JP2007177768A - 吸気量制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】気筒間における吸気量のバラツキを抑制することのできる吸気量制御装置を提供する。
【解決手段】この装置は、複数の気筒を有する内燃機関に適用されて、各吸気バルブの作用角の可変制御とスロットルバルブの開度の可変制御との協働制御を通じて吸気量を調節する。複数の気筒に対応する吸気バルブの作用角のバラツキ度合いを検出して、その検出したバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を記憶する。上記履歴が記憶されているときには(実線で示す)、同履歴が記憶されていないときと比較して(一点鎖線で示す)、上記作用角の可変制御における作用角下限値VLgdとして大きい角度を設定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、吸気バルブの作用角の可変制御とスロットルバルブ開度の可変制御との協働制御を通じて内燃機関の吸気量を調節する吸気量制御装置に関する。
近年、内燃機関に、吸気バルブの作用角(開弁されてから閉弁されるまでのクランク角)を機関運転条件に応じて変更する作用角変更機構を搭載することが提案されている。こうした内燃機関では、吸気バルブの作用角を小さくすることによって、燃焼室内に吸入される空気量を減少させることができる。この場合、スロットルバルブを絞ることで吸気量を減少させる場合と比較して、ポンピング損失を小さくすることができるため、より低出力(低空気量)で運転可能となり、燃費性能を向上することができる。
また、そうした作用角の可変制御に併せて、機関吸気通路の途中に設けられたスロットルバルブの開度の可変制御を実行し、それらの協働制御を通じて吸気量を調節する装置も提案されている。
ところで、同一の作用角変更機構が用いられる場合であっても、これを単に内燃機関に組み付けると、同作用角変更機構の製造公差や組み付け公差などにより、吸気バルブの作用角は異なったものとなる。これは吸気量を異なる量にすることとなり、特に多気筒の内燃機関に適用される装置にあっては気筒間において吸気量にバラツキを生じさせてしまう。そして、そうした気筒間における吸気量のバラツキは内燃機関の運転状態を不安定なものとする一因となる。
そのため作用角変更機構としては通常、その作動量と作用角との関係を調整することの可能な構造のものが採用される(例えば特許文献1参照)。そして、その組み付け時において上記関係の調整が行われて、上記吸気量のバラツキが抑制される。
特開2005−201077号公報
ここで上記従来の装置では、作用角変更機構の組み付け時における調整を通じて前述した吸気量のバラツキを抑制することが可能になる。とはいえ、作用角変更機構の全作動領域にわたって全ての吸気バルブについて同作用角変更機構の作動量とそれに見合う吸気バルブの作用角とを完全に一致させることは極めて困難であり、気筒間における吸気バルブの作用角、ひいては吸気量にバラツキが残ることは避けられない。
また、吸気バルブの作用角は吸気バルブ自身の経時変化や作用角変更機構の経時変化、同吸気バルブへのデポジット付着等によって変化してしまうために、そうした作用角の変化によって気筒間における吸気量のバラツキが生じることや、同バラツキが大きくなることが避けられない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、気筒間における吸気量のバラツキを抑制することのできる吸気量制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、複数の気筒を有する内燃機関に適用されて、それら気筒に対応する吸気バルブの作用角の可変制御とスロットルバルブの開度の可変制御との協働制御を通じて吸気量を調節する空気量制御装置において、前記複数の気筒に対応する吸気バルブの作用角のバラツキ度合いを検出して、該検出したバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を記憶し、同履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記作用角の可変制御における最小作用角として大きい角度を設定することをその要旨とする。
ここで各気筒の吸気量は、吸気バルブの上流側および下流側の圧力差と同吸気バルブの作用角とに基づき定まる。そのため、複数の気筒に対応する吸気バルブの作用角にバラツキが生じている場合には、上記圧力差が大きいときほど、気筒間における吸気量のバラツキが大きくなると云える。
一方、協働制御にあっては、吸気量同一の条件の下で作用角として大きい角度が設定されると、その分だけスロットルバルブの開度(スロットル開度)として小さい角度が設定され、これにより吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側における吸気圧力(スロットル下流圧力)が低くなる。
上記構成によれば、気筒間における吸気バルブの作用角のバラツキ度合いが大きくなったときに、作用角の小さい角度への変更を制限してスロットル下流圧力が過度に高くなることを抑制することができる。そのため上記圧力差を小さくすることができ、気筒間における吸気量のバラツキを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸気量制御装置において、前記履歴が記憶されているときの前記最小作用角を機関回転速度に基づき設定することをその要旨とする。
吸気バルブの作用角およびスロットル開度が同一であっても、機関回転速度が異なる場合には、吸気量が異なった量となる。そのため協働制御にあっては、機関回転速度に見合う態様で吸気バルブの作用角およびスロットル開度が設定される。したがって、前記スロットル下流圧力は機関回転速度に応じて変化する圧力であると云える。
この点、上記構成によれば、そうした機関回転速度に応じたかたちで、スロットル下流圧力が不要に高くなることを適正に抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の吸気量制御装置において、前記履歴が記憶されているときの前記最小作用角として機関回転速度が高いほど大きい角度を設定することをその要旨とする。
吸気バルブの作用角が同一であっても、機関回転速度が高いときほど吸気バルブの開弁時間は短くなる。そのため通常、上記協働制御は、機関回転速度が高く多量の吸気が必要であるときほどスロットル下流圧力が高くなるように実行される。したがって、機関回転速度が高いときほど前記圧力差が大きくなり易く、吸気バルブの作用角にバラツキが生じた場合における気筒間の吸気量のバラツキが大きくなり易いと云える。
この点、上記構成によれば、そうした傾向に合わせて最小作用角を設定することができ、スロットル下流圧力が不要に高くなることをより適正に抑制することができる。
なお前記最小作用角として大きい角度を設定するための構成は、請求項4に記載の発明によるように、前記作用角の可変制御についてその小作用角側の制御限界値を定め、前記履歴が記憶されているときには、前記履歴が記憶されていないときよりも大作用角側の値を前記制御限界値として設定するといった構成により実現することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、当該吸気量制御装置は、機関回転速度の単位時間当たりの変動量の気筒間におけるバラツキ度合いを検出して、該検出したバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を前記履歴として記憶するものであり、同履歴が複数記憶されているときには、該履歴が一つのみ記憶されているときより大きい角度を前記最小作用角として設定することをその要旨とする。
ここで気筒間における吸気量のバラツキを確実に抑えるためには、最小作用角を十分に大きい角度に設定して、スロットル下流圧力を低く抑えるようにすればよい。しかしながら、協働制御の実行される装置にあって内燃機関の燃費性能の向上を図るためには、吸気バルブの作用角を極力小さく設定することが望ましい。
この点、上記構成によれば、機関回転速度の変動量のバラツキ度合いが大きくなったときに最小作用角を大きい角度に変更してその後における同バラツキを一旦抑え、機関回転速度の変動量のバラツキ度合いが再度大きくなったときに最小作用角を更に大きい角度に変更するといったように、最小作用角を二段階に分けて変更することができる。これにより、作用角のバラツキ度合いの増大に合わせて上記最小作用角を変更することができ、上記吸気量のバラツキを適正に抑制しつつ、内燃機関の燃費性能の低下を抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、前記吸気バルブの開弁時期を変更する開弁時期変更機構を備えて同開弁時期の可変制御を実行し、前記履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記開弁時期を遅角側の時期に設定することをその要旨とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の吸気量制御装置において、前記履歴が記憶されているときの前記開弁時期を、そのときに設定される前記最小作用角と前記履歴が記憶されていないと仮定したときに設定される目標作用角とに基づいて設定することをその要旨とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、前記内燃機関の排気バルブの閉弁時期を変更する閉弁時期変更機構を備えて同閉弁時期の可変制御を実行し、前記履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記閉弁時期を進角側の時期に設定することをその要旨とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の吸気量制御装置において、前記履歴が記憶されているときの閉弁時期を、そのときに設定される前記最小作用角と前記履歴が記憶されていないと仮定したときに設定される目標作用角とに基づいて設定することをその要旨とする。
請求項6または8に記載の発明の構成によれば、最小作用角の変更に伴うバルブオーバラップ期間の拡大を抑制することができる。そのため、内燃機関の排気通路から燃焼室へと再循環される排気の量の増加を抑制することができ、機関運転状態の不安定化を抑制することができる。
なお同請求項8に記載の発明の構成を請求項6に記載の構成に適用することにより、バルブオーバラップ期間の拡大を抑制するための構成の設定自由度を格段に高くすることができる。
請求項7または9に記載の発明の構成によれば、吸気バルブの開弁時期(請求項7)あるいは排気バルブの閉弁時期(請求項9)を、そのときに設定される最小作用角と前記履歴が記憶されていないと仮定した場合に設定される目標作用角との関係に基づいて、言い換えれば、作用角の制限度合いに応じて設定することができ、バルブオーバラップ期間の不要な拡大を的確に抑制することができる。
請求項10に記載の発明は、複数の気筒を有する内燃機関に適用されて、その吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側の吸気圧力についての目標圧力を設定し、同目標圧力と実際の吸気圧力とが一致するように、前記複数の気筒に対応する吸気バルブの作用角の可変制御と前記スロットルバルブの開度の可変制御との協働制御を実行して吸気量を調節する空気量制御装置において、前記各気筒に対応する吸気バルブの作用角のバラツキ度合いを検出して、該検出したバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を記憶し、同履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記協働制御における前記吸気圧力についての最高圧力として低い圧力を設定することをその要旨とする。
ここで各気筒の吸気量は、吸気バルブの上流側および下流側の圧力差と同吸気バルブの作用角とに基づき定まる。そのため、複数の気筒に対応する吸気バルブの作用角にバラツキが生じている場合には、吸気バルブの上流側と下流側との圧力差が大きいときほど、気筒間における吸気量のバラツキが大きくなると云える。
この点、上記構成では、気筒間における吸気バルブの作用角のバラツキ度合いが大きくなったときに、吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側における吸気圧力(スロットル下流圧力)の高い圧力側への変更が制限される。したがって上記構成によれば、上記圧力差を小さくすることができ、気筒間における吸気量のバラツキを抑制することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の吸気量制御装置において、前記履歴が記憶されているときの前記最高圧力を機関回転速度に基づき設定することをその要旨とする。
吸気バルブの作用角およびスロットル開度が同一であっても、機関回転速度が異なる場合には、スロットル下流圧力および吸気量が異なった量となる。そのため協働制御にあっては、機関回転速度に見合う態様で前記スロットル下流圧力についての目標圧力が設定される。上記構成によれば、そうした機関回転速度に応じたかたちで、スロットル下流圧力が不要に高くなることを適正に抑制することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の吸気量制御装置において、前記履歴が記憶されているときと同履歴が記憶されていないと仮定したときとの間における前記最高圧力の差が機関回転速度の高いほど大きくなるように、前記履歴が記憶されているときの前記最高圧力を設定することをその要旨とする。
吸気バルブの作用角が同一であっても、機関回転速度が高いときほど吸気バルブの開弁時間が短くなる。そのため通常、上記協働制御にあっては前記スロットル下流圧力が、機関回転速度が高く多量の吸気が必要であるときほど高くなるように制御される。したがって、機関回転速度が高いときほど前記圧力差が大きくなり易く、吸気バルブの作用角にバラツキが生じた場合における気筒間の吸気量のバラツキが大きくなり易いと云える。
この点、上記構成によれば、そうした傾向に合わせて前記最高圧力を設定することができ、スロットル下流圧力が不要に高くなることをより適正に抑制することができる。
なお、前記最高圧力として低い圧力を設定するための構成は、請求項13に記載の発明によるように、前記履歴が記憶されているときに、協働制御における目標圧力の高圧力側の制御限界値を設定するといった構成により実現することができる。
請求項14に記載の発明は、請求項10〜13のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、当該吸気量制御装置は、機関回転速度の単位時間当たりの変動量の気筒間におけるバラツキ度合いを検出して、該検出したバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を前記履歴として記憶するものであり、同履歴が複数記憶されているときには、該履歴が一つのみ記憶されているときより低い圧力を前記最高圧力として設定することをその要旨とする。
ここで気筒間における吸気量のバラツキを確実に抑えるためには、最高圧力を十分に低い圧力に設定して、スロットル下流圧力を低く抑えるようにすればよい。しかしながら、協働制御の実行される装置にあって内燃機関の燃費性能の向上を図るためには、吸気バルブの作用角を小さく設定してスロットル下流圧力を極力高く設定することが望ましい。
この点、上記構成によれば、機関回転速度の変動量のバラツキ度合いが大きくなったときに最高圧力を低い圧力に変更してその後における同バラツキを一旦抑え、機関回転速度の変動量のバラツキ度合いが再度大きくなったときに最高圧力を更に低い圧力に変更するといったように、最高圧力を二段階に分けて変更することができる。これにより、作用角のバラツキ度合いの増大に合わせて上記最高圧力を変更することができ、上記吸気量のバラツキを適正に抑制しつつ、内燃機関の燃費性能の低下を抑制することができる。
請求項15に記載の発明は、請求項10〜14のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、前記吸気バルブの開弁時期を変更する開弁時期変更機構を備えて同開弁時期の可変制御を実行し、前記履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記開弁時期を遅角側の時期に設定することをその要旨とする。
また、請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の吸気量制御装置において、前記履歴が記憶されているときの開弁時期を、そのときに設定される前記最高圧力と前記履歴が記憶されていないと仮定したときに設定される前記目標圧力とに基づいて設定することをその要旨とする。
また、請求項17に記載の発明は、請求項10〜16のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、前記内燃機関の排気バルブの閉弁時期を変更する閉弁時期変更機構を備えて同閉弁時期の可変制御を実行し、前記履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記閉弁時期を進角側の時期に設定することをその要旨とする。
また、請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の吸気量制御装置において、前記履歴が記憶されているときの閉弁時期を、そのときに設定される前記最高圧力と前記履歴が記憶されていないと仮定したときに設定される前記目標圧力とに基づいて設定することをその要旨とする。
請求項15または17に記載の発明の構成によれば、最高圧力の変更に伴うバルブオーバラップ期間の拡大を抑制することができる。そのため、内燃機関の排気通路から燃焼室へと再循環される排気の量の増加を抑制することができ、機関運転状態の不安定化を抑制することができる。
なお同請求項17に記載の発明の構成を請求項15に記載の構成に適用することにより、バルブオーバラップ期間の拡大を抑制するための構成の設定自由度を格段に高くすることができる。
請求項16または18に記載の発明の構成によれば、吸気バルブの開弁時期(請求項16)あるいは排気バルブの閉弁時期(請求項18)を、そのときに設定される最高圧力と前記履歴が記憶されていないと仮定した場合に設定される目標圧力とに基づいて、言い換えれば、スロットル下流圧力の制限度合いに応じて設定することができ、バルブオーバラップ期間の不要な拡大を的確に抑制することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態にかかる吸気量制御装置が適用される内燃機関の概略構成を示す。
同図1に示すように、内燃機関10の吸気通路12には、スロットル機構14が設けられている。このスロットル機構14は、スロットルバルブ16とスロットルモータ18とを備えている。そして、このスロットルモータ18の駆動制御を通じてスロットルバルブ16の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路12を通じて燃焼室20内に吸入される空気の量(筒内吸気量)が調節される。また、上記吸気通路12にはインジェクタ22が設けられている。このインジェクタ22は吸気通路12内に燃料を噴射する。
内燃機関10の燃焼室20では、吸入空気と噴射燃料とからなる混合気が点火されて燃焼する。この燃焼によってピストン24が往復移動し、クランクシャフト26が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室20から排気通路28に送り出される。
内燃機関10において、吸気通路12と燃焼室20との間は吸気バルブ30の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室20と排気通路28との間は排気バルブ32の開閉動作によって連通・遮断される。また、吸気バルブ30はクランクシャフト26の回転が伝達される吸気カムシャフト34の回転に伴って開閉動作し、排気バルブ32は同じくクランクシャフト26の回転が伝達される排気カムシャフト36の回転に伴い開閉動作する。
吸気カムシャフト34には吸気側バルブタイミング変更機構38が設けられている。この吸気側バルブタイミング変更機構38は、クランクシャフト26の回転角(クランク角)に対する吸気カムシャフト34の相対回転角を調節して、吸気バルブ30のバルブタイミング(吸気バルブタイミングVTi)を進角または遅角させるものである。なお、この吸気側バルブタイミング変更機構38は、例えば油圧制御弁などのアクチュエータ40を通じて同機構38に作用する油圧を制御することにより作動される。図2は、吸気側バルブタイミング変更機構38の作動による吸気バルブタイミングVTiの変更態様を示している。同図2から分かるように、吸気バルブタイミングVTiの変更では、吸気バルブ30の作用角VLi(開弁されてから閉弁されるまでのクランク角)を一定に保持した状態で同吸気バルブ30の開弁時期および閉弁時期が共に進角または遅角される。
排気カムシャフト36には排気側バルブタイミング変更機構42が設けられている。この排気側バルブタイミング変更機構42は、クランク角に対する排気カムシャフト36の相対回転角を調節して、排気バルブ32のバルブタイミング(排気バルブタイミングVTe)を進角または遅角させるものである。なお、この排気側バルブタイミング変更機構42は、例えば油圧制御弁などのアクチュエータ44を通じて同機構42に作用する油圧を制御することにより作動される。また、排気側バルブタイミング変更機構42の作動による排気バルブタイミングVTeの変更では、上述した吸気バルブ30の変更態様と同様に、排気バルブ32の作用角を一定に保持した状態で同排気バルブ32の開弁時期および閉弁時期が共に進角または遅角される。
吸気カムシャフト34と吸気バルブ30との間には作用角変更機構46が設けられている。この作用角変更機構46は、吸気バルブ30の作用角VLiを機関運転状態に応じて可変設定するものであり、電動モータ等のアクチュエータ48の駆動制御を通じて作動する。この作用角変更機構46の作動による吸気バルブ30の作用角VLiの変更態様を図3に示す。同図3から分かるように、作用角変更機構46の作動によって、吸気バルブ30の作用角VLiは最大リフト量に同期して変化し、例えば作用角VLiが小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。この作用角VLiが大きくなるということは、吸気バルブ30の開弁時期と閉弁時期とが互いに遠ざかるということであり、吸気バルブ30の開弁期間が長くなるということを意味する。
なお内燃機関10は複数の気筒(具体的には4つの気筒♯1,♯2,♯3,♯4)を有するものであり、上記スロットルバルブ16や、吸気側バルブタイミング変更機構38、排気側バルブタイミング変更機構42、並びに作用角変更機構46としては全気筒♯1〜♯4共通のものが設けられている。
内燃機関10は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置50を備えている。電子制御装置50には、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサの検出信号が取り込まれている。そうした各種センサとしては、例えばクランクシャフト26の回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサや、アクセルペダル(図示略)の踏み込み量(アクセル踏み込み量ACC)を検出するためのアクセルセンサが設けられている。また、吸気通路12を流れる吸入空気の量(通路吸気量GA)を検出するための吸気量センサや、吸気通路12における上記スロットルバルブ16よりも下流側の吸気圧力(スロットル下流圧力PM)を検出するための圧力センサが設けられている。さらに、吸気バルブタイミングVTi(詳しくは吸気側バルブタイミング変更機構38の作動量)を検出するための位置センサや、排気バルブタイミングVTe(詳しくは排気側バルブタイミング変更機構42の作動量)を検出するための位置センサが設けられている。その他、吸気バルブ30の作用角VLi(詳しくは作用角変更機構46の作動量)を検出するための作用角センサ等も設けられている。
電子制御装置50は、各種センサの検出信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットル機構14や、インジェクタ22、吸気側バルブタイミング変更機構38、排気側バルブタイミング変更機構42、並びに作用角変更機構46の作動制御などといった機関制御を実行する。
本実施の形態では、そうした機関制御のうち、筒内吸気量の調節にかかる制御(吸気量制御)が以下のように実行される。
本実施の形態では、エアクリーナや、吸気管、サージタンク、吸気マニホールド等により構成された吸気通路12および、スロットルバルブ16、吸気バルブ30からなる機関吸気系をモデル化した物理モデルが構築されている。そして、その物理モデルを通じて機関運転状態に見合う筒内吸気量(後述する要求筒内吸気量Tkl)と実際の筒内吸気量とが一致するようになる各種の制御目標値が算出される。詳しくは、アクセル踏み込み量ACC、機関回転速度NE、筒内吸気量、スロットル下流圧力、スロットルバルブ16の開度、吸気バルブ30の作用角、吸気バルブタイミング、排気バルブタイミングを変数とするモデル式が予め定められ、同モデル式を通じて各種制御目標値が算出される。なお各種の制御目標値としては以下の各値が挙げられる。
・スロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)。
・吸気バルブ30の作用角VLiについての制御目標値(目標作用角Tvl)。
・吸気バルブタイミングVTiについての制御目標値(目標吸気バルブタイミングTvti)。
・排気バルブタイミングVTeについての制御目標値(目標排気バルブタイミングTvte)。
なお前記モデル式は、具体的には以下のような概念に基づき定められている。
筒内吸気量は、吸気バルブ30の作用角VLiの可変制御(作用角制御)とスロットル開度TAの可変制御(スロットル制御)との協働制御を通じて調節される。ここで内燃機関10にあってはスロットル開度TAが大きいほど、また吸気バルブ30の作用角VLiが大きいほど筒内吸気量が多くなる。そのため本実施の形態の協働制御では基本的に、要求される筒内吸気量(上記要求筒内吸気量Tkl)の多い高負荷領域ほど、スロットル開度TAが大きくなるようにスロットル制御が実行され、吸気バルブ30の作用角VLiが大きくなるように作用角制御が実行される。また本実施の形態の協働制御では、要求筒内吸気量Tklが同一の条件下にあって、吸気バルブ30の作用角VLiとして大きい角度が設定されるときにはスロットル開度TAとして相対的に小さい開度が設定され、これとは逆に同作用角VLiとして小さい角度が設定されるときにはスロットル開度TAとして相対的に大きい開度が設定される。
また作用角制御を通じて吸気バルブ30の作用角VLiを小さくして筒内吸気量を減少させることにより、スロットル制御を通じてスロットルバルブ16を絞って筒内吸気量を減少させる場合と比較して、ポンピング損失を小さくすることができ、内燃機関10の燃費性能を向上することができる。そのため本実施の形態の協働制御では、吸気バルブ30の作用角VLiが極力小さい角度に設定される。
さらに吸気通路12から燃焼室20内に吸入空気を効率よく導入するために、吸気側バルブタイミング変更機構38の作動制御(吸気バルブタイミング制御)が実行される。
図4に、吸気バルブ30および排気バルブ32の変位態様の一例を示す。同図4に示すように、吸気バルブタイミング制御は、基本的に、吸気バルブ30の作用角VLiの小さい低負荷領域ほど吸気バルブタイミングVTiが進角側の時期になるように実行される。これは以下のような理由による。
吸気バルブタイミングVTiを変更せずに吸気バルブ30の作用角VLiのみを小さくすると、同吸気バルブ30の開弁時期が遅角側に変化してしまい(図3参照)、燃焼室20への吸入空気の導入開始が遅くなってしまう。しかも、吸気バルブ30の開弁時期が上死点よりも遅角側になると、ピストン24が上死点を超えてから吸気バルブ30が開弁されるまでの期間において、吸気バルブ30および排気バルブ32が共に閉弁された状態でピストン24が下降することとなり、損失が生じるようになる。そのため、吸気バルブタイミング制御では、そうした損失の発生或いは増大を極力抑えることの可能なように吸気バルブ30の開弁時期を設定するべく、吸気バルブ30の作用角VLiが小さいときほど吸気バルブタイミングVTiを進角側の時期に設定するようにしている。
さらに、燃焼室20から排気通路28に排気を効率よく送り出すために、排気側バルブタイミング変更機構42の作動制御(排気バルブタイミング制御)が実行される。この排気バルブタイミング制御では、機関回転速度NEが高いときほどバルブオーバラップ期間(吸気バルブ30および排気バルブ32が共に開弁されている期間)が長くなるように排気バルブタイミングVTeが調節される。
一方、本実施の形態では、機関制御のうち、燃料噴射量の調節にかかる制御が以下のように実行される。
すなわち先ず、通路吸気量GAやスロットル下流圧力PMに基づき筒内吸気量が推定され、その推定された筒内吸気量に対して燃焼室20内での燃焼に供される混合気の空燃比が所望の比率(ここでは理論空燃比)となる燃料噴射量が目標噴射量Tqとして算出される。そして、この目標噴射量Tqと実際の燃料噴射量とが一致するように上記インジェクタ22の作動が制御される。
さて、内燃機関10にあっては、作用角変更機構46の製造公差や組み付け公差などによって、気筒♯1〜♯4間における吸気バルブ30の実際の作用角、ひいては筒内吸気量にバラツキが生じることが避けられない。しかも各吸気バルブ30の実際の作用角はそれら吸気バルブ30や作用角変更機構46の経時変化や各吸気バルブ30へのデポジット付着等によって変化してしまうために、そうした作用角の変化によって上記筒内吸気量のバラツキが大きくなることも避けられない。そして、そうした筒内吸気量のバラツキは、気筒♯1〜♯4間における混合気の空燃比にバラツキを生じさせて、内燃機関10の運転状態を不安定なものとする一因となり好ましくない。
ここで筒内吸気量は、吸気バルブ30の上流側(具体的には、吸気通路12におけるスロットルバルブ16よりも下流側)および下流側(具体的には、燃焼室20)の圧力差と吸気バルブ30の作用角とによって定まる。したがって、吸気バルブ30の作用角にバラツキが生じた場合には、上記圧力差が大きいときほど、具体的には、スロットル下流圧力PMが高いときほど筒内吸気量のバラツキが大きくなる。
本実施の形態の協働制御にあっては、筒内吸気量が同一の条件の下で目標作用角Tvlとして大きい角度が設定されると、その分だけ目標スロットル開度Ttaとして小さい角度が設定されて、スロットル下流圧力PMが低くなる。
この点をふまえ、本実施の形態では、各気筒♯1〜♯4に対応する吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いを検出し、そのバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を記憶するようにしている。そして、同履歴が記憶されているときには、同履歴が記憶されていないときと比較して、作用角制御における作用角VLiの最小値として大きい角度を設定するようにしている。
これにより吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが大きくなったときに、作用角VLiの小さい角度への変更が制限されてスロットル下流圧力PMの上昇が抑えられ、上記圧力差が小さくなって筒内吸気量のバラツキが抑制される。
以下、上記吸気量制御にかかる処理について図5を参照しつつ説明する。
なお図5は、吸気量制御の制御構造のうち各制御目標値の算出処理にかかる部分の制御構造を概念的に示したフローチャートであり、各制御目標値の実際の算出は前述したモデル式に基づく演算により行われる。
図5に示すように、この処理では先ず、アクセル踏み込み量ACCおよび機関回転速度NEに基づいて前記要求筒内吸気量Tklが算出される(ステップS100)。その後、その要求筒内吸気量Tklおよび機関回転速度NEに基づいて、目標作用角Tvl、目標吸気バルブタイミングTvti、目標排気バルブタイミングTvte、スロットル下流圧力PMについての制御目標値(目標圧力Tpm)がそれぞれ算出される(ステップS102)。
その後、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になった履歴が記憶されているか否かが判断される(ステップS104)。ここではフラグF1が「1」に操作されていることをもって、上記履歴が記憶されていると判断される。
このフラグF1は、本処理とは別の所定周期毎に実行される処理(フラグ操作処理)によって次のように操作される。気筒♯1〜♯4間において吸気バルブ30の作用角に差が生じると、筒内吸気量に差が生じて機関トルクに差が生じるために、これによる機関運転状態の変化として機関回転速度NEの変動態様に差異が生じるようになる。この点をふまえ、上記フラグ操作処理では、機関回転速度NEの単位時間当たりの変動量(具体的には、各気筒♯1〜♯4の燃焼行程の所定クランク角範囲における機関回転速度NEの上昇量)が検出され、検出された各変動量の最大値と最小値との差が上記作用角のバラツキ度合いの指標値として用いられる。そして、上記差が所定値以上になったことをもって、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になったと判断され、このときフラグF1が「1」に操作される。なお、フラグF1の初期値は「0」である。
そして、上記履歴が記憶されている場合には(ステップS104:YES)、機関回転速度NEに基づいて作用角下限値VLgdが算出される(ステップS106)。
この作用角下限値VLgdは上記目標作用角Tvlについての小作用角側の制御限界値であり、作用角制御では作用角下限値VLgdを下回らないように目標作用角Tvlが設定される。作用角下限値VLgdとしては、前記履歴が記憶されていないときには、吸気バルブ30の作用角VLiが異常に小さくなることを防止するべく、作用角変更機構46の可動部がその動作規制ストッパに当接するようになる作用角よりも若干大きい角度が設定されている。本実施の形態では、前記履歴が記憶されているときに、同履歴が記憶されていないときより大作用角側の値に上記作用角下限値VLgdを変更することにより、前記最小値として大きい角度を設定するようにしている。
図6に、上記履歴が記憶されているときに設定される作用角下限値VLgdと機関回転速度NEとの関係を示す。同図6に実線で示すように、上記履歴が記憶されているときには作用角下限値VLgdとして、機関回転速度NEが高いときほど大作用角側の角度が算出される。なお、同図6の一点鎖線は、上記履歴が記憶されていないときの上記関係を示している。このように作用角下限値VLgdを算出するようにしたのは以下の理由による。
吸気バルブ30の作用角VLiおよびスロットル開度TAが同一であっても、機関回転速度NEが異なる場合には、スロットル下流圧力PMおよび筒内吸気量が異なる。そのため上記協働制御にあっては、機関回転速度NEに見合う態様で目標作用角Tvlおよび目標スロットル開度Ttaが設定される。したがって、スロットル下流圧力PMは機関回転速度NEに応じて変化する圧力であると云える。
また吸気バルブ30の作用角VLiが同一であっても機関回転速度NEが高いときほど吸気バルブ30の開弁時間が短くなるため、上記協働制御は、機関回転速度NEが高く多量の吸気が必要であるときほどスロットル下流圧力PMが高くなるように実行される。したがって、機関回転速度NEが高いときほど前記圧力差が大きくなり易く、吸気バルブ30の作用角にバラツキが生じた場合における気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキが大きくなり易い。
図7に、機関回転速度NEが一定の条件下での要求筒内吸気量Tklと各気筒♯1〜♯4の空燃比との関係、および同要求筒内吸気量Tklとスロットル下流圧力PMとの関係をそれぞれ示す。
同図7から明らかなように、機関回転速度NEが一定の条件の下で要求筒内吸気量Tklを増加させた場合には、スロットル下流圧力PMが高くなり、これにより前記圧力差が大きくなって、気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキ量(最大値−最小値)が大きくなる。しかしながら、このとき要求筒内吸気量Tkl(≒各気筒♯1〜♯4の筒内吸気量の総量)も増加するため、筒内吸気量のバラツキ率((最大値−最小値)/(筒内吸気量の総量))についてはこれが殆ど大きくならない。よって、この場合には気筒♯1〜♯4間における混合気の空燃比のバラツキについてはこれが殆ど増大しない。
図8に、要求筒内吸気量Tklが一定の条件下での機関回転速度NEと各気筒♯1〜♯4の混合気の空燃比との関係、および同機関回転速度NEとスロットル下流圧力PMとの関係をそれぞれ示す。
同図8から明らかなように、要求筒内吸気量Tklが一定の条件下で機関回転速度NEを高くした場合にも、スロットル下流圧力PMが高くなり、前記圧力差が大きくなって気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキ量が大きくなる。そして、この場合には要求筒内吸気量Tklが一定であるために、気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキ率が大きくなって混合気の空燃比のバラツキが増大するようになる。しかも、そうした空燃比のバラツキは機関回転速度NEが高くなるほど大きくなる。
こうした空燃比のバラツキを抑えるためには、作用角下限値VLgdを十分に大きい角度に設定して、スロットル下流圧力PMの上昇を抑えるようにすればよい。ただし、前述したように内燃機関10の燃費性能の向上を図るためには、吸気バルブ30の作用角VLiを極力小さく設定することが望ましい。
そのため本実施の形態では、機関回転速度NEが低く上記空燃比のバラツキが小さい領域では小作用角に対応する値を作用角下限値VLgdとして設定し、機関回転速度NEが高く空燃比のバラツキが大きい領域では大作用角に対応する値を作用角下限値VLgdとして設定して、内燃機関10の安定運転と燃費性能向上との両立を図るようにしている。
なお本実施の形態では、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になった履歴が記憶されている場合において上述した要件を満たす作用角下限値VLgdと機関回転速度NEとの関係が実験やシミュレーションを通じて求められ、前記モデル式に組み込まれている。
そのように作用角下限値VLgdを算出した後(図5のステップS106)、同作用角下限値VLgdおよび目標作用角Tvlに基づいて、目標圧力Tpmについての補正量(圧力補正量Kpm)と目標吸気バルブタイミングTvtiについての遅角補正量(吸気バルブタイミング補正量Kvti)とがそれぞれ算出される(ステップS108)。
上記圧力補正量Kpmは、作用角下限値VLgdによって目標作用角Tvlが制限される場合にその制限による圧力上昇分を目標圧力Tpmに反映させるための補正量である。また上記吸気バルブタイミング補正量Kvtiは、作用角下限値VLgdによる目標作用角Tvlの制限に起因してバルブオーバラップ期間が不要に拡大することを回避するための補正量である。
それら圧力補正量Kpmおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiは、具体的には作用角下限値VLgdと目標作用角Tvlとの関係に応じて以下のように算出される。
すなわち、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgd以上であるときには(Tvl≧VLgd)、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdによって制限されないために、圧力補正量Kpmおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiとしてそれぞれ「0」が算出される。
一方、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdよりも小さいときには(Tvl<VLgd)、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdによって制限されるために、それらの差(=VLgd−Tvl)が大きいほど大きい正の数が圧力補正量Kpmおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiとしてそれぞれ算出される。
このように本実施の形態では、圧力補正量Kpmおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiが、作用角下限値VLgdによるガード処理が実行される以前の目標作用角Tvl、言い換えれば、前記履歴が記憶されていないと仮定した場合の目標作用角Tvlと作用角下限値VLgdとの関係に基づいて、目標作用角Tvlの制限度合いに応じたかたちで算出される。
なお本実施の形態では、目標作用角Tvl、要求筒内吸気量Tklおよび圧力補正量Kpmの関係や、目標作用角Tvl、要求筒内吸気量Tklおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiの関係について、上記履歴が記憶されている場合に上述した要件を満たすようになる関係が実験やシミュレーションを通じて各別に求められ、前記モデル式に組み込まれている。
このように各補正量が算出された後(ステップS108)、圧力補正量Kpmを加算することによって(Tpm←Tpm+Kpm)目標圧力Tpmが補正・更新され、吸気バルブタイミング補正量Kvtiを加算することによって(Tvti←Tvti+Kvti)目標吸気バルブタイミングTvtiが補正・更新される(ステップS110)。
なお前記履歴が記憶されていない場合には(ステップS104:NO)、作用角下限値VLgdを算出する処理(ステップS106)、目標圧力Tpmを補正する処理および目標吸気バルブタイミングTvtiを遅角補正する処理(ステップS108,S110)が実行されない。
その後、作用角下限値VLgdによる目標作用角Tvlのガード処理が実行される。ここでは、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdよりも小さいときには(ステップS112:YES)目標作用角Tvlとして作用角下限値VLgdが設定され(ステップS114)、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgd以上であるときには(ステップS112:NO)目標作用角Tvlが変更されない。
そして、機関回転速度NE、要求筒内吸気量Tkl、および目標圧力Tpmに基づいて、目標スロットル開度Ttaが算出された後(ステップS116)、各制御目標値を算出する処理は一旦終了される。
以下、上述したように各制御目標値を算出することによる作用について図9を参照しつつ説明する。
吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になると、その後において作用角下限値VLgdが大作用角側の値に変更される。そして、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdよりも小さい場合、言い換えれば、スロットル下流圧力PMが高くなるために前記空燃比のバラツキが大きくなるおそれがある場合には、図9(a)に示すように、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdに変更されて、吸気バルブ30の作用角VLiの小さい角度への変更が制限される。なお図9(a)において、実線は上記履歴が記憶されているときの上記作用角VLiの設定態様の一例を示し、一点鎖線は上記履歴が記憶されていないときにおける同作用角VLiの設定態様の一例を示している。
そのため、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になる以前と比べてスロットル下流圧力PMの上昇が抑えられ、吸気バルブ30の上流側と下流側との圧力差が小さくなって気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキが抑制される。これにより前記空燃比のバラツキが小さくなってトルク変動が抑えられ、内燃機関10の運転状態の安定化が図られる。
また目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdに変更される場合には、これに併せて目標吸気バルブタイミングTvtiが補正されて、図9(b)に示すように、吸気バルブタイミングVTiが遅角される。なお図9(b)において、実線は上記履歴が記憶されているときにおける吸気バルブタイミングVTiの設定態様の一例を示し、一点鎖線は上記履歴が記憶されていないときにおける同吸気バルブタイミングVTiの設定態様の一例を示している。このように吸気バルブタイミングVTiを補正することにより、吸気バルブ30の開弁時期が遅角側の時期に設定されて、作用角下限値VLgdによる目標作用角Tvlの変更に伴うバルブオーバラップ期間の拡大が抑制される。したがって、内燃機関10の排気通路28から燃焼室20へと再循環される排気の量(EGR量)の増加が抑制されて、機関運転状態の不安定化が抑制される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を記憶し、同履歴が記憶されているときには、同履歴が記憶されていないときと比較して、大作用角側の値を作用角下限値VLgdとして設定するようにした。そのため、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが大きくなったときに、作用角VLiの小さい角度への変更を制限してスロットル下流圧力PMが過度に上昇することを抑制することができる。したがって前記圧力差を小さくすることができ、気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキを抑制することができる。
(2)前記履歴が記憶されているときの作用角下限値VLgdを機関回転速度NEに基づき設定するようにした。そのため、機関回転速度NEに応じて変化するスロットル下流圧力PMが不要に高くなることを適正に抑制することができる。
(3)前記履歴が記憶されているときの作用角下限値VLgdとして、機関回転速度NEが高いほど大作用角側の値を設定するようにした。そのため、機関回転速度NEが高いほど気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキが大きくなり易いといった傾向に合わせて作用角下限値VLgdを設定することができ、スロットル下流圧力PMが不要に高くなることをより適正に抑制することができる。
(4)目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdに変更される場合に、これに併せて目標吸気バルブタイミングTvtiを遅角補正するようにしたために、目標作用角Tvlの変更に伴うEGR量の増加を抑制することができ、機関運転状態の不安定化を抑制することができる。
(5)吸気バルブタイミング補正量Kvtiを、前記ガード処理が実行される以前の目標作用角Tvl、言い換えれば、前記履歴が記憶されていないと仮定した場合の目標作用角Tvlと作用角下限値VLgdとに基づいて算出するようにした。そのため、吸気バルブタイミングVTiを目標作用角Tvlの制限度合いに応じて設定することができ、バルブオーバラップ期間の不要な拡大を的確に抑制することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態と第1の実施の形態とは、吸気量制御にかかる処理の処理態様が異なる。
以下、本実施の形態の吸気量制御にかかる処理について、第1の実施の形態との相違点を中心に図10を参照しつつ説明する。
なお図10は、本実施の形態にかかる吸気量制御の制御構造のうち各制御目標値の算出処理にかかる部分の制御構造を概念的に示したフローチャートであり、各制御目標値の実際の算出は前述したモデル式に基づく演算により行われる。
この処理では先ず、第1の実施の形態と同様に、要求筒内吸気量Tkl、目標作用角Tvl、目標吸気バルブタイミングTvti、目標排気バルブタイミングTvte、目標圧力Tpmがそれぞれ算出される(図5のステップS100,S102参照)。
その後、図10に示すように、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になった履歴が記憶されているか否かが判断される(ステップS200,S202)。なお本実施の形態では、上記履歴が一つのみ記憶されているか、あるいは同履歴が二つ記憶されているかが併せて判断される。そうした判断は、本処理とは別の所定周期毎に実行されるフラグ操作処理によって操作される二つのフラグF1,F2の操作態様に基づいて行われる。
本実施の形態にかかるフラグ操作処理は次のように実行される。このフラグ操作処理にあっても、第1の実施の形態にかかるフラグ操作処理と同様に、機関回転速度NEの単位時間当たりの変動量(具体的には、各気筒♯1〜♯4の燃焼行程の所定クランク角範囲における機関回転速度NEの上昇量)が検出され、検出された各変動量の最大値と最小値との差が前記作用角のバラツキ度合いの指標値として用いられる。そして、本実施の形態のフラグ操作処理では、上記差が最初に所定値以上になったときにフラグF1が「1」に操作され、同操作に伴って上記差が一旦小さくなった後において同差が再度所定値以上になったときにフラグF2が「1」に操作される。なお各フラグF1,F2の初期値は共に「0」である。
このように操作されるフラグF1,F2が共に「0」である場合には上記作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になった履歴が記憶されていないと判断される。また、フラグF1が「1」であってフラグF2が「0」である場合には上記履歴が一つのみ記憶されていると判断され、フラグF1,F2が共に「1」である場合には上記履歴が二つ記憶されていると判断される。
そして、上記履歴が一つのみ記憶されている場合には(ステップS200:YES且つステップS202:NO)、本処理が以下のように実行される。
すなわち先ず、機関回転速度NEに基づいて作用角下限値VLgdが算出される(ステップS204)。図11の実線L1に、上記履歴が一つのみ記憶されているときに設定される作用角下限値VLgdと機関回転速度NEとの関係を示す。なお同図11の一点鎖線は、上記履歴が記憶されていないときの上記関係を示している。同図11に示すように、上記履歴が一つのみ記憶されているときには作用角下限値VLgdとして、同履歴が記憶されていないときよりも大作用角側の角度であって機関回転速度NEが高いときほど大作用角側の角度が算出される。
また、そのように算出された作用角下限値VLgdおよび目標作用角Tvlに基づいて、前記圧力補正量Kpmと前記吸気バルブタイミング補正量Kvtiとがそれぞれ算出される(図10のステップS206)。具体的には、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgd以上であるときには(Tvl≧VLgd)、それら圧力補正量Kpmおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiとして「0」がそれぞれ算出される。また目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdよりも小さいときには(Tvl<VLgd)、それら圧力補正量Kpmおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiとして、目標作用角Tvlと作用角下限値VLgdとの差(=VLgd−Tvl)が大きいほど大きい正の数がそれぞれ算出される。
更に、圧力補正量Kpmを加算することによって(Tpm←Tpm+Kpm)目標圧力Tpmが補正・更新され、吸気バルブタイミング補正量Kvtiを加算することによって(Tvti←Tvti+Kvti)目標吸気バルブタイミングTvtiが補正・更新される(ステップS208)。
一方、上記履歴が二つ記憶されている場合には(ステップS200:YES且つステップS202:YES)、本処理が以下のように実行される。
先ず、機関回転速度NEに基づいて作用角下限値VLgdが算出される(ステップS210)。図11の実線L2に、上記履歴が二つ記憶されているときに設定される作用角下限値VLgdと機関回転速度NEとの関係を示す。同図11に示すように、上記履歴が二つ記憶されているときには作用角下限値VLgdとして、同履歴が一つのみ記憶されているとき(同図の実線L1参照)よりも更に大作用角側の角度であって機関回転速度NEが高いときほど大作用角側の角度が算出される。
また、そのように算出された作用角下限値VLgdおよび目標作用角Tvlに基づいて、圧力補正量Kpmと吸気バルブタイミング補正量Kvtiとがそれぞれ算出される(図10のステップS212)。具体的には、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgd以上であるときには(Tvl≧VLgd)、それら圧力補正量Kpmおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiとして「0」が算出される。また目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdよりも小さいときには(Tvl<VLgd)、それら圧力補正量Kpmおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiとして、目標作用角Tvlと作用角下限値VLgdとの差(=VLgd−Tvl)が大きいほど大きい正の数が算出される。
これに併せて、作用角下限値VLgdおよび目標作用角Tvlに基づいて、目標排気バルブタイミングTvteについての進角補正量(排気バルブタイミング補正量Kvte)が算出される。
この吸気バルブタイミング補正量Kvtiは、作用角下限値VLgdによる目標作用角Tvlの制限に起因してバルブオーバラップ期間が不要に拡大することを回避するための補正量であり、具体的には作用角下限値VLgdと目標作用角Tvlとの関係に応じて以下のように算出される。
すなわち、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgd以上であるときには(Tvl≧VLgd)、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdによって制限されないため、排気バルブタイミング補正量Kvteとして「0」が算出される。
一方、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdよりも小さいときには(Tvl<VLgd)、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdによって制限されるために、それらの差(=VLgd−Tvl)が大きいほど大きい正の数が排気バルブタイミング補正量Kvteとして算出される。
このように本実施の形態では排気バルブタイミング補正量Kvteが、作用角下限値VLgdによるガード処理が実行される以前の目標作用角Tvl、言い換えれば、上記履歴が記憶されていないと仮定した場合の目標作用角Tvlと作用角下限値VLgdとの関係に基づいて、目標作用角Tvlの制限度合いに応じたかたちで算出される。
その後、圧力補正量Kpmを加算することによって(Tpm←Tpm+Kpm)目標圧力Tpmが補正・更新され、吸気バルブタイミング補正量Kvtiを加算することによって(Tvti←Tvti+Kvti)目標吸気バルブタイミングTvtiが補正・更新される(ステップS214)。加えて、排気バルブタイミング補正量Kvteを減算することによって(Tvte←Tvte−Kvte)目標排気バルブタイミングTvteが補正・更新される。
なお本実施の形態では以下の各関係について、上記履歴が一つのみ記憶されている場合および同履歴が二つ記憶されている場合においてそれぞれ上述した要件を満たすようになる関係が実験やシミュレーションを通じて各別に求められ、前記モデル式に組み込まれている。
・機関回転速度NEと作用角下限値VLgdとの関係。
・目標作用角Tvl、要求筒内吸気量Tklおよび圧力補正量Kpmの関係。
・目標作用角Tvl、要求筒内吸気量Tklおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiの関係。
また、目標作用角Tvl、要求筒内吸気量Tklおよび排気バルブタイミング補正量Kvteの関係についても、上記履歴が二つ記憶されている場合において上述した要件を満たすようになる関係が実験やシミュレーションを通じて各別に求められ、前記モデル式に組み込まれている。
他方、上記履歴が記憶されていない場合には(ステップS200:NO)、作用角下限値VLgdを算出する処理や、目標圧力Tpmを補正する処理、目標吸気バルブタイミングTvtiを遅角補正する処理、目標排気バルブタイミングTvteを進角補正する処理はいずれも実行されない。
その後、第1の実施の形態と同様に、作用角下限値VLgdによる目標作用角Tvlのガード処理が実行されるとともに、機関回転速度NE、要求筒内吸気量Tkl、および目標圧力Tpmに基づいて目標スロットル開度Ttaが算出されて(図5のステップS112〜S116参照)、各制御目標値を算出する処理は一旦終了される。
以下、上述したように各制御目標値を算出することによる作用について図12を参照しつつ説明する。
先ず、機関回転速度NEの変動量の差が初めて所定値以上になってその旨の履歴が記憶されると(フラグF1←「1」)、その後において作用角下限値VLgdが大作用角側の値に変更される。そして、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdよりも小さい場合、言い換えれば、スロットル下流圧力PMが高くなるために前記空燃比のバラツキが大きくなるおそれがある場合には、図12(a)に実線L3で示すように目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdに変更されて、吸気バルブ30の作用角VLiの小さい角度への変更が制限される。なお図12(a)の一点鎖線は、上記履歴が記憶されていない場合における上記作用角VLiの設定態様の一例を示している。
これにより、機関回転速度NEの変動量の差が所定値以上になる以前と比べてスロットル下流圧力PMの上昇が抑えられ、吸気バルブ30の上流側と下流側との圧力差が小さくなって筒内吸気量のバラツキが抑制される。そのため前記空燃比のバラツキが小さくなってトルク変動が抑えられ、内燃機関10の運転状態の安定化が図られる。
また、これに併せて目標吸気バルブタイミングTvtiが補正されて、吸気バルブタイミングVTiが遅角される。これにより、吸気バルブ30の開弁時期が遅角側の時期に設定されて、作用角下限値VLgdによる目標作用角Tvlの制限に伴うバルブオーバラップ期間の拡大が抑制される。したがって、内燃機関10の排気通路28から燃焼室20へと再循環される排気の量(EGR量)の増加が抑制されて、機関運転状態の不安定化が抑制される。
更に、本実施の形態では、そのように内燃機関10の運転状態の安定化が図られた後において再度機関回転速度NEの変動量の差が所定値以上になり、その旨の履歴が記憶されると(フラグF2←「1」)、その後において作用角下限値VLgdが更に大作用角側の値に変更される。そして、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdよりも小さい場合には、図12(a)に実線L4で示すように、目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdに変更される。すなわち、この場合には上記作用角VLiの小角度側への変更制限が強化される。
そのため、このとき吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが大きくなっているとはいえ、作用角下限値VLgdの再度の変更を通じてスロットル下流圧力PMの上昇がより大きく抑えられ、上記圧力差が十分に小さくなって筒内吸気量のバラツキが抑制される。したがって、この場合にも内燃機関10の運転状態の安定化が適正に図られる。
また、そのように作用角下限値VLgdが再度変更される際には、これに併せて図12(b)に示すように、目標吸気バルブタイミングTvtiの補正を通じて吸気バルブタイミングVTiが遅角されるとともに、目標排気バルブタイミングTvteの補正を通じて排気バルブタイミングVTeが進角される。なお図12(b)は吸気バルブタイミングVTiおよび排気バルブタイミングVTeの設定態様の一例を示しており、その実線は補正後における同設定態様を示し、一点鎖線は補正前における同設定態様を示している。
このように補正することにより、吸気バルブ30の開弁時期が遅角側の時期に設定されるとともに排気バルブ32の閉弁時期が進角側の時期に設定されて、作用角下限値VLgdによる目標作用角Tvlの変更に伴うバルブオーバラップ期間の拡大が抑制される。
ここで前述したように、気筒♯1〜♯4間における吸気量のバラツキを確実に抑えるためには、作用角下限値VLgdを十分に大きい角度に設定して、スロットル下流圧力PMを低く抑えるようにすればよい。ただし、これも前述したように、協働制御の実行される装置にあって内燃機関の燃費性能の向上を図るためには、吸気バルブの作用角を極力小さく設定することが望ましい。
本実施の形態では、機関回転速度NEの変動量の差が大きくなったときに作用角下限値VLgdを大きい角度に変更してその後における同差を一旦抑え、同差が再度大きくなったときに作用角下限値VLgdを更に大きい角度に変更するといったように、作用角下限値VLgdが二段階に分けて変更される。そのため、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いの増大に合わせて上記作用角下限値VLgdを変更することができ、前記筒内吸気量のバラツキ抑制および内燃機関10の安定運転を図りつつ、内燃機関10の燃費性能の低下を抑制することができる。
特に、作用角下限値VLgdが再度変更される場合には、作用角下限値VLgdによって目標作用角Tvlが制限される際にその制限度合いが大きくなるために、バルブオーバラップ期間の拡大量が大きくなるおそれがある。この点、本実施の形態では、吸気バルブタイミングVTiを遅角補正することに加えて、排気バルブタイミングVTeを進角補正するようにしたために、高い自由度をもって的確にバルブオーバラップ期間の拡大を抑制することができ、機関運転状態の不安定化を的確に抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、先の(1)〜(5)に記載した効果に加えて、以下の(6)〜(8)に記載する効果が得られるようになる。
(6)機関回転速度NEの単位時間当たりの変動量の気筒♯1〜♯4間における差が所定値以上になった履歴が二つ記憶されているときには、同履歴が一つのみ記憶されているときより大作用角側の値を作用角下限値VLgdとして設定するようにした。そのため、前記筒内吸気量のバラツキ抑制および内燃機関10の安定運転を図りつつ、内燃機関10の燃費性能の低下を抑制することができる。
(7)目標作用角Tvlが作用角下限値VLgdに変更される場合に、これに併せて目標排気バルブタイミングTvteを進角補正するようにしたために、目標作用角Tvlの変更に伴うEGR量の増加を抑制することができ、機関運転状態の不安定化を抑制することができる。
(8)排気バルブタイミング補正量Kvteを、前記ガード処理が実行される以前の目標作用角Tvl、言い換えれば、前記履歴が記憶されていないと仮定した場合の目標作用角Tvlと作用角下限値VLgdとに基づいて算出するようにした。そのため、排気バルブタイミングVTeを目標作用角Tvlの制限度合いに応じて設定することができ、バルブオーバラップ期間の不要な拡大を的確に抑制することができる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態と第1および第2の実施の形態とは、吸気量制御にかかる処理の処理態様が異なる。
具体的には、第1および第2の実施の形態では、前記吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になった履歴が記憶されているときに、同履歴が記憶されていないときと比較して、前記作用角制御における最小作用角が大きい角度に設定される。これに対し、本実施の形態では、上記履歴が記憶されているときに、同履歴が記憶されていないときと比較して、前記スロットル下流圧力PMの最高圧力を低い圧力に設定するようにしている。
以下、上記吸気量制御にかかる処理について図13を参照しつつ説明する。
なお図13は、本実施の形態にかかる吸気量制御の制御構造のうち各制御目標値の算出処理にかかる部分の制御構造を概念的に示したフローチャートであり、各制御目標値の実際の算出は前述したモデル式に基づく演算により行われる。
図13に示すように、この処理では先ず、アクセル踏み込み量ACCおよび機関回転速度NEに基づいて前記要求筒内吸気量Tklが算出される(ステップS100)。また、その要求筒内吸気量Tklおよび機関回転速度NEに基づいて、目標作用角Tvl、目標吸気バルブタイミングTvti、目標排気バルブタイミングTvte、目標圧力Tpmがそれぞれ算出される(ステップS102)。
その後、吸気バルブ30の作用角のバラツキが所定レベル以上になった履歴があるか否かが判断される(ステップS104)。ここでは前記フラグF1が「1」に操作されていることをもって、上記履歴があると判断される。
そして、上記履歴がある場合には(ステップS104:YES)、要求筒内吸気量Tklおよび機関回転速度NEに基づいて圧力上限値PMgdが算出される(ステップS300)。
この圧力上限値PMgdは上記目標圧力Tpmについての高圧力側の制御限界値であり、吸気量制御にあっては圧力上限値PMgdを上回らないように目標圧力Tpmが設定される。本実施の形態では、上記履歴が記憶されているときに上記圧力上限値PMgdを設定して目標圧力Tpmの上昇を制限することによって、上記最高圧力を、同履歴が記憶されていないときより低い圧力に設定するようにしている。
圧力上限値PMgdは、具体的には、上記履歴が記憶されていないと仮定した場合に取り得るスロットル下流圧力PMの最高圧力と上記圧力上限値PMgdとの差が機関回転速度NEの高いときほど大きくなるように算出される。なお、要求筒内吸気量Tklが多いときほどスロットル下流圧力PMが高いために、上記圧力上限値PMgdとしては、そうした要求筒内吸気量Tklに応じた値が算出される。
このように圧力上限値PMgdを算出するようにしたのは以下の理由による。
前述したように、スロットル下流圧力PMは機関回転速度NEに応じて変化する圧力であり、また機関回転速度NEが高いときほど吸気バルブ30の上流側と下流側との圧力差が大きくなり易く、吸気バルブ30の作用角にバラツキが生じた場合における気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキが大きくなり易い。
また、これも前述したように、機関回転速度NEが一定の条件下で要求筒内吸気量Tklを増加させた場合には、気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキ量が大きくなるとはいえ、筒内吸気量のバラツキ率は殆ど大きくならず、気筒♯1〜♯4間における混合気の空燃比のバラツキも殆ど増大しない。
これに対し、要求筒内吸気量Tklが一定の条件下で機関回転速度NEを高くした場合には、気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキ量が大きくなってそのバラツキ率も大きくなり、気筒♯1〜♯4間における混合気の空燃比のバラツキが増大するようになる。しかも、そうした空燃比のバラツキは機関回転速度NEが高くなるほど大きくなる。
こうした空燃比のバラツキを抑えるためには、圧力上限値PMgdを十分に低い圧力に設定して、スロットル下流圧力PMの上昇を抑えるようにすればよい。しかしながら、内燃機関10の燃費性能の向上を図るためには、吸気バルブ30の作用角VLiを極力小さく設定してスロットル下流圧力PMを高くすることが望ましい。
こうした実情をふまえ、本実施の形態では上記圧力上限値PMgdとして、機関回転速度NEが低く上記空燃比のバラツキが小さい領域では目標圧力Tpmに対する制限度合いの比較的小さい値が設定され、機関回転速度NEが高く空燃比のバラツキが大きい領域では目標圧力Tpmに対する制限度合いが大きい値が設定される。これにより、内燃機関10の安定運転と燃費性能向上との両立が図られる。
なお本実施の形態では、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になった履歴がある場合において上述した要件を満たす圧力上限値PMgd、機関回転速度NE、および要求筒内吸気量Tklの関係が実験やシミュレーションを通じて求められ、前記モデル式に組み込まれている。
そのように圧力上限値PMgdを算出した後(ステップS300)、同圧力上限値PMgdおよび目標圧力Tpmに基づいて、目標作用角Tvlについての補正量(作用角補正量Kvl)と、目標吸気バルブタイミングTvtiについての遅角補正量(吸気バルブタイミング補正量Kvti)とがそれぞれ算出される(ステップS302)。
上記作用角補正量Kvlは、圧力上限値PMgdによって目標圧力Tpmが制限された場合にその制限を実現可能な作用角VLiの増大分を目標作用角Tvlに反映させる補正量である。また上記吸気バルブタイミング補正量Kvtiは、圧力上限値PMgdによる目標圧力Tpmの制限に起因してバルブオーバラップ期間が不要に拡大することを回避するための補正量である。
それら作用角補正量Kvlおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiは、具体的には圧力上限値PMgdと目標圧力Tpmとの関係に応じて以下のように算出される。
すなわち、目標圧力Tpmが圧力上限値PMgd以下であるときには(Tpm≦PMgd)、目標圧力Tpmが圧力上限値PMgdによって制限されないため、作用角補正量Kvlおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiとしてそれぞれ「0」が算出される。
一方、目標圧力Tpmが圧力上限値PMgdよりも大きいときには(Tpm>PMgd)、目標圧力Tpmが圧力上限値PMgdによって制限されるために、それらの差(Tpm−PMgd)が大きいほど大きい正の数が作用角補正量Kvlおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiとしてそれぞれ算出される。
このように本実施の形態では、作用角補正量Kvlおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiが、圧力上限値PMgdによるガード処理が実行される以前の目標圧力Tpm、言い換えれば、前記履歴が記憶されていないと仮定した場合の目標圧力Tpmと圧力上限値PMgdとの関係に基づいて、同目標圧力Tpmの制限度合いに応じたかたちでそれぞれ算出される。
なお本実施の形態では、目標圧力Tpm、圧力上限値PMgdおよび作用角補正量Kvlの関係や、目標圧力Tpm、圧力上限値PMgdおよび吸気バルブタイミング補正量Kvtiの関係について、上記履歴が記憶されている場合において上述した要件を満たすようになる関係が実験やシミュレーションを通じて各別に求められ、前記モデル式に組み込まれている。
このように各補正量が算出された後(ステップS302)、作用角補正量Kvlを加算することによって(Tvl←Tvl+Kvl)目標作用角Tvlが補正・更新され、吸気バルブタイミング補正量Kvtiを加算することによって(Tvti←Tvti+Kvti)目標吸気バルブタイミングTvtiが補正・更新される(ステップS304)。
その後、圧力上限値PMgdによる目標圧力Tpmのガード処理が実行される。ここでは、目標圧力Tpmが圧力上限値PMgdよりも大きいときには(ステップS306:YES)目標圧力Tpmとして圧力上限値PMgdが設定され(ステップS308)、目標圧力Tpmが圧力上限値PMgd以下であるときには(ステップS306:NO)目標圧力Tpmが変更されない。
なお前記履歴が記憶されていない場合には(ステップS104:NO)、圧力上限値PMgdを算出する処理(ステップS300)、目標作用角Tvlを補正する処理および目標吸気バルブタイミングTvtiを遅角補正する処理(ステップS302,S304)、目標圧力Tpmのガード処理(ステップS306,S308)がいずれも実行されない。
そして、機関回転速度NE、要求筒内吸気量Tkl、および目標圧力Tpmに基づいて、目標スロットル開度Ttaが算出された後(ステップS116)、各制御目標値を算出する処理は一旦終了される。
以下、上述したように各制御目標値を算出することによる作用について説明する。
吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になると、その後において圧力上限値PMgdが低圧側の値に変更される。そして、目標圧力Tpmが圧力上限値PMgdよりも高い場合、言い換えれば、スロットル下流圧力PMが高くなるために前記空燃比のバラツキが大きくなるおそれがある場合には、目標圧力Tpmが圧力上限値PMgdに変更される。そして、これに伴って吸気バルブ30の作用角VLiが大きい角度に変更されるとともにスロットル開度TAが小さい開度に変更される。
そのため、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になる以前と比べてスロットル下流圧力PMの上昇が抑えられ、吸気バルブ30の上流側と下流側との圧力差が小さくなって筒内吸気量のバラツキが抑制される。これにより前記空燃比のバラツキが小さくなってトルク変動が抑えられ、内燃機関10の運転状態の安定化が図られる。
また目標圧力Tpmが圧力上限値PMgdに変更される場合には、これに併せて目標吸気バルブタイミングTvtiが補正されて、吸気バルブタイミングVTiが遅角される。そのため、このとき圧力上限値PMgdによる目標圧力Tpmの変更に伴って吸気バルブ30の作用角VLiが大きい角度に変更されるとはいえ、吸気バルブ30の開弁時期が遅角側の時期に設定されて、バルブオーバラップ期間の拡大が抑制される。したがって、内燃機関10の排気通路28から燃焼室20へと再循環される排気の量(EGR量)の増加が抑制されて、機関運転状態の不安定化が抑制される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を記憶し、同履歴が記憶されているときには、圧力上限値PMgdを設定するようにした。そのため、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いが大きくなったときに、スロットル下流圧力PMが過度に上昇することを抑制することができる。したがって前記圧力差を小さくすることができ、気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキを抑制することができる。
(2)圧力上限値PMgdを機関回転速度NEに基づき設定するようにした。そのため、機関回転速度NEに応じて変化するスロットル下流圧力PMが不要に高くなることを適正に抑制することができる。
(3)圧力上限値PMgdを、上記履歴が記憶されていないと仮定したときに取り得るスロットル下流圧力PMの最高圧力と同圧力上限値PMgdとの差が機関回転速度NEの高いときほど大きくなるように算出した。そのため、機関回転速度NEが高いほど気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキが大きくなり易いといった傾向に合わせて圧力上限値PMgdを設定することができ、スロットル下流圧力PMが不要に高くなることをより適正に抑制することができる。
(4)目標圧力Tpmが圧力上限値PMgdに変更される場合に、これに併せて目標吸気バルブタイミングTvtiを遅角補正するようにしたために、目標圧力Tpmの変更に伴うEGR量の増加を抑制することができ、機関運転状態の不安定化を抑制することができる。
(5)吸気バルブタイミング補正量Kvtiを、前記ガード処理が実行される以前の目標圧力Tpm、言い換えれば、前記履歴が記憶されていないと仮定した場合の目標圧力Tpmと圧力上限値PMgdとに基づいて算出するようにした。そのため、吸気バルブタイミングVTiを目標圧力Tpmの制限度合いに応じて設定することができ、バルブオーバラップ期間の不要な拡大を的確に抑制することができる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施の形態において、前記履歴が記憶されているときに目標吸気バルブタイミングTvtiを遅角補正することに併せて、あるいは代えて、目標排気バルブタイミングTvteを進角補正するようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、前記履歴が二つ記憶されているときに、目標排気バルブタイミングTvteを所定の時期に設定するようにしてもよい。この所定の時期としては、例えば排気バルブ32の閉弁時期が圧縮上死点になる時期や、排気バルブタイミングVTeが最も進角側の時期となる時期を設定することができる。そうした構成によっても、目標作用角Tvlの制限に伴うバルブオーバラップ期間の拡大を抑制することができる。
・第1および第2の実施の形態において、内燃機関10の低回転領域(機関回転速度NE<所定速度NEa)において、作用角下限値VLgdを算出せず、前記路歴が記憶されていないときと同一の値を作用角下限値VLgdとしてもよい。ここで通常、内燃機関の低回転領域ではスロットル下流圧力が低いために吸気バルブの上流側と下流側との圧力差が小さい。そのため内燃機関によっては、そうした低回転領域において気筒間における吸気量のバラツキが生じ難い場合があるばかりか、第1或いは第2の実施の形態のように作用角下限値VLgdを変更したとしても、その変更によって得られる効果がごく小さい、あるいは得られない場合がある。上記構成によれば、そうした内燃機関の低回転領域において作用角下限値VLgdを算出する構成を省略することができる。
・第1および第2の実施の形態において、内燃機関10の高回転領域(機関回転速度NE>所定速度NEb)において、作用角下限値VLgdを算出せず、前記路歴が記憶されていないときと同一の値を作用角下限値VLgdとしてもよい。ここで内燃機関によっては、その高回転領域において、多少のドライバビリティの低下を許容してでも、大きな機関トルクを得たいといった要求のある場合がある。上記構成によれば、そうした内燃機関の高回転領域において作用角下限値VLgdを算出する構成を省略することができる。
・第1および第2の実施の形態において、前記履歴が記憶されているときに作用角下限値VLgdを算出することに代えて、作用角下限値VLgdとして固定値を設定するようにしてもよい。同構成によっても、上記固定値として十分に大きい角度を設定することにより、気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキを抑制することができる。
・第1および第2の実施の形態では、前記履歴が記憶されていないときにも作用角下限値VLgdが設定されている内燃機関10にあって、前記履歴が記憶されているときに作用角下限値VLgdを変更するようにした。これに代えて、前記履歴が記憶されていないときに作用角下限値VLgdが設定されていない内燃機関にあって、前記履歴が記憶されているときに作用角下限値VLgdを新たに設定するようにしてもよい。
・第1および第2の実施の形態において、作用角下限値VLgdを変更、設定することに代えて、目標作用角Tvlを増大補正するようにしてもよい。要は、吸気バルブ30の作用角VLiについて、その作用角制御における最小作用角を変更することができればよい。
・第3の実施の形態において、機関回転速度NEの変動量の差が初めて大きくなったときに圧力上限値PMgdを設定してその後における同差を一旦抑え、同差が再度大きくなったときに圧力上限値PMgdを低い圧力に変更するといったように、圧力上限値PMgdを二段階に分けて設定するようにしてもよい。同構成によれば、前述した作用角下限値VLgdを二段階に分けて変更するようにした構成(第2の実施の形態)による効果に準じた効果を得ることができる。具体的には、吸気バルブ30の作用角のバラツキ度合いの増大に合わせて上記圧力上限値PMgdを変更することができ、前記筒内吸気量のバラツキ抑制および内燃機関10の安定運転を図りつつ、内燃機関の燃費性能の低下を抑制することができる。
・第3の実施の形態において、内燃機関10の低回転領域(機関回転速度NE<所定速度NEa)において圧力上限値PMgdを設定しないようにしてもよい。ここで通常、内燃機関の低回転領域ではスロットル下流圧力が低いために吸気バルブの上流側と下流側との圧力差が小さい。そのため内燃機関によっては、そうした低回転領域において気筒間における吸気量のバラツキが生じ難い場合があるばかりか、第3の実施の形態のように圧力上限値PMgdを設定したとしても、その設定によって得られる効果がごく小さい、あるいは得られない場合がある。上記構成によれば、そうした内燃機関の低回転領域において圧力上限値PMgdを設定する構成を省略することができる。
・第3の実施の形態において、内燃機関10の高回転領域(機関回転速度NE>所定速度NEb)において圧力上限値PMgdを設定しないようにしてもよい。同構成によれば、高回転領域において多少のドライバビリティの低下を許容してでも大きな機関トルクを得たいといった要求のある内燃機関にあって、その高回転領域において圧力上限値PMgdを設定する構成を省略することができる。
・第3の実施の形態において、前記履歴が記憶されているときに機関回転速度NEに基づき算出した圧力上限値PMgdを設定することに代えて、圧力上限値PMgdとして固定値を設定するようにしてもよい。同構成によっても、上記固定値として十分に低い圧力を設定することにより、気筒♯1〜♯4間における筒内吸気量のバラツキを抑制することができる。
・第3の実施の形態では、前記履歴が記憶されていないときに圧力上限値PMgdが設定されていない内燃機関10にあって、前記履歴が記憶されているときに圧力上限値PMgdを新たに設定するようにした。これに代えて、前記履歴が記憶されていないときにも圧力上限値PMgdが設定されている内燃機関にあって、前記履歴が記憶されているときに圧力上限値PMgdを変更するようにしてもよい。
・第3の実施の形態において、圧力上限値PMgdを設定することに代えて、目標圧力Tpmを低減補正するようにしてもよい。要は、目標圧力Tpmについてその最高圧力を低下させることができればよい。
・第3の実施の形態において、前記履歴が記憶されているときに目標吸気バルブタイミングTvtiを遅角補正することに併せて、あるいは代えて、目標排気バルブタイミングTvteを進角補正するようにしてもよい。
・第1の実施の形態にかかる吸気量制御と第3の実施の形態にかかる吸気量制御とを併せて実行するようにしてもよい。また第2の実施の形態にかかる吸気量制御と第3の実施の形態にかかる吸気量制御とを併せて実行するようにしてもよい。さらに、そうした構成にあっては、機関回転速度NEに応じて各実施の形態に対応する吸気量制御を切り替えつつ実行することも可能である。
・各実施の形態において、前記履歴が記憶されているときに目標吸気バルブタイミングTvtiを遅角補正する際の補正態様は任意に変更可能である。例えば吸気バルブタイミング補正量Kvtiを算出することなく要求筒内吸気量Tklおよび機関回転速度NEから目標吸気バルブタイミングTvtiを直接算出するようにし、その算出態様を、前記履歴が記憶されていないときと同履歴が記憶されているときとで異ならせるようにしてもよい。要は、作用角下限値VLgdによって目標作用角Tvlが制限される際に(第1の実施の形態または第2の実施の形態)、あるいは圧力上限値PMgdによって目標圧力Tpmが制限される際に(第3の実施の形態)、吸気バルブ30の開弁時期が圧縮上死点に近づくように吸気バルブタイミングVTiを変更するようにすればよい。
・各実施の形態において、EGR量の増加に伴う機関運転状態の不安定化が許容範囲内に抑えられるのであれば、目標吸気バルブタイミングTvtiの遅角補正や、目標排気バルブタイミングTvteの進角補正を必ずしも実行しなくてもよい。
・各実施の形態において、気筒♯1〜♯4間における作用角のバラツキ度合いを検出する方法は、任意に変更可能である。具体的には、例えば以下のように機関回転速度NEの単位時間当たりの変動量についての指標値を検出してこれを作用角のバラツキ度合いの判定に用いる方法を採用することができる。
・各気筒♯1〜♯4での燃焼に供される混合気の空燃比を各別に検出してそれら空燃比のバラツキ度合いが所定レベル以上になったことをもって、上記作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になったことを判定する方法。
・気筒♯1〜♯4間におけるトルク差を抑制するべく特定の機関制御量(例えば機関点火時期)に補正が加えられる内燃機関にあってその補正量のバラツキ度合いが所定レベル以上になったことをもって、上記作用角のバラツキ度合いが所定レベル以上になったことを判定する方法。
また、各気筒♯1〜♯4の実際の作用角を各別に検出しこれを作用角のバラツキ度合いの判定に用いる方法を採用することもできる。
・本発明は、二つ或いは三つの気筒を有する内燃機関や、五つ以上の気筒を有する内燃機関にも適用することができる。
本発明の第1の実施の形態が適用される内燃機関の概略構成を示す略図。 吸気側バルブタイミング可変機構の作動に基づく吸気バルブのバルブタイミングの変化態様を示すグラフ。 作動角可変機構の作動に基づく吸気バルブの作用角の変化態様を示すグラフ。 吸気バルブ及び排気バルブの変位態様の一例を示すグラフ。 第1の実施の形態にかかる各制御目標値を算出する処理の処理手順を概念的に示したフローチャート。 第1の実施の形態での作用角下限値と機関回転速度との関係を示す略図。 機関回転速度一定の条件下での要求筒内吸気量および混合気の空燃比の関係と要求筒内吸気量およびスロットル下流圧力の関係とを示すグラフ。 要求筒内吸気量一定の条件下での機関回転速度および混合気の空燃比の関係と機関回転速度およびスロットル下流圧力の関係とを示すグラフ。 第1の実施の形態における(a)吸気バルブの作用角の補正態様の一例および(b)吸気バルブタイミングの補正態様の一例を示すグラフ。 本発明の第2の実施の形態にかかる各制御目標値を算出する処理の処理手順を概念的に示したフローチャート。 第2の実施の形態での作用角下限値と機関回転速度との関係を示す略図。 第2の実施の形態における(a)吸気バルブの作用角の補正態様の一例および(b)各バルブタイミングの補正態様の一例を示すグラフ。 本発明の第3の実施の形態にかかる各制御目標値を算出する処理の処理手順を概念的に示したフローチャート。
符号の説明
10…内燃機関、12…吸気通路、14…スロットル機構、16…スロットルバルブ、18…スロットルモータ、20…燃焼室、22…インジェクタ、24…ピストン、26…クランクシャフト、28…排気通路、30…吸気バルブ、32…排気バルブ、34…吸気カムシャフト、36…排気カムシャフト、38…開弁時期変更機構としての吸気側バルブタイミング変更機構、40,44,48…アクチュエータ、42…閉弁時期変更機構としての排気側バルブタイミング変更機構、46…作用角変更機構、50…電子制御装置。

Claims (18)

  1. 複数の気筒を有する内燃機関に適用されて、それら気筒に対応する吸気バルブの作用角の可変制御とスロットルバルブの開度の可変制御との協働制御を通じて吸気量を調節する空気量制御装置において、
    前記複数の気筒に対応する吸気バルブの作用角のバラツキ度合いを検出して、該検出したバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を記憶し、同履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記作用角の可変制御における最小作用角として大きい角度を設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  2. 請求項1に記載の吸気量制御装置において、
    前記履歴が記憶されているときの前記最小作用角を機関回転速度に基づき設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  3. 請求項2に記載の吸気量制御装置において、
    前記履歴が記憶されているときの前記最小作用角として機関回転速度が高いほど大きい角度を設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、
    前記作用角の可変制御についてその小作用角側の制御限界値を定め、前記履歴が記憶されているときには、前記最小作用角として大きい角度を設定するために、前記履歴が記憶されていないときよりも大作用角側の値を前記制御限界値として設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、
    当該吸気量制御装置は、機関回転速度の単位時間当たりの変動量の気筒間におけるバラツキ度合いを検出して、該検出したバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を前記履歴として記憶するものであり、同履歴が複数記憶されているときには、該履歴が一つのみ記憶されているときより大きい角度を前記最小作用角として設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  6. 前記吸気バルブの開弁時期を変更する開弁時期変更機構を備えて同開弁時期の可変制御を実行し、前記履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記開弁時期を遅角側の時期に設定する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸気量制御装置。
  7. 請求項6に記載の吸気量制御装置において、
    前記履歴が記憶されているときの前記開弁時期を、そのときに設定される前記最小作用角と前記履歴が記憶されていないと仮定したときに設定される目標作用角とに基づいて設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  8. 前記内燃機関の排気バルブの閉弁時期を変更する閉弁時期変更機構を備えて同閉弁時期の可変制御を実行し、前記履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記閉弁時期を進角側の時期に設定する
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸気量制御装置。
  9. 請求項8に記載の吸気量制御装置において、
    前記履歴が記憶されているときの閉弁時期を、そのときに設定される前記最小作用角と前記履歴が記憶されていないと仮定したときに設定される目標作用角とに基づいて設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  10. 複数の気筒を有する内燃機関に適用されて、その吸気通路におけるスロットルバルブよりも下流側の吸気圧力についての目標圧力を設定し、同目標圧力と実際の吸気圧力とが一致するように、前記複数の気筒に対応する吸気バルブの作用角の可変制御と前記スロットルバルブの開度の可変制御との協働制御を実行して吸気量を調節する空気量制御装置において、
    前記各気筒に対応する吸気バルブの作用角のバラツキ度合いを検出して、該検出したバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を記憶し、同履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記協働制御における前記吸気圧力についての最高圧力として低い圧力を設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  11. 請求項10に記載の吸気量制御装置において、
    前記履歴が記憶されているときの前記最高圧力を機関回転速度に基づき設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  12. 請求項11に記載の吸気量制御装置において、
    前記履歴が記憶されているときと同履歴が記憶されていないと仮定したときとの間における前記最高圧力の差が機関回転速度の高いほど大きくなるように、前記履歴が記憶されているときの前記最高圧力を設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  13. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、
    前記履歴が記憶されているときに、前記最高圧力として低い圧力を設定するべく、前記協働制御における前記目標圧力の高圧力側の制御限界値を設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  14. 請求項10〜13のいずれか一項に記載の吸気量制御装置において、
    当該吸気量制御装置は、機関回転速度の単位時間当たりの変動量の気筒間におけるバラツキ度合いを検出して、該検出したバラツキ度合いが所定レベル以上になったときにその旨の履歴を前記履歴として記憶するものであり、同履歴が複数記憶されているときには、該履歴が一つのみ記憶されているときより低い圧力を前記最高圧力として設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  15. 前記吸気バルブの開弁時期を変更する開弁時期変更機構を備えて同開弁時期の可変制御を実行し、前記履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記開弁時期を遅角側の時期に設定する
    請求項10〜14のいずれか一項に記載の吸気量制御装置。
  16. 請求項15に記載の吸気量制御装置において、
    前記履歴が記憶されているときの開弁時期を、そのときに設定される前記最高圧力と前記履歴が記憶されていないと仮定したときに設定される前記目標圧力とに基づいて設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
  17. 前記内燃機関の排気バルブの閉弁時期を変更する閉弁時期変更機構を備えて同閉弁時期の可変制御を実行し、前記履歴が記憶されているときには、該履歴が記憶されていないときと比較して、前記閉弁時期を進角側の時期に設定する
    請求項10〜16のいずれか一項に記載の吸気量制御装置。
  18. 請求項17に記載の吸気量制御装置において、
    前記履歴が記憶されているときの閉弁時期を、そのときに設定される前記最高圧力と前記履歴が記憶されていないと仮定したときに設定される前記目標圧力とに基づいて設定する
    ことを特徴とする吸気量制御装置。
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