JPH05117493A - 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物Info
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- JPH05117493A JPH05117493A JP3284720A JP28472091A JPH05117493A JP H05117493 A JPH05117493 A JP H05117493A JP 3284720 A JP3284720 A JP 3284720A JP 28472091 A JP28472091 A JP 28472091A JP H05117493 A JPH05117493 A JP H05117493A
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Abstract
成物を得る。 【構成】ノボラック型フェノール樹脂と、メラミンと、
無水ピロメリット酸と、ヘキサメチレンテトラミンとを
混合粉砕した組成物、これを加熱硬化して硬化物を得
る。 【効果】成形材料に好適な、耐熱性に優れた硬化物を与
える熱硬化性樹脂組成物が得られた。
Description
成物に関する。
は、ヘキサメチレンテトラミンと併用して熱硬化させて
用いられており、その硬化物は、耐熱性、難燃性等の特
徴を活かし各種分野において広く使われてきている。
フェノール樹脂を用いた硬化物も、近来の高性能化の波
におされ、その耐熱性の向上が要求されてきている。
鑑み鋭意検討したところ、イミド骨格を有する化合物を
島として、この島を介してノボラック型フェノール樹脂
同志をヘキサメチレンテトラミンで架橋した構造の硬化
物が耐熱性に著しく優れることを見出し、本発明を完成
するに至った。
アミノ基を少なくとも2個有する化合物及び/又は核水
素を少なくとも2個有しかつ第1級アミノ基をも有する
フェノール性水酸基含有芳香族炭化水素(B)と、ノボ
ラック型フェノール樹脂(C)と、ホルムアルデヒド供
給物質(D)とを含有する熱硬化性樹脂組成物、及びノ
ボラック型フェノール樹脂(A)と、第1級アミノ基又
は少なくとも2個の核水素原子を有し、かつイミド骨格
をも有する化合物(B)とが、メチレン結合及び/又は
ジメチレンエーテル結合により架橋した構造を有し、必
要に応じてノボラック型フェノール樹脂(A)同志がメ
チレン結合及び/又はジメチレンエーテル結合により架
橋した構造をも有する合成樹脂硬化物を提供するもので
ある。
(C)としては、公知慣用のものがいずれも使用できる
が、例えば蓚酸、塩酸、硫酸等の強酸を用いてフェノー
ル類とホルムアルデヒド供給物質とを反応せしめて得た
一般的ノボラック型フェノール樹脂、酢酸亜鉛や酸化亜
鉛等の金属塩を用いて同様にして得たオルソ配向性の高
いノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。もちろ
ん、ノボラック型フェノール樹脂は異なる2種類以上を
混合して用いることも可能である。
性水酸基を分子中に含有する芳香族化合物であれば特に
限定されるものではなく、例えばフェノールを始めとし
て、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェ
ノールにて代表されるフェノール2量体、クレゾール、
パラターシャリーブチルフェノール等のアルキル置換フ
ェノール類、レゾルシン等のフェノール性水酸基を2個
以上含有する化合物、ヒドロキシナフタレンやジヒドロ
キシナフタレンのようなナフトール系化合物などが挙げ
られる。
供給物質としては、例えばホルムアルデヒドや、パラホ
ルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、1,3−
ジオキソラン等が使用できる。
は、上記樹脂(C)を製造する際に挙げたもの、そのほ
かにはレゾール型フェノール樹脂等が挙げられるが、成
形材料を調製するに当たっては、常温固体のものが好ま
しく、なかでもヘキサメチレンテトラミンが特に好まし
い。
アミノ基を少なくとも2個有する化合物及び/又は核水
素を少なくとも2個有しかつ第1級アミノ基をも有する
フェノール水酸基含有芳香族炭化水素(B)は、本発明
の組成物において特徴的な成分である。これらの成分を
用いることにより、組成物配合時もしくは硬化時に成分
(A)の酸無水物基が、成分(B)の第1級アミノ基と
反応してイミド骨格を生成し、そのイミド構造を持った
イミド化合物とノボラック型フェノール樹脂(C)と
が、ホルムアルデヒド供給物質(D)を介してメチレン
結合又はジメチレンエーテル結合にて架橋された構造の
硬化物を与えることができ、その分子構造ゆえに、単に
樹脂(C)を物質(D)で架橋させた硬化物に比べて、
格段に耐熱性の高い硬化物となるのである。この効果
は、単に成分(B)及び(C)に対して反応性を有さな
いイミド化合物と樹脂(C)と物質(D)とを、当該イ
ミド化合物の存在下で樹脂(C)中の核水素と物質
(D)の結合手を反応させて得た、イミド化合物を包含
する硬化物では得られないものである。
公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えば無水マ
レイン酸等の脂肪族酸無水物、無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物が
あげられる。勿論、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルと上記酸無水物を必須成分として重合せしめたアクリ
ル系重合体等の酸無水物基を分子内に含むポリマーも使
用できる。酸無水物(A)は、常温で液体であっても固
体であってもよいが、成形材料を調製するに際しては固
体のものが好ましい。酸無水物(A)としては、最終的
に得られる硬化物の耐熱性が極めて高くなる点で、芳香
族酸無水物が好ましい。
ノ基を少なくとも2個有する化合物(B−1)又は核水
素を少なくとも2個有しかつ第1級アミノ基をも有する
フェノール性水酸基含有芳香族炭化水素(B−2)であ
る。尚、本発明において核水素とは、ホルムアルデヒド
供給物質の結合手と反応しうる芳香環上の水素原子を言
うものとする。
ノジフェニルメタン、2,2’−ビス(4,4’−アミ
ノフェニル)プロパン、1,4−フェニレンジアミン、
エチレンジアミン、ジジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、パラトルイジンなどのジアミン類、尿素、ジシアン
ジアミド、メラミン、ベンゾグアナミンなどのアミノ化
合物のほか、それらのポリマーも使用できる。
ミノフェノール、メタアミノフェノール、パラアミノメ
チルフェノール等のモノアミノフェノールなどが挙げら
れる。
であってもよいが、成形材料を調製するに際しては固体
のものが好ましい。成分(B)としては、最終的に得ら
れる硬化物の耐熱性が極めて高くなる点で、芳香環を有
するものが好ましい。成分(B)は異なる2種以上を併
用してもよいのは勿論である。
分(A)〜(D)の混合方法は、とくに限定するもので
はないが、酸無水物(A)、成分(B)、樹脂(C)及
び物質(D)がいずれも固体である時は、これら
(A)〜(D)を混合粉砕して組成物を得る方法、酸
無水物(A)と成分(B)とを反応させて予め第1級ア
ミノ基又は少なくとも2個の核水素を有しかつイミド骨
格をも有する化合物を得、これと樹脂(C)と物質
(D)を混合して組成物を得る方法、樹脂(C)中で
酸無水物(A)と成分(B)とを反応させて、予め第1
級アミノ基又は少なくとも2個の核水素を有しかつイミ
ド骨格をも有する化合物を含有するノボラック型フェノ
ール樹脂を溶融混合で得、これに物質(D)を混合して
組成物を調製する方法等がいずれも採用できるが、作業
性の点ではの方法が最も優れている。
分(A)〜(D)の使用割合には特に制限されないが、
通常は、酸無水物(A)と成分(B)とが反応した後に
残留する第1級アミノ基数及び/又は核水素数をXと
し、樹脂(C)の核水素数をYとし、物質(D)の結合
手数をZとしたとき、X≦Z≦(X+Y)を満足する様
に成分(A)〜(D)をそれぞれ用いればよい。最終的
に得られる硬化物に、未反応の核水素が残留するような
割合で各成分を用いた場合には、残留する核水素を有す
る芳香環同志を直接物質(D)で架橋する様に物質
(D)をさらに用いても良い。
無水物(A)と成分(B)とを反応させることにより得
られる第1級アミノ基又は少なくとも2個の核水素を有
しかつイミド骨格をも有する化合物(以下、イミド化合
物という。)の成分と、樹脂(C)及び物質(D)とを
合わせた成分の重量割合は特に制限はないが、通常
(C)と(D)の合計重量100重量部当たり、イミド
化合物10〜300重量部、組成物の成形性及び得られ
る硬化物の耐熱性に優れる点で15〜70重量部である
ことが好ましい。
(B)の使用量は特に限定されるものではないが、好ま
しくはそれぞれ樹脂(C)100重量部に対して5〜1
00重量部、特に好ましくは15〜50重量部部であ
る。これらの成分の使用量が上記範囲であると、最終的
に得られる硬化物の耐熱性向上の効果に優れ、組成物を
容易成形できる。
り、その使用量も特に制限されるものではないが、主剤
である樹脂(C)とイミド化合物の合計100重量部に
対して、1〜30重量部、好ましくは3〜10重量部の
範囲であり、この使用量が上記範囲であると、組成物の
硬化速度が速く、硬化時のガス発生量も少なく欠陥の少
ない硬化物が得られるので好ましい。
ボラック型フェノール樹脂を硬化剤で硬化させるのと同
様の条件で硬化せしめることが可能であり、120〜1
80℃で5分〜3時間加熱することにより、硬化物を得
ることができる。尚、ここで得られた硬化物はさらに1
80〜200℃で後焼成することが好ましい。
極めて優れたフェノール樹脂硬化物である。本発明の熱
硬化性樹脂組成物は、樹脂組成物単独で熱硬化させるだ
けでなく、強化材や充填剤と一緒に硬化させて使用する
こともでき、多岐の用途に使用できる。この際の強化材
としては、一般には繊維強化材が知られており、例え
ば、ガラス繊維、セラミック繊維、石綿繊維、炭素繊
維、ステンレス繊維のような無機繊維、綿、麻のような
天然繊維、ポリエステル、ポリアミドのような合成有機
繊維等があげられる。充填剤としては、一般に知られて
いるもの、例えばシリカ、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニューム、タルク、クレー、黒鉛等があげられる。
これらの強化材や充填剤は特に限定するものではなく、
2種類以上の混合での使用も可能であり、また、その使
用量も用途、要求性能によって調整させるべきものであ
る。強化材の形状に関しても、何ら限定するものではな
く、短繊維、長繊維、ヤーン、マット、シート等、どの
ようなものでもよい。
物は、例えば、鋳物砂用結合剤、研削砥石用結合剤、摩
擦材用結合剤、耐火材用結合剤、断熱材用結合剤、フォ
ーム材料、レジンコンクリート、ゴム補強剤等、従来ノ
ボラック樹脂を利用していた分野だけでなく、さらに先
端複合材料等、耐熱性が要求される分野においても使用
することが期待出来るものである。
お例中の部および%はすべて重量基準とする。 合成例1 攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた
4つ口3リットルフラスコに、フェノール940g(1
0モル)及び、触媒として蓚酸を4.7g加え、90℃
まで昇温した。滴下ロートより41%ホルムアルデヒド
水溶液を540g滴下た後、3時間反応させた。反応容
器より取り出し、融点(キャピラリー法)70℃、数平
均分子量886の黄色塊状のノボラック型フェノール樹
脂を得た。 実施例1 合成例1にて得られたノボラック型フェノール樹脂10
0部とメラミン10部、無水ピロメリット酸22部、ヘ
キサメチレンテトラミン10部を混合粉砕して粉状の熱
硬化性樹脂組成物を得た。
させ、その後200℃にて2時間加熱して硬化物を得
た。この硬化物を粉砕したものを表−1に示した所定の
熱処理条件にて重量減少を測定することにより、その耐
熱性を評価した。この結果を表−1に示した。 比較例1 合成例1にて得られたノボラック型フェノール樹脂10
0部とヘキサメチレンテトラミン10部を混合粉砕して
粉状の熱硬化性樹脂組成物を得、実施例1と同様の試験
を行った。この結果を表−1に示した。 実施例2 合成例1にて得られたノボラック型フェノール樹脂10
0部にメタアミノフェノール25部を130℃にて溶融
混合させ、冷却して固形樹脂組成物を得た。この組成物
と無水ピロメリット酸25部、ヘキサメチレンテトラミ
ン10部を混合粉砕して粉状の熱硬化性樹脂組成物を
得、実施例1と同様の試験を行った。この結果を表−1
に示した。 実施例3 合成例1にて得られたノボラック型フェノール樹脂10
0部に無水フタル酸15部とジアミノジフェニルメタン
10部を130℃にて混合させ150℃にて1時間保持
した後、冷却して固形樹脂組成物を得た。この組成物
と、ヘキサメチレンテトラミン10部を混合粉砕して粉
状の熱硬化性樹脂組成物を得、実施例1と同様の試験を
行った。この結果を表−1に示した。 実施例4 合成例1にて得られたノボラック型フェノール樹脂10
0部に無水トリメリット酸32部を130℃にて溶融混
合させ、冷却して固形樹脂組成物を得た。この組成物と
パラアミノフェノール23部、ヘキサメチレンテトラミ
ン10部を混合粉砕して粉状の熱硬化性樹脂組成物を
得、実施例1と同様の試験を行った。この結果を表−1
に示した。
ボラック型フェノール樹脂と、第1級アミノ基又は少な
くとも2個の核水素原子を有し、かつイミド骨格をも有
する化合物とが、メチレン結合及び/又はジメチレンエ
ーテル結合により架橋した構造を有する合成樹脂硬化物
(実施例1)は、ノボラック型フェノール樹脂を直接メ
チレン結合及び/又はジメチレンエーテル結合により架
橋した構造を有する合成樹脂硬化物(比較例1)に比べ
て、耐熱性が格段に優れていることがわかる。
は、ノボラック型フェノール樹脂とイミド骨格を有する
化合物とが、メチレン結合及び/又はジメチレンエーテ
ル結合を介して架橋された構造を有しているので、ノボ
ラック型フェノール樹脂が直接メチレン結合及び/又は
ジメチレンエーテル結合架橋された構造の従来の硬化物
に比べて耐熱性に優れるという格別顕著な効果を奏す
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 酸無水物(A)と、第1級アミノ基を少
なくとも2個有する化合物及び/又は核水素を少なくと
も2個有しかつ第1級アミノ基をも有するフェノール性
水酸基含有芳香族炭化水素(B)と、ノボラック型フェ
ノール樹脂(C)と、ホルムアルデヒド供給物質(D)
とを含有する熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項2】 ホルムアルデヒド供給物質(D)が、ヘ
キサメチレンテトラミンである請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 成分(A)が芳香族酸無水物で、成分
(B)が、モノアミノフェノールである請求項1記載の
組成物。 - 【請求項4】 芳香族酸無水物が無水ピロメリット酸で
あり、モノアミノフェノールがp−アミノフェノール又
はm−アミノフェノールである請求項3記載の組成物。 - 【請求項5】 前記成分(A)〜(D)を、(A)と
(B)とが反応した後に残留する第1級アミノ基数及び
/又は核水素数をXとし、(C)の核水素数をYとし、
(D)の結合手数をZとしたとき、X≦Z≦(X+Y)
を満足する様に(A)〜(D)をそれぞれを用いる請求
項1記載の組成物。 - 【請求項6】 ノボラック型フェノール樹脂と、第1級
アミノ基又は少なくとも2個の核水素原子を有し、かつ
イミド骨格をも有する化合物とが、メチレン結合及び/
又はジメチレンエーテル結合により架橋した構造を有
し、必要に応じてノボラック型フェノール樹脂同志がメ
チレン結合及び/又はジメチレンエーテル結合により架
橋した構造をも有する合成樹脂硬化物。
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