JP2018059990A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いた中間転写方式の画像形成装置では、現像手段から電子写真感光体の表面に移行したキャリアが、転写位置において電子写真感光体と中間転写体との間に挟まった状態で、トナー像の転写が行われることがある。この二成分現像剤を用いた中間転写方式の画像形成装置に、上記ガリウム及び酸素を含有する無機保護層を設けた電子写真感光体を適用すると、転写圧力によって、電子写真感光体の表面にキャリアの打痕等の割れが発生することがある。
即ち、請求項1に係る発明は、
導電性基体と前記導電性基体上に設けられた有機感光層と前記有機感光層上に最表面層として設けられガリウム及び酸素を含有する無機保護層とを有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーと磁性粉を含む芯材の表面に樹脂層を被覆したキャリアとを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
弾性層を有し、表面に前記トナー像が転写される中間転写体と、
前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、
を備える画像形成装置である。
前記キャリアの体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以上9×1012Ω・cm以下である請求項1に記載の画像形成装置である。
前記有機感光層を構成する層のうち前記有機感光層の外周面を構成する層は、電荷輸送材料と、結着樹脂と、シリカ粒子と、を含む請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
前記有機感光層は、電荷発生層と、電荷輸送材料と結着樹脂とシリカ粒子とを含む電荷輸送層と、を前記導電性基体上にこの順で有する感光層である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
前記無機保護層は、ガリウム、酸素、及び水素を含有し、前記無機保護層を構成する全元素に対する、前記ガリウム、前記酸素、及び前記水素の元素構成比率の和が90原子%以上であり、かつ前記酸素及び前記ガリウムの元素組成比(酸素/ガリウム)が1.0以上1.5未満である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう)と、感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
上記感光体は、導電性基体と、導電性基体上に設けられた有機感光層と、有機感光層上に最表面層として設けられ、ガリウム及び酸素を含有する無機保護層と、を有する。
また、上記現像手段は、トナーとキャリアとを含む現像剤を収容し、前記キャリアとして磁性粉を含む芯材の表面に樹脂層を被覆したキャリアを用いる。
また、上記転写手段は、弾性層を有する中間転写体と、感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する。
また、その中でもガリウム及び酸素を含有する無機保護層は、例えばアモルファスシリコン層に比べて、N型半導体の性質を有しやすく、放電生成物が電気的に感光体表面に吸着しにくいことに加え、ガリウム及び酸素を含有する無機保護層が疎水性であり、高温高湿度中においても水分を吸着しにくい為、放電生成物の付着が起こりにくい。そのため、ガリウム及び酸素を含有する無機保護層を最表面層として設けた感光体を用いた画像形成装置では、最表面層がアモルファスシリコン層である感光体を用いた画像形成装置に比べて、放電生成物の付着に起因する高温高湿下における像流れを抑制しやすいという利点もある。
そのため、感光体の最表面層である無機保護層と弾性転写体との間にキャリアが挟まった状態で転写圧力を受けても、弾性転写体の弾性と被覆キャリアの樹脂層における弾性との相互作用により転写圧力が緩和され、感光体表面の割れが抑制されると推測される。
加えて、弾性転写体の弾性により、感光体の表面と弾性転写体の表面との接触面積が大きくなるため、感光体の表面に放電生成物が付着していたとしても除去されやすく、放電生成物の付着に起因する高温高湿下における像流れがさらに抑制されると推測される。
最表面層としてアモルファスシリコン層である無機保護層を設けた感光体は、現像手段から移行してきたキャリアが表面に接触すると、キャリアから感光体表面への電荷注入が起こりやすい。そのため、体積抵抗率が高い被覆キャリアを用いたとしても、キャリアから感光体表面への電荷注入に起因する画像欠陥(例えば、ハイライト画像のドットがトナーの飛び散り等によって乱れること等)が起こりやすくなる。
これに対して、本実施形態では、ガリウム及び酸素を含有する無機保護層を最表面層として設けた感光体を用い、かつ、キャリアとして被覆キャリアを用いている。ガリウム及び酸素を含有する無機保護層を最表面層として設けた感光体は、表面撥水性が高く、大気中の水分が吸着しにくい性質を有するため、アモルファスシリコン層である無機保護層を最表面層として設けた感光体に比べてキャリアからの電荷注入が起こりにくい。そのため、本実施形態では、高温高湿下における像流れを抑制しつつ、感光体の表面における割れの発生を抑制するとともに、ハイライト画像におけるドット再現性が良好であると推測される。
また、転写工程は、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写工程と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写工程と、を有する。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、電子写真感光体7及び現像装置11を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置60も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置60(不図示)が転写手段の一例に相当する。
電子写真感光体7としては、導電性基体上に、有機感光層とガリウム及び酸素を含有する無機保護層とをこの順に有する構成の感光体が適用される。
ここで、有機感光層とは、感光層として機能するための電荷発生材料及び電荷輸送材料の他に、有機材料である結着樹脂を含む層である。有機感光層は、電荷発生能及び電荷輸送能を有する単層型の有機感光層であってもよいし、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型(積層型)の有機感光層であってもよい。
また、無機保護層とは、無機材料を主成分(80質量%以上)として含み、且つ、感光体の表面を形成する層である。なお、感光体の長寿命化の点から、無機保護層は、無機材料を90質量%以上含んで構成された層であることが好ましい。
つまり、有機感光層が単層型の有機感光層であれば、単層型の有機感光層に無機粒子が含まれていることが好ましい。
また、有機感光層が電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能分離型の有機感光層であれば、表面を構成する層になる電荷輸送層に無機粒子が含まれていることが好ましい。但し、電荷輸送層が2層以上で構成される場合、表面を構成する層になる電荷輸送層(無機保護層側の電荷輸送層)に無機粒子が含まれていることが好ましい。
図2は、本実施形態における電子写真感光体の一例を示す模式断面図である。図3乃至図5はそれぞれ本実施形態における電子写真感光体の他の一例を示す模式断面図である。
そして、無機保護層の割れの発生を抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点からは、電荷輸送層3が、電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。
また、図4に示す電子写真感光体7Cは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型有機感光層6(電荷発生/電荷輸送層))に含有するものである。
そして、無機保護層の割れの発生を抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点からは、電荷輸送層3Aが、電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。なお、電荷輸送層3Bは、少なくとも電荷輸送材料を含んで構成され、無機粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
そして、無機保護層の割れの発生を抑制し、また、残留電位の発生を抑制する点からは、単層型有機感光層6が、電荷発生材料及び電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。
そして、電荷輸送層3が、電荷輸送材料と共に無機粒子を含むことが好ましい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層(すなわち有機感光層の最外層)が無機粒子を含むことで、無機保護層の割れが抑制される。具体的には、有機感光層の表面を構成する層に無機粒子を含有させることにより、無機粒子が有機感光層の補強材としての機能を果すことで、有機感光層が変形し難くなり、無機保護層の割れが抑制されると考えられる。
無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、誘電損率が高く、感光体の電気特性を低減させ難い点、また、無機保護層の割れの発生を抑制する観点から、シリカ粒子が特に好ましい。
以下、電荷輸送層に好適なシリカ粒子について詳細に説明する。
乾式シリカ粒子としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(ヒュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカ等が挙げられる。
湿式シリカ粒子としては、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ粒子(アルカリ条件で合成・凝集した沈降法シリカ、酸性条件で合成・凝集したゲル法シリカ粒子等)、酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ粒子(シリカゾル粒子等)、有機シラン化合物(例えばアルコキシシラン等)の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカ粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子としては、残留電位の発生、その他電気特性の悪化による画像欠陥の抑制(細線再現性の悪化の抑制)の観点から、表面のシラノール基が少なく、低い空隙構造を持つ燃焼法シリカ粒子が望ましい。
疎水化処理剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン等の周知のシラン化合物が挙げられる。
これらの中でも、疎水化処理剤としては、残留電位の発生を抑制し易くする観点から、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を持つシラン化合物が望ましい。つまり、シリカ粒子の表面には、トリメチルシリル基、デシルシリル基、又はフェニルシリル基を有することがよい。
トリメチルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
デシルシリル基を持つシラン化合物としては、例えば、デシルトリクロロシラン、デシルジメチルクロロシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
フェニル基を持つシラン化合物としては、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルクロロシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤の縮合率を上記範囲にすると、シリカ粒子のシラノール基がより低減し、残留電位の発生が抑制され易くなる。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。分離したシリカ粒子に対して、Bruker製AVANCEIII 400でSi CP/MAS NMR分析を行い、SiOの置換数に応じたピーク面積を求め、それぞれ、2置換(Si(OH)2(0−Si)2−)、3置換(Si(OH)(0−Si)3−)、4置換(Si(0−Si)4−)の値をQ2,Q3,Q4とし、疎水化処理剤の縮合率は式:(Q2×2+Q3×3+Q4×4)/4×(Q2+Q3+Q4)により算出する。
シリカ粒子の体積抵抗率を上記範囲にすると、電気特性の低下が抑制される。
まず、層中からシリカ粒子を分離する。そして、20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となる分離したシリカ粒子を1mm以上3mm以下程度の厚さになるように載せ、シリカ粒子層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せシリカ粒子層を挟み込む。シリカ粒子間の空隙をなくすため、シリカ粒子層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからシリカ粒子層の厚み(cm)を測定する。シリカ粒子層上下の両電極には、エレクトロメーター及び高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が予め定められた値となるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、シリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)を計算する。シリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下式に示す通りである。
なお、式中、ρはシリカ粒子の体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは印加電圧E(V)における電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはシリカ粒子層の厚み(cm)をそれぞれ表す。本評価では印加電圧が1000Vの時の体積抵抗率を用いた。
・式:ρ=E×20/(I−I0)/L
体積平均粒径が上記範囲であることで、無機保護層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
シリカ粒子の体積平均粒径は、層中からシリカ粒子を分離し、このシリカ粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により40000倍の倍率で観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の累積頻度における50%径(D50v)を求め、これをシリカ粒子の体積平均粒径として測定する。
また、無機粒子の含有量の上限値は特に限定されないが、電荷輸送層の特性を確保する等の点から、70質量%以下がよく、65質量%以下であることが望ましく、60質量%以下であることがより望ましい。
また、無機粒子の含有量は、電荷輸送材料の含有量よりも多いことが好ましい。
電荷輸送層における無機保護層側の表面の表面粗さRa(算術平均表面粗さRa)は、例えば、0.06μm以下が挙げられ、好ましくは0.03μm以下、より好ましくは0.02μm以下である。
この表面粗さRaを上記範囲とすると、無機保護層の平滑性が上がり、クリーニング性が向上する。
なお、表面粗さRaを上記範囲とするには、例えば、層の厚みを厚くする等の方法が挙げられる
まず、無機保護層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、触針式表面粗さ測定機(サーフコム1400A:東京精密社製等)を使用して測定する。その測定条件としては、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとする。
電荷輸送層の弾性率を上記範囲とすると、無機保護層の割れが抑制され易くなる。
なお、電荷輸送層の弾性率を上記範囲とするには、例えば、シリカ粒子の粒径及び含有量を調整する方法、電荷輸送材料の種類及び含有量を調整する方法が挙げられる。
まず、無機保護層を剥離した後、測定対象となる層を露出させる。そして、その層の一部をカッター等で切り出し、測定試料を取得する。
この測定試料に対して、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いて測定する。
電荷輸送層の膜厚を上記範囲にすると、無機保護層の割れ、及び残留電位の発生が抑制され易くなる。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
<無機保護層の組成>
無機保護層は、ガリウム及び酸素を含有する無機材料を含んで構成された層である。
ガリウム及び酸素を含有する無機材料としては、酸化ガリウムが挙げられる。
そして、酸素及びガリウムの元素組成比(酸素/ガリウム)が1.0以上1.5未満であることが好ましく、1.03以上1.47以下がより好ましく、1.05以上1.45以下がさらに好ましく、1.10以上1.40以下が特に好ましい。
無機保護層を構成する材料の元素組成比(酸素/ガリウム)が、上記範囲であると、像流れの発生が抑制され、感光体の表面における傷に起因する画像欠陥が抑制される。
ガリウムの元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、15原子%以上50原子%以下であることがよく、望ましくは20原子%以上40原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
酸素の元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、30原子%以上70原子%以下であることがよく、望ましくは40原子%以上60原子%以下、より望ましくは45原子%以上55原子%以下である。
水素の元素構成比率は、例えば、無機保護層の全構成元素に対して、10原子%以上40原子%以下であることがよく、望ましくは15原子%以上35原子%以下、より望ましくは20原子%以上30原子%以下である。
なお、RBSでは、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラム等を用いる。
なお、RBSの測定条件は、He++イオンビームエネルギーは2.275eV、検出角度160°、入射ビームに対してGrazing Angleは約109°とする。
まず、He++イオンビームを試料に対して垂直に入射し、検出器をイオンビームに対して、160°にセットし、後方散乱されたHeのシグナルを測定する。検出したHeのエネルギーと強度から組成比と膜厚を決定する。組成比及び膜厚を求める精度を向上させるために二つの検出角度でスペクトルを測定してもよい。深さ方向分解能や後方散乱力学の異なる二つの検出角度で測定しクロスチェックすることにより精度が向上する。
ターゲット原子によって後方散乱されるHe原子の数は、1)ターゲット原子の原子番号、2)散乱前のHe原子のエネルギー、3)散乱角度の3つの要素のみにより決まる。 測定された組成から密度を計算によって仮定して、これを用いて厚みを算出する。密度の誤差は20%以内である。
HFS測定では、加速器としてNEC社 3SDH Pelletron、エンドステーションとしてCE&A社 RBS−400を用い、システムとして3S−R10を用いる。解析にはCE&A社のHYPRAプログラムを用いる。そして、HFSの測定条件は、以下の通りである。
・He++イオンビームエネルギー:2.275eV
・検出角度:160°入射ビームに対してGrazing Angle30°
白雲母は水素濃度が6.5原子%であることが知られている。
最表面に吸着しているHは、例えば、清浄なSi表面に吸着しているH量を差し引くことによって補正を行う。
無機保護層の体積抵抗率は、5.0×107Ωcm以上1.0×1012Ωcm未満が好ましい。無機保護層の体積抵抗率は、像流れの発生をより抑制し易くし、感光体の表面における傷に起因する画像欠陥をより抑制し易くする点で、8.0×107Ωcm以上7.0×1011Ωcm以下がより好ましく、1.0×108Ωcm以上5.0×1011Ωcm以下がさらに好ましく、5.0×108Ωcm以上2.0×1011Ωcm以下が特に好ましい。
なお、測定試料は、測定対象となる無機保護層の成膜時の同条件でアルミ基体上に成膜し、その成膜物上に真空蒸着により金電極を形成し得られた試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機保護層を剥離し、一部エッチングして、これを一対の電極で挟み込んだ試料であってもよい。
無機保護層の成長断面は、柱状構造をとっていてもよいが、滑り性の観点からは平坦性の高い構造が望ましく、非晶質が望ましい。
なお、結晶性、非晶質性は、RHEED(反射高速電子線回折)測定により得られた回折像の点や線の有無により判別される。
この弾性率を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
この弾性率は、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値を用いる。下記は測定条件である。
・測定環境:23℃、55%RH
・使用圧子:ダイヤモンド製正三角錐圧子(Berkovic圧子)三角錐圧子
・試験モード:CSMモード
なお、測定試料は、測定対象となる無機保護層の成膜時の同条件で基体上に成膜した試料であってもよいし、又は作製後の電子写真感光体から無機保護層を剥離し、一部エッチングした試料であってもよい。
この膜厚を上記範囲とすると、無機保護層の凹部(打痕状の傷)の発生、剥れや割れが抑制され易くなる。
保護層の形成には、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、有機金属気相成長法、分子線エキタピシー法、蒸着、スパッタリング等の公知の気相成膜法が利用される。
このプラズマ発生装置は、高周波放電管部221と、高周波放電管部221内に配置され、放電面が排気口211側に設けられた平板電極219と、高周波放電管部221外に配置され、平板電極219の放電面と反対側の面に接続された高周波電力供給部218とから構成されたものである。なお、高周波放電管部221には、高周波放電管部221内にガスを供給するためのガス導入管220が接続されており、このガス導入管220のもう一方の端は、不図示の第1のガス供給源に接続されている。
また、成膜室210内には、基体回転部212が設けられており、円筒状の基体214が、シャワーノズル216の長手方向と基体214の軸方向とが沿って対面するように基体支持部材213を介して基体回転部212に取りつけられるようになっている。成膜に際しては、基体回転部212が回転することによって、基体214が周方向に回転する。なお、基体214としては、例えば、予め有機感光層まで積層された感光体等が用いられる。
まず、酸素ガス(又は、ヘリウム(He)希釈酸素ガス)、ヘリウム(He)ガス、及び必要に応じ水素(H2)ガスを、ガス導入管220から高周波放電管部221内に導入すると共に、高周波電力供給部218から平板電極219に、13.56MHzのラジオ波を供給する。この際、平板電極219の放電面側から排気口211側へと放射状に広がるようにプラズマ拡散部217が形成される。ここで、ガス導入管220から導入されたガスは成膜室210を平板電極219側から排気口211側へと流れる。平板電極219は電極の周りをアースシールドで囲んだものでもよい。
基体214としては、例えば、有機感光層が形成された基体を用いる。
基体214表面の温度が成膜開始当初は150℃以下であっても、プラズマの影響で150℃より高くなる場合には有機感光層が熱で損傷を受ける場合があるため、この影響を考慮して基体214の表面温度を制御することが望ましい。
基体214表面の温度は加熱手段及び冷却手段の少なくとも一方(図中、不図示)によって制御してもよいし、放電時の自然な温度の上昇に任せてもよい。基体214を加熱する場合にはヒータを基体214の外側や内側に設置してもよい。基体214を冷却する場合には基体214の内側に冷却用の気体又は液体を循環させてもよい。
放電による基体214表面の温度の上昇を避けたい場合には、基体214表面に当たる高エネルギーの気体流を調節することが効果的である。この場合、ガス流量や放電出力、圧力などの条件を所要温度となるように調整する。
例えば、無機保護層の形成の初期において、トリメチルインジウムをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することにより、基体214上に窒素とインジウムとを含む膜を成膜すれば、この膜が、継続して成膜する場合に発生し、有機感光層を劣化させる紫外線を吸収する。このため、成膜時の紫外線の発生による有機感光層へのダメージが抑制される。
具体的には、例えば、少なくとも一つ以上のドーパント元素を含むガスをガス導入管215、シャワーノズル216を介して成膜室210内に導入することによって、n型、p型等の導電型の無機保護層を得る。
このようにすることで、基体214表面上には、活性化された、炭素原子、ガリウム原子、窒素原子、水素原子、等が制御された状態で存在する。そして、活性化された水素原子が、有機金属化合物を構成するメチル基やエチル基等の炭化水素基の水素を分子として脱離させる効果を有する。
このため、三次元的な結合を構成する硬質膜(無機保護層)が形成される。
更に、これらの装置を2種類以上組み合わせて用いてもよく、同種の装置を2つ以上用いてもよい。プラズマの照射によって基体214表面の温度上昇を抑制するためには高周波発振装置が望ましいが、熱の照射を抑制する装置を設けてもよい。
また、異なる2種類のプラズマ発生装置を同一の圧力下で利用する場合、例えば、マイクロ波発振装置と高周波発振装置とを用いる場合、励起種の励起エネルギーを大きく変えることができ、膜質の制御に有効である。また、放電は大気圧近傍(70000Pa以上110000Pa以下)で行ってもよい。大気圧近傍で放電を行う場合にはキャリアガスとしてHeを使用することが望ましい。
なお、電荷輸送層3Aが無機粒子を含む場合、電荷輸送層3A中の無機粒子の含有量の好ましい上限及び下限値は、電荷輸送層3と同じであればよい。
但し、電荷輸送層3Aの膜厚は、1μm以上15μm以下とすることがよい。また、電荷輸送層3Bの膜厚は、15μm以上29μm以下とすることがよい。
但し、単層型有機感光層6中の電荷発生材料の含有量は、単層型有機感光層全体に対して、25質量%以上50質量%以下とすることがよい。
なお、単層型有機感光層6が無機粒子を含む場合、単層型有機感光層6中の無機粒子のその含有量の好ましい上限及び下限値は、電荷輸送層3と同じであればよい。
また、単層型有機感光層6の膜厚は、15μm以上30μm以下とすることがよい。
例えば、図5に示される電子写真感光体(無機保護層が、第3の層、第2の層、及び第1の層の3層で構成されている例)の場合、各層において、第13族元素(特にガリウム)及び酸素の元素組成比(酸素/第13族元素(特にガリウム))が、1.0以上1.5未満であることが好ましい。この元素組成比は、1.03以上1.47以下がより好ましく、1.05以上1.45以下がさらに好ましく、1.10以上1.40以下が特に好ましい。
第3の層の膜厚は、例えば、0.05μm以上1.0μm以下がよく、望ましくは0.1μmを超え0.4μm以下、より望ましくは0.15μm以上0.3μm以下である。
第2の層の膜厚は、例えば、0.05μm以上4.5μm以下がよく、望ましくは0.1μm以上4.0μm以下である。
第1の層の膜厚は、例えば、0.05μm以上2.0μm以下がよく、望ましくは0.2μm以上1.5μm以下、より望ましくは0.5μm以上1.0μm以下である。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、現像剤を収容し、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
以下、現像剤について説明する。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
なお、樹脂層、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
キャリアの破壊強度の測定は、島津製作所製の微小圧縮試験機MCT210を用いて行う。具体的には、キャリアを測定部に数mg載せ、そのうちのキャリア粒子1粒を付属の光学顕微鏡で選択して測定を行う。
キャリアの体積抵抗率が上記範囲であることにより、上記範囲よりも低い場合に比べて、キャリアから感光体表面への電荷注入に起因する画像欠陥が抑制される。前記の通り、キャリアが感光体の表面に移行すると、キャリアから感光体表面への電荷注入によって感光体表面の電位が変化し、その電位の変化が画像に現れることがある。しかし、キャリアの体積抵抗率が高いと、キャリアが感光体の表面に移行しても上記電荷注入が起こりにくいため、電荷注入に起因する画像欠陥が抑制される。それにより、例えば、ハイライト画像におけるドット再現性が良好となる。
また、キャリアの体積抵抗率が上記範囲であると、上記範囲よりも低い場合に比べて、画像形成に適したトナー濃度が高い。そのため、現像剤全体に対するトナーの濃度が高い現像剤を用いて画像形成を行うことで、現像剤に含まれるキャリアの量が少ないことにより、感光体の表面に移行するキャリアの量も少なくなり、キャリアの打痕等の割れの発生が抑制される。
なお、キャリアの体積抵抗率が上記範囲であると、上記範囲よりも高い場合に比べて、ハーフトーン画像中に存在するベタ画像部の先端部が抜ける所謂スタベーション現象が起きにくく、現像性に優れる。
キャリアの弾性率及び体積抵抗率を前記範囲内に調整する観点から、樹脂層の被覆量は、キャリア全体に対して、例えば、0.3質量%以上10質量%以下の範囲が挙げられ、好ましくは0.5質量%以上9.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上8.0質量%以下である。
また、キャリアの弾性率及び体積抵抗率を前記範囲内に調整する観点から、樹脂層に用いる樹脂種としては、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂などが好ましい。
さらに、キャリアの弾性率及び体積抵抗率を前記範囲内に調整する観点から、導電性粒子の種類としては、カーボンブラックが好ましく、樹脂層全体に対する導電性粒子の含有量としては、例えば0.5質量%以上10質量%以下が挙げられ、1質量%以上8質量%以下が好ましい。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1乃至3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載せた電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が6000V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積抵抗率(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
式: R=E×20/(I−I0)/L
上記式中、Rはキャリアの体積抵抗率(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは印加電圧EVにおける電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lはキャリア層の厚み(cm)をそれぞれ表す。また、20の係数は、電極板の面積(cm2)を表す。
なお、現像剤に含まれるキャリアの体積抵抗率は、圧縮ガスを現像剤に吹き付け、キャリアからトナーを吹き飛ばして、現像剤からキャリア粒子を単離(すなわち、ブローオフ)した上で、単離されたキャリアの体積抵抗率を測定する。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40(一次転写装置)及び二次転写装置60としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50は、弾性層を有する弾性転写体であれば特に限定されず、弾性層の単層体であってもよく、弾性層を含む積層体であってもよい。弾性層を含む積層体としては、例えば、基材と、基材上に設けられた弾性層と、必要に応じて設けられるその他の層と、を有する中間転写体が挙げられる。
ここで、弾性層とは、100Paの外力印加により変形しても、もとの形状に復元する材料で構成される層をいう。
また、中間転写体50の形状は、環状であれば特に限定されない。中間転写体50は、例えば、ベルト状の中間転写体(すなわち中間転写ベルト)であってもよく、ロール状の中間転写体(すなわち中間転写ロール)であってもよい。
以下、中間転写体50の一例として、基材と、基材上に設けられた弾性層と、弾性層上に設けられた表面層と、を有する積層体である中間転写ベルトについて説明する。
基材としては、例えば、金属(例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等)製のベルト、樹脂(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリフッ化ビニリデン等)製のベルト等が挙げられる。
基材が樹脂製のベルトである場合、例えば、カーボンブラック等の導電剤など添加分散して、体積抵抗率が制御されていてもよい。
基材の厚みとしては、例えば、20μm以上200μm以下が挙げられ、好ましくは30μm以上150μm以下、より好ましくは40μm以上130μm以下である。
弾性層は、例えば、少なくとも弾性材料を含む層であり、必要に応じて導電剤等の添加剤を含んで構成される。
導電剤としては、電子導電剤及びイオン導電剤が挙げられる。
電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。
イオン導電剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面層は、例えば、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の層が挙げられる。
これらの中でも、表面離型性の観点から、フッ素樹脂がよい。
フッ素樹脂として、具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
前記の通り、中間転写体は、弾性層の単層体であってもよい。
弾性層の単層体を構成する弾性層としては、例えば、少なくとも弾性材料を含み、必要に応じて導電剤等の添加剤を含んで構成される層が挙げられる。
弾性材料、導電剤、及びその他の添加剤は、前述の通りである。
なお、弾性層の単層体を構成する弾性層の厚みは、例えば、100μm以上1000μm以下が挙げられ、300μm以上600μm以下が好ましい。
前記の通り、中間転写体は、ロール状の中間転写体(すなわち中間転写ロール)であってもよい。中間転写ロールは、例えば、ロール状の基材と、ロール状の基材上に設けられた弾性層と、弾性層上に設けられた表面層と、を有する積層体が挙げられる。
ロール状の基材としては例えば、金属(アルミ、SUS、鉄、銅等)、合金、セラミックス、FRM(繊維強化メタル)等で構成された円筒体が挙げられる。
また、ロール状の基材の外径及び肉厚は、例えば、外径10mm以上50mm以下であることがよく、例えば、アルミニウム製の場合は厚さ0.5mm以上4mm以下、SUS(ステンレス鋼)製又は鉄製の場合は厚さ0.1mm以上2mm以下である。
中間転写ロールを構成する弾性層及び表面層については、上記中間転写ベルトを構成する弾性層及び表面層と同様である。
中間転写体の表面における弾性率は、感光体の割れを抑制する観点から、例えば30MPa以上600MPa以下が挙げられ、50MPa以上550MPa以下が好ましく、80MPa以上500MPa以下がより好ましい。
なお、上記中間転写体の表面における弾性率は、中間転写体の表面のうちトナー像が転写される面における弾性率を意味し、中間転写体が積層体である場合は基材から遠い側の面における弾性率を意味する。
中間転写体の表面における弾性率は、MTSシステムズ社製 Nano Indenter SA2を用いて、連続剛性法(CSM)(米国特許4848141)により深さプロファイルを得て、その押込み深さ30nmから100nmの測定値から得た平均値により算出する。
中間転写体における体積抵抗率としては、例えば、1×108Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下が挙げられる。
中間転写体の体積抵抗率は、中間転写体に用いる導電剤の種類及び添加量により制御される。
なお、中間転写体の体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製、ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定する。
まず、回転する電子写真感光体7の表面が帯電装置8により帯電される。露光装置9は、帯電された電子写真感光体7の表面を画像情報に基づいて露光する。これにより、電子写真感光体7上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。現像装置11では、トナーを含む現像剤により、電子写真感光体7の表面に形成された静電潜像が現像される。これにより、電子写真感光体7の表面に、トナー像が形成される。電子写真感光体7の表面に形成されたトナー像が中間転写体50へ転写される。そして、中間転写体50へ転写されたトナー像は、図示しない二次転写装置60で、記録媒体に転写される。記録媒体に転写されたトナー像は、図示しない定着装置により定着される。一方、トナー画像を転写した後の電子写真感光体7の表面は、クリーニング装置13によりクリーニングされる。
図8に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
[シリカ粒子の準備・作製]
未処理(親水性)シリカ粒子「商品名:OX50(製造元 アエロジル社製)、体積平均粒径:40nm」100質量部に、疎水化処理剤として1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(東京化成社製)30質量部を添加し、24時間反応させ、その後濾取し、疎水化処理されたシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子(1)とした。このシリカ粒子(1)の縮合率は、93%であった。
−下引層の作製−
酸化亜鉛:(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をテトラヒドロフラン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、テトラヒドロフランを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛を得た。
電荷発生物質としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部と、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(VMCH、株式会社NUC製)10質量部と、n−酢酸ブチル200質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液に、n−酢酸ブチル175質量部とメチルエチルケトン180質量部とを添加し、攪拌して電荷発生層形成用の塗布液を得た。この電荷発生層形成用の塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
シリカ粒子(1)50質量部に、テトラヒドロフラン250質量部を入れ、20℃の液温に保ちながら電荷輸送材料として4−(2,2−ジフェニルエチル)−4’,4’’−ジメチル−トリフェニルアミン25質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:30000)25質量部と、を加え、12時間攪拌混合し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
次に、有機感光体(1)の表面へ、水素を含む酸化ガリウムで構成された無機保護層を形成した。この無機保護層の形成は、図6に示す構成を有する成膜装置を用いて行った。
次に、He希釈40%酸素ガス(流量1.6sccm)と水素ガス(流量50sccm)とを、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入し、高周波電力供給部218及びマッチング回路(図6中不図示)により、13.56MHzのラジオ波を出力150Wにセットしチューナでマッチングを取り平板電極219から放電を行った。この時の反射波は0Wであった。
次に、トリメチルガリウムガス(流量1.9sccm)を、ガス導入管215を介してシャワーノズル216から成膜室210内のプラズマ拡散部217に導入した。この時、バラトロン真空計で測定した成膜室210内の反応圧力は5.3Paであった。
この状態で、有機感光体(1)を500rpmの速度で回転させながら68分間成膜し、有機感光体(1)の電荷輸送層表面に膜厚1.5μmの無機保護層を形成した。
無機保護層における元素組成比(酸素/ガリウム)について前述の方法で測定した結果、1.25であった。
無機保護層の膜厚を1.0μmに変更した以外は、電子写真感光体1と同様にして、電子写真感光体2を得た。
無機保護層の膜厚を3.0μmに変更した以外は、電子写真感光体1と同様にして、電子写真感光体3を得た。
電荷輸送層の作製において、シリカ粒子(1)の添加量を50質量部から40質量部に変更した以外は、電子写真感光体1と同様にして、電子写真感光体4を得た。
まず、アルミドラムを成膜装置の成膜室210内の基体支持部材213に載せ、排気口211を介して成膜室210内を圧力が0.1Paになるまで真空排気した。
次に、水素ガス(流量300sccm)を、ガス導入管220から直径85mmの平板電極219が設けられた高周波放電管部221内に導入した。
この状態で放電電極とアルミニウムドラムの間に高周波電力供給部218及びマッチング回路(図6中不図示)により、出力周波数は13.56MHzとして、グロー放電を発生させ、水素プラズマを1時間にわたり発生させた。
水素プラズマ発生後に、加熱ヒータによってアルミニウムドラムを200℃に加熱した。この時に、アルミニウムドラム上の自然酸化膜が還元除去される。
自然酸化膜除去のための放電電力を停止し、水素ガスをジシランガスとアンモニアガスとに切り換えた。
放電電力を印加してグロー放電によるジシランとアンモニアのプラズマ分解で水素化アモルファス窒化シリコン(a−SiN:H)のブロッキング層をドラム上に形成する。
この放電電力を停止し、次いでアンモニアガスの供給をやめる。
ジシランガスの供給量を増してから、再び同出力で放電電力を印加してグロー放電によるジシランのプラズマ分解でブロッキング層上に水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)膜の感光層を2.4μmの厚さになるように形成した。
その後、再び、ジシランとアンモニアガスを成膜室に流入し、放電電力を印加してグロー放電によるジシランとアンモニアのプラズマ分解で水素化アモルファス窒化シリコン(a−SiN:H)表面保護膜(無機保護層)を膜厚37μmになるように成膜を行った。
なお成膜の間は、アルミニウムドラムを常に500rpmの速度で回転させている。このようにして、アモルファスシリコン感光体C1(電子写真感光体C1)を得た。
[シアン色(C色)のトナー粒子1の作製]
−ポリエステル樹脂の合成−
加熱乾燥した3口フラスコに、エチレングリコール124質量部と、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル22.2質量部と、セバシン酸ジメチル213質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3質量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行って4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、ポリエステル樹脂220質量部を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(MW)は19000であり、数平均分子量(Mn)は5800であった。
得られたポリエステル樹脂150質量部を蒸留水850質量部中に入れ、80℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液を得た。
次いで、フタロシアニン顔料250質量部(大日精化(株)製:PV FAST BLUE)と、アニオン界面活性剤20質量部(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK)と、イオン交換水700質量部と、を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤を分散させてなる着色剤分散液を調製した。
次いで、パラフィンワックス(HNP0190、日本精蝋社製、融点85℃)100質量部と、カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花王社製)5質量部と、イオン交換水240質量部と、を丸型ステンレス鋼製フラスコ中に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径550nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を調整した。
得られた、樹脂粒子分散液2400質量部、着色剤分散液100質量部、及び離型剤粒子分散液63質量部に加え、硫酸アルミニウム6質量部(和光純薬工業社製)と、イオン交換水100質量部と、を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH2.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で60℃まで攪拌しながら加熱した。60℃で3時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が4.4μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子液のpHは2.4であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬工業社製)を0.5質量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した後、攪拌を継続しながら75℃まで加熱し、3時間保持した。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより、シアン色のトナー粒子1を得た。
また、得られたシアン色のトナー粒子1は、体積平均粒径=4.5μmであった。
シアン色のトナー粒子1の作製において、フタロシアニン顔料の代わりにイエローアゾ顔料を使用した以外は、同様の処方で、イエロー色(Y色)のトナー粒子1を得た。
シアン色のトナー粒子1の作製において、フタロシアニン顔料の代わりにキナクリドン顔料を使用した以外は、同様の処方で、マゼンタ色(M色)のトナー粒子1を得た。
シアン色のトナー粒子1の作製において、フタロシアニン顔料の代わりにカーボンブラックを使用した以外は、同様の処方で、ブラック色(K色)のトナー粒子1を得た。
得られた4色の各トナー粒子1を100質量部と、外添剤として、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ粒子(体積平均粒径40nm)0.5質量部と、を75Lヘンシェルミキサーに入れて10分間混合し、その後、風力篩分機ハイボルター300(東洋ハイテック社製)にて篩分し、4色の各トナー1を各々作製した。
[キャリア(1)の作製]
−芯材粒子(1)−
ヘンシェルミキサーに、体積平均粒径0.25μmの球状マグネタイト粒子粉末500部を投入し、十分に攪拌した後、チタネート系カップリング剤3.0部を添加し、約100℃まで昇温し30分間良く混合攪拌することによりチタネート系カップリング剤被覆された球状マグネタイト粒子を得た。次に、1Lの四つ口フラスコに、フェノール65部、35%ホルマリン98部、親油化処理された上記マグネタイト粒子500質量部、25%アンモニア水15部、及び水65部を投入し攪拌混合した。次に、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させ、同温度で120分間反応させた。その後、25℃まで冷却し、500mlの水を添加した後、上澄み液を除去、沈殿物を水洗した。
更にフェノール3.00部、35%ホルマリン5.00部、25%アンモニア水6.25部、及び水428部を加え攪拌混合した。その後、攪拌しながら60分間で90℃に上昇させ、3時間反応させた。次いで、これを減圧下、150〜180℃で乾燥して、体積平均粒径35μmの芯材粒子を得た。
下記組成の成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、樹脂被覆層形成用溶液(1)を調製した。
・トルエン:85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比:25/75):15部
・カーボンブラック(Regal330、キャボット社製):4部
芯材粒子(1)100質量部と樹脂被覆層形成用溶液(1)8.5部とを真空脱気型ニーダに入れ、90℃で30分撹拌した後、−65kPaで5分、−70kPaで3分攪拌した後更に減圧して脱気、乾燥させた。
さらに、温度を85℃とし40分間攪拌した。これを冷却した後に目開き75μmの篩にて凝集による粗大粉を除去し、体積平均粒径が36μm、樹脂被覆層厚が0.32μm(樹脂層の被覆量:1.5質量%)、体積抵抗率が1.3×109Ω・cm、破壊強度が210MPaのキャリア(1)を得た。
−芯材粒子(2)−
芯材粒子(1)の作製において、体積平均粒径0.25μmの球状マグネタイト粒子粉末の代わりに体積平均粒径0.5μmの球状マグネタイト粒子粉末を用いた以外は、芯材粒子(1)の作製に準じて、体積平均粒径35μmの芯材粒子(2)を得た。
このキャリア(2)の体積平均粒径は38μm、樹脂被覆層厚は0.6μm(樹脂層の被覆量:3.0質量%)、体積抵抗率は5.4×1012Ω・cm、破壊強度は145MPaであった。
−樹脂被覆層形成用溶液(2)−
下記組成の成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、樹脂被覆層形成用溶液(2)を調製した。
・トルエン:85部
・スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比:25/75):15部
このキャリア(3)の体積平均粒径は37μm、樹脂被覆層厚は0.46μm(樹脂層の被覆量:3.0質量%)、体積抵抗率は8.2×1012Ω・cm、破壊強度は155MPaであった。
芯材粒子(1)100部に対し、フェノール0.25部、35%ホルマリン0.40部、25%アンモニア水0.50部、及び水34部を加え攪拌混合した。その後、攪拌しながら60分間で90℃に上昇させ、3時間反応させた。次いで、これを減圧下、150〜180℃で乾燥してフェノール樹脂による被覆を行った(被覆量:0.2質量%)。次いで、この芯材粒子100部と樹脂被覆層形成用溶液(1)12部とを真空脱気型ニーダに入れ、90℃で30分撹拌した後、−65kPaで5分、−70kPaで3分攪拌した後更に減圧して脱気、乾燥させた。
これを冷却した後に目開き75μmの篩にて凝集による粗大粉を除去し、体積平均粒径が37μm、樹脂被覆層厚が0.34μm(樹脂層の被覆量:1.5質量%)、体積抵抗率が1.3×1011Ω・cm、破壊強度が205MPaのキャリア(4)を得た。
・フェライト粒子(1)体積平均粒子径36μm : 100部
・トルエン : 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85) : 2部
・カーボンブラック : 0.2部
得られた4色の各トナー1と、得られたキャリア(表1中の「キャリア 種類」)と、をそれぞれ表1に示す添加量(表1中の「トナー 添加量」及び「キャリア 添加量」)で添加し、2リッターのVブレンダーで混合し、4色の現像剤のセットを各々作製した。
[中間転写ベルト1の作製]
酸無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BDPA)と、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン(PDA)と、を用い、BDPAとPDAとのモル比BDPA/PDAを9.5とし、N−メチルピロリドン溶媒中で60℃、4時間維持し、重合反応させてポリアミド酸溶液を作製した。
更に溶液中に所望の抵抗となる所定量の導電性カーボンブラックを均一に混合分散した。
無端ベルト状として得る為、該溶液を加熱できる金型にキャスティングし、乾燥させ該溶媒を除去、さらに徐々に昇温して400℃でイミド化反応させ無端ベルト状の中間転写ベルト基材を作製した。
この作製した中間転写ベルト基材の外周にニトリルゴムからなる厚さ110μmの弾性層を浸漬塗布法により形成した。これにより、中間転写ベルト1を得た。
中間転写ベルトの表面(外周面)における弾性率を前述の方法で測定した結果、50MPaであった。
BDPAとPDAのモル比BDPA/PDAを10.5とした以外は、中間転写ベルト1と同様に中間転写ベルト基材を作製し、作製した中間転写ベルト基材の外周に、ニトリルゴムからなる厚さ130μmの弾性層を浸漬塗布法により形成した。
これにより、中間転写ベルト2を得た。
中間転写ベルトの表面(外周面)における弾性率を前述の方法で測定した結果、30MPaであった。
宇部興産(株)製の耐熱皮膜用ポリイミドUワニスS75質量部にオリオンエンジニアドカーボンズ社製のカーボンブラック(Special Black4)25質量部を加え、サンドミルで7時間分散させて分散液を作製した。この分散液を、環状塗布方法により円筒状金型外面に400μmに塗布し、6rpmで回転させながら150℃で45分間加熱した後、室温(25℃)に戻し、次に焼成炉に入れ360℃で3時間焼成し、イミド転化反応を完結させた。
その後、室温(25℃)に戻し、目的の中間転写ベルトC1を得た。この中間転写ベルトは、厚さが75μmであった。
中間転写ベルトの表面における弾性率を前述の方法で測定した結果、600MPaであった。
表1に従って、得られた電子写真感光体(表1中の「感光体 種類」)及び得られた中間転写ベルト(表1中の「ベルト 種類」)を画像形成装置(富士ゼロックス社製 DocuCentre−V C7775)に組み込み、現像装置に得られた現像剤セット(表1中の「現像剤セット」)を充填した改造機を用いて、以下の評価を行った。
温度20℃湿度40%RHの環境下で、画像濃度30%の全面ハーフトーン画像をA4用紙に連続100万枚出力(すなわち、電子写真感光体の回転数300万回転)した後、電子写真感光体の表面(すなわち、無機保護層の表面)を光学顕微鏡(キーエンス社製、型番:VHX)により、倍率450倍で10視野測定し、打痕状の凹み部の数を数え、単位面積(1mm×1mm)あたりの打痕の数(以下「打痕数」ともいう)を算出した。評価基準は以下の通りである。結果を表1(表1中の「打痕」)に示す。
A:打痕数が1個以下
B:打痕数が1個を超え3個以下
C:打痕数が3個を超え10個以下
D:打痕数が10個を超える
上記感光体表面傷の評価を行った後、さらに温度20℃湿度40%RHの環境下において連続1万枚の画像出力を実施した。その後、ハーフトーン(30% 200dpi(dot per inch))の画像サンプルを10枚出力し、10枚目の画像サンプルの濃度ムラの発生状況について目視にて評価した。
評価基準は以下の通りであり、結果を表1(表1中の「画像欠陥」)に示す。
A:無機保護層の打痕が生じた部分とその周囲とで画像濃度差がなく、濃度ムラは発生していなかった。
B:無機保護層の打痕が生じた部分とその周囲とでわずかに濃度差があり、注意深く確認すれば目視にて濃度ムラが確認されるレベルである。
C:無機保護層の打痕が生じた部分とその周囲とで濃度差があり、目視にて濃度ムラがはっきり確認される。
温度30℃湿度90%RHの環境下、画像密度(エリアカバレッジ)5%のチャート画像をA4用紙に連続して5000枚出力した後、温度30℃湿度90%RHの環境下で14時間放置し、14時間経過後に温度30℃湿度90%RHの環境下で画像濃度40%の全面ハーフトーン画像を100枚出力し、放置後の1枚目から10枚目、50枚目、及び100枚目の画像流れを目視で確認した。
評価基準は以下の通りであり、結果を表1(表1中の「像流れ」)に示す。
A:放置後出力1枚目の画像のドットが乱れていない。
B:放置後出力1枚目の画像ドットが乱れているが、放置後出力2枚目から10枚目までにはドット乱れが回復する。(すぐに回復するので、画像品質として問題ないレベル
C:放置後出力10枚ではドットが乱れているが、放置後出力50枚目までにはドット乱れが回復する。
D:放置後出力50枚でもドットが乱れており、放置後出力100枚目においても、ドットがまだ僅かに乱れているか、又は放置前の連続5000枚出力時においてもドットが僅かに乱れている。
上記感光体表面傷の評価を行った後、さらに、温度20℃湿度40%RHの環境下で、画像濃度20%のハーフトーン画像を形成し、ドット再現性を下記の基準に従って評価した。なお、図9に示す写真は、上記の画像評価で形成した画像濃度20%のハーフトーン画像を顕微鏡(KEYENCE社製、型番:VHX−900)で100倍に拡大した写真である。評価結果を表1(表1中の「再現性」)に示す。
A:図9(A)のごとくドットに乱れがない
B:図9(B)のごとくドットに少しトナーの飛び散りがみられる
C:図9(C)のごとくドットにトナーの飛び散りがみられる
Claims (5)
- 導電性基体と前記導電性基体上に設けられた有機感光層と前記有機感光層上に最表面層として設けられガリウム及び酸素を含有する無機保護層とを有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーと磁性粉を含む芯材の表面に樹脂層を被覆したキャリアとを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
弾性層を有し、表面に前記トナー像が転写される中間転写体と、
前記電子写真感光体の表面に形成された前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記キャリアの体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以上9×1012Ω・cm以下である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記有機感光層を構成する層のうち前記有機感光層の外周面を構成する層は、電荷輸送材料と、結着樹脂と、シリカ粒子と、を含む請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記有機感光層は、電荷発生層と、電荷輸送材料と結着樹脂とシリカ粒子とを含む電荷輸送層と、を前記導電性基体上にこの順で有する感光層である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記無機保護層は、ガリウム、酸素、及び水素を含有し、前記無機保護層を構成する全元素に対する、前記ガリウム、前記酸素、及び前記水素の元素構成比率の和が90原子%以上であり、かつ前記酸素及び前記ガリウムの元素組成比(酸素/ガリウム)が1.0以上1.5未満である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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