JP2018053074A - 複合材料用樹脂組成物および成形品 - Google Patents

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治 大西
亘平 穴田
Kohei Anada
亘平 穴田
佑典 渡邉
Hironori Watanabe
佑典 渡邉
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Abstract

【課題】強靱性に優れた複合材料用樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の複合材料用樹脂組成物は、成形品の形成に用いるものであって、フェノール樹脂と、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物に由来する構造単位を含むポリマーと、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、複合材料用樹脂組成物および成形品に関する。
これまでのフェノール樹脂成形材料においては、成形品の用途に応じて各種の要求特性を満たすように様々な技術が開発されている。この種の技術としては、例えば、フェノール樹脂に特定の無機充填材を特定割合で配合したフェノール樹脂成形材料が記載されている。
特開2015−120848号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記文献に記載のフェノール樹脂成形材料においては、強靱性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者が検討したところ、特許文献1のように、ポリマーとしてフェノール樹脂のみを使用した場合、所望の強靱性が得られないことが判明した。また、本発明者は、ポリマーの配合種を適切に制御することにより、強靱性を向上させることができることを見出した。
こうした知見に基づいて、鋭意検討した結果、フェノール樹脂とともに、所定の繰り返し構造単位を有するポリマーを併用することにより、これらを含む複合材料用樹脂組成物を成形品に用いたとき、強靱性に優れた成形品を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
成形品の形成に用いる複合材料用樹脂組成物であって、
フェノール樹脂と、
下記式(1)で示される繰り返し構造単位を含むポリマーと、
を含む、複合材料用樹脂組成物が提供される。
Figure 2018053074
(式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
また、本発明によれば、上記複合材料用樹脂組成物の硬化物を備える成形品が提供される。
本発明によれば、強靱性に優れた複合材料用樹脂組成物、およびそれを用いた成形品を提供できる。
以下、本実施形態について説明する。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、フェノール樹脂と、下記式(1)で示される繰り返し構造単位を含むポリマーと、を含むことができる。また、本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、成形品の形成に用いるものである。
Figure 2018053074
(式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、成形品に適用することにより、強靱性に優れた特性を実現することができる。
詳細なメカニズムは定かでないが、フェノール樹脂と上記式(1)で示される繰り返し構造単位とにより連結構造を形成できるため、得られる成形品の強靱性を向上させることができると考えられる。
また、本実施形態の複合材料用樹脂組成物を使用することにより、耐熱性、機械的強度、低線膨張性、および高温時剛性のバランスに優れた成形品を提供することができる。
以下、本実施形態の複合材料用樹脂組成物の各成分について説明する。
(フェノール樹脂)
本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、フェノール樹脂を含むことができる。
本実施形態のフェノール樹脂としては、従来公知のものを使用することができる。上記フェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂などが挙げられる。フェノール樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。この中でも、耐熱性の観点から、レゾール型フェノール樹脂またはノボラック型フェノール樹脂を用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、無触媒または酸性触媒の存在下で反応させて得られる樹脂であれば、用途に合わせて適宜選択することができる。たとえば、ランダムノボラック型やハイオルソノボラック型のフェノール樹脂も用いることができる。
なお、このノボラック型フェノール樹脂は、通常、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)を0.5〜1.0に制御した上で、反応させて得ることができる。
このノボラック型フェノール樹脂を調製する際に用いられるフェノール類の具体例としては、たとえば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、アルキルフェノール類、カテコール、レゾルシン等が挙げられる。なお、これらのフェノール類は単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
また、ノボラック型フェノール樹脂を調製する際に用いられるアルデヒド類としては、たとえば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド化合物、およびこれらのアルデヒド化合物の発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド化合物の溶液等を用いることができる。なお、これらのアルデヒド類は単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、塩基性触媒の存在下で反応させて得られる樹脂であれば、用途に合わせて適宜選択することができる。
なお、このレゾール型フェノール樹脂は、通常、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)が1.3以上1.7以下となるように制御した上で、反応させて得ることができる。
このレゾール型フェノール樹脂を調製する際に用いられるフェノール類の具体例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、アルキルフェノール類、カテコール、レゾルシン等が挙げられる。
なお、これらのフェノール類は単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
また、レゾール型フェノール樹脂を調製する際に用いられるアルデヒド類の具体例としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド化合物、およびこれらのアルデヒド化合物の発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド化合物の溶液等を用いることができる。なお、これらのアルデヒド類は単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
また、レゾール型フェノール樹脂を調製する際に用いられる塩基性触媒の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウム、アンモニア水、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのアミン類、酢酸マグネシウムや酢酸亜鉛などの二価金属塩などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フェノール樹脂の分子量の下限値は、例えば、重量平均分子量(Mw)として300以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、2000以上であることがさらに好ましい。一方で、フェノール樹脂の分子量の上限値は、例えば、重量平均分子量(Mw)として25000以下であることが好ましく、22000以下であることがより好ましく、19000以下であることがさらに好ましい。
フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)を、上記の範囲に設定することにより、複合材料用樹脂組成物を製造する際の作業性が向上し、また、この組成物から成形品を得る際の成形性を向上させることができる。また、得られた成形品の機械的強度の向上も図ることができる。
また、この重量平均分子量は、後述するポリマー同様、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定により、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに算出することができる。
(ポリマー)
本実施形態のポリマーは、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物に由来する、下記一般式(1)で示される構造単位Aを含むことができる。
本実施形態において、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ジメチル無水マレイン酸またはこれらの誘導体を含む群から選択されてもよく、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ジメチル無水マレイン酸からなる群から選択されてもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2018053074
(式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基である。)
本実施形態において、上記式(1)中、R及びRは、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1の有機基であることがより好ましく、Rが水素かつRが水素又は炭素数1の有機基であることが更に好ましく、RとRが水素であることが一層好ましい。
本実施形態において、上記式(1)中、R及びRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。また、アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
また、本実施形態のポリマーは、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がアルコールで開環した第1エステル化物に由来する、下記一般式(a)で示される第1構造単位、を含んでもよい。
Figure 2018053074
(式(a)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基であり、W、Zは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。)
上記式(a)において、R、Rは、上記(1)と同様のものである。また、上記式(a)において、WおよびZは、いずれか一方または両方、水素または炭素数1〜3の有機基であり、アルコール由来の構造を含むことができる。
本実施形態において、アルコールとして、例えば、炭素数1〜30までのアルコールであることが好ましく、炭素数1〜15までのアルコールであることがより好ましく、炭素数1〜10までのアルコールであることが更に好ましく、炭素数1〜7までのアルコールであることが一層好ましい。
上述のアルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、ペンタノール、ネオペンタノール、ドデカノールなどの脂肪族アルコール;ベンジルアルコール、フェノール、2,6−ジ−i−プロピルフェノール、4−t−オクチルフェノールなどの芳香族アルコール;シクロヘキサノール、5−ノルボルネン−2−メタノール、などの脂環式アルコールが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態のポリマーは、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がフェノール樹脂中のフェノール性水酸基で開環した第2エステル化物由来の、下記式(5)で表される、第2構造単位を含んでもよい。すなわち、本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、上記式(1)で示される繰り返し構造単位の備える酸無水物部位と、フェノール樹脂に備えられるフェノール性水酸基とがエステル結合を介して結合した化合物を含むことができる。
Figure 2018053074
(式(5)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基であり、Rは、前述のフェノール樹脂に由来する原子団である。)
本実施形態のポリマーは、上記分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物と他のモノマーとの共重合体を含むものであってもよい。また、本実施形態のポリマーは、当該共重合体が上記のフェノール樹脂などで変性された変性共重合体を含むものであってもよい。かかる変性共重合体は、本実施形態のポリマーである共重合体中の、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環と、フェノール樹脂などの水酸基とをエステル反応させることにより得ることができる。かかる変性共重合体は、これ以外にも公知の手段によって共重合体を変性してなるものであってもよい。
本実施形態において、他のモノマーとしては、例えば、ノルボルネン系モノマー、スチレン系モノマー、インデン系モノマーおよびマレイミド系モノマーからなる群から選択される一種以上を含むことができる。他のモノマーは、複合材料用樹脂組成物を適用する用途に応じ適宜選択することができる。
より具体的な例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−エチニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン等のノルボルネン系モノマー;インデン、2−メチルインデン、3−メチルインデン等のインデン系モノマー;1,5,9−シクロドデカトリエン、シス−トランス−トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン、トランス−トランス−トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン、トランス−シス−シス−1,5,9−シクロドデカトリエン、シス−シス−シス−1,5,9−シクロドデカトリエン等の脂環系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化アリル、アリルアルコール等のアリル系モノマー;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のN−アルキルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−ノルボルニルマレイミド、N−シクロヘキシルメチルマレイミド、N−シクロペンチルメチルマレイミド等のN−シクロアルキルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド等のN−アリールマレイミド、N−アルキルマレイミド、N−シクロアルキルマレイミド、N−アリールマレイミドの他にもN−ヒドロキシマレイミド等のマレイミド系モノマー;等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてよいし、異なる2種類以上を併用してもよい。
上記他のモノマーとして、好ましくは脂環系モノマーのうちノルボルネン型モノマー、スチレン系モノマー、インデン系モノマー、マレイミド系モノマーを用いることができる。ポリマーがこれらのモノマーに由来する構造単位をさらに含むことで、本実施形態の複合材料用樹脂組成物から得られる成形品の耐熱性を向上させることができる。
本実施形態のポリマーは、上述の構造単位A、第1構造単位または第2構造単位に加えて、上記他のモノマー由来の構造単位Cをさらに含有してもよい。具体的には、本実施形態のポリマーは、以下の式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する構造単位、式(3)で示すスチレン系モノマーに由来する構造単位、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する構造単位、および式(8)で示すマレイミド系モノマーに由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位Cをさらに含むことができる。
Figure 2018053074
(式(2)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。nは0、1または2である。)
Figure 2018053074
(式(3)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜30の有機基である。mは0以上5以下の整数である。)
Figure 2018053074
(式(7)中、RからR11はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基である。)
Figure 2018053074
(式(8)中、R12は独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。)
本実施形態において、上記式(2)中、R〜Rは、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜30の有機基であり、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜10の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、それぞれ独立して水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。また、上記式(2)中、nは、例えば、0、1または2であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
本実施形態において、上記式(3)中、Rは、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜30の有機基であり、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜10の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、それぞれ独立して水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。また、上記式(3)中、mは、例えば、0以上5以下の整数であり、0以上3以下の整数であることが好ましく、0以上1以下の整数であることがより好ましい。
本実施形態において、上記式(7)中、R〜R11は、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であり、それぞれ独立して水素又は炭素数1の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素であることが更に好ましい。
本実施形態において、上記式(8)中、R12は、例えば、独立して水素又は炭素数1〜10の有機基であり、独立して水素又は炭素数1〜5の有機基であることが好ましく、独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、独立して水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。
〜R、Rを構成する炭素数1〜30の有機基は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R〜R11を構成する炭素数1〜3の有機基は、その構造中にその構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R12を構成する炭素数1〜10の有機基は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R〜R、R、R〜R11およびR12を構成する有機基は、いずれも酸性官能基を有しないものとすることができる。これにより、ポリマー中における酸価の制御を容易とすることができる。
本実施形態において、R〜R、Rを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
本実施形態において、R〜R11を構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
本実施形態において、R12を構成する有機基としては、例えば、水素や、上記のR〜R、Rで例示された有機基のうち、炭素数1〜10の有機基を使用できる。
さらに、R〜R、R、R〜R11及びR12を構成するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。R〜R、R、R〜R11及びR12の少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、ポリマーを使用して硬化膜を構成した際、この硬化膜の誘電率を低下させることができる。また、ハロアルキルアルコール基とすることで、アルカリ現像液に対する溶解性を適度に調整できるだけでなく、耐熱変色性を向上させることができる。
なお、ポリマーを含んで構成される膜の光透過性を高める観点からは、R〜R、R、R〜R11及びR12のいずれかが水素であることが好ましく、たとえば、式(2)の構造単位を採用する場合にあっては、R〜Rすべてが水素であることが好ましい。例えば、式(3)の構造単位を採用する場合にあっては、Rが水素であることが好ましい。例えば、式(7)の構造単位を採用する場合にあっては、R〜R11が水素であることが好ましい。例えば、式(8)の構造単位を採用する場合にあっては、R12が水素であることが好ましい。
ポリマーの分子量を調節するために連鎖移動剤を適宜使用することができる。連鎖移動剤としては、例えば、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、β−メルカプトプロピオン酸、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート等のβ−メルカプトプロピオン酸類;2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン等のナフトキノン類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;その他、トリエトキシシラン、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等を挙げることができる。
本実施形態におけるポリマーは、たとえばGPC(Gel Permeation Chromatography)により得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下におけるピーク面積が、全体の1%以下としてもよい。
このように、GPCにより得られる分子量分布曲線の分子量1000以下におけるピーク面積の比率を上記範囲とすることにより、ポリマーを含む複合材料用樹脂組成物からなる膜のパターン形状を良好なものとすることができる。そのため、当該膜を永久膜として備える液晶表示装置、固体撮像素子については、その動作信頼性を向上させることが可能となる。
なお、ポリマーにおける低分子量成分の量の下限は、特に限定されない。しかし、本実施形態におけるポリマーは、GPCにより得られる分子量分布曲線において分子量1000以下におけるピーク面積が全体の0.01%以上である場合を許容するものである。
本実施形態におけるポリマーは、たとえばMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が1.5以上2.5以下である。なお、Mw/Mnは、分子量分布の幅を示す分散度である。ポリマーのMw/Mnを上記範囲とすることにより、ポリマーを含む複合材料用樹脂組成物からなる成形品の形状を良好なものとすることができる。なお、このような効果は、同時に上述のようにポリマーの低分子量成分を低減する場合において特に顕著に表れる。
また、ポリマーのMw(重量平均分子量)の下限値は、例えば、1,500以上でもよく、好ましくは2,000以上でもよく、より好ましくは3,000以上でもよい。一方で、ポリマーのMw(重量平均分子量)の上限値は、特に限定されないが、例えば、30,000以下でもよく、好ましくは25,000以下でもよく、より好ましくは20,000以下でもよい。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、たとえばGPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いる。測定条件は、たとえば以下の通りである。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
また、ポリマー中における低分子量成分量は、たとえばGPC測定により得られた分子量に関するデータに基づき、分子量分布全体の面積に占める、分子量1000以下に該当する成分の面積総和の割合から算出される。
(ポリマーの製造方法)
本実施形態に係るポリマーの製造工程は、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物を重合させる及び/又は他のモノマーと共重合体させる工程を含むことができる。
以下、各工程の一例について説明する。
(重合工程(処理S1))
はじめに以下の式(7a)で示されるインデン系モノマーと、無水マレイン酸とを用意する。式(7a)で示されるインデン型モノマーにおいて、R〜R11は、上記式(7)のものと同様とすることができる。
なお、上記無水マレイン酸に代えて、他の分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物を使用してもよし、インデン系モノマーに代えて、他のモノマーを使用してもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2018053074
(式(7a)中、RからR11は式(7)と同じである。)
次いで、式(7a)で示されるインデン型モノマーと、無水マレイン酸とを付加重合する。ここでは、ラジカル重合により、式(7a)で示されるインデン型モノマーと、無水マレイン酸との共重合体(共重合体1)を形成する。
式(7a)で示されるインデン型モノマーと、無水マレイン酸とのモル比(式(7a)で示される化合物のモル数:無水マレイン酸のモル数)は、0.5:1〜1:0.5であることが好ましい。なかでも、分子構造制御の観点から、式(7a)で示されるインデン型モノマーのモル数:無水マレイン酸のモル数=0.8:1〜1:0.8であることが好ましい。
なお、この付加重合に際しては、上述のインデン系モノマーと、無水マレイン酸以外にも共重合できるモノマーを添加してもよい。このようなモノマーとして、分子内にエチレン性二重結合を有する基を含む化合物が挙げられる。例えば、エチレン性二重結合を有する基の具体例としては、アリル基、アクリル基、メタクリル基、マレイミド基や、スチリル基やインデニル基のような芳香族ビニル基等が挙げられる。
重合方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて分子量調整剤を用いて重合する方法が好適である。この場合、懸濁重合、溶液重合、分散重合、乳化重合等の方法を取ることができる。中でも、溶液重合が好ましい。溶液重合の際には、各単量体を全量一括仕込みで行っても良いし、一部を反応容器に仕込み、残りを滴下して行っても良い。
たとえば、式(7a)で示されるインデン系モノマーと、無水マレイン酸と、重合開始剤とを溶媒に溶解し、その後、所定時間加熱することで、式(7a)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸とを溶液重合する。加熱温度は、たとえば、50〜80℃であり、加熱時間は10〜20時間である。
重合に使用される溶媒としては、たとえばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等のうち、いずれか1種以上を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物および有機過酸化物のうちのいずれか1種以上を使用できる。
アゾ化合物としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)があげられ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
また、有機過酸化物としては、たとえば過酸化水素、ジターシャリブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)を挙げることができ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
ラジカル重合開始剤の量(モル数)は、式(7a)で示されるインデン型モノマーと、無水マレイン酸との合計モル数の1%〜10%とすることが好ましい。重合開始剤の量を前記範囲内で適宜設定し、かつ、反応温度、反応時間を適宜設定することで、得られるポリマーの重量平均分子量(Mw)を適切な範囲に調整することができる。
この重合工程(処理S1)により、上述の式(1)で示される繰り返し構造単位と、式(7)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体1を重合することができる。
ただし、共重合体1において、式(7)の構造のRは、各繰り返し構造単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し構造単位ごとに異なっていてもよい。R〜R11においても同様である。
共重合体1は、式(1)で示される繰り返し構造単位と、式(7)で示される繰り返し構造単位とが、ランダムに配置されたものであってもよく、また、交互に配置されたものであってもよい。また、式(7a)で示されるインデン系モノマーと、無水マレイン酸とがブロック共重合したものであってもよい。ただし、本実施形態で製造されるポリマーを用いた複合材料用樹脂組成物の溶解性の均一性を確保する観点からは、式(1)で示される繰り返し構造単位と、式(7)で示される繰り返し構造単位とが交互に配置された構造であることが好ましい。すなわち、共重合体1は、例えば、インデン系モノマーと、無水マレイン酸が共重合した場合、以下の式(4)で表される繰り返し構造単位を有するものであることが好ましい。
Figure 2018053074
(式(4)において、R〜R11は、上記式(7)と同じである。また、aは10以上、200以下の整数である。)
ここで、式(4)の構造のRは、各繰り返し構造単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し構造単位ごとに異なっていてもよい。R〜R11においても同様である。
また、上記のインデン系モノマーに代えて、ノルボルネン型モノマー、スチレン系モノマー、マレイミド系モノマーなどの他のモノマーを使用した場合も、前述の方法によりポリマーを製造することができる。
(低分子量成分除去工程(処理S2))
次に、低分子量成分除去工程を行ってもよい。たとえば、共重合体1と、残留モノマーおよびオリゴマー等の低分子量成分とが含まれた有機層に対して、大量の貧溶媒、たとえば、ヘキサンやメタノールに加えて、共重合体1を含むポリマーを凝固沈殿させる。ここで、低分子量成分としては、残留モノマー、オリゴマー、さらには、重合開始剤等が含まれる。次いで、ろ過を行い、得られた凝固物を、乾燥させる。これにより、低分子量成分が除去された共重合体1を主成分(主生成物)とするポリマーを得ることができる。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物において、ポリマーの含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、15質量部以上であることがさらに好ましく、20質量部以上であることがとくに好ましく、30質量部以上であることが一層好ましい。
また、本実施形態の複合材料用樹脂組成物において、ポリマーの含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して100質量部以下であることが好ましく、70質量部以下であることがより好ましく、55質量部以下であることが好ましい。
このような範囲に設定することにより、前述のフェノール樹脂との適度な相互作用をもたらし、一段と耐熱性の向上に資することができる。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物において、アルコール開環(アルコールによるエステル化反応)は、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物由来の酸無水環を、アルコールとのエステル化反応により開環させることにより行うことができる。例えば、アルコール開環としては、(i)塩基としての金属アルコキシド、または(ii)アルコールおよび塩基としてのアルカリ金属の水酸化物のいずれか一方を使用することにより、行うことができる。この他、公知のエステル化方法を用いてもよい。
また、なお、塩基の存在下で、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物に由来する構造単位Aを開環することで、温和な条件(低温)で開環することができる。また、酸による触媒反応で開環する場合に比べて、塩基の存在下で開環を行うことにより、アルコール開環率を容易に制御できる。
また、上述のアルコール開環反応において、触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン触媒、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸などの酸触媒が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、フェノール樹脂によるエステル化反応は、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物由来の酸無水環を、フェノール樹脂中のフェノール性水酸基で開環させることにより行うことができる。例えば、フェノール性水酸基が無水マレイン酸に付加することにより、以下の式(5)で示されるようなハーフエステル(ただし、R、およびRは、それぞれ水素を示す。)を与えることが考えられる。この式(5)におけるエステル結合に起因し、本実施形態の複合材料用樹脂組成物を用いて形成された成形品に、高耐熱性を付与することができる。
さらに、式(5)におけるハーフエステルはカルボキシル基を含有し、これにより、耐熱性、機械強度、熱時剛性などを向上させることができると考えられる。
なお、上記無水マレイン酸に代えて、他の分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物を使用してもよい。
Figure 2018053074
(式(5)中、Rはフェノール樹脂に由来する原子団である。)
なお、本実施形態の複合材料用樹脂組成物は上述のように、式(5)で示されるようなハーフエステルを与えることが考えられる。これにより耐熱性等の効果を発現させることから、各種用途に供する前に、複合材料用樹脂組成物を加熱等することにより、上述のハーフエステルの含有割合を増加させることもできる。
この加熱の条件としては、たとえば、50〜100℃の範囲である。
また、たとえば、プロセス中において加熱工程を経るような用途に用いる場合は、前述のフェノール樹脂とポリマーとを常温下で混合し、加熱に供することなく用いることもできる。
この加熱においては、反応を促進する観点から適宜触媒を加えることができ、たとえば塩基触媒や酸触媒を加えることができる。
塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のヒドロキシ化合物、ピリジンや、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、ジメチルアニリン、ウロトロピン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン化合物、酢酸ナトリウム等の金属塩、アンモニア等を用いることができる。これらは一種を単独で用いてよいし、反応性をさらに高めるため、二種類以上の塩基触媒を組み合わせても良い。
また、酸触媒としては、硫酸や塩酸などの鉱酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸などを用いることができる。
なお、上記無水マレイン酸に代えて、他の分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物を使用してもよい。
なお、本実施形態の複合材料用樹脂組成物中において、ポリマーの分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環の全てが開環されていてもよい。また、本実施形態の複合材料用樹脂組成物中において、フェノール樹脂に備えられるフェノール性水酸基の全てがエステル結合を有していてもよい。これにより、本複合材料用樹脂組成物の硬化物について、硬度という観点での耐久性を向上させることができる。
(充填材)
本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、充填材を含むことができる。
上記充填材としては、例えば、繊維基材、有機充填材、無機充填材等が挙げられる。
繊維基材は、その形状が繊維状である繊維状充填材である。有機充填材および無機充填材は、それぞれ、粒状充填材または板状充填材のいずれでもよい。板状充填材はその形状が板状である充填材である。粒状充填材は、不定形状を含む繊維状・板状以外の形状の充填材である。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、金属繊維、ワラストナイト、アタパルジャイト、セピオライト、ロックウール、ホウ酸アルミニウムウイスカー、チタン酸カリウム繊維、炭酸カルシウムウィスカー、酸化チタンウィスカー、セラミック繊維などの繊維状無機充填材;アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などの繊維状有機充填材;が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、本実施形態においては、複合材料用樹脂組成物として、ガラス繊維を含んでもよい。
また、上記板状充填材、粒状充填材としては、例えば、タルク、カオリンクレー、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム水和物、マイカ、ガラスフレーク、ガラス粉、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、上記繊維状充填材の粉砕物などが挙げられる。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、エラストマを含有してもよい。
上記エラストマとしては、特に限定されないが、アクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリビニルブチラール(PVB)、イソプレン、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。この中でもNBRやPVBが好ましい。エラストマを用いることで特に靱性を付与することができる。
(硬化剤)
本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、必要に応じて、硬化剤を含有してもよい。
上記硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミンとフェノール誘導体との付加物、及びヘキサメトキシメチロールメラミンなどのアミン系のアルデヒド供給源、若しくは、パラホルムアルデヒド、及びポリアセタール樹脂などのアルデヒド供給源等が挙げられる。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、特性などの改質を目的として、公知の樹脂材料を組み合わせて使用することもできる。このような樹脂成分の例としては、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、ビスマレイミド(BMI)樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂が挙げられる。また必要によりこれらの複数種を組み合わせて用いることもできる。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤、硬化助剤、顔料等の添加剤を添加することができる。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物の製造方法は、上記フェノール樹脂と上記ポリマーをニーダー、ロール等で予め溶融混練し、次いで他の原料と均一に混合した後、あるいは、配合する全原料をロール、コニーダ、二軸押出し機等の混錬装置単独またはロールと他の混合装置との組み合わせで溶融混練した後、造粒または粉砕して得られる。なお、本実施形態の複合材料用樹脂組成物の形状としては、特に限定されないが、例えば、粉粒状、顆粒状、タブレット状またはシート状等が挙げられる。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物の物性について説明する。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物を用い、移送圧力:50MPa、金型温度:175℃、硬化時間:300秒の条件による移送成形により、長手方向が流動方向となるようにして成形品を作製し、熱変形温度測定装置で測定される当該成形品(複合材料用樹脂組成物の硬化物)の熱変形温度の下限値は、例えば、200℃以上であり、より好ましくは205℃以上であり、さらに好ましくは225℃以上である。これにより、成形品の熱時剛性を向上させることができる。一方で、上記熱変形温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、350℃以下としてもよい。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物を用い、移送圧力:50MPa、金型温度:175℃、硬化時間:180秒の条件による移送成形により成形品を作製し、温度:180℃、処理時間:8時間でアニールを施した後の当該成形品(複合材料用樹脂組成物の硬化物)の、流動方向に直交する方向の、ガラス転移温度以上260℃以下における平均線膨張係数(α2)の上限値は、例えば、170ppm/℃以下であり、好ましくは160ppm/℃以下であり、より好ましくは100ppm/℃以下である。これにより、成形品の熱時寸法安定性を優れたものとすることができる。一方で、上記平均線膨張係数(α2)の下限値は、特に限定されないが、例えば、10ppm/℃以上としてもよい。
本実施形態の複合材料用樹脂組成物を用い、移送圧力:50MPa、金型温度:175℃、硬化時間:180秒の条件による移送成形により成形品を作製し、温度:180℃、処理時間:8時間でアニールを施した後の当該成形品(複合材料用樹脂組成物の硬化物)の、流動方向に直交する方向の、室温以上ガラス転移温度未満における平均線膨張係数をα1とし、ガラス転移温度以上260℃以下における平均線膨張係数をα2としたとき、α2/α1の上限値は、例えば、7以下であり、好ましくは6.5以下であり、より好ましくは5以下である。これにより、成形品の室温時および熱時寸法安定性を優れたものとすることができる。一方で、上記α2/α1の下限値は、特に限定されないが、例えば、1以上としてもよい。
本実施形態の成形品は、上述した複合材料用樹脂組成物の硬化物を備えるものである。
本実施形態の成形品としては、機械的強度や熱時剛性に優れるため、たとえば、自動車、航空機、鉄道車両、船舶、事務機器、電機機器または摺動部品(摩擦材を除く)に用いられる高強度成形品が挙げられる。すなわち、本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、高強度成形品の形成に好適に用いることができる。
また、本実施形態の成形品としては、機械的強度、耐衝撃性や寸法安定性に優れるため、コンミテータ(整流子)が挙げられる。コンミテータはモーターの一部品であり、一般的には、銅セグメントと絶縁体として、複合材料用樹脂組成物の成形品により構成されている。すなわち、本実施形態の複合材料用樹脂組成物は、コンミテータ成形用樹脂組成物として好適に用いることができる。
本実施形態の成形品は、上述した複合材料用樹脂組成物を用いて製造することができる。成形品の成形方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、トランスファー成形、コンプレッション成形、インジェクション成形等を用いることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、実施例で用いた各材料については以下に示すように準備を行った。
(フェノール樹脂)
フェノール樹脂1:住友ベークライト社製、PR−53529(レゾール型フェノール樹脂、重量平均分子量(Mw):16,000)
フェノール樹脂2:住友ベークライト社製、PR−51470(ノボラック型フェノール樹脂、重量平均分子量(Mw):3,000)
(ポリマー)
ポリマー1:インデン−無水マレイン酸変性共重合体
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置中に、870gのインデン(7.5mol)と、11.5gのジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート、0.05mol)とを計量し、メチルエチルケトンに溶解させた。次に、得られた溶解液に対して窒素バブリングを実施することにより、系内の溶存酸素を除去した。次いで、溶解液を撹拌しながら加熱して70℃に到達したことを確認後、メチルエチルケトンに溶解させた735gの無水マレイン酸(7.5mol)と、メチルエチルケトンに溶解させた20.2gのn−ドデシルメルカプタン(0.10mol)とを、それぞれの口から5時間掛けて逐次添加し、添加後さらに2時間熱処理を施した。こうすることで、インデン−無水マレイン酸共重合体を得た。なお、得られたインデン−無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量(Mw)は19,000であり、分散度(Mw/Mn)は2.1であった。
850重量部のフェノール樹脂2(ノボラック型フェノール樹脂)と、150重量部のインデン−無水マレイン酸共重合体とを、250重量部のメチルエチルケトン溶液に溶解し、その後、メチルエチルケトンと、5重量部のピリジンを添加することにより樹脂成分の含有量が50重量%となるように調整し、70℃で2日間加熱した後、溶媒、ピリジンを除去してからフィルター濾過することにより、インデン−無水マレイン酸変性共重合体を得た。
ポリマー2:ノルボルネン−無水マレイン酸変性共重合体
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置中に、706gの2−ノルボルネン(7.5mol)と、735gの無水マレイン酸(7.5mol)と、69gのジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート、0.3mol)とを計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。次に、得られた溶解液に対して窒素バブリングを実施することにより、系内の溶存酸素を除去してから、60℃、15時間の条件で熱処理を施した。
得られたノルボルネン−無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量(Mw)は10000であり、分散度(Mw/Mn)は2.1であった。
850重量部のフェノール樹脂2(ノボラック型フェノール樹脂)と、150重量部のノルボルネン−無水マレイン酸共重合体とを、250重量部のメチルエチルケトン溶液に溶解し、その後、メチルエチルケトンと、5重量部のピリジンを添加することにより樹脂成分の含有量が50重量%となるように調整し、70℃で2日間加熱した後、溶媒、ピリジンを除去してからフィルター濾過することにより、ノルボルネン−無水マレイン酸変性共重合体を得た。
ポリマー3:スチレン−無水マレイン酸変性共重合体
スチレン−無水マレイン酸共重合体として、Cray ValleyUSA,LLC社製のSMA−1000−Pを準備した。
かかるスチレン−無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量(Mw)は3600であり、分散度(Mw/Mn)は2.3であった。
850重量部のフェノール樹脂2(ノボラック型フェノール樹脂)と、150重量部のスチレン−無水マレイン酸共重合体とを、250重量部のメチルエチルケトン溶液に溶解し、その後、メチルエチルケトンと、5重量部のピリジンを添加することにより樹脂成分の含有量が50重量%となるように調整し、70℃で2日間加熱した後、溶媒、ピリジンを除去してからフィルター濾過することにより、スチレン−無水マレイン酸変性共重合体を得た。
ポリマー4:インデン−無水マレイン酸共重合体
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置中に、870gのインデン(7.5mol)と、11.5gのジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート、0.05mol)とを計量し、メチルエチルケトンに溶解させた。次に、得られた溶解液に対して窒素バブリングを実施することにより、系内の溶存酸素を除去した。次いで、溶解液を撹拌しながら加熱して70℃に到達したことを確認後、メチルエチルケトンに溶解させた735gの無水マレイン酸(7.5mol)と、メチルエチルケトンに溶解させた20.2gのn−ドデシルメルカプタン(0.10mol)とを、それぞれの口から5時間掛けて逐次添加し、添加後さらに2時間熱処理を施した。こうすることで、インデン−無水マレイン酸共重合体を得た。なお、得られたインデン−無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量(Mw)は19,000であり、分散度(Mw/Mn)は2.1であった。
(充填材)
充填材1:ガラス繊維(日本板硝子社製、RES03−BM38(平均繊維径11μm、平均繊維長3mmのチョップドストランド))
(硬化剤)
硬化剤1:ヘキサメチレンテトラミン
(添加剤)
硬化助剤1:秩父石灰工業社製、消石灰
離型剤1:日本油脂社製、ステアリン酸
顔料1:三菱化学社製、カーボンブラック#750B
(複合材料用樹脂組成物の調整)
各実施例、比較例について、表1に示される配合量で、各成分を配合し、約90℃の加熱ロールで約5分間混練し、冷却後粉砕して複合材料用樹脂組成物を得た。
Figure 2018053074
(成形品)
得られた複合材料用樹脂組成物を用い、移送圧力:50MPa、金型温度:175℃、硬化時間:180秒の条件による移送成形により、成形品を作製し、温度:180℃、処理時間:8時間でアニールを施すことで、試験片を得た。
(曲げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度、シャルピー衝撃値)
得られた試験片を、JIS K 6911に準拠して、室温25℃における、曲げ強度、曲げ弾性率、圧縮強度およびシャルピー衝撃値を測定した。評価結果を表1に示す。
得られた試験片について、熱機械測定装置(TAインスツルメント社製)を用い、空気雰囲気下、圧縮モードで昇温速度5℃/min、温度25〜330℃、荷重100mN、1サイクル測定を行った。流動方向に直交する方向の、室温25℃以上ガラス転移温度未満における平均線膨張係数をα1とし、ガラス転移温度以上260℃以下における平均線膨張係数をα2とした。
(ガラス転移温度(Tg))
得られた試験片から流動方向に直交する方向が長手方向となるようにして4mm×4mm×10mmのサンプルを切り出し、当該サンプルを使用し、JIS K 6911に準拠して、セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS6100を用いて測定を行い、流動方向に直交する方向の、各チャートのガラス転移温度の平均値を算出した。
(熱変形温度(HDT))
得られた複合材料用樹脂組成物を用い、移送圧力:50MPa、金型温度:175℃、硬化時間:300秒の条件による移送成形により、長手方向が流動方向となるようにして成形品を作製した。
熱変形温度を次のように測定した。JIS K 6911に準拠して、得られた成形品の中央に一定の曲げ荷重(1.8MPa)を加え(フラットワイズ方向)、等速度で昇温させ、中央部のひずみが0.26mmに達したときの伝熱媒体の温度(℃)を測定した。測定は2回行い平均値を評価した。
実施例1から5の複合材料用樹脂組成物により、高強度、高弾性などの強靱性に優れ、耐衝撃性、低線膨張性、および熱時剛性に優れる成形品を実現できた。

Claims (9)

  1. 成形品の形成に用いる複合材料用樹脂組成物であって、
    フェノール樹脂と、
    下記式(1)で示される繰り返し構造単位を含むポリマーと、
    を含む、複合材料用樹脂組成物。
    Figure 2018053074
    (式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
  2. 請求項1に記載の複合材料用樹脂組成物であって、
    充填材をさらに含む、複合材料用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の複合材料用樹脂組成物であって、
    当該複合材料用樹脂組成物を用い、移送圧力:50MPa、金型温度:175℃、硬化時間:300秒の条件による移送成形により、長手方向が流動方向となるようにして成形品を作製し、熱変形温度測定装置で測定される前記成形品の熱変形温度は、200℃以上である、複合材料用樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の複合材料用樹脂組成物であって、
    当該複合材料用樹脂組成物を用い、移送圧力:50MPa、金型温度:175℃、硬化時間:180秒の条件による移送成形により成形品を作製し、温度:180℃、処理時間:8時間でアニールを施した後の前記成形品の、流動方向に直交する方向の、ガラス転移温度以上260℃以下における平均線膨張係数(α2)は、10ppm/℃以上170ppm/℃以下である、複合材料用樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の複合材料用樹脂組成物であって、
    当該複合材料用樹脂組成物を用い、移送圧力:50MPa、金型温度:175℃、硬化時間:180秒の条件による移送成形により成形品を作製し、温度:180℃、処理時間:8時間でアニールを施した後の前記成形品の、流動方向に直交する方向の、室温以上ガラス転移温度未満における平均線膨張係数をα1とし、ガラス転移温度以上260℃以下における平均線膨張係数をα2としたとき、α2/α1が、1以上7以下である、複合材料用樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の複合材料用樹脂組成物であって、
    前記式(1)で示される繰り返し構造単位の備える酸無水物部位と、前記フェノール樹脂に備えられるフェノール性水酸基とがエステル結合を介して結合した化合物を含む、複合材料用樹脂組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の複合材料用樹脂組成物であって、
    前記ポリマーは以下の式(2)で示すノルボルネン型モノマーに由来する構造単位、式(3)で示すスチレン系モノマーに由来する構造単位、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する構造単位、または式(8)で示すマレイミド系モノマーに由来する構造単位からなる群から選択される一種以上をさらに含む、複合材料用樹脂組成物。
    Figure 2018053074
    (式(2)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。nは0、1または2である。)
    Figure 2018053074
    (式(3)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜30の有機基である。mは0以上5以下の整数である。)
    Figure 2018053074
    (式(7)中、RからR11はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基である。)
    Figure 2018053074
    (式(8)中、R12は独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。)
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の複合材料用樹脂組成物であって、
    前記成形品が、自動車、航空機、鉄道車両、船舶、事務機器、電機機器または摺動部品に用いられるものである、複合材料用樹脂組成物。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の複合材料用樹脂組成物の硬化物を備える成形品。
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