JP2008266623A - 熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及びその硬化物に関するものである。
フェノール樹脂は、耐熱性、機械的強度及び電気特性等の種々の優れた特性を有しており、従来より、成形材料、積層板及び接着剤等の種々の用途に使用されている。
フェノール樹脂にはレゾール型フェノール樹脂とノボラック型フェノール樹脂の2種類がある。ノボラック型フェノール樹脂を硬化させるには硬化剤を用い熱硬化させる。硬化剤としてはヘキサメチレンテトラミンがもっとも広く使用されているが、硬化時にアンモニアが発生し、臭気などにより作業環境に悪影響を与える。そのため、ヘキサメチレンテトラミンの代替の硬化剤として、レゾール型フェノール樹脂が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、フェノール樹脂組成物は、硬化速度の温度依存性が小さいものであり、例えば、射出成形などの成形方法においては、成形加工における生産時間を短縮するために、成形温度で速い硬化速度が得られる樹脂組成物を用いて成形すると、樹脂組成物を溶融させる際に成形温度よりも低い温度において溶融樹脂の硬化が進行し、樹脂の熱安定性が悪くなり、成形可能な条件幅が極めて制限される問題が生じて、成形加工性が損なわれてしまう。
一方、樹脂の熱安定性に対応するために、樹脂組成物が溶融する成形温度より低い温度で硬化速度が遅くなる樹脂組成物を用いると、成形温度での硬化速度も遅くなってしまい、生産性が低下する。そのため、成形温度では硬化速度が速く、生産時間を短縮でき、かつ、樹脂組成物が溶融する成形温度より低い温度では安定に存在するような、生産性と成形加工性がともに優れた熱硬化性樹脂組成物が強く望まれている。
一方、樹脂の熱安定性に対応するために、樹脂組成物が溶融する成形温度より低い温度で硬化速度が遅くなる樹脂組成物を用いると、成形温度での硬化速度も遅くなってしまい、生産性が低下する。そのため、成形温度では硬化速度が速く、生産時間を短縮でき、かつ、樹脂組成物が溶融する成形温度より低い温度では安定に存在するような、生産性と成形加工性がともに優れた熱硬化性樹脂組成物が強く望まれている。
このような樹脂組成物の例では、これまで、熱硬化性フェノール樹脂組成物の硬化速度を速くする方法として、高分子量のノボラック型フェノール樹脂を用いたり(例えば、特許文献2参照。)、ハイオルソノボラック型フェノール樹脂を用いたり(例えば、特許文献3参照。)しているが、いずれも、その効果が不充分である。
また、硬化剤として用いられているヘキサメチレンテトラミンの分解促進剤として有機酸を添加する方法も提案されているが、これもその効果が不充分である。
また、硬化剤として用いられているヘキサメチレンテトラミンの分解促進剤として有機酸を添加する方法も提案されているが、これもその効果が不充分である。
一方、ノボラック型フェノール樹脂にヒドロキシメチル基含有化合物を添加することが知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、これらはヘキサメチレンテトラミンを使用せずに、硬化速度の向上を図っているものであり、耐熱性の向上を図ったり、樹脂の熱安定性を両立するもではなかった。
本発明は、熱安定性に優れかつ硬化速度が極めて速い熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及びその硬化物を提供するものである。
本発明者等は、少なくとも、ノボラック型フェノール樹脂(a)及び特定のヒドロキシル基含有化合物(b)を用いることにより、硬化速度が極めて速く、かつ、成形温度より低温では熱安定性がよく、硬化時にアンモニアやホルマリンが発生しない熱硬化性樹脂組成物を見出し、更に検討を進めることにより、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、下記第(1)項〜第(10)項により達成される。
(1)ノボラック型フェノール樹脂(a)、及び2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)を含んでなる熱硬化性樹脂組成物。
(2)前記熱硬化性樹脂組成物は、環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)を含むものである第(1)項に記載の熱硬化性樹脂組成物。(3)前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)は、式(1)又は式(2)で表される構造を有するものである第(1)項または第(2)項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(2)前記熱硬化性樹脂組成物は、環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)を含むものである第(1)項に記載の熱硬化性樹脂組成物。(3)前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)は、式(1)又は式(2)で表される構造を有するものである第(1)項または第(2)項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(4)前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)は、500以下の数平均分子量を有するものである、第(1)項〜第(3)項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(5)前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)は、ビス(ジヒドロキシメチル−ヒドロキシフェニル)メタン又はビス(ヒドロキシメチル)クレゾールである、第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(6)前記環状脂肪族基を有するスルホン酸エステル化合物(c)は、下記式(3)又は式(4)で表されるものである、第(2)項〜第(5)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
X−SO2−O−Y (3)
X−SO2−O−Y−O−SO2−X’ (4)
(式中、X及びX'は芳香族基、Yは環状脂肪族基を示す。)
(7)前記環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)は、前記芳香族基として、置換無置換のフェニル基を有するものである、第(2)項〜第(6)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(8)前記環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)は、前記環状脂肪族基がシクロアルカン環、ビシクロアルカン環又はビシクロ[a.b.c]アルカン環で構成されるものである、第(2)項〜第(7)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。(前記a,b及びcは次の式を満たすものとする。2≦a+b+c≦15、c≦b≦a、b≧1。)
(9)第(1)項〜第(8)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物と、充填材を含む、熱硬化性樹脂成形材料。
(10)第(1)項〜第(8)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物又は第(9)項に記載の熱硬化性樹脂成形材料を加熱硬化して得られる硬化物。
(5)前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)は、ビス(ジヒドロキシメチル−ヒドロキシフェニル)メタン又はビス(ヒドロキシメチル)クレゾールである、第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(6)前記環状脂肪族基を有するスルホン酸エステル化合物(c)は、下記式(3)又は式(4)で表されるものである、第(2)項〜第(5)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
X−SO2−O−Y (3)
X−SO2−O−Y−O−SO2−X’ (4)
(式中、X及びX'は芳香族基、Yは環状脂肪族基を示す。)
(7)前記環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)は、前記芳香族基として、置換無置換のフェニル基を有するものである、第(2)項〜第(6)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(8)前記環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)は、前記環状脂肪族基がシクロアルカン環、ビシクロアルカン環又はビシクロ[a.b.c]アルカン環で構成されるものである、第(2)項〜第(7)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。(前記a,b及びcは次の式を満たすものとする。2≦a+b+c≦15、c≦b≦a、b≧1。)
(9)第(1)項〜第(8)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物と、充填材を含む、熱硬化性樹脂成形材料。
(10)第(1)項〜第(8)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物又は第(9)項に記載の熱硬化性樹脂成形材料を加熱硬化して得られる硬化物。
本発明よれば、熱安定性に優れ、硬化速度が極めて速い熱硬化性樹脂組成物が得られる。また、前記熱硬化性樹脂組成物又はこれを用いた成形材料より得られる硬化物は極めて耐熱性に優れたものとなる。このような熱硬化性樹脂組成物は、成形材料、積層板及び接着剤等の従来より熱硬化性フェノール樹脂組成物が用いられてきた用途に好適に用いられる。また、これらより得られる硬化物は、自動車用部品、機構部品及び電機・電子部品等の用途に好適である。
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂(a)、及び2つ以上6つ以下のヒドロキシメチル基を有するフェノール1核体もしくはフェノールオリゴマー(b)を含む熱硬化性樹脂組成物である。このような成分とすることにより、成形時の加熱溶融における熱安定性に優れると共に、硬化速度が極めて速い熱硬化性樹脂組成物が得られるものである。また、本発明は、これらを硬化させて得られる硬化物である。このような硬化物は極めて耐熱性に優れたものとなる。
本発明に用いるノボラック型フェノール樹脂(a)としては、フェノール類とアルデヒド類とを、無触媒もしくは触媒存在下で反応させて得られるフェノール樹脂、クレゾール樹脂、キシレノール樹脂及びナフトール樹脂などが挙げられ、ランダムノボラック型でもハイオルソノボラック型でも用いることができる。前記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール及びナフトールなどが挙げられる。前記アルデヒド類として、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド及びポリアセタールなどが挙げられる。これらの中で、最も硬化速度を速くする上では、フェノールとホルムアルデヒドを用いて反応させて得られるノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂が好適である。
本発明に用いる2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)は、2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基がフェノール核に結合する構造を有するものであり、フェノール核は、1核体又はオリゴマーを形成するものである。このような具体例としては、前記式(1)で表される構造を有するフェノール1核体及び前記式(2)で表される構造を有するフェノールオリゴマーを挙げることができる。ここで前記式(1)におけるR7としての炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基などが挙げられる。式(1)及び式(2)におけるl,o,p及びqの数としては、反応性を向上させる上で、上記の範囲の中でも、大きい方が望ましい。
更にこれらの具体例としては、前記フェノール1核体として、ジヒドロキシメチルフェノール、トリヒドロキシメチルフェノール及びビス(ヒドロキシメチル)クレゾールなどが挙げられ、これらの中でも、ジヒドロキシメチルフェノールが好ましい。前記フェノールオリゴマーとしては、2核体であるテトラヒドロキシメチルビフェノール、ビス(ジヒドロキシメチル−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(ジヒドロキシメチル−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、これらと同様にして、3核体としてX1及びX2が、それぞれ、単結合、メチレン基又はプロパン2,2ジイル基で結合されるものが挙げられる。これらの化合物は、ベンゼン環の結合基であるメチレン基やメチロール基の位置がフェノール性OH基に対して、o−,p−位のいずれであってもよい。これらの中でも、ビス(ジヒドロキシメチル−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(ジヒドロキシメチル−ヒドロキシフェニル)プロパン又はビス(ヒドロキシメチル)クレゾールがより好ましい。
また、前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)において、その数平均分子量としては、上限値が500であることが好ましく、数平均分子量の下限値としては150が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記成分以外に、ノボラック型フェノール樹脂(a)の硬化をさらに促進する上で、環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)を用いることができる。そのようなスルホン酸エステル化合物としては、下記式(3)及び式(4)で表されるものを挙げることができる。
X−SO2−O−Y (3)
X−SO2−O−Y−O−SO2−X’ (4)
(式中、X及びX'は芳香族基、Yは環状脂肪族基を示す。)
X−SO2−O−Y (3)
X−SO2−O−Y−O−SO2−X’ (4)
(式中、X及びX'は芳香族基、Yは環状脂肪族基を示す。)
前記芳香族スルホン酸エステル化合物(c)を構成する芳香族基、また前記式(3)及び式(4)におけるX及びX'としての芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられ、これらの基は、メチル基、エチル基などのアルキル基などにより置換されていても構わない。これらの中でも、フェニル基、トリル基及びメシチル基がより好ましい。
前記芳香族スルホン酸エステル化合物(c)における環状脂肪族基、また前記式(3)及び式(4)におけるYとしての環状脂肪族基としては、シクロアルカン環、ビシクロアルカン環又はビシクロ[a.b.c]アルカン環で構成されるものが挙げられる。このような環状脂肪族基としては、前記シクロアルカン環で構成されるものとして、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基などのシクロアルキレン基;などが挙げられる。また、前記ビシクロアルカン環で構成されるものとしては、ビシクロペンチル基及びビシクロヘキシル基などのビシクロアルキル基;ビシクロペンチレン基及びビシクロヘキシレン基などのビシクロアルキレン基;などが挙げられる。また、前記ビシクロ[a.b.c]アルカン環で構成されるものとしては、ビシクロ[4.4.0]デシル基などのビシクロ[a.b.c]アルキル基;ビシクロ[4.4.0]デシレンなどのビシクロ[a.b.c]アルキレン基;などが挙げられる。また、上記以外にもシクロ環が結合基で結合されたものとして、ビス(シクロアルキル)メチレンなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、シクロヘキシル、シクロヘキシレン、ビシクロヘキシル、ビシクロヘキシレン、ビシクロ[4.4.0]デシル、ビシクロ[4.4.0]デシレン及びビス(シクロヘキシル)メチレンが挙げられる。
前記スルホン酸エステル化合物(c)は、通常、酸、その塩化物及び無水物などの酸化合物と、アルコール化合物とを反応させて得られるが、これに限定されない。前記酸化合物しては、例えば、フェニルスルホン酸、トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸及びナフチルスルホン酸などが挙げられる。前記アルコール化合物しては、例えば、シクロアルカノール、シクロアルカンジオール、ビシクロアルカノール、ビシクロアルカンジオール、ビシクロ[a.b.c]アルカノール、ビシクロ[a.b.c]アルカンジオール及びビス(ヒドロキシシクロアルキル)メタンなどが好適であるが、より好ましいものとしてはシクロヘキサノール、シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキサノール、ビシクロヘキサンジオール、ビシクロ[4.4.0]デカノール、ビシクロ[4.4.0]デカンジオール及びビス(ヒドロキシシクロヘキシル)メタンが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)の含有量としては、前記ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、好ましい下限値が10重量部で、好ましい上限値が200重量部である。前記範囲外でも使用できるが、前記下限値未満では、充分な硬化速度を得られない恐れがある。前記上限値を超えると、硬化時の水分発生量が多くなって硬化物の外観が悪くなる恐れがある。
前記スルホン酸エステル化合物(c)を用いる場合、その含有量としては、前記ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、好ましい下限値が0.5重量部で、好ましい上限値が20重量部である。前記範囲外でも使用できるが、前記下限値未満では、十分な硬化促進効果が得られない恐れがあり、前記上限値を超えると、腐食の点から熱硬化させるのに用いる容器や金型の材質の制限を受ける恐れがある。
また、前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)と前記スルホン酸エステル化合物(c)の含有量は、より良好な熱安定性と硬化速度を発現する上で、スルホン酸エステル化合物(c)がヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)に対して0.1重量%以上10重量%以下が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記成分以外の成分として、必要に応じて、ノボラック型フェノール樹脂以外の樹脂、充填材、シランカップリング剤、着色剤、難燃剤及び離型剤などの添加剤を使用することができる。前記ノボラック型フェノール樹脂以外の樹脂としては、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂及びレゾール型フェノール樹脂等の樹脂などが挙げられる。前記充填材としては、有機充填材及び無機充填材等、いずれでも用いることができる。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料における充填材としては、一般的に成形材料に用いることができる有機充填材及び無機充填材等、いずれでも用いることができる。前記有機充填材としては、例えば、木粉、合板粉、熱硬化性樹脂硬化物粉末及び粉砕布などが挙げられ、これらの1種以上が使用でき、前記無機充填材としては、例えば、ガラスビーズ、ガラスパウダー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー及びマイカなどの粉末状のものや、ガラス繊維及びカーボン繊維などの繊維状のものが挙げられ、これらの1種以上が使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料において、前記充填材の含有量としては、前記ノボラック型フェノール樹脂(a)及び前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)の合計量100重量部に対して、また、前記スルホン酸エステル化合物(c)を用いる場合、これを含めた合計量100重量部に対して、好ましい下限値が30重量部で、好ましい上限値が400重量部である。前記範囲外でも使用できるが、前記下限値未満では、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化物である成形品の機械的強度が不充分となる恐れがあり、前記上限値を超えると、成形時の流動性が低下して成形時に充填不良が発生する恐れがある。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料には、上記熱硬化性樹脂組成物における添加剤と同様の添加剤を使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料には、上記熱硬化性樹脂組成物における添加剤と同様の添加剤を使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記ノボラック型フェノール樹脂(a)及び前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)、必要に応じて用いる及び前記スルホン酸エステル化合物(c)及び各種添加剤を混合して製造することができるが、その混合方法としては特に制限されることはなく、例えば、公知のミキサーで混合することによって得ることができ、また、加熱ロールやニーダーなどの混練機を用いて溶融混合しても良い。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて、熱硬化性成形材料とする場合は、その製造方法は特に制限されず、前記熱硬化性樹脂組成物及び前記充填材、必要に応じて前記添加剤を混合し、例えば、加熱ロールやニーダーなどの混練機を用いて溶融混合して得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いて、熱硬化性成形材料とする場合は、その製造方法は特に制限されず、前記熱硬化性樹脂組成物及び前記充填材、必要に応じて前記添加剤を混合し、例えば、加熱ロールやニーダーなどの混練機を用いて溶融混合して得ることができる。
本発明において、芳香族スルホン酸エステル(c)を用いた場合における熱硬化性樹脂組成物の硬化速度が極めて速くなる機構については、明らかではないが、通常、ノボラック型フェノール樹脂の硬化剤として用いられているヘキサメチレンテトラミンが分解してホルムアルデヒドを発生する速度に比べて、前記芳香族スルホン酸エステルの触媒作用により、前記ヒドロキシメチル基含有化合物と前記ノボラック型フェノール樹脂とが反応する速度が格段に速いためと考えられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱安定性に優れると共に、極めて硬化速度が速いことから、成形材料、積層板及び接着剤等の種々の用途に好適に使用される。
本発明の熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂成形材料は、50℃以上、望ましくは80〜200℃に加熱することにより硬化物とすることができる。このようにして得られた硬化物は耐熱性に優れたものとなる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂成形材料は、50℃以上、望ましくは80〜200℃に加熱することにより硬化物とすることができる。このようにして得られた硬化物は耐熱性に優れたものとなる。
このようにして得られる本発明の熱硬化性組成物は、例えば、成形材料として、圧縮成形、移送成形又は射出成形などの方法により、上記硬化物における加熱温度により加熱成形して成形品とすることができ、また、溶媒に溶解してワニスとして、基材上に塗布して塗膜を形成し、上記硬化物における加熱温度により硬化させて樹脂層やフィルムとすることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制約されるものではない。
(合成例1)
フェノール100重量部、37%ホルマリン58重量部及び蓚酸1重量部の混合物を、100℃で3時間反応後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が230℃になるまで、減圧蒸留して、未反応フェノールを除去して、軟化点が81℃のノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂92重量部を得た。
フェノール100重量部、37%ホルマリン58重量部及び蓚酸1重量部の混合物を、100℃で3時間反応後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が230℃になるまで、減圧蒸留して、未反応フェノールを除去して、軟化点が81℃のノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂92重量部を得た。
(合成例2)
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(本州化学工業(株)製、商品名:p,p’−BPF)15g(0.075mol)を水25gに加え攪拌しながら、水酸化ナトリウム(和光純薬(株)製)6g(0.15mol)を水6gに溶かした水溶液を加えた。これに、37%ホルマリン(和光純薬(株)製)25g(0.30mol)を滴下し、35℃で6時間攪拌した。得られた混合物に水400gを加え、1mol/l塩酸(和光純薬(株)製)で中和した。これにより生じた沈殿物を濾過し、減圧乾燥させ、反応物を得た。この反応物を化合物Aとする。化合物Aについて、1H−NMR分析により確認のところ、下記式の構造であることが確認された。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(本州化学工業(株)製、商品名:p,p’−BPF)15g(0.075mol)を水25gに加え攪拌しながら、水酸化ナトリウム(和光純薬(株)製)6g(0.15mol)を水6gに溶かした水溶液を加えた。これに、37%ホルマリン(和光純薬(株)製)25g(0.30mol)を滴下し、35℃で6時間攪拌した。得られた混合物に水400gを加え、1mol/l塩酸(和光純薬(株)製)で中和した。これにより生じた沈殿物を濾過し、減圧乾燥させ、反応物を得た。この反応物を化合物Aとする。化合物Aについて、1H−NMR分析により確認のところ、下記式の構造であることが確認された。
また、1H−NMR分析の分析結果は下記の通りであった。
1H−NMR(THF−d8):δ8.32(s,2H),6.91(s,4H),4.62−4.51(m,12H),3.73(s,2H).
1H−NMR(THF−d8):δ8.32(s,2H),6.91(s,4H),4.62−4.51(m,12H),3.73(s,2H).
(合成例3)
合成例2において、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン15g(0.075mol)に替えて、4,4’−[(1,4−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル)]ビスフェノール(東京化成(株)製)26.0g(0.075mol)を用いた以外は、合成例2と同様に合成し、反応物を得た。この反応物を化合物Bとする。化合物Aについて、1H−NMR分析により確認のところ、下記式の構造であることが確認された。
合成例2において、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン15g(0.075mol)に替えて、4,4’−[(1,4−フェニレン)ビス(プロパン−2,2−ジイル)]ビスフェノール(東京化成(株)製)26.0g(0.075mol)を用いた以外は、合成例2と同様に合成し、反応物を得た。この反応物を化合物Bとする。化合物Aについて、1H−NMR分析により確認のところ、下記式の構造であることが確認された。
また、1H−NMR分析の分析結果は下記の通りであった。
1H−NMR(DMSO−d6):δ8.39(s,2H),7.07(s,4H),7.04(s,4H),5.25(s,4H),4.52(s,8H),1.58(s,12H).
1H−NMR(DMSO−d6):δ8.39(s,2H),7.07(s,4H),7.04(s,4H),5.25(s,4H),4.52(s,8H),1.58(s,12H).
(実施例1)
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂100重量部、合成例2で得た化合物A92重量部を常温で乳鉢を用い混合し、熱硬化性樹脂組成物192重量部を得た。上記で得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、150℃の熱板上で3分間攪拌した後粉砕し、この粉砕物の11gを用いて、150℃で5分間成型し、100x10x4(mm)の試験片を得、175℃6時間ポストキュアした。得られた試験片硬化物を用いて、動的粘弾性測定(DMA)により、曲げモードで10Hz及び昇温速度5℃/分で昇温させて、tanδのピークトップをガラス転移点(Tg)とし、貯蔵弾性率(E')とともに測定した。
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂100重量部、合成例2で得た化合物A92重量部を常温で乳鉢を用い混合し、熱硬化性樹脂組成物192重量部を得た。上記で得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、150℃の熱板上で3分間攪拌した後粉砕し、この粉砕物の11gを用いて、150℃で5分間成型し、100x10x4(mm)の試験片を得、175℃6時間ポストキュアした。得られた試験片硬化物を用いて、動的粘弾性測定(DMA)により、曲げモードで10Hz及び昇温速度5℃/分で昇温させて、tanδのピークトップをガラス転移点(Tg)とし、貯蔵弾性率(E')とともに測定した。
(実施例2〜6)
表1のように配合し、得られた樹脂組成物を実施例1と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物の測定結果を表1に示した。なお、成分(b)として、実施例3において、2,2−ビス(ジヒドロキシメチル−ヒドロキシフェニル)プロパン(本州化学工業(株)製、TML−BPA)を、実施例4において、ビス(ヒドロキシメチル)クレゾール(東京化成工業(株)製、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール)を用いた。
表1のように配合し、得られた樹脂組成物を実施例1と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物の測定結果を表1に示した。なお、成分(b)として、実施例3において、2,2−ビス(ジヒドロキシメチル−ヒドロキシフェニル)プロパン(本州化学工業(株)製、TML−BPA)を、実施例4において、ビス(ヒドロキシメチル)クレゾール(東京化成工業(株)製、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール)を用いた。
(比較例1)
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂100重量部及びヘキサメチレンテトラミン18重量部を常温で乳鉢を用いて熱硬化性樹脂組成物を得た。熱硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1の試験片の作製において、130℃の熱板上で攪拌した以外は実施例1と同様にして、試験片硬化物を得て評価した。得られた硬化物の測定結果を表1に示した。
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂100重量部及びヘキサメチレンテトラミン18重量部を常温で乳鉢を用いて熱硬化性樹脂組成物を得た。熱硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1の試験片の作製において、130℃の熱板上で攪拌した以外は実施例1と同様にして、試験片硬化物を得て評価した。得られた硬化物の測定結果を表1に示した。
(実施例7〜10及び比較例2)
表1に示す割合で配合した原料を加熱ロールで混練し、更に冷却、粉砕して、それぞれ、成形材料を得た。得られた成形材料を用いて、硬化速度の指標であるバコール硬度の測定を行うと共に、実施例1と同様にして試験片を作製し、評価を行った。
バコール硬度は、175℃に設定した移送成形用金型に、圧力20MPaで注入して50mmφ*3mm厚みの成形品を成形して得られた成形品をバコール硬度計(No.935)により硬度測定を行い、成形品のバコール硬度が40以上になった時の硬化時間で表す。この時間が短いほど、硬化速度が速いことを示す。
表1に示す割合で配合した原料を加熱ロールで混練し、更に冷却、粉砕して、それぞれ、成形材料を得た。得られた成形材料を用いて、硬化速度の指標であるバコール硬度の測定を行うと共に、実施例1と同様にして試験片を作製し、評価を行った。
バコール硬度は、175℃に設定した移送成形用金型に、圧力20MPaで注入して50mmφ*3mm厚みの成形品を成形して得られた成形品をバコール硬度計(No.935)により硬度測定を行い、成形品のバコール硬度が40以上になった時の硬化時間で表す。この時間が短いほど、硬化速度が速いことを示す。
(実施例11)
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂100重量部、合成例2で得た化合物A80重量部、及び1,4−ビス(2−メシチレンスルホン酸)シクロヘキシレン2重量を常温で乳鉢を用い混合し、熱硬化性樹脂組成物182重量部を得た。上記で得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、硬化速度の指標であるゲルタイムの評価を行った。ゲルタイムは、110℃又は170℃に保った熱板上に1gの試料をのせ、スパチュラで、常時、かき混ぜながら、スパチュラを持ち上げても、樹脂組成物が糸を引かなくなるまでの時間を測定した。この時間が短いほど、硬化速度が速いことを示す。
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂100重量部、合成例2で得た化合物A80重量部、及び1,4−ビス(2−メシチレンスルホン酸)シクロヘキシレン2重量を常温で乳鉢を用い混合し、熱硬化性樹脂組成物182重量部を得た。上記で得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、硬化速度の指標であるゲルタイムの評価を行った。ゲルタイムは、110℃又は170℃に保った熱板上に1gの試料をのせ、スパチュラで、常時、かき混ぜながら、スパチュラを持ち上げても、樹脂組成物が糸を引かなくなるまでの時間を測定した。この時間が短いほど、硬化速度が速いことを示す。
(実施例12)
実施例11において、1,4−ビス(2−メシチレンスルホン酸)シクロヘキシレン2重量に替えて4,4'−ビス(p−トルエンスルホン酸)ビシクロヘキシル2重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作により熱硬化性樹脂組成物を得て、評価を行った。
実施例11において、1,4−ビス(2−メシチレンスルホン酸)シクロヘキシレン2重量に替えて4,4'−ビス(p−トルエンスルホン酸)ビシクロヘキシル2重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作により熱硬化性樹脂組成物を得て、評価を行った。
(実施例13)
実施例11において、ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン80重量部に替えて2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール84重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作により熱硬化性樹脂組成物を得て、評価を行った。
実施例11において、ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン80重量部に替えて2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール84重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作により熱硬化性樹脂組成物を得て、評価を行った。
(実施例14)
実施例11において、ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン80重量部に替えて2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール84重量部を、1,4−ビス(2−メシチレンスルホン酸)シクロヘキシレン2重量に替えて4,4'−ビス(p−トルエンスルホン酸)ビシクロヘキシル2重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作により熱硬化性樹脂組成物を得て、評価を行った。
実施例11において、ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン80重量部に替えて2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール84重量部を、1,4−ビス(2−メシチレンスルホン酸)シクロヘキシレン2重量に替えて4,4'−ビス(p−トルエンスルホン酸)ビシクロヘキシル2重量部を用いた以外は実施例1と同様の操作により熱硬化性樹脂組成物を得て、評価を行った。
(実施例15〜19及び比較例3〜5)
ノボラック型フェノール樹脂、成分(b)及び成分(c)について、表2に示す割合で配合した原料を、実施例1と同様の操作により、乳鉢で粉砕混合して、それぞれ、熱硬化性樹脂組成物を得て、評価を行った。
ノボラック型フェノール樹脂、成分(b)及び成分(c)について、表2に示す割合で配合した原料を、実施例1と同様の操作により、乳鉢で粉砕混合して、それぞれ、熱硬化性樹脂組成物を得て、評価を行った。
(実施例20〜28及び比較例6〜8)
表3に示す割合で配合した原料を加熱ロールで混練し、更に冷却、粉砕して、それぞれ、成形材料を得た。得られた成形材料を用いて、硬化速度の指標であるバコール硬度の測定を行った。
バコール硬度は、175℃に設定した移送成形用金型に、圧力20MPaで注入して50mmφ*3mm厚みの成形品を成形して得られた成形品をバコール硬度計(No.935)により硬度測定を行い、成形品のバコール硬度が40以上になった時の硬化時間で表す。この時間が短いほど、硬化速度が速いことを示す。
表3に示す割合で配合した原料を加熱ロールで混練し、更に冷却、粉砕して、それぞれ、成形材料を得た。得られた成形材料を用いて、硬化速度の指標であるバコール硬度の測定を行った。
バコール硬度は、175℃に設定した移送成形用金型に、圧力20MPaで注入して50mmφ*3mm厚みの成形品を成形して得られた成形品をバコール硬度計(No.935)により硬度測定を行い、成形品のバコール硬度が40以上になった時の硬化時間で表す。この時間が短いほど、硬化速度が速いことを示す。
上記の表1〜3の結果から明らかな様に、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、優れた耐熱性有し、成形温度よりも低い温度では安定であり、成形時には硬化速度が極めて速く、即ち生産性と成形加工性がともに優れているという結果が得られた。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その硬化物が耐熱性、機械的強度及び電気特性等の種々の優れた特性を有していることから、積層板及び接着剤等の従来より熱硬化性フェノール樹脂組成物が用いられてきた用途や、同様に熱硬化性樹脂成形材料が用いられている自動車用部品、機構部品及び電機・電子部品等の用途に好適である。
Claims (10)
- ノボラック型フェノール樹脂(a)、及び2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)を含んでなる熱硬化性樹脂組成物。
- 前記熱硬化性樹脂組成物は、環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)を含むものである請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)は、500以下の数平均分子量を有するものである、請求項1〜3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記2つ以上6つ以下のヒドロキシルメチル基を有するフェノール1核体又はそのオリゴマー(b)は、ビス(ジヒドロキシメチル−ヒドロキシフェニル)メタン又はビス(ヒドロキシメチル)クレゾールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記環状脂肪族基を有するスルホン酸エステル化合物(c)は、下記式(3)又は式(4)で表されるものである、請求項2〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
X−SO2−O−Y (3)
X−SO2−O−Y−O−SO2−X’ (4)
(式中、X及びX'は芳香族基、Yは環状脂肪族基を示す。) - 前記環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)は、前記芳香族基として、置換無置換のフェニル基を有するものである、請求項2〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記環状脂肪族基を有する芳香族スルホン酸エステル化合物(c)は、前記環状脂肪族基がシクロアルカン環、ビシクロアルカン環又はビシクロ[a.b.c]アルカン環で構成されるものである、請求項2〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。(前記a,b及びcは次の式を満たすものとする。2≦a+b+c≦15、c≦b≦a、b≧1。)
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物と、充填材を含む、熱硬化性樹脂成形材料。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物又は請求項9に記載の熱硬化性樹脂成形材料を加熱硬化して得られる硬化物。
Priority Applications (1)
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JP2008077376A JP2008266623A (ja) | 2007-03-29 | 2008-03-25 | 熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及びその硬化物 |
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JP2011195515A (ja) * | 2010-03-19 | 2011-10-06 | Asahi Organic Chemicals Industry Co Ltd | アントラセン誘導体、樹脂、硬化性組成物及び硬化物 |
-
2008
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