで、レシピを考えずに簡単にプロが作った美味しいモヒートやカイピリーニャなどのカクテル類を準備できることや、割り材やお酒の配合を気にせずに消費者の好みのバランスの焼酎やスピリッツの味わいを気軽に楽しめるため人気がある。
すなわち、レシピや味のバランスなど、従来ひと工夫が必要だったカクテルの飲料を、そのまま瓶からグラスに注いで手軽に楽しめるように新しく開発されたものがRTS飲料であり、昨今、市場が拡大している低アルコール飲料の気軽さと高アルコール飲料の味わいを兼ね備えたジャンルとして期待されている。
RTS飲料は、前記のようにストレートだけでなく、オンザロックや水割りで飲用することが想定されている。しかしながら、水割りにした場合や、オンザロックにしたものの氷が溶けて薄まった場合、水っぽい味わいに感じられたり、香味バランスが大きく崩れてしまったりして、飲用時に当初の設計品質を外れた香味になってしまうことがしばしば問題となっていた。
本発明の課題は、水割り等にして薄まった場合でも、酒による厚みのある味わいが感じられ、水っぽくなく、しかも、心地よい余韻が感じられるRTSのアルコール飲料を提供することである。
本発明者らは、以上のような課題に鑑みて鋭意研究した結果、アルコール度数8〜30v/v%に設定した飲料において、イソアミルアルコールを1〜300mg/L含有させ、さらに、キサンタンガムおよび/またはグルコマンナンを2〜1000mg/L含有させることによって、水割り等にして薄められた場合にも、酒らしい厚みのある豊かな味わいが感じられ、ストレート飲用時の香味バランスが保持された容器詰めアルコール飲料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、これらに限定されないが、以下の態様を含む。
(1) イソアミルアルコールを1〜300mg/L、キサンタンガムおよび/またはグルコマンナンを2〜1000mg/L含有し、アルコール度数が8〜30v/v%である容器詰めアルコール飲料。
(2) 酒石酸、コハク酸、乳酸の少なくとも1つを含んでいる、(1)に記載のアルコール飲料。
(3) 3〜5000mg/Lの酒石酸をさらに含有する、(1)または(2)に記載のアルコール飲料。
(4) 3〜2500mg/Lのコハク酸をさらに含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載のアルコール飲料。
(5) 3〜5000mg/Lの乳酸をさらに含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載のアルコール飲料。
(6) 醸造酒が配合されている、(1)〜(5)のいずれかに記載のアルコール飲料。
(7) 醸造酒がワインおよび/または日本酒を含む、(6)に記載のアルコール飲料。
(8) アルコール度数が8〜30v/v%である容器詰めアルコール飲料の製造方法であって、イソアミルアルコールを1〜300mg/L、キサンタンガムおよび/またはグルコマンナンを2〜1000mg/L含有するアルコール飲料を調製する工程、調製したアルコール飲料を容器に充填する工程、を含む上記方法。
本発明により、水割り等にして薄められた場合にも、酒らしい厚みのある豊かな味わいが感じられ、ストレート飲用時の香味バランスが保持された容器詰めアルコール飲料を得ることができる。
本発明の容器詰めアルコール飲料は、アルコール度数8〜30v/v%、イソアミルアルコールを1〜300mg/L、キサンタンガムおよび/またはグルコマンナンを2〜1000mg/L含有する。
イソアミルアルコールは、3−メチル−1−ブタノールとも呼ばれ、アルコールに分類される有機化合物の一種であり、無色透明の液体である。本発明に係るアルコール飲料においては、イソアミルアルコール含量は1〜300mg/L、好ましくは5〜200mg/L、より好ましくは10〜150mg/Lであり、最も好ましくは30〜100mg/Lである。イソアミルアルコール含量が大きすぎると化学薬品様の刺激的な臭いが強くなり、少なすぎると酒らしい厚みのある味わいが不足する。
本発明において、容器詰めアルコール飲料に含まれるイソアミルアルコールは、公知の方法によって定量することができる。例えば、GC/MSを利用し、下記の条件で分析及び定量することができる。本明細書においては、特に断りのない限り、次の条件で分析を行なう:
<イソアミルアルコールの測定条件>
・カラム: IC-for amine(30m×0.32mmi.d.)
・オーブン: 40℃(5min)〜10℃/min〜110℃(0min)〜20℃/min〜280℃(9.5min)
・カラム流量: 2.5ml/min (コンスタントフロー)
・スプリット比: 1:10:00
・注入口温度: 200℃
・トランスファーライン温度 280℃
・イオン源温度 230℃
・m/z=70
本発明の容器詰めアルコール飲料は、キサンタンガムおよび/またはグルコマンナンを2〜1000mg/L含有する。キサンタンガムおよび/またはグルコマンナンの量は、10〜600mg/L程度が好ましく、15〜400mg/Lがより好ましく、20〜200mg/Lがさらに好ましく、30〜100mg/Lが最も好ましい。なお、本発明において、キサンタンガムとグルコマンナンを併用する場合、両者の合計量を2〜1000mg/Lにする必要がある。キサンタンガムとグルコマンナンを併用する場合、両者の合計量は、10〜600mg/L程度が好ましく、15〜400mg/Lがより好ましく、20〜200mg/Lがさらに好ましく、30〜100mg/Lが最も好ましい。本発明のキサンタンガムおよび/またはグルコマンナンは、添加量が多すぎると飲料の粘度が増大して設計品質を逸脱してしまう可能性がある一方、少なすぎると水割り等にした場合、水っぽくなって酒らしい味わいが不足し、香味バランスの崩れが顕著になる場合がある。
また、本発明のキサンタンガムおよび/またはグルコマンナンは、水又はアルコール水溶液に混合して懸濁液としてから飲料に添加することができる。このとき、単に攪拌機で撹拌するだけでも懸濁液を作成できるが、均質機(ホモジナイザー)などによって微細化処理すると、キサンタンガムやグルコマンナンの機能を十分発揮させることができ、好ましい。微細化処理の方法は特に制限されず、例えば、流体式粉砕機、振動ボールミル、高圧ホモジナイザー等を使用できるが、簡便性・安定製造の観点から高圧ホモジナイザーの使用が好ましい。高圧ホモジナイザーを使用した場合の圧力は通常の実施範囲でよいが、具体的には100〜300kgf/cmが好ましい。
ここで、キサンタンガムとは多糖類の1つであり、トウモロコシなどの澱粉を細菌(Xanthomonas campestris)によって発酵させて作られる。分子量は約200万から5000万とされ、グルコース2分子、マンノース2分子、グルクロン酸の繰り返し単位からなる。本発明において、キサンタンガムにはカリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩も含まれる。水と混合すると粘性が出ることから、一般には増粘剤や増粘安定剤として幅広い用途で用いられているが、本発明においては、RTS飲料に配合され、水割り等にして薄められた場合にも、酒らしい厚みと芳香のある豊かな味わいとストレート飲用時の香味バランスが保持されたアルコール飲料を製造するのに用いられる。
また、グルコマンナン(glucomannan)は、針葉樹の細胞壁や蒟蒻芋に多く含まれる直鎖状の水溶性中性多糖で、六炭糖のグルコースとマンノースがおよそ2:3の割合でβ−1,4結合したものである。コンニャクの主成分であるため(乾燥重量で約40%)、別名コンニャクマンナンとも言われる。本発明においては、グルコマンナンとキサンタンガムを併用して利用することが可能である。
本発明の容器詰めアルコール飲料には、酒石酸、コハク酸、乳酸などが含まれていてもよい。好ましい態様において、本発明のアルコール飲料は、酒石酸、コハク酸、乳酸の少なくとも1つを含む。本発明のアルコール飲料に酒石酸が含まれる場合、その量は3〜5000mg/Lであってよく、より好ましくは5〜3000mg/L、さらに好ましくは10〜1000mg/Lである。酒石酸が多すぎると渋味が強くなって設計品質を損ねる恐れがある一方、酒石酸が少なすぎると味の厚みが不足し、水で割ったときに薄く感じられるようになる。
また、好ましい本発明のアルコール飲料には、コハク酸が含まれる。コハク酸の量は、3〜2500mg/Lが好ましく、10〜1000mg/Lがより好ましい。コハク酸が多すぎると調味料的な味わいが強くなって設計品質を損ねる恐れがある一方、コハク酸が少なすぎると味の厚みが不足し、水で割ったときに薄く感じられるようになる。
さらに、本発明のアルコール飲料は、3〜5000mg/Lの乳酸を含有してもよく、10〜3000mg/Lの乳酸でも十分であり、50〜2500mg/Lは特に好ましい態様である。乳酸が多すぎると酸味が強くなって設計品質を損ねる恐れがある一方、乳酸が少なすぎると味の厚みが不足し、水で割ったときに薄く感じられるようになる。
本発明において、酒石酸、コハク酸、乳酸の量は、HPLCを用いて測定することができる。例えば、イオン排除クロマトグラフィーで有機酸を分離した後、カラム溶出液にpH緩衝化試薬を連続的に加え、pHを中性付近にして有機酸を解離状態にさせ、電気伝導度を測定するものである。本明細書においては、特に断りのない限り、次の条件で分析を行なう:
<酒石酸、コハク酸、乳酸の測定条件>
・カラム Shim−pack SCR−102H(8mmI.D×300mmL、株式会社島津製作所)。試料によっては2本直列に接続して使用する。また、必要に応じて対応するガードカラム、例えばSCR−102H(6mmI.D×50mmL、株式会社島津製作所)を装着する
・カラム温度 45℃
・移動相 5mM p−トルエンスルホン酸水溶液
・pH緩衝化試薬 100μM EDTA及び20mM Bis−Trisを含む5mM p−トルエンスルホン酸水溶液
・流速 0.8mL/分
また、本発明のアルコール飲料は、上述のような有機酸を含むことが好ましく、アルコール飲料のpHは酸性から中性であることが好ましい。具体的には、アルコール飲料のpHは、2.8〜7.5であることが好ましく、3.0〜5.0であることがより好ましく、3.0〜4.0であることがさらに好ましい。
アルコール飲料
本発明の容器詰めアルコール飲料はアルコールを含有するが、アルコールは特に限定されない。例えば、醸造アルコール、スピリッツ類(例えばジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、ニュースピリッツ等のスピリッツ、及び原料用アルコールなど)、リキュール類、梅酒、ウイスキー類、ブランデー等、又は焼酎(連続式蒸留焼酎、いわゆる甲類焼酎及び単式蒸留焼酎、いわゆる乙類焼酎)等、更には日本酒、ワイン、スパークリングワイン、シードル、ビール等の醸造酒を使用することができる。特に好ましい態様において、本発明のアルコール飲料には、ワインや日本酒のような醸造酒を配合する。
本発明のアルコール飲料のアルコール度数は8〜30v/v%である。アルコール度数(エタノールの容量%)の範囲としては、8〜28v/v%が好ましく、10〜23v/v%がより好ましく、10〜20v/v%が最も好ましい。なお、本発明において、特に断りがない限り、「アルコール」とは、エタノールのことをいう。アルコール度数が低すぎると、特に希釈した際に酒としての味わいが感じられにくく、また、本発明によって酒としての味わいや厚みを増強することも難しくなる。一方、アルコール度数が高すぎると、アルコールの刺激が強くなりすぎてしまい、本発明による効果を感じにくくなる。
アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、振動式密度計によって測定することができる。試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めた値である。また、アルコールが極めて微量の場合には、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて分析することができる。
炭酸ガス
本発明の飲料は、炭酸ガスを含有してもよい。炭酸ガスの添加は、当業者に通常知られている方法を用いればよく、例えば、これらに限定されないが、醸造酒として二酸化炭素を含むスパークリングワインやシードルを配合しても良いし、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーターなどのミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合して炭酸ガス含有飲料としてもよい。
本発明の炭酸ガス含有飲料における炭酸ガスの圧力は、炭酸ガスに由来する爽快感が感じられる程度の圧力であることが好ましく、後述する炭酸ガス圧測定方法で0.5〜3.0kgf/cm、より好ましくは1.5〜3.0kgf/cmが好適である。
本発明において、炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA−500Aを用いて測定した。試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定した。
果汁
本発明のアルコール飲料には、果汁を配合してもよい。果汁は通常の飲料に利用できるものであれば何ら制限なく使用することができ、果実を搾汁して得られる果汁をそのまま使用するストレート果汁、あるいは濃縮した濃縮果汁のいずれの形態であってもよい。また、混濁果汁を使用することもでき、果実の外皮を含む全果を破砕し種子など特に粗剛な固形物のみを除いた全果果汁、果実を裏ごしした果実ピューレ、或いは、乾燥果実の果肉を破砕もしくは抽出した果汁を用いてもよい。
果汁の種類は、特に限定されないが、例えば、柑橘類果汁(オレンジ果汁、ミカン果汁、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、ライム果汁、等)、リンゴ果汁、ブドウ果汁、モモ果汁、熱帯果実果汁(パイナップル、グァバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツ、等)、その他果実の果汁(ウメ果汁、ナシ果汁、アンズ果汁、スモモ果汁、ベリー果汁、キウイフルーツ果汁、等)、トマト果汁、ニンジン果汁、イチゴ果汁、メロン果汁などが挙げられ、好適には、柑橘類果汁(オレンジ果汁、ミカン果汁、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、ライム果汁、等)、ブドウ果汁、モモ果汁などが挙げられる。これらの果汁は、1種類の果汁を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。
その他の成分
本発明のアルコール飲料には、本発明の効果(酒らしい味わいと芳香の付与を妨げない範囲で、通常の飲料と同様、各種添加剤等を配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、果汁、甘味料、酸味料、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を挙げることができる。例えば、糖類や甘味料を配合して、飲料の甘味を調整してもよい。また、酸味料として、酒石酸、コハク酸及び乳酸のうちの1種以上を含有させると、飲料の酒らしい厚みと後味のスッキリさが増強されるので好ましい。
容器詰めアルコール飲料
本発明の飲料は、容器詰めの形態である。容器の形態には、缶等の金属容器、ペットボトル、紙パック、瓶、パウチなどが含まれるが、これらに限定されない。例えば、本発明の飲料を容器に充填した後に加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌して容器に充填する方法を通じて、殺菌された容器詰め製品を製造することができる。
実験例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。なお、本明細書において、特に記載しない限り、濃度などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:容器詰めアルコール飲料の製造と評価
(1)容器詰めアルコール飲料の製造
ニュートラルスピリッツ(アルコール度数:59v/v%)に対して、レモン香料(0.1%)、果糖ブドウ糖液糖(5w/v%)、クエン酸(0.1w/v%)、クエン酸3ナトリウム(0.01w/v%)、濃縮レモン果汁(果汁0.5%)を配合し、アルコール度数が10%になるようにアルコール飲料を調製した。また、アルコール飲料には、イソアミルアルコール、キサンタンガム(XG)、酒石酸、コハク酸、乳酸を、以下の表に示す濃度になるように配合した。得られたアルコール飲料は容器に充填し、官能評価に供した。
(2)容器詰めアルコール飲料の評価
製造した容器詰めアルコール飲料について、下記の手順にしたがって官能評価を行った。すなわち、容器詰めアルコール飲料をストレートもしくは水割り(希釈後のアルコール度数5v/v%)にした場合において、(a)味の厚みが感じられ(水っぽくなく、立体感が感じられる)、(b)酒の余韻が感じられて後味がスッキリしているか、という観点から評価した。具体的には、下記の3つの項目について5段階で評価し、その合計点を総合評価とした。
評価基準を以下に示す。また、(A)〜(C)のスコアの総和によって総合評価した。
(A)ポジティブな効果:観点(a)・(b)がプラスの評価である場合(加点評価)
(B)ネガティブな味わい:口中のべたつきの程度、酸味・苦味の味わいのバランスのいずれかの観点について、マイナス評価である場合(減点評価)
(C)刺激臭:刺激的な香りが感じられる場合(減点評価)
Figure 0006625817
(3)評価結果
評価結果を以下に示す。以下の表に示したように、イソアミルアルコールとキサンタンガムが本発明の範囲内であると、酸が酒石酸、コハク酸、乳酸のいずれであっても、味の厚みが感じられ、しかも、酒の余韻が感じられて後味がスッキリしているアルコール飲料となった。酒石酸、コハク酸、乳酸のいずれかが配合されることで、水や氷で割った後も、味の厚みがしっかり感じられ、さらには後味のスッキリさを兼ね備えたバランスの良い味わいとなった。
Figure 0006625817
Figure 0006625817
実験2:容器詰めアルコール飲料の製造と評価(その2)
容器詰めアルコール飲料のアルコール度数を変化させた以外は、実験1と同様にして、アルコール度数が0〜40v/v%の容器詰めアルコール飲料を調製して評価した。ただし、サンプル7のみ、炭酸ガス入りのアルコール飲料とした(ガス圧:2.0kgf/cm)。
表から明らかなように、本発明の容器詰めアルコール飲料は、味の厚みが感じられ、しかも、酒の余韻が感じられて後味がスッキリしているアルコール飲料となった。
Figure 0006625817
実験3:容器詰めアルコール飲料の製造と評価(その3)
(実験3Aおよび実験3B)
キサンタンガムに代えて、グルコマンナン(実験3A)またはグルコマンナンとキサンタンガム(実験3B)を配合した以外は、実験1と同様にして、アルコール度数が10v/v%の容器詰めアルコール飲料を調製した。
表から明らかなように、キサンタンガムに代えてグルコマンナンを使用した場合にも、キサンタンガムを使用した場合と同様に、味の厚みが感じられ、しかも、酒の余韻が感じられて後味がスッキリしている容器詰めアルコール飲料を得ることができた。
Figure 0006625817
(実験3C)
キサンタンガム単独に代えてグルコマンナンとキサンタンガムを併用し、酸として酒石酸、コハク酸、乳酸の3種を配合した以外は、実験1と同様にして、アルコール度数が10v/v%の容器詰めアルコール飲料を調製した。表に示すように、酒の厚みが感じられ、しかも、酒の余韻が感じられて後味がスッキリしている容器詰めアルコール飲料を得ることができた。
Figure 0006625817
実験4:容器詰めアルコール飲料の製造と評価
ニュートラルスピリッツ(アルコール度数:59v/v%)に対して、ピーチ香料(0.3%)、加糖ブドウ糖液糖(15w/v%)、クエン酸(0.4w/v%)、クエン酸3ナトリウム(0.03w/v%)、ピーチ果汁(果汁2%)を配合し、アルコール度数が10v/v%のアルコール飲料を調製した。アルコール飲料には、下表に示す量の白ワイン(アルコール度数 12%)、キサンタンガム(XG)を配合した。
実験4Aの容器詰めアルコール飲料は、イソアミルアルコール10mg/L、酒石酸100mg/L、コハク酸50mg/L、乳酸100mg/Lを含有していた。また、実験4Bの容器詰めアルコール飲料は、イソアミルアルコール、酒石酸、コハク酸、乳酸をそれぞれ表に示す濃度で含有していた。
以下の表に示すように、本発明の容器詰めアルコール飲料は、味の厚みが感じられ、しかも、酒の芳香と優れた余韻が感じられて後味がスッキリしていた。
Figure 0006625817
実験5:容器詰めアルコール飲料の製造と評価
ニュートラルスピリッツ(アルコール度数:59v/v%)に対して、ピーチ香料(0.3%)、加糖ブドウ糖液糖(15w/v%)、クエン酸(0.4w/v%)、クエン酸3ナトリウム(0.03w/v%)、ピーチ果汁(果汁2%)を配合し、アルコール度数が10v/v%のアルコール飲料を調製した。アルコール飲料には、下表に示す量の日本酒(アルコール度数 14%)、キサンタンガム(XG)を配合した。
本実験で製造した容器詰めアルコール飲料は、イソアミルアルコール、酒石酸、コハク酸、乳酸をそれぞれ表に示す濃度で含有していた。
以下の表に示すように、本発明の容器詰めアルコール飲料は、味の厚みが感じられ、しかも、酒の余韻が感じられて後味がスッキリしていた。
Figure 0006625817

Claims (8)

  1. ワインおよび/または日本酒を含有し、アルコール度数が8〜30v/v%である容器詰めアルコール飲料であって、
    イソアミルアルコールを1〜100mg/L、グルコマンナンを20〜200mg/L含有する上記飲料(ただし、発酵麦芽飲料を除く)
  2. 酒石酸、コハク酸、乳酸の少なくとも1つを含んでいる、請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. 3〜5000mg/Lの酒石酸をさらに含有する、請求項1または2に記載のアルコール飲料。
  4. 3〜2500mg/Lのコハク酸をさらに含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のアルコール飲料。
  5. 3〜5000mg/Lの乳酸をさらに含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のアルコール飲料。
  6. アルコール度数が10v/v%以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のアルコール飲料。
  7. 炭酸ガスを含有していない、請求項1〜6のいずれかに記載のアルコール飲料。
  8. ワインおよび/または日本酒を含有し、アルコール度数が8〜30v/v%である容器詰めアルコール飲料の製造方法であって、
    イソアミルアルコールを1〜100mg/L、グルコマンナンを20〜200mg/L含有するアルコール飲料を調製する工程、
    調製したアルコール飲料を容器に充填する工程、
    を含む上記方法(ただし、発酵麦芽飲料の製造方法を除く)
JP2015077200A 2015-04-03 2015-04-03 容器詰めアルコール飲料 Active JP6625817B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015077200A JP6625817B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 容器詰めアルコール飲料
JP2019211121A JP6975761B2 (ja) 2015-04-03 2019-11-22 容器詰めアルコール飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015077200A JP6625817B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 容器詰めアルコール飲料

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019211121A Division JP6975761B2 (ja) 2015-04-03 2019-11-22 容器詰めアルコール飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016195570A JP2016195570A (ja) 2016-11-24
JP6625817B2 true JP6625817B2 (ja) 2019-12-25

Family

ID=57357225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015077200A Active JP6625817B2 (ja) 2015-04-03 2015-04-03 容器詰めアルコール飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6625817B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6751596B2 (ja) * 2016-06-02 2020-09-09 サッポロビール株式会社 低アルコールワイン様飲料及びその製造方法
JP7044544B2 (ja) * 2017-12-26 2022-03-30 サッポロビール株式会社 芋焼酎、芋焼酎含有炭酸飲料、芋焼酎の製造方法、及び、芋焼酎の香味向上方法
JP7018305B2 (ja) * 2017-12-26 2022-02-10 キリンホールディングス株式会社 高アルコール濃度のビールテイストアルコール飲料およびその製造方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4720389A (en) * 1986-04-22 1988-01-19 Merck & Co., Inc. Foam-stabilized malt beverage
JPH06104054B2 (ja) * 1990-09-29 1994-12-21 旭化成工業株式会社 ソフトタイプの清酒、およびその製造法
JP3292581B2 (ja) * 1993-12-28 2002-06-17 宝ホールディングス株式会社 新規酒類酵母及びその用途
JPH0884583A (ja) * 1994-09-19 1996-04-02 Asahi Chem Ind Co Ltd 新規サッカロミセス・セレビシエおよびその用途
JP2006006342A (ja) * 2004-11-08 2006-01-12 Sapporo Breweries Ltd 麦芽、大麦及び小麦を使用しない低糖質発泡アルコール飲料の製造方法及びその製造方法により製造した発泡アルコール飲料
JP5138194B2 (ja) * 2006-08-30 2013-02-06 公益財団法人 日本醸造協会 新規酵母と当該酵母による酒類の製造方法
JP2009055879A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Suntory Ltd ゼリー入り飲料及びその製造方法
JP6059415B2 (ja) * 2010-01-18 2017-01-11 サントリーホールディングス株式会社 アルコールの刺激臭が低減されたアルコール飲料
JP6046336B2 (ja) * 2010-06-21 2016-12-14 サントリーホールディングス株式会社 固形分高含有ゼリー飲料
JP5591642B2 (ja) * 2010-09-17 2014-09-17 麒麟麦酒株式会社 アルコール感が付与された非アルコール飲料およびその製造方法
JP5893852B2 (ja) * 2011-05-30 2016-03-23 サントリーホールディングス株式会社 アルコール飲料ベース
JP6144019B2 (ja) * 2012-06-20 2017-06-07 サントリーホールディングス株式会社 低pH飲料
JP5991882B2 (ja) * 2012-08-16 2016-09-14 森永製菓株式会社 酸性ゼリー飲食品及びその製造方法
CN105357977A (zh) * 2013-07-12 2016-02-24 花王株式会社 容器装饮料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016195570A (ja) 2016-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5306791B2 (ja) 柑橘類由来の果汁及び/または柑橘類果実成分含有原料酒とグリセリンとを含有するアルコール飲料
JP2016146825A (ja) 果汁含有アルコール飲料
JP6599224B2 (ja) 低アルコール飲料
JP6625817B2 (ja) 容器詰めアルコール飲料
JP6059415B2 (ja) アルコールの刺激臭が低減されたアルコール飲料
TW201610146A (zh) 低酒精飲料
JP6604726B2 (ja) 果汁含有アルコール飲料
JP2019201653A (ja) 果汁含有アルコール飲料
JP2019140925A (ja) 果汁含有高アルコール飲料、果汁含有高アルコール飲料ベース、果汁含有高アルコール飲料の製造方法、及び、果汁含有高アルコール飲料の香味向上方法
JP6975761B2 (ja) 容器詰めアルコール飲料
JP6764220B2 (ja) 容器詰めアルコール飲料
JP6438314B2 (ja) カラメル色素含有飲料
JP6781614B2 (ja) アセスルファムカリウムを含有する飲料
JP6938140B2 (ja) 収斂味が低減された容器詰めアルコール飲料およびその製造方法
JP2020188742A (ja) 三糖類を含有するアルコール飲料
WO2020071346A1 (ja) リンゴ酸を含有するノンアルコール飲料
JP2021029232A (ja) 果実風味炭酸飲料、及び、果実風味炭酸飲料の香味向上方法
JP6990596B2 (ja) 低果汁含有飲料、低果汁含有飲料ベース、低果汁含有飲料の製造方法、及び、低果汁含有飲料の香味向上方法
JP2015100294A (ja) 蒸留酒とプロピレングリコールと果汁とを含有するアルコール飲料
WO2023127368A1 (ja) 甘味料とgabaとを含有する飲料
WO2023127369A1 (ja) 脂肪族アルコールとgabaとを含有する飲料
JP2019201652A (ja) 果汁含有アルコール飲料
WO2023127439A1 (ja) アルコールの刺激感と戻り香が低減された飲料
WO2023100700A1 (ja) パルミチン酸エチルを含有するアルコール飲料
JP2023094972A (ja) アルコール飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150417

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6625817

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250