JP2015166431A - 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 Download PDF

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Yoshikatsu Shiraokawa
芳克 白男川
垣谷 稔
Minoru Kakiya
稔 垣谷
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Takayuki Suzuki
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Abstract

【課題】 高耐熱性、低誘電率、低誘電正接、難燃性等の特性がバランス良く優れた熱硬化性樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及びプリント配線板用積層板を提供する。【解決手段】 (A)ジヒドロキシベンゾオキサジン環を有する化合物、(B)フェノール樹脂、(C)エポキシ樹脂、(D)芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸とを成分として含む下記一般式(1)で表される共重合樹脂を含有し、有機樹脂固形分総量100質量部に対して共重合樹脂(D)が9.5〜15質量部である熱硬化性樹脂組成物。(一般式(1)中、式中R1は水素原子又は炭素数1〜5個の炭化水素基であり、R2はそれぞれ独立して、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、xは0〜3の整数であり、m及びnは自然数であり、mとnの比はm:n=7:1〜9:1である。)【選択図】なし

Description

本発明はプリント配線板用熱硬化性樹脂組成物、プリント配線板用プリプレグ及び積層板に関する。
近年電子機器の高密度化に伴い、ますますの薄型化が進行し、低価格化が進んでいる携帯電話等のマザーボードにおいても薄型化に対応するために誘電率が低い材料が求められている。
また、サーバー、ルータ、携帯基地局等に代表される通信系の機器においても、より高周波帯領域で使用されるようになってきており、また、高融点な鉛フリーはんだが適用されるようになってきたことから、これらに使用される基板は低誘電率、低誘電正接、高Tg(ガラス転移温度)であり、かつ、リフロー耐熱に優れた材料が求められるようになってきた。
誘電特性として比較的良好な誘電正接を示す熱硬化性樹脂組成物の例として、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を使用したものが挙げられる(例えば、特許文献1,2参照)。
また、エポキシ樹脂を低誘電率化、低誘電正接化する手法として、硬化剤に、スチレンとマレイン酸からなる共重合樹脂が使用できることは良く知られている(例えば、特許文献3,4参照)。
特開2006−332581号公報 特開2004−189970号公報 台湾特許出願公開第201122057号明細書 台湾特許出願公開第200718725号明細書
特許文献1,2に開示される、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を使用した熱硬化性樹脂組成物は、誘電特性として比較的良好な誘電正接を示すが、近年の市場の要求を満たすことが出来ない事例が多くなってきた。また、嵩高い分子構造を有しているベンゾオキサジン環を有する化合物を主成分として使用しているため、高Tg化には限界があった。
特許文献3,4に開示される、スチレンとマレイン酸からなる共重合樹脂を硬化剤として用いることによりエポキシ樹脂を低誘電率化、低誘電正接化する手法は、プリント配線板用材料に適用すると基材への含浸性や銅箔ピール強度が不十分であるため、実用化されている事例が少ない。また、誘電特性も十分でないことから、適用可能な用途が限定されているのが実状である。更に、今後、より優れた誘電特性を示す材料が求められることも予想される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、従来から提案されてきたジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を使用した熱硬化性樹脂組成物と比べて、高耐熱性、低誘電率、低誘電正接、難燃性等の特性がバランス良く優れた熱硬化性樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及びプリント配線板用積層板を提供することを目的とするものである。
本発明は(A)ジヒドロキシベンゾオキサジン環を有する化合物、(B)フェノール樹脂、(C)エポキシ樹脂、(D)芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸を成分として含む共重合樹脂を用いることにより、従来のジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を使用した熱硬化性樹脂組成物よりも誘電特性に優れ、高耐熱であるプリント配線板用熱硬化性樹脂組成物を提供することが可能であることを見出してなされたものである。
すなわち、本発明は以下のものに関する。
1.(A)ジヒドロキシベンゾオキサジン環を有する化合物、(B)フェノール樹脂、(C)エポキシ樹脂、(D)芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸とを成分として含む下記一般式(1)で表される共重合樹脂を含有し、有機樹脂固形分総量100質量部に対して共重合樹脂(D)が9.5〜15質量部である熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2015166431
(一般式(1)中、式中Rは水素原子又は炭素数1〜5個の炭化水素基であり、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、xは0〜3の整数であり、m及びnは自然数であり、mとnの比はm:n=7:1〜9:1である。)
2.有機樹脂固形分総量100質量部に対して(A)が15〜40質量部、(B)が3〜30質量部、(C)が15〜40質量部である項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
3.項1〜2に記載の熱硬化性樹脂組成物をワニスとし、このワニスをガラスクロスに含浸乾燥してなるプリプレグ。
4.項3に記載のプリプレグを所定枚数重ね合わせ、その両面に金属箔を構成後、加熱成形して得られるプリント配線板用積層板。
本発明によれば、高耐熱性、低誘電率、低誘電正接、難燃性等の特性がバランス良く優れた熱硬化性樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及びプリント配線板用積層板を提供することができる。
本発明で使用する、(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物としては、ジヒドロベンゾオキサジン環を有し、ジヒドロベンゾオキサジン環の開環反応により硬化する樹脂であれば特に限定されるものではなく、フェノール性水酸基を有する化合物、ホルマリン、1級アミンから下記式に示す反応により合成される。
Figure 2015166431
(式中Rはアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基またはアルキル基もしくはアルコキシル基で置換されたフェニル基である。)
フェノール性水酸基を有する化合物として、多官能フェノール、ビフェノール化合物、ビスフェノール化合物、トリスフェノール化合物、テトラフェノール化合物、フェノール樹脂があげられる。多官能フェノールとしてはカテコール、ヒドロキノン、レゾルキノールがあげられる。ビスフェノール化合物としてはビスフェノールA、ビスフェノールF及びその位置異性体、ビスフェノールSがあげられる。また、フェノール樹脂としてはレゾール樹脂、フェノールノボラック樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、ベンゾグアナミンフェノール樹脂、フェノール変性ポリブタジエン等があげられる。
1級アミンとしては、具体的にメチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、置換アニリン等があげられる。
(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物の合成方法としては、特に制限はないが、フェノール類とアルデヒド類及び芳香族アミン類を溶剤中で反応させる方法等が挙げられる。中でも、フェノール類とアルデヒド類を溶剤中に懸濁させた後、50〜70℃に加温し、芳香族アミン類を15〜30分間かけて添加し、その後反応温度を還流温度(約80℃)に昇温し、乳化後1〜4時間、より好ましくは約2時間反応させ、反応終了後、減圧下で溶剤及び水分を除去する方法が好ましい。芳香族アミン類添加時の温度が50℃以上であれば、芳香族アミン類及びアルデヒド類が溶解して反応が進むため、未反応の芳香族アミン類及びアルデヒド類が反応系内に残ることがなく、70℃以下であると、部分的に反応が進むことがなく、均一な樹脂が得られる。
反応に用いられる溶剤としては、特に制限はないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール等が挙げられ、中でも、価格及びアルデヒド類との親和性の観点からメタノールが好ましい。
(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物は有機樹脂固形分の総量100質量部当り15〜40質量部であることが好ましい。
15質量部以上であると、誘電特性が良好であり、40質量部以下であると耐熱性が良好である。
本発明で使用する、(B)フェノール樹脂はジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物との反応性を有する化合物が使用される。
例えば一般的なノボラック樹脂、6−H−Dibenz[c,e][1,2]Oxaphosphorin−6−Oxide(以下、DOPOと略す)や10−(2,5−Dihydroxypheny)、10−H−9−Oxa−10−Phosphaphenanthrenelo−Oxide(以下、DOPO−HQと略す)等のリン系化合物で変性されたフェノール樹脂、アミノトリアジン環樹脂で変性されたフェノール樹脂が使用される。
(B)フェノール樹脂は、反応性の制御等の観点で、有機樹脂固形分の総量100質量部当り3〜20質量部であることが好ましい。
本発明で使用される(C)エポキシ樹脂としては特に制約されるものではないが、例えば汎用的で且つ、比較的高Tg化が可能なノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂に代表される低誘電率化に有効なエポキシ樹脂、リン元素を含有しDOPOやDOPO−HQ等で変性されたエポキシ樹脂がある。
(C)エポキシ樹脂は有機樹脂固形分の総量100質量部当り15〜40質量部であることが好ましい。
15質量部以上であると、(D)芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸を成分として含む共重合樹脂の未反応成分が残ることがなく、耐熱性が良好である。また40質量部以下であると誘電特性が良好である。
本発明で使用される(D)芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸を成分として含む共重合樹脂としては、例えば下記一般式(2)、(3)構造を有する共重合樹脂である。
Figure 2015166431
(一般式(2)中、Rは水素原子、又は炭素数1〜5個の炭化水素基であり、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、xは0〜3の整数であり好ましくは0であり、mは自然数である。)
Figure 2015166431
(一般式(3)中、nは自然数である。)
モノマー単位(2)としては、スチレン、1−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジメチルスチレン等から得られ、1種又は2種以上を混合した化合物から得ることが出来る。
更に、上記のモノマー単位以外にも、各種の重合可能な成分と共重合させてもよく、これらの成分として例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、アクリロニトリル等のビニル化合物、メチルメタクリレートのようなメタクリエート及びメチルアクリエートのようなアクリエート等のメタクリロイル基又はアクロイル基を有する化合物が挙げられる。
ここで任意にモノマー単位(2)にフリーデル・クラフツ反応やリチウム等の金属系触媒を用いた反応を通じて、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基及びヒドロキシル基等の置換基を導入する事ができる。
本実施形態において、成分(D)は一般式(4)で示される共重合樹脂であることが好ましい。
Figure 2015166431
(一般式(4)中、Rは水素原子、又は炭素数1〜5個の炭化水素基であり、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、xは0〜3の整数であり好ましくは0であり、m及びnは自然数である。)
低誘電特性及び耐熱性等を確保するために、成分(D)芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸を成分として含む共重合樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性確保という観点からスチレンと無水マレイン酸からなることが好ましく、スチレンのモル比をm、無水マレイン酸のモル比をnとした場合、m/n=7〜9である。
m/nが7未満の場合誘電特性の改善効果が十分ではなく、9以上になると相溶性が悪化する等の問題が発生する。
また、該共重合樹脂成分(D)は、有機固形分の総量100質量部当り9.5〜15質量部であることが好ましい。9.5質量部未満であると低誘電率化の効果が十分ではなく、15質量部を超えると、共重合樹脂の未反応成分が残ることにより、耐熱性、ピール強度が著しく低下する。
その他成分として、例えば下記一般式(5)構造を有する環状有機リン化合物を添加する事により耐燃性を向上させることができる。
Figure 2015166431
一般式(5)中、XないしXは同一又は相異なって水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表わし、Aは水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基で置換されていてもよいジヒドロキシフェニル基或いはジヒドロキシナフチル基で示される。有機リン化合物を含有する安定性難燃性合成樹脂組成物において、含有される該有機リン化合物として、無機性原子含有率が100ppm以下であるものを使用することを特徴とする、安定性難燃性合成樹脂組成物である。
また下記一般式(6)構造を有する添化系リン系化合物は誘電特性が比較的良好であり、耐燃性確保には有効な化合物である。
Figure 2015166431
一般式(6)中、R,R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、または未置換もしくはアルキル基、アルコキシル基などで置換されたフェニル基等の芳香族基であり、mは、1、2又は3であり、nは、R、R又はRの置換基数を示し、それぞれ独立して0、1又は2である。
本発明において、一般的な水酸化アルミニウムのような無機水和物等の充填剤を使用することができるが、誘電特性の観点からシリカが好ましい。
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は、前記の成分の他に、熱硬化性樹脂の硬化剤や変性剤、または着色剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線不透過剤等を配合することができ、これらは通常使用されているもので良く、特に限定されない。
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は、有機溶剤に溶解又は分散させたワニスとして使用することが好ましい。
有機溶剤としては、特に制限するものではないが、ケトン系、芳香族炭化水素系、エステル系、アミド系、アルコール系等を用いることができる。
具体的には、ケトン系溶剤として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が、芳香族炭化水素系としては、トルエン、キシレン等が、エステル系溶剤としては、メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、ブトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル等が、アミド系溶剤としては、N−メチルピロリドン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が、アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
これらの溶剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のプリプレグに用いる織布基材としては、紙、コットンリンターのような天然繊維基材、アラミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、アクリルのような有機合成繊維基材、ガラス、アスベストのような無機繊維基材が挙げられる。耐燃性の見地から、ガラス繊維基材が好ましい。
ガラス繊維基材としては、Eガラス、Cガラス、Dガラス、Sガラス等を用いた織布や短繊維を有機バインダーで接着したガラス織布、更に、ガラス繊維とセルロース繊維とを混沙したものが挙げられ、より好ましくは、Eガラスを使用したガラス織布である。
本発明によれば、織布や不織布等の基材に前記ワニスを含浸し、乾燥してプリプレグを製造することができる。
得られるプリプレグは、必要に応じて必要枚数を重ねあわせ、その両面に銅箔、アルミニウム箔等の金属箔を構成後、加圧、加熱プレスすることにより、金属張積層板とすることができる。
本発明によれば、金属箔張積層板の金属箔に対して回路加工を施すことにより印刷配線板とすることができる。
回路加工は、例えば、金属箔表面にレジストパターンを形成後、エッチングにより不要部分の金属箔を除去し、レジストパターンを剥離後、ドリルにより必要なスルーホールを形成し、再度レジストパターンを形成後、スルーホールに導通させるためのメッキを施し、最後にレジストパターンを剥離することにより行うことができる。
このようにして得られた印刷配線板の表面に更に上記の金属箔張積層板を前記と同様の条件で積層し、更に、上記と同様にして回路加工して多層印刷配線板とすることができる。
この場合、必ずしもスルーホールを形成する必要はなく、バイアホールを形成してもよく、両方を形成することができる。このような多層化は必要枚数行われる。
上記のようにして作製された印刷配線板を内層回路板として、これの片面又は両面に接着剤付き金属箔を積層することができる。この積層成形は、通常加熱加圧下に行われる。金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。得られた金属張積層板には、上記と同様に回路加工を施し、多層印刷配線板とすることができる。本発明における熱硬化性樹脂組成物、並びにそれを用いたプリント配線板材料は、特に、低誘電特性を生かしたGHz帯以上の高周波用回路基板等の用途に有用である。
以下に本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。以下、特に断らない限り、部は「質量部」を、%は「質量%」を意味する。
(A:ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物)
温度計、撹拌機、冷却管、滴下装置を備えた5Lフラスコに、ビスフェノールF1000gとメタノール920gを加え、撹拌しながら、50℃で溶解した。そこに、パラホルムアルデヒド652gを添加した。更に、撹拌しながら、アニリン930gを1時間かけて滴下し、1時間後に78〜80℃になるようにした。還流下7時間反応させた後、減圧し、圧力360mmHg(約48kPa)で減圧濃縮した。この減圧度を保ったまま、濃縮を継続し、樹脂の温度が110℃になった時点で、減圧度を高めて、90mmHg(約12kPa)にした。流出液がなくなったことを確認した後、樹脂をバットに取り出し、樹脂の軟化点が78℃である(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を得た。
(B)フェノール樹脂として、HP−850N(日立化成株式会社製、商品名)、(C)エポキシ樹脂として、EPICLON N−673(DIC株式会社製、商品名(「EPICLON」は、登録商標。))、(D−1)芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸を必須成分としてなる共重合樹脂である、SMA−EF40(アルケマ社製、商品名、スチレン/無水マレイン酸=4)、(D−2)SMA−EF80(アルケマ社製、商品名、スチレン/無水マレイン酸=8)、(D−3)SMA−1000(アルケマ社製、商品名、重量平均分子量8000、スチレン/無水マレイン酸=1.3)、その他成分として、環状有機リン化合物である、HCA−HQ(三光株式会社製、商品名(「HCA−HQ」は、登録商標。))を、添加型リン系化合物である、PX−200(大八化学工業株式会社製、商品名)、無機充填剤として、シリカF05−30(福島窯業株式会社製、商品名)を用いた。
(樹脂組成物の調製)(実施例1〜3、比較例1〜4)
上記に示した(A)〜(D−3)を下記表1の通り配合し、メチルエチルケトン及びメチルプロピレングリコールを溶液の不揮発分が65〜75%になるよう混合し、実施例1〜3及び比較例1〜4の各熱硬化性樹脂組成物を調製した。
Figure 2015166431
実施例1〜3及び比較例1〜4、表1に示した固形分配合の樹脂組成物を、メチルエチルケトン及びメチルプロピレングリコールに溶解させた後、溶液の不揮発分を60〜75%になるようにメチルエチルケトン及びメチルプロピレングリコールで調整してワニスを作製した。この後、ワニスをIPC品番#2116ガラスクロス(0.1mm)に含浸させ、160℃で4分間乾燥してプリプレグを得た。
次いで、このプリプレグを8枚重ねたものの両面に18μmの銅箔(3EC−VLP−18:三井金属株式会社製品名)を重ね、温度190℃、圧力25kgf/cm(約2.5MPa)にて90分間加熱加圧成形して厚さ0.8mm(プリプレグ8枚)の両面銅張積層板を作製した。
また、このプリプレグを1枚使用し、両面に18μmの銅箔(YGP−18:日本電解株式会社製、商品名)を重ね、温度190℃、圧力25kgf/cm(約2.5MPa)にて90分間加熱加圧成形して厚さ0.1mm(プリプレグ1枚)の両面銅張積層板を作製した後、両銅箔面に内層密着処理(BF処理:日立化成株式会社製、商品名)を施した後に、プリプレグを1枚ずつ重ね両面に18μmの銅箔(YGP−18:日本電解株式会社製、商品名)を重ね、温度190℃、圧力25kgf/cm(約2.5MPa)にて90分間加熱加圧成形して4層銅張積層板を作製した。
以上で作製した両面銅張積層板(プリプレグ8枚のもの)について、比誘電率、誘電正接、難燃性、Tgを評価した。
また、作製した4層銅張積層板について、リフロー耐熱性(266℃)を評価した。
評価結果を表2に示す。
なお、特性試験の方法は以下の通りとした。
リフローはんだ耐熱性:最高到達温度を266℃とし、260℃以上の恒温槽環境下で30秒間以上基板を流すことを1サイクルとし、基板が膨れるまでのサイクル数を求めた。
比誘電率及び誘電正接の測定法:銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、Hewllet−Packerd社製比誘電率測定装置(製品名:HP4291B)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
耐燃焼性(難燃性):UL94に準拠する。難燃性0.8mm:プリプレグ8枚の両面銅張積層板を使用した。
ガラス転移温度(Tg)の測定:銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を5mm角に切断したサンプルを作製した。これをTAインスツルメンツ社製TMA(熱機械分析装置、製品名:Q400EM)を用いて、昇温速度10℃/min、測定温度範囲30〜230℃で得られた銅張積層板の評価基板の熱膨張特性を観察することにより評価した。
Figure 2015166431
上記の結果から、実施例1〜3はいずれもリフロー耐熱性において、耐熱要求レベル以上の10サイクル以上を達成し、低誘電率、低誘電正接、且つ難燃性V−0を達成することを確認できた。
また、芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸をからなる共重合樹脂であるスチレン/無水マレイン酸=4、1.3である比較例1、2は誘電特性が十分ではなく、一方、芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸をからなる共重合樹脂の配合部数が3部である比較例3においても誘電特性が十分ではない。また芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸からなる共重合樹脂の配合部数が30部である比較例4は耐熱性の低下が顕著である。
上記の結果から、本発明によれば、高耐熱性、低誘電特性、高Tgを示し、難燃性の規格UL94においてV−0を達成可能であることが確認できた。

Claims (4)

  1. (A)ジヒドロキシベンゾオキサジン環を有する化合物、(B)フェノール樹脂、(C)エポキシ樹脂、(D)芳香族ビニル化合物と無水マレイン酸とを成分として含む下記一般式(1)で表される共重合樹脂を含有し、有機樹脂固形分総量100質量部に対して共重合樹脂(D)が9.5〜15質量部である熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2015166431
    (一般式(1)中、式中Rは水素原子又は炭素数1〜5個の炭化水素基であり、Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜5個の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、xは0〜3の整数であり、m及びnは自然数であり、mとnの比はm:n=7:1〜9:1である。)
  2. 有機樹脂固形分総量100質量部に対して(A)が15〜40質量部、(B)が3〜30質量部、(C)が15〜40質量部であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2に記載の熱硬化性樹脂組成物をワニスとし、このワニスをガラスクロスに含浸乾燥してなるプリプレグ。
  4. 請求項3に記載のプリプレグを所定枚数重ね合わせ、その両面に金属箔を構成後、加熱成形して得られるプリント配線板用積層板。
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