JP2018031311A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火時期制御を通じて点火時期が基本点火時期から大きく遅角されていることによってトルクが小さくなってしまうことを抑制する。【解決手段】内燃機関1の制御装置であるECU100は、ノッキングの発生頻度が高いほど点火時期を遅角させる点火時期制御を行う点火時期制御部130と、吸気バルブ9の閉弁時期を吸気下死点よりも遅角側で変更するように可変動弁機構15を制御する動弁系制御部120と、を備えている。そして、このECU100では、動弁系制御部120は、基本点火時期からの点火時期の遅角量が所定量以上であるときには、吸気バルブ9の閉弁時期が、前記遅角量が前記所定量よりも小さいときと比べて遅角側になるように可変動弁機構15を制御する。【選択図】図1

Description

この発明は内燃機関の制御装置に関するものである。
特許文献1には、ノッキングの発生状況を検出して点火時期の遅角量を設定する内燃機関の制御装置が記載されている。こうした点火時期制御においては、ノッキングの発生頻度が高いほど、点火時期を遅角させる。
特開平3‐185237号公報
ところで、内燃機関では、吸気バルブの閉弁時期を変更することにより、実圧縮比を変更することができる。具体的には、吸気下死点よりも遅角側で吸気バルブの閉弁時期を変更する場合、閉弁時期をより遅角側に設定するほど、実圧縮比は小さくなり、閉弁時期をより進角側に設定するほど、実圧縮比は大きくなる。
なお、実圧縮比が大きいときには、点火時期の遅角に対するトルクの感度が高い。そのため、点火時期制御における基本点火時期からの遅角量が大きくなると、トルクが小さくなってしまうおそれがある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するための内燃機関の制御装置は、吸気バルブの閉弁時期を変更可能な可変動弁機構を備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置である。この内燃機関の制御装置は、ノッキングの発生頻度が高いほど点火時期を遅角させる点火時期制御を行う点火時期制御部と、前記吸気バルブの閉弁時期を吸気下死点よりも遅角側で変更するように前記可変動弁機構を制御する動弁系制御部と、を備えている。そして、この内燃機関の制御装置では、前記動弁系制御部は、基本点火時期からの点火時期の遅角量が所定量以上であるときには、前記吸気バルブの閉弁時期が、前記遅角量が前記所定量よりも小さいときと比べて遅角側になるように前記可変動弁機構を制御する。
上記構成によれば、基本点火時期からの点火時期の遅角量が所定量以上であるときには、吸気バルブの閉弁時期が、点火時期の遅角量が所定量よりも小さいときと比べて遅角側になり、実圧縮比が小さくなる。これにより、点火時期の遅角に対するトルクの感度を低下させることができる。そのため、点火時期制御を通じて点火時期が基本点火時期から大きく遅角されていることによってトルクが小さくなってしまうことを抑制することができる。
内燃機関の制御装置の一実施形態であるECUとその制御対象である内燃機関の各部との関係を示す関係図。 同ECUの動弁系制御部が制御するバルブタイミング変更機構による吸気バルブの開閉時期の変更態様を説明するタイミングチャート。 同ECUの動弁系制御部が制御するバルブリフト量変更機構による吸気カムの作用角及び吸気バルブの最大リフト量の変更態様を説明するタイミングチャート。 同ECUの点火時期制御部が実行する点火時期制御における基本的な処理の流れを示すフローチャート。 点火時期制御における学習処理の流れを示すフローチャート。 点火時期制御による点火時期の設定態様を説明する説明図。 点火時期遅角量とトルク変化率との関係を示すグラフ。 同ECUの動弁系制御部が実行する可変動弁機構の制御態様の切り替え処理の流れを示すフローチャート。 同ECUの動弁系制御部が実行する判定値変更処理の流れを示すフローチャート。 同ECUの動弁系制御部が実行する遅角履歴フラグ更新処理の流れを示すフローチャート。
以下、内燃機関の制御装置の一実施形態である電子制御ユニット(以下、ECUと称する)について、図1〜図10を参照して説明する。
図1に示されているように、ECU100が制御する内燃機関1においては、燃焼室2に吸気通路3が接続されている。そして、吸気通路3には燃料噴射弁4が設けられている。内燃機関1においては、燃焼室2に吸気通路3を通じて空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁4から噴射された燃料が同燃焼室2に供給される。なお、内燃機関1は複数の燃焼室2を備えているが、図1では、そのうちの1つのみを図示している。また、燃焼室2には排気通路8が接続されている。
各燃焼室2に導入された空気と燃料とからなる混合気に対し、各燃焼室2に設けられた点火プラグ5による点火が行われると、混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として各燃焼室2から排気通路8に送り出される。
内燃機関1における各燃焼室2と吸気通路3との間は、クランクシャフト7と連動して回転する吸気カムシャフト11の回転に基づき、吸気カムシャフト11に設けられた吸気カムの作用によって吸気バルブ9が開閉動作することによって連通・遮断される。また、内燃機関1における各燃焼室2と排気通路8との間は、クランクシャフト7と連動して回転する排気カムシャフト12の回転に基づき、排気カムシャフト12に設けられた排気カムの作用によって排気バルブ10が開閉動作することによって連通・遮断される。
なお、内燃機関1には、吸気バルブ9の開閉特性を可変とする可変動弁機構15が設けられている。内燃機関1の可変動弁機構15は、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を可変とするバルブタイミング変更機構13と、吸気バルブ9に対する吸気カムの作用角及び吸気バルブ9の最大リフト量を可変とするバルブリフト量変更機構14とを備えている。これらバルブタイミング変更機構13及びバルブリフト量変更機構14の動作により、吸気バルブ9の開閉特性が変更される。
図2に示されているように、バルブタイミング変更機構13を動作させ、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を変更すると、吸気バルブ9の開弁期間を一定に保持した状態で、吸気バルブ9の開弁時期及び閉弁時期をともに進角させたり、遅角させたりすることができる。
また、図3に示されているように、バルブリフト量変更機構14を動作させると、吸気バルブ9に対する吸気カムの作用角が変化し、それと同期して吸気バルブ9の最大リフト量も変化する。
したがって、可変動弁機構15によれば、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト11の相対回転位相を変更しながら、吸気バルブ9に対する吸気カムの作用角を変更することができる。これにより、内燃機関1では、吸気バルブ9の開弁時期を変更せずに、吸気バルブ9の閉弁時期を変更することなどもできるようになっている。
こうした内燃機関1は、ECU100によって制御される。ECU100は、内燃機関1の制御に係る各種の演算処理を行う中央演算処理装置、内燃機関1の制御を行うためのプログラムやデータが記憶されたメモリ、中央演算処理装置の演算結果や各種のセンサの検出結果などを記憶するメモリなどによって構成されている。
図1に示すように、ECU100には、アクセルペダル27の踏み込み量であるアクセル操作量を検出するアクセルポジションセンサ28や、吸気通路3に設けられたスロットルバルブ29の開度であるスロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ30が接続されている。また、ECU100には、吸気通路3を通じて燃焼室2に吸入される空気の量である吸入空気量を検出するエアフロメータ32や、クランクシャフト7の回転角であるクランク角や機関回転速度の算出などに用いられるクランク角の変化に応じた信号を出力するクランクポジションセンサ34も接続されている。
さらに、ECU100には、吸気カムシャフト11の回転位置に対応した信号を出力するカムポジションセンサ35や、バルブリフト量変更機構14の駆動量を検出する駆動量検出センサ37、内燃機関1の燃焼室2で発生したノッキングの強度に応じた信号を出力するノックセンサ31も接続されている。
また、ECU100は、スロットルバルブ29を制御してスロットル開度を調整するスロットル制御部110や、可変動弁機構15を制御する動弁系制御部120、点火プラグ5を制御して点火時期を調整する点火時期制御部130、燃料噴射弁4を制御して燃料噴射量を調整する燃料噴射量制御部140を備えている。
ECU100は、上記の各種のセンサから入力された信号に基づき、上記のスロットル制御部110,動弁系制御部120,点火時期制御部130,燃料噴射量制御部140を通じて内燃機関1を制御する。
例えば、ECU100のスロットル制御部110は、機関回転速度やアクセル操作量に基づき、要求されているトルクの大きさを推定し、そのトルクを実現するために必要な吸入空気量を実現するようにスロットル開度を調整する。また、ECU100の燃料噴射量制御部140は、混合気の空燃比を理論空燃比に近づけるように、吸入空気量に応じて燃料噴射弁4を制御し、燃料噴射量を調整する。
また、ECU100の動弁系制御部120は、大きなトルクが必要とされていない低負荷運転時には、吸気バルブ9の閉弁時期を吸気下死点から大きく遅角させて、圧縮行程の途中まで吸気バルブ9を開弁させたままにする遅角側バルブタイミング制御を行う。こうした遅角側バルブタイミング制御を行っているときには、燃焼室2内に一旦吸入した空気を圧縮行程において吸気通路3に吹き戻し、余分な空気を吸気通路3に排出することができるため、スロットルバルブ29を開き気味にしてトルクを調整することができる。したがって、こうした遅角側バルブタイミング制御を行っていれば、圧縮行程における空気の吹き戻しを利用せずにスロットルバルブ29を閉じることによって吸入空気量を制限してトルクを調整する場合と比較して、ポンピングロスを低減することができ、燃料消費率を改善することができる。
一方、動弁系制御部120は、大きなトルクが必要とされる高負荷運転時には、基本的には、遅角側バルブタイミング制御を行っているときよりも、吸気バルブ9の閉弁時期を進角側に設定する進角側バルブタイミング制御を行う。こうした進角側バルブタイミング制御を行っているときには、遅角側バルブタイミング制御を行っているときよりも、圧縮行程において吸気通路3に吹き戻される空気の量が少なくなり、燃焼室2への空気の充填効率が高くなるため、大きなトルクを発生させることができるようになる。なお、進角側バルブタイミング制御における吸気バルブ9の閉弁時期は、吸入空気の慣性を利用して燃焼室2への空気の充填効率を高めることができるように、機関回転速度などに合わせて吸気下死点よりも遅角側に設定される。
そして、遅角側バルブタイミング制御における吸気バルブ9の閉弁時期は、進角側バルブタイミング制御における吸気バルブ9の閉弁時期よりもさらに遅角側になるように、機関回転速度などに合わせて吸気下死点よりも遅角側に設定される。
すなわち、ECU100における動弁系制御部120は、上記の遅角側バルブタイミング制御と進角側バルブタイミング制御との切り替えを通じて、吸気バルブ9の閉弁時期を吸気下死点よりも遅角側で変更するように可変動弁機構15を制御する。
また、ECU100の点火時期制御部130は、ノッキングを抑制するための点火時期制御を行う。点火時期制御は、ノッキングの発生が検出されていないときには徐々に点火時期を進角し、ノッキングの発生が検出されているときには徐々に点火時期を遅角することで、ノッキングの発生限界の直前まで点火時期を進角させるために行われる。なお、この点火時期制御では、ピストン6へのデポジットの堆積などに起因する時間をかけて徐々に変化するノッキングの発生しやすさの変化を学習するための学習処理があわせて実行される。
図4には、点火時期制御における基本的な処理の流れが示されている。この一連の処理は、内燃機関1の運転中にECU100の点火時期制御部130により、規定の制御周期毎に繰り返し実行される。なお、点火時期は、圧縮上死点を基準とした進角側へのクランク角で表される。すなわち、点火時期が圧縮上死点よりも進角側であるほど点火時期を示す値は大きくなる。
この一連の処理を開始すると、点火時期制御部130は、まずステップS100において、機関回転速度及び負荷に基づき、基本点火時期ABSE及び限界遅角点火時期AKMFを算出する。なお、負荷は、エアフロメータ32によって検出された吸入空気量などから求められる。
基本点火時期ABSEは、内燃機関1のトルク発生効率が最大となる最適点火時期、点火時期の進角限界であるノック限界点火時期のうち、いずれか遅角側の時期となっている。なお、ノック限界点火時期は、ノッキングが発生することが確認された点火時期の範囲の遅角側の限界値である。また、限界遅角点火時期AKMFは、ノッキングが発生しやすい条件下であってもノッキングが発生しないことが確認された点火時期の範囲の進角側の限界値である。
なお、燃料消費率の改善の点では、最終的に設定される点火時期(目標点火時期AOP)は、可能な限り基本点火時期ABSEに近い時期に設定することが有利である。一方、限界遅角点火時期AKMFよりも遅角側の時期に目標点火時期AOPを設定しても、ノッキングの抑制の点では無意味である。そのため、点火時期制御において目標点火時期AOPは、限界遅角点火時期AKMFから基本点火時期ABSEまでの範囲内で制御される。
次に、点火時期制御部130は、ステップS101において、基本点火時期ABSEから限界遅角点火時期AKMFを引いた差を、限界遅角量AKMAXの値として設定する。この限界遅角量AKMAXは、点火時期制御における基本点火時期ABSEに対する目標点火時期AOPの遅角量の上限値となっている。
続いて、点火時期制御部130は、ステップS102において、ノックセンサ31の検出結果に基づき、ノッキングの発生の有無を確認する。ステップS102において、ノッキングの発生が確認された場合には(ステップS102:YES)、点火時期制御部130は、処理をステップS103へと進める。
そして、点火時期制御部130は、ステップS103において、ノック制御量AKCSの値を増加させる。なお、ノック制御量AKCSは、クランク角で表され、大きいほど点火時期を遅角させる量が大きいことを示す値であり、初期値は「0」である。このときのノック制御量AKCSの増加量は、検出されたノッキングの強度や発生頻度に応じて設定される。ここでは、ノッキングの強度が大きいほど、あるいはノッキングの発生頻度が高いほど、ノック制御量AKCSの増加量は大きくされる。
一方、ステップS102において、ノッキングが発生していないことが確認された場合には(ステップS102:NO)、点火時期制御部130は、処理をステップS104に進める。
そして、点火時期制御部130は、ステップS104において、ノック制御量AKCSの値を減少させる。このときのノック制御量AKCSの減少量は、定数とされている。
これらステップS103,ステップS104におけるノック制御量AKCSの更新後には、点火時期制御部130は、処理をステップS105に進める。
そして、点火時期制御部130は、ステップS105において、基本点火時期ABSEからの点火時期の遅角量である点火時期遅角量AKNKを算出する。点火時期遅角量AKNKの算出は、限界遅角量AKMAXに、ノック制御量AKCSを加算し、ノック学習量AGKNKを減算することで行われる(AKNK←AKMAX+AKCS−AGKNK)。なお、ノック学習量AGKNKは、クランク角で表され、大きいほど点火時期を進角させる量が大きいことを示す値であり、後述の学習処理において設定される値である。
ステップS105において点火時期遅角量AKNKを算出すると、点火時期制御部130は、処理をステップS106に進め、ステップS106において、目標点火時期AOPを設定する。目標点火時期AOPの設定は、基本点火時期ABSEを点火時期遅角量AKNKの分だけ遅角側に補正することによって行われる。具体的には、基本点火時期ABSEから点火時期遅角量AKNKを減算した差を目標点火時期AOPとする。(AOP←ABSE−AKNK)。
こうしてステップS106において目標点火時期AOPを設定すると、点火時期制御部130は、この一連の処理を一旦終了させる。そして、点火時期制御部130は、ここで設定した目標点火時期AOPに点火が行われるように、点火プラグ5を制御する。
次に、図5を参照して点火時期制御における学習処理について説明する。この学習処理は、図4を参照して説明した点火時期制御の基本的な処理に引き続き、次に図4を参照して説明した一連の処理が開始されるまでの間にECU100の点火時期制御部130により実行される。
この学習処理を開始すると、点火時期制御部130は、まずステップS200において、ノック制御量AKCSの徐変値が規定の正の値「α」よりも大きいか否かを判定する。ノック制御量AKCSの徐変値とは、ノック制御量AKCSに対してその増減速度を鈍化させる処理を施した値、いわゆるなまし値である。
ステップS200において、ノック制御量AKCSの徐変値が「α」よりも大きいと判定した場合には(ステップS200:YES)、点火時期制御部130は、処理をステップS201に進める。
そして、点火時期制御部130は、ステップS201において、ノック学習量AGKNKの値を規定の量だけ減少させる。なお、ステップS201では、ノック学習量AGKNKの値を規定の量だけ減少させるとともに、ノック制御量AKCSの値も同様に規定の量だけ減少させる。また、ノック学習量AGKNKの初期値は「0」であり、規定の量は、「α」よりも小さい値とされている。こうしてステップS201において、ノック学習量AGKNKの値を更新すると、点火時期制御部130は、この学習処理を一旦終了させる。
一方、ステップS200において、ノック制御量AKCSの徐変値が「α」以下であると判定した場合には(ステップS200:NO)、点火時期制御部130は、処理をステップS202に進める。
そして、点火時期制御部130は、ステップS202において、ノック制御量AKCSの徐変値が「−α」よりも小さいか否かを判定する。
ステップS202において、ノック制御量AKCSの徐変値が「−α」よりも小さいと判定した場合には(ステップS202:YES)、点火時期制御部130は、処理をステップS203に進める。
そして、ステップS203において、点火時期制御部130は、ノック学習量AGKNKの値を規定の量だけ増加させる。なお、ステップS203では、ノック学習量AGKNKの値を規定の量だけ増加させるとともに、ノック制御量AKCSの値も同様に規定の量だけ増加させる。また、規定の量は「α」よりも小さい値とされている。こうしてステップS203において、ノック学習量AGKNKの値を更新した場合にも、点火時期制御部130は、この学習処理を一旦終了させる。
ステップS202において、ノック制御量AKCSの徐変値が「−α」以上であると判定した場合(ステップS202:NO)には、点火時期制御部130は、ノック学習量AGKNKの値の変更及びノック制御量AKCSの値の変更は行わず、そのまま学習処理を一旦終了させる。なお、この場合は、ノック制御量AKCSの徐変値が「−α」以上且つ「α」以下である。
図6に示されているように、こうした点火時期制御によれば、基本点火時期ABSEからの点火時期の遅角量である点火時期遅角量AKNKは、限界遅角量AKMAXを、ノック学習量AGKNKの値の分だけ減少させるように補正し、ノック制御量AKCSの値の分だけ増加させるように補正した量に設定される。上記のように、ノック制御量AKCSの値は、ノッキングの発生が確認されているときには増加し、確認されていないときには減少する。よって、基本点火時期ABSEから点火時期遅角量AKNKの分だけ遅角した点火時期である目標点火時期AOPは、ノッキングの発生が確認されるようになるまで、徐々に進角されていき、やがてその値は、ノッキングが発生するようになる点火時期の直前まで進角された点火時期に落ち着くようになる。また、ノック学習量AGKNKの値は、ノック制御量AKCSの絶対値が大きくなると、ノック制御量AKCSの絶対値を小さくするように、学習処理を通じて更新される。
なお、ノック制御量AKCSの値は、イグニッションスイッチが「OFF」になると「0」にリセットされるが、ノック学習量AGKNKの値は、イグニッションスイッチが「OFF」にされた後もメモリに記憶保持され、次の機関運転時における点火時期制御に引き継がれる。
ところで、進角側バルブタイミング制御を実行しているときには、遅角側バルブタイミング制御のように吸気バルブ9の閉弁時期を遅角側に設定しているときよりも実圧縮比が大きくなる。そのため、点火時期の遅角に対するトルクの感度が高くなり、点火時期制御を通じて点火時期遅角量AKNKが大きくなったときのトルクの低下量が大きくなる。
図7には、進角側バルブタイミング制御を実行しているときの点火時期遅角量AKNKとトルクの変化率との関係が実線で示されている。なお、図7では、点火時期遅角量AKNKが「0」のときのトルクを「1」としたトルク変化率を示している。また、図7には、遅角側バルブタイミング制御と同様に、進角側バルブタイミング制御を実行している場合よりも吸気バルブ9の閉弁時期を遅角側に設定した場合の点火時期遅角量AKNKとトルクの変化率との関係が、比較例として一点鎖線で示されている。
図7に示されているように、点火時期遅角量AKNKが小さいときには、一点鎖線で示されている比較例の場合のトルクは、実線で示されている進角側バルブタイミング制御を実行しているときのトルクよりも小さくなる。これは、吸気バルブ9の閉弁時期を遅角させていることにより、実圧縮比が小さくなっているためである。
しかし、実圧縮比が小さくなっている比較例の場合には、点火時期の遅角に対するトルクの感度が低いため、点火時期遅角量AKNKが大きくなったときのトルクの低下量が、進角側バルブタイミング制御を実行しているときのトルクの低下量よりも小さい。そのため、点火時期遅角量AKNKが大きくなっていくと、一点鎖線で示されている比較例の場合のトルクと、実線で示されている進角側バルブタイミング制御を実行しているときのトルクとの差は小さくなり、途中で逆転するようになる。
高負荷運転時には、進角側バルブタイミング制御を実行し、実圧縮比を大きくして、燃焼室2への空気の充填効率を高くすることが好ましい。しかし、実圧縮比が大きいときには、点火時期の遅角に対するトルクの感度が高くなるため、図7に示すように、点火時期遅角量AKNKが大きくなると、高負荷運転時であるにも拘わらずトルクが小さくなってしまうおそれがある。
そこで、ECU100では、図8に示されている可変動弁機構15の制御態様の切り替え処理を通じて、点火時期遅角量AKNKに応じて高負荷運転時の可変動弁機構15の制御態様を切り替えるようにしている。この制御態様の切り替え処理は、内燃機関1が始動され、図9及び図10に示されている一連の処理が実行される所定期間が経過した後、内燃機関1の運転中にECU100の動弁系制御部120により、規定の制御周期毎に繰り返し実行される。
この処理を開始すると、ECU100の動弁系制御部120は、まずステップS300において、スロットル開度が所定開度以上であるか否かを判定する。ここでは、スロットル開度が所定開度以上であるか否かを判定することにより、高負荷運転時であるか否かを確認する。したがって、判定閾値である所定開度は、スロットル開度が所定開度以上である場合に高負荷運転時であることを判定できる大きさの値に設定されている。例えば、所定開度は、全開を「100%」、全閉を「0%」とした場合に「50%」とされている。なお、低負荷運転時に遅角側バルブタイミング制御を実行しているときには、スロットル開度がこの所定開度以上になることはない。
ステップS300において、スロットル開度が所定開度よりも小さいと判定した場合(ステップS300:NO)、すなわち低負荷運転時には、動弁系制御部120は、処理をステップS304に進める。
そして、ステップS304において、動弁系制御部120は、可変動弁機構15の制御態様として遅角側バルブタイミング制御を選択する。こうして遅角側バルブタイミング制御を選択すると、動弁系制御部120は、この一連の処理を一旦終了させる。そして、動弁系制御部120は、吸気バルブ9の閉弁時期が進角側バルブタイミング制御の場合よりも遅角側になるように可変動弁機構15を制御する遅角側バルブタイミング制御を実行する。
一方、ステップS300において、スロットル開度が所定開度以上であると判定した場合(ステップS300:YES)、すなわち高負荷運転時には、動弁系制御部120は、処理をステップS301に進める。
そして、ステップS301において、動弁系制御部120は、点火時期遅角量AKNKが所定量A以上であるか否かを判定する。ここでの判定閾値である所定量Aは、図7に破線で示されている値のように、進角側バルブタイミング制御を実行している場合(実線)よりも吸気バルブ9の閉弁時期を遅角させた場合(一点鎖線)のトルクが大きくなる点火時期遅角量AKNKの値に設定されている。
ステップS301において、点火時期遅角量AKNKが所定量A以上であると判定した場合(ステップS301:YES)には、動弁系制御部120は、処理をステップS302に進める。
そして、動弁系制御部120は、ステップS302において、遅角履歴フラグを「ON」にする。なお、遅角履歴フラグは、初期状態では「OFF」になっている。遅角履歴フラグは、イグニッションスイッチが「OFF」にされた後もメモリに記憶保持され、次の機関運転時に引き継がれる。
ステップS302を通じて遅角履歴フラグを「ON」にすると、動弁系制御部120は処理をステップS303に進める。
一方、ステップS301において、点火時期遅角量AKNKが所定量Aよりも小さいと判定した場合(ステップS301:NO)には、動弁系制御部120は、ステップS302の処理を行わずに、処理をステップS303に進める。
ステップS303では、動弁系制御部120は、遅角履歴フラグが「ON」であるか否かを判定する。
ステップS303において、遅角履歴フラグが「OFF」であると判定した場合には(ステップS303:NO)、動弁系制御部120は、処理をステップS305に進める。
そして、ステップS305において、動弁系制御部120は、可変動弁機構15の制御態様として進角側バルブタイミング制御を選択する。こうして進角側バルブタイミング制御を選択すると、動弁系制御部120は、この一連の処理を一旦終了させる。そして、動弁系制御部120は、吸気バルブ9の閉弁時期が遅角側バルブタイミング制御の場合よりも進角側になるように可変動弁機構15を制御する進角側バルブタイミング制御を実行する。
このように、動弁系制御部120は、高負荷運転時であり、且つ遅角履歴フラグが「OFF」になっている場合には、進角側バルブタイミング制御を実行する。
一方で、ステップS303において、遅角履歴フラグが「ON」であると判定した場合には(ステップS303:YES)、動弁系制御部120は、処理をステップS304に進める。そして、ステップS304において、動弁系制御部120は、可変動弁機構15の制御態様として遅角側バルブタイミング制御を選択する。すなわち、動弁系制御部120は、点火時期遅角量AKNKが所定量A以上になり、遅角履歴フラグが「ON」にされた場合には、高負荷運転時であっても遅角側バルブタイミング制御を実行する。
これにより、動弁系制御部120は、点火時期遅角量AKNKが所定量A以上であるときには、吸気バルブ9の閉弁時期が、進角側バルブタイミング制御が選択されているときと比べて遅角側になるように、可変動弁機構15を制御することになる。
その結果、実圧縮比が小さくなるため、点火時期の遅角に対するトルクの感度を低下させることができる。そのため、このECU100によれば、点火時期制御を通じて点火時期が基本点火時期ABSEから大きく遅角されていることによってトルクが小さくなってしまうことを抑制することができる。
なお、図6に示されているように、点火時期遅角量AKNKは、機関回転速度や負荷に応じて算出される基本点火時期ABSEや限界遅角点火時期AKMFに応じて決まる限界遅角量AKMAXを、ノック学習量AGKNKとノック制御量AKCSとによって補正することによって算出される。そのため、点火時期遅角量AKNKは、機関回転速度や負荷に応じて変動することになる。したがって、ステップS301における判定結果をそのまま可変動弁機構15の制御態様の切り替えに反映させるようにした場合には、吸気バルブ9の閉弁時期の変更が繰り返され、ハンチングが生じてしまうおそれがある。すなわち、高負荷運転時における可変動弁機構15の制御態様が、遅角側バルブタイミング制御に一旦変更された後に、点火時期遅角量AKNKの変動に応じて可変動弁機構15の制御態様が、遅角側バルブタイミング制御と進角側バルブタイミング制御とを行ったり来たりしてしまう。
これに対して、このECU100では、動弁系制御部120は、ステップS301における判定結果を反映して設定される遅角履歴フラグの状態に応じて可変動弁機構15の制御態様を切り替える。これにより、このECU100では、点火時期遅角量AKNKが所定量A以上であると判定した後は、高負荷運転時における可変動弁機構15の制御では、点火時期遅角量AKNKの大きさに拘わらず、遅角側バルブタイミング制御が実行される。そのため、点火時期遅角量AKNKの変動に応じて吸気バルブ9の閉弁時期の変更が繰り返されるハンチングの発生を抑制することができる。
なお、内燃機関1が始動されてから所定期間が経過するまでの間、すなわち図9及び図10に示されている一連の処理が実行されており、図8を参照して説明した処理が行われていないときには、進角側バルブタイミング制御と同様に、遅角側バルブタイミング制御のように吸気バルブ9の閉弁時期を大きく遅角させることなく機関運転が行われる。
ところで、点火時期遅角量AKNKが所定量Aを超えるほど大きくなる状況は、ピストン6へのデポジットの堆積などによって徐々にノッキングが発生しやすくなることによって生じることが多い。
デポジットの堆積は、一旦進行すると解消しにくく、メンテナンスによってデポジットを除去したり、高負荷運転を長時間継続したりすることなどによって解消される。そのため、デポジットの堆積によってノッキングが発生しやすくなり、点火時期遅角量AKNKが所定量A以上になった場合には、その後もノッキングが発生しやすい状況が継続しやすい。
そこで、高負荷運転時における可変動弁機構15の制御態様が遅角側バルブタイミング制御に切り替えられた場合には、機関運転が終了され、次に機関運転が行われるようになったときにも、高負荷運転時に遅角側バルブタイミング制御を実行することが好ましい。
一方で、メンテナンスを実施したり、高負荷運転を長時間継続したりすることによってデポジットの堆積が解消された場合には、高負荷運転時の可変動弁機構15の制御態様を進角側バルブタイミング制御に戻すことが好ましい。
そのため、ECU100では、こうした事情にあわせて可変動弁機構15の制御態様を切り替えるため、図10に示されている遅角履歴フラグ更新処理を通じて機関始動時の点火時期遅角量AKNKの値を確認して遅角履歴フラグを更新するようにしている。
次に、図9及び図10を参照して、この機関始動から所定期間の間に行われる遅角履歴フラグの更新に係る処理について説明する。
ECU100は、内燃機関1を始動すると、メモリに記憶されている遅角履歴フラグの状態を確認する。なお、この遅角履歴フラグの状態を確認する処理は遅角履歴フラグが「ON」であるのか「OFF」であるのかが確認できるまで複数回、繰り返し実行される。
図9に示されている判定値変更処理は、機関始動後に遅角履歴フラグの状態が確認されたときにECU100の動弁系制御部120によって実行される。この処理を開始すると、動弁系制御部120は、まずステップS400において、遅角履歴フラグが「ON」であるか否かを判定する。
ステップS400において、遅角履歴フラグが「ON」であると判定した場合には(ステップS400:YES)、動弁系制御部120は、処理をステップS401へと進める。そして、ステップS401において、動弁系制御部120は、所定量Aから補正量Bを減算することによって算出された差を判定値Cとして設定する。
一方、ステップS400において、遅角履歴フラグが「OFF」であると判定した場合には(ステップS400:NO)、動弁系制御部120は、処理をステップS402へと進める。そして、ステップS402において、動弁系制御部120は、所定量Aをそのまま判定値Cとして設定する。
こうしてステップS401又はステップS402を通じて、判定値Cを設定すると、動弁系制御部120は、この処理を終了させる。
こうして判定値Cを設定する判定値変更処理が終了すると、動弁系制御部120は、図10に示される遅角履歴フラグ更新処理を開始する。この処理は、図9を参照して説明した判定値変更処理が終了した後、機関始動からの経過期間が所定期間に達するまでの間、繰り返し実行される。
この処理を開始すると、動弁系制御部120は、まずステップS500において、点火時期遅角量AKNKが判定値C以上であるか否かを判定する。
ステップS500において、点火時期遅角量AKNKが判定値C以上であると判定した場合(ステップS500:YES)には、動弁系制御部120は、処理をステップS501に進める。そして、動弁系制御部120は、ステップS501において、遅角履歴フラグを「ON」にする。
一方、ステップS500において、点火時期遅角量AKNKが判定値Cよりも小さいと判定した場合(ステップS500:NO)には、動弁系制御部120は、処理をステップS502に進める。そして、動弁系制御部120は、ステップS502において、遅角履歴フラグを「OFF」にする。
こうしてステップS501又はステップS502を実行すると、動弁系制御部120は、この処理を一旦終了させる。
このようにECU100では、機関始動から所定期間の間に、点火時期制御による点火時期遅角量AKNKが判定値C以上であるか否かを判定し、点火時期遅角量AKNKが判定値Cよりも小さいと判定された場合には、遅角履歴フラグを「OFF」に更新するようにしている。
そのため、メンテナンスの実施や、高負荷運転の長時間の継続などにより、デポジットの堆積が解消され、点火時期遅角量AKNKが小さくなっている場合には、高負荷運転時の可変動弁機構15の制御態様が進角側バルブタイミング制御に戻されるようになる。
なお、デポジットの堆積などによるノッキングの発生しやすさの変化は、長い時間をかけて徐々に進むものであり、図5を参照して説明した学習処理を通じてノック学習量AGKNKに反映される。そして、機関始動時にはノック制御量AKCSは「0」にリセットされているが、ノック学習量AGKNKは前回の機関運転時から引き継がれているため、機関始動時の点火時期遅角量AKNKはノック学習量AGKNKをそのまま反映させたものになる。このECU100では、こうしたデポジットの堆積などによるノッキングの発生のしやすさの変化がそのまま反映されている機関始動時の点火時期遅角量AKNKの大きさを確認して、遅角履歴フラグの更新を行うようにしている。
また、このECU100では、図9を参照して説明した判定値変更処理において、遅角履歴フラグが「ON」である場合には、判定値Cを、所定量Aから補正量Bを減算した差とするようにしている。これにより、遅角履歴フラグが「ON」である場合には、遅角履歴フラグが「OFF」である場合と比較して判定値Cが小さな値になる。そのため、遅角履歴フラグは「OFF」から「ON」には変更されやすいものの、「ON」から「OFF」には変更されにくくなる。
これにより、可変動弁機構15の制御態様の変更による高負荷運転時の機関出力特性の変化が頻繁に生じることを抑制することができる。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)点火時期制御を通じて点火時期が基本点火時期ABSEから大きく遅角されていることによってトルクが小さくなってしまうことを抑制することができる。
(2)高負荷運転時に、遅角側バルブタイミング制御が実行されるようになった後には、点火時期遅角量AKNKの大きさに拘わらず、高負荷運転時に、遅角側バルブタイミング制御が実行されるようになるため、吸気バルブ9の閉弁時期の変更が繰り返されるハンチングの発生を抑制することができる。
(3)機関始動から所定期間の間に、点火時期遅角量AKNKの大きさを確認して遅角履歴フラグを更新するようにしているため、デポジットの堆積が解消されるなどしてノッキングが起こりにくくなっているときには、高負荷運転時に再び進角側バルブタイミング制御を実行することができるようになる。
(4)前回の機関運転において高負荷運転時の可変動弁機構15の制御態様を遅角側バルブタイミング制御に変更した状態で機関運転が行われていた場合には、遅角履歴フラグ更新処理において遅角履歴フラグが「OFF」に変更されにくくなる。そのため、高負荷運転時の可変動弁機構15の制御態様が遅角側バルブタイミング制御に変更された状態が継続しやすくなり、可変動弁機構15の制御態様の変更による機関出力特性の変化が、機関運転の度に頻繁に生じることを抑制することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・可変動弁機構15としてバルブタイミング変更機構13とバルブリフト量変更機構14とを組み合わせたものを例示したが、可変動弁機構の構成はこうした構成に限定されるものではない。すなわち、可変動弁機構は吸気バルブ9の閉弁時期を変更可能なものであればよい。
・点火時期制御は、ノッキングの発生頻度が高いほど点火時期を遅角させるものであればよい。例えば、学習処理を行わないものであってもよい。また、図4に示す処理において、ノック制御量AKCSの増加量をノッキングの発生頻度によらず、強度のみに応じて変更するようにしたり、ノッキングの発生が確認される度に一定量ずつ変更するようにしたりしてもよい。この場合でも図4に示す一連の処理を繰り返し実行することで、ノッキングの発生頻度が高いほどノック制御量AKCSの増加が繰り返され、点火時期遅角量AKNKが大きくなる。
・機関始動から所定期間の間に、点火時期遅角量AKNKを確認して遅角履歴フラグを更新する例を示したが、これとは別のタイミングで遅角履歴フラグを更新するようにしてもよい。例えば、内燃機関1の運転中に定期的に図9及び図10の処理を実行して遅角履歴フラグを更新するようにしてもよい。
また、図9及び図10の処理のような、遅角履歴フラグの更新を行わない構成を採用することもできる。この場合にも、メンテナンスを行った場合に、遅角履歴フラグを「OFF」にリセットすることによって高負荷運転時の可変動弁機構の制御態様を進角側バルブタイミング制御に戻すことができる。
・図9を参照して示したような、遅角履歴フラグの状態に応じて判定値Cの大きさを変更する判定値変更処理を省略することもできる。
・図8を参照して説明した処理では、遅角履歴フラグを参照して高負荷運転時の可変動弁機構の制御態様を変更する構成を採用し、高負荷運転時の制御態様が遅角側バルブタイミング制御に変更された後は、高負荷運転時に点火時期遅角量AKNKの大きさによらず、遅角側バルブタイミング制御が選択され続けるようにしていた。これに対して、遅角履歴フラグを参照する構成を省略し、単純に点火時期遅角量AKNKの大きさに応じて高負荷運転時の可変動弁機構の制御態様を変更する構成を採用してもよい。例えば、図8におけるステップS302及びステップS303を省略し、ステップS301において点火時期遅角量AKNKが所定量A以上であると判定した場合にはステップS304へと処理を進め、ステップS301において点火時期遅角量AKNKが所定量Aよりも小さいと判定した場合にはステップS305へと処理を進めるようにしてもよい。
・可変動弁機構による吸気バルブ9の開閉時期の変更態様は、上記のように、遅角側バルブタイミング制御と、進角側バルブタイミング制御とを切り替えるものに限らない。閉弁時期を遅角させて実圧縮比を小さくするようにすれば、点火時期制御を通じて点火時期が基本点火時期ABSEから大きく遅角されていることによってトルクが小さくなってしまうことを抑制することができる。そのため、例えば、点火時期遅角量AKNKが所定量以上であるときに、吸気バルブ9の閉弁時期を遅角側に補正するといった構成を採用することもできる。
・点火時期遅角量AKNKが大きいときには、低負荷運転のときにも吸気バルブ9の閉弁時期を遅角させるようにしてもよい。要するに、高負荷運転であるか低負荷運転であるかに拘わらず、点火時期遅角量AKNKが所定量以上であるときには、点火時期遅角量AKNKが所定量よりも小さい場合よりも吸気バルブ9の閉弁時期を遅角させるようにしてもよい。この場合であっても、吸気バルブ9の閉弁時期を遅角させて実圧縮比を低下させ、点火時期の遅角に対するトルクの感度を低下させることになる。したがって、トルクが小さくなってしまうことを抑制することができる。
1…内燃機関、2…燃焼室、3…吸気通路、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、12…排気カムシャフト、13…バルブタイミング変更機構、14…バルブリフト量変更機構、15…可変動弁機構、27…アクセルペダル、28…アクセルポジションセンサ、29…スロットルバルブ、30…スロットルポジションセンサ、31…ノックセンサ、32…エアフロメータ、34…クランクポジションセンサ、35…カムポジションセンサ、37…駆動量検出センサ、100…ECU(電子制御ユニット)、110…スロットル制御部、120…動弁系制御部、130…点火時期制御部、140…燃料噴射量制御部。

Claims (1)

  1. 吸気バルブの閉弁時期を変更可能な可変動弁機構を備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であり、
    ノッキングの発生頻度が高いほど点火時期を遅角させる点火時期制御を行う点火時期制御部と、
    前記吸気バルブの閉弁時期を吸気下死点よりも遅角側で変更するように前記可変動弁機構を制御する動弁系制御部と、を備え、
    前記動弁系制御部は、基本点火時期からの点火時期の遅角量が所定量以上であるときには、前記吸気バルブの閉弁時期が、前記遅角量が前記所定量よりも小さいときと比べて遅角側になるように前記可変動弁機構を制御する
    内燃機関の制御装置。
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