JP2019178190A - 樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形品の製造に好ましく用いられる、樹脂材料と粒子などとの密着性ないし親和性を改善し、成形品の機械強度を向上できる樹脂組成物の提供。【解決手段】式(1)で表される第一構造単位と、その誘導体の構造である第二構造単位とを有する樹脂を含む樹脂組成物である。ここで、第一構造単位は、無水マレイン酸構造単位が、フェノール樹脂中の水酸基により開環したハーフエステル構造である。また、第二構造単位は、無水マレイン酸構造単位が、無水マレイン酸と反応しうる官能基と、シラノール基および/または加水分解によりシラノール基を発生する基を有する化合物により開環したハーフエステル構造、またはそのハーフエステル構造が脱水して閉環した構造である。【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂組成物および成形品に関する。より具体的には、樹脂組成物と、その樹脂組成物を用いて形成された成形品に関する。
樹脂組成物や、樹脂を用いた成形品については、工業的な重要性から様々な開発が継続されている。
例えば、特許文献1には、軟化点が高くゴムの補強効果に優れるフェノール樹脂が記載されている。特許文献1によれば、フェノール樹脂が、特定の植物由来フェノール類に由来する構造、その他のフェノール類に由来する構造、アルデヒド類に由来する構造及び糖質類に由来する構造を備えることで、軟化点が高くゴムの補強効果に優れることが記載されている。
また、特許文献2には、フェノール樹脂に特定の無機充填材を特定量配合したフェノール樹脂成型材料が記載されている。
例えば、特許文献1には、軟化点が高くゴムの補強効果に優れるフェノール樹脂が記載されている。特許文献1によれば、フェノール樹脂が、特定の植物由来フェノール類に由来する構造、その他のフェノール類に由来する構造、アルデヒド類に由来する構造及び糖質類に由来する構造を備えることで、軟化点が高くゴムの補強効果に優れることが記載されている。
また、特許文献2には、フェノール樹脂に特定の無機充填材を特定量配合したフェノール樹脂成型材料が記載されている。
樹脂組成物を用いた成形品の製造においては、樹脂材料と、種々の粒子、フィラー、繊維など(これらを総称して「粒子など」と表記する)を混合して用いる場合がしばしばある。
本発明者らの知見によれば、これらの場合において、樹脂材料と粒子などとの、密着性ないし親和性には改善の余地があった。これを改善することで、成形品の機械強度などの性能を更に向上できる可能性がある。
本発明者らの知見によれば、これらの場合において、樹脂材料と粒子などとの、密着性ないし親和性には改善の余地があった。これを改善することで、成形品の機械強度などの性能を更に向上できる可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明は、例えば、成形品の製造に好ましく用いられる樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下に提供される発明をなし、上記課題を達成できることを見出した。
本発明によれば、
以下一般式(1)で表される第一構造単位と、以下一般式(2)または(2’)で表される第二構造単位とを有する樹脂を含む樹脂組成物
が提供される。
以下一般式(1)で表される第一構造単位と、以下一般式(2)または(2’)で表される第二構造単位とを有する樹脂を含む樹脂組成物
が提供される。
Rpは、フェノール樹脂中の水酸基から水素原子を除いた構造を含む基である。
一般式(2)および(2’)中、
Rsは、シラノール基および/または加水分解によりシラノール基を発生する基を含む基を表し、
Xは−O−または−NH−を表す。
また、本発明によれば、
上記の樹脂組成物により成形された成形品
が提供される。
上記の樹脂組成物により成形された成形品
が提供される。
本発明によれば、例えば、成形品の製造に好ましく用いられる樹脂組成物が提供される。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、以下一般式(1)で表される第一構造単位と、以下一般式(2)または(2’)で表される第二構造単位とを有する樹脂を含む。
なお、この樹脂を、以後「特定樹脂」とも表記する。
本実施形態の樹脂組成物は、以下一般式(1)で表される第一構造単位と、以下一般式(2)または(2’)で表される第二構造単位とを有する樹脂を含む。
なお、この樹脂を、以後「特定樹脂」とも表記する。
一般式(1)中
Rpは、フェノール樹脂中の水酸基から水素原子を除いた構造を含む基である。
一般式(2)および(2’)中、
Rsは、シラノール基および/または加水分解によりシラノール基を発生する基を含む基を表し、
Xは−O−または−NH−を表す。
Rpは、フェノール樹脂中の水酸基から水素原子を除いた構造を含む基である。
一般式(2)および(2’)中、
Rsは、シラノール基および/または加水分解によりシラノール基を発生する基を含む基を表し、
Xは−O−または−NH−を表す。
特定樹脂を含む樹脂組成物が、例えば成形品の製造に好ましく用いられる理由は、一部推定を含むが、以下観点から説明することができる。
・熱硬化性樹脂として代表的なフェノール樹脂構造(一般式(1)のRp)を含むことにより、適度な成形性が得られる。また、その構造がグラフト鎖として組み込まれていることで、フェノール樹脂の偏在などが抑えられ、成形品の製造に好ましく用いることができる。
・少なくとも一般式(1)の構造がカルボキシル基を含む(場合によっては一般式(2)の構造もカルボキシル基を含む)ことにより、成形時の硬化反応が促進される。
・シラノール基および/または加水分解によりシラノール基を発生する基を含む基(一般式(2)または(2’)のRs)があることにより、例えば、特定樹脂が、特定樹脂と共に用いられうる粒子と結合する。これにより、粒子の分散性が高まるものと考えられる。また、別の例として、無機材料の表面に膜形成などするときに、特定樹脂の官能基Rsが無機材料界面と結合し、密着性が向上すると考えられる。
・熱硬化性樹脂として代表的なフェノール樹脂構造(一般式(1)のRp)を含むことにより、適度な成形性が得られる。また、その構造がグラフト鎖として組み込まれていることで、フェノール樹脂の偏在などが抑えられ、成形品の製造に好ましく用いることができる。
・少なくとも一般式(1)の構造がカルボキシル基を含む(場合によっては一般式(2)の構造もカルボキシル基を含む)ことにより、成形時の硬化反応が促進される。
・シラノール基および/または加水分解によりシラノール基を発生する基を含む基(一般式(2)または(2’)のRs)があることにより、例えば、特定樹脂が、特定樹脂と共に用いられうる粒子と結合する。これにより、粒子の分散性が高まるものと考えられる。また、別の例として、無機材料の表面に膜形成などするときに、特定樹脂の官能基Rsが無機材料界面と結合し、密着性が向上すると考えられる。
以下、本実施形態の樹脂組成物が含む特定樹脂、特定樹脂の製造方法、その他の任意成分などについて説明する。
[特定樹脂]
特定樹脂は、上記の一般式(1)で表される第一構造単位と、以下一般式(2)または(2’)で表される第二構造単位とを含む。なお、特定樹脂は、第二構造単位として、一般式(2)または(2’)で表される構造単位のうち片方のみを有していてもよいし、両方を有していてもよい。
特定樹脂は、上記の一般式(1)で表される第一構造単位と、以下一般式(2)または(2’)で表される第二構造単位とを含む。なお、特定樹脂は、第二構造単位として、一般式(2)または(2’)で表される構造単位のうち片方のみを有していてもよいし、両方を有していてもよい。
・第一構造単位
一般式(1)のRpの「フェノール樹脂中の水酸基から水素原子を除いた構造」における「フェノール樹脂」は、任意のフェノール樹脂であってよい。
また、「水酸基」は、好ましくは、フェノール樹脂中に含まれるフェノール性水酸基である。もちろん、フェノール樹脂がアルコール性水酸基を有する(例えばメチロール基を有する)ものである場合には、「水酸基」はアルコール性水酸基であってもよい。
一般式(1)のRpの「フェノール樹脂中の水酸基から水素原子を除いた構造」における「フェノール樹脂」は、任意のフェノール樹脂であってよい。
また、「水酸基」は、好ましくは、フェノール樹脂中に含まれるフェノール性水酸基である。もちろん、フェノール樹脂がアルコール性水酸基を有する(例えばメチロール基を有する)ものである場合には、「水酸基」はアルコール性水酸基であってもよい。
第一構造単位については、(i)まず、無水マレイン酸に由来する構造単位を含むポリマーを準備し、(ii)次に、そのポリマーの無水マレイン酸に由来する構造単位に、フェノール樹脂の水酸基をアタックさせる反応、により樹脂中に導入することができる(特定樹脂の製造方法については追って詳述する)。
なお、フェノール樹脂が2以上の水酸基を有する場合、2以上の水酸基が無水マレイン酸構造単位と反応することで、架橋構造を形成する場合もありうる。
例えば、特定樹脂は、以下(1−2)のような架橋構造をなす場合もあると考えられる。以下において、Rp’は、2つ以上の水酸基を有するフェノール樹脂の、2つの水酸基から水素原子を除いた構造を表す。
例えば、特定樹脂は、以下(1−2)のような架橋構造をなす場合もあると考えられる。以下において、Rp’は、2つ以上の水酸基を有するフェノール樹脂の、2つの水酸基から水素原子を除いた構造を表す。
フェノール樹脂として具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂などが挙げられる。
フェノール樹脂は、1種類を単独で用いてよいし、異なる2種類以上を併用してもよい(つまり、樹脂は、一般式(1)に該当する複数の異なる構造単位を含んでいてもよい)。
一態様として、フェノール樹脂については、ノボラック型フェノール樹脂を用いることが好ましい。これにより、樹脂をより剛直にできる。したがって、成形体としたときの硬度や機械的特性を一層向上できると考えられる。
フェノール樹脂は、1種類を単独で用いてよいし、異なる2種類以上を併用してもよい(つまり、樹脂は、一般式(1)に該当する複数の異なる構造単位を含んでいてもよい)。
一態様として、フェノール樹脂については、ノボラック型フェノール樹脂を用いることが好ましい。これにより、樹脂をより剛直にできる。したがって、成形体としたときの硬度や機械的特性を一層向上できると考えられる。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、無触媒下、酸性触媒下または遷移金属触媒下で反応させて得られる樹脂であればよい。
ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、ランダムノボラック型フェノール樹脂、ハイオルソノボラック型フェノール樹脂を用いることができる。
なお、ノボラック型フェノール樹脂は、通常、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)を0.1〜1.0に制御した上で、反応させて得ることができる。
ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、ランダムノボラック型フェノール樹脂、ハイオルソノボラック型フェノール樹脂を用いることができる。
なお、ノボラック型フェノール樹脂は、通常、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)を0.1〜1.0に制御した上で、反応させて得ることができる。
上記の酸性触媒としては、具体的には、酢酸、シュウ酸などの有機酸;塩酸、硫酸、リン酸などの鉱物酸;ジエチル硫酸;パラトルエンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸;1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などの有機ホスホン酸などを用いることができる。酸性触媒としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の遷移金属触媒としては、具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、マンガン、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどの塩が挙げられる。この塩としては、例えば、酢酸塩などの有機塩類、ハロゲン化物、酸化物などが挙げられる。塩としては、具体的には、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。塩としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、塩基性触媒の存在下で反応させて得られる樹脂であればよい。なお、レゾール型フェノール樹脂は、通常、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)が0.9〜4.0となるように制御した上で、反応させて得ることができる。
上記の塩基性触媒としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物;炭酸ナトリウム、アンモニア水、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのアミン類などを用いることができる。塩基性触媒としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ノボラック型フェノール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂の合成に用いられるフェノール類としては、フェノール性水酸基を備えるモノマーに由来するものであれば限定されない。
このようなフェノール類としては、具体的には、フェノール;o−ジヒドロキシベンゼン、m−ジヒドロキシベンゼン、p−ジヒドロキシベンゼンなどのジヒドロキシベンゼン;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのクレゾール;エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのアルキルフェノール;キシレノール;3−ペンタデシルフェノール、3−ペンタデシルフェノールモノエン、3−ペンタデシルフェノールジエン、3−ペンタデシルフェノールトリエンなどのカシューオイルの含有成分;1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンモノエン、1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンジエン、1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼントリエンといったカルドールの含有成分;2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンモノエン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンジエン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼントリエンといったメチルカルドールの含有成分;ウルシオール;ビスフェノールA;ビスフェノールF;ビスフェノールSなどが挙げられる。フェノール類としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。フェノール類としては、上記具体例のうち、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、m−ジヒドロキシベンゼン、ブチルフェノール、オクチルフェノール、カシューオイルの含有成分を用いることが好ましい。これにより、フェノール性水酸基の位置が適切となることで、樹脂中に適切な連結構造が形成されやすいと考えられる。これにより、硬度や機械的特性を一層向上できると考えられる。なお、上記のカルドールおよび2−メチルカルドールは、純粋物が存在しない。
このようなフェノール類としては、具体的には、フェノール;o−ジヒドロキシベンゼン、m−ジヒドロキシベンゼン、p−ジヒドロキシベンゼンなどのジヒドロキシベンゼン;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのクレゾール;エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのアルキルフェノール;キシレノール;3−ペンタデシルフェノール、3−ペンタデシルフェノールモノエン、3−ペンタデシルフェノールジエン、3−ペンタデシルフェノールトリエンなどのカシューオイルの含有成分;1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンモノエン、1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンジエン、1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼントリエンといったカルドールの含有成分;2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンモノエン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンジエン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼントリエンといったメチルカルドールの含有成分;ウルシオール;ビスフェノールA;ビスフェノールF;ビスフェノールSなどが挙げられる。フェノール類としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。フェノール類としては、上記具体例のうち、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、m−ジヒドロキシベンゼン、ブチルフェノール、オクチルフェノール、カシューオイルの含有成分を用いることが好ましい。これにより、フェノール性水酸基の位置が適切となることで、樹脂中に適切な連結構造が形成されやすいと考えられる。これにより、硬度や機械的特性を一層向上できると考えられる。なお、上記のカルドールおよび2−メチルカルドールは、純粋物が存在しない。
ノボラック型フェノール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂の合成に用いられるアルデヒド類としては、従来公知の物であれば限定されない。
アルデヒド類としては、具体的には、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド化合物;ヘキサメチレンテトラミンなどのアルデヒド化合物の発生源となる物質などを用いることができる。アルデヒド類としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルデヒド類としては、具体的には、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド化合物;ヘキサメチレンテトラミンなどのアルデヒド化合物の発生源となる物質などを用いることができる。アルデヒド類としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
フェノール樹脂としては、具体的には、未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレノール樹脂、クレゾール・キシレノール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、レゾルシノール変性フェノール樹脂、キシレノール変性フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂などが挙げられる。フェノール樹脂としては、上記のうち1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール樹脂としては、例えば、下記一般式(B)で示される構造単位を含むものであることが好ましい。これにより、適切なグラフト構造を形成でき、成形体の更なる強度向上に効果的と考えられる。
一般式(B)において、
R18およびR19は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基または炭素数1〜20の有機基であり、
R20は、水素原子、または、炭素数1〜20の有機基である。
R18およびR19は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基または炭素数1〜20の有機基であり、
R20は、水素原子、または、炭素数1〜20の有機基である。
一般式(B)において、R18は、好ましくは、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ヒドロキシメチル基、炭素数1〜20の炭化水素基、−CH2−Ar1−OH、−C(CH3)2−Ar1−OHまたは−SO2−Ar1−OHであり、より好ましくは、水素原子、ヒドロキシル基、メチル基、ブチル基、オクチル基、n−1,4,7−ペンタデシルトリエン基、n−4,7−ペンタデシルジエン基、n−7−ペンタデシルモノエン基またはn−ペンタデシル基であり、さらに好ましくは、水素原子、ヒドロキシル基、メチル基、n−1,4,7−ペンタデシルトリエン基、n−4,7−ペンタデシルジエン基、n−7−ペンタデシルモノエン基またはn−ペンタデシル基である。これにより、適切な連結構造を形成し、成形品の硬度や機械特性を一層向上できる。
なお、上記Ar1は、具体的には、フェニレン基などのアリーレン基を示す。
なお、上記Ar1は、具体的には、フェニレン基などのアリーレン基を示す。
一般式(B)において、R19は、好ましくは、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基またはメチル基である。これにより、共重合体と適切な連結構造を形成し、成形品の硬度や機械特性を向上できる。
一般式(B)において、R20は、好ましくは、水素原子、アルキル基、トリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などのアリール基、または、−Ar2−OHであることが好ましく、より好ましくは、水素、メチル基、または、−Ar2−OHである。これにより、適切な連結構造を形成し、成形品の硬度や機械特性を向上できる。
なお、上記−Ar2−OHのAr2は、具体的には、フェニレン基などのアリーレン基を示す。
なお、上記−Ar2−OHのAr2は、具体的には、フェニレン基などのアリーレン基を示す。
一般式(1)で表される第一構造単位において、Rpが、一般式(B)で示される構造単位を含むフェノール樹脂の水酸基から水素原子を除いた構造を含む基である場合、特定樹脂は、例えば以下(1−3)のような部分構造を含むと考えられる。
以下において、R18、R19およびR20は、一般式(B)におけるものと同義である。
以下において、R18、R19およびR20は、一般式(B)におけるものと同義である。
フェノール樹脂の重量平均分子量Mwの下限値としては、300以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、2000以上であることが更に好ましい。これにより、より適切に連結構造を形成しやすく、成形品としたときの硬度や機械的強度を一層高められる。
また、フェノール樹脂の重量平均分子量Mwの上限値としては、例えば、200000以下であることが好ましく、100000以下であることがより好ましく、50000以下であることがさらに好ましい。これにより、樹脂組成物のハンドリング性を適切に制御できる。具体的には、後述の他の任意成分などと均一に混合しやすくなり、成形品としたときの硬度や機械的強度を一層高められる。
また、フェノール樹脂の重量平均分子量Mwの上限値としては、例えば、200000以下であることが好ましく、100000以下であることがより好ましく、50000以下であることがさらに好ましい。これにより、樹脂組成物のハンドリング性を適切に制御できる。具体的には、後述の他の任意成分などと均一に混合しやすくなり、成形品としたときの硬度や機械的強度を一層高められる。
フェノール樹脂の分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)の上限値としては、例えば、50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましく、20以下であることが一層好ましく、10以下であることが殊更好ましい。これにより、連結構造の長さを均一にし、成形体の硬度や機械的強度が局所的に不均一となることを抑制できる。
また、フェノール樹脂の分散度の下限値としては、例えば、1以上でもよく、3以上でもよい。
また、フェノール樹脂の分散度の下限値としては、例えば、1以上でもよく、3以上でもよい。
なお、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定により、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに算出することができる。
フェノール樹脂中の未反応フェノール類の含有率の上限値は、例えば、5%以下とすることが好ましく、3%以下とすることがより好ましく、1%以下とすることが更に好ましい。これにより、連結構造を形成せずに、共重合体における不飽和カルボン酸無水物由来の構造単位を開環することを抑制できる。したがって、成形品としたときの硬度や機械的強度を向上できる。
また、フェノール樹脂中の未反応フェノール類の含有率の下限値は、例えば、0%以上でもよく、0.1%以上でもよい。フェノール樹脂中の未反応フェノール類の含有率は、例えば、ガスクロマトグラフィーを用いて算出できる。
また、フェノール樹脂中の未反応フェノール類の含有率の下限値は、例えば、0%以上でもよく、0.1%以上でもよい。フェノール樹脂中の未反応フェノール類の含有率は、例えば、ガスクロマトグラフィーを用いて算出できる。
・第二構造単位
一般式(2)のXは、−O−でも−NH−でもよいが、例えば−NH−が好ましい。
一般式(2)および(2’)のRsは、シラノール基(Si−OH)および/または加水分解によりシラノール基を発生する基を含む限り、特に限定されないが、組成物の使用前の経時劣化を抑える等の観点からは、Rsは、加水分解によりシラノール基を発生する基を含むことが好ましい。
一般式(2)のXは、−O−でも−NH−でもよいが、例えば−NH−が好ましい。
一般式(2)および(2’)のRsは、シラノール基(Si−OH)および/または加水分解によりシラノール基を発生する基を含む限り、特に限定されないが、組成物の使用前の経時劣化を抑える等の観点からは、Rsは、加水分解によりシラノール基を発生する基を含むことが好ましい。
Rsは、好ましくは、−Si(OR)3で表される構造を含む。ここで、3つのRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。Rは、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。Rがこれら基のいずれかであることにより、組成物の使用前の安定性と、Rsの反応性との両立を図ることができる。
第二構造単位は、例えば、(i)まず、無水マレイン酸構造単位を含むポリマーを準備し、(ii)次に、そのポリマーの無水マレイン酸構造単位に、無水マレイン酸と反応しうる官能基と、シラノール基および/または加水分解によりシラノール基を発生する基を有する化合物(以下、この化合物を「特定シラン化合物」とも表記する)をアタックさせる反応、により形成することができる(特定樹脂の製造方法については追って詳述する)。
上記(ii)の「特定シラン化合物」として具体的には、以下一般式(Sa)で表されるものが挙げられる。
一般式(Sa)中、
3つのRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。
Xは、単結合または2価の連結基である。
Aは、無水マレイン酸と反応してエステル結合またはアミド結合を形成しうる基であり、好ましくはヒドロキシ基またはアミノ基(−NH2)である。
3つのRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。
Xは、単結合または2価の連結基である。
Aは、無水マレイン酸と反応してエステル結合またはアミド結合を形成しうる基であり、好ましくはヒドロキシ基またはアミノ基(−NH2)である。
Rは、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。
Xが2価の連結基である場合、その例としては、炭素数1〜30の二価の有機基が挙げられる。
炭素数1〜30の二価の有機基としては、例えば、アルキレン基(直鎖状または分岐状)、シクロアルキレン基、アリーレン基、これら基の2以上が連結した基などを挙げることができる。
2価の有機基を構成する炭素鎖の一部は、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合などにより置き換えられていてもよい。例えば、プロピレン基(−CH2−CH2−CH2−)の中央のCH2部位がエーテル結合に置き換わった−CH2−O−CH2−などの構造であってもよい。
炭素数1〜30の二価の有機基としては、例えば、アルキレン基(直鎖状または分岐状)、シクロアルキレン基、アリーレン基、これら基の2以上が連結した基などを挙げることができる。
2価の有機基を構成する炭素鎖の一部は、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合などにより置き換えられていてもよい。例えば、プロピレン基(−CH2−CH2−CH2−)の中央のCH2部位がエーテル結合に置き換わった−CH2−O−CH2−などの構造であってもよい。
Xのアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜6であり、さらに好ましくは炭素数1〜4である。
Xのシクロアルキレン基としては、単環または多環のシクロアルカンから任意の水素原子を2つ除いて得られる2価の基などが挙げられる。炭素数として好ましくは3〜10、より好ましくは5〜8である。
Xのアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。炭素数として好ましくは6〜10である。
Xのシクロアルキレン基としては、単環または多環のシクロアルカンから任意の水素原子を2つ除いて得られる2価の基などが挙げられる。炭素数として好ましくは3〜10、より好ましくは5〜8である。
Xのアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。炭素数として好ましくは6〜10である。
Xは、炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜6の直鎖アルキレン基であることがより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基であることがさらに好ましい。
上記「特定シラン化合物」(より具体的には、以下一般式(Sa)で表される化合物)としては、化学メーカより「シランカップリング剤」等の呼称で販売されている公知の化合物の中から、適当な化合物を選択して用いてもよい。シランカップリング剤は、信越化学工業株式会社や東レ・ダウコーニング社などにより販売されている。
シランカップリング剤として具体的には、アミノ基(−NH2)と、アルコキシシリル基とを有するシラン化合物が好ましく挙げられる。そのような化合物としては、例えば、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、またはN−フェニル−γ−アミノ−プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、上記のシランカップリング剤において、アミノ基の代わりに水酸基(−OH)を有するものも好ましく挙げることができる。
また、上記のシランカップリング剤において、アミノ基の代わりに水酸基(−OH)を有するものも好ましく挙げることができる。
・その他の構造単位
特定樹脂は、第一構造単位および第二構造単位とは異なる、その他の任意の構造単位を含んでもよい。
具体的には、特定樹脂は、第一構造単位および第二構造単位のほかに、好ましくは、以下一般式(3)、(4)、(5)、(6)および(6’)で表される構造単位の少なくとも1つを含む(1種の構造単位のみを含んでもよいし、2種以上の構造単位を含んでもよい)。これら構造単位は、比較的剛直な骨格を有している。よって、特定樹脂がこれら構造単位の少なくとも1つを含むことで、樹脂がより剛直となる。つまり、これら構造単位を樹脂に導入することで、樹脂のガラス転移温度を上げることができ、成形体としたときの耐久性をより高める等の効果があると考えられる。
特定樹脂は、第一構造単位および第二構造単位とは異なる、その他の任意の構造単位を含んでもよい。
具体的には、特定樹脂は、第一構造単位および第二構造単位のほかに、好ましくは、以下一般式(3)、(4)、(5)、(6)および(6’)で表される構造単位の少なくとも1つを含む(1種の構造単位のみを含んでもよいし、2種以上の構造単位を含んでもよい)。これら構造単位は、比較的剛直な骨格を有している。よって、特定樹脂がこれら構造単位の少なくとも1つを含むことで、樹脂がより剛直となる。つまり、これら構造単位を樹脂に導入することで、樹脂のガラス転移温度を上げることができ、成形体としたときの耐久性をより高める等の効果があると考えられる。
一般式(3)中、
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜30の有機基であり、
nは0、1または2である。
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜30の有機基であり、
nは0、1または2である。
一般式(3)中、R1〜R4は、好ましくは水素又は炭素数1〜10の有機基であり、より好ましくは水素又は炭素数1〜3の有機基であり、さらに好ましくは水素または炭素数1の有機基である。
nは、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
nは、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
一般式(4)中、
Raは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、炭素数1〜30の有機基であり、
mは、0〜5の整数である。
Raは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、炭素数1〜30の有機基であり、
mは、0〜5の整数である。
一般式(4)中、Raは、好ましくは水素又は炭素数1〜10の有機基であり、より好ましくは水素又は炭素数1〜3の有機基であり、さらに好ましくは水素または炭素数1の有機基である。
また、一般式(4)中、mは、0〜3の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。
また、一般式(4)中、mは、0〜3の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。
一般式(5)中、R5〜R11は、それぞれ独立に、水素または炭素数1〜3の有機基である。
一般式(5)中、R5〜R11は、水素又は炭素数1の有機基であることが好ましく、全てが水素であることが更に好ましい。
一般式(5)中、R5〜R11は、水素又は炭素数1の有機基であることが好ましく、全てが水素であることが更に好ましい。
一般式(6)および(6’)中、R12は水素または炭素数1〜10の有機基である。
一般式(6)および(6’)中、R12は、水素又は炭素数1〜5の有機基であることが好ましく、水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。
一般式(6)および(6’)中、R12は、水素又は炭素数1〜5の有機基であることが好ましく、水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。
一般式(3)のR1、R2、R3およびR4、ならびに、一般式(4)のRaの「炭素数1〜30の有機基」は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでもよい。
一般式(5)のR5〜R11の「炭素数1〜3の有機基」は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでもよい。
一般式(6)および(6’)のR12の「炭素数1〜10の有機基」は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。
また、一般式(3)のR1〜R4、一般式(4)のRa、一般式(5)のR5〜R11ならびに一般式(6)および(6’)のR12の有機基は、いずれも酸性官能基を有しないものとすることができる。これにより、特定樹脂の酸価の制御を容易とすることができる。
一般式(5)のR5〜R11の「炭素数1〜3の有機基」は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでもよい。
一般式(6)および(6’)のR12の「炭素数1〜10の有機基」は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。
また、一般式(3)のR1〜R4、一般式(4)のRa、一般式(5)のR5〜R11ならびに一般式(6)および(6’)のR12の有機基は、いずれも酸性官能基を有しないものとすることができる。これにより、特定樹脂の酸価の制御を容易とすることができる。
一般式(3)のR1〜R4および一般式(4)のRaの有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、ヘテロ環基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基およびビニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基およびエチリデン基が挙げられる。
アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基およびフェネチル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロオクチル基が挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基およびオキセタニル基が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基およびビニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基およびエチリデン基が挙げられる。
アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基およびフェネチル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロオクチル基が挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基およびオキセタニル基が挙げられる。
一般式(5)のR5〜R11の有機基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基およびn−プロピル基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基およびビニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基およびエチリデン基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロオクチル基が挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基およびオキセタニル基が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基およびn−プロピル基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基およびビニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基およびエチリデン基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロオクチル基が挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基およびオキセタニル基が挙げられる。
一般式(6)および(6’)のR12の有機基は、例えば、水素や、一般式(3)のR1〜R4や一般式(4)のRaとして例示された有機基のうち、炭素数1〜10の有機基であることができる。
一般式(3)のR1〜R4、一般式(4)のRa、一般式(5)のR5〜R11並びに一般式(6)および(6’)の有機基中の水素原子は、ハロゲン原子などにより置換されていてもよい。
ここでのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。一般式(3)のR1〜R4、一般式(4)のRa、一般式(5)のR5〜R11ならびに一般式(6)および(6’)のR12の少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、樹脂を使用して成形品(硬化膜など)を構成した際、これの誘電率を低下させることができる。また、ハロアルキルアルコール基とすることで、樹脂組成物を感光性材料として使用する際、アルカリ現像液に対する溶解性を適度に調整できるだけでなく、耐熱変色性を向上させることができる。
ここでのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。一般式(3)のR1〜R4、一般式(4)のRa、一般式(5)のR5〜R11ならびに一般式(6)および(6’)のR12の少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、樹脂を使用して成形品(硬化膜など)を構成した際、これの誘電率を低下させることができる。また、ハロアルキルアルコール基とすることで、樹脂組成物を感光性材料として使用する際、アルカリ現像液に対する溶解性を適度に調整できるだけでなく、耐熱変色性を向上させることができる。
なお、樹脂組成物またはその成形品の透明性/光透過性を高める観点からは、一般式(3)のR1〜R4、一般式(4)のRa、一般式(5)のR5〜R11ならびに一般式(6)および(6’)のR12のいずれかが水素であることが好ましい。
例えば、一般式(3)の構造単位において、R1〜R4すべてが水素であることが好ましい。
例えば、一般式(4)の構造単位において、Raは水素であることが好ましい。換言すると、mは0であることが好ましい。
例えば、一般式(5)の構造単位において、R5〜R11は水素であることが好ましい。
例えば、一般式(6)および(6’)の構造単位において、R12は水素であることが好ましい。
例えば、一般式(3)の構造単位において、R1〜R4すべてが水素であることが好ましい。
例えば、一般式(4)の構造単位において、Raは水素であることが好ましい。換言すると、mは0であることが好ましい。
例えば、一般式(5)の構造単位において、R5〜R11は水素であることが好ましい。
例えば、一般式(6)および(6’)の構造単位において、R12は水素であることが好ましい。
特定樹脂のMw(重量平均分子量)の下限値は、特に限定されないが、例えば1,500以上、好ましくは2,000以上、より好ましくは3,000以上である。
特定樹脂のMw(重量平均分子量)の上限値は、特に限定されないが、例えば、30,000以下、好ましくは25,000以下、より好ましくは20,000以下である。
特定樹脂のMw(重量平均分子量)の上限値は、特に限定されないが、例えば、30,000以下、好ましくは25,000以下、より好ましくは20,000以下である。
なお、特定樹脂は、無水マレイン酸モノマーに由来する構造単位(開環していない構造単位)を含んでもよい。別の言い方としては、本実施形態の樹脂は、フェノール樹脂や特定シラン化合物と反応していない無水マレイン酸構造単位を含んでもよい。
・分子量など
特定樹脂の分散度(Mw/Mn)は、特に限定されないが、例えば1.5〜10、好ましくは1.5〜6、より好ましくは1.5〜4.5である。上記範囲とすることにより、成形品の形状をより良好なものとすることができる。なお、このような効果は、以下に述べる低分子量成分を低減する場合において特に顕著に表れる。
特定樹脂の分散度(Mw/Mn)は、特に限定されないが、例えば1.5〜10、好ましくは1.5〜6、より好ましくは1.5〜4.5である。上記範囲とすることにより、成形品の形状をより良好なものとすることができる。なお、このような効果は、以下に述べる低分子量成分を低減する場合において特に顕著に表れる。
特定樹脂中の低分子量成分の量は、少ないことが好ましい。具体的には、GPC(Gel Permeation Chromatography)により得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下のピーク面積が、全体の1%以下となることが好ましい。
低分子量成分の量が少ないことにより、樹脂組成物を膜として成形する場合、その形状を良好なものとすることができる。そのため、例えば、当該膜を永久膜として備える電子装置の動作信頼性を向上させることができる。
特定樹脂中の低分子量成分の量の下限は、特に限定されない。しかし、本実施形態では、例えば、GPCにより得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下のピーク面積が全体の0.01%以上である場合を許容する。
低分子量成分の量が少ないことにより、樹脂組成物を膜として成形する場合、その形状を良好なものとすることができる。そのため、例えば、当該膜を永久膜として備える電子装置の動作信頼性を向上させることができる。
特定樹脂中の低分子量成分の量の下限は、特に限定されない。しかし、本実施形態では、例えば、GPCにより得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下のピーク面積が全体の0.01%以上である場合を許容する。
なお、上記のMw、Mn、分散度などとしては、GPC測定により得られる、標準ポリスチレン換算値を用いることができる。測定条件は、たとえば以下の通りである。
装置:東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
また、特定樹脂中の低分子量成分量は、たとえばGPC測定により得られた分子量に関するデータに基づき、分子量分布全体の面積に占める、分子量1000以下に該当する成分の面積総和の割合から算出される。
装置:東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
また、特定樹脂中の低分子量成分量は、たとえばGPC測定により得られた分子量に関するデータに基づき、分子量分布全体の面積に占める、分子量1000以下に該当する成分の面積総和の割合から算出される。
・特定樹脂の製造(合成)方法
特定樹脂の製造(合成)方法については、簡単に前述したが、より具体的には以下のようにすることができる。もちろん、当業者の技術常識を適宜適用し、ここに説明する方法以外の方法で樹脂を得てもよい。
なお、以下では、特定樹脂が、一般式(1)および(2)の構造単位に加え、一般式(5)の構造単位を含む場合について説明する。一般式(5)以外の任意の構造単位を含む場合もほぼ同様である(後掲の一般式(5a)のモノマーを、適宜、別のモノマーに替えるなどすればよい)。
特定樹脂の製造(合成)方法については、簡単に前述したが、より具体的には以下のようにすることができる。もちろん、当業者の技術常識を適宜適用し、ここに説明する方法以外の方法で樹脂を得てもよい。
なお、以下では、特定樹脂が、一般式(1)および(2)の構造単位に加え、一般式(5)の構造単位を含む場合について説明する。一般式(5)以外の任意の構造単位を含む場合もほぼ同様である(後掲の一般式(5a)のモノマーを、適宜、別のモノマーに替えるなどすればよい)。
ちなみに、特定樹脂中に、一般式(6)または(6’)の構造単位を導入する方法としては、(i)一般式(6)または(6’)の構造単位そのものに該当するモノマーを、以下の重合工程(処理S1)で用いる方法もあれば、(ii)後述の共重合体1の無水マレイン酸構造単位に対して、H2N−R12で表される化合物を作用させる(R12は、一般式(6)および(6’)におけるR12と同義である)方法もありうる。
(重合工程(処理S1))
はじめに、以下の一般式(5a)で示されるモノマーと、無水マレイン酸とを用意する。
一般式(5a)において、R5〜R11の定義は一般式(5)のものと同様である。
はじめに、以下の一般式(5a)で示されるモノマーと、無水マレイン酸とを用意する。
一般式(5a)において、R5〜R11の定義は一般式(5)のものと同様である。
次いで、一般式(5a)のモノマーと、無水マレイン酸とを共重合する。例えば、ラジカル重合により、一般式(5a)のモノマーと、無水マレイン酸との共重合体(共重合体1)を形成する。
一般式(5a)のモノマーと、無水マレイン酸とのモル比(一般式(5a)で示される化合物のモル数:無水マレイン酸のモル数)は、0.5:1〜1:0.5であることが好ましい。なかでも、分子構造制御の観点から、一般式(5a)で示されるモノマーのモル数:無水マレイン酸のモル数=0.8:1〜1:0.8であることが好ましい。
なお、重合に際しては、一般式(5a)のモノマーと無水マレイン酸以外にも、共重合可能なモノマーを添加してもよい。このようなモノマーとして、分子内にエチレン性二重結合を有する基を含む化合物が挙げられる。例えば、エチレン性二重結合を有する基の具体例としては、アリル基、アクリル基、メタクリル基、マレイミド基や、スチリル基やインデニル基のような芳香族ビニル基等が挙げられる。
重合方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて分子量調整剤を用いて重合する方法が好適である。この場合、懸濁重合、溶液重合、分散重合、乳化重合等の方法を取ることができる。中でも、溶液重合が好ましい。溶液重合の際には、各単量体を全量一括仕込みで行ってもよいし、一部を反応容器に仕込み、残りを滴下して行ってもよい。
例えば、一般式(5a)のモノマーと、無水マレイン酸と、重合開始剤とを溶媒に溶解し、その後所定時間加熱することで、一般式(5a)のモノマーと、無水マレイン酸とを重合する。加熱温度は、例えば50〜80℃であり、加熱時間は、例えば10〜20時間である。
重合に使用される溶媒としては、たとえばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等のうち、いずれか1種以上を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物および有機過酸化物のうち1種または2種を使用できる。
アゾ化合物としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)があげられ、これらのうち、1種または2種以上を使用できる。
また、有機過酸化物としては、たとえば過酸化水素、ジターシャリブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)を挙げることができ、これらのうち、1種または2種以上を使用できる。
アゾ化合物としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)があげられ、これらのうち、1種または2種以上を使用できる。
また、有機過酸化物としては、たとえば過酸化水素、ジターシャリブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)を挙げることができ、これらのうち、1種または2種以上を使用できる。
ラジカル重合開始剤の量(モル数)は、一般式(5a)のモノマーと、無水マレイン酸との合計モル数の1〜10モル%とすることが好ましい。重合開始剤の量を前記範囲内で適宜設定し、かつ、反応温度や反応時間を適宜設定することで、得られる共重合体1の重量平均分子量(Mw)を適切な範囲に調整できる。
なお、分子量調整などのため、連鎖移動剤を適宜使用してもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、β−メルカプトプロピオン酸、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート等のβ−メルカプトプロピオン酸類;2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン等のナフトキノン類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;その他、トリエトキシシラン、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等を挙げることができる。
連鎖移動剤としては、例えば、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、β−メルカプトプロピオン酸、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート等のβ−メルカプトプロピオン酸類;2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン等のナフトキノン類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;その他、トリエトキシシラン、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等を挙げることができる。
この重合工程(処理S1)により、無水マレイン酸由来の構造単位と、一般式(5)の構造単位とを有する共重合体1を重合することができる。
共重合体1において、一般式(5)の構造のR5は、構造単位において共通であることが好ましいが、それぞれの構造単位ごとに異なっていてもよい。R6〜R11についても同様である。
共重合体1において、一般式(5)の構造のR5は、構造単位において共通であることが好ましいが、それぞれの構造単位ごとに異なっていてもよい。R6〜R11についても同様である。
共重合体1は、無水マレイン酸に由来する構造単位と、一般式(5)の構造単位とが、ランダムに配置されたものであってもよく、また、交互に配置されたものであってもよい。また、一般式(5a)のモノマーと、無水マレイン酸とがブロック共重合したものであってもよい。ただし、樹脂組成物を調製するときの溶剤への溶解性や、組成物としての均一性などを確保する観点からは、無水マレイン酸に由来する構造単位と、式(5)の構造単位とが交互に配置された構造であることが好ましい。
(低分子量成分除去工程(処理S2))
処理S1の後に、低分子量成分の除去を行ってもよい。たとえば、共重合体1と、残留モノマー、オリゴマー、重合開始剤等の低分子量成分とが含まれた有機層に対して、大量の貧溶媒を加えて、共重合体1を凝固沈殿させる。貧溶媒としては、例えば、ヘキサンやメタノールが挙げられる。
次いで、ろ過を行い、そして、得られた凝固物を乾燥させる。これにより、低分子量成分が除去された共重合体1を得ることができる。
処理S1の後に、低分子量成分の除去を行ってもよい。たとえば、共重合体1と、残留モノマー、オリゴマー、重合開始剤等の低分子量成分とが含まれた有機層に対して、大量の貧溶媒を加えて、共重合体1を凝固沈殿させる。貧溶媒としては、例えば、ヘキサンやメタノールが挙げられる。
次いで、ろ過を行い、そして、得られた凝固物を乾燥させる。これにより、低分子量成分が除去された共重合体1を得ることができる。
なお、低分子量成分の除去は、後述の処理S3の後や、処理S4の後に行われてもよい。また、低分子量成分の除去は、樹脂の製造を通じて複数回行われてもよい。
(フェノール樹脂を反応させる工程(処理S3))
上記で得られた共重合体1の無水マレイン酸構造単位の少なくとも一部に対して、フェノール樹脂を反応させる(無水マレイン酸構造単位を開環させる)ことで、第一構造単位を形成することができる。
この反応は、例えば、フェノール樹脂と共重合体1とを適当な溶媒に溶解させ、その後、温度40〜120℃で加熱することにより行うことができる。
フェノール樹脂の具体例については、前述したとおりである。
上記で得られた共重合体1の無水マレイン酸構造単位の少なくとも一部に対して、フェノール樹脂を反応させる(無水マレイン酸構造単位を開環させる)ことで、第一構造単位を形成することができる。
この反応は、例えば、フェノール樹脂と共重合体1とを適当な溶媒に溶解させ、その後、温度40〜120℃で加熱することにより行うことができる。
フェノール樹脂の具体例については、前述したとおりである。
なお、一般に、無水マレイン酸構造単位とフェノール樹脂との反応性は低い。よって、通常、処理S3の際には触媒が用いられる(本発明者らの知見によれば、触媒なしでは、無水マレイン酸構造単位とフェノール樹脂との反応は実質上進行しないと考えられる)。
触媒としては、塩基触媒(例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン触媒)、酸触媒(例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸など)、ベタヒスチンメタンスルホン酸塩などのピリジンスルホン酸中和塩触媒、などが挙げられる。
触媒としては、塩基触媒(例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン触媒)、酸触媒(例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸など)、ベタヒスチンメタンスルホン酸塩などのピリジンスルホン酸中和塩触媒、などが挙げられる。
また、共重合体1とフェノール樹脂との反応性は、種々の要因により変化する。例えば、共重合体1の共重合成分による立体障害や、フェノール樹脂の水酸基が共重合体1と反応しやすい位置にあるか、などにより反応性は変化する。このような要因も考慮しつつ、処理S3の時間は、例えば1分〜200時間とすることができる。
処理S3で用いるフェノール樹脂の量の下限値は、フェノール樹脂及び共重合体1の合計量を100質量部としたとき、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることが更に好ましく、40質量部以上であることが一層好ましい。これにより、共重合体に対して、十分にフェノール系樹脂の連結構造を形成することができる。つまり、成形品としたときの硬度や機械的特性を十分に高めうる。
また、処理S3で用いるフェノール樹脂の量の上限値は、フェノール樹脂及び共重合体1の合計量を100質量部としたとき、95質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、80質量部以下であることが更に好ましく、70質量部以下であることが一層好ましい。これにより、適切な密度でフェノール樹脂の連結構造を形成できる。したがって、成形品としたときの硬度や機械的強度の効果を得つつ、他の成分の分散性、他の成分との相溶性などの性能を一層向上させることもできる。
また、処理S3で用いるフェノール樹脂の量の上限値は、フェノール樹脂及び共重合体1の合計量を100質量部としたとき、95質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、80質量部以下であることが更に好ましく、70質量部以下であることが一層好ましい。これにより、適切な密度でフェノール樹脂の連結構造を形成できる。したがって、成形品としたときの硬度や機械的強度の効果を得つつ、他の成分の分散性、他の成分との相溶性などの性能を一層向上させることもできる。
なお、上記では、溶媒中でフェノール樹脂と共重合体1とを反応させる態様について説明したが、例えば、フェノール樹脂と共重合体1とを含む樹脂組成物を調製しておき、その樹脂組成物を用いる際に熱処理するなどして、共重合体1とフェノール樹脂とを反応させてもよい。
(特定シラン化合物を反応させる工程(処理S4))
例えば、上記の処理S3を行っている系中に、適当な有機溶剤に溶解させた特定シラン化合物を追添する。これにより、第二構造単位(一般式(2)または(2’)の構造単位)を形成することができる。
ここでの温度は処理S3と同程度とすることができる。また、処理の時間は1分〜100時間程度とすることができる。また、処理S3と同様の触媒を用いてもよい(処理S3から連続して処理S4を行う場合、触媒を追添しなくてもよいし、してもよい)。
例えば、上記の処理S3を行っている系中に、適当な有機溶剤に溶解させた特定シラン化合物を追添する。これにより、第二構造単位(一般式(2)または(2’)の構造単位)を形成することができる。
ここでの温度は処理S3と同程度とすることができる。また、処理の時間は1分〜100時間程度とすることができる。また、処理S3と同様の触媒を用いてもよい(処理S3から連続して処理S4を行う場合、触媒を追添しなくてもよいし、してもよい)。
また、処理S4は、樹脂組成物の使用直前に行われるようにしてもよい。このようにすることで、樹脂組成物の経時変化(劣化、分解など)の問題を低減しうる。
例えば、処理S3までを行った樹脂(第一構造単位および無水マレイン酸構造単位を含む樹脂)を含む前駆体組成物を予め準備しておき、その前駆体組成物と特定シラン化合物と混合して加熱するなどして、樹脂中に第二構造単位を形成してもよい。または、処理S3までを行った樹脂(第一構造単位および無水マレイン酸構造単位を含む樹脂)と、特定シラン化合物とを、単に混合だけした組成物を調製しておいて、使用直前に加熱するなどして、樹脂中に第二構造単位を形成してもよい。
例えば、処理S3までを行った樹脂(第一構造単位および無水マレイン酸構造単位を含む樹脂)を含む前駆体組成物を予め準備しておき、その前駆体組成物と特定シラン化合物と混合して加熱するなどして、樹脂中に第二構造単位を形成してもよい。または、処理S3までを行った樹脂(第一構造単位および無水マレイン酸構造単位を含む樹脂)と、特定シラン化合物とを、単に混合だけした組成物を調製しておいて、使用直前に加熱するなどして、樹脂中に第二構造単位を形成してもよい。
また、後述のゴム組成物の調製で説明するならば、第一構造単位および無水マレイン酸構造単位を含む樹脂と、特定シラン化合物と、後述のゴムや無機フィラーなどとを一緒に混練することで、第二構造単位を形成することができる。
反応させる特定シラン化合物の量は、特に限定されないが、例えば、処理S3における反応系中の不揮発成分の全量を100質量部としたとき、例えば0.1〜50質量部、好ましくは0.3〜30質量部、より好ましくは0.5〜20質量部である。
なお、ここでの「処理S3における反応系中の不揮発成分」とは、典型的には、フェノール樹脂と共重合体1との反応物、共重合体1と反応していないフェノール樹脂、および、フェノール樹脂と反応していない共重合体1である。
なお、ここでの「処理S3における反応系中の不揮発成分」とは、典型的には、フェノール樹脂と共重合体1との反応物、共重合体1と反応していないフェノール樹脂、および、フェノール樹脂と反応していない共重合体1である。
使用可能な特定シラン化合物として具体的には、前述の一般式(Sa)で表されるものや、公知のシランカップリング剤の中で無水マレイン酸構造単位と反応しうる官能基(−NH2など)を有する化合物、などを挙げることができる。
なお、特定シラン化合物が有する無水マレイン酸を開環させうる官能基がアミノ基である場合、例えば、特定シラン化合物を追添後に、80〜200℃で1〜24時間還流するなどすることで、脱水による閉環反応(イミド環の形成)を進行させて、一般式(2’)の構造単位を得ることができる。
特定シラン化合物の追添後に脱水反応を行わない場合、特定樹脂中の第二構造単位の構造は、一般式(2)のものが主となると考えられる。
特定シラン化合物の追添後に脱水反応を行わない場合、特定樹脂中の第二構造単位の構造は、一般式(2)のものが主となると考えられる。
以上、特定樹脂について説明した。
次に、本実施形態の樹脂組成物が含んでもよい各種任意成分について、用途にも言及しつつ説明する。
なお、本実施形態の樹脂組成物の用途は、以下の記載により限定されない。
次に、本実施形態の樹脂組成物が含んでもよい各種任意成分について、用途にも言及しつつ説明する。
なお、本実施形態の樹脂組成物の用途は、以下の記載により限定されない。
[ゴム]
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、特定樹脂およびゴムを含む組成物(ゴム組成物)であることができる。
ゴム組成物は、例えば、タイヤ部材に用いられる。タイヤ部材としては、具体的には、インナーライナー、トレッド、サイドウォール、ビード、カーカス、ベルトなどが挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、特定樹脂およびゴムを含む組成物(ゴム組成物)であることができる。
ゴム組成物は、例えば、タイヤ部材に用いられる。タイヤ部材としては、具体的には、インナーライナー、トレッド、サイドウォール、ビード、カーカス、ベルトなどが挙げられる。
従来のゴム組成物においては、硬度と、破断伸びという特性はトレードオフの関係にあった。すなわち、硬度を向上させると破断伸びが低下し、破断伸びを向上させると硬度が低下する傾向にあった。
一方、本実施形態のゴム組成物は、特定樹脂中の一般式(1)で表される構造に由来して、硬度を維持しつつ破断伸びを向上できると考えられる。このようなゴム組成物は、より薄く、より外力に強くという特性が求められるタイヤ部材の用途に好適に用いることができる点で都合がよい。
また、本実施形態のゴム組成物は、特定樹脂中の一般式(2)または(2’)で表される構造に由来して、後述の無機粒子などをさらに含む場合に、特定樹脂と無機粒子などが結合して、無機粒子の分散性を良好とすることができる。つまり、ゴム組成物をより均質化することができ、破断伸びの一層の向上などを期待することができる。
一方、本実施形態のゴム組成物は、特定樹脂中の一般式(1)で表される構造に由来して、硬度を維持しつつ破断伸びを向上できると考えられる。このようなゴム組成物は、より薄く、より外力に強くという特性が求められるタイヤ部材の用途に好適に用いることができる点で都合がよい。
また、本実施形態のゴム組成物は、特定樹脂中の一般式(2)または(2’)で表される構造に由来して、後述の無機粒子などをさらに含む場合に、特定樹脂と無機粒子などが結合して、無機粒子の分散性を良好とすることができる。つまり、ゴム組成物をより均質化することができ、破断伸びの一層の向上などを期待することができる。
使用可能なゴムとして具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが挙げられる。特に、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、イソプレン・ブタジエンゴム、ブチルゴムなどのジエン系ゴムが好ましい。
ゴムは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
特定樹脂とゴムとの使用比率については、ゴム100質量部に対して、例えば1〜100質量部、好ましくは3〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部である。
ゴムは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
特定樹脂とゴムとの使用比率については、ゴム100質量部に対して、例えば1〜100質量部、好ましくは3〜50質量部、より好ましくは5〜30質量部である。
[無機フィラー]
本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは、無機フィラー(無機粒子)を含む。
例えば、特定樹脂と、ゴム(具体的には上記に列挙したもの)と、無機フィラー(例えば、ゴム組成物の分野で知られている各種の無機粒子)とを混合/混練して、ゴム組成物を調製することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは、無機フィラー(無機粒子)を含む。
例えば、特定樹脂と、ゴム(具体的には上記に列挙したもの)と、無機フィラー(例えば、ゴム組成物の分野で知られている各種の無機粒子)とを混合/混練して、ゴム組成物を調製することができる。
ゴム組成物の分野では、例えば、補強剤としてカーボンブラック粒子などが用いられる。また、最近では、タイヤの転がり抵抗を低減させることを目的として、シリカ粒子が用いられることもある。しかし、これら無機粒子は、ゴム組成物中で凝集してしまうことや、ゴム組成物中で偏在してしまうことなどがあった。
しかし、ゴム組成物中に特定樹脂を加えると、一般式(2)または(2’)のRsの部分が無機フィラーと結合し、樹脂が無機フィラーを担持するようになると考えられる。このことにより、無機フィラーの凝集や偏在を抑えることができると考えられる。
しかし、ゴム組成物中に特定樹脂を加えると、一般式(2)または(2’)のRsの部分が無機フィラーと結合し、樹脂が無機フィラーを担持するようになると考えられる。このことにより、無機フィラーの凝集や偏在を抑えることができると考えられる。
本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは、無機フィラーとしてシリカ粒子を含む。
シリカ粒子としては、ゴム組成物の分野で知られているものを適宜用いることができる。例えば、タイヤとしたときの転がり抵抗や反発弾性の観点から、一次粒子径が50nm以下である合成ケイ酸などを挙げることができる。
シリカ粒子としては、ゴム組成物の分野で知られているものを適宜用いることができる。例えば、タイヤとしたときの転がり抵抗や反発弾性の観点から、一次粒子径が50nm以下である合成ケイ酸などを挙げることができる。
シリカ粒子としては、市販品を適宜用いることができる。なかでも、湿式シリカ、乾式シリカまたはコロイダルシリカを用いるのが好ましい。市販品としては、東ソーシリカ社製、商品名「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」等の市販品を用いることができる。
シリカ粒子とは別の無機フィラーとしては、カーボンブラック、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機水酸化物、炭酸マグネシウム等の炭酸塩類などが挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、シリカ粒子と併用してもよい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、シリカ粒子と併用してもよい。
無機フィラーの量は、特定樹脂100質量部に対し、例えば5〜1000質量部、好ましくは10〜800質量部、より好ましくは50〜750質量部で用いられる。無機フィラーの種類や量は、所望の性能や、特定樹脂以外の成分(例えばゴム)などにより適宜調整される。
ゴム組成物は、特定樹脂、ゴムおよび無機フィラーのほか、公知の添加剤を含むことができる。
例えば、特定樹脂、ゴムおよび無機フィラーのほか、ステアリン酸、亜鉛華、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、老化防止剤、シランカップリング剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などを混練することで得ることができる。これら成分の具体例については、例えば、特開2018−021145号公報の段落0088〜0099の記載や、特開2018−012810号公報の段落0031〜0048の記載を参照することができる。
各成分の混練には、バンバリーミキサーやニーダーなどが使用可能である。
例えば、特定樹脂、ゴムおよび無機フィラーのほか、ステアリン酸、亜鉛華、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、老化防止剤、シランカップリング剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などを混練することで得ることができる。これら成分の具体例については、例えば、特開2018−021145号公報の段落0088〜0099の記載や、特開2018−012810号公報の段落0031〜0048の記載を参照することができる。
各成分の混練には、バンバリーミキサーやニーダーなどが使用可能である。
念のため述べておくが、本実施形態の樹脂組成物は、当然、特定樹脂と任意の無機フィラーとを含むが、ゴムを含まない態様であってもよい。
また、特定樹脂単独で用いた場合などであっても、例えば前述のように、無機材料の表面に膜形成したときの密着性向上などのメリットを期待することができる。
なお、本実施形態の樹脂組成物は、特定樹脂がシロキサン構造を含むことにより、撥水性や有機溶剤の撥液性などが良好と考えられる。つまり、撥水素材等として本実施形態の樹脂組成物を適用することも考えられる。
また、特定樹脂単独で用いた場合などであっても、例えば前述のように、無機材料の表面に膜形成したときの密着性向上などのメリットを期待することができる。
なお、本実施形態の樹脂組成物は、特定樹脂がシロキサン構造を含むことにより、撥水性や有機溶剤の撥液性などが良好と考えられる。つまり、撥水素材等として本実施形態の樹脂組成物を適用することも考えられる。
<成形品>
本実施形態の樹脂組成物を用い、公知の方法を適宜適用するなどして成形品を得ることができる。
例えば、タイヤ製造分野で公知の技術を利用し、上述のゴム組成物を成形してタイヤを製造することなどができる。より具体的には、特定樹脂、ゴム、無機フィラー等の混練物を、トレッドなどの部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。その後、加硫機中で加熱加圧することで、タイヤを製造することができる。
本実施形態の樹脂組成物を用い、公知の方法を適宜適用するなどして成形品を得ることができる。
例えば、タイヤ製造分野で公知の技術を利用し、上述のゴム組成物を成形してタイヤを製造することなどができる。より具体的には、特定樹脂、ゴム、無機フィラー等の混練物を、トレッドなどの部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。その後、加硫機中で加熱加圧することで、タイヤを製造することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<フェノール樹脂の準備>
フェノール樹脂として、以下のフェノール樹脂1、2および3を準備(合成または市販品を準備)した。
フェノール樹脂として、以下のフェノール樹脂1、2および3を準備(合成または市販品を準備)した。
フェノール樹脂1として、以下に示すノボラック型フェノール系樹脂を合成した。以下、詳細を説明する。
まず、攪拌装置、温度計、熱交換器を備えた3Lの4口フラスコに、m−クレゾール:p−クレゾールのモル比が5:5の割合で混合したフェノール類1000質量部と、37%ホルマリン水溶液(ホルムアルデヒド/フェノールのモル比=0.70)526質量部と、シュウ酸10質量部とを仕込み、還流下で6時間反応を行った。
次いで、内温170℃まで昇温し、常圧下で脱水した。
次いで、8.0kPaの減圧下で温度230℃まで昇温して減圧脱水を行った。
これにより、重量平均分子量Mw=11000、分散度Mw/Mn=9.0、未反応フェノール類の含有率0.5wt%のノボラック型フェノール樹脂(フェノール樹脂1)1050質量部を得た。
まず、攪拌装置、温度計、熱交換器を備えた3Lの4口フラスコに、m−クレゾール:p−クレゾールのモル比が5:5の割合で混合したフェノール類1000質量部と、37%ホルマリン水溶液(ホルムアルデヒド/フェノールのモル比=0.70)526質量部と、シュウ酸10質量部とを仕込み、還流下で6時間反応を行った。
次いで、内温170℃まで昇温し、常圧下で脱水した。
次いで、8.0kPaの減圧下で温度230℃まで昇温して減圧脱水を行った。
これにより、重量平均分子量Mw=11000、分散度Mw/Mn=9.0、未反応フェノール類の含有率0.5wt%のノボラック型フェノール樹脂(フェノール樹脂1)1050質量部を得た。
・フェノール系樹脂2:フェノールと、ホルムアルデヒドとを反応させて得られた未変性フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−50731)
・フェノール系樹脂3:フェノールと、カシューオイルと、ホルムアルデヒドとを反応させて得られたカシュー変性フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−12686E)
・フェノール系樹脂3:フェノールと、カシューオイルと、ホルムアルデヒドとを反応させて得られたカシュー変性フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−12686E)
<無水マレイン酸構造単位を含む原料ポリマーの準備>
以下のポリマー1および2を準備した。
・ポリマー1
スチレン/無水マレイン酸の共重合体SMA−1000−P(Cray Valley USA,LLC社製)を準備した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)3,600であり、分散度(Mw/Mn)は2.3であった。
以下のポリマー1および2を準備した。
・ポリマー1
スチレン/無水マレイン酸の共重合体SMA−1000−P(Cray Valley USA,LLC社製)を準備した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)3,600であり、分散度(Mw/Mn)は2.3であった。
・ポリマー2
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器を準備した。これに、インデン(870g、7.5mol)、およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(11.5g、0.05mol)を計量して入れ、メチルエチルケトンに溶解させた。
この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した。その後、撹拌しつつ70℃到達後、無水マレイン酸(735g、7.5mol)メチルエチルケトン溶液、n−ドデシルメルカプタン(20.2g、0.10mol)メチルエチルケトン溶液をそれぞれの口から5時間掛けて逐次添加した。その後、2時間さらに熱処理を施した。これにより、インデンと無水マレイン酸の共重合体を得た。この共重合体(ポリマー2)の重量平均分子量(Mw)は8,100であり、分散度(Mw/Mn)は1.8だった。
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器を準備した。これに、インデン(870g、7.5mol)、およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(11.5g、0.05mol)を計量して入れ、メチルエチルケトンに溶解させた。
この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した。その後、撹拌しつつ70℃到達後、無水マレイン酸(735g、7.5mol)メチルエチルケトン溶液、n−ドデシルメルカプタン(20.2g、0.10mol)メチルエチルケトン溶液をそれぞれの口から5時間掛けて逐次添加した。その後、2時間さらに熱処理を施した。これにより、インデンと無水マレイン酸の共重合体を得た。この共重合体(ポリマー2)の重量平均分子量(Mw)は8,100であり、分散度(Mw/Mn)は1.8だった。
<特定樹脂1の合成>
まず、上記のフェノール樹脂1:75質量部に対して、ポリマー1:25質量部をメチルエチルケトンに溶解させた溶液を準備した。これに、さらにメチルエチルケトンを加え、そして、ピリジンをフェノール樹脂1とポリマー1の総和に対して5質量部添加して70℃で2日間加熱した。
その後、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(10質量部)のメチルエチルケトン溶液を加えてさらに1日間加熱した。さらにその後、溶媒とピリジンを除去することにより特定樹脂1を得た。
まず、上記のフェノール樹脂1:75質量部に対して、ポリマー1:25質量部をメチルエチルケトンに溶解させた溶液を準備した。これに、さらにメチルエチルケトンを加え、そして、ピリジンをフェノール樹脂1とポリマー1の総和に対して5質量部添加して70℃で2日間加熱した。
その後、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(10質量部)のメチルエチルケトン溶液を加えてさらに1日間加熱した。さらにその後、溶媒とピリジンを除去することにより特定樹脂1を得た。
特定樹脂1について、赤外分光法測定(IR)を行い、赤外吸収スペクトルを確認した。
結果、1780cm−1付近、1900cm−1付近の無水マレイン酸構造由来のピーク強度が減少し、1700cm−1付近〜1760cm−1付近にエステル結合に由来するピークが確認された。
また、この1700cm−1付近のピークは、シランカップリング剤を添加しなかった場合に比べ、特定樹脂1のほうが顕著であった。これは、一般式(2’)で表されるイミド環由来のものと推定される。
さらに、1560〜1600cm−1付近に3−アミノプロピルトリメトキシシラン由来のピークが確認された。
これらのことから、ポリマー1と、フェノール樹脂1および3−アミノプロピルトリメトキシシランが反応していることが確認された。また、ポリマー1と3−アミノプロピルトリメトキシシランとの反応部位の一部は、脱水閉環して一般式(2’)で表される構造になっていることが推定された。
結果、1780cm−1付近、1900cm−1付近の無水マレイン酸構造由来のピーク強度が減少し、1700cm−1付近〜1760cm−1付近にエステル結合に由来するピークが確認された。
また、この1700cm−1付近のピークは、シランカップリング剤を添加しなかった場合に比べ、特定樹脂1のほうが顕著であった。これは、一般式(2’)で表されるイミド環由来のものと推定される。
さらに、1560〜1600cm−1付近に3−アミノプロピルトリメトキシシラン由来のピークが確認された。
これらのことから、ポリマー1と、フェノール樹脂1および3−アミノプロピルトリメトキシシランが反応していることが確認された。また、ポリマー1と3−アミノプロピルトリメトキシシランとの反応部位の一部は、脱水閉環して一般式(2’)で表される構造になっていることが推定された。
赤外吸収スペクトルについて、図1に示す。横軸は波数(単位:cm−1)であり、また、縦軸の下に行けばいくほど吸収が強いことを表す。
<特定樹脂2の合成>
ポリマー1の代わりにポリマー2を用いた以外は、上記<特定樹脂1の合成>と同様にして特定樹脂2を得た。
ポリマー1の代わりにポリマー2を用いた以外は、上記<特定樹脂1の合成>と同様にして特定樹脂2を得た。
<特定樹脂3について>
まず、上記のフェノール樹脂1:75質量部に対して、ポリマー2:25質量部メチルエチルケトンに溶解させた溶液を準備した。これに、さらにメチルエチルケトンを加え、そして、ピリジンをフェノール樹脂1とポリマー2との総和に対して5質量部添加して70℃で3日間加熱した。
その後、溶媒とピリジンを除去し、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(10質量部)を添加し、混合した。
まず、上記のフェノール樹脂1:75質量部に対して、ポリマー2:25質量部メチルエチルケトンに溶解させた溶液を準備した。これに、さらにメチルエチルケトンを加え、そして、ピリジンをフェノール樹脂1とポリマー2との総和に対して5質量部添加して70℃で3日間加熱した。
その後、溶媒とピリジンを除去し、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(10質量部)を添加し、混合した。
補足すると、この例では、シランカップリング剤は、重合体中の無水マレイン酸と実質的には反応していないと考えられる(後述のゴム組成物でゴムを製造する際に反応すると考えられる)。換言すると、上記のようにシランカップリング剤を添加し混合しただけでは、一般式(2)または(2’)で表される第二構造単位は生成していないと考えられる。しかし、便宜的に、ここでの樹脂(フェノール樹脂1とポリマー2の反応物)とシランカップリング剤との混合物を「特定樹脂3」と表記する。
<ゴム組成物の作製>
(実施例1:ゴム組成物の作製)
まず、スチレン・ブタジエンゴム(JSR社製、JSR1723)137質量部と、カーボンブラック(東海カーボン社製、シースト6)5質量部と、シリカ(東ソー・シリカ社製、NipsilAQ)50質量部と、シランカップリング剤(EVONIK INDUSTRIES AG社製、Si75)5質量部と、ステアリン酸(東京化成工業社製)1質量部と、酸化亜鉛(東京化成工業社製)2質量部と、加硫促進剤(和光純薬工業社製、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)1質量部と、硫黄(東京化成工業社製)1.5質量部と、ヘキサメチレンテトラミン(和光純薬工業社製)1質量部とをゴム組成物の原料成分として準備した。
次いで、10質量部の特定樹脂と、上記のスチレン・ブタジエンゴムと、カーボンブラックと、シリカと、シランカップリング剤と、ステアリン酸と、酸化亜鉛とを、250cc密閉式バンバリーミキサーを用いて5分混練した。混練後ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該混練物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫促進剤と、硫黄と、ヘキサメチレンテトラミンとをさらに加えて5分間混練し、ゴム組成物を得た。
(実施例1:ゴム組成物の作製)
まず、スチレン・ブタジエンゴム(JSR社製、JSR1723)137質量部と、カーボンブラック(東海カーボン社製、シースト6)5質量部と、シリカ(東ソー・シリカ社製、NipsilAQ)50質量部と、シランカップリング剤(EVONIK INDUSTRIES AG社製、Si75)5質量部と、ステアリン酸(東京化成工業社製)1質量部と、酸化亜鉛(東京化成工業社製)2質量部と、加硫促進剤(和光純薬工業社製、N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)1質量部と、硫黄(東京化成工業社製)1.5質量部と、ヘキサメチレンテトラミン(和光純薬工業社製)1質量部とをゴム組成物の原料成分として準備した。
次いで、10質量部の特定樹脂と、上記のスチレン・ブタジエンゴムと、カーボンブラックと、シリカと、シランカップリング剤と、ステアリン酸と、酸化亜鉛とを、250cc密閉式バンバリーミキサーを用いて5分混練した。混練後ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該混練物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫促進剤と、硫黄と、ヘキサメチレンテトラミンとをさらに加えて5分間混練し、ゴム組成物を得た。
(実施例2:ゴム組成物の作製)
実施例1のゴム組成物において、特定樹脂1を特定樹脂2に替えた以外は同様にして、ゴム組成物を得た。
実施例1のゴム組成物において、特定樹脂1を特定樹脂2に替えた以外は同様にして、ゴム組成物を得た。
(実施例3:ゴム組成物の作製)
実施例1のゴム組成物において、特定樹脂1を特定樹脂3に替えた以外は同様にして、ゴム組成物を得た。
実施例1のゴム組成物において、特定樹脂1を特定樹脂3に替えた以外は同様にして、ゴム組成物を得た。
(比較例1:ゴム組成物の作製)
実施例1のゴム組成物において、特定樹脂1を、前述のフェノール樹脂2(未変性フェノール樹脂)に替えた以外は同様にして、ゴム組成物を得た。
実施例1のゴム組成物において、特定樹脂1を、前述のフェノール樹脂2(未変性フェノール樹脂)に替えた以外は同様にして、ゴム組成物を得た。
(比較例2:ゴム組成物の作製)
実施例1のゴム組成物において、特定樹脂1を、前述のフェノール樹脂3(カシュー変性フェノール樹脂)に替えた以外は同様にして、ゴム組成物を得た。
実施例1のゴム組成物において、特定樹脂1を、前述のフェノール樹脂3(カシュー変性フェノール樹脂)に替えた以外は同様にして、ゴム組成物を得た。
(参考例1:ゴム組成物の作製)
参考例のゴム組成物として、特定樹脂もフェノール樹脂も配合しないゴム組成物を作製した。
具体的には、特定樹脂もフェノール樹脂も配合しない以外は、上述した各実施例、各比較例のゴム組成物の製造方法と同様にして、参考例1のゴム組成物を得た。
参考例のゴム組成物として、特定樹脂もフェノール樹脂も配合しないゴム組成物を作製した。
具体的には、特定樹脂もフェノール樹脂も配合しない以外は、上述した各実施例、各比較例のゴム組成物の製造方法と同様にして、参考例1のゴム組成物を得た。
<評価>
各ゴム組成物を、温度160℃で30分間加熱することで、厚さ2mmとなるようにプレス加硫して作製した試験片を用い、硬度、引張強度および破断伸びを評価した。
各ゴム組成物を、温度160℃で30分間加熱することで、厚さ2mmとなるようにプレス加硫して作製した試験片を用い、硬度、引張強度および破断伸びを評価した。
(硬度)
JIS K 6253に準拠して、デュロメーター(東洋精機社製)を用いて、ショアA硬度を評価した。評価結果を表1に示す。なお単位は、無次元である。
JIS K 6253に準拠して、デュロメーター(東洋精機社製)を用いて、ショアA硬度を評価した。評価結果を表1に示す。なお単位は、無次元である。
(引張強度および破断伸び)
試験片を、JIS K 6251に従って、JIS 3号ダンベルの形状に打ち抜き、引張試験を行うことで、引張強度と、破断伸びとを評価した。評価結果を表1に示す。
なお、引張強度の単位はMPaである。また、破断伸びの単位は%である。
実施例、比較例および参考例の評価結果を下表に示す。
試験片を、JIS K 6251に従って、JIS 3号ダンベルの形状に打ち抜き、引張試験を行うことで、引張強度と、破断伸びとを評価した。評価結果を表1に示す。
なお、引張強度の単位はMPaである。また、破断伸びの単位は%である。
実施例、比較例および参考例の評価結果を下表に示す。
表1に示されるとおり、実施例1〜3のゴム組成物(特定樹脂を含有する)を用いて作製した試験片は、硬度を維持しつつ、特に引張強度および破断伸びの性能において、比較例および参考例より良好な結果を示した。つまり、本実施形態の樹脂組成物は、成形品の製造に好ましく適用できることが示された。
特に、破断伸びについて、実施例1〜3は比較例および参考例に比べて顕著に良好な性能であった。特定樹脂1〜3により、カーボンブラックやシリカの如き無機フィラーの分散性が向上し、ゴム組成物中での凝集や偏在が抑えられたためと推定される(無機フィラーの凝集や偏在があると、その部分から破断が発生しやすくなると考えられる)。
特に、破断伸びについて、実施例1〜3は比較例および参考例に比べて顕著に良好な性能であった。特定樹脂1〜3により、カーボンブラックやシリカの如き無機フィラーの分散性が向上し、ゴム組成物中での凝集や偏在が抑えられたためと推定される(無機フィラーの凝集や偏在があると、その部分から破断が発生しやすくなると考えられる)。
Claims (6)
- 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
前記樹脂が、さらに、以下一般式(3)、(4)、(5)、(6)および(6’)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造単位を含む樹脂組成物。
R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基であり、
nは、0、1または2である。
Raは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、炭素数1〜30の有機基であり、
mは、0〜5の整数である。
- 請求項1または2に記載の樹脂組成物であって、
前記一般式(2)のRsが、−Si(OR)3で表される基を含む樹脂組成物。ここで、3つのRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
さらに、無機フィラーを含む樹脂組成物。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
さらに、シリカ粒子を含む樹脂組成物。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物により成形された成形品。
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CN114729066A (zh) * | 2019-12-31 | 2022-07-08 | 可隆工业株式会社 | 树脂组合物及其制备方法 |
-
2018
- 2018-03-30 JP JP2018066641A patent/JP2019178190A/ja active Pending
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