JP2006097503A - 可変気筒内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 全筒運転と減筒運転とを選択的に行う可変気筒内燃機関において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられるときに、トルクショックの発生を抑制すると共にノッキングの発生をも抑制する。
【解決手段】 気筒2A、2Bに吸入される空気の量GAが多くなると点火時期を遅角する点火時期制御を行う点火時期制御装置において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられてから予め定められた期間αが経過するまでの間、点火時期が上記点火時期制御によって設定される点火時期よりも進角せしめられる。
【選択図】 図5
【解決手段】 気筒2A、2Bに吸入される空気の量GAが多くなると点火時期を遅角する点火時期制御を行う点火時期制御装置において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられてから予め定められた期間αが経過するまでの間、点火時期が上記点火時期制御によって設定される点火時期よりも進角せしめられる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、可変気筒内燃機関の点火時期制御装置に関する。
特許文献1に、複数の気筒全てにおいて燃焼を行わせるいわゆる全筒運転と幾つかの気筒においてのみ燃焼を行わせるいわゆる減筒運転とを選択的に行う可変気筒内燃機関が開示されている。こうした内燃機関において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられて稼動気筒(燃焼が行われる気筒)の数が減ったときに、各稼動気筒へ吸入される空気の量が全筒運転時と減筒運転時とで同じであると、内燃機関の出力トルク(以下単に「トルク」という)が急激に低下してしまう。こうしたトルクの急激な減少を抑制するためには、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに、稼動気筒に吸入される空気の量を多くする必要がある。
ところが、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに稼動気筒に吸入される空気の量(以下「稼動気筒への吸気量」という)を多くしようとしても、稼動気筒への吸気量は即座には多くならない。このため、このとき、少なからず、トルクの急減な減少が生じてしまう。そこで、特許文献1記載の内燃機関では、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられる前に、ISCバルブ(アイドルスピードコントロールバルブ)を開いて各稼動気筒への吸気量を増量しておくと共に、この吸気量の増量に伴うトルクの増大を抑制するために、点火栓による点火タイミング(以下単に「点火タイミング」という)を通常のタイミングよりも遅くするようにしている(一般的に、点火タイミングが遅くなると、トルクが小さくなる)。
これによれば、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたとき、稼動気筒への吸気量が既に増量せしめられている。したがって、このとき、点火タイミングを通常のタイミングに戻すことにより、各稼動気筒から出力されるトルクが即座に増大するので、トルクの急激な減少が抑制されることになる。
ところで、筒内温度(気筒内の温度)が高くなると、気筒内でノッキングが発生しやすくなることが知られている。一方、可変気筒内燃機関において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられると、上述したように、各稼動気筒への吸気量が増量せしめられるので、稼動気筒の筒内温度が高くなる。すなわち、特許文献1記載の内燃機関において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたとき、稼動気筒の筒内温度が高くなり、稼動気筒でノッキングが発生しやすくなる。しかしながら、同文献1では、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられるときのトルクショックの発生(トルクの急激な減少)を抑制することは考慮されているが、このときの稼動気筒内でのノッキングの発生を抑制することは何ら考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、全筒運転と減筒運転とを選択的に行う可変気筒内燃機関において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられるときに、トルクショックの発生を抑制すると共にノッキングの発生をも抑制することにある。
上記課題を解決するために、1番目の発明では、全筒運転と減筒運転とを選択的に行う可変気筒内燃機関の点火時期制御装置であって、気筒に吸入される空気の量が多くなると点火時期を遅角する点火時期制御を行う点火時期制御装置において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられてから予め定められた期間が経過するまでの間、点火時期が上記点火時期制御によって設定される点火時期よりも進角せしめられる。
2番目の発明では、1番目の発明において、上記予め定められた期間が経過するまでの間、点火時期が進角せしめられる量が稼動気筒内の温度に基づいて決定される。
3番目の発明では、1または2番目の発明において、減筒運転時の休止気筒が複数であり、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられるとき、休止気筒となるべき気筒における燃焼が順次停止される。
気筒に吸入される空気の量が多いと、一般的には、その気筒に供給される燃料の量も多く、したがって、その気筒内の温度が高いと言える。そして、気筒内の温度が高いと、ノッキングが発生しやすい。本発明によれば、通常、気筒に吸入される空気の量が多いと、点火時期が遅角せしめられる(一般的に、点火時期が遅角せしめられると、ノッキングが発生しづらくなる)ので、ノッキングの発生が抑制される。
一方、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときには、稼動気筒の数が減ることから、内燃機関全体で出力トルクを確保するために、一般的には、稼動気筒に吸入される空気の量が増量せしめられる。ここで、上述したような通常の点火時期制御、すなわち、気筒に吸入される空気の量が多いと点火時期を遅角せしめる点火時期制御が行われると、ノッキングの発生を過剰に抑制することになってしまう。
すなわち、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときには、各稼動気筒に吸入される空気の量が比較的大きく増量せしめられるが、切り換え直後の稼動気筒内の温度は、この稼動気筒に吸入される空気量が増大するほどには高くならない。ここで、上述したような通常の点火時期制御が行われると、稼動気筒内の温度がさほど高くなく、ノッキングが発生する虞もさほどないにも係わらず、点火時期が遅角せしめられてしまうことになる。
ところが、本発明によれば、このとき、上述したような通常の点火時期制御によって設定される遅角せしめられた点火時期よりも進角せしめられる。これによれば、点火時期が過剰に遅角せしめられてしまうことが回避される。もちろん、このとき、ノッキングの発生も抑制されている。さらに、これによれば、各稼動気筒から出力されるトルクが大きくなる(一般的に、点火時期を進角すると、トルクが大きくなる)ことから、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられるときにトルクショックが発生することも抑制される(機関運転が全筒運転が減筒運転に切り換えられると稼動気筒の数が減るので、内燃機関全体として、出力トルクが小さくなる傾向にある)。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明が適用される可変気筒内燃機関を示している。図1に示されているように、本実施形態の内燃機関は、複数の気筒2Aからなる第1気筒群1Aと、複数の気筒2Bからなる第2気筒群2Aとを有する。第1気筒群1Aの各気筒2Aには、それぞれ対応する吸気枝管(以下「第1吸気枝管」という)3Aが接続されている。一方、第2気筒群1Bの各気筒2Bにも、それぞれ対応する吸気枝管(以下「第2吸気枝管」という)3Bが接続されている。
これら第1吸気枝管3Aと第2吸気枝管3Bとは、共通の1つの吸気管4に接続されている。また、吸気管4は、サージタンク5に接続されている。さらに、サージタンク5上流の吸気管6内には、スロットル弁7が配置されている。スロットル弁7の開度を制御することによって、各気筒2A、2Bへ吸入される空気の量(以下「吸気量」ともいう)を制御することができる。
また、第1気筒群1Aの各気筒2Aには、それぞれ対応する排気枝管(以下「第1排気枝管」という)8Aも接続されている。一方、第2気筒群1Bの各気筒2Bにも、それぞれ対応する排気枝管(以下「第2排気枝管」という)8Bも接続されている。これら第1排気枝管8Aと第2排気枝管8Bとは、それぞれ対応する排気管9A、9Bを介して共通の1つの排気管10に接続されている。
一方、図2は、図1の内燃機関の気筒の1つを示している。図2において、11はシリンダヘッド、12はシリンダブロック、13はピストン、14は燃焼室(気筒)、15は吸気弁、16は吸気ポート、17は排気弁、18は排気ポート、19は燃料噴射弁、20は点火栓をそれぞれ示している。吸気弁15には、該吸気弁15を開閉弁させる駆動装置(以下「吸気弁用駆動装置」という)21が取り付けられている。この吸気弁用駆動装置21は、吸気弁15を自由なタイミングで開弁させたり閉弁させたりすることができる。一方、排気弁17には、該排気弁17を開閉弁させる駆動装置(以下「排気弁用駆動装置」という)22が取り付けられている。この排気弁用駆動装置22も、排気弁17を自由なタイミングで開弁させたり閉弁させたりすることができる。
ところで、本実施形態では、図3のマップに基づいて、機関運転が制御される。すなわち、機関回転数NEが比較的小さく且つ負荷率(すなわち、内燃機関に要求される負荷)KLが比較的小さい領域Iでは、減筒運転が行われる。この減筒運転では、第1気筒群1Aと第2気筒群1Bの一方の気筒群の気筒に関してのみ、燃料噴射弁19から燃料を噴射し、点火栓20を作動して燃料に点火し、これにより、燃焼を行わせ、残りの気筒群の気筒に関しては、燃料噴射弁19からは燃料を噴射せず且つ点火栓20も作動させず、したがって、燃焼を行わせない。一方、領域I以外の領域IIでは、全筒運転が行われる。この全筒運転では、両気筒群の各気筒に関し、燃料噴射弁19から燃料を噴射し、点火栓20を作動して燃料に点火し、これにより、燃焼を行わせる。
なお、以下の説明において、燃焼が行われている気筒を「稼動気筒」といい、燃焼が行われていない気筒を「休止気筒」という。また、稼動気筒においては、通常通り、吸気弁15が吸気行程において開弁せしめられ、排気弁17が排気行程において開弁せしめられる。一方、休止気筒においては、稼動気筒と同様に、通常通り、吸気弁15が吸気行程において開弁せしめられ、排気弁17が排気行程において開弁せしめらてもよいし、吸気弁15も排気弁17も常時閉弁せしめられていてもよい。
ところで、本実施形態では、各稼動気筒に吸入される空気の量(これは、スロットル弁の開度を制御することによって制御される量であり、以下これを「稼動気筒への吸気量」ともいう)と、各稼動気筒に供給される燃料の量(これは、各稼動気筒に対応する燃料噴射弁19から噴射される燃料の量であり、以下これを「稼動気筒への燃料噴射量」ともいう)とは、以下のようにして制御される。すなわち、稼動気筒への吸気量は、機関回転数と要求トルク(内燃機関に要求されるトルク)とに応じて制御される。そして、稼動気筒への燃料噴射量は、稼動気筒への吸気量に応じて稼動気筒における空燃比が所定の空燃比となるように制御される。
より具体的には、本実施形態では、機関回転数が大きくなり、あるいは、要求トルクが大きくなると、各稼動気筒への吸気量が増量せしめられ、そして、各稼動気筒における空燃比が所定の空燃比となるように各稼動気筒への燃料噴射量が増量せしめられる。
ところで、本実施形態では、各稼動気筒において点火栓20によって燃料に点火するタイミング(以下「点火時期」という)は、通常、以下のようにして制御される。上述したように、本実施形態では、稼動気筒への吸気量が多くなると、この稼動気筒への燃料噴射量も多くなる。そして、燃料噴射量が多くなれば、稼動気筒内の温度(以下「筒内温度」ともいう)も高くなる。一般的に、筒内温度が高くなると、ノッキングが発生しやすくなる。一方、点火時期を遅角する(すなわち、遅いタイミングとする)と、ノッキングが発生しづらくなる。
そこで、本実施形態では、稼動気筒への吸気量に応じて点火時期を制御する。より具体的には、本実施形態では、通常(ここでは、機関運転が全筒運転に維持されているとき、あるいは、機関運転が減筒運転に維持されているときを意味する)、稼動気筒への吸気量が多くなると、点火時期が遅角せしめられる。稼動気筒における点火時期をこのように制御することによって、稼動気筒におけるノッキングの発生が抑制される。
一方、本実施形態では、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときには、各稼動気筒における点火時期は、以下のようにして制御される。仮に、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたとき、スロットル弁7の開度を一定に維持していた場合、内燃機関全体で見ると、稼動気筒への吸気量の総量は一気に半分近くにまで減少することになる。したがって、このとき、内燃機関の出力トルクも一気に半分近くにまで低下してしまう。したがって、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに、要求トルクが一気に半分近くにまで低下していない場合が多く、この場合に、スロットル弁7の開度を一定に維持しておくと、内燃機関からは要求されたトルクが出力されないことになる。したがって、本実施形態によれば、通常、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときには、内燃機関が要求トルクを出力することができる程度の量の空気が稼動気筒に吸入されるように、スロットル弁7の開度が大きくされる。
このように、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときには、各稼動気筒への吸気量が増量せしめられるのであるから、このとき、上述したような点火時期制御(すなわち、機関運転が全筒運転に維持されているとき、あるいは、機関運転が減筒運転に維持されているときに行われる点火時期制御であって、以下これを「定常時点火時期制御」ともいう)が行われたとすれば、稼動気筒における点火時期は、遅角せしめられることになる。
ところが、例えば、全筒運転中に稼動気筒への吸気量が多くなった場合には、吸気量の増大に即座に追従して稼動気筒の筒内温度が上昇し、ノッキングが発生しやすくなることから、ノッキングの発生を抑制するという観点では、上述したように点火時期を遅角することにも利点がある。しかしながら、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときには、吸気量の増大に即座に追従して稼動気筒の筒内温度が上昇するのではなく、吸気量の増大に遅れて稼動気筒の筒内温度が上昇する。すなわち、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときには、即座に稼動気筒の筒内温度が上昇するわけではなく、したがって、即座にノッキングが発生しやすくなるわけではない。
そこで、本実施形態では、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときには、予め定められた期間が経過するまでは、点火時期を、上述した定常時点火時期制御によって設定される点火時期よりも進角せしめられた時期(すなわち、早められた時期)とする。これによれば、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに、ノッキングの発生を過剰に抑制することが少なくなる。
また、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときには、各稼動気筒への吸気量が増大せしめられるとはいっても、各稼動気筒への吸気量が即座に所望の量に達するわけではないので、出力トルクは、少なからず低下する傾向にある。ここで、この出力トルクの低下が大きいと、いわゆるトルクショックが大きくなってしまう。ところが、本実施形態によれば、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに、一定の期間が経過するまで、点火時期を進角することになり、このように点火時期が進角されると、一般的には、出力トルクが上昇する傾向にあることから、本実施形態に従って点火時期を制御することには、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときのトルクショックを小さくすることができるという利点がある。
なお、本実施形態において、上記予め定められた期間、すなわち、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに点火時期を進角する期間は、例えば、稼動気筒内の温度に基づいて決定される。この場合、点火時期を進角する期間は、例えば、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられて稼動気筒の筒内温度が上昇し始めてから、稼動気筒の筒内温度が一定温度となるまでの期間とされる。
また、本実施形態において、上記予め定められた期間は、例えば、一定の期間でもよいし、機関回転数や負荷率に応じて設定される期間でもよい。
また、本実施形態において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに点火時期を進角する程度は、例えば、稼動気筒内の温度に基づいて決定される。この場合、点火時期を進角する程度は、例えば、稼動気筒の筒内温度の上昇率が大きいほど大きくする。なお、この場合、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられて稼動気筒の筒内温度が上昇し始めた後、稼動気筒の筒内温度が一定温度となったときには、稼動気筒の筒内温度の上昇率は零となり、このとき、点火時期を進角する程度が零となるようにしておけば、結果的には、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられて稼動気筒の筒内温度が上昇し始めた後、稼動気筒の筒内温度が一定温度となるまでの間だけ、点火時期が進角されることになる。
また、本実施形態において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに点火時期を進角する程度は、例えば、その時の稼動気筒の筒内温度と、稼動気筒の筒内温度が最終的に落ち着くであろうと推定される温度(あるいは、それよりも若干低い温度)との差が大きいほど大きくするようにしてもよい。
以上をまとめると、本実施形態によれば、例えば、稼動気筒における点火時期は、次式(1)に従って決定される。
θ=θb+Δθga−Δθad …(1)
θ=θb+Δθga−Δθad …(1)
ここで、θは、最終的な点火時期である。また、θbは、基準となる点火時期であり、例えば、図4(A)に示されているような機関回転数NEと負荷率KLとの関数のマップから読み込まれる。
また、Δθgaは、吸気量に応じて上記基準となる点火時期θbを補正するための係数(すなわち、上述した例における吸気量が多くなったときに点火時期を遅角するための係数)であり、例えば、図4(B)に示されているような吸気量GAの関数から求まるものである。図4(B)に示されている例では、係数Δθgaは、吸気量GAが比較的少ない量GASよりも少ないと比較的小さい値Δθgasで一定であり、吸気量GAが上記比較的少ない量GASよりも多くなると吸気量GAが大きくなるほど大きくなり、そして、吸気量GAが比較的多い量GALよりも多くなると比較的大きい値Δθgalで一定である。
また、Δθadは、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられてから予め定められた期間が経過するまでの間、点火時期を進角補正するための係数であり、例えば、図4(C)に示されているような稼動気筒内の温度の上昇率RTの関数から求まるものである。図4(C)に示されている例では、係数Δθadは、稼動気筒の筒内温度の上昇率RTが大きいほど大きく、稼動気筒の筒内温度の上昇率RTが零であるときに零である。
図5は、本実施形態に従って点火時期等が制御されたところを示したタイムチャートである。なお、図5(A)のFは、減筒運転を行うか否かを制御する信号であり、これがオンであるときには減筒運転が行われ、これがオフであるときには全筒運転が行われる。また、図5(B)のPは、スロットル弁7下流の吸気管4内の圧力(以下「吸気管内圧力」という)であり、図5(C)のθは、稼動気筒における点火時期であり、図5(D)のTQは、出力トルクであり、図5(E)のTCは、稼動気筒の筒内温度である。
図5に示した例では、時刻T1以前では、信号Fがオフであり、全筒運転が行われている。そして、時刻T1のところで、信号Fがオンとなり、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられる。このとき、本実施形態によれば、スロットル弁7の開度が大きくされるので、吸気管内圧力Pが上昇し始める。これにより、稼動気筒に吸入される空気の量が多くなるので、稼動気筒の筒内温度TCが上昇し始める。
そして、時刻T1のところから、点火時期θが遅角され始まる(ここで、実線は、上述した係数Δθadを用いて点火時期を進角補正した場合を示し、鎖線は、点火時期を進角補正しなかった場合を示している)。ここでの点火時期θの遅角の程度は、稼動気筒の筒内温度TCの上昇率に比例したものである。そして、時刻T2以降は、稼動気筒の筒内温度TCがほぼ一定となり、点火時期θもその遅角補正が終了して一定となる。ここで、時刻T1から時刻T2までの間、出力トルクTQは、時刻T1後、若干低下した後、僅かに上昇して時刻T2以降は目標とする出力値で一定となる(ここで、実線は、上述した係数Δθadを用いて点火時期を進角補正した場合を示し、鎖線は、点火時期を進角補正しなかった場合を示している)。
なお、図5(D)を参照すると分かるように、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに点火時期が進角補正されなかった場合の出力トルク(鎖線で示されている)は、本実施形態に従って点火時期が進角補正された場合の出力トルク(実線で示されている)よりも大きく低下し、時刻T2よりも後の時刻T3のところで、ようやく、目標とする出力値で一定となる。
図6は、本実施形態の点火時期進角補正係数Δθad(例えば、上式(1)のΔθadとして用いられる係数)を算出するルーチンの一例を示している。この例では、始めに、ステップ10において、現在の機関回転数NE(j)と、現在の負荷率KL(j)と、現在のバルブタイミング(吸気弁15を開弁するタイミング)VT(j)とが計測される。次いで、ステップ11において、現在の運転モードを示すフラグF(j)を保存する。ここで、F(j)=1であるときには、現在の運転モードは減筒運転モードにあり、F(j)=0であるときには、現在の運転モードは全筒運転モードにある。
次いで、ステップ12において、現在の運転モードの継続期間(すなわち、全筒運転中であれば全筒運転が行われている期間に相当し、現在減筒運転中であれば減筒運転が行われている期間に相当する)と、現在の機関回転数NE(j)と、現在の負荷率KL(j)と、現在のバルブタイミングVT(j)と、冷却水温(内燃機関を冷却する冷却水の温度)とに基づいて、稼動気筒の筒内壁温(稼動気筒を画成する壁面の温度であって、上述した例での稼動気筒内の温度に相当する)TW(j)を予測し保存する。
次いで、ステップ13において、現在の運転モードが減筒運転モードにある(F(j)=1)か否かが判別される。ここで、F(j)=0であるときには、ルーチンはそのまま終了する。一方、F(j)=1であるときには、ステップ14において、前回、ルーチンが実行されたときに保存されたフラグF(j−1)が全筒運転モードにある(F(j−1)=0)か否かが判別される。
ステップ14において、F(j−1)=0であるとき(すなわち、現在は減筒運転中であるが、前回のルーチン実行時は全筒運転中であったとき)には、運転モードが全筒運転モードから減筒運転モードに切り換えられた直後であることから、カウンタ(運転モードが全筒運転モードから減筒運転モードに切り換えられてから経過した時間を示すものである)i(j)が初期化され(すなわち、「1」が入力され)、ステップ16に進む。
ステップ16では、稼動気筒の現在の筒内壁温TW(j)が予め定められた温度(以下「所定温度」という)Thよりも低い(TW(j)<Th)であるか否かが判別される。この例での所定温度Thは、例えば、稼動気筒の筒内壁温が最終的に落ち着くであろうと機関運転状態から推定される温度よりも低い値に設定される。
ステップ16において、TW(j)<Thであるときには、稼動気筒の筒内壁温が上記所定温度に達しておらず、点火時期を進角補正する必要があると判断し、ステップ17において、点火時期進角補正係数Δθadが算出される。この例での点火時期進角補正係数Δθadは、例えば、稼動気筒の現在の筒内壁温TW(j)と上記所定温度Thとの差が大きいほど大きい値となる。斯くして算出された点火時期進角補正係数Δθadだけ、点火時期が進角補正せしめられる。一方、ステップ16において、TW(j)≧Thであるときには、稼動気筒の筒内壁温が上記所定温度に達していることから、点火時期を進角補正する必要はないと判断し、ルーチンを終了する。
また、ステップ14において、F(j−1)=0であるときには、ステップ18において、カウンタiがカウントアップされる(前回のルーチン実行時のカウンタi(j−1)を1つカウントアップしたものが、今回のカウンタの値i(j)とされる)。次いで、ステップ19において、カウンタi(j)が予め定められた値(以下「所定値」という)αよりも小さい(i(j)<α)であるか否かが判別される。すなわち、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられてから経過した時間が、所定の時間よりも短く、全筒運転から減筒運転に完全に切り換わるまでの過渡期間中であるか否かが判別される。ここで、この例での所定値αは、例えば、一定値であるが、機関回転数や負荷率や吸気管圧力に応じて設定されてもよい。
ステップ19において、i(j)<αであるときには、全筒運転から減筒運転に完全に切り換わるまで(すなわち、稼動気筒への吸気量が一定となり、稼動気筒の筒内壁温が一定となるまで)の過渡期間中であり、点火時期の進角補正を必要とする可能性があると判断し、ステップ16に進む。そして、上述したように、ステップ16において、TW(j)<Thであると判別されれば、点火時期の進角補正を必要とすると判断し、ステップ17で点火時期進角補正係数Δθadが算出される。
一方、ステップ19において、i(j)≧αであるときには、機関運転が全筒運転から減筒運転に完全に切り換わったと判断し、ルーチンをそのまま終了する。
なお、上述した実施形態では、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられたときに、一方の気筒群の全気筒での燃焼を同時に停止しているが、休止気筒(燃焼が行われない気筒)となるべき気筒での燃焼を、予め定められた時間差でもって順次停止するようにしてもよい。これによれば、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換わるときに、トルクショックを一段と小さくすることができる。
1A、1B 気筒群
2A、2B 気筒
3A、3B 吸気枝管
4、6 吸気管
7 スロットル弁
8A、8B 排気枝管
9A、9B、10 排気管
19 燃料噴射弁
20 点火栓
F 減筒運転フラグ
P 吸気管圧力
θ 点火時期
TQ 出力トルク
TC 筒内温度
2A、2B 気筒
3A、3B 吸気枝管
4、6 吸気管
7 スロットル弁
8A、8B 排気枝管
9A、9B、10 排気管
19 燃料噴射弁
20 点火栓
F 減筒運転フラグ
P 吸気管圧力
θ 点火時期
TQ 出力トルク
TC 筒内温度
Claims (3)
- 全筒運転と減筒運転とを選択的に行う可変気筒内燃機関の点火時期制御装置であって、気筒に吸入される空気の量が多くなると点火時期を遅角する点火時期制御を行う点火時期制御装置において、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられてから予め定められた期間が経過するまでの間、点火時期が上記点火時期制御によって設定される点火時期よりも進角せしめられることを特徴とする点火時期制御装置。
- 上記予め定められた期間が経過するまでの間、点火時期が進角せしめられる量が稼動気筒内の温度に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の点火時期制御装置。
- 減筒運転時の休止気筒が複数であり、機関運転が全筒運転から減筒運転に切り換えられるとき、休止気筒となるべき気筒における燃焼が順次停止されることを特徴とする請求項1または2に記載の点火時期制御装置。
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