JP2009257121A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Fumito Takimoto
文人 滝本
Bunichi Sato
文一 佐藤
Masato Kaneko
理人 金子
Motoki Otani
元希 大谷
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Abstract

【課題】可変動弁機構が設けられた内燃機関にあってノッキングの発生の有無を精度良く判定することのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】この装置は、複数の気筒を有する内燃機関に適用されて、ノック判定期間におけるノックセンサの出力信号に基づいてノッキングの有無を判定するノック判定や、可変動弁機構(吸気バルブタイミング変更機構および作用角変更機構)の作動制御、インジェクタの作動制御を実行する。吸気バルブの閉弁によって生じるノイズ(円A)およびインジェクタの動作によって生じるノイズ(円Bおよび円C)のうちの一方のみが必ずノック判定期間(ゲート信号がオン操作されている期間)のノックセンサの出力信号に重畳するように、機関制御を実行する。
【選択図】図8

Description

本発明は、機関バルブの開弁特性を変更するための可変動弁機構を備えてノッキングの有無についての判定を行う内燃機関の制御装置に関するものである。
周知のように内燃機関の多くでは、ノッキング発生の有無についての判定(ノック判定)を行い、その結果に応じて点火時期等を調整するノック制御が実施されている。通常、ノック判定は、シリンダブロック等に配設された振動検出センサであるノックセンサを用いて行われる。そして、内燃機関の各気筒の着火後に設定された所定の期間(ノック判定期間)のノックセンサの出力信号に基づいてノッキング発生の有無を判定するようにしている。
ここで内燃機関のインジェクタは、その動作に伴い、例えばその閉弁に際して弁体が弁座に着座するときの着打音などの振動を発生する。そのため、ノック判定期間においてインジェクタが動作すると、その動作によって発生する振動がノイズとしてノックセンサによって検出されてしまい、これがノック判定の精度を低下させる一因になる。そこで従来、ノック判定期間とインジェクタの動作タイミングとが重ならないように、それらノック判定期間とインジェクタの開弁期間を設定することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また近年、機関バルブ(吸気バルブまたは排気バルブ)の開閉時期(いわゆるバルブタイミング)を変更するための機構や機関バルブの開弁期間(開弁時期から閉弁時期までの期間(いわゆるバルブ作用角))を変更するための機構など、機関バルブの開弁特性を変更するための可変動弁機構が提案され、実用されている。
特開2004−251218号公報
ところで、可変動弁機構が設けられた多気筒の内燃機関では、同可変動弁機構の作動に伴って機関バルブの閉弁時期が変化する。こうした内燃機関にあって機関制御の自由度を高くするべく機関バルブの閉弁時期を変更可能な範囲として広い範囲を設定すると、何れかの気筒の機関バルブの閉弁時期と他の気筒の燃焼行程に対応するノック判定期間とが重なることが避けられなくなるばかりか、それらが重なる状況になったり重ならない状況になったりするおそれがある。
機関バルブの閉弁時には、インジェクタの閉弁時と同様に、その弁座への弁体の着座によって着打音などの振動が発生する。そのため、機関バルブの閉弁時期とノック判定期間との重畳が避けられない内燃機関では、機関バルブの閉弁によって発生する振動がノイズとしてノックセンサによって検出されて、これがノック判定の精度を低下させるおそれがある。また、機関バルブの閉弁時期とノック判定期間とが重なる状況になったり重ならない状況になったりする内燃機関では、機関バルブの閉弁によって発生する振動がノイズとしてノックセンサによって検出される状況になったり検出されない状況になったりする。このようにしてノック判定期間におけるノックセンサの出力信号が不要に変化すると、
これがノック判定の精度の低下を招く一因となってしまう。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、可変動弁機構が設けられた内燃機関にあってノッキングの発生の有無を精度良く判定することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、複数の気筒を有する内燃機関に適用されて、ノック判定期間におけるノックセンサの出力信号に基づいてノッキングの有無を判定するノック判定と、機関バルブの開弁特性を変更する可変動弁機構の作動制御と、燃料を噴射するインジェクタの作動制御とを実行する内燃機関の制御装置において、前記機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよび前記インジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ず前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように、前記ノック判定および前記可変動弁機構の作動制御および前記インジェクタの作動制御を実行することをその要旨とする。
上記構成では、ノック判定期間において機関バルブ(吸気バルブまたは排気バルブ)の閉弁によって生じる振動がノイズとしてノックセンサによって検出される。とはいえノック判定期間において、機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよびインジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ずノックセンサの出力信号に重畳されるために、それらノイズが共に出力信号に重畳されない状況になることや、それらノイズが出力信号に同時期に重畳される状況になることが回避されるようになる。そのため上記構成によれば、そうした状況になるようにノック判定、可変動弁機構の作動制御およびインジェクタの作動制御が実行される装置と比較して、ノックセンサの出力信号の変化態様の不要なばらつきを抑えることができ、ノッキングの発生の有無を精度良く判定することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、当該制御装置は、前記ノック判定を実行条件の成立時に実行するものであり、前記ノック判定および前記可変動弁機構の作動制御および前記インジェクタの作動制御を、前記ノック判定の実行時においては前記機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよび前記インジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ず前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように実行し、前記ノック判定の非実行時においては前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に前記機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよび前記インジェクタの動作によって生じるノイズが共に重畳する実行態様とそれらノイズが共に重畳しない実行態様とを許容しつつ実行するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、可変動弁機構の作動制御およびインジェクタの作動制御を、ノック判定の実行時においてはノッキングの発生の有無が精度良く判定されるように実行する一方、ノック判定の非実行時においては内燃機関が燃費性能や出力性能の高い状態で運転されるように実行することができる。そのため、高精度でのノック判定の実行を実現しつつ、これに伴う内燃機関の運転性能の低下を抑制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、当該制御装置は、前記ノック判定の実行時と非実行時とで前記インジェクタの開弁期間として異なる期間が設定されるように前記インジェクタの作動制御を実行するものであることをその要旨とする。
ノッキングが発生する可能性のある期間は決まっており、そうした期間においてノック判定期間が設定されるために、ノック判定においてノック判定期間を変更する余地は少ない。また、機関バルブの開弁期間を変更するとこれに伴って内燃機関の吸気効率が変化してその運転性能の低下を招くこととなるために、可変動弁機構の作動制御の実行態様の変更を通じて機関バルブの開弁期間を変更することは望ましくない。これに対して、インジェクタの作動制御では、内燃機関の燃焼室内に所望量の燃料が供給されるのであれば、同インジェクタの開弁期間を変更したとしても内燃機関の運転性能はさほど低下しない。そのため、インジェクタの開弁期間の変更についての自由度はノック判定期間や機関バルブの開弁期間の変更についての自由度と比較して高いと云える。
上記構成によれば、そのように変更の自由度が高いインジェクタの開弁期間の変更を通じて、比較的容易に、高精度でのノック判定の実行の実現とこれに伴う内燃機関の運転性能の低下抑制との両立を図ることができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、当該制御装置は、前記ノック判定の実行時と非実行時とで前記機関バルブの開弁期間として異なる期間が設定されるように前記機関バルブの作動制御を実行するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、ノック判定の実行時において機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよびインジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみを必ずノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するようにする際に、インジェクタの開弁期間の変更に併せて機関バルブの開弁期間を変更することができ、より高い自由度をもって高精度でのノック判定の実行の実現とこれに伴う内燃機関の運転性能の低下抑制との両立を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、当該制御装置は、前記機関バルブの閉弁時期に応じて前記インジェクタの開弁期間を変更するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、上述したように変更の自由度が高いインジェクタの開弁期間の変更を通じて、比較的容易に、機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよびインジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ずノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように、機関バルブの閉弁時期、インジェクタの開弁期間およびノック判定期間を設定することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記インジェクタは前記内燃機関の燃焼室の内部に燃料を直接噴射するタイプのものであることをその要旨とする。
吸気通路内に燃料を噴射するタイプのインジェクタは、内燃機関の燃焼室内に燃料を供給するためには、同内燃機関の吸気行程における吸気バルブの開弁動作に合わせて燃料を噴射しなければならない。これに対して、内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射するタイプのインジェクタは、その開弁期間を吸気バルブの開弁期間によることなく設定して内燃機関の燃焼室内に燃料を供給することが可能である。
上記構成によれば、そうした内燃機関の燃焼室の内部に直接燃料を噴射するタイプのインジェクタ、言い換えれば、開弁期間の変更についての自由度がごく高いインジェクタの開弁期間の変更を通じて容易に、高精度でのノック判定の実行の実現とこれに伴う内燃機関の運転性能の低下抑制との両立を図ることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、当該制御装置は、前記機関バルブの閉弁時期および前記インジェクタの開弁期間に応じて前記ノック判定期間を変更するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、ノック判定期間の変更を通じて、機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよびインジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ずノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように、機関バルブの閉弁時期、インジェクタの開弁期間およびノック判定期間を設定することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、前記機関バルブは吸気バルブであり、前記可変動弁機構は、前記吸気バルブのバルブタイミングを変更するバルブタイミング変更機構と前記吸気バルブのバルブ作用角を変更する作用角変更機構とを備えてなるものであることをその要旨とする。
上記構成では、可変動弁機構の作動制御を通じて吸気バルブのバルブタイミングおよびバルブ作用角が共に変更されるために、同吸気バルブの閉弁時期を変更可能な範囲が広くなり易く、同閉弁時期とノック判定期間とが重なることが避けられなくなる可能性が高い。
上記構成によれば、そうした可変動弁機構が設けられた内燃機関において、ノッキングの発生の有無を精度良く判定することができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、当該制御装置は、前記吸気バルブの閉弁によって生じるノイズおよび前記インジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ず前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するようにするために前記ノック判定および前記可変動弁機構の作動制御および前記インジェクタの作動制御をそれぞれ、前記バルブ作用角が大きいときには前記吸気バルブの閉弁によって生じるノイズが前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように実行し、前記バルブ作用角が小さいときには前記インジェクタの動作によって生じるノイズが前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように実行するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、吸気バルブのバルブ作用角が大きいときには同吸気バルブの閉弁時期とノック判定期間とが重なる装置であって該バルブ作用角が小さくなると吸気バルブの閉弁時期とノック判定期間とが重ならなくなる装置において、前記吸気バルブの閉弁によって生じるノイズおよび前記インジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ず前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように、吸気バルブの閉弁時期、インジェクタの開弁期間およびノック判定期間を設定することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態にかかる制御装置が適用される内燃機関の概略構成を示す。
同図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11には、スロットル機構12が設けられている。このスロットル機構12は、スロットルバルブ13とスロットルモータ14とを備えている。そして、このスロットルモータ14の駆動制御を通じてスロットルバルブ13の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路11を通じて燃焼室15内に吸入される空気の量(筒内吸気量)が調節される。
また、内燃機関10には燃料を噴射供給するためのインジェクタ16が設けられている。このインジェクタ16としては、内燃機関10の燃焼室15に燃料を直接噴射するタイプのものが採用されている。
内燃機関10の燃焼室15では、点火プラグ28(詳しくは、イグナイタ29)の作動制御を通じて吸入空気と噴射燃料とからなる混合気が点火されて燃焼する。この燃焼によってピストン17が往復移動し、クランクシャフト18が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室15から排気通路19に送り出される。
内燃機関10において、吸気通路11と燃焼室15との間は吸気バルブ20の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室15と排気通路19との間は排気バルブ21の開閉動作によって連通・遮断される。また、吸気バルブ20はクランクシャフト18の回転が伝達される吸気カムシャフト22の回転に伴って開閉動作し、排気バルブ21は同じくクランクシャフト18の回転が伝達される排気カムシャフト23の回転に伴い開閉動作する。
吸気カムシャフト22には吸気バルブタイミング変更機構24が設けられている。この吸気バルブタイミング変更機構24は、クランクシャフト18の回転角(クランク角)に対する吸気カムシャフト22の相対回転角を調節して、吸気バルブ20の開弁期間(いわゆるバルブタイミング(吸気バルブタイミングVTi))を進角または遅角させるものである。なお、この吸気バルブタイミング変更機構24は、例えば油圧制御弁などのアクチュエータ25を通じて同機構24に作用する油圧を制御することにより作動される。図2は、吸気バルブタイミング変更機構24の作動による吸気バルブタイミングVTiの変更態様を示している。同図2から分かるように、吸気バルブタイミングVTiの変更では、吸気バルブ20のバルブ作用角VLi(開弁されてから閉弁されるまでのクランク角)を一定に保持した状態で同吸気バルブ20の開弁時期および閉弁時期が共に進角または遅角される。
吸気バルブ20(図1)と吸気カムシャフト22との間には作用角変更機構26が設けられている。この作用角変更機構26は、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiを機関運転状態に応じて可変設定するものであり、電動モータ等のアクチュエータ27の駆動制御を通じて作動する。この作用角変更機構26の作動による吸気バルブ20のバルブ作用角VLiの変更態様を図3に示す。同図3から分かるように、作用角変更機構26の作動によって、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiは最大リフト量に同期して変化し、例えばバルブ作用角VLiが小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。このバルブ作用角VLiが大きくなるということは、吸気バルブ20の開弁時期と閉弁時期とが互いに遠ざかるということであり、吸気バルブ20の開弁期間が長くなるということを意味する。
なお内燃機関10(図1)は複数の気筒(具体的には4つの気筒♯1,♯2,♯3,♯4)を有するものであり、上記スロットルバルブ13や、吸気バルブタイミング変更機構24、並びに作用角変更機構26としては全気筒♯1〜♯4共通のものが設けられている。
内燃機関10は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置30を備えている。この電子制御装置30には、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサの検出信号が取り込まれている。そうした各種センサとしては、例えば以下に記載するものが設けられている。
・クランクシャフト18の回転角(クランク角)や回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサ31。
・アクセルペダル(図示略)の踏み込み量(アクセル踏み込み量ACC)を検出するためのアクセルセンサ32。
・吸気通路11を流れる吸入空気の量(通路吸気量GA)を検出するための吸気量センサ33。
・吸気通路11における上記スロットルバルブ13よりも下流側の吸気圧力(スロットル下流圧力PM)を検出するための圧力センサ34。
・内燃機関10の冷却水の温度(冷却水温THW)を検出するための温度センサ35。
・内燃機関10の各気筒からシリンダブロック(図示略)に伝達された振動の強度を検出するためのノックセンサ36。
・吸気バルブタイミングVTi(詳しくは吸気バルブタイミング変更機構24の作動量)を検出するための位置センサ37。
・吸気バルブ20のバルブ作用角VLi(詳しくは作用角変更機構26の作動量)を検出するための作用角センサ38。
電子制御装置30は、各種センサの検出信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットル機構12や、インジェクタ16、吸気バルブタイミング変更機構24、並びに作用角変更機構26の作動制御などといった機関制御を実行する。
本実施の形態では、そうした機関制御のうち、筒内吸気量の調節にかかる制御(吸気量制御)が以下のように実行される。
本実施の形態では、エアクリーナや、吸気管、サージタンク、吸気マニホールド等により構成された吸気通路11および、スロットルバルブ13、吸気バルブ20からなる機関吸気系をモデル化した物理モデルが構築されている。そして、その物理モデルを通じて機関運転状態に見合う筒内吸気量(後述する要求筒内吸気量Tkl)と実際の筒内吸気量とが一致するようになる各種の制御目標値が算出される。詳しくは、アクセル踏み込み量ACC、機関回転速度NE、筒内吸気量、スロットル下流圧力、スロットルバルブ13の開度、吸気バルブ20のバルブ作用角、吸気バルブタイミングを変数とするモデル式が予め定められ、同モデル式を通じて各種制御目標値が算出される。なお各種の制御目標値としては以下の各値が挙げられる。
・スロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)。
・吸気バルブ20のバルブ作用角VLiについての制御目標値(目標作用角Tvl)。
・吸気バルブタイミングVTiについての制御目標値(目標吸気バルブタイミングTvti)。
なお前記モデル式は、具体的には以下のような概念に基づき定められている。
筒内吸気量は、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiの可変制御(作用角制御)とスロットル開度TAの可変制御(スロットル制御)との協働制御を通じて調節される。ここで内燃機関10にあってはスロットル開度TAが大きいほど、また吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが大きいほど筒内吸気量が多くなる。そのため本実施の形態の協働制御では基本的に、要求される筒内吸気量(上記要求筒内吸気量Tkl)の多い高負荷領域ほど、スロットル開度TAが大きくなるようにスロットル制御が実行され、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが大きくなるように作用角制御が実行される。また本実施の形態の協働制御では、要求筒内吸気量Tklが同一の条件下にあって、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiとして大きい角度が設定されるときにはスロットル開度TAとして相対的に小さい開度が設定され、これとは逆に同バルブ作用角VLiとして小さい角度が設定されるときにはスロットル開度TAとして相対的に大きい開度が設定される。
また作用角制御を通じて吸気バルブ20のバルブ作用角VLiを小さくして筒内吸気量を減少させることにより、スロットル制御を通じてスロットルバルブ13を絞って筒内吸気量を減少させる場合と比較して、ポンピング損失を小さくすることができ、内燃機関10の燃費性能を向上することができる。そのため本実施の形態の協働制御では、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが極力小さい角度に設定される。
さらに吸気通路11から燃焼室15内に吸入空気を効率よく導入するために、吸気バルブタイミング変更機構24の作動制御(吸気バルブタイミング制御)が実行される。
図4に、吸気バルブ20および排気バルブ21の変位態様の一例を示す。同図4に示すように、吸気バルブタイミング制御は、基本的に、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiの小さい低負荷領域ほど吸気バルブタイミングVTiが進角側の時期になるように実行される。これは以下のような理由による。
吸気バルブタイミングVTiを変更せずに吸気バルブ20のバルブ作用角VLiのみを小さくすると、同吸気バルブ20の開弁時期が遅角側に変化してしまい(図3参照)、燃焼室15への吸入空気の導入開始が遅くなってしまう。しかも、吸気バルブ20の開弁時期が上死点よりも遅角側になると、ピストン17が上死点を超えてから吸気バルブ20が開弁されるまでの期間において、吸気バルブ20および排気バルブ21が共に閉弁された状態でピストン17が下降することとなり、損失が生じるようになる。そのため、吸気バルブタイミング制御では、そうした損失の発生或いは増大を極力抑えることの可能なように吸気バルブ20の開弁時期を設定するべく、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが小さいときほど吸気バルブタイミングVTiを進角側の時期に設定するようにしている。
一方、本実施の形態では、機関制御のうち、燃料噴射量の調節にかかる制御(燃料噴射制御)が以下のように実行される。
図5に、燃料噴射制御にかかる処理の実行手順を示す。同図に示される一連の処理は、内燃機関10の運転中に、割り込み処理として電子制御装置30により周期的に実施される。
図5に示すように、この処理では先ず、機関回転速度NEや、アクセル操作量ACCP等から算出される機関負荷KL等に基づいて目標燃料噴射量Tqが算出される(ステップS100)。この目標燃料噴射量Tqの算出は、予め電子制御装置30のメモリに記憶された噴射量算出用の演算マップを参照して行われる。
また、同様に機関回転速度NE、機関負荷KL等に基づいて目標燃料噴射時期Ttqが算出される(ステップS110)。ここで算出される目標燃料噴射時期Ttqは、各気筒においてインジェクタ16からの燃料噴射を開始させる時期を、各気筒の圧縮上死点を基準とするクランク角で表したものである。この目標燃料噴射時期Ttqの算出についても、目標燃料噴射量Tqの算出と同様に、予め電子制御装置30のメモリに記憶された噴射時期算出用の演算マップを参照して行われる。
そして、目標燃料噴射量Tqおよび機関回転速度NEに基づいて、目標燃料噴射量Tqに相当する量の燃料をインジェクタ16から噴射するために必要な期間(目標燃料噴射期間Tpq)が算出される(ステップS120)。この目標燃料噴射期間Tpqの算出は、予め電子制御装置30のメモリに記憶された噴射期間算出用の演算マップを参照して行われる。
その後、目標燃料噴射時期Ttqおよび目標燃料噴射期間Tpqに基づいて燃料噴射信号が気筒毎に生成されて、各気筒のインジェクタ16に出力される(ステップS130)。この燃料噴射信号は、目標燃料噴射時期Ttqにより示される時期から目標燃料噴射期間Tpqにより示される期間にわたりオン操作される信号である。
燃料噴射信号がオン操作されると、インジェクタ16の電磁ソレノイドへの通電が開始され、それにより発生する電磁吸引力により弁体(ノズルニードル)が弁座(バルブシート)から離間されるように駆動される。これにより、インジェクタ16の噴口が開かれて燃料噴射が開始される。一方、燃料噴射信号がオフ操作されると、電磁ソレノイドへの通電が停止されてノズルニードルがバルブシートに着座される。これにより噴口が閉ざされ、燃料噴射が停止される。
このように本実施の形態では、燃料噴射信号がオン操作されている期間、インジェクタ16からの燃料噴射が行われる。これにより、各気筒の燃焼室15には、機関運転状況に応じた適切な時期に、適切な量の燃料が噴射供給されるようになる。
他方、本実施の形態では、機関制御の一つとして、上記ノックセンサ36の検出結果に基づいて各気筒におけるノッキング発生の有無を判定するノック判定が実行されるとともに、その判定結果に応じて点火時期を調整するノック制御が実行される。
このノック制御では、詳しくは、ノック判定においてノッキングの発生有りと判定された場合には目標点火時期が所定量だけ遅角される一方、ノッキングの発生無しと判定された場合には目標点火時期が徐々に進角される。この目標点火時期は、各気筒で点火を実施させる時期を、各気筒の圧縮上死点を基準としたクランク角(BTDC)で表したものである。電子制御装置30は、目標点火時期により示される時期にオンとなる点火信号を各気筒のイグナイタ29に出力することにより、点火プラグ28を通じた混合気への点火を実行する。これにより、点火時期がノッキングの発生限界近傍に調整されるようになっている。
またノック制御では、ノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号のピークホールド値VKPEAK(最大値)に基づいてノック判定が行われる。本実施の形態では、ピークホールド値VKPEAKの対数変換値LVPKが正規分布を示すとの前提に基づき、今回サンプリングされた対数変換値LVPKのその分布内での位置によりノッキング発生の有無の判定を行うノック判定方式が採用されている。
なお、ノック判定期間は、ノック判定にかかるノックセンサ36の出力信号のサンプリングを実施する期間であり、ゲート信号がオン操作されている期間である。このゲート信号がオン操作される時期およびオフ操作される時期は共に、各気筒の圧縮上死点を基準としたクランク角(ATDC)で表され、ノッキングの有無の判定に適した所定の時期が予め求められた上で電子制御装置30のメモリに記憶されている。本実施の形態では、ノック判定期間として、各気筒の圧縮上死点後の10°CAから90°CAの期間が設定されている。
図6に、上記ノック制御におけるノック判定にかかる処理の流れを示す。同図に示される一連の処理は、内燃機関10の始動後においてノック制御の実行条件が成立したことを条件にその実行が開始される。
図6に示すように、この処理の実行が開始されると先ず、ノック判定期間であるか否かが判断される(ステップS200)。
そして、ノック判定期間である場合には(ステップS200:YES)、判定対象となる気筒についてのノックセンサ36の出力信号のピークホールドが開始される(ステップS210)。すなわち、ゲート信号がオン操作された後におけるノックセンサ36の出力信号の最大値であるピークホールド値VKPEAKが求められる。
その後においてゲート信号がオフ操作されてノック判定期間でなくなると(ステップS220:NO)、その時点でのピークホールド値VKPEAK、すなわちノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号の最大値が読み込まれる(ステップS230)。
そして、そのピークホールド値VKPEAKに基づいてノック判定レベルが更新される(ステップS240)。ここでのノック判定レベルの更新は、以下の態様で行われる。
すなわち先ず、今回サンプリングされたピークホールド値VKPEAKの対数変換値LVPKに基づいて、その対数変換値LVPKの分布傾向を示す分布パラメータ(具体的には、分布中央値VMEDおよび標準偏差値SGM)の更新が行われる。ここでは、その更新が以下の(イ)〜(ニ)に記載する各更新態様により行われる。詳しくは、分布中央値VMEDおよび標準偏差値SGMの更新前の値を今回サンプリングされたピークホールド値VKPEAKの対数変換値LVPKとの対比に基づき増減することにより、分布中央値VMEDおよび標準偏差値SGMが概算により求められる。
(イ)対数変換値LVPKが分布中央値VMEDより大きいときには(LVPK>VMED)、分布中央値VMEDに所定量ΔMを加算した値が新たな分布中央値VMEDとして算出される(VMED←VMED+ΔM)。
(ロ)対数変換値LVPKが分布中央値VMED以下であるときには(LVPK≦VMED)、分布中央値VMEDから所定量ΔMを減算した値が新たな分布中央値VMEDとして算出される(VMED←VMED−ΔM)。
(ハ)対数変換値LVPKが分布中央値VMEDから標準偏差値SGMを減算した値より大きく且つ分布中央値VMEDより小さいときには(VMED−SGM<LVPK<VMED)、標準偏差値SGMから所定量ΔSを二倍した値を減算した値が新たな標準偏差値SGMとして算出される(SGM←SGM−2×ΔS)。
(二)対数変換値LVPKが分布中央値VMEDから標準偏差値SGMを減算した値以下であるとき、または対数変換値LVPKが分布中央値VMED以上であるときには(LVPK≦VMED−SGM、またはLVPK≧VMED)、標準偏差値SGMに所定量ΔSを加算した値が新たな標準偏差値SGMとして算出される(SGM←SGM+ΔS)。
なお、上記(イ)および(ロ)における分布中央値VMEDの更新量(所定量ΔM)としては、今回サンプリングされた対数変換値LVPKと更新前の分布中央値VMEDとの差を所定値n1(例えば「4」)で除算した値が用いられる。また、上記(ハ)および(ニ)における標準偏差値SGMの更新量(所定量ΔS)としては、上記所定量ΔMを所定値n2(例えば「8」)で除算した値が用いられる。
次に、こうして更新された分布パラメータに基づいて前記ノック判定レベルが設定される。ここでは次の2つのノック判定レベル(具体的には、「無ノック判定値P1」および「大ノック判定値P2」)が設定される。
「無ノック判定値P1」は、ノッキング発生の有無を判定するためのノック判定レベルであり、分布中央値VMEDおよび標準偏差値SGMに基づいて以下の関係式(1)から求められる。なお、関係式(1)における「u」は、u値と呼ばれる係数であり、機関回転速度NEに基づき算出される。

P1←VMED+u×SGM …(1)

「大ノック判定値P2」は、規模の大きいノッキングの発生の有無を判定するためのノック判定レベルであり、無ノック判定値P1および標準偏差値SGMに基づいて以下の関係式(2)から求められる。

P2←P1+2×SGM …(2)

そして、このようにして求められたノック判定レベルと今回サンプリングされた対数変換値LVPKとの対比に基づいて、ノック判定が行われる(S250)。具体的には、今回サンプリングされた対数変換値LVPKが無ノック判定値P1以下である場合には、判定対象となる気筒での今回の燃焼では、ノッキングが発生していないと判定される。また今回サンプリングされた対数変換値LVPKが無ノック判定値P1より大きく、且つ大ノック判定値P2より小さい場合には、判定対象となる気筒での今回の燃焼において、あまり規模の大きくないノッキングが発生していると判定される。さらに今回サンプリングされた対数変換値LVPKが大ノック判定値P2以上で有る場合には、判定対象となる気筒での今回の燃焼において、規模の大きいノッキングが発生していると判定される。
こうしたノック判定にかかる処理は、内燃機関10の運転中において電子制御装置30により繰り返し実行される。これにより、各気筒において燃焼が行われる毎にノック判定が実施される。
ここで、ノック判定期間において各気筒における燃焼に伴って発生する振動以外の振動がノイズとしてノックセンサ36により検出されると、これがノック判定の結果に好ましくない影響を与えることがある。以下、その詳細について説明する。
図7に、燃料噴射信号(同図(a))が出力されたときにおけるインジェクタ16の弁体(ニードルバルブ)のリフト量(同図(b))とノックセンサ36の出力信号(同図(c))の推移の一例とを示す。なおニードルバルブのリフト量とは、インジェクタ16の弁座(バルブシート)に着座した位置を基準「0」とした、バルブシートから離間する側へのニードルバルブの変位量である。
図7に示すように、インジェクタ16を開弁させる際には、燃料噴射信号がオン操作されて電磁ソレノイドが励磁され、同インジェクタ16のニードルバルブがバルブシートから離間する方向に移動する。一方、インジェクタ16を閉弁させる際には、燃料噴射信号がオフ操作されて電磁ソレノイドへの通電が停止され、ニードルバルブがバルブシートに着座する位置に向けて移動する。
そして、ニードルバルブが最大リフトに達したときやバルブシートに着座したとき、すなわちインジェクタ16の開弁時や閉弁時には、ニードルバルブがその動作範囲を制限するストッパやバルブシートに突き当たって着打音などの振動が発生する。この振動は内燃機関10のシリンダブロック(図示略)を通じてノックセンサ36に伝達されるために、同振動がノック判定期間において検出されてノックセンサ36の出力信号に重畳されると、これがノイズとなってノック判定の誤差要因になるおそれがある。
また、吸気バルブ20を閉弁させるときには、その弁体が弁座(バルブシート)に着座する位置に向けて移動する。そして、吸気バルブ20の弁体がバルブシートに着座したとき、すなわち吸気バルブ20の閉弁時には、その弁体(具体的には、そのバルブフェース)がバルブシートに突き当たって着打音等の振動が発生する。この振動についても、インジェクタ16の動作によって発生する振動と同様に、ノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号に重畳された場合にこれがノイズとなってノック判定の誤差要因になるおそれがある。
本実施の形態では、吸気バルブタイミング変更機構24の作動制御を通じて吸気バルブ20の吸気バルブタイミングVTiが変更されるとともに、作用角変更機構26の作動制御を通じて吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが変更される。そのため、吸気バルブ20の閉弁時期がとりうる範囲がごく大きく(図4参照)、同閉弁時期とノック判定期間とが重なることが避けられなくなるばかりか、それらが重なる状況になったり重ならない状況になったりしてしまう。詳しくは、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが大きいときにおいては同吸気バルブ20の閉弁時期とノック判定期間とが重なる一方、該バルブ作用角VLiが小さくなると吸気バルブ20の閉弁時期とノック判定期間とが重ならなくなる。
各気筒における燃焼に伴って発生する振動以外の振動がノックセンサ36によって検出されてこれがノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号にノイズとして重畳されたところで、内燃機関10の運転状態の変化による同ノイズの強度の変化が小さいのであれば、ノックセンサ36の出力信号が大きく変動することはない。そのため、この出力信号に基づき設定される前述したノック判定レベルについても安定した値になり、同ノック判定レベルに基づいてノック判定を実行したとしてもその判定精度はさほど低下しない。
この点、本実施の形態では、吸気バルブ20の開弁期間とインジェクタ16の開弁期間とを互いの関係を考慮することなく調節すると、ノック判定期間においてノックセンサ36の出力信号に重畳されるノイズの強度が内燃機関10の運転状態に応じて大きく変動するようになってしまう。これはインジェクタ16の動作によって生じるノイズ(インジェクタノイズ)や吸気バルブ20の閉弁によって生じるノイズ(バルブノイズ)が共に重畳される状態になったり、一方のみが重畳される状態になったり、共に重畳されない状態になったりしてしまうためである。そして、そうしたノックセンサ36の出力信号に基づいてノック判定レベルが設定されると、同ノック判定レベルが大きく変化する値となり、これがノック判定の判定精度を低下させてしまう。
こうした実情をふまえて本実施の形態では、インジェクタノイズおよびバルブノイズのうちの一方のみが必ずノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号に重畳するように、ノック判定や、インジェクタ16の作動制御、吸気バルブタイミング変更機構24の作動制御、並びに作用角変更機構26の作動制御を実行するようにしている。
このようにしても、ノック判定期間においてノックセンサ36の出力信号にバルブノイズが重畳される。とはいえ、ノック判定期間においてインジェクタノイズおよびバルブノイズのうちの一方のみが必ずノックセンサ36の出力信号に重なるために、それらノイズが共に出力信号に重畳しない状況になることや、それらノイズが同時期に出力信号に重畳する状況になることが回避されるようになる。そのため、そうした状況になる装置と比較して、内燃機関10の運転状態の変化に伴ってノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号の変化態様にばらつきが生じることが抑えられるようになり、ノック判定レベルの変化が抑えられるようになる。そして、これによりノッキングの発生の有無についての精度の良い判定が実現されるようになる。
以下、インジェクタ16の開弁期間および吸気バルブ20の開弁期間の設定態様の具体例について説明する。
図8に、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが大きいときにおけるゲート信号、吸気バルブ20の作動状態、インジェクタ16の作動状態、およびノックセンサ36の出力信号の推移の一例を示す。なお、ゲート信号がオン操作されている期間がノック判定期間に対応している。また上記内燃機関10では、その各気筒の点火順序が「第1気筒♯1→第3気筒♯3→第4気筒♯4→第2気筒♯2」といったように定められている。
図8に示すように、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが大きいときには、0°CAに圧縮上死点を迎える第1気筒#1の燃焼行程(0〜180°CA[ATDC])において、第4気筒♯4の吸気バルブ20の閉弁によるバルブノイズ(同図の円A)がノック判定期間(10〜90°CA[ATDC])のノックセンサ36の出力信号に重なる。
また、この第1気筒#1の燃焼行程においては、第4気筒♯4のインジェクタ16の開弁によるインジェクタノイズ(同図の円B)と同インジェクタ16の閉弁によるインジェクタノイズ(同図の円C)とが共にノックセンサ36の出力信号に重なる。とはいえ、それらインジェクタノイズがノック判定期間から外れるようにインジェクタ16の開弁期間が設定されているために、各インジェクタノイズがノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号に重畳されない。
本実施の形態では、前述したように吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが大きいときには同吸気バルブ20の閉弁時期とノック判定期間とが重なるために、ノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号にバルブノイズが重畳されてしまう。そのため、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが大きいときには、図8に例示したように、インジェクタノイズがノック判定期間から外れるようにインジェクタ16の開弁期間が設定されて、バルブノイズのみがノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳される。
図9に、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが小さいときにおけるゲート信号、吸気バルブ20の作動状態、インジェクタ16の作動状態、およびノックセンサ36の出力信号の推移の一例を示す。
同図9に示すように、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが小さいときには、第1気筒#1の燃焼行程において、ノックセンサ36の出力信号に第4気筒♯4の吸気バルブ20の閉弁によるバルブノイズが重ならず、第2気筒♯2の吸気バルブ20の閉弁によるバルブノイズ(同図の円D)が重なる。ただし、この吸気バルブ20の閉弁時期がノック判定時期より遅い時期になっているためにバルブノイズがノック判定期間から外れており、同バルブノイズはノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号に重畳されない。
また、この第1気筒#1の燃焼行程においては、第3気筒♯3のインジェクタ16の閉弁によるインジェクタノイズ(同図の円E)がノックセンサ36の出力信号に重なる。本例では、このインジェクタノイズがノック判定期間において発生するようにインジェクタ16の開弁期間が設定されており、同インジェクタノイズがノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号に重畳される。
本実施の形態では、前述したように吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが小さいときには同吸気バルブ20の閉弁時期とノック判定期間とが重ならないために、ノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号にバルブノイズが重畳されない。そのため、吸気バルブ20のバルブ作用角VLiが小さいときには、図9に例示したように、インジェクタノイズがノック判定期間において発生するようにインジェクタ16の開弁期間が設定されて、同インジェクタノイズのみがノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳される。
ここで本実施の形態では、インジェクタノイズおよびバルブノイズのうちの一方のみが必ずノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号に重畳するとの構成を実現するために、インジェクタ16の開弁期間を同構成が実現されない比較例の装置におけるインジェクタの開弁期間と異なる期間に設定するようにしている。以下、そのようにインジェクタ16の開弁期間を変更するようにした理由について説明する。
すなわち先ず、ノッキングが発生する可能性のある期間は決まっており、そうした期間においてノック判定期間が設定されるために、ノック判定においてノック判定期間を変更する余地は少ない。また、吸気バルブ20の開弁期間を変更するとこれに伴って内燃機関10の吸気効率が変化してその運転性能の低下を招くこととなるために、吸気バルブタイミング変更機構24や作用角変更機構26の作動制御の実行態様の変更を通じて吸気バルブ20の開弁期間を変更することは望ましくない。これに対して、インジェクタ16の作動制御では、内燃機関10の燃焼室15内に所望量の燃料が供給されるのであれば、同インジェクタ16の開弁期間を変更したとしても内燃機関10の運転性能はさほど低下しない。そのため、インジェクタ16の開弁期間の変更についての自由度はノック判定期間や吸気バルブ20の開弁期間の変更についての自由度と比較して高いと云える。
また、本実施の形態ではインジェクタ16として内燃機関10の燃焼室15の内部に燃料を直接噴射するタイプのものが採用されている。そのため、内燃機関の吸気通路内に燃料を噴射するタイプのインジェクタのように吸気行程における吸気バルブの開弁動作に合わせて燃料を噴射しなければならないというようなことはなく、インジェクタ16の開弁期間を吸気バルブ20の開弁期間によることなく設定して、内燃機関10の燃焼室15内への燃料供給を行うことが可能である。こうした点からも、本実施の形態にかかる装置は、インジェクタ16の開弁期間の変更についての自由度が高いと云える。
こうした実情をふまえて本実施の形態では、そのように変更の自由度が高いインジェクタ16の開弁期間を変更するようにしている。
さらに本実施の形態では、前述したノック判定が、実行条件が成立していることを条件に実行される。そして、ノック判定の実行時においては、その判定精度の向上を図るために、上述したようにバルブノイズおよびインジェクタノイズのうちの一方のみが必ずノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号に重畳するように機関制御が実行される。一方、ノック判定が実行されないとき(非実行時)には、ノック判定の判定精度を考慮する必要がないために、内燃機関10を燃費性能や出力性能の高い状態で運転するべく、ノックセンサ36の出力信号にバルブノイズおよびインジェクタノイズが共に重畳する実行態様とそれらノイズが共に重畳しない実行態様とを許容しつつ機関制御が実行される。
本実施の形態では、インジェクタ16の開弁期間(詳しくは、目標燃料噴射時期Ttpおよび目標燃料噴射期間Tpq)を設定するための演算マップ(具体的には、噴射時期算出用の演算マップおよび噴射期間算出用の演算マップ)として二つの演算マップが設定されている。そして、それら演算マップを切り替えることにより、インジェクタ16の開弁期間が変更される。それら演算マップとしては、バルブノイズおよびインジェクタノイズのうちの一方のみを必ずノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号に重畳させる際に用いられる演算マップ(第1のマップ)と、ノックセンサ36の出力信号にバルブノイズおよびインジェクタノイズが共に重畳する実行態様とそれらノイズが共に重畳しない実行態様とを許容する際に用いられる演算マップ(第2のマップ)とが設定されている。
以下、それら演算マップを切り替える処理(マップ切り替え処理)について説明する。
図10に、マップ切り替え処理の実行手順を示す。同図に示される一連の処理は、内燃機関10の運転中に、割り込み処理として電子制御装置30により周期的に実施される。
図10に示すように、この処理では先ず、ノック制御の実行条件が成立しているか否かが判断される(ステップS300)。ここでは以下の各条件が共に満たされることをもって、実行条件が成立していると判断される。
・内燃機関10の暖機が完了していること。具体的には、冷却水温THWが所定温度(例えば80度)以上であること。
・内燃機関10の運転領域がノッキングの発生しうる運転領域であること。
実行条件が成立している場合には(ステップS300:YES)、ノック判定が実行されており、その判定精度の向上が望まれる状況であるとして、第1のマップが選択される(ステップS310)。
一方、実行条件が成立していない場合には(ステップS300:NO)、ノック判定が実行されておらず、燃費性能や出力性能の高い状態での内燃機関10の運転が望まれる状況であるとして、第2のマップが選択される(ステップS320)。
そして、本実施の形態の燃料噴射制御では、そのようにして選択された演算マップ(第1のマップまたは第2のマップ)から目標燃料噴射時期Ttqおよび目標燃料噴射期間Tpqが算出され、それら目標燃料噴射時期Ttqおよび目標燃料噴射期間Tpqに応じて燃料噴射信号が出力されてインジェクタ16の作動が制御される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)バルブノイズおよびインジェクタノイズのうちの一方のみが必ずノック判定期間のノックセンサ36の出力信号に重畳するように機関制御を実行するようにした。そのため、ノック判定期間におけるノックセンサ36の出力信号にバルブノイズが重畳されるとはいえ、同ノックセンサ36の出力信号の変化態様のばらつきを抑えることができるようになり、ノッキングの発生の有無を精度良く判定することができるようになる。
(2)ノック判定の実行時においてはバルブノイズおよびンジェクタノイズのうちの一方のみが必ずノック判定期間のノックセンサ36の出力信号に重畳するように機関制御を実行するようにした。その一方で、ノック判定の非実行時においては、ノック判定期間のノックセンサ36の出力信号にバルブノイズおよびインジェクタノイズが共に重畳する実行態様とそれらノイズが共に重畳しない実行態様とを許容しつつ機関制御を実行するようにした。そのため、ノック判定の実行時においてはノッキングの発生の有無が精度良く判定されるように機関制御を実行することができるようになり、ノック判定の非実行時においては内燃機関10が燃費性能や出力性能の高い状態で運転されるように機関制御を実行することができるようになる。したがって、高精度でのノック判定の実行を実現しつつ、これに伴う内燃機関10の運転性能の低下を抑制することができるようになる。
(3)ノック判定の実行時と非実行時とでインジェクタ16の開弁期間として異なる期間を設定するようにした。そのため、ノック判定期間や吸気バルブ20の開弁期間の変更についての自由度と比較して、変更の自由度が高いインジェクタ16の開弁期間の変更を通じて、比較的容易に、高精度でのノック判定の実行の実現とこれに伴う内燃機関10の運転性能の低下抑制との両立を図ることができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・複数回に分割した燃料噴射(分割噴射)を通じて内燃機関10の燃焼室15への燃料供給を行うようにするとともに、それら噴射のうちの一つに伴うノイズをノック判定期間のノックセンサ36の出力信号に重畳させるようにしてもよい。こうした構成によれば、バルブノイズおよびインジェクタノイズのうちの一方のみを必ずノック判定期間のノックセンサ36の出力信号に重畳させるべくインジェクタ16の作動制御を実行する際に、その作動制御を高い自由度をもって実行することができるようになる。そうした分割噴射の実行態様としては、例えば内燃機関10の燃焼室15に供給する燃料の総量(目標燃料噴射量Tq)の大部分を燃費性能や出力性能の高い状態での機関運転が可能になる期間において噴射するとともに、上記総量の残りをインジェクタノイズがノック判定期間のノックセンサ36の出力信号に重畳するようになるタイミングで噴射するといった実行態様を採用することができる。
・バルブノイズおよびインジェクタノイズのうちの一方のみを必ずノック判定期間のノックセンサ36の出力信号に重畳させるためにインジェクタ16の開弁期間を変更することに代えて、あるいは併せて、ノック判定期間を変更するようにしてもよい。同構成においては、例えばノック判定の実行時と非実行時とでノック判定期間として異なる期間を設定するようにすればよい。また、ノック判定の実行時においては、図11に具体例を示すようにノック判定期間の終了時期(ゲート信号がオフ操作される時期)が吸気バルブ20の閉弁時期(詳しくは、弁体がバルブシートに着座する時期)とインジェクタ16の開弁期間との間の時期になるように、それら吸気バルブ20の閉弁時期およびインジェクタ16の開弁期間に基づいてノック判定期間を設定するようにすればよい。こうした構成によれば、ノック判定期間の変更を通じて、高精度でのノック判定の実行の実現とこれに伴う内燃機関10の運転性能の低下抑制との両立を図ることができるようになる。なお、図11はノック判定期間を変更する場合におけるゲート信号、吸気バルブ20の作動態様、およびインジェクタ16の作動態様の推移の一例を示している。また、図11中の二点鎖線は、ノック判定の非実行時において設定されるノック判定期間(上記実施の形態において設定されるノック判定期間と同一)を示している。
図11に示す例では、同図中に矢印で示すように、バルブノイズおよびインジェクタノイズのうちの一方のみを必ずノック判定期間のノックセンサ36の出力信号に重畳させるために、ノック判定期間の終了時期が遅い時期に変更される。なお、このようにノック判定期間の終了時期を遅い時期に変更することに限らず、同終了時期を早い時期に変更したりしてもよく、またノック判定期間の開始時期(ゲート信号がオン操作される時期)を早い時期に変更したり遅い時期に変更したりすることも可能である。
・バルブノイズおよびインジェクタノイズのうちの一方のみを必ずノック判定期間のノックセンサ36の出力信号に重畳させるために、吸気バルブ20の開弁期間(具体的には、目標吸気バルブタイミングTvtiおよび目標作用角Tvl)を併せて変更するようにしてもよい。同構成においては、例えばノック判定の実行時と非実行時とで吸気バルブ20の開弁期間として異なる期間を設定するようにすればよい。こうした構成によれば、インジェクタ16の開弁期間の変更やノック判定期間の変更に併せて吸気バルブ20の開弁期間を変更することができ、より高い自由度をもって、高精度でのノック判定の実行の実現とこれに伴う内燃機関の運転性能の低下抑制との両立を図ることができる。なお、このように吸気バルブ20の開弁期間を変更する際に、スロットル開度TAを併せて変更するようにしてもよい。これにより、吸気バルブ20の開弁期間の変更についての自由度を高くすることができる。
・上記実施の形態では、ノック判定の実行時と非実行時とで機関制御の実行態様を変更するために、同機関制御についての制御目標値(具体的には、目標燃料噴射時期Ttqおよび目標燃料噴射期間Tpq)の算出に用いる演算マップを切り替えるようにした。これに代えて、機関制御についての制御目標値の算出に用いる演算マップとして、ノック判定の実行時および非実行時において用いられる共通の演算マップを設定するようにしてもよい。同構成では、例えば以下のような構成を採用することにより、ノック判定の実行時と非実行時とで機関制御の実行態様を変更することができる。すなわち、図12のフローチャートに示すように、ノック判定の実行条件が成立しており(ステップS400:YES)且つ吸気バルブ20の閉弁時期がノック判定期間と重なるときに(ステップS410:YES)、補正項を算出するとともに(ステップS420)、同補正項により制御目標値を補正する(ステップS430)。その一方で、ノック判定の実行条件が成立していないときや(ステップS400:NO)吸気バルブ20の閉弁時期がノック判定期間と重ならないときには(ステップS410:NO)、補正項を算出しない。なお、上記制御目標値としては、目標燃料噴射時期Ttqおよび目標燃料噴射期間Tpqの他、ノック判定期間を設定する制御量についての目標値や、目標吸気バルブタイミングTvti、目標作用角Tvlなどを採用することができる。
・ノック制御の実行条件は任意に変更することができる。
・ノック判定の実行および非実行に関わらず、バルブノイズおよびインジェクタノイズのうちの一方のみが必ずノック判定期間のノックセンサ36の出力信号に重畳するように、機関制御を実行するようにしてもよい。こうした構成にあっては、目標燃料噴射時期Ttqの算出に用いる演算マップや目標燃料噴射期間Tpqの算出に用いる演算マップとして、ノック判定の実行時と非実行時とにおいて共通の演算マップを設定することができる。
・上記実施の形態は、作用角変更機構26が設けられず、吸気バルブタイミング変更機構24のみが設けられた内燃機関の制御装置にも適用することができる。
・本発明を適用することの可能な内燃機関の制御装置は、吸気バルブのバルブ作用角が大きいときには同吸気バルブの閉弁時期とノック判定期間とが重なり且つ該バルブ作用角が小さくなると吸気バルブの閉弁時期とノック判定期間とが重ならなくなる装置に限らない。すなわち、吸気バルブの閉弁時期とノック判定期間とが重なる状況になったり重ならない状況になったりする内燃機関の制御装置であれば、それら吸気バルブの閉弁時期およびノック判定期間が任意の態様で重畳する装置にも本発明は適用することができる。
・本発明は、吸気通路に燃料を噴射するタイプのインジェクタが設けられた内燃機関にも適用することができる。
・本発明は、4気筒の内燃機関に限らず、2気筒または3気筒の内燃機関や、5気筒以上の内燃機関にも適用することができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる制御装置が適用される内燃機関の概略構成を示す略図。 吸気バルブタイミング変更機構の作動に基づく吸気バルブのバルブタイミングの変化態様を示すグラフ。 作用角変更機構の作動に基づく吸気バルブのバルブ作用角の変化態様を示すグラフ。 吸気バルブおよび排気バルブの変位態様の一例を示すグラフ。 燃料噴射制御にかかる処理の実行手順を示すフローチャート。 ノック制御におけるノック判定にかかる処理の流れを示すフローチャート。 燃料噴射信号(a)とニードルバルブのリフト量(b)とノックセンサの出力信号(c)との関係を示すタイムチャート。 インジェクタの開弁期間および吸気バルブの開弁期間の設定態様の一例を示すタイムチャート。 インジェクタの開弁期間および吸気バルブの開弁期間の設定態様の他の例を示すタイムチャート。 マップ切り替え処理の実行手順を示すフローチャート。 実施の形態の変形例におけるノック判定期間の設定態様の一例を示すタイムチャート。 実施の形態の他の変形例における変更処理の実行手順を示すフローチャート。
符号の説明
10…内燃機関、11…吸気通路、12…スロットル機構、13…スロットルバルブ、14…スロットルモータ、15…燃焼室、16…インジェクタ、17…ピストン、18…クランクシャフト、19…排気通路、20…吸気バルブ(機関バルブ)、21…排気バルブ(機関バルブ)、22…吸気カムシャフト、23…排気カムシャフト、24…吸気バルブタイミング変更機構(可変動弁機構)、25…アクチュエータ、26…作用角変更機構(可変動弁機構)、27…アクチュエータ、28…点火プラグ、29…イグナイタ、30…電子制御装置、31…クランクセンサ、32…アクセルセンサ、33…吸気量センサ、34…圧力センサ、35…温度センサ、36…ノックセンサ、37…位置センサ、38…作用角センサ。

Claims (9)

  1. 複数の気筒を有する内燃機関に適用されて、ノック判定期間におけるノックセンサの出力信号に基づいてノッキングの有無を判定するノック判定と、機関バルブの開弁特性を変更する可変動弁機構の作動制御と、燃料を噴射するインジェクタの作動制御とを実行する内燃機関の制御装置において、
    前記機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよび前記インジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ず前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように、前記ノック判定および前記可変動弁機構の作動制御および前記インジェクタの作動制御を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該制御装置は、前記ノック判定を実行条件の成立時に実行するものであり、前記ノック判定および前記可変動弁機構の作動制御および前記インジェクタの作動制御を、前記ノック判定の実行時においては前記機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよび前記インジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ず前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように実行し、前記ノック判定の非実行時においては前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に前記機関バルブの閉弁によって生じるノイズおよび前記インジェクタの動作によって生じるノイズが共に重畳する実行態様とそれらノイズが共に重畳しない実行態様とを許容しつつ実行するものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該制御装置は、前記ノック判定の実行時と非実行時とで前記インジェクタの開弁期間として異なる期間が設定されるように前記インジェクタの作動制御を実行するものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該制御装置は、前記ノック判定の実行時と非実行時とで前記機関バルブの開弁期間として異なる期間が設定されるように前記機関バルブの作動制御を実行するものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該制御装置は、前記機関バルブの閉弁時期に応じて前記インジェクタの開弁期間を変更するものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記インジェクタは前記内燃機関の燃焼室の内部に燃料を直接噴射するタイプのものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該制御装置は、前記機関バルブの閉弁時期および前記インジェクタの開弁期間に応じて前記ノック判定期間を変更するものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記機関バルブは吸気バルブであり、
    前記可変動弁機構は、前記吸気バルブのバルブタイミングを変更するバルブタイミング変更機構と前記吸気バルブのバルブ作用角を変更する作用角変更機構とを備えてなるものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該制御装置は、前記吸気バルブの閉弁によって生じるノイズおよび前記インジェクタの動作によって生じるノイズのうちの一方のみが必ず前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するようにするために前記ノック判定および前記可変動弁機構の作動制御および前記インジェクタの作動制御をそれぞれ、前記バルブ作用角が大きいときには前記吸気バルブの閉弁によって生じるノイズが前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように実行し、前記バルブ作用角が小さいときには前記インジェクタの動作によって生じるノイズが前記ノック判定期間のノックセンサの出力信号に重畳するように実行するものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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