JPH06107902A - フェノール樹脂組成物 - Google Patents
フェノール樹脂組成物Info
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- JPH06107902A JPH06107902A JP4262298A JP26229892A JPH06107902A JP H06107902 A JPH06107902 A JP H06107902A JP 4262298 A JP4262298 A JP 4262298A JP 26229892 A JP26229892 A JP 26229892A JP H06107902 A JPH06107902 A JP H06107902A
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Abstract
レゾール樹脂25.5重量部、ノボラック樹脂(重量平
均分子量6500)10.5重量部、部分架橋NBR(架橋率
0.8%)8重量部、ガラス繊維51.5重量部、その他
4.5重量部からなるフェノール樹脂成形材料用組成
物。 【効果】 機械強度、特に衝撃強度が優れ、耐熱性が良
好で、かつ成形時の流動性に優れたものであり、複雑な
形状の成形品の成形にも適しており、自動車部品等の金
属部品のプラスチック部品への置換を大幅に促進するも
のである。
Description
ック樹脂、部分架橋NBR、無機充填材を配合すること
により、曲げ強度、引張り強度等の静的強度と衝撃強度
及び耐熱性が高位にバランスした特性を与え、かつ流動
性がよく射出形成にも優れたフェノール樹脂組成物に関
するものである。
安定性、成形性等に優れ、自動車、電気、電子等の基幹
産業分野で使用されてきた。特に最近では自動車分野に
おいて鉄、アルミ、亜鉛等を使用した金属部品をガラス
繊維強化フェノール樹脂成形品に代替えすることによっ
てコストダウンを計る試みが積極的になされている。し
かし、フェノール樹脂を始めとする熱硬化樹脂組成物
は、耐熱性に優れるという利点を持ちながら、その架橋
構造から逆に非常に脆くて、割れやすいという欠点を持
ち、これが金属部品への適用拡大を疎外してきた一因と
なっている。この欠点を改善する試み、すわなち耐衝撃
性の付与は過去に多数くなされてきた。例えば、ヘンシ
ェルミキサー、スーパーミキサー等で材料化された一般
にチップ材と称される成形材料、或いはガラスロービン
グにフェノールワニスを含浸させ乾燥して溶媒を除去し
たプリプレグを適当な長さに切断した材料等があるが、
これらの成形材料はシャルピー衝撃強度が前者で5〜1
2kgcm/cm2、後者で50〜100kgcm/cm2と非常に高い
値を示す。しかし、いずれも充填材と基材との密着性が
低下し静的強度が極端に低下する。また後者では圧縮成
形のみと成形方法が限定されてしまう欠点がある。
書でレゾール樹脂/ノボラック樹脂併用の系にカルボキ
シル変性NBR(アクリロニトリルブタジエンラバー)
を添加し、無機充填材で強化することにより、耐熱性に
優れ、衝撃強度と静的強度が高位にバランスした成形材
料が得られることを提唱した。ここで使用されるカルボ
キシル変性NBRはSP値が9〜10のものが推奨され
ているが、カルボキシル基の存在はSP値を高くするた
め、同じSP値を持つ一般的なNBRのブタジエン、ア
ルリロニトリル結合比とは異なる結合比を持つ。さらに
樹脂が硬化する際にカルボキシル基が反応に関与するた
め、同じSP値を持つNBRを添加した場合と比較し成
形時の溶融粘度が非常に高い。そのため複雑な形状をし
た金型では、高い熱安定性を持ちながら充填不良が生じ
ることがあった。以上、述べた様に耐熱性に優れ、静的
強度と衝撃強度にバランスがとれ、更に流動性に優れた
フェノール樹脂成形材料は今までに得られていなかっ
た。
ンルーム内に使用される部品は3〜40Gの振動と、1
50〜200℃の温度、又、走行中に石が跳ねる等の環
境条件にさらされる。従来、金属である部品を樹脂に置
換するためには、これらの諸条件に抗するだけの特性を
有していなければならない。本発明者は、このような部
品に対応可能な材料を提供せんとして鋭意研究を重ねた
結果、耐熱性に優れ、静的強度と衝撃強度が高位にバラ
ンスして、かつ生産性良く射出成形可能な材料を得る方
法を見い出したのである。
20〜40重量部、ノボラック樹脂3〜15重量部、部
分架橋NBR3〜10重量部、無機充填材35〜65重
量部からなるフェノール樹脂組成物であり、曲げ強度、
引張り強度等の静的強度と衝撃強度及び耐熱性が高位に
バランスした特性を与え、かつ、流動性がよく、射出成
型性にも優れたフェノール樹脂成形材料を提供するもの
である。ここで使用されるレゾール樹脂はジメチレンエ
ーテル型でもメチロール型でもよく、単独でも併用でも
よいが、ジメチレンエーテル型レゾール樹脂を50重量
%以上使用するのが好ましい。軟化点(ボールリング
法)は70℃以上であることが好ましい。次にノボラッ
ク樹脂は通常いかなる分子量のものでも使用可能である
が、重量平均分子量が4000以上の比較的高分子量の
ものであれば好ましく使用でき、特に5000〜900
0のものが好ましい。
は成形材料化時における安定生産性である。もう一つは
硬化物の靭性向上効果である。例えば樹脂系をレゾール
のみにすると、衝撃強度の大幅な向上は望めないし、成
形材料化時のフローコントロールが難しい。又、ノボラ
ック併用系でもノボラックの重量平均分子量が大きいほ
ど衝撃強度は高くなる傾向がある。即ち、ノボラック併
用系、特に重量平均分子量4000以上の高分子量ノボ
ラック併用系の硬化物がミクロ硬化物の集合体ではな
く、一つの均一な硬化物になると考えられる。また、重
量平均分子量が9000以上になると系全体の粘度が高
すぎて、成形材料化が困難となり、成形材料化できても
射出成形が困難となる傾向がある。ノボラックのオルソ
/パラ結合比(O/P比)は特に限定するものではない
が、ノボラックの配合割合が多い場合(例えば、フェノ
ール樹脂中35重量%以上)、1.0以上のものを使用
すれば、コストアップになるが、成形時の硬化性が良く
なる特長が得られる。
0/40〜95/5であれば使用可能であり、70/3
0〜90/10が効果的である。レゾール比率を高くす
ると衝撃強度が低下し、又ノボラック比率をこの範囲以
上にすると硬化性が悪くなるので、特許請求の範囲が好
ましいのである。本発明においては、ヘキサメチレンテ
トラミンを使用する必要はない。相対的に少量であるノ
ボラックはレゾールと反応して樹脂全体として三次元架
橋して硬化し、良好な特性の硬化物が得られる。
タジエンの二重結合とアクリロニトリルを架橋させたも
のを適当な割合で添加し重合させたものであり、ノーマ
ルなアクリロニトリルブタジエンに対する架橋部分の比
率は通常3%以下である。しかし、架橋の比率が高いと
樹脂との相溶性が悪くなるため、1%以下の比率で架橋
しているものが好ましい。また、アクリロニトリルとブ
ダジエンの結合比率はフェノール樹脂との相溶性を考え
てSP値9〜10程度に調整されているのが好ましい。
部分架橋NBRの分子量は特に限定しないが、ロール作
業性を考慮すれば20万から50万程度が望ましい。
レー、未焼成クレー、マイカ、シリカ、ワォラステナイ
ト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラス
繊維、アルミナ繊維等が単独又は併用することが可能で
ある。特に、少なくとも無機充填材の50〜60%をガ
ラス繊維、アルミナ繊維を使用すれば、衝撃強度が向上
し、一層効果的である。更に、充填材と樹脂の密着性を
上げるのに、アミノシラン、エポキシシラン等のカップ
リング剤を使用すれば、強度、耐熱性向上に効果的であ
る。
度等の静的強度と衝撃強度及び耐熱性が高位にバランス
した特性を与えるフェノール樹脂組成物を提供するもの
で、レゾール樹脂20〜40重量部(好ましくは、25
〜35重量部)、ノボラック樹脂3〜15重量部(好ま
しくは、6〜12重量部)、部分架橋NBR3〜10重
量部(好ましくは、5〜9重量部)、無機充填材35〜
65重量部(好ましくは45〜60重量部)及び通常フ
ェノール樹脂成形材料に使用される顔料、離型剤、硬化
促進剤等の原材料を均一混合した後、ロール、コニーダ
ー、二軸押出機等の混練機等で加熱混練、粉砕して作ら
れる。レゾール樹脂、ノボラック樹脂、部分架橋NBR
及び無機充填材は、これら4成分の合計量100重量部
に対して、上記割合で配合するのが好ましい。
前述の通り60/40〜95/5の範囲が使用可能であ
る。こられのフェノール樹脂の合計量は通常成形材料中
25〜55重量部である。25重量部以下であると、樹
脂分が少ないため成形性が悪くなり、成型品の種々の特
性が低下するようになる。一方、55重量部以上である
と、成形材料製造時の作業性が劣り、硬化時の揮発分も
多くなるため、射出成形が難しくなってくる。また成形
収縮が大きく、成形物の強度も低下する傾向がでてく
る。フェノール樹脂の好ましい配合割合は30〜40重
量部である。必要により前述した混練物を冷却前に押出
造粒機を等しくしてペレット化することも可能である。
このようにして得られた本発明の衝撃強度に優れたフェ
ノール樹脂組成物は、自動車エンジンルーム内に装着さ
れるスタータモーター部品、耐熱強度を要求されるコン
ミテータ等に適用できる。
する。「部」は「重量部」である。 《実施例1》 (A)ジメチレンエーテル型レゾール 25.5部 (住友デュレズ(株)製PR−53529) (B)重量平均分子量6500のノボラック 10.5 (仕込みモル比0.88、シュウ酸触媒、O/P比=0.8) (C)部分架橋NBR PNC−38 8 (日本合成ゴム(株)製:架橋率0.8%、SP値9.7) (D)ガラス繊維(日本電気ガラス(株)製 ECSO15B154H) 51.5 (E)顔料、離型剤 他 4.5 を均一混合し加熱ロールで混練し、成形材料化した。
した。
記の評価を実施し、その結果を表1及び表2に示す。
11によりトランスファー成形した試験片を180℃、
8時間加熱エージングした後、シャルピー衝撃試験機で
測定した。 (2)曲げ強度、曲げ弾性率、引張強度:JIS K 6
911によりトランスファー成形した試験片を180
℃、8時間加熱エージングした後、東洋ボールドウィン
(株)テンシロンにて測定した。 (3)熱変形温度 ASTM D648によりトランスファー成形した試験
片を180℃、8時間加熱エージングした後、東洋精機
(株)熱変形温度試験機で測定した。 (4)溶融粘度 島津製作所(株)の高化式フローテスターCFT−500
Cを使用して130℃での溶融粘度を測定し、流動性の
評価とした。
てガラス繊維を使用した場合は曲げ強度がそれぞれ2
2.0kg/mm2、18.0kg/mm2と高い値を示し、かつシ
ャルピー衝撃強度は10.5kgcm/cm2、9.0kgcm/cm2
と射出成形可能なフェノール樹脂成形材料とては非常に
高い強度を示す。また、熱変形温度の低下も見られな
い。実施例3は無機充填材としてガラス繊維とクレーを
併用し、実施例4はクレーとワォラストナイトを併用し
た場合であるが、それぞれガラス繊維のみの場合と同様
に、静的強度、耐熱性を維持しながら高い衝撃強度を示
す。
た場合であるが、本発明のフェノール樹脂組成物と同等
な強度と耐熱性が得られる。しかし、130℃での溶融
粘度を比較すると、1オーダ以上高い値であり、複雑な
形状を有する成形品の成形には不適当である。比較例2
はフェノール樹脂をレゾールのみとしたものであるが、
衝撃強度の改善は小さい。比較例3はノーマルなNBR
を使用した場合であり、衝撃強度の向上は得られるもの
の本発明のフェノール樹脂組成物のレベルまでには至ら
ない。比較例4はノボラック樹脂とヘキサメチレンテト
ラミンの系であるが、衝撃強度の向上は小さい。
ール樹脂にノボラック樹脂、部分架橋NBR、無機充填
材を配合することにより、機械強度、特に衝撃強度が優
れ、耐熱性が良好で、かつ成形時の流動性に優れたもの
であり、複雑な形状の成形品の成形にも適しており、自
動車部品等の金属部品のプラスチック部品への置換を大
幅に促進するものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 (1) レゾール樹脂20〜40重量部、
(2) ノボラック樹脂3〜15重量部、(3) 部分架橋NB
R3〜10重量部、(4) 無機充填材35〜65重量部を
主成分とすることを特徴とするフェノール樹脂組成物。 - 【請求項2】 レゾール樹脂がメチロール型レゾール樹
脂及び又はジメチレンエーテル型レゾール樹脂であり、
ノボラック樹脂が重量平均分子量5000〜9000で
あることを特徴とする請求項1記載ののフェノール樹脂
組成物。 - 【請求項3】 無機充填材中ガラス繊維が50重量%以
上であることを特徴とする請求項1記載のフェノール樹
脂組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4262298A JPH06107902A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | フェノール樹脂組成物 |
US08/041,461 US5336723A (en) | 1992-09-30 | 1993-04-02 | Phenolic resin molding materials |
EP93105496A EP0590233B1 (en) | 1992-09-30 | 1993-04-02 | Phenolic resin molding materials |
DE69313224T DE69313224T2 (de) | 1992-09-30 | 1993-04-02 | Phenolharzformmassen |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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Publications (1)
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---|---|
JPH06107902A true JPH06107902A (ja) | 1994-04-19 |
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ID=17373844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4262298A Pending JPH06107902A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | フェノール樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06107902A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006307186A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-11-09 | Asahi Organic Chem Ind Co Ltd | 成形材料用熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた成形材料並びに成形体 |
JP2018053074A (ja) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 住友ベークライト株式会社 | 複合材料用樹脂組成物および成形品 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0532863A (ja) * | 1991-08-01 | 1993-02-09 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 衝撃強度に優れるフエノール樹脂組成物 |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP4262298A patent/JPH06107902A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0532863A (ja) * | 1991-08-01 | 1993-02-09 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 衝撃強度に優れるフエノール樹脂組成物 |
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JP2006307186A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-11-09 | Asahi Organic Chem Ind Co Ltd | 成形材料用熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた成形材料並びに成形体 |
JP2018053074A (ja) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 住友ベークライト株式会社 | 複合材料用樹脂組成物および成形品 |
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