JP2018036603A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018036603A
JP2018036603A JP2016171983A JP2016171983A JP2018036603A JP 2018036603 A JP2018036603 A JP 2018036603A JP 2016171983 A JP2016171983 A JP 2016171983A JP 2016171983 A JP2016171983 A JP 2016171983A JP 2018036603 A JP2018036603 A JP 2018036603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
toner
photosensitive member
particles
electrophotographic photosensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016171983A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6737081B2 (ja
Inventor
昌記 平方
Masaki Hirakata
昌記 平方
今井 孝史
Takashi Imai
孝史 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2016171983A priority Critical patent/JP6737081B2/ja
Priority to US15/453,488 priority patent/US10185276B2/en
Priority to CN201710260948.4A priority patent/CN107797426B/zh
Publication of JP2018036603A publication Critical patent/JP2018036603A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6737081B2 publication Critical patent/JP6737081B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/75Details relating to xerographic drum, band or plate, e.g. replacing, testing
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/0005Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium
    • G03G21/0058Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium using a roller or a polygonal rotating cleaning member; Details thereof, e.g. surface structure
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/0005Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium
    • G03G21/007Arrangement or disposition of parts of the cleaning unit
    • G03G21/0076Plural or sequential cleaning devices
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/0005Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/0005Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium
    • G03G21/0011Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium using a blade; Details of cleaning blades, e.g. blade shape, layer forming
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/0005Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium
    • G03G21/007Arrangement or disposition of parts of the cleaning unit
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2221/00Processes not provided for by group G03G2215/00, e.g. cleaning or residual charge elimination
    • G03G2221/0005Cleaning of residual toner
    • G03G2221/001Plural sequential cleaning devices

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】高温高湿下での像流れを抑制した画像形成装置の提供。
【解決手段】導電性基体と感光層と無機保護層とを有する感光体7と、帯電装置8と、露光装置9と、トナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容した現像装置11と、転写装置40と、クリーニングブレード131を感光体7の表面に接触させて感光体7の表面の残留物を除去するクリーニング装置13と、感光体7の表面からの距離がトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下となるように感光体7から離間して設けられたせき止め部材151により、感光体7の表面に残留したトナー粒子を、感光体7の回転方向において転写装置40の下流側かつクリーニング装置13の上流側でせき止めるせき止め手段15と、を備える画像形成装置100である。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
特許文献1には、トナー像を担持する工程を経る像担持体と、前記像担時体上のトナー像を転写媒体に転写する転写装置と、トナー像が転写媒体に転写された後の前記像担持体の表面に、像担持体保護剤を塗布または付着させる保護層形成装置とを有する画像形成装置が開示されている。
特許文献2には、ヒーターを内蔵したアモルファスシリコン感光体ドラムと、帯電装置と、トナー粒子に含まれる酸化チタン粒子を利用して前記アモルファスシリコン感光体ドラム表面をクリーニングするための回転部材と、を備えた画像形成装置であって、前記ヒーターによって、前記アモルファスシリコン感光体ドラムの表面温度を、10〜40℃の範囲内の値である外気に対して4℃以上高くなるように制御するとともに、前記アモルファスシリコン感光体ドラムと、前記回転部材と、の間の摺擦力を40〜900g/cmの範囲内の値とし、かつ、前記酸化チタン粒子の一次平均粒子径を0.005〜0.25μmの範囲内の値とすることを特徴とする画像形成装置が開示されている。
特開2010−244037号公報 特開2009−069810号公報
電子写真法を利用した画像形成装置では、放電に伴い、空気中の酸素、窒素等が反応して、いわゆる放電生成物が生成することがある。この放電生成物が感光体の表面へ付着すると、付着した放電生成物が高温高湿(例えば、温度29℃、湿度80%RH)下において水分を吸収して感光体の表面抵抗が低下し、感光体上の静電潜像が保持されにくくなり、像流れが発生しやすくなる。
そして、無機保護層を最表面層として有する電子写真感光体では、無機保護層が硬質であるため、クリーニングブレードにより保護層の表層ごと削り取ることで放電生成物を除去することは難しく、上記像流れの発生を抑制しにくい。
本発明の課題は、せき止め手段を有さない場合、又はせき止め手段を有するが電子写真感光体の表面からせき止め部材までの距離がトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍未満若しくは0.9倍を超える場合に比べ、高温高湿下での像流れの発生を抑制した画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
即ち、請求項1に係る発明は、
導電性基体と導電性基体上に設けられた感光層と感光層上に最表面層として設けられた無機保護層とを有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
クリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードを前記電子写真感光体の表面に接触させて電子写真感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段と、
前記電子写真感光体の表面からの距離が前記トナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下となるように前記電子写真感光体から離間して設けられたせき止め部材を有し、前記せき止め部材により、前記電子写真感光体の表面に残留したトナー粒子を、前記電子写真感光体の回転方向において前記転写手段の下流側かつ前記クリーニング手段の上流側でせき止めるせき止め手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、
前記無機保護層は、ガリウム及び酸素を含有する請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、
前記せき止め部材における前記電子写真感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止める面を重力方向の上方側に向けて、前記せき止め部材が配置されている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項1又は2に係る発明によれば、せき止め手段を有さない場合、又はせき止め手段を有するが電子写真感光体の表面からせき止め部材までの距離がトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍未満若しくは0.9倍を超える場合に比べ、高温高湿下での像流れの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、せき止め部材における電子写真感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止める面を重力方向の下方側に向けてせき止め部材が配置されている場合に比べ、高温高湿下での像流れの発生を抑制した画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るせき止め手段の一例を示す概略構成図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の層構成の別の一例を示す模式断面図である。 本実施形態の電子写真感光体の無機保護層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図である。 本実施形態の電子写真感光体の無機保護層の形成に用いるプラズマ発生装置の例を示す概略模式図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
[画像形成装置]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう)と、感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、クリーニングブレードを感光体の表面に接触させて感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段と、せき止め部材により感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止めるせき止め手段と、を備える。
上記感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた感光層と、感光層上に最表面層として設けられた無機保護層と、を有する。
また、上記せき止め手段は、感光体の表面からの距離(以下「離間距離」ともいう)がトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下となるように感光体から離間して設けられたせき止め部材を有する。そして、せき止め手段は、感光体の回転方向において転写手段の下流側かつクリーニング手段の上流側で、上記せき止め部材により感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止める。
ここで、「離間距離」とは、感光体の表面と、せき止め手段における感光体側の先端と、の最短距離をいう。
本実施形態に係る画像形成装置は、離間距離がトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下であるせき止め部材を有するせき止め手段を有していることにより、高温高湿下での像流れの発生が抑制される。この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。
無機保護層を有する感光体は、無機保護層が硬質であることから長寿命である等の利点を有する。
一方、電子写真法を利用した画像形成装置では、感光体の周囲に備えられた帯電手段等の放電に伴い、空気中の酸素、窒素等が反応して、いわゆる放電生成物が生成することがある。この放電生成物が感光体の表面へ付着すると、付着した放電生成物が高温高湿(例えば、温度29℃、湿度80%RH)下において水分を吸収して感光体の表面抵抗が低下し、感光体上の静電潜像が保持されにくくなり、像流れが発生しやすくなる。
最表面層が有機層(例えば、有機感光層又は有機保護層)である感光体であれば、有機材料由来の柔らかさにより、クリーニングブレードによって最表面層である有機層の表層ごと掻き取ることで放電生成物が除去される。
しかしながら、無機保護層を最表面層として有する感光体では、無機保護層が硬質であるがゆえに、無機保護層の表層ごと掻き取って放電生成物を除去することは難しい。そのため、最表面に無機保護層を有する感光体では、クリーニングブレードを接触させて感光体の表面を清掃しても、トナー粒子や外添剤粒子は除去されるものの、放電生成物は除去されずに感光体の表面に残りやすく、高温高湿下での像流れの発生を抑制し難い。
これに対して、本実施形態に係る画像形成装置では、離間距離がトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下であるせき止め部材を有するせき止め手段を有している。
離間距離が上記範囲であるため、転写手段によって転写されずに感光体表面に残留したトナー粒子が、せき止め部材と感光体表面との間をすり抜けられずにせき止められる。そして、トナー粒子がせき止められて堆積することでトナー溜まりが形成され、その状態でさらに感光体が回転することで、トナー溜まりが感光体の表面を摺擦し、感光体の表面に付着していた放電生成物が除去されると考えられる。
一方、上記トナー溜まりにさらにトナー粒子が堆積し、トナー溜まりの量が増えていくと、その圧力でトナー溜まりの一部がせき止め部材と感光体表面との間をすり抜けることで、トナー溜まりの量が多くなりすぎず適切な量に維持される。なお、せき止め部材と感光体表面との間をすり抜けた上記トナー溜まりの一部や小径の外添剤等は、クリーニング手段のクリーニングブレードによってせき止められ、感光体の表面から除去される。
このように、本実施形態では、クリーニングブレードを接触させて感光体の表面を清掃する前に、上記範囲の離間距離で設けられたせき止め部材によって、適切な量のトナー溜まりを形成する。そのため、最表面層が無機保護層であっても、せき止め部材で形成された適切な量のトナー溜まりによって感光体の表面に付着した放電生成物が除去され、高温高湿下での像流れの発生が抑制される。
以上のようにして、本実施形態では、高温高湿下での像流れの発生が抑制されると推測される。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体、現像手段、クリーニング手段、及びせき止め手段を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体、現像手段、クリーニング手段、及びせき止め手段以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、及び転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置では、電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、トナー粒子を有するトナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、せき止め部材により感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止めるせき止め工程と、クリーニングブレードを感光体の表面に接触させて感光体の表面の残留物を除去するクリーニング工程と、を有する画像形成方法が実施される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、電子写真感光体7、現像装置11、クリーニング装置13、及びせき止め装置15を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図1におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)、及びせき止め装置15(せき止め手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131に加え、導電性又は絶縁性の繊維状部材をクリーニングブレード131と併用してもよい。
また、せき止め装置15は、図2に示すように、電子写真感光体7の表面72から離間して設けられたせき止め部材151を有している。そして、せき止め部材151における電子写真感光体7に対向する部位153と電子写真感光体7の表面72との最短距離L(すなわち離間距離L)は、現像装置11に収容されたトナーにおけるトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下である。
なお、図2に示すせき止め部材151は、板状の部材であるが、電子写真感光体7の軸方向における一端から他端にかけてトナー粒子をせき止める面を有していれば、これに限られず、例えば、三角柱状、円柱状、三日月状、反り板状等の部材でもよい
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−電子写真感光体−
電子写真感光体7としては、導電性基体上に、感光層及び無機保護層をこの順に有する構成の感光体が適用される。
なお、感光層は、有機感光層であっても無機感光層であってもよい。
ここで、有機感光層とは、感光層として機能するための電荷発生材料及び電荷輸送材料の他に、有機材料である結着樹脂を含む層である。有機感光層は、電荷発生能及び電荷輸送能を有する単層型の有機感光層であってもよいし、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型(積層型)の有機感光層であってもよい。
また、無機感光層とは、無機材料を主成分(80質量%以上)として含む層であり、例えば非晶質シリコン感光層が挙げられる。
また、無機保護層とは、無機材料を主成分(80質量%以上)として含み、且つ、感光体の表面を形成する層である。なお、感光体の長寿命化の点から、無機保護層は、無機材料を90質量%以上含んで構成された層であることが好ましい。
本実施形態において、感光層が有機感光層である場合、有機感光層は、無機保護層の割れを抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点から、有機感光層のうち表面(無機保護層側の面)を構成する層が、無機粒子を含むことが好ましい。
つまり、有機感光層が単層型の有機感光層であれば、単層型の有機感光層に無機粒子が含まれていることが好ましい。
また、有機感光層が電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型の有機感光層であれば、表面を構成する層になる電荷輸送層に無機粒子が含まれていることが好ましい。但し、電荷輸送層が2層以上で構成される場合、表面を構成する層になる電荷輸送層(無機保護層側の電荷輸送層)に無機粒子が含まれていることが好ましい。
以下、本実施形態における電子写真感光体の一例として、感光層が有機感光層である電子写真感光体について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
図3は、本実施形態における電子写真感光体の一例を示す模式断面図である。図4及び図5はそれぞれ本実施形態における電子写真感光体の他の一例を示す模式断面図である。
図3に示す電子写真感光体7Aは、いわゆる機能分離型感光体(又は積層型感光体)であり、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷発生層2、電荷輸送層3、及び無機保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Aにおいては、電荷発生層2及び電荷輸送層3により有機感光層が構成されている。
そして、無機保護層の割れを抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点からは、電荷輸送層3が、電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。
図4に示す電子写真感光体7Bは、図3に示す電子写真感光体7Aと同様に電荷発生層2と電荷輸送層3とに機能が分離され、更に電荷輸送層3が機能分離された機能分離型感光体である。
また、図5に示す電子写真感光体7Cは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型有機感光層6(電荷発生/電荷輸送層))に含有するものである。
図4に示す電子写真感光体7Bにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に、電荷発生層2、電荷輸送層3B、電荷輸送層3A及び無機保護層5が順次形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Bにおいては、電荷輸送層3A、電荷輸送層3B、及び電荷発生層2により有機感光層が構成されている。
そして、無機保護層の割れを抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点からは、電荷輸送層3Aが、電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。なお、電荷輸送層3Bは、少なくとも電荷輸送材料を含んで構成され、無機粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
図5に示す電子写真感光体7Cにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に単層型有機感光層6及び無機保護層5が順次形成された構造を有するものである。
そして、無機保護層の割れを抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点からは、単層型有機感光層6が、電荷発生材料及び電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。
なお、図3乃至図5に示す電子写真感光体における下引層1は、必ずしも設けなくてもよい。
以下、代表例として図3に示す電子写真感光体7Aに基づいて、各要素について説明する。なお、符号は省略して説明する場合がある。
(導電性基体)
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて支持体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
(下引層)
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ωcm以上1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
(中間層)
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。なお、中間層を下引層として使用してもよい。
(電荷発生層)
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004−78147号公報、特開2005−181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp−型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn−型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n−型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012−155282号公報の段落[0288]〜[0291]に記載された化合物(CG−1)〜(CG−27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。なお、電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
構造式(a−1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、−C−C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
構造式(a−2)中、RT91及びRT92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、−C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8−176293号公報、特開平8−208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。なお、高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
上記の結着樹脂の中でも、電荷輸送層の表面粗さをより低下させ易くし、像流れの発生をより抑制する点から、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールA、ビスフェノールZ、ビスフェノールC、ビスフェノールTP等の単独重合型、又はその共重合型)が好ましい。ポリカーボネート樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。また、同様の点で、ポリカーボネート樹脂の中でも、ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂を含むことがより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送材料及び結着樹脂のほかに、必要に応じて無機粒子を含んでもよい。
電荷輸送層(すなわち有機感光層の最外層)が無機粒子を含むことで、無機保護層の割れが抑制される。具体的には、有機感光層は柔軟性を有し、変形し易い傾向がある一方で、無機保護層は硬質ではあるが靭性に劣る傾向がある。そのため、例えば感光体の外周面に接して配される部材(例えば中間転写体)等から機械的な負荷が掛かり、無機保護層の下地層となる有機感光層が変形すると、無機保護層に割れが生じることがある。そのため、有機感光層の表面を構成する層に無機粒子を含有させることにより、無機粒子が有機感光層の補強材としての機能を果すことで、有機感光層が変形し難くなり、無機保護層の割れが抑制されると考えられる。
電荷輸送層に用いられる無機粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子、チタン酸カリウム、酸化スズ粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子、硫酸バリウム粒子、酸化カルシウム粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化マグネシウム粒子、などが挙げられる。
無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、誘電損率が高く、感光体の電気特性を低減させ難い点、また、無機保護層の割れの発生を抑制する観点から、シリカ粒子が特に好ましい。
以下、電荷輸送層に好適なシリカ粒子について詳細に説明する。
シリカ粒子としては、例えば、乾式シリカ粒子、湿式シリカ粒子が挙げられる。
乾式シリカ粒子としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(ヒュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカ等が挙げられる。
湿式シリカ粒子としては、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ粒子(アルカリ条件で合成・凝集した沈降法シリカ、酸性条件で合成・凝集したゲル法シリカ粒子等)、酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ粒子(シリカゾル粒子等)、有機シラン化合物(例えばアルコキシシラン等)の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカ粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子としては、残留電位の発生、その他電気特性の悪化による画像欠陥の抑制(細線再現性の悪化の抑制)の観点から、表面のシラノール基が少なく、低い空隙構造を持つ燃焼法シリカ粒子が望ましい。
シリカ粒子は、その表面が疎水化処理剤で表面処理されていることがよい。これにより、シリカ粒子の表面のシラノール基が低減し、残留電位の発生が抑制され易くなる。
疎水化処理剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン等の周知のシラン化合物が挙げられる。
これらの中でも、疎水化処理剤としては、残留電位の発生を抑制し易くする観点から、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を持つシラン化合物が望ましい。つまり、シリカ粒子の表面には、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を有することがよい。
トリメチルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
デシルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、デシルトリクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
フェニル基を持つシラン化合物としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。
疎水化処理されたシリカ粒子の縮合率(シリカ粒子中のSiO−の結合におけるSi−O−Siの率:以下「疎水化処理剤の縮合率」ともいう)は、例えば、シリカ粒子の表面のシラノール基に対して90%以上が挙げられ、好ましくは91%以上、より好ましくは95%以上である。
疎水化処理剤の縮合率を上記範囲にすると、シリカ粒子のシラノール基がより低減し、残留電位の発生が抑制され易くなる。
疎水化処理剤の縮合率は、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)で検出した縮合部のケイ素の全結合可能サイトに対して、縮合したケイ素の割合を示しており、次のようにして測定する。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。分離したシリカ粒子に対して、Bruker製AVANCEIII 400でSi CP/MAS NMR分析を行い、SiOの置換数に応じたピーク面積を求め、それぞれ、2置換(Si(OH)(0−Si)−)、3置換(Si(OH)(0−Si)−)、4置換(Si(0−Si)−)の値をQ2,Q3,Q4とし、疎水化処理剤の縮合率は式:(Q2×2+Q3×3+Q4×4)/4×(Q2+Q3+Q4)により算出する。
シリカ粒子の体積抵抗率は、例えば、1011Ω・cm以上がよく、好ましくは1012Ω・cm以上、より好ましくは1013Ω・cm以上である。
シリカ粒子の体積抵抗率を上記範囲にすると、電気特性の低下が抑制される。
シリカ粒子の体積抵抗率は、次のようにして測定する。なお、測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。そして、20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離したシリカ粒子を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように載せ、シリカ粒子層を形成する。この上に前記同様の20cmの電極板を載せシリカ粒子層を挟み込む。シリカ粒子間の空隙をなくすため、シリカ粒子層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからシリカ粒子層の厚み(cm)を測定する。シリカ粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が予め定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、シリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)を計算する。シリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρはシリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、Iは印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはシリカ粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I)/L
シリカ粒子を含む無機粒子の体積平均粒径は、例えば、20nm以上200nm以下が挙げられ、好ましくは40nm以上150nm以下、より好ましくは50nm以上120nm以下、更に好ましくは、50nm以上110nm以下である。
体積平均粒径が上記範囲であることで、無機保護層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
無機粒子の体積平均粒径は、次のようにして測定する。以下、シリカ粒子の場合の測定方法を示すが、他の粒子であっても同様の測定方法が採用される。
シリカ粒子の体積平均粒径は、層中からシリカ粒子を分離し、このシリカ粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により40000倍の倍率で観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を求め、これをシリカ粒子の体積平均粒径として測定する。
無機粒子の含有量は、その種類によって適宜決定されればよいが、無機保護層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなるといった点から、電荷輸送層全体に対して、例えば、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上が更に好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。
また、無機粒子の含有量の上限値は特に限定されないが、電荷輸送層の特性を確保する等の点から、70質量%以下がよく、65質量%以下であることが望ましく、60質量%以下であることがより望ましい。
また、無機粒子の含有量は、電荷輸送材料の含有量よりも多いことが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
−電荷輸送層の特性−
電荷輸送層における無機保護層側の表面の表面粗さRa(算術平均表面粗さRa)は、例えば、0.06μm以下が挙げられ、好ましくは0.03μm以下、より好ましくは0.02μm以下である。
この表面粗さRaを上記範囲とすると、無機保護層の平滑性が上がり、クリーニング性が向上する。
なお、表面粗さRaを上記範囲とするには、例えば、層の厚みを厚くする等の方法が挙げられる
この表面粗さRaは、次のように測定する。
まず、無機保護層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、触針式表面粗さ測定機(サーフコム1400A:東京精密社製等)を使用して測定する。その測定条件としては、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとする。
電荷輸送層の弾性率は、例えば、5GPa以上が挙げられ、6GPa以上が好ましく、6.5GPa以上がより好ましい。
電荷輸送層の弾性率を上記範囲とすると、無機保護層の割れが抑制され易くなる。
なお、電荷輸送層の弾性率を上記範囲とするには、例えば、シリカ粒子の粒径及び含有量を調整する方法、電荷輸送材料の種類及び含有量を調整する方法が挙げられる。
電荷輸送層の弾性率は、次のように測定する。
まず、無機保護層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いて測定する。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、10μm以上40μm以下が挙げられ、好ましくは10μm以上35μm以下、より好ましくは15μm以上30μm以下である。
電荷輸送層の膜厚を上記範囲にすると、無機保護層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
−電荷輸送層の形成−
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
なお、電荷輸送層形成用塗布液中に粒子(例えばシリカ粒子やフッ素樹脂粒子)を分散させる場合、その分散方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
また、電荷輸送層の形成後、無機保護層の形成の前に、必要に応じて、導電性基体上に形成された有機感光層に含まれる大気を、大気よりも酸素濃度が高い気体で置換する工程を経てもよい。
(無機保護層)
−無機保護層の組成−
無機保護層は、無機材料を含んで構成された層である。
無機材料としては、保護層としての機械的強度、透光性を有するという観点から、例えば、酸化物系、窒化物系、炭素系、珪素系の無機材料が挙げられる。
酸化物系の無機材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化ホウ素等の金属酸化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
窒化物系の無機材料としては、例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化亜鉛、窒化チタン、窒化インジウム、窒化錫、窒化ホウ素等の金属窒化物、又はこれらの混晶が挙げられる。
炭素系及び珪素系の無機材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、アモルファスカーボン(a−C)、水素化アモルファスカーボン(a−C:H)、水素・フッ素化アモルファスカーボン(a−C:H)、アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC)、水素化アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC:H)アモルファスシリコン(a−Si)、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)等が挙げられる。
なお、無機材料は、酸化物系及び窒化物系の無機材料の混晶であってもよい。
これらの中でも、無機材料としては、機械的強度、透光性に優れ、特にn型導電性を有し、その導電制御性に優れるという観点から、金属酸化物、特に、第13族元素の酸化物(望ましくは酸化ガリウム)が望ましい。
無機保護層は、第13族元素(望ましくはガリウム)及び酸素を含むことで、撥水性が高まる。この撥水性の高さにより、感光体の表面(無機保護層の表面)に付着した、金属石鹸粒子(又はその膜状物)に取り込まれた放電生成物が、クリーニングブレードにより除去され易くなる。
その結果、第13族元素(望ましくはガリウム)及び酸素を含む無機保護層とすることで、高温高湿下での像流れの発生が抑制され易くなる。
以上のことから、無機保護層は、少なくとも第13族元素(特にガリウム)及び酸素を含んで構成されることがよく、必要に応じて、水素を含んで構成されていてもよい。水素を含むことで、少なくとも第13族元素(特にガリウム)及び酸素を含んで構成された無機保護層の諸物性が容易に制御され易くなる。例えば、ガリウム、酸素、及び水素を含む無機保護層(例えば、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機保護層)において、組成比[O]/[Ga]を1.0から1.5と変化させることで、10Ω・cm以上1014Ω・cmの範囲で体積抵抗率の制御が実現され易くなる。
無機保護層には、上記無機材料の他、導電型の制御のために、例えば、n型の場合、C、Si、Ge、Snから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。また、例えば、p型の場合、N、Be、Mg、Ca、Srから選ばれる1つ以上の元素を含んでいてもよい。
ここで、無機保護層が、ガリウムと酸素と必要に応じて水素とを含んで構成された場合、機械的強度、透光性、柔軟性に優れ、その導電制御性に優れるという観点から、好適な元素構成比率は以下の通りである。
ガリウムの元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、15原子%以上50原子%以下であることがよく、望ましくは20原子%以上40原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
酸素の元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、30原子%以上70原子%以下であることがよく、望ましくは40原子%以上60原子%以下、より望ましくは45原子%以上55原子%以下である。
水素の元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、10原子%以上40原子%以下であることがよく、望ましくは15原子%以上35原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
一方で、原子数比〔酸素/ガリウム〕は、1.50を超え2.20以下であることがよく、望ましくは1.6以上2.0以下である。
ここで、無機保護層における各元素の元素構成比率、原子数比等は、厚み方向の分布も含めてラザフォードバックスキャタリング(以下、「RBS」と称する)により求められる
なお、RBSでは、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは約109°とする。
RBS測定は、具体的には以下のように行う
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。 測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて厚みを算出する。密度の誤差は20%以内である。
なお、水素の元素構成比率は、ハイドロジェンフォワードスキャタリング(以下、「HFS」と称する)により求められる。
HFS測定では、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400を用い、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。そして、HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
HFS測定は、He++イオンビームに対して検出器が30°に、試料が法線から75°になるようにセットすることにより、試料の前方に散乱する水素のシグナルを拾う。この時検出器をアルミ箔で覆い、水素とともに散乱するHe原子を取り除くことがよい。定量は参照用試料と被測定試料との水素のカウントを阻止能で規格化した後に比較することによって行う。参照用試料としてSi中にHをイオン注入した試料と白雲母を使用する。 白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
−無機保護層の特性−
無機保護層は、目的に応じて、厚み方向に組成比に分布を有していてもよいし、多層構成からなるものであってもよい。
無機保護層は、微結晶膜、多結晶膜、非晶質膜などの非単結晶膜であることが望ましい。これらの中でも、非晶質は表面の平滑性で特に望ましいが、微結晶膜は硬度の点でより望ましい。
無機保護層の成長断面は、柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは平坦性の高い構造が望ましく、非晶質が望ましい。
なお、結晶性、非晶質性は、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像の点や線の有無により判別される。
無機保護層の体積抵抗率は、10Ω・cm以上であることがよく、望ましくは10Ω・cm以上である。
この体積抵抗率を上記範囲とすると、電荷が面内方向に流れることが抑制され、良好な静電潜像形成が実現され易くなる。
この体積抵抗率は、nF社製LCRメーターZM2371を用いて、周波数1kHz、電圧1Vの条件にて測定した抵抗値から、電極面積、試料厚みに基づき算出して求められる。
なお、測定試料は、測定対象となる無機保護層の成膜時の同条件でアルミ基体上に成膜し、その成膜物上に真空蒸着により金電極を形成し得られた試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機保護層を剥離し、一部エッチングして、これを一対の電極で挟み込んだ試料であってもよい。
無機保護層の弾性率は30GPa以上80GPa以下であることがよく、望ましくは40GPa以上65GPa以下である。
この弾性率を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
この弾性率は、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いる。下記は測定条件である。
・測定環境:23℃、55%RH
・使用圧子:ダイヤモンド製正三角錐圧子(Berkovic圧子)三角錐圧子
・試験モード:CSMモード
なお、測定試料は、測定対象となる無機保護層の成膜時の同条件で基体上に成膜した試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機保護層を剥離し、一部エッチングした試料であってもよい。
無機保護層の膜厚は、例えば、0.2μm以上10.0μm以下であることがよく、望ましくは0.4μm以上5.0μm以下である。
この膜厚を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
−無機保護層の形成−
保護層の形成には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
以下、無機保護層の形成について、成膜装置の一例を図面に示しつつ具体例を挙げて説明する。なお、以下の説明は、ガリウム、酸素、及び水素を含んで構成された無機保護層の形成方法について示すが、これに限られず、目的とする無機保護層の組成に応じて、周知の形成方法を適用すればよい。
図6は、本実施形態に係る電子写真感光体の無機保護層の形成に用いる成膜装置の一例を示す概略模式図であり、図6(A)は、成膜装置を側面から見た場合の模式断面図を表し、図6(B)は、図6(A)に示す成膜装置のA1−A2間における模式断面図を表す。図6中、210は成膜室、211は排気口、212は基体回転部、213は基体支持部材、214は基体、215はガス導入管、216はガス導入管215から導入したガスを噴射する開口を有するシャワーノズル、217はプラズマ拡散部、218は高周波電力供給部、219は平板電極、220はガス導入管、221は高周波放電管部である。
図6に示す成膜装置において、成膜室210の一端には、不図示の真空排気装置に接続された排気口211が設けられており、成膜室210の排気口211が設けられた側と反対側に、高周波電力供給部218、平板電極219及び高周波放電管部221からなるプラズマ発生装置が設けられている。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部221と、高周波放電管部221内に配置され、放電面が排気口211側に設けられた平板電極219と、高周波放電管部221外に配置され、平板電極219の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部218とから構成されたものである。なお、高周波放電管部221には、高周波放電管部221内にガスを供給するためのガス導入管220が接続されており、このガス導入管220のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
なお、図6に示す成膜装置に設けられたプラズマ発生装置の代わりに、図7に示すプラズマ発生装置を用いてもよい。図7は、図6に示す成膜装置において利用されるプラズマ発生装置の他の例を示す概略模式図であり、プラズマ発生装置の側面図である。図7中、222が高周波コイル、223が石英管を表し、220は、図6中に示すものと同様である。このプラズマ発生装置は、石英管223と、石英管223の外周面沿って設けられた高周波コイル222とからなり、石英管223の一方の端は成膜室210(図7中、不図示)と接続されている。また、石英管223のもう一方の端には、石英管223内にガスを導入するためのガス導入管220が接続されている。
図6において、平板電極219の放電面側には、放電面に沿って延びる棒状のシャワーノズル216が接続されており、シャワーノズル216の一端は、ガス導入管215と接続されており、このガス導入管215は成膜室210外に設けられた不図示の第2のガス供給源と接続されている。
また、成膜室210内には、基体回転部212が設けられており、円筒状の基体214が、シャワーノズル216の長手方向と基体214の軸方向とが沿って対面するように基体支持部材213を介して基体回転部212に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基体回転部212が回転することによって、基体214が周方向に回転する。なお、基体214としては、例えば、予め有機感光層まで積層された感光体等が用いられる。
無機保護層の形成は、例えば、以下のように実施する。
まず、酸素ガス(又は、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、及び必要に応じ水素(H)ガスを、ガス導入管220から高周波放電管部221内に導入すると共に、高周波電力供給部218から平板電極219に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極219の放電面側から排気口211側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部217が形成される。ここで、ガス導入管220から導入されたガスは成膜室210を平板電極219側から排気口211側へと流れる。平板電極219は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
次に、トリメチルガリウムガスをガス導入管215、活性化手段である平板電極219の下流側に位置するシャワーノズル216を介して成膜室210に導入することによって、基体214表面にガリウムと酸素と水素とを含む非単結晶膜を成膜する。
基体214としては、例えば、有機感光層が形成された基体を用いる。
無機保護層の成膜時の基体214表面の温度は、有機感光層を有する有機感光体を用いるので、150℃以下が望ましく、100℃以下がより望ましく、30℃以上100℃以下が特に望ましい。
基体214表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には有機感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体214の表面温度を制御することが望ましい。
基体214表面の温度は加熱手段及び冷却手段の少なくとも一方(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体214を加熱する場合にはヒータを基体214の外側や内側に設置してもよい。基体214を冷却する場合には基体214の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による基体214表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体214表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
また、トリメチルガリウムガスの代わりにアルミニウムを含む有機金属化合物やジボラン等の水素化物を用いることもでき、これらを2種類以上混合してもよい。
例えば、無機保護層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することにより、基体214上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、有機感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による有機感光層へのダメージが抑制される。
また、成膜時におけるドーパントのドーピングの方法としては、n型用としてはSiH,SnHを、p型用としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ジメチルカルシウム、ジメチルストロンチウム、などをガス状態で使用する。また、ドーパント元素を表面層中にドーピングするには、熱拡散法、イオン注入法等の公知の方法を採用してもよい。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することによって、n型、p型等の導電型の無機保護層を得る。
図6及び図7を用いて説明した成膜装置では、放電エネルギーにより形成される活性窒素又は活性水素を、活性装置を複数設けて独立に制御してもよいし、NHなど、窒素原子と水素原子を同時に含むガスを用いてもよい。更にHを加えてもよい。また、有機金属化合物から活性水素が遊離生成する条件を用いてもよい。
このようにすることで、基体214表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(無機保護層)が形成される。
図6及び図7に示す成膜装置のプラズマ発生手段は、高周波発振装置を用いたものであるが、これに限定されるものではなく、例えば、マイクロ波発振装置を用いてもよいし、エレクトロサイクロトロン共鳴方式やヘリコンプラズマ方式の装置を用いてもよい。また、高周波発振装置の場合は、誘導型でも容量型でもよい。
更に、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体214表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が望ましいが、熱の照射を抑制する装置を設けてもよい。
2種類以上の異なるプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)を用いる場合には、同じ圧力で同時に放電が生起されるようにすることが望ましい。また、放電する領域と、成膜する領域(基体が設置された部分)とに圧力差を設けてもよい。これらの装置は、成膜装置内をガスが導入される部分から排出される部分へと形成されるガス流に対して直列に配置してもよいし、いずれの装置も基体の成膜面に対向するように配置してもよい。
例えば、2種類のプラズマ発生手段をガス流に対して直列に設置する場合、図6に示す成膜装置を例に上げれば、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる第2のプラズマ発生装置として利用される。この場合、例えば、ガス導入管215を介して、シャワーノズル216に高周波電圧を印加して、シャワーノズル216を電極として成膜室210内に放電を起こさせる。又は、シャワーノズル216を電極として利用する代わりに、成膜室210内の基体214と平板電極219との間に円筒状の電極を設けて、この円筒状電極を利用して、成膜室210内に放電を起こさせる。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
無機保護層の形成は、例えば、成膜室210に基体上に有機感光層を形成した基体214を設置し、各々組成の異なる混合ガスを導入して、無機保護層を形成する。
また、成膜条件としては、例えば高周波放電により放電する場合、低温で良質な成膜を行うには、周波数として10kHz以上50MHz以下の範囲とすることが望ましい。また、出力は基体214の大きさに依存するが、基体の表面積に対して0.01W/cm以上0.2W/cm以下の範囲とすることが望ましい。基体214の回転速度は0.1rpm以上500rpm以下の範囲が望ましい。
以上、電子写真感光体として感光層が機能分離型の有機感光層であり、電荷輸送層が単層型の例を説明したが、図4に示される電子写真感光体(感光層が機能分離型の有機感光層であり、電荷輸送層が複層型の例)の場合、無機保護層5と接する電荷輸送層3Aは図3に示す電子写真感光体の電荷輸送層3と同じ構成とする一方で、無機保護層5と接しない電荷輸送層3Bは周知の電荷輸送層と同じ構成とすることがよい。
なお、電荷輸送層3Aが無機粒子を含む場合、電荷輸送層3A中の無機粒子の含有量の好ましい上限及び下限値は、電荷輸送層3と同じであればよい。
但し、電荷輸送層3Aの膜厚は、1μm以上15μm以下とすることがよい。また、電荷輸送層3Bの膜厚は、15μm以上29μm以下とすることがよい。
一方、図5に示される電子写真感光体(感光層が単層型の有機感光層である例)の場合、単層型有機感光層6(電荷発生/電荷輸送層)は、電子写真感光体の電荷輸送層3と電荷発生材料を含む以外は同じ構成とすることがよい。
但し、単層型有機感光層6中の電荷発生材料の含有量は、単層型有機感光層全体に対して、25質量%以上50質量%以下とすることがよい。また、なお、単層型有機感光層6が無機粒子を含む場合、単層型有機感光層6中の無機粒子のその含有量の好ましい上限及び下限値は、電荷輸送層3と同じであればよい。
また、単層型有機感光層6の膜厚は、15μm以上30μm以下とすることがよい。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
以下、現像剤について説明する。
現像剤は、少なくともトナー粒子を有するトナーを含むものであれば特に限定されない。
現像剤としては、例えば、一般的な有色トナーを含む現像剤のほか、無色トナー(透明トナー)を含む現像剤、光輝性トナーを含む現像剤等が挙げられるが、これらの一例として、一般的な有色トナーを含む現像剤について詳細に説明する。
<トナー粒子>
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
・結着樹脂
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、トナー溜まりの摺擦によって電子写真感光体7の表面に付着した放電生成物を除去する観点から、結着樹脂は、ポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂が好ましい。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
・着色剤
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
・離型剤
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
・その他の添加剤
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
・トナー粒子の特性等
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−2100)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
<外添剤>
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
<トナーの製造方法>
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<現像剤>
現像剤が二成分現像剤である場合、キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式に加えて、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を併用してもよい。
クリーニングブレード131の引張弾性率としては、例えば20MPa以上4000MPa以下が挙げられ、40MPa以上3000MPa以下が好ましく、60MPa以上2500MPa以下がより好ましい。
ここで、引張弾性率の測定は、JIS K7161に準拠して、インストロン5566(東洋精機製作所製)により、短冊状試験片(幅6mm、長さ130mm、ダンベル1号)について、試験速度500mm/分測定数n=5の条件で行われる。
−せき止め装置−
せき止め装置15は、トナー像の転写後に電子写真感光体7の表面72に残留したトナー粒子をせき止めるせき止め部材151を有する。
せき止め部材151は、図2に示すように、電子写真感光体7の表面72から離間して設けられ、せき止め部材151の電子写真感光体7に対向する部位153と電子写真感光体7の表面72との間に隙間157が形成されている。そして、せき止め部材151と表面72との離間距離Lは、現像装置11に収容されたトナーにおけるトナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下である。すなわち、せき止め部材151は、例えば不図示の固定手段により、離間距離Lが上記範囲となるように固定されて設けられている。離間距離Lが上記範囲であることにより、せき止め部材151が有する面のうち電子写真感光体7における回転方向の上流側を向いている面152によって、隙間157をすり抜けられないトナー粒子がせき止められて堆積し、トナー溜まりが形成される。そして、トナー溜まりの量が多くなりすぎると、圧力でトナー溜まりの一部が隙間157をすり抜け、トナー溜まりが適切な量に維持される。
つまり、離間距離Lが上記範囲であることにより、上記範囲よりも大きい場合に比べてトナー粒子がせき止められやすく、トナー溜まりが形成されやすい。そのため、トナー溜まりの摺擦により電子写真感光体7の表面72における放電生成物が除去されやすくなり、高温高湿下での像流れの発生が抑制される。
また、離間距離Lが上記範囲であることにより、上記範囲よりも小さい場合に比べて、トナー溜まりが適切な量に維持されやすい。そのため、電子写真感光体7の表面72における放電生成物の除去性が維持されるとともに、トナー粒子がせき止め装置15から溢れることによる機内汚染も抑制される。
トナー溜まりが形成され、かつ、適切な量に維持されやすくする観点で、離間距離Lは、トナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下であり、0.4倍以上0.8倍以下が好ましく、0.5倍以上0.7倍以下がより好ましい。
ここで、トナー粒子の体積平均粒径は、前述の方法で求められる値である。
図1及び図2に示す画像形成装置では、せき止め部材151の面152が重力方向の上方側を向いているが、これに限られない。ただし、面152が重力方向の上方側を向いていることにより、せき止め部材におけるトナー粒子がせき止められる面が重力方向の下方側を向いている場合に比べ、トナー溜まりが形成されやすく、トナー溜まりの摺擦による放電生成物の除去が行われやすい。
図2に示すせき止め部材151では、面152が平面であるが、せき止め部材におけるトナー粒子がせき止められる面は、電子写真感光体7の軸方向における一端から他端にかけてトナー粒子をせき止める面であれば、これに限られない。面152は、例えば、凹凸(例えば切り込み等)を有してもよく、凸型又は凹型の曲面を有してもよい。
また、図2に示すせき止め部材151の形状は板状であるが、電子写真感光体7の軸方向における一端から他端にかけてトナー粒子をせき止める面を有していれば、これに限られず、例えば、三角柱状、円柱状、三日月状、反り板状等であってもよい。
せき止め部材151の材質は、特に限定されないが、例えば、樹脂(例えば、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル等)、アルミ等が挙げられる。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
次に、画像形成装置100の画像形成動作について説明する。
まず、回転する電子写真感光体7の表面72が帯電装置8により帯電される。露光装置9は、帯電された電子写真感光体7の表面72を画像情報に基づいて露光する。これにより、電子写真感光体7上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。現像装置11では、トナー粒子を有するトナーを含む現像剤により、電子写真感光体7の表面72に形成された静電潜像が現像される。これにより、電子写真感光体7の表面72に、トナー像が形成される。電子写真感光体7の表面72に形成されたトナー像が中間転写体50へ転写される。そして、中間転写体50へ転写されたトナー像は、図示しない二次転写装置で、記録媒体に転写される。記録媒体に転写されたトナー像は、図示しない定着装置により定着される。
一方、トナー像を転写した後の電子写真感光体7の表面72に残留したトナー粒子は、せき止め装置15のせき止め部材151によってせき止められ、隙間157から面152にかけて堆積したトナー粒子によってトナー溜まりが形成される。そして、トナー溜まりによって電子写真感光体7の表面72が摺擦され、電子写真感光体7の表面72に付着した放電生成物が除去される。
そして、隙間157をすり抜けた粒子(例えば外添剤の粒子等)は、クリーニング装置13のクリーニングブレード131によって、電子写真感光体7の表面72から除去される。
図8は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図8に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
なお、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限られず、例えば、電子写真感光体7の周囲であって、転写装置40よりも電子写真感光体7の回転方向下流側でクリーニング装置13よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、残留したトナーの極性を揃え、クリーニングブラシで除去しやすくするための第1除電装置を設けた形態であってもよいし、クリーニング装置13よりも電子写真感光体の回転方向下流側で帯電装置8よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、電子写真感光体7の表面72を除電する第2除電装置を設けた形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限られず、周知の構成、例えば、電子写真感光体7に形成したトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の画像形成装置を採用してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例において「部」は質量部を意味する。
<電子写真感光体の作製>
[シリカ粒子の準備・作製]
未処理(親水性)シリカ粒子「商品名:OX50(製造元 アエロジル社製)」100質量部に、疎水化処理剤「1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(製造元 東京化成社製)」30質量部を添加し、24時間反応させ、その後濾取し、疎水化処理されたシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子(1)とした。このシリカ粒子(1)の縮合率は、93%であった。
−下引層の作製−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛(シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛)110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、さらに60℃で減圧乾燥を行い、アリザリン付与酸化亜鉛を得た。
このアリザリン付与酸化亜鉛60質量部と、硬化剤(ブロック化イソシアネート スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学工業社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に混合し混合液を得た。この混合液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い、分散液を得た。
得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート:0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):40質量部と、を添加し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて直径60mm、長さ357mm、肉厚1mmのアルミニウム基体上に塗布し、170℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ19μmの下引層を得た。
−電荷発生層の作製−
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(VMCH、株式会社NUC製)10質量部と、n−酢酸ブチル200質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液に、n−酢酸ブチル175質量部とメチルエチルケトン180質量部とを添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用の塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
−電荷輸送層の作製−
シリカ粒子(1)50質量部に、テトラヒドロフラン250質量部を入れ、20℃の液温に保ちながら4−(2,2−ジフェニルエチル)−4’,4’’−ジメチル−トリフェニルアミン25質量部と、結着樹脂として、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:30000)25質量部と、を加え、12時間攪拌混合し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布して135℃で40分間乾燥し、膜厚が30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
以上の工程を経て、アルミニウム基体上に、下引層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層形成した有機感光体(1)を得た。
−無機保護層の形成−
次に、有機感光体(1)の表面へ、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機保護層を形成した。この無機保護層の形成は、図6に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
まず、有機感光体(1)を成膜装置の成膜室210内の基体支持部材213に載せ、排気口211を介して成膜室210内を圧力が0.1Paになるまで真空排気した。
次に、He希釈40%酸素ガス(流量1.6sccm)と水素ガス(流量50sccm)とを、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入し、高周波電力供給部218及びマッチング回路(図6中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力150Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(流量1.9sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室210内の反応圧力は5.3Paであった。
この状態で、有機感光体(1)を500rpmの速度で回転させながら68分間成膜し、有機感光体(1)の電荷輸送層表面に膜厚1.5μmの無機保護層を形成した。
以上の工程を経て、導電性基体上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層、無機保護層が順次形成された、電子写真感光体を得た。
<現像剤の調製>
[シアン色(C色)のトナー粒子1の作製]
−ポリエステル樹脂の合成−
加熱乾燥した3口フラスコに、エチレングリコール124質量部と、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル22.2質量部と、セバシン酸ジメチル213質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3質量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行って4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、ポリエステル樹脂220質量部を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(M)は19000であり、数平均分子量(M)は5800であった。
−各分散液の調製−
得られたポリエステル樹脂150質量部を蒸留水850質量部中に入れ、80℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液を得た。
次いで、フタロシアニン顔料250質量部(大日精化(株)製:PV FAST BLUE)と、アニオン界面活性剤20質量部(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK)と、イオン交換水700質量部と、を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤を分散させてなる着色剤分散液を調製した。
次いで、パラフィンワックス(HNP0190、日本精蝋社製、融点85℃)100質量部と、カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王社製)5質量部と、イオン交換水240質量部と、を丸型ステンレス鋼製フラスコ中に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径550nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を調整した。
−凝集粒子の調製―
得られた、樹脂粒子分散液2400質量部、着色剤分散液100質量部、及び離型剤粒子分散液63質量部に加え、硫酸アルミニウム6質量部(和光純薬工業社製)と、イオン交換水100質量部と、を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH2.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で60℃まで攪拌しながら加熱し、光学顕微鏡にて、体積平均粒径が5μmである凝集粒子が形成されていることが確認されるまで保持した。
この凝集粒子液のpHは2.4であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を0.5質量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより、シアン色のトナー粒子1を得た。
また、得られたシアン色のトナー粒子1は、体積平均粒径=5.0μmであった。
[イエロー色(Y色)のトナー粒子1の作製]
シアン色のトナー粒子1の作製において、フタロシアニン顔料の代わりにイエローアゾ顔料を使用した以外は、同様の処方で、イエロー色(Y色)のトナー粒子1を得た。
[マゼンタ色(M色)のトナー粒子1の作製]
シアン色のトナー粒子1の作製において、フタロシアニン顔料の代わりにキナクリドン顔料を使用した以外は、同様の処方で、マゼンタ色(M色)のトナー粒子1を得た。
[ブラック色(K色)のトナー粒子1の作製]
シアン色のトナー粒子1の作製において、フタロシアニン顔料の代わりにカーボンブラックを使用した以外は、同様の処方で、ブラック色(K色)のトナー粒子1を得た。
[トナー1の作製]
得られた4色の各トナー粒子1を100質量部と、外添剤として、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ粒子(体積平均粒径40nm)0.5質量部と、を75Lヘンシェルミキサーに入れて10分間混合し、その後、風力篩分機ハイボルター300(東洋ハイテック社製)にて篩分し、4色の各トナー1を各々作製した。
[トナー2の作製]
トナー粒子1の作製における凝集粒子の調製において、保持時間を光学顕微鏡にて堆積平均粒径が7.0μmになるまで保持した以外は、トナー粒子1と同様にして、4色の各トナー粒子2を各々作製した。
各トナー粒子2はいずれも、体積平均粒径=7.0μmであった。
各トナー粒子1の代わりに、各トナー粒子2を用いた以外は、各トナー1と同様にして、各トナー2を得た。
[現像剤セット1の作製]
フェライトコア100質量部に対して、弗化ビニリデン0.15質量部と、メチルメタアクリレート及びトリフロロエチレンの共重合体(重合比80:20)樹脂1.35質量部と、を加えた混合物を用いて、ニーダー装置により、平均粒径50μmのフェライトコアに樹脂被覆(コーティング)を行って、キャリアを作製した。
そして、得られた4色の各トナー1を8質量部と、得られたキャリア100質量部と、を2リッターのVブレンダーで混合し、4色の現像剤を各々作製した。
この4色の現像剤セットを、現像剤セット1とした。
[現像剤セット2の作製]
現像剤セット1の作製において、4色の各トナー1の代わりに4色の各トナー2を用いた以外は同様にして、4色の現像剤を各々作製した。
この4色の現像剤セットを、現像剤セット2とした。
[実施例1〜5、比較例1〜5]
表1に従って、得られた電子写真感光体と、得られた現像剤セット(表1中の「現像剤 種類」)と、せき止め部材(ポリウレタン製)を有するせき止め装置と、を富士ゼロックス社製DocuCentre−VC7776に組み込み、改造機を得た。
各例において用いた現像剤セットに含まれるトナー粒子の体積平均粒径を表1(表1中の「現像剤 体積平均粒径(μm)」)に示す。
また、電子写真感光体の表面とせき止め部材との離間距離は、表1(表1中の「離間距離L」)に従って設定した。ただし、表1中の「−」は、せき止め装置そのものを設置しなかったことを意味する。
なお、この改造機は、クリーニングブレード方式を採用したクリーニング装置を備えている。
得られた改造機を用い、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(像流れの評価)
温度29℃/湿度80%RHの高温高湿環境下で、濃度40%の全面ハーフトーン画像を1万枚出力した後、14時間同じ環境にて放置し、14時間経過後における最初を濃度40%の全面ハーフトーン画像で出力し、放置後の画像流れを確認した。
評価基準は以下の通りである。結果を表1(表1中の「像流れ」)に示す。
−評価基準−
・G1:画像流れが全く発生なし
・G2:画像流れが発生しているが、目視では確認されないレベル
・G3:画像流れが目視で僅かに確認される
・G4:画像流れが一目で確認される
(トナー溜まりの有無の評価)
上記像流れの評価を行った後、画像形成装置内の電子写真感光体とせき止め部材との間にトナー溜まりが形成されているか否か、目視で確認した。結果を表1に示す。なお、表1中、「有り」はトナー溜まりが目視で確認されたことを意味し、「無し」はトナー溜まりが目視で確認されなかったことを意味する。
(機内汚染の有無の評価)
上記像流れの評価を行った後、画像形成装置内のカートリッジ装着部手前前面部がトナー溢れにより汚染されているか、目視で確認した。結果を表1に示す。なお、表1中、「有り」は機内汚染が目視で確認されたことを意味し、「無し」は機内汚染が目視で確認されなかったことを意味する。
上記結果から、本実施例では、離間距離Lが大きすぎる比較例1、比較例2、及び比較例5、並びにせき止め部材を有さない比較例3に比べ、高温高湿下での像流れの発生が抑制されていることがわかる。また、本実施例では、離間距離Lが小さすぎる比較例4に比べ、機内汚染が抑制されていることが分かる。
1 下引層、2 電荷発生層、3 電荷輸送層、3A 電荷輸送層、3B 電荷輸送層、4 導電性基体、5 無機保護層、7 電子写真感光体、7A 電子写真感光体、7B 電子写真感光体、7C 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、15 せき止め装置、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、151 せき止め部材、210 成膜室、211 排気口、212 基体回転部、213 基体支持部材、214 基体、215 ガス導入管、216 シャワーノズル、217 プラズマ拡散部、218 高周波電力供給部、219 平板電極、220 ガス導入管、221 高周波放電管部、222 高周波コイル、223 石英管、300 プロセスカートリッジ、L 離間距離

Claims (3)

  1. 導電性基体と前記導電性基体上に設けられた感光層と前記感光層上に最表面層として設けられた無機保護層とを有する電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナー粒子を有するトナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    クリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードを前記電子写真感光体の表面に接触させて電子写真感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段と、
    前記電子写真感光体の表面からの距離が前記トナー粒子の体積平均粒径の0.3倍以上0.9倍以下となるように前記電子写真感光体から離間して設けられたせき止め部材を有し、前記せき止め部材により、前記電子写真感光体の表面に残留したトナー粒子を、前記電子写真感光体の回転方向において前記転写手段の下流側かつ前記クリーニング手段の上流側でせき止めるせき止め手段と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記無機保護層は、ガリウム及び酸素を含有する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記せき止め部材における前記電子写真感光体の表面に残留したトナー粒子をせき止める面を重力方向の上方側に向けて、前記せき止め部材が配置されている請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
JP2016171983A 2016-09-02 2016-09-02 画像形成装置 Active JP6737081B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016171983A JP6737081B2 (ja) 2016-09-02 2016-09-02 画像形成装置
US15/453,488 US10185276B2 (en) 2016-09-02 2017-03-08 Image forming apparatus having an interceptor to intercept toner particles
CN201710260948.4A CN107797426B (zh) 2016-09-02 2017-04-20 图像形成设备

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016171983A JP6737081B2 (ja) 2016-09-02 2016-09-02 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018036603A true JP2018036603A (ja) 2018-03-08
JP6737081B2 JP6737081B2 (ja) 2020-08-05

Family

ID=61280655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016171983A Active JP6737081B2 (ja) 2016-09-02 2016-09-02 画像形成装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10185276B2 (ja)
JP (1) JP6737081B2 (ja)
CN (1) CN107797426B (ja)

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62121480A (ja) * 1985-11-20 1987-06-02 Konishiroku Photo Ind Co Ltd クリ−ニング装置
JPS62127783A (ja) * 1985-11-27 1987-06-10 Konishiroku Photo Ind Co Ltd クリ−ニング装置
JP2004309797A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Ricoh Co Ltd クリーニング装置及び画像形成装置
JP2004348004A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
JP2007079282A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Ricoh Co Ltd 静電画像形成装置におけるクリーニングブレード
US20070098420A1 (en) * 2005-10-27 2007-05-03 Keisuke Ohba Image forming device
JP2007304303A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2010181703A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Fuji Xerox Co Ltd トナー除去装置、画像形成ユニット及び画像形成装置
JP2011013351A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Kyocera Mita Corp クリーニング装置、画像形成装置
JP2014191179A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2016103006A (ja) * 2014-11-13 2016-06-02 株式会社リコー クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3123185B2 (ja) 1991-04-22 2001-01-09 富士ゼロックス株式会社 クロロガリウムフタロシアニンの新規な結晶、その新規な結晶よりなる光導電材料及びそれを用いた電子写真感光体
DD157737B1 (de) * 1981-03-27 1986-07-16 Secura Werke Mikroelektronik Vorrichtung zur reinigung eines elektrischen ladungsbildtraegers in kopiergeraeten
US4848141A (en) 1988-04-06 1989-07-18 Oliver Warren C Method for continuous determination of the elastic stiffness of contact between two bodies
JPH04189873A (ja) 1990-11-22 1992-07-08 Fuji Xerox Co Ltd オキシチタニウムフタロシアニン水和物結晶及びそれを用いた電子写真感光体
JP3166293B2 (ja) 1991-04-26 2001-05-14 富士ゼロックス株式会社 ヒドロキシガリウムフタロシアニンの新規な結晶、その新規な結晶よりなる光導電材料およびそれを用いた電子写真感光体
JP3092270B2 (ja) 1991-11-15 2000-09-25 富士ゼロックス株式会社 新規なジクロロスズフタロシアニン結晶の製造方法及びその結晶を用いた電子写真感光体
JP3123184B2 (ja) 1991-09-27 2001-01-09 富士ゼロックス株式会社 ジクロロスズフタロシアニンの新規な結晶とその製造方法、およびそれを用いた電子写真感光体
JP3166283B2 (ja) 1992-03-31 2001-05-14 富士ゼロックス株式会社 ヒドロキシガリウムフタロシアニンの新規な結晶の製造方法
JP2865029B2 (ja) 1994-10-24 1999-03-08 富士ゼロックス株式会社 電荷輸送性ポリエステルを用いた有機電子デバイス
JP2894257B2 (ja) 1994-10-24 1999-05-24 富士ゼロックス株式会社 新規電荷輸送性ポリマー、その製造法およびそれを用いた有機電子デバイス
DE69812061T2 (de) * 1997-08-11 2004-04-29 Kabushiki Kaisha Toshiba, Kawasaki Bilderzeugungsgerät
JP4172286B2 (ja) 2002-06-19 2008-10-29 三菱化学株式会社 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成方法
US7415236B2 (en) * 2003-04-07 2008-08-19 Ricoh Company, Ltd. Cleaning unit, process cartridge, and image-forming apparatus
JP2004361916A (ja) * 2003-05-12 2004-12-24 Ricoh Co Ltd 帯電ローラクリーニング機構、プロセスカートリッジ、画像形成装置
US7276318B2 (en) 2003-11-26 2007-10-02 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, and electrophotographic apparatus and process cartridge which make use of the same
JP4302700B2 (ja) * 2006-02-16 2009-07-29 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP4948290B2 (ja) * 2007-06-29 2012-06-06 株式会社リコー 定着装置
JP2009069810A (ja) 2007-08-23 2009-04-02 Kyocera Mita Corp 画像形成装置及び画像形成方法
US8452222B2 (en) 2009-03-18 2013-05-28 Ricoh Company, Ltd. Image-bearing member protecting agent, protective layer forming device, image forming method, image forming apparatus, and process cartridge
US20110188882A1 (en) * 2010-02-03 2011-08-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Image forming apparatus
JP5672027B2 (ja) 2011-01-28 2015-02-18 富士ゼロックス株式会社 電子写真感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP6277657B2 (ja) * 2013-10-11 2018-02-14 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置、及び画像形成方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62121480A (ja) * 1985-11-20 1987-06-02 Konishiroku Photo Ind Co Ltd クリ−ニング装置
JPS62127783A (ja) * 1985-11-27 1987-06-10 Konishiroku Photo Ind Co Ltd クリ−ニング装置
JP2004309797A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Ricoh Co Ltd クリーニング装置及び画像形成装置
JP2004348004A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
JP2007079282A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Ricoh Co Ltd 静電画像形成装置におけるクリーニングブレード
US20070098420A1 (en) * 2005-10-27 2007-05-03 Keisuke Ohba Image forming device
JP2007304303A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2010181703A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Fuji Xerox Co Ltd トナー除去装置、画像形成ユニット及び画像形成装置
JP2011013351A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Kyocera Mita Corp クリーニング装置、画像形成装置
JP2014191179A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2016103006A (ja) * 2014-11-13 2016-06-02 株式会社リコー クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20180067443A1 (en) 2018-03-08
US10185276B2 (en) 2019-01-22
JP6737081B2 (ja) 2020-08-05
CN107797426A (zh) 2018-03-13
CN107797426B (zh) 2021-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017062343A (ja) 画像形成装置
JP6593063B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2017062369A (ja) 画像形成装置
US10317809B2 (en) Image forming apparatus and unit for image forming apparatus
US9581919B1 (en) Image forming apparatus and process cartridge
JP2018040844A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置
JP2017062400A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2017167362A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2018049060A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2018049066A (ja) 画像形成装置
US20190346781A1 (en) Electrophotographic photoreceptor, process cartridge, and image forming apparatus
JP6759949B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP6332215B2 (ja) 画像形成装置用ユニット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び電子写真感光体
JP2018059990A (ja) 画像形成装置
JP6737081B2 (ja) 画像形成装置
JP7206654B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP5423272B2 (ja) 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2017062399A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP5387273B2 (ja) 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2019053098A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP5387272B2 (ja) 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP7183552B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2023136995A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP6794631B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2017058641A (ja) 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200616

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6737081

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350