1.実施形態
1.1 構成
以下、図1A及び図1B、並びに図2〜図6を参照して本実施形態のスイッチ10について説明する。本実施形態のスイッチ10は、図1A及び図1Bに示すスイッチ本体20を備える。なお、図1Aは、図5AのX−X線断面図であり、図1Bは図5AのY−Y線断面図である。スイッチ本体20は、スイッチ機構30と、表示部40と、2つの接触子50(第1接触子501及び第2接触子502)と、ケース60と、を備える。また、スイッチ10は、図2に示すように、スイッチ本体20の前面を覆うようにスイッチ本体20に取り付けられるスイッチハンドル90を備える。
ケース60は、図1A及び図1Bに示すように、スイッチ機構30を収容する器体70と、可動接点33を移動させるために器体70の前面(図1A及び図1Bの上面)701に移動可能に取り付けられるハンドル80と、を備える。特に、ハンドル80は、器体70に所定範囲で回転可能に取り付けられる。ここで、所定範囲は、例えば、ハンドル80の前方向と器体70の前方向との間の角度が鋭角となるように設定される。
スイッチ機構30は、図3及び図4に示すように、2つの端子(第1及び第2端子)31,32と、可動接点33と、可動接触子34と、付勢ばね35と、を有する。
第1及び第2端子31,32の各々は、電線が接続される端子である。第1及び第2端子31,32は互いに分離して配置されている。より詳細には、図1A及び図1Bに示すように、第1端子31は器体70の長手方向の一端側(図1A及び図1Bの左端側)に、第2端子32は器体70の長手方向の他端側(図1A及び図1Bの右端側)にそれぞれ配置される。
第1端子31は、端子板310と、2つの鎖錠ばね311と、解除釦312と、を備える。端子板310は、金属板により形成される。端子板310は、固定接点310aと、2つの接触片310b,310bと、連結片310cと、を有する。接触片310bと鎖錠ばね311とは互いに対向するように配置されて、いわゆる速結端子を構成する。第1端子31は、互いに対向する接触片310bと鎖錠ばね311との間で電線を保持する。解除釦312は、電線を第1端子31から取り外すことができるように鎖錠ばね311を部分的に変形させるための部材である。解除釦312は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形品である。また、第1端子31は、図1Aに示すように、連結片310cの前面に第1接触子501と接触される接触面(第1接触面)313を有する。つまり、第1接触面313は、器体70の前方を向いた面である。なお、器体70の前方とは、器体70においてスイッチハンドル90が取り付けられる側である。また、器体70の後方とは、器体70においてスイッチハンドル90が取り付けられる側とは反対側である。
第2端子32は、端子板320と、2つの鎖錠ばね321と、解除釦322と、を備える。端子板320は、金属板により形成される。端子板320は、支持片320aと、2つの接触片320b,320bと、連結片320cと、を有する。支持片320aは、可動接触子34を回転可能に支持する。接触片320bと鎖錠ばね321とは互いに対向するように配置されて、いわゆる速結端子を構成する。第2端子32は、互いに対向する接触片320bと鎖錠ばね321との間で電線を保持する。解除釦322は、電線を第2端子32から取り外すことができるように鎖錠ばね321を部分的に変形させるための部材である。解除釦322は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形品である。また、第2端子32は、図1Bに示すように、連結片320cの前面に第2接触子502と接触される接触面(第2接触面)323を有する。つまり、第2接触面323は、器体70の前方を向いた面である。
可動接触子34は、矩形の金属板である。可動接触子34は、後端で第2端子32の支持片320aに回転自在に支持される。
可動接点33は、図1Aに示すように、可動接触子34において第1端子31の固定接点310aと対向する面に設けられる。したがって、可動接点33は、第1端子31(固定接点310a)に接触する第1位置及び第1端子31(固定接点310a)に接触しない第2位置との間で移動可能である。また、可動接点33は、可動接触子34を通じて第2端子32に電気的に接続される。
付勢ばね35は、図1Aに示すように、可動接触子34とハンドル80とを連結する。より詳細には、付勢ばね35は、コイルばねであり、一端が可動接触子34の前端に連結され、他端がハンドル80に保持される。
スイッチ機構30では、可動接点33が第1位置にある場合、可動接点33が固定接点310aに接触するため、第1端子31と第2端子32との間の電路が閉じられる。可動接点33が第2位置にある場合、可動接点33が固定接点310aに接触しないため、第1端子31と第2端子32との間の電路が開かれる。スイッチ機構30は、片切りスイッチを構成する。
表示部40は、図3及び図4に示すように、2つの電極41(第1電極411及び第2電極412)と、光源42と、抵抗43と、基板44と、を有する。第1電極411及び第2電極412と、光源42と、抵抗43とは基板44に実装される。基板44は、中央に開口440を有する。第1電極411及び第2電極412は、図4に示すように、基板44の後面に形成される。第1電極411及び第2電極412は、基板44の長手方向の中央部において短手方向の両側に位置する。光源42及び抵抗43は、基板44の前面に実装される。光源42及び抵抗43は、基板44の長手方向の一端側に位置する。基板44は、配線パターンを有しており、この配線パターンは、光源42及び抵抗43を第1電極411と第2電極412との間に直列に接続する。光源42は、第1電極411と第2電極412との間の電圧に応じて点灯状態(点灯又は消灯)が変わる。光源42は、例えば、発光ダイオードである。
このように、表示部40は、第1電極411と第2電極412との間の電圧に応じて表示状態(光源42の点灯状態)を変更するように構成される。本実施形態では、表示部40は、スイッチ10を介して電源から負荷に電力が供給されている場合に光源42が消灯し、スイッチ10を介して電源から負荷に電力が供給されていない場合に光源42が点灯するように構成されていてもよい。負荷が照明器具である場合には、負荷が消灯している場合でも、光源42が点灯する。そのため、表示部40は、表示灯として機能し、暗所においてスイッチ10の位置を確認することができる。
2つの接触子50(第1接触子501及び第2接触子502)は、2つの端子(第1及び第2端子)31,32を2つの電極41(第1電極411及び第2電極412)にそれぞれ電気的に接続する。第1接触子501及び第2接触子502は、同じ形状であり、図1A及び図1B並びに図6に示すように、ケース60に取り付けられる第1ばね部51と、第1ばね部51から延出される第2ばね部52と、を有する。
図1Aに示すように、第1接触子501では、第1ばね部51は、器体70(カバー72)に取り付けられる。また、第1ばね部51が第1端子31の接触面313に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52が第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触する。そのため、第1ばね部51が第1電極411に、第2ばね部52が接触面313にそれぞれ接触する場合に比べて、第1ばね部51がハンドル80の回転に対する影響を受け難くなる。そのため、ハンドル80の回転によって第1ばね部51及び第2ばね部52の両方が変形することを抑制できる。したがって、第1端子31と第1電極411との両方に第1接触子501をより安定して接触させることができる。
図1Bに示すように、第2接触子502では、第1ばね部51は、器体70(カバー72)に取り付けられる。また、第1ばね部51が第2端子32の接触面323に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52が第2電極412に弾性力を作用させた状態で接触する。そのため、第1ばね部51が第2電極412に、第2ばね部52が接触面323にそれぞれ接触する場合に比べて、第1ばね部51がハンドル80の回転に対する影響を受け難くなる。そのため、ハンドル80の回転によって第1ばね部51及び第2ばね部52の両方が変形することを抑制できる。したがって、第2端子32と第2電極412との両方に第2接触子502をより安定して接触させることができる。
第1ばね部51及び第2ばね部52の各々は、板ばね(例えば、金属製の板ばね)である。そのため、第1ばね部51及び第2ばね部52が面接触し易くなる。したがって、第1端子31と第1電極411との両方に第1接触子501をより安定して接触させることができ、また、第2端子32と第2電極412との両方に第2接触子502をより安定して接触させることができる。第1ばね部51及び第2ばね部52は一体に形成される。
第1ばね部51は、図6に示すように、取付部511と、延出部513と、を有する。取付部511は、矩形板状である。取付部511は、器体70の前方に突出する突起512を有する。延出部513は、取付部511から器体70の斜め後方に延びる。延出部513は、先端が器体70の斜め前方に向かうように屈曲した形状である。第2ばね部52は、延出部513の先端から斜め前方に延出される。第2ばね部52は、先端が斜め後方に向かうように湾曲した形状である。このように、第1ばね部51は、一端にケース60に取り付けられる取付部511を有し、第2ばね部52は、第1ばね部51の他端から延出される。
ケース60は、図1A及び図1Bに示すように、スイッチ機構30を収容する器体70と、可動接点33を移動させるために器体70の前面701(図1A及び図1Bの上面)に移動可能に取り付けられるハンドル80と、を備える。
器体70は、図1A及び図1Bに示すように、ボディ71と、カバー72と、を有する。ボディ71及びカバー72は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形品である。
ボディ71は、直方体状の箱状であり、前面が開口している。さらに、ボディ71は、図4に示すように、2つの第1貫通孔711,711と、2つの第2貫通孔712,712と、を有する。2つの第1貫通孔711,711は、第1端子31に電線を接続するための孔である。2つの第2貫通孔712,712は、第2端子32に電線を接続するための孔である。2つの第1貫通孔711,711は、ボディ71の後面の長手方向(図1Aの左右方向)の一端(図1Aの左端)にあり、2つの第2貫通孔712,712は、ボディ71の後面の長手方向の他端(図1Aの右端)にある。2つの第1貫通孔711,711は、ボディ71の短手方向(図5Aの上下方向)に並んでいる。また、2つの第2貫通孔712,712も、ボディ71の短手方向(図5Aの上下方向)に並んでいる。
カバー72は、ボディ71の前面に取り付けられる。そのため、カバー72の前面が器体70の前面701となる。カバー72は、図5Bに示すように、中央に開口721を有する矩形枠状である。カバー72は、さらに、2つの軸受部722,722を有する。2つの軸受部722,722は、カバー72の短手方向(図5Bの上下方向)において互いに対向する。図3及び図4に示すように、2つの軸受部722,722はそれぞれ軸孔723を有する。2つの軸受部722,722は、カバー72の開口721内でハンドル80を回転軸の周りに回転自在に支持する。回転軸は、器体70の前後方向に直交する。
また、カバー72は、図1A及び図1B並びに図5Bに示すように、3つの当接部724(724A,724B,724C)を有する。さらに、カバー72は、図4に示すように、3つの当接部724(724A,724B,724C)の後方に位置する3つの挟持部725(725A,725B,725C)と、を有する。当接部724とこの当接部724に対応する挟持部725とは、接触子50を保持するために用いられる。
3つの当接部724A,724B,724Cは、カバー72の短手方向に延びる矩形板状である。2つの当接部724A,724Cは、カバー72の長手方向における開口721の一端側(図5Bの左端側)に位置し、当接部724Bは、カバー72の長手方向における開口721の他端側(図5Bの右端側)に位置する。各当接部724は空所7241を有する。空所7241は貫通孔である。
挟持部725A,725B,725Cは、カバー72の短手方向に延びる矩形板状である。挟持部725A,725B,725Cは、図1A及び図1Bに示すように、当接部724A,724B,724Cの空所7241と対向するように当接部724A,724B,724Cの後方に位置する。
ここで、当接部724Aと当接部724Bとは、図5Bに示すように、器体70の前後方向に平行し回転軸を通る軸(図5Bでは器体70の中心軸)に対して2回対称に配置される。一方、当接部724Cは、カバー72の長手方向において、当接部724Bと一直線上に位置する。
ハンドル80は、図1A及び図1B、並びに図3及び図4に示すように、直方体の箱状であり、後面が開口している。ハンドル80は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形品である。ハンドル80は、2つの軸部81,81と、窓孔82と、保持部83と、を有する。2つの軸部81は、図5Aに示すように、ハンドル80の短手方向(図5Aの上下方向)の両側に位置する。ハンドル80の2つの軸部81,81がカバー72の2つの軸受部722,722の軸孔723に挿入されることで、ハンドル80は、器体70の前後方向に直交する回転軸の周りに回転可能に支持される。窓孔82は、ハンドル80の前面における長手方向の一端(図5Aの右端)に形成される。保持部83は、付勢ばね35を保持するための部位であり、ハンドル80の内底面から後方に突出する。保持部83は円筒状であり、付勢ばね35は保持部83の内側に挿入される。
ハンドル80は、付勢ばね35により可動接触子34に連結される。そのため、ハンドル80の回転に応じて、可動接点33が設けられた可動接触子34も回転する。したがって、ハンドル80は、可動接点33を第1位置と第2位置との間で移動させるように器体70に移動可能(本実施形態では回転可能)に取り付けられる。
スイッチハンドル90は、図2に示すように、ハンドル本体91と、ハンドル本体91に形成されたスリット92と、スリット92に嵌められるプリズム93と、を備える。ハンドル本体91は、スイッチ本体20の前面を覆う大きさに形成される。特に、ハンドル本体91は、3つのスイッチ本体20をそれらの幅方向(図2の上下方向)に並べた場合に、3つのスイッチ本体20の前面の全てを覆うような大きさである。つまり、スイッチハンドル90は、いわゆるシングルスイッチ用のハンドルである。シングルスイッチ用のハンドルは、3つのスイッチ本体20をそれらの幅方向に並べて取り付け可能な取付枠に1つのスイッチ本体20を取り付ける場合に使用されるハンドルである。つまり、シングルスイッチ用のハンドルは、1つの取付枠に対して一つまで取り付け可能である。ハンドル本体91は、例えば、不透明な合成樹脂材料の成形品である。
1.2 組み立て方法
次に本実施形態のスイッチ10の組み立て方法の一例について説明する。
図1A及び図1Bに示すように、端子板310と、2つの鎖錠ばね311と、解除釦312とを、ボディ71の長手方向の一端側(図1A及び図1Bの左端側)に収容する。また、端子板320と、2つの鎖錠ばね321と、解除釦322とを、ボディ71の長手方向の他端側(図1A及び図1Bの右端側)に収容する。これにより、第1端子31及び第2端子32がボディ71に収納される。また、可動接触子34が第2端子32の支持片320a上に配置される。
また、図1A及び図1Bに示すように、表示部40をハンドル80に収納する。これにより、ハンドル80の保持部83が基板44の開口440を通り、光源42がハンドル80の窓孔82から露出する。また、第1電極411及び第2電極412は、ハンドル80の後方を向く。また、第1電極411及び第2電極412は、ハンドル80の前後方向においてハンドル80の回転軸(軸部81)と重なっている。さらに、付勢ばね35をハンドル80の保持部83に取り付ける。
また、図1A及び図1Bに示すように、第1及び第2接触子501,502をカバー72に取り付ける。第1接触子501をカバー72に取り付ける場合、第1接触子501の取付部511を当接部724Aと挟持部725Aとの間に挿入する。これにより、図1Aに示すように、取付部511が第2ばね部52の接触方向と同じ方向で当接部724に接触し、取付部511が当接部724Aと挟持部725Aとで挟まれる。よって、第1接触子501のカバー72からの脱落が抑制される。なお、第1接触子501における、第2ばね部52の接触方向は、第2ばね部52が部材(本実施形態では、第1電極411)に接触する方向(つまり、弾性力が作用する方向)である。また、突起512が当接部724Aの空所7241に入り込むから、第1接触子501のカバー72からの脱落がさらに抑制される。
同様に、第2接触子502をカバー72に取り付ける場合、第2接触子502の取付部511を当接部724Bと挟持部725Bとの間に挿入する。これにより、図1Bに示すように、取付部511が第2ばね部52の接触方向と同じ方向で当接部724に接触し、取付部511が当接部724Bと挟持部725Bとで挟まれる。よって、第2接触子502のカバー72からの脱落が抑制される。なお、第2接触子502における、第2ばね部52の接触方向は、第2ばね部52が部材(本実施形態では、第2電極412)に接触する方向(つまり、弾性力が作用する方向)である。さらに、突起512が当接部724Bの空所7241に入り込むから、第2接触子502のカバー72からの脱落がさらに抑制される。
上述したように、当接部724Aと当接部724Bとは、図5Bに示すように、器体70の前後方向に平行し回転軸を通る軸(図5Bでは器体70の中心軸)に対して2回対称に配置される。したがって、図5Bに示すように、第1接触子501及び第2接触子502も器体70の前後方向に平行し回転軸を通る軸(図5Bでは器体70の中心軸)に対して2回対称に配置される。そのため、第1接触子501と第2接触子502とが互いに反対側からハンドル80に弾性力を作用させる。そのため、第1接触子501及び第2接触子502が器体70の前後方向に平行し回転軸を通る軸(図5Bでは器体70の中心軸)に対して2回対称に配置されていない場合に比べれば、ハンドル80の操作性への影響を低減できる。例えば、第1接触子501及び第2接触子502の両方が器体70の長手方向の一端側に配置されている場合に比べれば、ハンドル80の操作性への影響を低減できる。
次に、カバー72をボディ71に取り付けて器体70を構成する。これにより、第1接触子501の第1ばね部51が第1端子31の第1接触面313に接触し、第2接触子502の第1ばね部51が第2端子32の第2接触面323に接触する。
次に、ハンドル80をカバー72に取り付ける。これによって、ハンドル80が2つの軸受部722,軸受部722により開口721内で回転自在に支持される。また、第1電極411及び第2電極412は、器体70の前後方向においてハンドル80の回転軸(軸部81)と重なる位置に位置する。この場合、第1電極411及び第2電極412が器体70の前後方向においてハンドル80の回転軸(軸部81)と重ならない場合に比べれば、ハンドル80の回転に対する第1電極411及び第2電極412の変位が少なくなる。そのため、第1接触子501及び第2接触子502と第1電極411及び第2電極412とをそれぞれ安定して接触させることができる。
また、ハンドル80をカバー72に取り付けると、第1接触子501の第2ばね部52が第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触して後方に押圧される。また、第2接触子502の第2ばね部52も同様に第2電極412に弾性力を作用させた状態で接触して後方に押圧される。第2ばね部52は第1ばね部51から延出されているから、第2ばね部52が後方に押圧されると、第1ばね部51も後方に押圧されることになる。したがって、第1ばね部51も第1接触面313に弾性力を作用させた状態で接触する。その結果、第1接触子501は、器体70の前後方向において圧縮された状態で、第1接触面313と第1電極411との間に配置される。そのため、第2ばね部52が第1ばね部51から延出されていない場合とは異なり、第1ばね部51の接圧と第2ばね部52の接圧との差を低減できる。したがって、第1端子31と第1電極411との両方に第1接触子501を安定して接触させることができる。
また、この状態では、第2ばね部52が第1電極411から後ろ方向の力を受け、第1ばね部51が第1接触面313から前方向の力を受ける。その結果、第1ばね部51の取付部511が当接部724Aに押し付けられる。これにより、取付部511の突起512が当接部724Aの空所7241に入った状態を安定して維持できる。その結果、第1接触子501のカバー72からの脱落がより抑制される。同様に、第2接触子502も、器体70の前後方向において圧縮された状態で、第2接触面323と第2電極412との間に配置される。これにより、第2端子32と第2電極412との両方に第2接触子502を安定して接触させることができる。
なお、カバー72をボディ71に取り付けた場合に、寸法誤差等により、第1接触子501の第1ばね部51が第1接触面313に接触しない場合がある。このような場合でも、ハンドル80をカバー72に取り付けた際には、第1接触子501の第2ばね部52が第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触して後方に押圧される。その結果、第1ばね部51も後方に押圧されるから、第1ばね部51を第1接触面313に弾性力を作用させた状態で接触させやすくなる。したがって、寸法誤差等があっても、第1接触子501を第1端子31と第1電極411と接触させやすくなる。この点は、第2接触子502であっても同様である。
このようにして図2に示すスイッチ本体20が得られる。最後に、スイッチハンドル90がスイッチ本体20の前面に取り付けられ、スイッチ1が完成する。
上記の例では、カバー72をボディ71に取り付けてからハンドル80をカバー72に取り付けている。しかし、カバー72をボディ71に取り付ける前に、ハンドル80をカバー72に取り付けてもよい。ハンドル80をカバー72に取り付けると、第1接触子501の第2ばね部52が第1電極411に接触し、第2接触子502の第2ばね部52が第2電極412に接触する。次に、カバー72をボディ71に取り付けて器体70を構成する。これにより、第1接触子501の第1ばね部51が第1端子31の第1接触面313に弾性力を作用させた状態で接触して前方に押圧される。また、第2接触子502の第1ばね部51も第2端子32の第2接触面323に弾性力を作用させた状態で接触して前方に押圧される。
ここで、第1接触子501では、第2ばね部52は第1ばね部51から延出されているから、第1ばね部51が前方に押圧されると、第2ばね部52も前方に押圧されることになる。したがって、第2ばね部52も第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触する。その結果、第1接触子501は、器体70の前後方向において圧縮された状態で、第1接触面313と第1電極411との間に配置される。これにより、第1端子31と第1電極411との両方に第1接触子501を安定して接触させることができる。同様に、第2接触子502でも、第2ばね部52は第1ばね部51から延出されている。そのため、第2接触子502も、器体70の前後方向において圧縮された状態で、第2接触面323と第2電極412との間に配置される。したがって、第2端子32と第2電極412との両方に第2接触子502を安定して接触させることができる。
なお、ハンドル80をカバー72に取り付けた場合は、寸法誤差等により、第1接触子501の第2ばね部52が第1電極411に接触しない場合がある。このような場合でも、カバー72をボディ71に取り付けた際には、第1接触子501の第1ばね部51が第1接触面313に弾性力を作用させた状態で接触して前方に押圧される。その結果、第2ばね部52も前方に押圧されるから、第2ばね部52を第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触させやすくなる。したがって、寸法誤差等があっても、第1接触子501を第1端子31と第1電極411と接触させやすくなる。この点は、第2接触子502であっても同様である。
1.3 効果
上述したスイッチ10では、第1接触子501では、第1ばね部51は第1端子31の第1接触面313に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52は第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触する。また、第2接触子502では、第1ばね部51は第2端子32の第2接触面323に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52は第2電極412に弾性力を作用させた状態で接触する。第1接触子501及び第2接触子502の各々において、第1ばね部51はケース60のカバー72に取り付けられ、第2ばね部52は第1ばね部51から延出されている。そのため、第2ばね部52が第1ばね部51から延出されていない場合とは異なり、第1ばね部51の接圧と第2ばね部52の接圧との差を低減できる。したがって、第1端子31と第1電極411との両方に第1接触子501を安定して接触させることができ、また、第2端子32と第2電極412との両方に第2接触子502を安定して接触させることができる。
また、スイッチ10では、第1ばね部51及び第2ばね部52の各々は、板ばね(例えば、金属製の板ばね)である。そのため、第1ばね部51及び第2ばね部52が面接触し易くなる。したがって、第1端子31と第1電極411との両方に第1接触子501をより安定して接触させることができ、また、第2端子32と第2電極412との両方に第2接触子502をより安定して接触させることができる。
また、スイッチ10では、第1接触子501の取付部511が第2ばね部52の接触方向と同じ方向で当接部724Aに接触し、取付部511が当接部724Aと挟持部725Aとで挟まれる。よって、第1接触子501のカバー72からの脱落が抑制される。また、突起512が当接部724Aの空所7241に入り込むから、第1接触子501のカバー72からの脱落がさらに抑制される。
また、スイッチ10では、第2接触子502の取付部511が第2ばね部52の接触方向と同じ方向で当接部724Bに接触し、取付部511が当接部724Bと挟持部725Bとで挟まれる。よって、第2接触子502のカバー72からの脱落が抑制される。また、突起512が当接部724Bの空所7241に入り込むから、第2接触子502のカバー72からの脱落がさらに抑制される。
また、スイッチ10では、第1電極411及び第2電極412は、器体70の前後方向においてハンドル80の回転軸(軸部81)と重なる位置に位置する。この場合、第1電極411及び第2電極412が器体70の前後方向においてハンドル80の回転軸(軸部81)と重ならない場合に比べれば、ハンドル80の回転に対する第1電極411及び第2電極412の変位が少なくなる。そのため、第1接触子501及び第2接触子502と第1電極411及び第2電極412とをそれぞれ安定して接触させることができる。
また、スイッチ10では、図5Bに示すように、第1接触子501及び第2接触子502が器体70の前後方向に平行し回転軸を通る軸(図5Bでは器体70の中心軸)に対して2回対称に配置される。これにより、第1接触子501と第2接触子502とが互いに反対側からハンドル80に弾性力を作用させる。そのため、第1接触子501及び第2接触子502が器体70の前後方向に平行し回転軸を通る軸(図5Bでは器体70の中心軸)に対して2回対称に配置されていない場合に比べれば、ハンドル80の操作性への影響を低減できる。
また、スイッチ10では、第1接触子501の第1ばね部51は、器体70(カバー72)に取り付けられる。また、第1接触子501では、第1ばね部51が第1端子31の接触面313に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52が第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触する。そのため、第1ばね部51が第1電極411に、第2ばね部52が接触面313に、それぞれ接触する場合に比べて、第1ばね部51がハンドル80の回転に対する影響を受け難くなる。したがって、ハンドル80の回転によって第1ばね部51及び第2ばね部52の両方が変形することを抑制できる。その結果、第1端子31と第1電極411との両方に第1接触子501をより安定して接触させることができる。
また、スイッチ10では、第2接触子502の第2ばね部52は、器体70(カバー72)に取り付けられる。また、第2接触子502では、第1ばね部51が第2端子32の接触面323に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52が第2電極412に弾性力を作用させた状態で接触する。そのため、第1ばね部51が第2電極412に、第2ばね部52が接触面323に、それぞれ接触する場合に比べて、第1ばね部51がハンドル80の回転に対する影響を受け難くなる。したがって、ハンドル80の回転によって第1ばね部51及び第2ばね部52の両方が変形することを抑制できる。その結果、第2端子32と第2電極412との両方に第2接触子502をより安定して接触させることができる。
2.変形例
本発明の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
例えば、スイッチ10は、図7A及び図7B並びに図8に示すようなスイッチ本体20Aを備えていてもよい。なお、図7Aは、図8のX−X線断面図であり、図7Bは図8のY−Y線断面図である。
スイッチ本体20Aは、スイッチ機構30Aと、表示部40と、2つの接触子50(第1接触子501及び第2接触子502)と、ケース60と、を備える。なお、スイッチ本体20Aとスイッチ本体20とで実質的な相違のない構成については同じ符号を付すことで説明を省略する。
スイッチ機構30Aは、3つの端子(第1〜第3端子)31A,32A,36と、可動接点33と、可動接触子34と、付勢ばね35と、を有する。
第1〜第3端子31A,32A,36の各々は、電線が接続される端子である。第1〜第3端子31A,32A,36は互いに分離して配置されている。より詳細には、図8に示すように、第1端子31A及び第2端子32Aは器体70の長手方向(図8の左右方向)の一端側(図8の左端側)に、第3端子36は器体70の長手方向の他端側(図8の右端側)にそれぞれ配置される。また、第1端子31A及び第2端子32Aは器体70の幅方向(図8の上下方向)に並べて配置される。
第1端子31Aは、端子板310Aと、鎖錠ばね311と、解除釦312と、を備える。端子板310Aは、固定接点310dと、接触片310eと、連結片310fと、を有する。接触片310eと鎖錠ばね311とは互いに対向するように配置されて、いわゆる速結端子を構成する。また、第1端子31Aは、図7Aに示すように、連結片310fの前面に第1接触子501と接触される接触面(第1接触面)313を有する。
第2端子32Aは、端子板320Aと、鎖錠ばね321と、を備える。端子板320Aは、固定接点320dと、接触片320eと、連結片320fと、を有する。接触片320eと鎖錠ばね321とは互いに対向するように配置されて、いわゆる速結端子を構成する。また、第2端子32Aは、図7Bに示すように、連結片320fの前面に第2接触子502と接触される接触面(第2接触面)323を有する。
スイッチ機構30Aでは、解除釦312が第1端子31Aと第2端子32Aとで共用されている。
第3端子36は、端子板360と、2つの鎖錠ばね361と、解除釦362を備える。端子板360は、支持片360aと、2つの接続片360b,360bと、連結板360cと、を有する。支持片360aは、可動接触子34を回転可能に支持する。接続片360bと鎖錠ばね361とは互いに対向するように配置されて、いわゆる速結端子を構成する。解除釦362は、電線を第3端子36から取り外すことができるように鎖錠ばね361を部分的に変形させるための部材である。解除釦362は、電気絶縁性を有する合成樹脂の成形品である。
可動接触子34は、後端で第3端子36の支持片360aに回転自在に支持される。
可動接点33は、図7Aに示すように、第1端子31Aの固定接点310dと対向し、かつ、第2端子32Aの固定接点320dと対向するように可動接触子34に設けられる。したがって、可動接点33は、第1端子31A(固定接点310d)に接触する第1位置及び第1端子31A(固定接点310d)に接触しない第2位置との間で移動可能である。また、可動接点33は、第1位置では第2端子32A(固定接点320d)に接触せず、第2位置では第2端子32A(固定接点320d)に接触する。また、可動接点33は、可動接触子34を通じて第3端子36に電気的に接続される。
スイッチ機構30Aでは、可動接点33が第1位置にある場合、可動接点33は固定接点310dに接触するが、固定接点320dには接触しない。そのため、第1端子31Aと第3端子36との間の電路が閉じられ、第2端子32Aと第3端子36との間の電路は開かれる。可動接点33が第2位置にある場合、可動接点33は固定接点310dに接触しないが、固定接点320dには接触する。そのため、第2端子32Aと第3端子36との間の電路が閉じられ、第1端子31Aと第3端子36との間の電路は開かれる。スイッチ機構30Aは、三路スイッチを構成する。
第1接触子501は、図7A及び図8に示すように、第1接触子501の取付部511を当接部724Aと挟持部725Aとの間に挿入することでカバー72に取り付けられている。これにより、第1ばね部51は、器体70(カバー72)に取り付けられる。また、第1ばね部51が第1端子31Aの接触面313に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52が第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触する。第2接触子502は、図7B及び図8に示すように、第2接触子502の取付部511を当接部724Cと挟持部725Cとの間に挿入することでカバー72に取り付けられている。これにより、第2ばね部52は、器体70(カバー72)に取り付けられる。また、第1ばね部51が第2端子32Aの接触面323に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52が第2電極412に弾性力を作用させた状態で接触する。
上述したスイッチ本体20Aを備えるスイッチ10においても、第1接触子501では、第1ばね部51は第1端子31Aの第1接触面313に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52は第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触する。また、第2接触子502では、第1ばね部51は第2端子32Aの第2接触面323に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52は第2電極412に弾性力を作用させた状態で接触する。第1接触子501及び第2接触子502の各々において、第1ばね部51はケース60のカバー72に取り付けられ、第2ばね部52は第1ばね部51から延出されている。そのため、第2ばね部52が第1ばね部51から延出されていない場合とは異なり、第1ばね部51の接圧と第2ばね部52の接圧との差を低減できる。したがって、第1端子31Aと第1電極411との両方に第1接触子501を安定して接触させることができ、また、第2端子32Aと第2電極412との両方に第2接触子502を安定して接触させることができる。
なお、スイッチ機構(30,30A)において、可動接点33は、可動接触子34と別部材であってもよいし、可動接触子34の一部であってもよい。
また、スイッチ機構(30,30A)は、片切りスイッチや三路スイッチ以外のスイッチ(例えば四路スイッチ)を構成してもよい。つまり、スイッチ機構は、2つの端子(31,32;31A,32A)及び可動接点(33)を有していればよい。
また、表示部40は、スイッチ10を介して電源から負荷に電力が供給されていない場合に光源が消灯し、スイッチ10を介して電源から負荷に電力が供給されている場合に光源が点灯するように構成されていてもよい。つまり、スイッチ10は、いわゆる、光源としてパイロットランプを有し、パイロットランプの点灯又は消灯により表示を行うパイロットスイッチであってもよい。また、表示部40は、負荷の動作状態に応じて表示状態が変化する構成であってもよい。例えば、負荷が調光可能な照明器具である場合に、照明器具の調光レベルに応じて表示部40の表示状態が変化してもよい。また、表示部40は、光源42から放射される光の色を変えることで表示状態を変更してもよい。また、2つの電極41は、器体70の前後方向においてハンドル80の回転軸と重なっていなくてもよい。例えば、2つの電極41は、器体70の前後方向においてハンドル80の回転軸と重ならないように、基板44の長手方向の端部に配置されていてもよい。ただし、器体70の前後方向においてハンドル80の回転軸と重なっているほうが、ハンドル80の回転に対する電極41の変位を少なくできる。また、電極41は、必ずしも基板44に形成されている必要はなく、金属板等に形成されていてもよい。また、光源42は、発光ダイオード以外の光源(例えばネオンランプ等)であってもよい。また、抵抗43は必ずしも必須ではない。
また、スイッチ10は、図9に示すような接触子50Aを備えていてもよい。図9では、接触子50Aは第1接触子として用いられている。接触子50Aは、接触子50と同様に、第1ばね部51及び第2ばね部52を有する。ただし、接触子50Aでは、第1ばね部51が第1電極411に弾性力を作用させた状態で接触し、第1ばね部51が第1端子31の接触面313に弾性力を作用させた状態で接触する。同様に、接触子50Aは第2接触子として用いられてもよい。この場合、第1ばね部51が第2電極412に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52が第2端子32の接触面323に弾性力を作用させた状態で接触する。つまり、第1ばね部51と第2ばね部52との一方は、2つの端子のうちの対応する端子の接触面に弾性力を作用させた状態で接触し、他方は、2つの電極のうちの対応する電極に弾性力を作用させた状態で接触すればよい。
また、第1ばね部51及び第2ばね部52の各々は、板ばね(例えば、金属製の板ばね)ではなく、コイルばね、トーションばねその他の弾性体であってもよい。ただし、板ばねであるほうが、第1ばね部51及び第2ばね部52が面接触し易くなるため好ましい。
上記実施形態では、第1ばね部51は、ケース60に取り付けられているが、ケース60に固定されているわけではない。つまり、第1ばね部51は、ケース60に対してある程度移動可能な状態でケース60に取り付けられている。しかし、第1ばね部51は、ケース60に対して移動しないようにケース60に取り付けられてもよい。また、第1ばね部51は、取付部511を有していなくてもよい。例えば、第1ばね部51は、ねじ止めや、圧入その他の方法で、カバー72に取り付けられていてもよい。
また、接触子50の第1ばね部51は、カバー72ではなくボディ71に取り付けられてもよいし、ハンドル80に取り付けられてもよい。要するに、第1ばね部51は、ケース60に取り付けられていればよい。なお、第1ばね部51がハンドル80に取り付けられる場合、第1ばね部51が、対応する電極41に弾性力を作用させた状態で接触し、第2ばね部52が、対応する端子に弾性力を作用させた状態で接触することが好ましい。この場合、第1ばね部51が端子に第2ばね部52が電極41に接触する場合に比べて、第1ばね部51がハンドル80の回転に対する影響を受け難くなる。
また、第1及び第2接触子501,502は、各々が、第1ばね部51と第2ばね部52とを有していなくてもよい。つまり、2つの接触子の少なくとも一方が、第1ばね部51と第2ばね部52とを有していればよい。
また、ケース60(ボディ71、カバー72、及びハンドル80)の形状や構成は、特に限定されない。例えば、当接部724の空所7241は、貫通孔ではなく凹部であってもよい。また、ケース60(ボディ71、カバー72、及びハンドル80)の形状や構成は、例えば、ケース60に収納される部品(スイッチ機構30、表示部40、及び接触子50等)に応じて適宜変更されてもよい。また、ケース60は、ロッカー式(シーソー式)スイッチではなく、ピアノハンドル式スイッチに対応するケースであってもよい。要するに、ハンドル80は、必ずしも回転可能に器体70に取り付けられていなくてもよく、直動可能に器体70に取り付けられていてもよい。要するに、ハンドル80は、可動接点33を移動させるために器体70の前面に移動可能に取り付けられていればよい。
また、スイッチハンドル90は、シングルスイッチ用のハンドルに限定されない。スイッチハンドル90は、例えば、シングルスイッチ用のハンドルとは異なる形状、例えば、ダブルスイッチ用のハンドル又はトリプルスイッチ用のハンドルであってもよい。ダブルスイッチ用のハンドルは、上記実施形態で説明した取付枠に2つのスイッチ本体を取り付ける場合に使用されるハンドルである。つまり、ダブルスイッチ用のハンドルは、1つの取付枠に対して2つまで取り付け可能である。トリプルスイッチ用のハンドルは、上記実施形態で説明した取付枠に3つのスイッチ本体を取り付ける場合に使用されるハンドルである。つまり、トリプルスイッチ用のハンドルは、1つの取付枠に対して3つまで取り付け可能である。また、スイッチ10は、必ずしもスイッチハンドル90を備えていなくてもよい。
3.態様
以上述べた実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様のスイッチ(10)は、スイッチ機構(30,30A)と、表示部(40)と、2つの接触子(50,501,502;50A)と、ケース(60)と、を備える。前記スイッチ機構(30)は、2つの端子(31,32;31A,32A)及び可動接点(33)を有する。前記表示部(40)は、2つの電極(411,412)を有する。前記2つの接触子(50,501,502;50A)は、前記2つの端子(31,31A,32,32A)を前記2つの電極(41,411,412)にそれぞれ電気的に接続する。前記ケース(60)は、前記スイッチ機構(30)を収容する器体(70)、及び、前記可動接点(33)を移動させるために前記器体(70)の前面(701)に移動可能に取り付けられるハンドル(80)を有する。前記2つの端子(31,32;31A,32A)は、それぞれ、前記器体(70)の前方を向いた接触面(313,323)を有する。前記2つの電極(41,411,412)は、それぞれ、前記器体(70)の後方を向くように配置される。前記2つの接触子(50,501,502;50A)の少なくとも一方は、前記ケース(60)に取り付けられる第1ばね部(51)と、前記第1ばね部(51)から延出される第2ばね部(52)と、を有する。前記第1ばね部(51)と前記第2ばね部(52)との一方は、前記2つの端子(31,31A,32,32A)のうちの対応する端子の前記接触面(313,323)に弾性力を作用させた状態で接触する。前記第1ばね部(51)と前記第2ばね部(52)との他方は、前記2つの電極(41,411,412)のうちの対応する電極に弾性力を作用させた状態で接触する。第1の態様によれば、端子と表示部の電極との両方に接触子を安定して接触させることができる。
第2の態様のスイッチ(10)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記第1ばね部(51)及び前記第2ばね部(52)の各々は、板ばねである。第2の態様によれば、端子と表示部の電極との両方に接触子をより安定して接触させることができる。
第3の態様のスイッチ(10)は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、前記第1ばね部(51)は、一端に前記ケース(60)に取り付けられる取付部(511)を有する。前記第2ばね部(52)は、前記第1ばね部(51)の他端から延出される。前記ケース(60)は、前記取付部(511)が前記第2ばね部(52)の接触方向と同じ方向で接触する当接部(724)と、前記当接部(724)とで前記取付部(511)を挟む挟持部(725)と、を有する。第3の態様によれば、接触子のケースからの脱落が抑制される。
第4の態様のスイッチ(10)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記取付部(511)は、前記当接部(724)と対向する面に突起(512)を有する。前記当接部(724)は、前記突起(512)が挿入される空所(7241)を有する。第4の態様によれば、接触子のケースからの脱落がさらに抑制される。
第5の態様のスイッチ(10)は、第1〜第4の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前記ハンドル(80)は、前記器体(70)の前後方向に直交する回転軸の周りに回転可能に支持される。前記2つの電極(41,411,412)は、前記前後方向において前記回転軸と重なっている。第5の態様によれば、表示部の電極に接触子を安定して接触させることができる。
第6の態様のスイッチ(10)は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前記2つの接触子(50,501,502;50A)の各々は、前記第1ばね部(51)及び前記第2ばね部(52)を有し、前記前後方向に平行し前記回転軸を通る軸に対して2回対称に配置される。第6の態様によれば、ハンドルの操作性への影響を低減できる。
第7の態様のスイッチ(10)は、第1〜第6の態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、前記第1ばね部(51)は、前記器体(70)に取り付けられ、前記2つの端子(31,31A,32,32A)のうちの対応する端子の前記接触面(313,323)に弾性力を作用させた状態で接触する。前記第2ばね部(52)は、前記2つの電極(41,411,412)のうちの対応する電極に弾性力を作用させた状態で接触する。第7の態様によれば、端子と表示部の電極との両方に接触子をより安定して接触させることができる。