JP2006202958A - プリプレグ、それを用いた積層板、プリント配線板、多層プリント配線板 - Google Patents

プリプレグ、それを用いた積層板、プリント配線板、多層プリント配線板 Download PDF

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JP2006202958A JP2005012694A JP2005012694A JP2006202958A JP 2006202958 A JP2006202958 A JP 2006202958A JP 2005012694 A JP2005012694 A JP 2005012694A JP 2005012694 A JP2005012694 A JP 2005012694A JP 2006202958 A JP2006202958 A JP 2006202958A
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Mitsutoshi Nakagawa
光俊 中川
Yasuyuki Hirai
康之 平井
Minoru Kakiya
稔 垣谷
Norihiro Abe
紀大 阿部
Shinji Ito
慎二 伊藤
Masanori Akiyama
雅則 秋山
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Abstract

【課題】 ハロゲン系難燃剤を用いないハロゲンフリー基材において,反り量の少ないプリプレグ,これを用いた積層板、プリント配線板及び多層プリント配線板の提供。
【解決手段】 (A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤、無機充填剤とを含む熱硬化性樹脂組成物を織布基材に含浸塗布乾燥して得られたプリプレグにおいて,熱硬化性樹脂組成物中の(A)、(B)、(C)、(D)の配合比率が、(A)20〜40重量%,(B)10〜30重量%,(C)20〜40重量%,(D)5〜35重量%であり、かつ、織布基材として、通気度が20cm/cm/sec以下の織布基材を用いるプリプレグ。
【選択図】 なし

Description

本発明は,プリプレグ、それを用いた積層板、プリント配線板、多層プリント配線板に関する。
電子機器は急速に高性能化し,情報,通信等の広範囲な分野に使用されている。また,携帯型パソコンや携帯端末,携帯電話等の登場,普及により,電子部品のプリント配線板への実装の高密度化とともに,小型化・軽量化が要求されている。これに伴い,電子機器に搭載されるプリント配線板も小型化・軽量化が要求されるため,プリント配線板自体の厚みも薄くなり,プリント配線板の作製に使用されるプリント配線板用積層板も薄型化の要求が増加している。
一方,環境汚染や毒性の面から,使用物質規制の動きが世界的に強まってきており,ハロゲン含有物質の低減,削減といった,いわゆるハロゲンフリー化が強く求められている。プリント配線板用積層板におけるハロゲンフリー化の方法の1つとして,特開2003−327724号公報に示されるように,ジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂とフェノール類とトリアジン環を有する化合物をベースとした樹脂が使われており,高耐熱,高耐燃,低誘電正接といった特徴を有している。
特開2003−327724号公報
プリント配線板用積層板は,薄型化により材料自体の剛性が減少する,あるいは樹脂組成物の硬化収縮に起因する残留応力等により,例えば,積層板に回路形成を行う際に反りが発生し,搬送ライン上を正常に流れない場合が発生する。そこで,本発明は,ハロゲン系難燃剤を用いないハロゲンフリー基材において,反りに関する問題を改善したプリプレグ,並びにこれを用いた積層板、反り量の少ないプリント配線板及び多層プリント配線板を提供することを目的とする。
本発明は、次のものに関する。
1.(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤、無機充填剤とを含む熱硬化性樹脂組成物を織布基材に含浸塗布乾燥して得られたプリプレグにおいて,
熱硬化性樹脂組成物中の(A)、(B)、(C)、(D)の配合比率が、(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物20〜40重量%,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物10〜30重量%,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂20〜40重量%,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤5〜35重量%であり、
かつ、織布基材として、通気度が20cm/cm/sec以下の織布基材を用いることを特徴とするプリプレグ。
2.熱硬化性樹脂組成物中の(A)、(B)、(C)、(D)の配合比率が、(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物30〜35重量%,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物15〜20重量%,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂30〜35重量%である項1記載のプリプレグ。
3.織布基材が、厚み80μm以下のガラス織布である項1又は2に記載のプリプレグ。
4.熱硬化性樹脂組成物が、無機充填剤を、(A)、(B)、(C)、(D)の合計100重量部に対して、10〜100重量部配合してなる熱硬化性樹脂組成物である項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
5.項1〜4のいずれかに記載のプリプレグの片面,または両面に金属箔を積層し,加熱加圧成形して得られる積層板。
6.項5に記載の積層板を回路形成して得られるプリント配線板。
7.項1〜4のいずれかに記載のプリプレグと項6に記載のプリント配線板から成る多層プリント配線板。
ハロゲン系難燃剤を用いないハロゲンフリー基材において,反りに関する問題を改善したプリプレグ,並びにこれを用いた積層板、反り量の少ないプリント配線板及び多層プリント配線板を提供することが可能となった。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は、(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する樹脂,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤、無機充填剤を含んでいる。熱硬化性樹脂組成物の成分である(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物としては,ジヒドロベンゾオキサジン環を有し,ジヒドロベンゾオキサジン環の開環反応により硬化する樹脂であれば特に限定されるものではなく,例えばフェノール性水酸基を有する化合物,ホルマリン(ホルムアルデヒド),1級アミンから式(1)示した反応式により合成される。
Figure 2006202958
式(1)中のRはアルキル基,シクロヘキシル基またはフェニル基(アルキル基もしくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を含む)である。フェノール性水酸基を有する化合物として,多官能フェノール,ビフェニル化合物,ビスフェノール化合物,トリスフェノール化合物,テトラフェノール化合物,フェノール樹脂があげられる。多官能フェノールとしてはカテコール,ヒドロキノン,レゾルキノールがあげられる。ビスフェノール化合物としては,ビスフェノールA,ビスフェノールF及びその位置異性体,ビスフェノールSがあげられる。またフェノール樹脂としてはレゾール樹脂,フェノールノボラック樹脂,フェノール変性キシレン樹脂,アルキルフェノール樹脂,メラミンフェノール樹脂,ベンゾグアナミンフェノール樹脂,フェノール変性ポリブタジエン等があげられるが,特にビスフェノール化合物が望ましい。
1級アミンとしては,具体的にメチルアミン,シクロヘキシルアミン,アニリン,置換アニリン等があげられ,特に,熱安定性や価格の点でアニリンが望ましい。
成分(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類との重縮合物において、使用するフェノール類としては,フェノ−ル又はビスフェノ−ルA,ビスフェノ−ルF,ビスフェノ−ルS等の多価フェノール類や,クレゾール,キシレノール,エチルフェノール,ブチルフェノール等のアルキルフェノール類,アミノフェノール,フェニルフェノール等が挙げられ,これらを1種類又は2種以上併用することができる。
また,トリアジン環を有する化合物としてはメラミン又はベンゾグアナミン,アセトグアナミン等のグアナミン誘導体,シアヌル酸又はメチルシアヌレート,エチルシアヌレート等のシアヌル酸誘導体や,イソシアヌル酸又はメチルイソシアヌレート,エチルシアヌレート等のイソシアヌル酸誘導体等が挙げられるが,特にメラミンが望ましい。
アルデヒド類としては,ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,トリオキサン,テトラオキシメチレン等が挙げられ,これらに限定されるものではないが,取扱いの容易さから,ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒドが好ましい。
本発明に使用する成分(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂は,フェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンから得られるものであれば,特に限定されないが,反応性や取扱いの容易さの点で,中程度の分子量を有するフェノールノボラック樹脂から製造されるものが望ましい。
本発明に使用する熱硬化性樹脂組成物は,ハロゲンフリーで十分な難燃性を付与するために,成分(D)縮合リン酸エステル系難燃剤を含む。(D)縮合リン酸エステル系難燃剤としては,例えば下記一般式(2)構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2006202958
式(2)中,R,R及びRは,それぞれ独立に,アルキル基,シクロヘキシル基等のシクロアルキル基,または未置換もしくはアルキル基,アルコキシル基などで置換されたフェニル基等の芳香族基であり,mは,1,2又は3であり,nは,R,R又はRの置換基数を示し,それぞれ独立して0,1又は2である。(D)縮合リン酸エステル系難燃剤は,リン酸エステルを縮合させて高融点化することにより,高温耐薬品性,耐湿耐熱性,Tgを改善する効果がある。(D)縮合リン酸エステル系難燃剤の熱硬化性樹脂組成物中のの配合比率は,難燃性の点,及び過剰に加えた場合の積層板特性低下を防ぐ観点から,5〜35重量%である。
本発明に使用する熱硬化性樹脂組成物は、無機充填剤とを含んでおり、かつ熱硬化性樹脂組成物中の(A)、(B)、(C)、(D)の合計100重量部に対して,無機充填剤を10〜100重量部含んでいることが好ましい。無機充填剤としては,水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウム,ゼオライトやハイドロタルサイト等の無機水和物,クレー,タルク,ワラストナイト,マイカ,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,アルミナ,シリカ,ガラス粉等の汎用される無機充填剤や,ホウ酸亜鉛,スズ酸亜鉛,ヒドロキシスズ酸亜鉛等のB,Sn系充填剤や,酸化亜鉛,酸化スズ等の金属酸化物,又は,赤リン等の無機リン系材料や,銅や亜鉛等の硝酸塩等を限定なく目的に応じて使用可能であり,またこれら無機充填剤をシランカップリング剤やチタネートカップリング剤,モリブデン酸亜鉛等により,コート又は処理して,有機成分との接着性や,耐熱性,温湿度に対する安定性や安全性を向上させることが好ましい。また,無機充填剤の添加量が10重量部未満の場合,積層板自体の剛性が下がる。添加量が100重量部を超えると,銅箔などの金属箔との密着力が下がるといった問題がある。
本発明に用いる(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物は,熱硬化性樹脂組成物中に,20〜40重量%含まれているが、25〜35重量%含まれていることが好ましく、30〜35重量%含まれていることがより好ましい。ジヒドロベンゾオキサジン環は官能基が嵩高く,立体障害が大きい等の理由から,架橋密度が低くなる傾向を示す。よって,40重量%を超えるとプリント配線板材料(積層板)としての剛性が低くなり,反りが起き易くなる。(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物は、ハロゲンフリーで十分な難燃性とプリント配線板材料(積層板)としての一般特性を両立させる成分でもあるため,性能発現のためには20重量%以上必要である。
本発明に用いる(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物は,熱硬化性樹脂組成物中に,10〜30重量%含まれているが、15〜25重量%含まれていることが好ましく、15〜20重量%含まれていることがより好ましい。(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物は、ハロゲンフリー材の重要な特性の1つである難燃性に寄与しており,性能発現のために10重量%以上必要である。また,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物は、硬化剤であるため,30重量%を超える場合,硬化速度の制御が困難になり,プリプレグの保存安定性に問題が発生する。
本発明に用いる(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂は,熱硬化性樹脂組成物の樹脂固形分中に,20〜40重量%含まれているが、25〜35重量%含まれていることが好ましく、30〜35重量%含まれていることがより好ましい。(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂の配合量の範囲は,実用的反応性(硬化速度)の観点から,(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物及び(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物の配合量が決まると,相対的に決定される。
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は,前記の成分の他に,熱硬化性樹脂の硬化剤や変性剤,または着色剤、酸化防止剤,還元剤,紫外線不透過剤等を配合することができ,これらは通常使用されているもので良く,特に限定されない。
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は、有機溶剤に溶解又は分散させたワニスとして使用することが好ましい。有機溶剤としては,特に制限するものではないが,ケトン系,芳香族炭化水素系,エステル系,アミド系,アルコール系等を用いることができる。具体的には,ケトン系溶剤として,アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等が,芳香族炭化水素系としては,トルエン,キシレン等が,エステル系溶剤としてはメトキシエチルアセテート,エトキシエチルアセテート,ブトキシエチルアセテート,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,酢酸エチル等が,アミド系溶剤としてはN−メチルピロリドン,ホルムアミド,N−メチルホルムアミド,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド等が,アルコール系溶剤としてはメタノール,エタノール,エチレングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコール,トリエチレングリコールモノメチルエーテル,トリエチレングリコールモノエチルエーテル,トリエチレングリコール,プロピレングリコールモノメチルエーテル,ジプロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノプロピルエーテル,ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のプリプレグに用いる織布基材としては、紙、コットンリンターのような天然繊維基材、アラミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、アクリルのような有機合成繊維基材、ガラス、アスベストのような無機繊維基材が使用される。耐燃性の見地から、ガラス繊維基材が好ましい。ガラス繊維基材としては、Eガラス、Cガラス、Dガラス、Sガラス等を用いた織布や短繊維を有機バインダーで接着したガラス織布、更に、ガラス繊維とセルロース繊維とを混沙したものが挙げられ、より好ましくは,Eガラスを使用したガラス織布である。本発明のプリプレグに用いる織布基材は高開繊処理が施されていることが好ましく、高開繊処理としては,高度に開繊されれば通常の開繊に利用される処理でよく,例えば,水流による開繊,液体を媒体とした高周波の振動による開繊,ロールによる加圧での加工等を施すことにより糸の幅が広がり、織布基材中やガラス織布中の隙間が少なくなるような処理が挙げられるが,特に処理方法には限定されない。また,織布基材の通気度は20cm/cm/sec以下であり、好ましくは1〜10cm/cm/sec以下である。なお本発明において、通気度は、JIS R 3420に基づいて測定したものである。また,ガラス織布の厚みは80μm以下が好ましく、より好ましくは5〜60μmである。
本発明においてはガラス織布の通気度を規定し、ガラス繊維糸および/またはガラス織布に必要な開繊処理を高度に施すことにより、従来のガラス織布と比較し、同じガラス繊維糸を使用しても、ガラス織布の厚みを薄く抑えることができる。また、従来のガラス織布よりも、開繊処理によりガラス繊維糸が空間的に拡がって空隙間隔が大幅に抑えられるため、ガラス織布への熱硬化性樹脂組成物の含浸性が向上し、樹脂はじきを大幅に減らすことができる。よって通気度が、20cm/cm/secを超えると、プリプレグのピンホールが発生しやすくなり、熱硬化性樹脂組成物の硬化収縮に起因する残留応力で反りが発生しやすくなる。
熱硬化性樹脂組成物を織布基材に含浸塗布する方法は、特に限定するものではなく,一般の方法が適用可能であり,織布基材に含浸塗布した後,乾燥炉中を通過させることによって加熱乾燥させ,プリプレグを得ことができる。
上記のようにして得られる本発明のプリプレグは,必要に応じて所定枚数を重ね合わせ,その片面,または両面に銅箔等の金属箔を構成後,加圧,加熱プレスすることにより,積層板が得られる。
また,上記積層板において,金属箔に回路加工を施すことによりプリント配線板とすることができる。回路加工は,定法により行えば良く,例えば,銅箔表面にレジストパターンを形成後,エッチングにより不要部分の銅箔を除去し,レジストパターンを剥離後,ドリルまたはレーザ加工により必要なスルーホールを形成し,再度レジストパターンを形成後,スルーホールに導通させるためのメッキを施し,最後にレジストパターンを剥離することにより行うことができる。このようにして得られたプリント配線板の表面に更に上記のプリプレグを積層し,上記と同様にして回路加工して多層プリント配線板とすることもできる。この場合,必ずしもスルーホールを形成する必要はなく,IVH(インターステシャルビアホール)を形成しても良く,また,両方を形成することができる。
以下,本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが,本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例1〜4,比較例1〜2に用いた材料を下記に示す。
(A:ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物)
温度計,撹拌機,冷却管,滴下装置を備えた5Lフラスコに,ビスフェノールF1000gとメタノール920gを加え,撹拌しながら,50℃で溶解した。そこに,パラホルムアルデヒド652gを添加した。更に,撹拌しながら,アニリン930gを1時間かけて滴下し,1時間後に78〜80℃になるようにした。還流下7時間反応させた後,減圧し,圧力360mmHgで減圧濃縮した。この減圧度を保ったまま,濃縮を継続し,樹脂の温度が110℃になった時点で,減圧度を高めて,90mmHgにした。流出液がなくなったことを確認した後,樹脂をバットに取り出し,樹脂の軟化点が78℃である(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を得た。
(B:フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物)
フェノール94重量部に、41.5重量%ホルマリン(ホルムアルデヒド)29重量部,及びトリエチルアミン0.47重量部を加え,80℃にて3時間反応させた。メラミン(トリアジン環を有する化合物)を19重量部加え,更に1時間反応させた後,常圧下にて水を除去しながら120℃まで昇温し,温度を保持したまま2時間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら180℃まで昇温し,減圧下にて未反応のフェノールを除去し,軟化点136℃のフェノール,メラミン及びホルマリンの縮重合物を得た。
(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、EPICLON N−770(大日本インキ化学工業株式会社製商品名、エポキシ当量170〜180g/eq)を、(D)縮合リン酸エステル系難燃剤として、PX−200(大八化学工業株式会社製商品名)を、無機充填剤として、水酸化アルミニウムC−303(住友化学工業株式会社製商品名)を用いた。
織布基材として、以下のガラス織布(IPC規格,IPC―4412)を用いた。
高開繊処理された#1080タイプ(旭シュエーベル株式会社製、商品名、通気度:5cm/cm/sec,厚み:59μm)、
高開繊処理されない#1080タイプ(旭シュエーベル株式会社製、商品名、通気度:25cm/cm/sec,厚み:58μm)、
高開繊処理された#1078タイプ(日東紡績株式会社製、商品名,通気度:6cm/cm/sec,厚み:59μm)。
(実施例1)
前記(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物33.8重量%,前記(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物18.9重量%,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N−770)33.7重量%,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤(PX−200)13.6重量%から成る樹脂組成物を作製し,この樹脂組成物100重量部当たり無機充填剤(水酸化アルミニウムC−303)を72.0重量部及びメチルエチルケトン60重量部を加え、熱硬化性樹脂組成物のワニスとした。ガラス織布(織布基材)として,高開繊処理が施された通気度6cm/cm/secの♯1078タイプ(IPC規格,IPC―4412)を使用し,上記で得られた熱硬化性樹脂組成物のワニスを含浸塗布,半硬化させてプリプレグを作製した。次に,このプリプレグを一層分のみ使用し,18μmの銅箔をプリプレグの両面に配して,プレス条件:175℃80分,圧力6MPaとして加熱加圧を行い,両面銅張積層板を作製した。更に,得られた両面銅張積層板を,フォトエッチング法により,所定の回路パターンを使用して回路形成を行い,両面プリント配線板を作製した。
(実施例2)
ガラス織布(織布基材)として,高開繊処理が施された通気度5cm/cm/secの♯1080タイプ(IPC規格,IPC―4412)を使用した以外は、実施例1と同様にして両面プリント配線板を作製した。
(実施例3)
樹脂組成物の組成を、前記(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物25.8重量%,前記(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物15.0重量%,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N−770)25.5重量%,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤(PX−200)33.7重量%に変更した以外は、実施例2と同様にして両面プリント配線板を作製した。
(実施例4)
樹脂組成物100重量部に対する無機充填剤(水酸化アルミニウムC−303)の配合量を、50.0重量部に変更した以外は、実施例2と同様にして両面プリント配線板を作製した。
(比較例1)
樹脂組成物の組成を、前記(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物58.8重量%,前記(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物13.8重量%,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N−770)13.7重量%,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤(PX−200)13.7重量%に変更した以外は、実施例2と同様にして両面プリント配線板を作製した。
(比較例2)
ガラス織布(織布基材)として,高開繊処理がされていない通気度25cm/cm/secの♯1080タイプ(IPC規格,IPC―4412)を使用した以外は、実施例1と同様にして両面プリント配線板を作製した。
(両面プリント配線板の反り量評価)
作製した両面プリント配線板の反り量評価は、以下に示すように行った。すなわち実施例,比較例ともに,反り改善効果をより明確にするため,片面を所定の回路パターンに,反対面を全面銅として作製し,更にプリプレグ接着用粗化処理を施した後,跳ね上げ式ラックを用いて,平置きの状態で170℃・40分の条件で乾燥を行った。この後,平らな定盤の上に,両面プリント配線板を静置して,試験基板の四隅で持ち上がり量の一番大きいところを反り量として,定規で測定した。実施例及び比較例の反り量測定結果を表1に示した。
Figure 2006202958
(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤を主成分として,無機充填剤を添加した特定の配合比率による熱硬化性樹脂組成物を,通気度20cm/cm/sec以下の高開繊の織布基材を適用することで,実施例1〜4に示したように,比較例1、2と比べ、プリント配線板の反り量は11.9〜17.2mmと、大幅に改善されることが分かった。

Claims (7)

  1. (A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤、無機充填剤とを含む熱硬化性樹脂組成物を織布基材に含浸塗布乾燥して得られたプリプレグにおいて,
    熱硬化性樹脂組成物中の(A)、(B)、(C)、(D)の配合比率が、(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物20〜40重量%,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物10〜30重量%,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂20〜40重量%,(D)縮合リン酸エステル系難燃剤5〜35重量%であり、
    かつ、織布基材として、通気度が20cm/cm/sec以下の織布基材を用いることを特徴とするプリプレグ。
  2. 熱硬化性樹脂組成物中の(A)、(B)、(C)、(D)の配合比率が、(A)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物30〜35重量%,(B)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の縮重合物15〜20重量%,(C)フェノールノボラック型エポキシ樹脂30〜35重量%である請求項1記載のプリプレグ。
  3. 織布基材が、厚み80μm以下のガラス織布である請求項1又は2に記載のプリプレグ。
  4. 熱硬化性樹脂組成物が、無機充填剤を、(A)、(B)、(C)、(D)の合計100重量部に対して、10〜100重量部配合してなる熱硬化性樹脂組成物である請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグの片面,または両面に金属箔を積層し,加熱加圧成形して得られる積層板。
  6. 請求項5に記載の積層板を回路形成して得られるプリント配線板。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグと請求項6に記載のプリント配線板から成る多層プリント配線板。


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