JP2013087755A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧燃料系内の燃料圧力が高い状態で筒内用噴射弁から燃料を噴射するに際して、トルクショックの発生を抑えることのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関1は、低圧燃料系から供給される燃料を吸気通路に噴射するポート噴射用インジェクタ22と、高圧燃料系170から供給される燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内噴射用インジェクタ17とを備える。電子制御装置30は、ポート噴射用インジェクタ22のみによる燃料噴射が行われている状態から筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射が開始されるときに、高圧燃料系170内の燃料圧力が所定の判定値以上となっているときには、吸入吸気量を増量する吸気増量処理を行うとともに、この吸気増量処理による機関出力の増大を抑える出力抑制処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸気通路に燃料を噴射する吸気通路用噴射弁と燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内用噴射弁とを備える内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
低圧燃料系から供給される燃料を吸気通路に噴射する吸気通路用噴射弁と、高圧燃料系から供給される燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内用噴射弁とを備える内燃機関が知られている。この内燃機関では、各噴射弁から噴射される燃料量の噴射比率が機関運転状態に応じて種々変更される。
ここで、吸気通路用噴射弁のみによる燃料噴射が継続して行われていると、筒内用噴射弁に供給される燃料は、高圧燃料系内で停滞して機関熱の受熱により圧力が高くなる。そこで、特許文献1に記載の装置では、高圧燃料系内の燃料圧力が過剰に高くなった場合、筒内用噴射弁による燃料噴射を行うことで燃料圧力を低下させるようにしている。
特開2010−203414号公報
ところで、機関運転状態に応じて要求された燃料噴射量を筒内用噴射弁から噴射させる場合、燃料圧力が高いほど筒内用噴射弁の噴射時間、つまり筒内用噴射弁を開弁させるための通電時間は短くなる。また、筒内用噴射弁には噴射量を保証するための最小噴射時間が存在し、通常、この最小噴射時間よりも短い噴射時間は設定されない。
ここで、上述したように燃料圧力が高くなっている状態において、筒内用噴射弁による燃料噴射を行う場合には、要求された燃料噴射量及び燃料圧力から算出された噴射時間が最小噴射時間よりも短くなる可能性がある。
算出された噴射時間が最小噴射時間よりも短い場合には、筒内用噴射弁の噴射時間として、算出された噴射時間ではなく最小噴射時間が設定されるため、実際の噴射時間は、算出された噴射時間と最小噴射時間との差の分だけ長くなる。そのため、要求された燃料噴射量に対してそうした噴射時間の差の分だけ多くの燃料が噴射される。従って、筒内用噴射弁による燃料噴射が行われた直後には空燃比がリッチ化しやすく、こうした空燃比のリッチ化による機関出力の変化によってトルクショックが発生するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高圧燃料系内の燃料圧力が高い状態で筒内用噴射弁から燃料を噴射するに際して、トルクショックの発生を抑えることのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、低圧燃料系から供給される燃料を吸気通路に噴射する吸気通路用噴射弁と、高圧燃料系から供給される燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内用噴射弁とを備え、吸気通路用噴射弁及び筒内用噴射弁から噴射される燃料量の噴射比率が変更される内燃機関の制御装置であって、吸気通路用噴射弁のみによる燃料噴射が行われている状態から筒内用噴射弁による燃料噴射が開始されるときに、前記高圧燃料系内の燃料圧力が所定の判定値以上となっているときには、吸入吸気量を増量する吸気増量処理を行うとともに、同吸気増量処理による機関出力の増大を抑える出力抑制処理を行うことをその要旨とする。
吸気通路用噴射弁のみによる燃料噴射が行われている状態、つまり筒内用噴射弁による燃料噴射は行われておらず高圧燃料系内で燃料が滞っている状態では、高圧燃料系内の燃料が受熱によって高圧化しやすい状態になっている。そして、このような状態のときに筒内用噴射弁による燃料噴射が開始されるとき、例えば吸気通路用噴射弁による燃料噴射に加えて筒内用噴射弁による燃料噴射も併用されるとき、あるいは吸気通路用噴射弁のみによる燃料噴射から筒内用噴射弁のみによる燃料噴射に切り替えられるときに、高圧燃料系内の燃料圧力が過剰に高いと、筒内用噴射弁からの燃料噴射が開始されたときに上述したような空燃比のリッチ化が生じやすくなる。
そこで同構成では、そうした空燃比のリッチ化が生じやすいときには、吸気増量処理を実行して吸入空気量を増量することにより空燃比のリッチ化を抑えるようにしている。ここで、吸気増量処理を実行すると空気量増量に伴って機関出力が増大してしまうが、同構成では、吸気増量処理とともに出力抑制処理も併せて実行するようにしているため、吸気増量処理による機関出力の増大が抑えられる。
従って同構成によれば、高圧燃料系内の燃料圧力が高い状態で筒内用噴射弁から燃料を噴射するに際して、空燃比のリッチ化に伴うトルクショックの発生を好適に抑えることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記吸気増量処理によって増量された吸入空気量は徐々に減量されるとともに、前記出力抑制処理によって抑制された機関出力は抑制前の機関出力に向けて徐々に増大されることをその要旨とする。
同構成によれば、増量された吸入空気量と抑制された機関出力とを元の状態に戻すときの機関運転状態の急変を抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、前記吸気増量処理及び前記出力抑制処理は、前記内燃機関がアイドル運転状態のときに行われることをその要旨とする。
アイドル運転状態のときには要求される燃料噴射量が少ない。そのため、アイドル運転状態のときに高圧燃料系内の燃料圧力が過剰に高くなると、要求された燃料噴射量及び燃料圧力から算出された燃料の噴射時間が上記最小噴射時間よりも短くなる可能性が高くなり、上述した空燃比のリッチ化が生じやすい。この点、同構成によれば、そうしたアイドル運転状態のときに上記吸気増量処理及び出力抑制処理が実行されるため、空燃比のリッチ化を効果的に抑えることができる。
なお、吸気増量処理による吸入空気量の増量は、請求項4に記載の発明によるように、吸気通路に設けられたスロットルバルブの開度を増大させることによって行われる、といった構成を採用することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、点火時期の遅角補正によって行われることをその要旨とする。
同構成によれば、点火時期を遅角補正することにより機関出力を抑えることができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記内燃機関は、排気通路及び吸気通路を連通する排気再循環通路と同排気再循環通路に設けられて前記吸気通路に戻される排気の量を調量する流量制御弁とを備えた排気再循環装置を有しており、前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、前記流量制御弁の開度の増大補正によって行われることをその要旨とする。
同構成によれば、燃焼室内に導入される外部EGR量が増えることで混合気の燃焼速度が低下し、これによって機関出力を抑えることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記内燃機関は、排気弁の閉弁時期を変更する可変動弁機構を備えており、前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、前記閉弁時期の遅角補正によって行われることをその要旨とする。
同構成によれば、排気弁の閉弁時期が遅角補正されることにより吸気弁とのバルブオーバラップ量が増大する。そして、バルブオーバラップ量が増大すると燃焼室内の内部EGR量が増えることで混合気の燃焼速度が低下し、これによって機関出力を抑えることができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、前記筒内用噴射弁の圧縮行程噴射によって行われることをその要旨とする。
同構成によれば、出力抑制処理が実行されると、筒内用噴射弁の噴射時期は圧縮行程中の時期にされる。このような圧縮行程噴射では、燃料が噴射されてから点火されるまでの時間が短くなる、つまり空気と燃料とを混合する混合時間が短くなるため、空気及び燃料のミキシングが悪化して燃焼が不安定になる。このようにして燃焼が不安定になるため、機関出力を抑えることができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、前記筒内用噴射弁の膨張行程噴射によって行われることをその要旨とする。
同構成によれば、出力抑制処理が実行されると、筒内用噴射弁の噴射時期は膨張行程中の時期にされる。このような膨張行程噴射では、ピストン下降に伴う筒内圧の低下過程において混合気の燃焼が起こるために燃焼圧が大きく低下する。このようにして燃焼圧が低下するため、機関出力を抑えることができるようになる。なお、同構成を採用する場合には、膨張行程で噴射された燃料を点火するために、点火時期も膨張行程に設定される。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記判定値は、機関運転状態に基づいて設定される前記高圧燃料系内の目標圧力を基準にしてこの基準値よりも所定量だけ高い値であることをその要旨とする。
同構成によれば、高圧燃料系内の燃料圧力が目標圧力に対して過剰に高くなっている状態を好適に判定することができる。
本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態にあって、これが適用される内燃機関の構造を示す模式図。 同実施形態にて行われるトルクショック抑制処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態においてトルクショック抑制処理が実行されるときの吸入空気量及び点火時期遅角補正量の変化態様を示すタイミングチャート。 同実施形態の変形例におけるトルクショック抑制処理が実行されるときの吸入空気量及びEGR弁の目標開度についてそれらの変化態様を示すタイミングチャート。 同実施形態の変形例におけるトルクショック抑制処理が実行されるときの吸入空気量及び排気バルブの遅角補正量についてそれら変化態様を示すタイミングチャート。 同実施形態の変形例におけるトルクショック抑制処理が実行されるときの吸入空気量及び筒内用噴射弁の噴射時期についてそれらの変化態様を示すタイミングチャート。 実施形態の変形例におけるトルクショック抑制処理が実行されるときの吸入空気量及び筒内用噴射弁の噴射時期についてそれらの変化態様を示すタイミングチャート。
以下、この発明にかかる制御装置を内燃機関に具体化した一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、内燃機関1の気筒12内にはピストン13が備えられている。ピストン13は、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト15にコンロッド14を介して連結されており、コンロッド14によりピストン13の往復運動がクランクシャフト15の回転運動に変換される。
気筒12内にあってピストン13の上方には燃焼室16が区画形成されており、この燃焼室16に向かって筒内噴射用インジェクタ17(筒内用噴射弁)が取り付けられている。筒内噴射用インジェクタ17には、高圧ポンプや高圧配管、デリバリパイプ等で構成される周知の高圧燃料系170を通じて高圧化された燃料が供給される。そして、この筒内噴射用インジェクタ17の開弁駆動により、燃料が燃焼室16内に直接噴射供給される(筒内噴射)。
また、燃焼室16には、その内部に形成される燃料と空気とからなる混合気に対して点火を行う点火プラグ18が取り付けられている。この点火プラグ18による混合気への点火タイミングは、点火プラグ18の上方に設けられたイグナイタ19によって調整される。
更に、上記燃焼室16には、吸気通路20及び排気通路21が連通されている。そして、燃焼室16と吸気通路20との連通部分、すなわち吸気ポート20aには、同吸気ポート20aに燃料を噴射するポート噴射用インジェクタ22(吸気通路用燃料噴射弁)が設けられている。このポート噴射用インジェクタ22には、フィードポンプや低圧配管等で構成される周知の低圧燃料系220を通じて、上記高圧燃料系170内の圧力よりも低圧の燃料が供給される。そして、このポート噴射用インジェクタ22の開弁駆動に伴って、燃料が吸気ポート20aに噴射される(ポート噴射)。また、吸気通路20には燃焼室16に導入される空気量を調量するスロットルバルブ8が設けられている。
内燃機関1の吸気バルブ9を開閉する吸気カムシャフトには、吸気バルブ9のバルブタイミングを変更する可変動弁機構としての吸気側バルブタイミング可変機構(以下、吸気側VVTという)130が備えられている。この吸気側VVT130は、クランクシャフトに対する吸気カムシャフトの相対回転位相を調節して吸気バルブ9のバルブタイミングを変更することで、吸気バルブ9の開弁期間を一定に保持した状態で同吸気バルブ9の開弁時期及び閉弁時期を共に進角側又は遅角側に変更する。この吸気側VVT130の制御に際しては、最遅角位相を「0」として、この最遅角位相からの進角量ADが制御される。従って、進角量ADが大きいほど、吸気バルブ9のバルブタイミングは進角側の時期となる。この進角量ADは、機関負荷や機関回転速度等の機関運転状態に基づいて設定される値であり、設定された進角量ADと実際の進角量とが一致するように吸気側VVT130の駆動は制御される。
同様に、内燃機関1の排気バルブ10を開閉する排気カムシャフトには、排気バルブ10のバルブタイミングを変更する可変動弁機構としての排気側バルブタイミング可変機構(以下、排気側VVTという)140が備えられている。この排気側VVT140も、クランクシャフトに対する排気カムシャフトの相対回転位相を調節して排気バルブ10のバルブタイミングを変更することで、排気バルブ10の開弁期間を一定に保持した状態で同排気バルブ10の開弁時期及び閉弁時期を共に進角側又は遅角側に変更する。この排気側VVT140の制御に際しては、最進角位相を「0」として、この最進角位相からの遅角量REが制御される。従って、遅角量REが大きいほど、排気バルブ10のバルブタイミングは遅角側の時期となる。この遅角量REも、機関負荷や機関回転速度等の機関運転状態に基づいて設定される値であり、設定された遅角量REと実際の遅角量とが一致するように排気側VVT140の駆動は制御される。
また、排気通路21の下流には、混合気の空燃比が所定範囲内の値となっているときに浄化機能を発揮する排気浄化装置100が設けられている。
この他、内燃機関1には排気再循環装置(以下、EGR装置という)が備えられている。このEGR装置は、吸入空気に排気の一部を導入することで気筒内の燃焼温度を低下させてNOxの発生量を低減させる装置である。この装置は吸気通路20と排気通路21とを連通するEGR通路300、同EGR通路300に設けられたEGR弁310等により構成されている。EGR弁310はその開度を調整することにより排気通路21から吸気通路20に導入される排気の還流量、すなわち外部EGR量を調整する。EGR弁310の開度は、機関運転状態に基づいて設定されるEGR率に対応した開度となるように制御される。なお、EGR率が高いほどEGR弁310の目標開度EKpは大きくされ、これにより外部EGR量は増大される。ちなみに、EGR率とは、「気筒内に流入する外部EGR量/(気筒内に流入する新気量+気筒内に流入する外部EGR量)」で求められる値である。
内燃機関1の機関制御は、電子制御装置30により行われている。電子制御装置30は、機関制御に係る各種処理を実施する中央演算処理装置(CPU)、制御用のプログラムや機関制御に必要な情報を記憶するメモリ、筒内噴射用インジェクタ17、ポート噴射用インジェクタ22、吸気側VVT130、排気側VVT140、EGR弁310、並びにイグナイタ19等の駆動回路等を備えて構成されている。
電子制御装置30には、機関運転状態を検出する各種のセンサが接続されている。例えばクランクセンサ31によって機関出力軸であるクランクシャフト15の位相角、すなわちクランク角が検出され、これに基づいて機関回転速度NEが算出される。またアクセルセンサ33によって、アクセル操作量ACCPが検出される。また、電子制御装置30には、吸気通路20内を流れる空気の量を検出するエアフロエータ34の検出信号が入力され、この検出信号に基づいて吸入空気量GAが検出される。さらに電子制御装置30には、機関冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ35、実空燃比AFrを検出するために排気中の酸素濃度を検出する空燃比センサ36、筒内噴射用インジェクタ17に供給される燃料の圧力(燃圧Pr)を検出する燃圧センサ37等、機関制御に必要なセンサの検出信号が入力されている。そして電子制御装置30は、こうした各種センサの検出信号によって把握される内燃機関1の運転状況に応じて、燃料噴射制御や点火時期制御、あるいはバルブタイミング制御等を始めとする各種機関制御を実施する。
電子制御装置30は、筒内噴射用インジェクタ17及びポート噴射用インジェクタ22からそれぞれ噴射される燃料の噴射比率Rを機関負荷や機関回転速度に基づいて変更することで複数の噴射形態を具現化する。例えば、低負荷運転領域ではポート噴射用インジェクタ22だけを用いて燃料噴射を行い、高負荷運転領域では筒内噴射用インジェクタ17だけを用いて燃料噴射を行う。そして中負荷運転領域では、ポート噴射用インジェクタ22及び筒内噴射用インジェクタ17の双方から燃料噴射を行う。
なお、本実施形態では、上記噴射比率Rは、機関負荷や機関回転速度に基づき「0≦R≦1」の範囲内で可変設定される。そして、機関運転状態に基づいて設定される燃料噴射量Qに噴射比率Rを乗算した量がポート噴射用インジェクタ22の燃料噴射量として設定され、燃料噴射量Qに(1−噴射比率R)を乗算した量が筒内噴射用インジェクタ17の燃料噴射量として設定される。従って、例えばR=1のときには、ポート噴射用インジェクタ22を使用したポート噴射のみが実行され、R=0のときには、筒内噴射用インジェクタ17を使用した筒内噴射のみが実行される。
また、筒内噴射用インジェクタ17の先端は燃焼室16に曝されているため、デポジット等が付着しやすい。そこで本実施形態では、噴射比率Rが「1」に設定されている、つまりポート噴射のみが実行されている状態で所定の実行条件が成立したときには(例えば筒内噴射の非実行時間が所定時間を越えたときなど)、筒内噴射用インジェクタ17から燃料噴射を実行し、これによりデポジットの除去あるいは付着抑制を図るデポジット抑制噴射を行うようにしている。
また、電子制御装置30は空燃比制御を行う。この空燃比制御は周知の制御であり、同内燃機関1の実空燃比AFrが目標空燃比AFpとなるように基本燃料噴射量Qbをフィードバック補正する空燃比補正値AFHが算出される。そして、基本燃料噴射量Qbに対して空燃比補正値AFHの分だけ燃料噴射量が補正されることにより最終的な燃料噴射量Qが算出される。こうした空燃比制御により、実空燃比AFrが目標空燃比AFpよりもリッチの場合には、燃料噴射量Qを減量する方向に空燃比補正値AFHが変化し、これにより実空燃比AFrはリーン化して目標空燃比AFpに近づいていく。一方、実空燃比Arが目標空燃比AFpよりもリーンの場合には、燃料噴射量Qを増量する方向に空燃比補正値AFHが変化し、これにより実空燃比AFrはリッチ化して目標空燃比AFpに近づいていく。
また、電子制御装置30は、筒内噴射用インジェクタ17の燃料噴射量及び燃圧Prに基づいて筒内噴射用インジェクタ17の開弁時間を設定する。より詳細には、燃料噴射量が多いほど、あるいは燃圧Prが低いときほど筒内噴射用インジェクタ17の噴射時間が長くなるように同噴射時間(筒内噴射時間TAUD)を可変設定する。なお、厳密には、筒内噴射用インジェクタ17への通電時間が変更されることで、当該筒内噴射用インジェクタ17の開弁時間が変化し、これにより噴射時間が変更する。
そして、電子制御装置30は、筒内噴射用インジェクタ17に供給される燃料の目標燃圧Ppを機関負荷や機関回転速度等の機関運転状態に基づいて設定する。そして、実際の燃圧Prと目標燃圧Ppとが一致するように筒内噴射用インジェクタ17の燃料供給系を制御する。より具体的には、筒内噴射用インジェクタ17に燃料を吐出する高圧ポンプの吐出量を制御する。
ところで、ポート噴射用インジェクタ22のみによる燃料噴射が行われている状態、つまり筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射は行われておらず高圧燃料系170内で燃料が滞っている状態では、高圧燃料系170内の燃料が受熱によって高圧化しやすい状態になっている。そして、このような状態のときに筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射が開始されるとき、例えばポート噴射用インジェクタ22による燃料噴射に加えて筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射も併用されるとき、あるいはポート噴射用インジェクタ22のみによる燃料噴射から筒内噴射用インジェクタ17のみによる燃料噴射に切り替えられるときに、高圧燃料系170内の燃料圧力が過剰に高いと、筒内噴射用インジェクタ17からの燃料噴射が開始されたときに上述したような空燃比のリッチ化が生じて、機関出力の変化によるトルクショックが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、高圧燃料系170内の燃料圧力が過剰に高いときに筒内噴射用インジェクタ17からの燃料噴射が開始されるときには、図2に示すトルクショック抑制処理を実行するようにしている。なお、この処理は、電子制御装置30によって実行される。
本処理が開始されるとまず、現在の機関運転状態がアイドル運転中であるか否かが判定され(S100)、アイドル運転中でないときには(S100:NO)、本処理は終了される。
一方、アイドル運転中のときには(S100:YES)、現在、ポート100%噴射の実行中か、つまりポート噴射用インジェクタ22のみによる燃料噴射が行われている状態か否かが判定される(S110)。ここでは、上記噴射比率Rが「1」に設定されているときに肯定判定される。
そして、ポート100%噴射が実行されていないときには(S110:NO)、本処理は終了される。
一方、ポート100%噴射の実行中のときには(S110:YES)、筒内噴射の要求があるか否かが判定される(S120)。ここでは、上記デポジット抑制噴射の実行要求があるときに肯定判定される。そして、筒内噴射の要求がないときには(S120:NO)、本処理は終了される。
一方、筒内噴射の要求があるときには(S120:YES)、現在の目標燃圧Ppに所定値Aを加算した値が判定値P1として設定される(S130)。なお、所定値Aとしては、上述したような空燃比のリッチ化が懸念される程度に高圧燃料系170内の燃圧が過剰に高くなっていることを判定可能な値が設定されている。
そして、現在の高圧燃料系170内の燃圧Prが上記判定値P1以上であるか否かが判定され(S140)、燃圧Prが判定値P1未満のときには(S140:NO)、本処理は終了される。
一方、燃圧Prが判定値P1以上のときには(S140:YES)、ステップS120で判定された筒内噴射要求による筒内噴射が開始されたか否かが判定される(S150)。そして、筒内噴射がまだ開始されていないときには(S150:NO)、本処理は終了される。
一方、筒内噴射が開始されたときには(S150:YES)、吸気増量処理及び出力抑制処理が実行される。吸気増量処理では、スロットルバルブ8の開度が増大補正されることにより吸入空気量GAが増量される。このときにスロットルバルブ8の開度を増大させる開度増大補正量TAHは、次のようにして求められる。
すなわち、機関運転状態に応じて要求された燃料噴射量を筒内噴射用インジェクタ17から噴射させる場合、燃圧Pr高いほど筒内噴射用インジェクタ17の噴射時間、つまり筒内噴射用インジェクタ17を開弁させるための通電時間は短くなる。また、筒内噴射用インジェクタ17には噴射量を保証するための最小噴射時間が存在し、通常、この最小噴射時間よりも短い噴射時間は設定されない。
ここで、上述したように燃圧Prが高くなっている状態において、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を行う場合には、要求された燃料噴射量及び燃圧Prから算出された噴射時間が最小噴射時間よりも短くなる可能性がある。
算出された噴射時間が最小噴射時間よりも短い場合には、筒内噴射用インジェクタ17の噴射時間として、算出された噴射時間ではなく最小噴射時間が設定されるため、実際の噴射時間は、算出された噴射時間と最小噴射時間との差ΔTAUの分だけ長くなる。そのため、要求された燃料噴射量に対してそうした噴射時間の差ΔTAUの分だけ多くの燃料が噴射される。従って、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射が行われた直後には空燃比がリッチ化しやすい。そこで、上記吸気増量処理では、こうした空燃比のリッチ化を相殺できるように吸入空気量GAの増量が行われる。より詳細には、上記差Δが大きいほど、あるいは燃圧Prが高いほど過剰な燃料が噴射されるため、上記差Δが大きいほどあるいは燃圧Prが高いほど開度増大補正量TAHは大きくなるように可変設定される。
なお、スロットルバルブ8の開度が過度に増大されると機関運転状態に影響を与えるため、開度増大補正量TAHには上限値MXが設定されている。
他方、吸気増量処理が実行されると空気量増量に伴って機関出力が増大する。そこで、吸気増量処理の実行時には上記出力抑制処理も併せて実行することで、吸気増量処理による機関出力の増大を抑えるようにしている。本実施形態では、機関運転状態に基づいて設定される点火時期を遅角補正することで機関出力の増大を抑えるようにしており、より詳細には、開度増大補正量TAHが大きいほど、つまり増量される吸入空気量が多いときほど、点火時期を遅角補正する点火時期遅角補正量RTの値は大きくされる。
こうして開度増大補正量TAHが設定されると、この開度増大補正量TAHは時間経過とともに予め定められた一定量ずつ小さくされていき、これにより吸気増量処理によって増量された吸入空気量GAは徐々に減量されていく。また、開度増大補正量TAHが時間経過とともに一定量ずつ小さくされることにより、点火時期遅角補正量RTも時間経過とともに徐々に小さくなっていき、これにより出力抑制処理によって抑制された機関出力は抑制前の機関出力に向けて徐々に増大される。
次に、筒内噴射用インジェクタ17からの燃料噴射が実行されることにより低下する燃圧Prが目標燃圧Ppにまで低下したか否かが判定される(S170)。そして、燃圧Prが目標燃圧Ppにまで低下していないときには(S170:NO)、ステップS160及びステップS170の処理が繰り返し行われる。
一方、燃圧Prが目標燃圧Ppにまで低下したときには(S170:YES)、上記吸気増量処理及び上記出力抑制処理が終了されて(S180)、本処理は終了される。
次に、図3を併せ参照しつつ、上記トルクショック抑制処理の作用を説明する。
噴射比率Rが「1」であってポート噴射用インジェクタ22のみによる燃料噴射が行われている状態では、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射は行われていない。そのため高圧燃料系170内では燃料が滞っており、図3に示すように、高圧燃料系170内の燃料圧力(燃圧Pr)は機関からの受熱によって高くなっていく。
そして時刻t1において高圧燃料系170内の燃圧Prが判定値P1以上に高くなり、時刻t2において筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射が開始されると、筒内噴射用インジェクタ17の開弁により、高圧燃料系170の燃圧Prは低下し始める。この時刻t2において筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射が開始されると、開度増大補正量TAHが算出されることにより、吸入空気量GAは増量される。そして、時刻t2では、開度増大補正量TAHに基づいて点火時期遅角補正量RTが算出されることにより点火時期が遅角補正され、これにより吸入空気量GAの増量に伴う機関出力の増大が抑えられる。
時刻t2以降、開度増大補正量TAHは一定量ずつ小さくされていくのであるが、開度増大補正量TAHが上限値MXを超えている場合には、同開度増大補正量TAHとして上限値MXの値が設定される。そのため、開度増大補正量TAHが上限値MXよりも小さくなるまでの吸入空気量GAの増量分は、上限値MXに対応した一定の量になる。そして、時刻t3において開度増大補正量TAHが上限値MXよりも小さくなると、開度増大補正量TAHの減少がそのままスロットルバルブ8の開度に反映されることにより、吸入空気量GAは徐々に減量されていく。
また、時刻t2以降、開度増大補正量TAHとして上限値MXの値が設定されている間は、同開度増大補正量TAHは一定の値となるため、点火時期遅角補正量RTも一定の値になる。そして、時刻t3以降では、開度増大補正量TAHの減少に伴って点火時期遅角補正量RTも徐々に小さくなっていく。
そして、時刻t4において、燃圧Prが目標燃圧Ppにまで低下すると吸気増量処理及び出力抑制処理は終了される。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)高圧燃料系170内の燃料圧力が過剰に高いと、筒内噴射用インジェクタ17からの燃料噴射が開始されたときに上述したような空燃比のリッチ化が生じやすくなる。この点、本実施形態では、そうした空燃比のリッチ化が生じやすいとき、つまりポート噴射用インジェクタ22のみによる燃料噴射が行われている状態から筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射が開始されるときにあって、高圧燃料系170内の燃圧Prが判定値P1以上となっているときには、吸気増量処理を実行して吸入空気量を増量することにより空燃比のリッチ化を抑えるようにしている。
ここで、吸気増量処理を実行すると空気量増量に伴って機関出力が増大してしまうが、本実施形態では、吸気増量処理とともに出力抑制処理も併せて実行するようにしているため、吸気増量処理による機関出力の増大が抑えられる。従って、高圧燃料系170内の燃料圧力が高い状態で筒内噴射用インジェクタ17から燃料を噴射するに際して、空燃比のリッチ化に伴うトルクショックの発生を好適に抑えることができるようになる。
(2)吸気増量処理によって増量された吸入空気量を徐々に減量するとともに、出力抑制処理によって抑制された機関出力は抑制前の機関出力に向けて徐々に増大されるようにしている。従って、増量された吸入空気量と抑制された機関出力とを元の状態に戻すときの機関運転状態の急変を抑えることができる。
(3)アイドル運転状態のときには要求される燃料噴射量が少ない。そのため、アイドル運転状態のときに高圧燃料系170内の燃料圧力が過剰に高くなると、要求された燃料噴射量及び燃料圧力から算出された燃料の噴射時間が上記最小噴射時間よりも短くなる可能性が高くなり、上述した空燃比のリッチ化が生じやすい。この点、本実施形態では、そうしたアイドル運転状態のときに上記吸気増量処理及び出力抑制処理を実行するため、空燃比のリッチ化を効果的に抑えることができる。
(4)出力抑制処理による機関出力の抑制は、点火時期を遅角補正することで行うようにしている。このように点火時期を遅角補正することにより機関出力を適切に抑えることができるようになる。
(5)機関運転状態に基づいて設定される高圧燃料系170内の目標燃圧Ppを基準にしてこの基準値よりも所定値Aだけ高い値を上記判定値P1とするようにしている。そのため、高圧燃料系170内の燃圧Prが目標燃圧Ppに対して過剰に高くなっている状態を好適に判定することができるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態の吸気増量処理では、吸入空気量GAを増量するためにスロットルバルブ8の開度を増大させるようにしたが、この他の方法で吸入空気量GAを増量してもよい。例えば、スロットルバルブ8の他にアイドル運転中の吸入空気量を調整するアイドルスピードコントロールバルブを備えている場合には、そのアイドルスピードコントロールバルブの開度を増大させるようにしてもよい。また、吸気バルブの最大リフト量を変更する可変リフト機構を備えている場合には、吸気バルブの最大リフト量を増大させるようにしてもよい。
・上記実施形態の出力抑制処理では、吸気増量処理による機関出力の増大を抑えるために点火時期の遅角補正を行うようにしたが、この他の方法で機関出力の増大を抑えるようにしてもよい。
例えば図4に示すように、EGR弁310の開度を増大補正することで、吸気増量処理による機関出力の増大を抑えるようにしてもよい。より詳細には、開度増大補正量TAHが大きいほど、つまり増量される吸入空気量が多いときほど、EGR弁310の開度が増大されるようにEGR弁310の目標開度EKpを補正するようにしてもよい。この変形例によれば、EGR弁310の開度が増大補正されることにより、燃焼室16内に導入される外部EGR量が増えるようになる。このようにして外部EGR量が増えると混合気の燃焼速度が低下するため、これによって機関出力を抑えることができるようになる。なお、この変形例でも、吸入空気量GAの増量分が一定の間は、EGR弁310の目標開度EKpも一定の増大分とされる(図4の時刻t2〜時刻t3)。そして、吸入空気量GAが徐々に減量されていくと、EGR弁310の目標開度EKpも徐々に小さくされていく(図4の時刻t3〜時刻t4)。
また、図5に示すように、排気バルブ10の閉弁時期を遅角補正することで、吸気増量処理による機関出力の増大を抑えるようにしてもよい。より詳細には、機関運転状態に基づいて設定される上記遅角量REを更に大きい値に補正する遅角補正量REHを算出するようにする。そして、その遅角補正量REHは、開度増大補正量TAHが大きいほど、つまり増量される吸入空気量が多いときほど大きい値となるようにする。この変形例によれば、排気バルブ10の閉弁時期が遅角補正されることにより、吸気バルブ9とのバルブオーバラップ量が増大するようになる。そして、バルブオーバラップ量が増大すると燃焼室16内の内部EGR量が増えることで混合気の燃焼速度が低下し、これによって機関出力を抑えることができるようになる。なお、この変形例でも、吸入空気量GAの増量分が一定の間は、遅角補正量REHも一定の増大分とされる(図5の時刻t2〜時刻t3)。そして、吸入空気量GAが徐々に減量されていくと、遅角補正量REHも徐々に小さくされていく(図5の時刻t3〜時刻t4)。
また、図6に示すように、通常、吸気行程中に行われる筒内噴射を圧縮行程中に行うことで、吸気増量処理による機関出力の増大を抑えるようにしてもよい。より詳細には、図6に示すように、時刻t2において吸入空気量GAの増量が開始されると、筒内噴射用インジェクタ17の噴射時期として圧縮行程中の時期を設定する。そして、所定期間が経過した後、筒内噴射用インジェクタ17の噴射時期を圧縮行程中の時期から吸気行程中の時期に変更する(図6の時刻t3+α)。なお、圧縮行程噴射から吸気行程噴射に切り替えるタイミングとしては、例えば上述した空燃比のリッチ化が抑えられる程度にまで燃圧Prが低下したタイミング等が挙げられる。この変形例のように、筒内噴射用インジェクタ17の圧縮行程噴射を行うと、燃料が噴射されてから点火されるまでの時間が短くなる、つまり空気と燃料とを混合する混合時間が短くなるため、空気及び燃料のミキシングが悪化して燃焼が不安定になる。このようにして燃焼が不安定になるため、機関出力が抑えられるようになる。
また、図7に示すように、通常、吸気行程中に行われる筒内噴射を膨張行程中に行うことで、吸気増量処理による機関出力の増大を抑えるようにしてもよい。より詳細には、図7に示すように、時刻t2において吸入空気量GAの増量が開始されると、筒内噴射用インジェクタ17の噴射時期として膨張行程中の時期を設定する。なお、膨張行程で噴射された燃料を点火するために、点火時期も膨張行程中の時期に設定する。そして、所定期間が経過した後、筒内噴射用インジェクタ17の噴射時期を膨張行程中の時期から吸気行程中の時期に変更する(図7の時刻t3+α)。なお、膨張行程噴射から吸気行程噴射に切り替えるタイミングとしては、例えば上述した空燃比のリッチ化が抑えられる程度にまで燃圧Prが低下したタイミング等が挙げられる。この変形例のように、筒内噴射用インジェクタ17の膨張行程噴射を行うと、ピストン下降に伴う筒内圧の低下過程において混合気の燃焼が起こるために燃焼圧が大きく低下するため、機関出力が抑えられる。
なお、出力抑制処理として上述した圧縮行程噴射や膨張行程噴射を採用する場合には、点火時期の遅角補正やEGR弁310の開度補正、あるいは排気バルブ10の閉弁時期の遅角補正を採用する場合と比較して、機関出力の抑制効果が高い。そのため、上記判定値P1よりも高い値に設定された第2判定値を燃圧Prが超えたときに、出力抑制処理として上述した圧縮行程噴射や膨張行程噴射を行うようにしてもよい。
・目標燃圧Ppを基準に所定値Aを加算して判定値P1を設定するようにしたが、目標燃圧Ppを基準にすることなく、判定値P1を適宜設定された固定値としてもよい。
・図2のステップS140では、高圧燃料系170内の圧力が過剰に高くなっているかどうかを判定するために、実際の燃圧Prが第1判定値P1以上になっているかどうかを判定するようにした。この他、アイドル運転状態においてポート噴射用インジェクタ22のみによる燃料噴射が行われる場合、そのアイドル運転の継続時間が長くなるほど、機関からの受熱によって高圧燃料系170内の圧力が上昇するようになる。そこで、高圧燃料系170内の圧力が上記第1判定値P1に達するまでに要するアイドル運転の継続時間を判定時間Tとして予め計測しておく。そして、実際のアイドル運転の継続時間がその判定時間Tを超えた時点で、実際の燃圧Prが第1判定値P1以上になっていると推定するようにしてもよい。
1…内燃機関、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、8…スロットルバルブ、12…気筒、13…ピストン、14…コンロッド、15…クランクシャフト、16…燃焼室、17…筒内噴射用インジェクタ、18…点火プラグ、19…イグナイタ、20…吸気通路、20a…吸気ポート、21…排気通路、22…ポート噴射用インジェクタ、30…電子制御装置、31…クランクセンサ、33…アクセルセンサ、34…エアフロメータ、35…水温センサ、36…空燃比センサ、37…燃圧センサ、100…排気浄化装置、130…吸気側バルブタイミング可変機構(吸気側VVT)、140…排気側バルブタイミング可変機構(排気側VVT)170…高圧燃料系、220…低圧燃料系、300…EGR通路、310…EGR弁。

Claims (10)

  1. 低圧燃料系から供給される燃料を吸気通路に噴射する吸気通路用噴射弁と、高圧燃料系から供給される燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内用噴射弁とを備え、吸気通路用噴射弁及び筒内用噴射弁から噴射される燃料量の噴射比率が変更される内燃機関の制御装置であって、
    吸気通路用噴射弁のみによる燃料噴射が行われている状態から筒内用噴射弁による燃料噴射が開始されるときに、前記高圧燃料系内の燃料圧力が所定の判定値以上となっているときには、吸入吸気量を増量する吸気増量処理を行うとともに、同吸気増量処理による機関出力の増大を抑える出力抑制処理を行う
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記吸気増量処理によって増量された吸入空気量は徐々に減量されるとともに、前記出力抑制処理によって抑制された機関出力は抑制前の機関出力に向けて徐々に増大される
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記吸気増量処理及び前記出力抑制処理は、前記内燃機関がアイドル運転状態のときに行われる
    請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気増量処理による吸入空気量の増量は、吸気通路に設けられたスロットルバルブの開度を増大させることによって行われる
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、点火時期の遅角補正によって行われる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関は、排気通路及び吸気通路を連通する排気再循環通路と同排気再循環通路に設けられて前記吸気通路に戻される排気の量を調量する流量制御弁とを備えた排気再循環装置を有しており、
    前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、前記流量制御弁の開度の増大補正によって行われる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記内燃機関は、排気弁の閉弁時期を変更する可変動弁機構を備えており、
    前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、前記閉弁時期の遅角補正によって行われる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、前記筒内用噴射弁の圧縮行程噴射によって行われる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記出力抑制処理による機関出力の抑制は、前記筒内用噴射弁の膨張行程噴射によって行われる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記判定値は、機関運転状態に基づいて設定される前記高圧燃料系内の目標圧力を基準にしてこの基準値よりも所定量だけ高い値である
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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