JP2013083188A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】冷間運転時における出力トルクの不要な低下の抑制とノッキング発生の抑制との好適な両立を図ることのできる内燃機関の点火時期制御装置を提供する。
【解決手段】この装置は、機関回転速度NEおよび機関負荷KLに基づいて出力トルクおよび燃料消費率が最良になるMBT点火時期(S200)とノッキング発生を抑制し得る限界の点火時期であるノック点火時期(S203)とを各別に算出する。各点火時期のうちの遅角側の値をベース点火時期Abseとして設定する(S206)。温度補正制御では、MBT点火時期を進角補正するMBT補正量Km(S201)とノック点火時期を進角補正するノック補正量Kk(S204)とをそれぞれ冷却水温度THWが高いときと比較して同温度THWが低いときに大きくなる値を算出する。ノック補正量Kkとしては機関回転速度NEが低いときと比較して同速度NEが高いときに小さくなる値を算出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の運転状態に応じて点火時期を制御する内燃機関の点火時期制御装置に関するものである。
周知のように、内燃機関の点火時期を変更すると、同内燃機関の出力トルクやノッキングの発生状態などが変化する。そのため、ノッキングの発生を抑えながら効率良く出力トルクを発生させるべく、内燃機関の運転状態に応じて点火時期を制御する点火時期制御を実行することが多用されている。
内燃機関の温度が低いとき(冷間運転時)には、燃焼室内における燃料の燃焼状態が悪くなるため、出力トルクの不要な低下や燃料消費率の不要な低下を招き易くなる。特許文献1に記載の装置のように、そうした冷間運転時において内燃機関の点火時期を、より効率よく出力トルクが発生するようになる進角側の時期に補正する温度補正制御を実行するものがある。
ここで内燃機関の特性上、温度補正制御を通じて点火時期を進角補正すると、燃焼室内部のピーク圧力が高くなってしまうために、ノッキングが発生し易くなってしまう。そのため特許文献1には、ノッキングの生じ易い内燃機関の高回転高負荷領域において点火時期の進角補正を禁止することが提案されている。こうした装置によれば、内燃機関の冷間運転時における出力トルクの不要な低下抑制とノッキング発生の抑制との両立が図られるようになる。
特開昭63−302175号公報
上述した特許文献1に記載の装置では、ノッキングの発生を抑えるためとはいえ、高負荷高回転領域において点火時期の進角補正が禁止されるために、その分だけ出力トルクの不要な低下を招いてしまう。これは内燃機関の出力性能や燃費性能の向上を妨げる一因となるために好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷間運転時における出力トルクの不要な低下の抑制とノッキング発生の抑制との好適な両立を図ることのできる内燃機関の点火時期制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の装置では、機関運転状態に応じて点火時期を制御する点火時期制御と、機関温度が低いときに同温度が高いときと比較して点火時期を進角側の時期に補正する温度補正制御とが実行される。点火時期制御では、機関回転速度および機関負荷に基づいて内燃機関の出力トルクおよび燃料消費率が最良になる第1点火時期とノッキングの発生を抑制し得る限界の点火時期である第2点火時期とが各別に算出されるとともに、それら第1点火時期および第2点火時期のうちの遅角側の値に基づいて目標点火時期が設定される。これにより目標点火時期として、第2点火時期を進角側の限界とする範囲において第1点火時期に近い時期、言い換えればノッキングの発生が抑えられる条件の下で内燃機関の出力トルクおよび燃料消費率が最良になる点火時期(いわゆるMBT)に近い時期を設定することができるようになる。
また請求項1に記載の装置では、その温度補正制御を通じて、第1点火時期を進角補正する第1補正量および第2点火時期を進角補正する第2補正量としてそれぞれ、機関温度が高いときと比較して同温度が低いときに大きくなる値が算出される。しかも第2補正量としては、機関回転速度が低いときと比較して同速度が高いときに小さくなる値が算出される。
そのため、内燃機関の低回転運転領域においては、燃料の燃焼状態の悪化に起因する出力トルクの不要な低下を抑えるべく、そのときどきの機関温度に見合う補正態様で第1点火時期および第2点火時期をそれぞれ進角補正するとともに、それら進角補正した点火時期のうちの遅角側の値に基づいて目標点火時期を設定することができる。内燃機関の低回転運転領域は、そもそもノッキングが発生しにくい運転領域であるために、上述のように第1点火時期や第2点火時期を進角補正したところで、ノッキングの発生は適正に抑えられる。このように内燃機関の低回転運転領域においては、温度補正制御による点火時期の進角補正を何ら制限することなく実行することができ、ノッキングの発生を抑えつつ内燃機関の冷間運転時における出力トルクの不要な低下を好適に抑えることができる。
またノッキングが発生し易い高回転運転領域においては、第1点火時期の進角補正をそのときどきの機関温度に見合う補正態様で実行する一方で、第2点火時期の進角補正をその補正量を低回転運転領域と比較して小さく抑えた状態で実行するといったように、各点火時期に対する進角補正を異なる態様で行うことができる。
そのため、ノッキングの発生を抑制し得る限界の点火時期である第2点火時期に基づき目標点火時期が設定される場合、すなわち点火時期を進角補正するとノッキングの発生を招き易くなる場合には、目標点火時期(詳しくは、第2点火時期)に反映される補正量を比較的小さい上記第2補正量とすることができる。この場合には、内燃機関の出力トルクの低下を招くようになるもののノッキング発生に伴う悪影響を重視して第2点火時期に反映される進角補正量を小さく抑えることにより、ノッキングの発生を好適に抑えることができるようになる。
しかも、内燃機関の出力トルクおよび燃料消費率が最良になる第1点火時期に基づき目標点火時期が設定される場合、すなわち若干量であれば点火時期を進角補正してもノッキングの発生が問題にならない場合には、目標点火時期(詳しくは、第1点火時期)に反映される補正量を、そのときどきの機関温度に見合う補正量であって比較的大きい上記第1補正量とすることができる。したがって、この場合にはノッキング発生を適正に抑えつつ目標点火時期を十分に進角補正することができ、内燃機関の出力トルクの不要な低下を好適に抑えることができる。
このように上記装置によれば、内燃機関の高回転運転領域において、ノッキング発生に対する影響が小さい第1点火時期の進角補正量を大きくする一方で同影響が大きい第2点火時期の進角補正量を小さくすることができるため、内燃機関の冷間運転時における出力トルクの不要な低下の抑制とノッキング発生の抑制との好適な両立を図ることができる。
請求項2に記載の装置では、温度補正制御における第2補正量として、機関回転速度が高いときに「0」が算出される。そのため、内燃機関の高回転運転領域においてノッキングの発生を抑制し得る限界の点火時期である第2点火時期に基づき目標点火時期が設定される場合に、温度補正制御を通じた同目標点火時期(詳しくは、第2点火時期)の進角補正を禁止することができる。これにより、目標点火時期が過度に進角側の時期になることを的確に抑えることができるため、ノッキングの発生をより好適に抑えることができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関の点火時期制御装置の概略構成を示す略図。 点火時期制御処理の実行手順を示すフローチャート。 ベース点火時期設定処理の実行手順を示すフローチャート。 冷却水温度とMBT補正量との関係を示す略図。 冷却水温度と機関回転速度とノック補正量の関係を示す略図。
以下、本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関の点火時期制御装置について説明する。
ここでは先ず、本実施の形態にかかる内燃機関の点火時期制御装置の概略構成について説明する。
図1に示すように、内燃機関11のシリンダ12内にはピストン13が往復移動可能に設けられている。このピストン13は、コネクティングロッド14を介して内燃機関11の出力軸であるクランクシャフト15に連結されている。
内燃機関11の吸気通路18にはスロットルバルブ19が設けられている。このスロットルバルブ19の開度の変更を通じて、吸気通路18を介して内燃機関11の燃焼室17内に吸入される空気の量(吸入空気量GA)が調節される。また内燃機関11の吸気通路18には燃料噴射弁20が設けられている。
内燃機関11の運転に際しては、スロットルバルブ19の開度の変更を通じて調量された吸入空気と燃料噴射弁20から噴射された燃料とからなる混合気が燃焼室17内に形成される。そして、その混合気に対して点火プラグ23による点火が行われると、混合気が燃焼してピストン13が往復移動するとともにクランクシャフト15が回転するようになる。燃焼後の混合気は排気として内燃機関11の燃焼室17から排気通路24に送り出される。
本実施の形態にかかる点火時期制御装置は、内燃機関11の運転のための各種制御を実行する電子制御ユニット30を備えている。この電子制御ユニット30は、各種制御に関係する各種の演算処理を実行する中央処理装置(CPU)、その演算に必要なプログラムやデータが記憶された不揮発性メモリ(ROM)、CPUの演算結果が一時的に記憶される揮発性メモリ(RAM)、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えている。
電子制御ユニット30の入力ポートには各種センサが接続されている。そうしたセンサとしては、例えば内燃機関11の振動の強度を検出するためのノックセンサ32や、吸入空気量GAを検出するための空気量センサ33が設けられている。その他、クランクシャフト15の回転速度(機関回転速度NE)および回転角(クランク角「°CA」)を検出するためのクランクセンサ34や、内燃機関11の冷却水の温度THWを検出するための水温センサ35なども設けられている。
電子制御ユニット30は、各種センサ類の出力信号に基づいて機関回転速度NEや吸入空気量GAなどといった内燃機関11の運転状態を把握するとともに、その運転状態に応じたかたちで出力ポートに接続された各種の駆動回路に指令信号を出力する。本実施の形態にかかる装置では、この電子制御ユニット30によって内燃機関11の点火時期制御などといった各種制御が実行される。
以下、本実施の形態にかかる点火時期制御について説明する。
図2は点火時期制御にかかる処理(点火時期制御処理)の具体的な実行手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の割り込み処理として、電子制御ユニット30により実行される。
図2に示すように、この処理では先ず、点火時期についての制御基本値(ベース点火時期Abse)を設定する処理(ベース点火時期設定処理)が実行される(ステップS100)。なお、このベース点火時期設定処理の実行態様については後に詳述する。
その後、ノックセンサ32により検出される内燃機関11の振動強度に基づいてノッキングが発生しているか否かが判断される(ステップS101)。ここでは、ノックセンサ32により検出された内燃機関11の振動強度が予め定められたノック判定レベルVKDより大きいことをもってノッキングが発生していると判断される。
そして、ノッキングが発生している場合には(ステップS101:YES)、ノック制御量AKCSが所定値A1(例えば、0.4°CA)だけ加算・更新される(ステップS102)。なお、「°CA」はクランク角を表わしている。一方、上記振動強度がノック判定レベルVKD以下であるためにノッキングが発生していないと判断される場合には(ステップS101:NO)、ノック制御量AKCSが所定値A2(例えば、0.01°CA)だけ減算・更新される(ステップS103)。このノック制御量AKCSは、現在の内燃機関11のノッキング発生状況に応じてその大きさが変化する量となる。具体的には、内燃機関11にノッキングが生じているときには点火時期についての制御目標値(目標点火時期Acal)が遅角側の時期になる値にノック制御量AKCSが変更される。これとは逆に、ノッキングが生じていないときには、目標点火時期Acalが進角側の時期になる値にノック制御量AKCSが設定される。
その後、ノック学習値AGKNKを更新する処理が実行される。すなわち先ず、上記ノック制御量AKCSが所定値A3(例えば、2.5°CA)よりも大きいか否かが判断される(ステップS104)。そして、所定値A3よりも大きいと判断される場合には(ステップS104:YES)、ノック学習値AGKNKが所定値A5(例えば、0.5°CA)だけ減算・更新される(ステップS105)。一方、ノック制御量AKCSが所定値A3以下であると判断される場合には(ステップS104:NO)、更に同ノック制御量AKCSが所定値A4(例えば、0.5°CA)よりも小さいか否かが判定される(ステップS106)。そして、所定値A4よりも小さいと判断される場合には(ステップS106:YES)、ノック学習値AGKNKが所定値A6(例えば、0.5°CA)だけ加算・更新される(ステップS107)。他方、ノック制御量AKCSが所定値A3以下であって、且つ所定値A4以上であると判断される場合には(ステップS104:NO、およびステップS106:NO)、ノック学習値AGKNKを更新することなく次の処理に移行する。こうした学習処理の実行を通じてノック学習値AGKNKは、ノックキングが頻繁に発生する傾向がある場合には相対的に小さい値が設定される一方、ノッキングの発生頻度が低い場合には相対的に大きい値が設定される。
このようにノック学習値AGKNKが算出された後、ノッキングの発生状況に基づくノック遅角反映量AKNKの算出が実行される。すなわち先ず、機関回転速度NEおよび機関負荷KL(本実施の形態では[吸入空気量GA/機関回転速度NE])に基づいてノック遅角反映量AKNKの制御限界となる限界遅角値Akmfが算出される(ステップS108)。その後、関係式[Akmax=Akmf−Abse]のように、ベース点火時期Abseと限界遅角値Akmfとの差分が限界遅角量Akmaxとして算出される(ステップS109)。そして、この限界遅角量Akmax、上記ノック学習値AGKNK、およびノック制御量AKCSに基づいて関係式[AKNK=Akmax−AGKNK+AKCS]から、ノック遅角反映量AKNKが算出される(ステップS110)。
その後、目標点火時期Acalが、関係式[Acal=Abse+AKNK]のように上記ベース点火時期Abseを上記ノック遅角反映量AKNKに基づいて遅角補正することによって設定される(ステップS111)。
このようにしてノック制御量AKCSおよびノック学習値AGKNKを反映させた値が目標点火時期Acalとして設定された後、本処理が一旦終了される。
そして、上記電子制御ユニット30は、上述した一連の処理とは別の処理において、点火プラグ23による点火時期がこの目標点火時期Acalと一致するように同点火プラグ23の作動を制御する。
ここで、内燃機関11の温度が低いとき(冷間運転時)には、燃焼室17内における燃料の燃焼状態が悪くなるため、出力トルクの不要な低下や燃料消費率の不要な低下を招き易くなる。本実施の形態では、そうした冷間運転時においてより効率よく出力トルクが発生するようになる進角側の時期に内燃機関11の点火時期を補正する温度補正制御を実行するようにしている。
ただし、内燃機関11の特性上、温度補正制御を通じて点火時期を進角補正すると、燃焼室17内部のピーク圧力が高くなってノッキングが発生し易くなってしまう。また、そうしたノッキングの発生を抑えるべく、温度補正制御を通じた点火時期の進角補正を制限すると、その分だけ出力トルクの不要な低下を招いてしまう。
こうした実情をふまえて、本実施の形態では、内燃機関11の冷間運転時における出力トルクの不要な低下抑制とノッキング発生の抑制との両立を図るべく、点火時期制御を以下のように実行するようにしている。
図3に、上記温度補正制御にかかる処理を含む前述したベース点火時期設定処理(図2のステップS100の処理)の詳細な実行手順を示す。
同図3に示すように、この処理では先ず、機関回転速度NEおよび機関負荷KLに基づいてマップからMBT点火時期が算出される(ステップS200)。なお本実施の形態では、機関回転速度NEと機関負荷KLとMBT点火時期(内燃機関11の出力トルクおよび燃料消費率が最良になる点火時期、いわゆるMBT)との関係が各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて、同関係が上記マップとして電子制御ユニット30に記憶されている。本実施の形態では、MBT点火時期が第1点火時期として機能する。
その後、上記MBT点火時期を進角補正する第1補正量としてのMBT補正量Kmが冷却水温度THWに基づき算出されるとともに(ステップS201)、同MBT補正量Kmを加算することによってMBT点火時期が進角補正される(ステップS202)。図4に示すように、MBT補正量Kmとしては、冷却水温度THWが低いときほど大きくなる値、すなわちMBT点火時期を大きく進角させるようになる値が算出される。なお、冷却水温度THWが所定温度以上になる場合にはMBT補正量Kmとして「0」が算出される。内燃機関11の温度が低いときほど燃焼室17内における燃料の燃焼状態が悪くなるために、本実施の形態では、そうした傾向に合わせて冷却水温度THWが低いときほど上記MBT補正量Kmとして大きい値が算出される。
また、機関回転速度NEおよび機関負荷KLに基づいてマップからノック点火時期が算出される(図3のステップS203)。なお本実施の形態では、機関回転速度NEと機関負荷KLとノック点火時期(ノッキングの発生を抑制し得る限界の点火時期)との関係が各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて、同関係が上記マップとして電子制御ユニット30に記憶されている。本実施の形態では、ノック点火時期が第2点火時期として機能する。
その後、ノック点火時期を進角補正する第2補正量としてのノック補正量Kkが冷却水温度THWおよび機関回転速度NEに基づき算出されるとともに(ステップS204)、同ノック補正量Kkを加算することによってノック点火時期が進角補正される(ステップS205)。図5に示すように、ノック補正量Kkとしては、冷却水温度THWが低いときほど大きくなる値、すなわちノック点火時期を大きく進角させるようになる値が算出される。またノック補正量Kkとしては、機関回転速度NEが高い領域ほど小さくなる値が算出される。なお、冷却水温度THWが所定温度以上になる領域や機関回転速度NEが所定速度以上になる領域(図中に斜線で示す領域)では、ノック補正量Kkとして「0」が算出される。本実施の形態では、内燃機関11の温度が低いときほど燃焼室17内における燃料の燃焼状態が悪くなるといった傾向に合わせて、冷却水温度THWが低いときほど上記ノック補正量Kkとして大きい値が算出される。また、機関回転速度NEが高い運転領域においては、ノッキングが発生し易くなるために、ノック点火時期を進角補正するための上記ノック補正量Kkとして「0」が算出される。
そして、MBT補正量Kmによる補正後のMBT点火時期とノック補正量Kkによる補正後のノック点火時期とのうちの遅角側の値が選択されるとともに、その選択された値がベース点火時期Abseとして設定された後(図3のステップS206)、本処理は一旦終了される。
以下、こうしたベース点火時期算出処理を含む点火時期制御処理を実行することによる作用効果について説明する。
先ず、本実施の形態の装置では、機関回転速度NEおよび機関負荷KLに基づいてMBT点火時期およびノック点火時期が各別に算出されるとともに、それらMBT点火時期およびノック2点火時期のうちの遅角側の値がベース点火時期Abseとして設定される。そして、このベース点火時期Abseに基づいて目標点火時期Acalが算出される。そのため、目標点火時期Acalとして、ノック点火時期を進角側の限界とする範囲においてMBT点火時期に近い時期、言い換えればノッキングの発生が抑えられる条件の下で内燃機関11の出力トルクおよび燃料消費率が最良になる点火時期(いわゆるMBT)に近い時期を設定することができるようになる。
また、MBT点火時期を進角補正するMBT補正量Kmおよびノック点火時期を進角補正するノック補正量Kkとしてそれぞれ、内燃機関11の温度(詳しくは、その指標となる冷却水温度THW)が高いときと比較して同温度が低いときに大きくなる値が算出される。しかもノック補正量Kkとして、機関回転速度NEが高いときには「0」が設定される。なおMBT補正量Kmについては、機関回転速度NEに応じて変更する構成は採用されない。
そのため、内燃機関11の低回転運転領域においては、燃料の燃焼状態の悪化に起因する出力トルクの不要な低下を抑えるべく、そのときどきの冷却水温度THWに見合う補正態様でMBT点火時期およびノック点火時期をそれぞれ進角補正するとともに、それら点火時期のうちの遅角側の値に基づいて目標点火時期Acalを設定することができる。
内燃機関11の低回転運転領域は、そもそもノッキングが発生しにくい運転領域であるために、MBT補正量KmによってMBT点火時期を進角補正したりノック補正量Kkによってノック点火時期を進角補正したところで、ノッキングの発生は適正に抑えられる。本実施の形態では、こうした内燃機関11の低回転運転領域において、温度補正制御による点火時期の進角補正を何ら制限することなく実行することができるため、ノッキングの発生を抑えつつ内燃機関11の冷間運転時における出力トルクの不要な低下を好適に抑えることができる。
またノッキングが発生し易い内燃機関11の高回転運転領域においては、MBT点火時期の進角補正をそのときどきの冷却水温度THWに見合う補正態様で実行する一方で、ノック点火時期の進角補正量を「0」にするといったように、各点火時期に対する進角補正を異なる態様で行うことができる。すなわち、MBT点火時期が冷却水温度THWに見合う補正態様であって燃料の燃焼状態が十分に改善されるようになる補正態様で進角補正されるのに対して、ノック点火時期についての進角補正が禁止される。
これにより、ノック点火時期がベース点火時期Abseとして選択されるとともに同ベース点火時期Abseに基づき目標点火時期Acalが設定される場合、すなわち点火時期を進角補正するとノッキングの発生を招き易くなる場合には、目標点火時期Acal(詳しくは、ノック点火時期)の進角補正が禁止されるようになる。この場合には、内燃機関11の出力トルクの低下を招くようになるものの、ノッキング発生に伴う悪影響を重視して温度補正制御を通じた目標点火時期Acalの進角補正を禁止することにより、ノッキングの発生が好適に抑えられるようになる。
しかも、MBT点火時期がベース点火時期Abseとして選択されるとともに同ベース点火時期Abseに基づき目標点火時期Acalが設定される場合には、目標点火時期Acal(詳しくは、MBT点火時期)に反映される補正量が比較的大きいMBT補正量Kmになる。このとき若干量であれば点火時期を進角補正してもノッキングの発生が問題にならないとして、燃焼室17内における燃料の燃焼状態の悪化による影響を重視して、目標点火時期Acal(詳しくは、MBT点火時期)を冷却水温度THWに見合う補正量をもって進角補正することができる。したがって、この場合にはノッキング発生を適正に抑えつつ、目標点火時期Acalを十分に進角補正することによって内燃機関11の出力トルクの不要な低下を好適に抑えることができる。
このように本実施の形態によれば、そのときどきにおけるMBT点火時期とノック点火時期との関係に基づいてノッキング発生に対する進角補正の影響を的確に把握することができる。そのため、内燃機関11の各運転状態において出力トルクの不要な低下とノッキング発生とを共に抑制するうえで望ましい時期を目標点火時期Acalとして設定することができる。具体的には、内燃機関11の高回転運転領域において、ノッキング発生に対する影響が小さいMBT点火時期の進角補正量を大きくする一方で同影響が大きいノック点火時期の進角補正量を小さくすることができる。そして、これにより内燃機関11の冷間運転時における出力トルクの不要な低下の抑制とノッキング発生の抑制との好適な両立を図ることができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・MBT補正量Kmやノック補正量Kkの算出に用いる算出パラメータとして冷却水温度THWを採用することに代えて、例えば潤滑油の温度など、内燃機関11の温度の指標値であれば任意の温度を採用することができる。また、内燃機関11の温度を検出する温度センサを新たに設けるとともに、同センサにより検出される内燃機関11の温度を上記算出パラメータとして採用することもできる。
・上記実施の形態では、内燃機関11の高回転運転領域におけるノック補正量Kkとして「0」を設定するようにしたが、同ノック補正量Kkとして、ごく小さい値を算出するなど、機関回転速度NEが低いときと比較して同機関回転速度NEが高いときに小さくなる値を算出するようにしてもよい。こうした構成によれば、ノック点火時期がベース点火時期Abseとして選択されるとともに同ベース点火時期Abseに基づき目標点火時期Acalが設定される場合、すなわち点火時期を進角補正するとノッキングの発生を招き易くなる場合には、目標点火時期Acalに反映される補正量を比較的小さい上記ノック補正量Kkとすることができる。この場合には、内燃機関11の出力トルクの低下を招くようになるものの、ノッキング発生に伴う悪影響を重視して目標点火時期Acalに反映される進角補正量を小さく抑えることにより、ノッキングの発生を好適に抑えることができるようになる。
・上記実施の形態の装置は、MBT補正量Kmやノック補正量KkによってMBT点火時期やノック点火時期を補正することに加えて、それらMBT補正量Kmやノック補正量Kk以外の補正項(吸気温度についての補正項など)によってMBT点火時期やノック点火時期を補正する装置にも適用することができる。また、ベース点火時期Abseをノック遅角反映量AKNKによって補正することに加えて、ノック遅角反映量AKNK以外の何らかの補正項(吸気温度についての補正項など)によって補正して目標点火時期Acalを算出する装置にも、上記実施の形態の装置は適用可能である。
・ノッキングの発生状況に応じて更新されて目標点火時期Acalの算出に用いられる補正量(上記実施の形態では、ノック遅角反映量AKNK)の算出方法は、任意に変更することができる。
11…内燃機関、12…シリンダ、13…ピストン、14…コネクティングロッド、15…クランクシャフト、17…燃焼室、18…吸気通路、19…スロットルバルブ、20…燃料噴射弁、23…点火プラグ、24…排気通路、30…電子制御ユニット、32…ノックセンサ、33…空気量センサ、34…クランクセンサ、35…水温センサ。

Claims (2)

  1. 機関運転状態に応じて点火時期を制御する点火時期制御と、機関温度が低いときに同温度が高いときと比較して点火時期を進角側の時期に補正する温度補正制御とを実行する内燃機関の点火時期制御装置において、
    当該装置は、
    前記点火時期制御を、機関回転速度および機関負荷に基づいて前記内燃機関の出力トルクおよび燃料消費率が最良になる第1点火時期とノッキングの発生を抑制し得る限界の点火時期である第2点火時期とを各別に算出するとともに、それら第1点火時期および第2点火時期のうちの遅角側の値に基づき目標点火時期を設定するといったように実行し、
    前記温度補正制御を、前記第1点火時期を進角補正する第1補正量と前記第2点火時期を進角補正する第2補正量とをそれぞれ機関温度が高いときと比較して同温度が低いときに大きくなる値を算出するとともに、前記第2補正量として機関回転速度が低いときと比較して同速度が高いときに小さくなる値を算出するといったように実行する
    内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置において、
    当該装置は、前記第2補正量として、機関回転速度が高いときには「0」を算出する
    ことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015203318A (ja) * 2014-04-11 2015-11-16 三菱重工業株式会社 内燃機関システム
US11365685B2 (en) * 2020-02-20 2022-06-21 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for a series gap igniter with a passive prechamber

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