JP2018036603A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性基体と感光層と無機保護層とを有する感光体7と、帯電装置8と、露光装置9と、トナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容した現像装置11と、転写装置40と、クリーニングブレード131を感光体7の表面に接触させて感光体7の表面の残留物を除去するクリーニング装置13と、感光体7の表面からの距離がトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下となるように感光体7から離間して設けられたせき止め部材151により、感光体7の表面に残留したトナー粒子を、感光体7の回転方向において転写装置40の下流側かつクリーニング装置13の上流側でせき止めるせき止め手段15と、を備える画像形成装置100である。
【選択図】図1
Description
そして、無機保護層を最表面層として有する電子写真感光体では、無機保護層が硬質であるため、クリーニングブレードにより保護層の表層ごと削り取ることで放電生成物を除去することは難しく、上記像流れの発生を抑制しにくい。
即ち、請求項1に係る発明は、
導電性基体と導電性基体上に設けられた感光層と感光層上に最表面層として設けられた無機保護層とを有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
クリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードを前記電子写真感光体の表面に接触させて電子写真感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段と、
前記電子写真感光体の表面からの距離が前記トナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下となるように前記電子写真感光体から離間して設けられたせき止め部材を有し、前記せき止め部材により、前記電子写真感光体の表面に残留したトナー粒子を、前記電子写真感光体の回転方向において前記転写手段の下流側かつ前記クリーニング手段の上流側でせき止めるせき止め手段と、
を備える画像形成装置である。
前記無機保護層は、ガリウム及び酸素を含有する請求項1に記載の画像形成装置である。
前記せき止め部材における前記電子写真感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止める面を重力方向の上方側に向けて、前記せき止め部材が配置されている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう)と、感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、クリーニングブレードを感光体の表面に接触させて感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段と、せき止め部材により感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止めるせき止め手段と、を備える。
上記感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層と、感光層上に最表面層として設けられた無機保護層と、を有する。
また、上記せき止め手段は、感光体の表面からの距離(以下「離間距離」ともいう)がトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下となるように感光体から離間して設けられたせき止め部材を有する。そして、せき止め手段は、感光体の回転方向において転写手段の下流側かつクリーニング手段の上流側で、上記せき止め部材により感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止める。
一方、電子写真法を利用した画像形成装置では、感光体の周囲に備えられた帯電手段等の放電に伴い、空気中の酸素、窒素等が反応して、いわゆる放電生成物が生成することがある。この放電生成物が感光体の表面へ付着すると、付着した放電生成物が高温高湿(例えば、温度29℃、湿度80%RH)下において水分を吸収して感光体の表面抵抗が低下し、感光体上の静電潜像が保持されにくくなり、像流れが発生しやすくなる。
しかしながら、無機保護層を最表面層として有する感光体では、無機保護層が硬質であるがゆえに、無機保護層の表層ごと掻き取って放電生成物を除去することは難しい。そのため、最表面に無機保護層を有する感光体では、クリーニングブレードを接触させて感光体の表面を清掃しても、トナー粒子や外添剤粒子は除去されるものの、放電生成物は除去されずに感光体の表面に残りやすく、高温高湿下での像流れの発生を抑制し難い。
離間距離が上記範囲であるため、転写手段によって転写されずに感光体表面に残留したトナー粒子が、せき止め部材と感光体表面との間をすり抜けられずにせき止められる。そして、トナー粒子がせき止められて堆積することでトナー溜まりが形成され、その状態でさらに感光体が回転することで、トナー溜まりが感光体の表面を摺擦し、感光体の表面に付着していた放電生成物が除去されると考えられる。
以上のようにして、本実施形態では、高温高湿下での像流れの発生が抑制されると推測される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、電子写真感光体7、現像装置11、クリーニング装置13、及びせき止め装置15を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
なお、図2に示すせき止め部材151は、板状の部材であるが、電子写真感光体7の軸方向における一端から他端にかけてトナー粒子をせき止める面を有していれば、これに限られず、例えば、三角柱状、円柱状、三日月状、反り板状等の部材でもよい
電子写真感光体7としては、導電性基体上に、感光層及び無機保護層をこの順に有する構成の感光体が適用される。
なお、感光層は、有機感光層であっても無機感光層であってもよい。
また、無機感光層とは、無機材料を主成分(80質量%以上)として含む層であり、例えば非晶質シリコン感光層が挙げられる。
また、無機保護層とは、無機材料を主成分(80質量%以上)として含み、且つ、感光体の表面を形成する層である。なお、感光体の長寿命化の点から、無機保護層は、無機材料を90質量%以上含んで構成された層であることが好ましい。
つまり、有機感光層が単層型の有機感光層であれば、単層型の有機感光層に無機粒子が含まれていることが好ましい。
また、有機感光層が電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型の有機感光層であれば、表面を構成する層になる電荷輸送層に無機粒子が含まれていることが好ましい。但し、電荷輸送層が2層以上で構成される場合、表面を構成する層になる電荷輸送層(無機保護層側の電荷輸送層)に無機粒子が含まれていることが好ましい。
図3は、本実施形態における電子写真感光体の一例を示す模式断面図である。図4及び図5はそれぞれ本実施形態における電子写真感光体の他の一例を示す模式断面図である。
そして、無機保護層の割れを抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点からは、電荷輸送層3が、電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。
また、図5に示す電子写真感光体7Cは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型有機感光層6(電荷発生/電荷輸送層))に含有するものである。
そして、無機保護層の割れを抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点からは、電荷輸送層3Aが、電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。なお、電荷輸送層3Bは、少なくとも電荷輸送材料を含んで構成され、無機粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
そして、無機保護層の割れを抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点からは、単層型有機感光層6が、電荷発生材料及び電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層(すなわち有機感光層の最外層)が無機粒子を含むことで、無機保護層の割れが抑制される。具体的には、有機感光層は柔軟性を有し、変形し易い傾向がある一方で、無機保護層は硬質ではあるが靭性に劣る傾向がある。そのため、例えば感光体の外周面に接して配される部材(例えば中間転写体)等から機械的な負荷が掛かり、無機保護層の下地層となる有機感光層が変形すると、無機保護層に割れが生じることがある。そのため、有機感光層の表面を構成する層に無機粒子を含有させることにより、無機粒子が有機感光層の補強材としての機能を果すことで、有機感光層が変形し難くなり、無機保護層の割れが抑制されると考えられる。
無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、誘電損率が高く、感光体の電気特性を低減させ難い点、また、無機保護層の割れの発生を抑制する観点から、シリカ粒子が特に好ましい。
以下、電荷輸送層に好適なシリカ粒子について詳細に説明する。
乾式シリカ粒子としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(ヒュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカ等が挙げられる。
湿式シリカ粒子としては、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ粒子(アルカリ条件で合成・凝集した沈降法シリカ、酸性条件で合成・凝集したゲル法シリカ粒子等)、酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ粒子(シリカゾル粒子等)、有機シラン化合物(例えばアルコキシシラン等)の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカ粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子としては、残留電位の発生、その他電気特性の悪化による画像欠陥の抑制(細線再現性の悪化の抑制)の観点から、表面のシラノール基が少なく、低い空隙構造を持つ燃焼法シリカ粒子が望ましい。
疎水化処理剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン等の周知のシラン化合物が挙げられる。
これらの中でも、疎水化処理剤としては、残留電位の発生を抑制し易くする観点から、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を持つシラン化合物が望ましい。つまり、シリカ粒子の表面には、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を有することがよい。
トリメチルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
デシルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、デシルトリクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
フェニル基を持つシラン化合物としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤の縮合率を上記範囲にすると、シリカ粒子のシラノール基がより低減し、残留電位の発生が抑制され易くなる。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。分離したシリカ粒子に対して、Bruker製AVANCEIII 400でSi CP/MAS NMR分析を行い、SiOの置換数に応じたピーク面積を求め、それぞれ、2置換(Si(OH)2(0−Si)2−)、3置換(Si(OH)(0−Si)3−)、4置換(Si(0−Si)4−)の値をQ2,Q3,Q4とし、疎水化処理剤の縮合率は式:(Q2×2+Q3×3+Q4×4)/4×(Q2+Q3+Q4)により算出する。
シリカ粒子の体積抵抗率を上記範囲にすると、電気特性の低下が抑制される。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。そして、20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離したシリカ粒子を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように載せ、シリカ粒子層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せシリカ粒子層を挟み込む。シリカ粒子間の空隙をなくすため、シリカ粒子層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからシリカ粒子層の厚み(cm)を測定する。シリカ粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が予め定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、シリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)を計算する。シリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρはシリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはシリカ粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I0)/L
体積平均粒径が上記範囲であることで、無機保護層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
シリカ粒子の体積平均粒径は、層中からシリカ粒子を分離し、このシリカ粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により40000倍の倍率で観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を求め、これをシリカ粒子の体積平均粒径として測定する。
また、無機粒子の含有量の上限値は特に限定されないが、電荷輸送層の特性を確保する等の点から、70質量%以下がよく、65質量%以下であることが望ましく、60質量%以下であることがより望ましい。
また、無機粒子の含有量は、電荷輸送材料の含有量よりも多いことが好ましい。
電荷輸送層における無機保護層側の表面の表面粗さRa(算術平均表面粗さRa)は、例えば、0.06μm以下が挙げられ、好ましくは0.03μm以下、より好ましくは0.02μm以下である。
この表面粗さRaを上記範囲とすると、無機保護層の平滑性が上がり、クリーニング性が向上する。
なお、表面粗さRaを上記範囲とするには、例えば、層の厚みを厚くする等の方法が挙げられる
まず、無機保護層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、触針式表面粗さ測定機(サーフコム1400A:東京精密社製等)を使用して測定する。その測定条件としては、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとする。
電荷輸送層の弾性率を上記範囲とすると、無機保護層の割れが抑制され易くなる。
なお、電荷輸送層の弾性率を上記範囲とするには、例えば、シリカ粒子の粒径及び含有量を調整する方法、電荷輸送材料の種類及び含有量を調整する方法が挙げられる。
まず、無機保護層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いて測定する。
電荷輸送層の膜厚を上記範囲にすると、無機保護層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
−無機保護層の組成−
無機保護層は、無機材料を含んで構成された層である。
無機材料としては、保護層としての機械的強度、透光性を有するという観点から、例えば、酸化物系、窒化物系、炭素系、珪素系の無機材料が挙げられる。
酸化物系の無機材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化ホウ素等の金属酸化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
窒化物系の無機材料としては、例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化亜鉛、窒化チタン、窒化インジウム、窒化錫、窒化ホウ素等の金属窒化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
炭素系及び珪素系の無機材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、アモルファスカーボン(a−C)、水素化アモルファスカーボン(a−C:H)、水素・フッ素化アモルファスカーボン(a−C:H)、アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC)、水素化アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC:H)アモルファスシリコン(a−Si)、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)等が挙げられる。
なお、無機材料は、酸化物系及び窒化物系の無機材料の混晶であってもよい。
その結果、第13族元素(望ましくはガリウム)及び酸素を含む無機保護層とすることで、高温高湿下での像流れの発生が抑制され易くなる。
ガリウムの元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、15原子%以上50原子%以下であることがよく、望ましくは20原子%以上40原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
酸素の元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、30原子%以上70原子%以下であることがよく、望ましくは40原子%以上60原子%以下、より望ましくは45原子%以上55原子%以下である。
水素の元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、10原子%以上40原子%以下であることがよく、望ましくは15原子%以上35原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
一方で、原子数比〔酸素/ガリウム〕は、1.50を超え2.20以下であることがよく、望ましくは1.6以上2.0以下である。
なお、RBSでは、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは約109°とする。
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。 測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて厚みを算出する。密度の誤差は20%以内である。
HFS測定では、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400を用い、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。そして、HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
無機保護層は、目的に応じて、厚み方向に組成比に分布を有していてもよいし、多層構成からなるものであってもよい。
無機保護層の成長断面は、柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは平坦性の高い構造が望ましく、非晶質が望ましい。
なお、結晶性、非晶質性は、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像の点や線の有無により判別される。
この体積抵抗率を上記範囲とすると、電荷が面内方向に流れることが抑制され、良好な静電潜像形成が実現され易くなる。
この体積抵抗率は、nF社製LCRメーターZM2371を用いて、周波数1kHz、電圧1Vの条件にて測定した抵抗値から、電極面積、試料厚みに基づき算出して求められる。
なお、測定試料は、測定対象となる無機保護層の成膜時の同条件でアルミ基体上に成膜し、その成膜物上に真空蒸着により金電極を形成し得られた試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機保護層を剥離し、一部エッチングして、これを一対の電極で挟み込んだ試料であってもよい。
この弾性率を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
この弾性率は、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いる。下記は測定条件である。
・測定環境:23℃、55%RH
・使用圧子:ダイヤモンド製正三角錐圧子(Berkovic圧子)三角錐圧子
・試験モード:CSMモード
なお、測定試料は、測定対象となる無機保護層の成膜時の同条件で基体上に成膜した試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機保護層を剥離し、一部エッチングした試料であってもよい。
この膜厚を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
保護層の形成には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部221と、高周波放電管部221内に配置され、放電面が排気口211側に設けられた平板電極219と、高周波放電管部221外に配置され、平板電極219の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部218とから構成されたものである。なお、高周波放電管部221には、高周波放電管部221内にガスを供給するためのガス導入管220が接続されており、このガス導入管220のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
また、成膜室210内には、基体回転部212が設けられており、円筒状の基体214が、シャワーノズル216の長手方向と基体214の軸方向とが沿って対面するように基体支持部材213を介して基体回転部212に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基体回転部212が回転することによって、基体214が周方向に回転する。なお、基体214としては、例えば、予め有機感光層まで積層された感光体等が用いられる。
まず、酸素ガス(又は、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、及び必要に応じ水素(H2)ガスを、ガス導入管220から高周波放電管部221内に導入すると共に、高周波電力供給部218から平板電極219に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極219の放電面側から排気口211側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部217が形成される。ここで、ガス導入管220から導入されたガスは成膜室210を平板電極219側から排気口211側へと流れる。平板電極219は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
基体214としては、例えば、有機感光層が形成された基体を用いる。
基体214表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には有機感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体214の表面温度を制御することが望ましい。
基体214表面の温度は加熱手段及び冷却手段の少なくとも一方(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体214を加熱する場合にはヒータを基体214の外側や内側に設置してもよい。基体214を冷却する場合には基体214の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による基体214表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体214表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
例えば、無機保護層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することにより、基体214上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、有機感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による有機感光層へのダメージが抑制される。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することによって、n型、p型等の導電型の無機保護層を得る。
このようにすることで、基体214表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(無機保護層)が形成される。
更に、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体214表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が望ましいが、熱の照射を抑制する装置を設けてもよい。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
なお、電荷輸送層3Aが無機粒子を含む場合、電荷輸送層3A中の無機粒子の含有量の好ましい上限及び下限値は、電荷輸送層3と同じであればよい。
但し、電荷輸送層3Aの膜厚は、1μm以上15μm以下とすることがよい。また、電荷輸送層3Bの膜厚は、15μm以上29μm以下とすることがよい。
但し、単層型有機感光層6中の電荷発生材料の含有量は、単層型有機感光層全体に対して、25質量%以上50質量%以下とすることがよい。また、なお、単層型有機感光層6が無機粒子を含む場合、単層型有機感光層6中の無機粒子のその含有量の好ましい上限及び下限値は、電荷輸送層3と同じであればよい。
また、単層型有機感光層6の膜厚は、15μm以上30μm以下とすることがよい。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像剤は、少なくともトナー粒子を有するトナーを含むものであれば特に限定されない。
現像剤としては、例えば、一般的な有色トナーを含む現像剤のほか、無色トナー(透明トナー)を含む現像剤、光輝性トナーを含む現像剤等が挙げられるが、これらの一例として、一般的な有色トナーを含む現像剤について詳細に説明する。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−2100)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
現像剤が二成分現像剤である場合、キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式に加えて、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を併用してもよい。
ここで、引張弾性率の測定は、JIS K7161に準拠して、インストロン5566(東洋精機製作所製)により、短冊状試験片(幅6mm、長さ130mm、ダンベル1号)について、試験速度500mm/分測定数n=5の条件で行われる。
せき止め装置15は、トナー像の転写後に電子写真感光体7の表面72に残留したトナー粒子をせき止めるせき止め部材151を有する。
せき止め部材151は、図2に示すように、電子写真感光体7の表面72から離間して設けられ、せき止め部材151の電子写真感光体7に対向する部位153と電子写真感光体7の表面72との間に隙間157が形成されている。そして、せき止め部材151と表面72との離間距離Lは、現像装置11に収容されたトナーにおけるトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下である。すなわち、せき止め部材151は、例えば不図示の固定手段により、離間距離Lが上記範囲となるように固定されて設けられている。離間距離Lが上記範囲であることにより、せき止め部材151が有する面のうち電子写真感光体7における回転方向の上流側を向いている面152によって、隙間157をすり抜けられないトナー粒子がせき止められて堆積し、トナー溜まりが形成される。そして、トナー溜まりの量が多くなりすぎると、圧力でトナー溜まりの一部が隙間157をすり抜け、トナー溜まりが適切な量に維持される。
また、離間距離Lが上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて、トナー溜まりが適切な量に維持されやすい。そのため、電子写真感光体7の表面72における放電生成物の除去性が維持されるとともに、トナー粒子がせき止め装置15から溢れることによる機内汚染も抑制される。
トナー溜まりが形成され、かつ、適切な量に維持されやすくする観点で、離間距離Lは、トナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下であり、0.4倍以上0.8倍以下が好ましく、0.5倍以上0.7倍以下がより好ましい。
ここで、トナー粒子の体積平均粒径は、前述の方法で求められる値である。
また、図2に示すせき止め部材151の形状は板状であるが、電子写真感光体7の軸方向における一端から他端にかけてトナー粒子をせき止める面を有していれば、これに限られず、例えば、三角柱状、円柱状、三日月状、反り板状等であってもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
まず、回転する電子写真感光体7の表面72が帯電装置8により帯電される。露光装置9は、帯電された電子写真感光体7の表面72を画像情報に基づいて露光する。これにより、電子写真感光体7上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。現像装置11では、トナー粒子を有するトナーを含む現像剤により、電子写真感光体7の表面72に形成された静電潜像が現像される。これにより、電子写真感光体7の表面72に、トナー像が形成される。電子写真感光体7の表面72に形成されたトナー像が中間転写体50へ転写される。そして、中間転写体50へ転写されたトナー像は、図示しない二次転写装置で、記録媒体に転写される。記録媒体に転写されたトナー像は、図示しない定着装置により定着される。
そして、隙間157をすり抜けた粒子(例えば外添剤の粒子等)は、クリーニング装置13のクリーニングブレード131によって、電子写真感光体7の表面72から除去される。
図8に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
[シリカ粒子の準備・作製]
未処理(親水性)シリカ粒子「商品名:OX50(製造元 アエロジル社製)」100質量部に、疎水化処理剤「1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(製造元 東京化成社製)」30質量部を添加し、24時間反応させ、その後濾取し、疎水化処理されたシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子(1)とした。このシリカ粒子(1)の縮合率は、93%であった。
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(VMCH、株式会社NUC製)10質量部と、n−酢酸ブチル200質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液に、n−酢酸ブチル175質量部とメチルエチルケトン180質量部とを添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用の塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
シリカ粒子(1)50質量部に、テトラヒドロフラン250質量部を入れ、20℃の液温に保ちながら4−(2,2−ジフェニルエチル)−4’,4’’−ジメチル−トリフェニルアミン25質量部と、結着樹脂として、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:30000)25質量部と、を加え、12時間攪拌混合し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
次に、有機感光体(1)の表面へ、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機保護層を形成した。この無機保護層の形成は、図6に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
次に、He希釈40%酸素ガス(流量1.6sccm)と水素ガス(流量50sccm)とを、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入し、高周波電力供給部218及びマッチング回路(図6中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力150Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(流量1.9sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室210内の反応圧力は5.3Paであった。
この状態で、有機感光体(1)を500rpmの速度で回転させながら68分間成膜し、有機感光体(1)の電荷輸送層表面に膜厚1.5μmの無機保護層を形成した。
[シアン色(C色)のトナー粒子1の作製]
−ポリエステル樹脂の合成−
加熱乾燥した3口フラスコに、エチレングリコール124質量部と、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル22.2質量部と、セバシン酸ジメチル213質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3質量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行って4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、ポリエステル樹脂220質量部を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(MW)は19000であり、数平均分子量(Mn)は5800であった。
得られたポリエステル樹脂150質量部を蒸留水850質量部中に入れ、80℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液を得た。
次いで、フタロシアニン顔料250質量部(大日精化(株)製:PV FAST BLUE)と、アニオン界面活性剤20質量部(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK)と、イオン交換水700質量部と、を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤を分散させてなる着色剤分散液を調製した。
次いで、パラフィンワックス(HNP0190、日本精蝋社製、融点85℃)100質量部と、カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王社製)5質量部と、イオン交換水240質量部と、を丸型ステンレス鋼製フラスコ中に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径550nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を調整した。
得られた、樹脂粒子分散液2400質量部、着色剤分散液100質量部、及び離型剤粒子分散液63質量部に加え、硫酸アルミニウム6質量部(和光純薬工業社製)と、イオン交換水100質量部と、を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH2.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で60℃まで攪拌しながら加熱し、光学顕微鏡にて、体積平均粒径が5μmである凝集粒子が形成されていることが確認されるまで保持した。
この凝集粒子液のpHは2.4であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を0.5質量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより、シアン色のトナー粒子1を得た。
また、得られたシアン色のトナー粒子1は、体積平均粒径=5.0μmであった。
シアン色のトナー粒子1の作製において、フタロシアニン顔料の代わりにイエローアゾ顔料を使用した以外は、同様の処方で、イエロー色(Y色)のトナー粒子1を得た。
シアン色のトナー粒子1の作製において、フタロシアニン顔料の代わりにキナクリドン顔料を使用した以外は、同様の処方で、マゼンタ色(M色)のトナー粒子1を得た。
シアン色のトナー粒子1の作製において、フタロシアニン顔料の代わりにカーボンブラックを使用した以外は、同様の処方で、ブラック色(K色)のトナー粒子1を得た。
得られた4色の各トナー粒子1を100質量部と、外添剤として、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ粒子(体積平均粒径40nm)0.5質量部と、を75Lヘンシェルミキサーに入れて10分間混合し、その後、風力篩分機ハイボルター300(東洋ハイテック社製)にて篩分し、4色の各トナー1を各々作製した。
トナー粒子1の作製における凝集粒子の調製において、保持時間を光学顕微鏡にて堆積平均粒径が7.0μmになるまで保持した以外は、トナー粒子1と同様にして、4色の各トナー粒子2を各々作製した。
各トナー粒子2はいずれも、体積平均粒径=7.0μmであった。
各トナー粒子1の代わりに、各トナー粒子2を用いた以外は、各トナー1と同様にして、各トナー2を得た。
フェライトコア100質量部に対して、弗化ビニリデン0.15質量部と、メチルメタアクリレート及びトリフロロエチレンの共重合体(重合比80:20)樹脂1.35質量部と、を加えた混合物を用いて、ニーダー装置により、平均粒径50μmのフェライトコアに樹脂被覆(コーティング)を行って、キャリアを作製した。
この4色の現像剤セットを、現像剤セット1とした。
現像剤セット1の作製において、4色の各トナー1の代わりに4色の各トナー2を用いた以外は同様にして、4色の現像剤を各々作製した。
この4色の現像剤セットを、現像剤セット2とした。
表1に従って、得られた電子写真感光体と、得られた現像剤セット(表1中の「現像剤 種類」)と、せき止め部材(ポリウレタン製)を有するせき止め装置と、を富士ゼロックス社製DocuCentre−VC7776に組み込み、改造機を得た。
各例において用いた現像剤セットに含まれるトナー粒子の体積平均粒径を表1(表1中の「現像剤 体積平均粒径(μm)」)に示す。
また、電子写真感光体の表面とせき止め部材との離間距離は、表1(表1中の「離間距離L」)に従って設定した。ただし、表1中の「−」は、せき止め装置そのものを設置しなかったことを意味する。
なお、この改造機は、クリーニングブレード方式を採用したクリーニング装置を備えている。
得られた改造機を用い、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
温度29℃/湿度80%RHの高温高湿環境下で、濃度40%の全面ハーフトーン画像を1万枚出力した後、14時間同じ環境にて放置し、14時間経過後における最初を濃度40%の全面ハーフトーン画像で出力し、放置後の画像流れを確認した。
評価基準は以下の通りである。結果を表1(表1中の「像流れ」)に示す。
・G1:画像流れが全く発生なし
・G2:画像流れが発生しているが、目視では確認されないレベル
・G3:画像流れが目視で僅かに確認される
・G4:画像流れが一目で確認される
上記像流れの評価を行った後、画像形成装置内の電子写真感光体とせき止め部材との間にトナー溜まりが形成されているか否か、目視で確認した。結果を表1に示す。なお、表1中、「有り」はトナー溜まりが目視で確認されたことを意味し、「無し」はトナー溜まりが目視で確認されなかったことを意味する。
(機内汚染の有無の評価)
上記像流れの評価を行った後、画像形成装置内のカートリッジ装着部手前前面部がトナー溢れにより汚染されているか、目視で確認した。結果を表1に示す。なお、表1中、「有り」は機内汚染が目視で確認されたことを意味し、「無し」は機内汚染が目視で確認されなかったことを意味する。
Claims (3)
- 導電性基体と前記導電性基体上に設けられた感光層と前記感光層上に最表面層として設けられた無機保護層とを有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
クリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードを前記電子写真感光体の表面に接触させて電子写真感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段と、
前記電子写真感光体の表面からの距離が前記トナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下となるように前記電子写真感光体から離間して設けられたせき止め部材を有し、前記せき止め部材により、前記電子写真感光体の表面に残留したトナー粒子を、前記電子写真感光体の回転方向において前記転写手段の下流側かつ前記クリーニング手段の上流側でせき止めるせき止め手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記無機保護層は、ガリウム及び酸素を含有する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記せき止め部材における前記電子写真感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止める面を重力方向の上方側に向けて、前記せき止め部材が配置されている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
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