JPH0651825B2 - フエノ−ル樹脂結合剤 - Google Patents

フエノ−ル樹脂結合剤

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JPH0651825B2
JPH0651825B2 JP6494587A JP6494587A JPH0651825B2 JP H0651825 B2 JPH0651825 B2 JP H0651825B2 JP 6494587 A JP6494587 A JP 6494587A JP 6494587 A JP6494587 A JP 6494587A JP H0651825 B2 JPH0651825 B2 JP H0651825B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明は、速硬化性ノボラック型フェノール樹脂結合剤
に関するものであり、さらに詳しくは鋳型、フェルト、
砥石、摩擦材等における硅砂、繊維、砥粒のような有
機、無機の基材を結合させるための速硬化性のノボラッ
ク型フェノール樹脂結合剤に関するものである。
[従来の技術] 従来ノボラック型フェノール樹脂(以下ノボラック樹脂
という)の硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミ
ン、パラホルムアルデヒドやトリオキサンなどのホルム
アルデヒド源が用いられており、一般的にはヘキサメチ
レンテトラミン(以下ヘキサという)が広く用いられて
いる。
ノボラック樹脂にヘキサを配合して得られる組成物は硬
化時間は短く十分満足できるものであるが、さらに作業
能力を向上させるために一層硬化時間を短縮することが
当業界で強く望まれている。硬化時間を短縮させて速硬
化性のノボラック樹脂結合剤を得ようとする試みが従来
からいろいろなされている。
例えばノボラック樹脂とヘキサとの反応においては、フ
ェノール性水酸基に対してオルソ−オルソ位に結合した
メチレン橋を数多く有する、いわゆるハイオルソノボラ
ック樹脂の硬化速度が速いことを利用した速硬化性ノボ
ラック樹脂結合剤を得る方法(特公昭53−35596
号、特開昭54−127997号、特開昭59−804
18号)が知られている。
他の方法としてノボラック樹脂およびヘキサにサリチル
酸などの芳香族カルボン酸を添加する方法(特公昭36
−20589号、特公昭60−31340号)、ノボラ
ック樹脂に対して0.5〜5重量%の脂肪族飽和ジカル
ボン酸を添加する方法(特開昭53−124118
号)、またノボラック樹脂に対して約1ないし約10重
量%のレゾルシノールを添加する方法(特公昭53−1
3129号)が知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、従来知られている硬化時間を短かくする方法で
は、ノボラック樹脂の硬化時間を短縮することができる
ものの、他の問題点が生ずるのを避けることができな
い。
たとえば、ハイオルソノボラック樹脂の場合、合成方法
のコントロールが難しく、ゲル化の危険性又は、安定し
た品質のノボラック樹脂が得難いうえ、収率が悪くコス
ト面においても問題がある。一方カルボン酸を添加する
場合、硬化時間の短縮の効果は小さく、また一般にはノ
ボラック樹脂に対して、2ないし3重量%の添加が必要
である。そのために、ノボラック樹脂の軟化点が大巾に
低下し、フェルトや砥石、摩擦材などに使用される粉体
のノボラック樹脂の場合、樹脂のブロックを起す原因と
なり、製品不良を起したり、ひいては使用できなくなる
という問題がある。またシェルモールド用砂粒に用いら
れる場合は、樹脂のみならず樹脂被覆砂粒もブロックを
起したり、砂粒の流動性の低下からくる鋳型の砂づまり
不良を起すという問題が生ずる。また樹脂の軟化点を低
下させるだけでなく、刺激臭を発生させ作業環境を悪く
するという問題も生ずる。
またレゾルシノールの場合は、3ないし7重量%の添加
が必要であり、硬化速度は向上するものの、悪臭による
作業環境の悪化、およびコスト高をもたらすという問題
点がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は硬化時間が従来の速硬化性のノボラック樹脂
結合剤にも増して著しく短縮され、しかも上記の問題点
の生じないノボラック樹脂結合剤を開発すべく鋭意研究
を重ねてきた。その結果ノボラック樹脂に特定の有機酸
と2価のフェノールを組み合せることにより、所期の目
的を達成することを見い出し本発明を完成するに至っ
た。
すなわち本発明はフェノール類1モルに対して、ホルム
アルデヒド類0.50〜0.95モルを酸性触媒の下で
縮合反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂と
安息香酸、サチリル酸、アジピン酸、コハク酸およびフ
タル酸から選ばれる有機酸およびカテコール、レゾルシ
ンおよびハイドロキノンから選ばれる2価のフェノール
とからなることを特徴とするフェノール樹脂結合剤であ
る。本発明で用いられるノボラック型フェノール樹脂の
原料として使用されるフェノール類はフェノール、クレ
ゾール、キシレノール、ビスフェノールAなどを単独ま
たは混合して用いられる。ホルムアルデヒド類として
は、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなどが用いられ
る。
酸性の触媒は塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸または酢
酸、しゅう酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸の
単独または混合物が用いられる。
次に本発明のフェノール樹脂結合剤は、例えば次のよう
に製造される。
フェノール1モルに対して、37%ホルマリンを0.5
〜0.95モルを酸性触媒(塩酸またはシュウ酸が好ま
しい。)の下で所定時間還流状態で縮合反応させる。そ
の後減圧濃縮脱水を150〜190℃程度まで行い、ノ
ボラック樹脂を得る。このノボラック樹脂に有機酸およ
び2価のフェノールを溶解させて必要に応じて粉体状ま
たは粒状に処理して速硬化性のフェノール樹脂結合剤を
得る。
有機酸および2価のフェノールの添加量は使用する条件
により一概に限定されないが、通常フェノール樹脂10
0重量部に対して0.1〜3.0重量部、好ましくは
0.2〜1.5重量部が最適である。また有機酸および
2価のフェノールの添加方法は、上記のようにノボラッ
ク樹脂中に樹脂合成時において均一に溶解又は分散させ
ることが最も好ましいが、これに限定されるものではな
く粉砕時や使用時に添加することもできる。
本発明のフェノール樹脂結合剤には、上記のほかに、ス
テアリン酸、ステアリン酸塩、パラフィン、ポリエチレ
ンワックス、エチレンビスステアリン酸アミドなどの滑
剤、アミノシランやエポキシシランなどのシランカップ
リング剤など必要に応じて含有させることができる。
[作用] 本発明のフェノール樹脂結合剤は、ノボラック樹脂に均
一に溶解または分散させた有機酸および2価のフェノー
ルが添加されている。この安息香酸やサリチル酸などの
有機酸は、ノボラック樹脂の硬化剤であるヘキサの分解
を促進し、さらにカテコールなどの2価のフェノールが
ノボラック樹脂の硬化時に架橋反応基を増大させるとい
うふたつの働きが相乗的に作用し少ない添加量でノボラ
ック樹脂の硬化時間を大巾に短縮する。
[実施例] 以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れない。
[実施例1〜7、および比較例1〜7] フェノール100重量部、37%ホルマリン59重量部
を温度計、コンデンサー付きの反応缶に仕込み、さらに
シュウ酸0.5重量部を加え、シュウ酸0.5重量部を
加え、還流下90分間縮合反応させる。次いで−60〜
−70cmHgの減圧下で脱水濃縮を170℃まで行い98
重量部のノボラック樹脂を得る。このノボラック樹脂1
00重量部に表1に示す有機酸および2価のフェノール
を溶解させフェノール樹脂結合剤を得た。
これらのフェノール樹脂結合剤を微粉砕しゲルタイムお
よび軟化点を測定した。
結果を表1に併せて示した。なおゲルタイムはフェノー
ル樹脂100重量部に対しヘキサを15重量部混合し、
JIS K・6910に準拠し150℃の熱板上で測定
した。軟化点はJIS K−6910に準拠して測定し
た。
つぎに、本発明の応用例を示す。
[応用例1] 実施例1、4、6および比較例2、7のフェノール樹脂
結合剤を用い以下の方法によりシェルモールド用樹脂被
覆砂粒(以下RCSという)を得、それらの特性を測定
した。結果を表2に示す。
RCSは、スピードミキサー(遠州鉄工製、NSC−2
型)に160gに加熱したフーカ砂8kgを投入し、上記
フェノール樹脂結合剤を160℃加えて30秒間混練
し、次いで水210g中にヘキサ24gを溶解した水溶
液を加え、砂粒が崩壊するまで撹拌したのち、ステアリ
ン酸カルシウムを8g加えさらに20秒間撹拌し、排砂
してRCSを得た。
(応用例2) 実施例2、3、7および比較例4、6のフェノール樹脂
結合剤を100部に対して、ヘキサ15部とステアリン
酸カルシウム0.5部を粗粉砕しながら混合し、さらに
微粉砕し平均粒径8μmの微粉末としてフェルト用結合
剤を得た。
以上で得られたフェルト用結合剤25部と綿繊維100
部を反毛機で混合し、260×240×80(mm)、重量
45〜50gのフリースを作り、それを厚さ10mmまで
200℃で5分間加熱プレスし、密度0.06〜0.0
7g/cm3のフェルトを形成した。得られたフェルトより
直ちに50×150×10(mm)の試験片を3枚切り出
し、各試験片を支点間距離が10cmの梁の上に乗せ、中
央に100gの荷重をかけ、10秒後のたわみ量を測定
した。たわみ量が小さい程硬化性は良い。また上記と同
様な試験片を常温まで冷却したのち、テンシロン型引張
り試験機で引張り強度を測定した。
フェルト用結合剤のブロッキング特性は、フェルト用結
合剤25gを直径50mmの円筒容器に入れ1kgの荷重を
かける。これを40℃のオーブンに入れ、72時間後2
4メッシュの篩上に取り出し、篩上に残ったフェルト用
結合剤の重量を測定し、百分率でブロック率を表わし
た。結果を表3に示した。
[発明の効果] 本発明のフェノール樹脂結合剤は、実施例に見られるよ
うに、ゲルタイムが短かく硬化速度の速いフェノール樹
脂結合剤である。さらにフェノール樹脂結合剤の軟化点
の低下が少なくブロックを起しにくいフェノール樹脂結
合剤である。
また応用例の結果から明らかなように、本発明のフェノ
ール樹脂結合剤は、RCSに応用した場合、融着点が高
くRCSのブロッキングや砂づまり不良などを起し難
く、さらに温間曲げ強度が高いため鋳型造型の生産性が
向上するという利点がある。
またフェルトに応用した場合、ブロック率が少なく、た
わみ量が少ないことから硬化性が良好であることがわか
る。
以上のように、本発明のフェノール樹脂結合剤は、従来
のものと比べ硬化時間が大幅に短縮され、さらに軟化点
の大巾な低下を起さずブロックのない優れたものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール類1モルに対して、ホルムアル
    デヒド類0.50〜0.95モルを酸性触媒の下で縮合
    反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂と、安
    息香酸、サリチル酸、アジピン酸、コハク酸およびフタ
    ル酸から選ばれる有機酸およびカテコール、レゾルシン
    およびハイドロキノンから選ばれる2価のフェノールと
    からなることを特徴とするフェノール樹脂結合剤。
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