JP3154806B2 - フェノール樹脂組成物 - Google Patents
フェノール樹脂組成物Info
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- JP3154806B2 JP3154806B2 JP11633692A JP11633692A JP3154806B2 JP 3154806 B2 JP3154806 B2 JP 3154806B2 JP 11633692 A JP11633692 A JP 11633692A JP 11633692 A JP11633692 A JP 11633692A JP 3154806 B2 JP3154806 B2 JP 3154806B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れた成形品
をうるために用いられるバインダーであって、耐熱性、
成形性、基材との密着性に優れたフェノール樹脂組成物
に関するものである。
をうるために用いられるバインダーであって、耐熱性、
成形性、基材との密着性に優れたフェノール樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノ−ル樹脂の耐熱性改良の方法とし
ては、フェノ−ル樹脂中のフェノ−ル性水酸基の硼酸、
燐酸、硅素化合物等によってブロックする方法、核間メ
チレンの代りに耐熱性の高いアラルキル基をはじめとす
る芳香族炭化水素基を導入する方法、他の各種耐熱性樹
脂を配合する方法等が知られている。しかしながら、フ
ェノール性水酸基をブロックする方法や芳香族炭化水素
基を導入する方法では、耐熱性は向上するもののフェノ
−ル樹脂としての硬化性が損われるという欠点がある。
一方、各種耐熱性樹脂の配合法では、耐熱性がフェノ−
ル樹脂より優れる樹脂は一般に融点が高く、相溶性も悪
い場合が多く、配合自体が困難であるという問題があっ
た。
ては、フェノ−ル樹脂中のフェノ−ル性水酸基の硼酸、
燐酸、硅素化合物等によってブロックする方法、核間メ
チレンの代りに耐熱性の高いアラルキル基をはじめとす
る芳香族炭化水素基を導入する方法、他の各種耐熱性樹
脂を配合する方法等が知られている。しかしながら、フ
ェノール性水酸基をブロックする方法や芳香族炭化水素
基を導入する方法では、耐熱性は向上するもののフェノ
−ル樹脂としての硬化性が損われるという欠点がある。
一方、各種耐熱性樹脂の配合法では、耐熱性がフェノ−
ル樹脂より優れる樹脂は一般に融点が高く、相溶性も悪
い場合が多く、配合自体が困難であるという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、フェノ−
ル樹脂の硬化性を損うことなしに、フェノ−ル樹脂の耐
熱性を向上せんとして、フェノ−ル樹脂の耐熱性向上用
配合剤としてのマレイミド樹脂に注目し、鋭意研究した
結果、芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合物が配合
剤として優れる事を見出し、さらこの知見に基づき種々
の研究を進めて本発明を完成するに至ったものである。
ル樹脂の硬化性を損うことなしに、フェノ−ル樹脂の耐
熱性を向上せんとして、フェノ−ル樹脂の耐熱性向上用
配合剤としてのマレイミド樹脂に注目し、鋭意研究した
結果、芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合物が配合
剤として優れる事を見出し、さらこの知見に基づき種々
の研究を進めて本発明を完成するに至ったものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ジアミ
ン又はポリアミン化合物、及びエチレン型炭素−炭素二
重結合をもつジカルボン酸又はこれらの反応性誘導体と
から誘導される不飽和ビスマレイミド化合物と、芳香族
炭化水素とホルムアルデヒドとを酸触媒存在下で反応さ
せて得られる芳香族炭化水素ホルムアルデヒド反応物と
が結合してなる芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合
物をフェノール樹脂に対して10〜70重量%混合して
なることを特徴とするフェノール樹脂組成物に関するも
のである。
ン又はポリアミン化合物、及びエチレン型炭素−炭素二
重結合をもつジカルボン酸又はこれらの反応性誘導体と
から誘導される不飽和ビスマレイミド化合物と、芳香族
炭化水素とホルムアルデヒドとを酸触媒存在下で反応さ
せて得られる芳香族炭化水素ホルムアルデヒド反応物と
が結合してなる芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合
物をフェノール樹脂に対して10〜70重量%混合して
なることを特徴とするフェノール樹脂組成物に関するも
のである。
【0005】本発明における耐熱性向上用配合剤として
の芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合物の配合量は
10重量%以上70重量%以下が好ましく、10重量%
以下では耐熱性の向上効果が小さく、また、70重量%
以上では配合してもほとんど耐熱性は変化しない。この
ような耐熱性向上のための芳香族炭化水素変性マレイミ
ド樹脂化合物を製造するには、芳香族ジアミン又はポリ
アミン化合物と芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂、
ジメチロ−ル化芳香族炭化水素、ジメトキシメチル化芳
香族炭化水素、ジハロゲノメチル化芳香族炭化水素等を
酸触媒の存在化で求核反応させて芳香族炭化水素変性ポ
リアミンとした後、更にこれにエチレン型炭素−炭素二
重結合を有するジカルボン酸無水物を常法により反応さ
せて芳香族炭化水素変性マレイミド化合物とし、溶融下
にジアミンまたはポリアミン化合物を反応させることで
得られる。
の芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合物の配合量は
10重量%以上70重量%以下が好ましく、10重量%
以下では耐熱性の向上効果が小さく、また、70重量%
以上では配合してもほとんど耐熱性は変化しない。この
ような耐熱性向上のための芳香族炭化水素変性マレイミ
ド樹脂化合物を製造するには、芳香族ジアミン又はポリ
アミン化合物と芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂、
ジメチロ−ル化芳香族炭化水素、ジメトキシメチル化芳
香族炭化水素、ジハロゲノメチル化芳香族炭化水素等を
酸触媒の存在化で求核反応させて芳香族炭化水素変性ポ
リアミンとした後、更にこれにエチレン型炭素−炭素二
重結合を有するジカルボン酸無水物を常法により反応さ
せて芳香族炭化水素変性マレイミド化合物とし、溶融下
にジアミンまたはポリアミン化合物を反応させることで
得られる。
【0006】一方、本発明において用いられるフェノ−
ル樹脂はフェノ−ル類とアルデヒド類との反応で合成さ
れる通常のフェノ−ル樹脂でよく、酸触媒で合成される
ノボラックタイプでも、アルカリ触媒で合成されるレゾ
−ルタイプでもよく、更に各種の変性剤で変性された変
性フェノ−ル樹脂でもよい。これらのフェノ−ル樹脂に
対して上述の芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合物
の配合は、単に粉砕混合、溶液混合又は溶融混合、ある
いは一部反応させる方法でもよい。前記の中間原料であ
る芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合物用変性剤で
ある芳香族炭化水素ホルムアルデヒド反応物等を得るた
めの芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレ
ン等の低級アルキルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、クロ
ロトルエン、クロロキシレン、ブロモキシレン、ジブロ
モキシレンなどのハロゲン化ベンゼン又はハロゲン化低
級アルキルベンゼンなどである。
ル樹脂はフェノ−ル類とアルデヒド類との反応で合成さ
れる通常のフェノ−ル樹脂でよく、酸触媒で合成される
ノボラックタイプでも、アルカリ触媒で合成されるレゾ
−ルタイプでもよく、更に各種の変性剤で変性された変
性フェノ−ル樹脂でもよい。これらのフェノ−ル樹脂に
対して上述の芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合物
の配合は、単に粉砕混合、溶液混合又は溶融混合、ある
いは一部反応させる方法でもよい。前記の中間原料であ
る芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂化合物用変性剤で
ある芳香族炭化水素ホルムアルデヒド反応物等を得るた
めの芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メシチレ
ン等の低級アルキルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、クロ
ロトルエン、クロロキシレン、ブロモキシレン、ジブロ
モキシレンなどのハロゲン化ベンゼン又はハロゲン化低
級アルキルベンゼンなどである。
【0007】ここで用いられる芳香族ジアミン又はポリ
アミンとしては、メタフェニレンジアミン、パラフェニ
レンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プ
ロパン、4.4’−ジアミノジフェニルメタン、1,
3,5−トリアミノベンゼン、ビス(4−アミノフェニ
ル)ジフェニルシラン、ビス(4−アミノフェニル)メ
チルフォスフィンオキサイド、ビス(3−アミノフェニ
ル)メチルフォスフィンオキサイド、ビス(4−アミノ
フェニル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(4
−アミノフェニル)フェニルアミン、メタキシリレンジ
アミン、パラキシリレンジアミン、1,1−ビス(p−
アミノフェニル)フタラン、6,6’−ジアミノ−2.
2’−ジピリジル、4,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、ビス(4−アミ
ノフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−アミ
ノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−アミ
ノ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、2,5−ビ
ス(m−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ
−ル、2,5−ビス(p−アミノフェニル)−1,3,
4−オキサジアゾ−ル、2,5−ビス(m−アミノフェ
ニル)チアゾロ(4,5−α)チアゾ−ル、5,5’−
ビス(m−アミノフェニル)−2,2’−ビス(1,
3,4−オキサジアゾリル)ジフェニルスルフィド、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエ−テル、2,6−ジアミノピリジン、トリス(4
−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(4−ア
ミノフェニル)N−メチルアミン、1,5−ジアミノナ
フタリン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,5−
ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾ−ル、2,4−ビ
ス(β−アミノ−tert−ブチル)トルエン、ビス
(p−β−アミノ−tert−ブチルフェニル)エ−テ
ル、ビス(p−β−メチル−α−アミノフェニル)ベン
ゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノペン
チル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェ
ニルジアミン、4,4’−ビス(p−アミノフェニル)
−2,2’−ジチアゾ−ル、m−ビス(4−p−アミノ
フェニル−2−チアゾリル)ベンゼン、2,2’−ビス
(m−アミノフェニル)−5,5’−ジベンズイミダゾ
−ル、4,4’−ジベンズアニリド、4,4’−ジアミ
ノフェニルベンゾエ−ト、N,N’−ビス(4−アミノ
ベンジル)−p−フェニレンジアミン、3,5−ビス
(m−アミノフェニル)−4−フェニル−1,2,4−
トリアゾ−ル等が挙げられる。更に、本発明の芳香族系
アミン化合物には、メラミン、シクロヘキサンカルボグ
アナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のト
リアジン環化合物なども含まれる。また、これらは単独
であっても、2種以上混合したもので有ってもよい。
アミンとしては、メタフェニレンジアミン、パラフェニ
レンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プ
ロパン、4.4’−ジアミノジフェニルメタン、1,
3,5−トリアミノベンゼン、ビス(4−アミノフェニ
ル)ジフェニルシラン、ビス(4−アミノフェニル)メ
チルフォスフィンオキサイド、ビス(3−アミノフェニ
ル)メチルフォスフィンオキサイド、ビス(4−アミノ
フェニル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(4
−アミノフェニル)フェニルアミン、メタキシリレンジ
アミン、パラキシリレンジアミン、1,1−ビス(p−
アミノフェニル)フタラン、6,6’−ジアミノ−2.
2’−ジピリジル、4,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、ビス(4−アミ
ノフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−アミ
ノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−アミ
ノ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、2,5−ビ
ス(m−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ
−ル、2,5−ビス(p−アミノフェニル)−1,3,
4−オキサジアゾ−ル、2,5−ビス(m−アミノフェ
ニル)チアゾロ(4,5−α)チアゾ−ル、5,5’−
ビス(m−アミノフェニル)−2,2’−ビス(1,
3,4−オキサジアゾリル)ジフェニルスルフィド、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエ−テル、2,6−ジアミノピリジン、トリス(4
−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(4−ア
ミノフェニル)N−メチルアミン、1,5−ジアミノナ
フタリン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,5−
ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾ−ル、2,4−ビ
ス(β−アミノ−tert−ブチル)トルエン、ビス
(p−β−アミノ−tert−ブチルフェニル)エ−テ
ル、ビス(p−β−メチル−α−アミノフェニル)ベン
ゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノペン
チル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェ
ニルジアミン、4,4’−ビス(p−アミノフェニル)
−2,2’−ジチアゾ−ル、m−ビス(4−p−アミノ
フェニル−2−チアゾリル)ベンゼン、2,2’−ビス
(m−アミノフェニル)−5,5’−ジベンズイミダゾ
−ル、4,4’−ジベンズアニリド、4,4’−ジアミ
ノフェニルベンゾエ−ト、N,N’−ビス(4−アミノ
ベンジル)−p−フェニレンジアミン、3,5−ビス
(m−アミノフェニル)−4−フェニル−1,2,4−
トリアゾ−ル等が挙げられる。更に、本発明の芳香族系
アミン化合物には、メラミン、シクロヘキサンカルボグ
アナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のト
リアジン環化合物なども含まれる。また、これらは単独
であっても、2種以上混合したもので有ってもよい。
【0008】ジアミン及びポリアミン化合物としては、
上記芳香族ジアミン又はポリアミン以外に、脂肪族、環
状脂肪族、複素系のジアミンまたはポリアミン化合物が
使用でき、ジアミノジメチルシロキサン等のシリコーン
化合物も使用できる。ここで用いられる芳香族炭化水素
ホルムアルデヒド反応物としては、芳香族炭化水素とホ
ルムアルデヒドを酸触媒の存在下に反応させたものであ
るが、その後中和洗浄し、減圧下にジアリルメタン類及
び他の低沸点留分を除去して製造されたものが好まし
く、含酸素率8%以上でジアリルメタンの様な反応性の
無い2核体成分は極力存在しないことが好ましい。酸触
媒としては、蓚酸、パラトルエンスルホン酸、キシレン
スルホン酸、フェノ−ルスルホン酸等の有機酸や塩酸、
硫酸といった無機酸が使用できる。不飽和ジカルボン酸
無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水シトラコ
ン酸、無水イタコン酸、無水ピロシンコン酸、無水ジク
ロロマレイン酸等のα.β−不飽和ジカルボン酸無水物
あるいはこれらの無水物のうちの1つと非環状、脂環ま
たは複素環状ジエン、例えば、シクロペンタジエン等と
のディ−ルスアルダ−反応生成物等が挙げられる。
上記芳香族ジアミン又はポリアミン以外に、脂肪族、環
状脂肪族、複素系のジアミンまたはポリアミン化合物が
使用でき、ジアミノジメチルシロキサン等のシリコーン
化合物も使用できる。ここで用いられる芳香族炭化水素
ホルムアルデヒド反応物としては、芳香族炭化水素とホ
ルムアルデヒドを酸触媒の存在下に反応させたものであ
るが、その後中和洗浄し、減圧下にジアリルメタン類及
び他の低沸点留分を除去して製造されたものが好まし
く、含酸素率8%以上でジアリルメタンの様な反応性の
無い2核体成分は極力存在しないことが好ましい。酸触
媒としては、蓚酸、パラトルエンスルホン酸、キシレン
スルホン酸、フェノ−ルスルホン酸等の有機酸や塩酸、
硫酸といった無機酸が使用できる。不飽和ジカルボン酸
無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水シトラコ
ン酸、無水イタコン酸、無水ピロシンコン酸、無水ジク
ロロマレイン酸等のα.β−不飽和ジカルボン酸無水物
あるいはこれらの無水物のうちの1つと非環状、脂環ま
たは複素環状ジエン、例えば、シクロペンタジエン等と
のディ−ルスアルダ−反応生成物等が挙げられる。
【0009】ここで用いられるフェノール樹脂は、フェ
ノール類とアルデヒド類とを、酸触媒で反応させたノボ
ラックタイプ又はアルカリ触媒で反応させたレゾールタ
イプであり、さらに各種の変性剤で変性された変性フェ
ノール樹脂でもよい。フェノール類としては、フェノー
ル、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、キシレノール、パラターシャリーブチルフェノー
ル、パラクミルフェノール、パラフェニルフェノール、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、ビスフェノールエーテル、レゾルシン、ハイドロキ
ノンなどが使用できる。アルデヒド類としては、ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベ
ンズアルデヒド、アクロレイン及びこれらの混合物、又
はこれらアルデヒド類の発生源となる物質、あるいはこ
れらアルデヒド類の溶液などを使用することができる。
酸触媒としては、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、コハ
ク酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸クロラ
イド、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等
の有機酸および、硼酸、燐酸、塩酸、硫酸等の無機酸が
使用できる。アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、
アンモニアおよびアミン類が使用できる。
ノール類とアルデヒド類とを、酸触媒で反応させたノボ
ラックタイプ又はアルカリ触媒で反応させたレゾールタ
イプであり、さらに各種の変性剤で変性された変性フェ
ノール樹脂でもよい。フェノール類としては、フェノー
ル、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、キシレノール、パラターシャリーブチルフェノー
ル、パラクミルフェノール、パラフェニルフェノール、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、ビスフェノールエーテル、レゾルシン、ハイドロキ
ノンなどが使用できる。アルデヒド類としては、ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベ
ンズアルデヒド、アクロレイン及びこれらの混合物、又
はこれらアルデヒド類の発生源となる物質、あるいはこ
れらアルデヒド類の溶液などを使用することができる。
酸触媒としては、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、コハ
ク酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸クロラ
イド、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等
の有機酸および、硼酸、燐酸、塩酸、硫酸等の無機酸が
使用できる。アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、
アンモニアおよびアミン類が使用できる。
【0010】以上の如くにして得られた芳香族炭化水素
変性マレイミド樹脂化合物を含有するフェノ−ル樹脂組
成物に対して、更に、ビニル化合物、アリル化合物、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリカーボネ
ート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、有機シリ
コーン化合物、有機フッ素化合物等と反応又は混合して
もよい。更に、硬化促進剤として 例えばアゾ化合物、
有機過酸化物等のラジカル重合開始剤、三級アミン類、
四級アンモニウム塩、ホスホニウム化合物、イミダゾー
ル類、三フッ化ホウ素化合物、アミン塩等のイオン類を
添加してもよい。必要に応じて、これら以外の有機又は
無機の添加剤、充填剤を添加してもよい。また、これら
の成分の添加混合は単に粉砕混合でも溶液混合や溶融混
合でもよく、樹脂組成物としては 粉末、固形、液状の
いずれの形態をもることができる。
変性マレイミド樹脂化合物を含有するフェノ−ル樹脂組
成物に対して、更に、ビニル化合物、アリル化合物、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリカーボネ
ート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、有機シリ
コーン化合物、有機フッ素化合物等と反応又は混合して
もよい。更に、硬化促進剤として 例えばアゾ化合物、
有機過酸化物等のラジカル重合開始剤、三級アミン類、
四級アンモニウム塩、ホスホニウム化合物、イミダゾー
ル類、三フッ化ホウ素化合物、アミン塩等のイオン類を
添加してもよい。必要に応じて、これら以外の有機又は
無機の添加剤、充填剤を添加してもよい。また、これら
の成分の添加混合は単に粉砕混合でも溶液混合や溶融混
合でもよく、樹脂組成物としては 粉末、固形、液状の
いずれの形態をもることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。ここに記載されている「部」及び「%」はすべて
「重量部」及び「重量%」を示す。 製造例1 4,4'―ジアミノジフェニールメタン3000部、三菱瓦斯
化学製キシレンホルムアルデヒド樹脂ニカノールG(含
酸素率15%)300部を撹拌装置、還流冷却器及び温度計
を備えたフラスコに入れ、内温を 110℃まで加熱し、
4,4'―ジアミノジフェニールメタンが完全に溶解した
時点でパラトルエンスルホン酸40部を添加し、さらに昇
温還流下で2時間反応させた。更に、常圧脱水状態で2
時間反応させ、冷却しながらメチルセルソルブ1000部添
加し、芳香族ポリアミン溶液4250部を得た。このものの
25℃における粘度は200cpsで、135℃1時間後の不揮発分
は72%であった。
る。ここに記載されている「部」及び「%」はすべて
「重量部」及び「重量%」を示す。 製造例1 4,4'―ジアミノジフェニールメタン3000部、三菱瓦斯
化学製キシレンホルムアルデヒド樹脂ニカノールG(含
酸素率15%)300部を撹拌装置、還流冷却器及び温度計
を備えたフラスコに入れ、内温を 110℃まで加熱し、
4,4'―ジアミノジフェニールメタンが完全に溶解した
時点でパラトルエンスルホン酸40部を添加し、さらに昇
温還流下で2時間反応させた。更に、常圧脱水状態で2
時間反応させ、冷却しながらメチルセルソルブ1000部添
加し、芳香族ポリアミン溶液4250部を得た。このものの
25℃における粘度は200cpsで、135℃1時間後の不揮発分
は72%であった。
【0012】製造例2 アセトン1925部を製造例1と同様の反応装置に入れ、無
水マレイン酸 600部を添加完全溶解後、40℃以下に保ち
ながら製造例1で得られた芳香族ポリアミン溶液 825部
を90分かけて滴下し、滴下終了後同温度で1時間保っ
た。その後、トリエチルアミン165部、酢酸ニッケル4
水和物19.5部を加え、さらに無水酢酸800部を加え、還
流温度で2時間反応させた。反応終了後真空下で溶剤を
速やかに留去し、70℃の温水1500部を添加して10分間撹
拌混合した。その後、静置し上澄みの水層を除去した。
更に、同温度で撹拌しながら90℃の温水1500部を添加
し、90℃で10分間撹拌混合した後静置し、上澄みの水層
を除去した。その後、この操作を2回繰り返した後、メ
タノール 500部を添加し、70℃で10分間撹拌後、上澄み
を除去し、減圧下で脱水脱溶剤しながら内温を 120℃ま
で上昇させた。この時点で4,4'−ジアミノジフェニル
メタン390部(28.6%に相当)を添加し、同温度で20分間
撹拌反応させ、固形樹脂1370部を得た。このものの融点
は90℃であった。
水マレイン酸 600部を添加完全溶解後、40℃以下に保ち
ながら製造例1で得られた芳香族ポリアミン溶液 825部
を90分かけて滴下し、滴下終了後同温度で1時間保っ
た。その後、トリエチルアミン165部、酢酸ニッケル4
水和物19.5部を加え、さらに無水酢酸800部を加え、還
流温度で2時間反応させた。反応終了後真空下で溶剤を
速やかに留去し、70℃の温水1500部を添加して10分間撹
拌混合した。その後、静置し上澄みの水層を除去した。
更に、同温度で撹拌しながら90℃の温水1500部を添加
し、90℃で10分間撹拌混合した後静置し、上澄みの水層
を除去した。その後、この操作を2回繰り返した後、メ
タノール 500部を添加し、70℃で10分間撹拌後、上澄み
を除去し、減圧下で脱水脱溶剤しながら内温を 120℃ま
で上昇させた。この時点で4,4'−ジアミノジフェニル
メタン390部(28.6%に相当)を添加し、同温度で20分間
撹拌反応させ、固形樹脂1370部を得た。このものの融点
は90℃であった。
【0013】製造例3 製造例1と同様の反応装置にフェノール1000部、37%ホ
ルマリン 630部及び蓚酸20部を仕込み後、徐々に昇温し
温度が95℃に達してから 120分間還流反応を行った。つ
いで系内を 650mmHgの真空下で脱水を行いながら、系内
の温度が 190℃になるまで昇温し、融点 100℃のノボラ
ックタイプの固形フェノール樹脂1080部を得た。
ルマリン 630部及び蓚酸20部を仕込み後、徐々に昇温し
温度が95℃に達してから 120分間還流反応を行った。つ
いで系内を 650mmHgの真空下で脱水を行いながら、系内
の温度が 190℃になるまで昇温し、融点 100℃のノボラ
ックタイプの固形フェノール樹脂1080部を得た。
【0014】《実施例1》製造例2で得た固形樹脂100
部、製造例3で得た固形フェノール樹脂900部及びヘキ
サメチレンテトラミン90部を粉砕機にて粉砕し、フェノ
ール樹脂と芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂との粉末
状配合物を得た。 《実施例2》製造例2で得た固形樹脂700部、製造例3
で得た固形フェノール樹脂300部及びヘキサメチレンテ
トラミン30部を粉砕機にて粉砕し、フェノール樹脂と芳
香族炭化水素変性マレイミド樹脂との粉末状配合物を得
た。 《比較例1》製造例3で得た固形フェノール樹脂100部
及びヘキサメチレンテトラミン 10部を粉砕機にて粉砕
し、粉末状のフェノール樹脂を得た。 《比較例2》製造例2で得た固形樹脂100部を粉砕機に
て粉砕し、粉末状の芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂
を得た。
部、製造例3で得た固形フェノール樹脂900部及びヘキ
サメチレンテトラミン90部を粉砕機にて粉砕し、フェノ
ール樹脂と芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂との粉末
状配合物を得た。 《実施例2》製造例2で得た固形樹脂700部、製造例3
で得た固形フェノール樹脂300部及びヘキサメチレンテ
トラミン30部を粉砕機にて粉砕し、フェノール樹脂と芳
香族炭化水素変性マレイミド樹脂との粉末状配合物を得
た。 《比較例1》製造例3で得た固形フェノール樹脂100部
及びヘキサメチレンテトラミン 10部を粉砕機にて粉砕
し、粉末状のフェノール樹脂を得た。 《比較例2》製造例2で得た固形樹脂100部を粉砕機に
て粉砕し、粉末状の芳香族炭化水素変性マレイミド樹脂
を得た。
【0020】以上の各実施例及び比較例より得られた粉
末樹脂を用いて、以下の配合、成形、後硬化条件により
テストピースを作成し、成形品の耐熱性評価を行った。
結果を表1に示す。 (配 合) 樹脂 10部 ガラス繊維(3mmチョップ) 20部 炭酸カルシウム 50部 硫酸バリウム 20部 (成 形) 温度160℃、圧力200kg/cm2、時間10分 (後硬化) 温度250℃、時間5時間
末樹脂を用いて、以下の配合、成形、後硬化条件により
テストピースを作成し、成形品の耐熱性評価を行った。
結果を表1に示す。 (配 合) 樹脂 10部 ガラス繊維(3mmチョップ) 20部 炭酸カルシウム 50部 硫酸バリウム 20部 (成 形) 温度160℃、圧力200kg/cm2、時間10分 (後硬化) 温度250℃、時間5時間
【0021】
【表1】 表1より明らかなように実施例で得た粉末樹脂配合物を
用いると、熱履歴後の曲げ強度劣化の小さい耐熱性に優
れた成形品が得られる。
用いると、熱履歴後の曲げ強度劣化の小さい耐熱性に優
れた成形品が得られる。
【0022】
【発明の効果】本発明によるフェノール樹脂組成物は、
耐熱性、成形性、基材との密着性に優れ、例えば成形材
料用素材、有機繊維粘結剤、ゴム配合剤、砥石粘結剤、
無機繊維粘結剤、電子電気部品被覆剤、積層板用樹脂、
摩擦材用粘結剤、摺動部材粘結剤などに用いれば優れた
耐熱性と靭性を有する製品を得ることができる。
耐熱性、成形性、基材との密着性に優れ、例えば成形材
料用素材、有機繊維粘結剤、ゴム配合剤、砥石粘結剤、
無機繊維粘結剤、電子電気部品被覆剤、積層板用樹脂、
摩擦材用粘結剤、摺動部材粘結剤などに用いれば優れた
耐熱性と靭性を有する製品を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 芳香族ジアミン又はポリアミン化合物、
及びエチレン型炭素−炭素二重結合をもつジカルボン酸
又はこれらの反応性誘導体とから誘導される不飽和ビス
マレイミド化合物と、芳香族炭化水素とホルムアルデヒ
ドとを酸触媒存在下で反応させて得られる芳香族炭化水
素ホルムアルデヒド反応物とが結合してなる芳香族炭化
水素変性マレイミド樹脂化合物をフェノール樹脂に対し
て10〜70重量%混合してなることを特徴とするフェ
ノール樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11633692A JP3154806B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | フェノール樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11633692A JP3154806B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | フェノール樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05311040A JPH05311040A (ja) | 1993-11-22 |
JP3154806B2 true JP3154806B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=14684439
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11633692A Expired - Fee Related JP3154806B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | フェノール樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3154806B2 (ja) |
-
1992
- 1992-05-08 JP JP11633692A patent/JP3154806B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05311040A (ja) | 1993-11-22 |
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