JP6438314B2 - カラメル色素含有飲料 - Google Patents

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本発明は、カラメル色素の味が改善された飲料、及び当該飲料の製造方法に関する。また、本発明は、飲料におけるカラメル色素の味を改善するための方法に関する。
カラメル色素は、飲料の着色のために広範に用いられている。
スピラントールは、キク科オランダセンニチ等に含まれる辛味成分である。特許文献1及び2には、スピラントールの、高甘味度甘味料の呈味改善剤としての使用が記載されている。また、特許文献3には、スピラントールが、炭酸飲料の炭酸感の低下を抑制することが記載されている。
クワシンおよびネオクワシンは苦味物質として知られている。クワシン(quassin)は、クアシンともいい、ネオクワシン(neoquassin)は、ネオクアシンともいい、ジャマイカカッシア(Quassia excelsa SW.)抽出物の主な有効成分である
特開2006−223104号公報 特開2011−45305号公報 特開2006−166870号公報
カラメル色素は、飲料の着色のために広範に用いられているが、味の問題、例えば、特有の苦味、酸味、舌触りの悪さ又はザラツキを有する。特に、アルコール飲料では、そのような問題が表れることが多い。本発明の課題は、飲料におけるカラメル色素が有する味の問題、特に、苦味や、舌触りの悪さ又はザラツキを改善することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、カラメル色素に、特定量のスピラントールとクワシン及び/又はネオクワシンとを組み合わせると、カラメル色素が有する味の問題を効果的に改善でき、結果としてカラメル色素の味を改善できることを見出した。さらに、そのような組み合わせは、カラメル色素を含有する飲料の後口を著しく改善することも見出した。
本発明は、以下のものに関するが、これらに限定されない。
1.カラメル色素の濃度が0.01〜6w/v%、スピラントールの濃度が0.3〜400ppb、そしてクワシン及びネオクワシンの総濃度が0.3〜400ppbである、飲料。
2.アルコール飲料である、1に記載の飲料。
3.アルコール度数が1〜40v/v%である、1又は2に記載の飲料。
4.茶飲料、果汁含有飲料、コーラ飲料、ジンジャーエール、ビアテイスト飲料、リキュール、スピリッツ、チューハイ、ウイスキーハイボール、ノンアルコールカクテル、及びサイダーからなる群から選択される飲料である、1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
5.フレーバーを含有する、1〜4のいずれか1項に記載の飲料。
6.炭酸飲料である、1〜5のいずれか1項に記載の飲料。
7.カラメル色素を含有する飲料の製造方法であって、
当該飲料中のカラメル色素の濃度を0.01〜6w/v%に調整する工程、
当該飲料中のスピラントールの濃度を0.3〜400ppbに調整する工程、及び
当該飲料中のクワシン及びネオクワシンの総濃度を0.3〜400ppbに調整する工程
を含む、前記製造方法。
8.カラメル色素を含有する飲料における、カラメル色素の味を改善するための方法であって、
当該飲料中のカラメル色素の濃度を0.01〜6w/v%に調整する工程、
当該飲料中のスピラントールの濃度を0.3〜400ppbに調整する工程、及び
当該飲料中のクワシン及びネオクワシンの総濃度を0.3〜400ppbに調整する工程
を含む、前記方法。
本発明は、飲料におけるカラメル色素が有する味の問題、特に、苦味や、舌触りの悪さやザラツキを改善し、カラメル色素の味を改善することができる。また、本発明は、カラメル色素を含有する飲料の後口を改善することができる。尚、飲料の後口とは、飲料を飲みこんだ後に口の中で持続する味を意味し、これは飲料の後味とも表現され得る。
特に断りがない限り、本明細書において用いられる「ppb」は、重量/容量(w/v)のppbを意味する。
(カラメル色素)
本発明の飲料は、カラメル色素を0.01〜6w/v%、好ましくは0.01〜5w/v%、より好ましくは0.01〜0.8w/v%、より好ましくは0.01〜0.5w/v%の濃度で含有する。カラメル色素の濃度が適切な範囲を逸脱すると、本発明の効果が得られない場合がある。
本発明においては、食用に適するカラメル色素のいずれのものも用いることができる。例えば、カラメル色素は、製法によりクラスI、II、III、IVに分類されるが、そのいずれの物を用いてもよい。確認のために記載するが、複数種類のカラメル色素が飲料に含まれている場合には、前記のカラメル色素の濃度は、全てのカラメル色素の濃度の合計を意味する。
カラメル色素の濃度を調整するためには、例えば、飲料に添加するカラメル色素の量を調整すればよい。カラメル色素の濃度は、例えば、逆相HPLCを用いてHydroxymethylfurfural(HMFもしくは5−HMF)濃度を測定し、その値に基づいて類推することができる。
(スピラントール)
本発明の飲料は、スピラントールを0.3〜400ppb、好ましくは0.5〜350ppb、より好ましくは1〜350ppb、より好ましくは5〜200ppb、より好ましくは10〜150ppbの濃度で含有する。カラメル色素の味の問題を改善するためには、スピラントールの濃度が適切な範囲にあることが重要である。
本発明の飲料は、精製又は単離されたスピラントールを含有してもよいし、スピラントールを含む材料を含有してもよいし、それらを両方含有してもよい。スピラントール自体及びそれを含む材料の使用量が適切であれば、飲料中のスピラントールの含有量も適切な範囲となる。スピラントールを含む材料としては、例えば、オランダセンニチ、キバナオランダセンニチ等の植物及びその抽出物が挙げられる。
スピラントールの濃度は、例えば、HPLCやガスクロマトグラフィー、質量分析等の公知の方法で測定することができる。
(クワシン及びネオクワシン)
本発明の飲料は、クワシン、ネオクワシン、又はその両方を含有する。本発明の飲料におけるクワシン及びネオクワシンの総濃度は、0.3〜400ppb、好ましくは0.5〜350ppb、より好ましくは1〜350ppb、より好ましくは5〜200ppb、より好ましくは10〜150ppbである。カラメル色素の味の問題を改善するためには、クワシン及びネオクワシンの総濃度が適切な範囲にあることが重要である。
本発明の飲料におけるスピラントールの含有量と、クワシン及びネオクワシンの総含有量との比率(重量基準)は、特に限定されないが、典型的には、1000:1〜1:1000、100:1〜1:100、又は69:1〜1:69である。
本発明の飲料は、精製又は単離されたクワシン及び/又はネオクワシンを含有してもよいし、クワシン及び/又はネオクワシンを含む材料を含有してもよいし、それらを両方含有してもよい。クワシン及び/又はネオクワシン自体及びそれを含む材料の使用量が適切であれば、飲料中のクワシン及びネオクワシンの総含有量も適切な範囲となる。クワシン及び/又はネオクワシンを含む材料としては、例えば、ジャマイカカッシア等の植物及びその抽出物が挙げられる。
クワシン及びネオクワシンの濃度は、例えば、LC−MS(液体クロマトグラフ質量分析計)等の公知の方法で測定することができる。
(アルコール)
カラメル色素の味の問題はアルコール飲料中で現れることが多いため、本発明の飲料の好ましい態様は、アルコール飲料である。
本発明の飲料のアルコール度数は、好ましくは1〜40v/v%、より好ましくは1〜20v/v%、より好ましくは1〜10v/v%、より好ましくは2〜8v/v%、より好ましくは3〜7v/v%である。アルコール度数の調整方法は、添加するアルコール成分の量の調整などの、公知のいずれの方法を用いてもよい。
本明細書に記載の「アルコール」との用語は、特に断らない限りエタノールを意味する。本明細書においては、飲料のアルコール度数は、飲料中のアルコール分の含有量(v/v%)を意味し、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から必要に応じて濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。
(炭酸ガス)
本発明の飲料は、炭酸ガスを含む飲料、即ち炭酸飲料であってもよい。炭酸ガスは、当業者に通常知られる方法を用いて飲料に付与することができ、例えば、これらに限定されないが、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーター等のミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合してもよい。これらの手段を適宜用いて炭酸ガス圧を調節する。
本発明の飲料の炭酸ガス圧は、特に限定されないが、好ましくは0.7〜3.5kgf/cm、より好ましくは0.8〜2.8kgf/cmである。本発明において、炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA−500Aを用いて測定することができる。例えば、試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。本明細書においては、特に断りがない限り、炭酸ガス圧は、20℃における炭酸ガス圧を意味する。
(飲料の種類)
本発明の飲料の種類は特に制限されず、例えば、茶飲料、果汁含有飲料、コーラ飲料、ジンジャーエール、ビアテイスト飲料、リキュール、スピリッツ、チューハイ、ウイスキーハイボール、ノンアルコールカクテル、サイダーが挙げられる。これらの飲料は、アルコールを含有してもよく、含有しなくてもよい。また、これらの飲料は、炭酸ガスを含有してもよいし、含有しなくてもよい。
茶飲料には、緑茶飲料、紅茶飲料、烏龍茶飲料が含まれる。
果汁含有飲料に含有される果汁は、特に限定されず、柑橘類果汁(オレンジ果汁、うんしゅうみかん果汁、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、ライム果汁、柚子果汁、いよかん果汁、なつみかん果汁、はっさく果汁、ポンカン果汁、シイクワシャー果汁、かぼす果汁等)、リンゴ果汁、ブドウ果汁、モモ果汁、熱帯果実果汁(パイナップル果汁、グァバ果汁、バナナ果汁、マンゴー果汁、アセロラ果汁、ライチ果汁、パパイヤ果汁、パッションフルーツ果汁等)、その他果実の果汁(ウメ果汁、ナシ果汁、アンズ果汁、スモモ果汁、ベリー果汁、キウイフルーツ果汁等)、イチゴ果汁、メロン果汁などが挙げられる。これらの果汁は、1種類を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。本発明の飲料における果汁の含有量は、果汁率に換算して0.1〜10w/v%であることが好ましく、1〜7w/v%であることがより好ましく、2〜5w/v%であることが更により好ましい。飲料中の「果汁率」は、100mLの飲料中に配合される果汁配合量(g)を用いて下記換算式によって計算できる。また濃縮倍率を算出する際はJAS規格に準ずるものとし、果汁に加えられた糖類、はちみつ等の糖用屈折計示度を除くものとする。
果汁率(w/v%)=<果汁配合量(g)>×<濃縮倍率>/100mL×100
コーラ飲料には、コーラ、及びコーラを含有する飲料、例えばコーラチューハイ、ウイスキーコーラ、が含まれる。本明細書におけるビアテイスト飲料は、ビールの味を有する炭酸飲料を意味し、これには、アルコール飲料もノンアルコール飲料も含まれる。本明細書におけるリキュールは、蒸留酒(スピリッツ)に果実やハーブなどの副材料を加えて香味をスピリッツに移して調製されるアルコール飲料であり、これには、梅酒、アプリコットリキュールなどが含まれる。本明細書におけるスピリッツは、日本の酒税法の分類に制限されることなく、醸造酒を蒸留して作った酒を意味する。
(フレーバー成分)
本発明の飲料は、好ましい風味を得るために、フレーバー成分を含有してもよい。本発明において配合するフレーバー成分としては、フルーツ香料や植物香料などから選択される1種又は2種以上を混合して使用することができる。フルーツ香料とは、フルーツを由来とする香料をいう。フルーツ香料としては、レモンフレーバー、オレンジフレーバー、ライムフレーバー、及びグレープフルーツフレーバーを含めたシトラスフレーバー、リンゴフレーバー、ブドウフレーバー、ラズベリーフレーバー、クランベリーフレーバー、チェリーフレーバー、パイナップルフレーバーなどのような様々なフルーツフレーバーが使用できる。これらフルーツ香料は、果実又は香油などの天然源から抽出したものであっても合成したものでもよい。
植物香料とは、フルーツ以外の植物から得られる香料の総称をいい、コーラ、ガラナ、コーヒーなどの植物の種実起源のフレーバー、生姜(ジンジャー)、サッサフラス、サーサパリラなどの植物の根茎起源のフレーバー、カモミール、エルダーフラワー、レモンバーム、ラベンダー、クローブ、ガーリックカプシカム、ペパー、マスタード、サンショウ、ワサビ、ローレル、クローブ、タイム、セージ、ナツメグメース、カルダモン、キャラウエイ、アニス、バジル、フェンネル、クミン、ターメリック、パプリカ、サフラン、バジル、ベイリーブスマジョラム、オレガノ、ローズマリー、セージ、タラゴン、コリアンダー、デイル、ジュニパーベリーなどのハーブやスパイスなどを起源とする草根木皮フレーバー、花フレーバーなどを挙げることができる。このような植物香料としては、スイス系フレーバー(例えばコーラフレーバー、ジンジャーエールフレーバー)、茶フレーバーなどを例示できる。これら植物香料は、天然源から抽出したものであっても合成したものでもよい。
フレーバー成分の添加量は、その力価や所望する飲料の嗜好に応じて適宜設定すればよいが、典型的には、飲料の総重量に対して0.1〜0.3重量%程度である。
(他の成分)
本発明の飲料には、他にも、本発明の効果を損なわない限り、飲料に通常配合する添加剤、例えば、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を配合することができる。
(飲料の製造方法等)
本発明は、別の側面では、カラメル色素を含有する飲料の製造方法である。当該方法は、以下の工程を含む:
当該飲料中のカラメル色素の濃度を0.01〜6w/v%に調整する工程、
当該飲料中のスピラントールの濃度を0.3〜400ppbに調整する工程、及び
当該飲料中のクワシン及びネオクワシンの総濃度を0.3〜400ppbに調整する工程。
当該飲料中の各成分の濃度を調整する方法は、本発明の飲料に関して上記した通りである。そのタイミングも限定されない。例えば、上記工程を同時に行ってもよいし、別々に行ってもよいし、工程の順番を入れ替えてもよい。最終的に得られた飲料が、上記の濃度の条件を満たせばよい。また、アルコール度数、及び炭酸ガス圧の好ましい範囲は、飲料に関して上記した通りである。また、追加される他の成分の具体例や量も、飲料に関して上記した通りである。
本発明の製造方法は、カラメル色素を含有する飲料における、カラメル色素の味を改善することができる。従って、当該製造方法は、別の側面では、カラメル色素を含有する飲料における、カラメル色素の味を改善するための方法である。
(容器詰め飲料)
本発明の飲料は、必要に応じて、容器詰めの形態とすることができる。容器の形態には、缶等の金属容器、ペットボトル、紙パック、瓶、パウチなどが含まれるが、これらに限定されない。例えば、本発明の飲料を容器に充填した後にレトルト殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌して容器に充填する方法を通じて、殺菌された容器詰め製品を製造することができる。
(数値範囲)
明確化のために記載すると、本明細書において下限値と上限値によって表されている数値範囲、即ち「下限値〜上限値」は、それら下限値及び上限値を含む。例えば、「1〜2」により表される範囲は、1及び2を含む。
以下に実施例に基づいて本発明の説明をするが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実験1
本実験では、カラメル色素の濃度と、好ましくない味との関係を検討した。
水に、種々の濃度でカラメル色素を加えて複数の評価用の溶液を調製し、官能評価した。
官能評価試験では、5名のパネリストが、苦味、舌触りの悪さ又はザラツキ、刺激の観点から以下の評価基準に従って評価し、平均点を求めた。点数が3点以上であると、味が好ましくないと考えられる。
(評点)
5:強く感じられる
4:やや強く感じられる
3:感じられる
2:余り感じられない
1:感じられない
また、5名のパネリストが、以下の評価基準に従って総合評価を行い、平均点を求めた。点数が4点以上であると、味が好ましいと考えられる。
(評点)
5:後口がスッキリして飲みやすい
4:やや後口がスッキリして飲みやすい
3:どちらともいえない
2:やや後口が悪く飲みづらい
1:後口が悪く飲みづらい
評価結果を、カラメル色素の濃度と共に以下に示す。
上記の表から、カラメル色素の濃度が一定以上であると、カラメル色素の味の問題が明確に現れることが明らかとなった。
実験2
本実験では、カラメル色素の味に対する、スピラントールの効果を検討した。
具体的には、実験1における比較例1−3の溶液に、種々の濃度でスピラントールを添加し、官能評価した。官能評価の方法は、実験1と同じである。結果を以下の表に示す。
上記の表に示される通り、スピラントールがカラメル色素の味の問題をある程度改善できるものの、その効果は十分とは言えなかった。
実験3
本実験では、カラメル色素の味に対する、クワシン及びネオクワシンの効果を検討した。
具体的には、実験1における比較例1−3の溶液に、種々の濃度でクワシン又はネオクワシンを添加し、官能評価した。官能評価の方法は、実験1と同じである。結果を以下の表に示す。
上記の表に示される通り、クワシン及び/又はネオクワシンがカラメル色素の味の問題をある程度改善できるものの、その効果は十分とは言えなかった。
実験4
本実験では、カラメル色素の味に対する、スピラントールとクワシンの組合せの効果を検討した。
具体的には、実験1における比較例1−3の溶液に、種々の濃度でスピラントールとクワシンを添加し、官能評価した。官能評価の方法は、実験1と同じである。結果を以下の表に示す。
上記の表に示される通り、スピラントールとクワシンの濃度が特定範囲にあると、カラメル色素の味の問題(特に、苦味、及び舌触りの悪さ・ザラツキ)を効率よく改善できた。特筆すべきは、総合評価の結果である。スピラントールとクワシンの濃度が特定範囲にあると、総合評価値が相乗的に上昇した。このことは、実験4の結果を実験2及び3の結果と比較すると理解できる。
実験5
本実験では、スピラントールとクワシンの含有量の比率の影響を検討した。
具体的には、水に、カラメル色素0.25w/v%と、種々の濃度のクワシンとスピラントール(合計濃度は一定とした)を加えて、評価用の溶液を調製し、官能評価した。官能評価の方法は、実験1と同じである。その結果を、実施例4−4の結果と共に以下に示す。表中、スピラントールとクワシンの比率は、重量比を意味する。
上記の表から、スピラントールとクワシンの含有量の比率は、本発明の効果に大きく影響しないことが明らかとなった。
実験6
本実験では、アルコール濃度の影響を検討した。
具体的には、水に、カラメル色素0.25w/v%と、一定濃度でクワシンとスピラントールを加えて、種々のアルコール度数を有する溶液を調製し、官能評価した。官能評価の方法は、実験1と同じである。その結果を、実施例4−4の結果と共に以下に示す。
上記の表から、アルコール度数が一定レベルより低ければ、本発明の効果が十分に得られることが明らかとなった。
実験7
本実験では、カラメル色素の濃度の影響を検討した。
具体的には、水に、種々の濃度のカラメル色素と、一定量のクワシンとスピラントールを加えて溶液を調製し、官能評価した。官能評価の方法は、実験1と同じである。その結果を、実施例4−4の結果と共に以下に示す。
上記の結果から、カラメル色素の濃度が特定範囲にあれば、本発明の効果が十分に得られることが明らかとなった。
実験8
本実験では、様々なフレーバーを有する飲料において、本発明が効果を奏することを確認した。
本実験では、クアシン:ネオクワシンの比率が1:1である混合物を飲料に添加した。得られた飲料について、実験1と同様の官能評価を行った。但し、総合評価の基準は、以下に示す通り、水準を一つ加えた。
(評点)
6:香味バランスに優れ非常に飲み口がすっきりしており美味しい
5:後口がスッキリして飲みやすい
4:やや後口がスッキリして飲みやすい
3:どちらともいえない
2:やや後口が悪く飲みづらい
1:後口が悪く飲みづらい
以下の表に示す通り、アルコールや炭酸の有無に拘わらず、様々なフレーバーを有する飲料で、本発明の効果が得られた。
さらに、表8の結果から、本発明がアルコール飲料において特に有効であることも明らかとなった。このことを以下に説明する。
アルコール飲料である比較例7−3の総合評価は、ノンアルコール飲料である比較例7−1よりも総合評価が劣っている。これは、アルコールに由来する苦味に起因するものと考えられる。これに対し、実施例7−3では、比較例7−3のアルコールに由来する苦味も含めて苦味が改善され、後口がすっきりと美味しい、総合評価が特に優れたアルコール飲料となった。
飲料の味をさらに具体的に説明すると、実施例7−1では、苦味が改善されていたが、辛味も感じられた。これに対し、実施例7−3は、後口がすっきりと美味しい飲料であった。具体的には、前半でクワシンの爽快な苦味が感じられ、後半にスピラントールの冷涼なさわやかさが感じられ、キレの良い香味バランスに仕上がっていた。実施例7−3と同様の傾向は、アルコール飲料である実施例7−5でも見られた。
尚、スピラントールは、後半に辛味を生じた。クワシン及びネオクワシンは、後半に苦味を生じた。アルコールは後半に苦味を生じた。スピラントールとアルコールの組合せでは、アルコールの苦味もマスキングされ、アルコールが含まれない場合よりも、後口の余韻がより滑らかになると類推される。

Claims (8)

  1. カラメル色素の濃度が0.01〜6w/v%、スピラントールの濃度が0.3〜400ppb、そしてクワシン及びネオクワシンの総濃度が0.3〜400ppbである、飲料。
  2. アルコール飲料である、請求項1に記載の飲料。
  3. アルコール度数が1〜40v/v%である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 茶飲料、果汁含有飲料、コーラ飲料、ジンジャーエール、ビアテイスト飲料、リキュール、スピリッツ、チューハイ、ウイスキーハイボール、ノンアルコールカクテル、及びサイダーからなる群から選択される飲料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
  5. フレーバーを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。
  6. 炭酸飲料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料。
  7. カラメル色素を含有する飲料の製造方法であって、
    当該飲料中のカラメル色素の濃度を0.01〜6w/v%に調整する工程、
    当該飲料中のスピラントールの濃度を0.3〜400ppbに調整する工程、及び
    当該飲料中のクワシン及びネオクワシンの総濃度を0.3〜400ppbに調整する工程
    を含む、前記製造方法。
  8. カラメル色素を含有する飲料における、カラメル色素の味を改善するための方法であって、
    当該飲料中のカラメル色素の濃度を0.01〜6w/v%に調整する工程、
    当該飲料中のスピラントールの濃度を0.3〜400ppbに調整する工程、及び
    当該飲料中のクワシン及びネオクワシンの総濃度を0.3〜400ppbに調整する工程
    を含む、前記方法。
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