JP2010236434A - 吸気量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この装置は、機関運転条件に基づく吸気バルブの作用角VLの可変制御とスロットル開度TAの可変制御との協働制御の実行を通じて筒内吸気量を調節する。機関運転条件に基づき設定される目標吸気バルブ通過空気量Tgvを満たすように作用角VLの可変制御を実行し、機関運転条件に基づき設定される目標スロットル通過空気量Tgsを満たすようにスロットル開度TAの可変制御を実行する。機関運転条件が変化したときに(t1)、変化後の運転条件に見合う角度への作用角VLの変更開始(t2)が同変化後の運転条件に見合う開度へのスロットル開度TAの変更開始(t1)より遅延される態様で、目標吸気バルブ通過空気量Tgvおよび目標スロットル通過空気量Tgsを各別に設定する。
【選択図】図5
Description
請求項1に記載の発明は、吸気バルブの作用角の可変制御とスロットルバルブの開度の可変制御との協働制御の実行を通じて内燃機関の吸気量を調節する空気量制御装置において、前記内燃機関の運転条件に基づいて同内燃機関の吸気通路における前記吸気バルブの配設部分を通過する空気の量についての第1の制御目標値を設定するとともに同制御目標値を満たすように前記作用角の可変制御を実行し、前記運転条件に基づいて前記吸気通路における前記スロットルバルブの配設部分を通過する空気の量についての第2の制御目標値を設定するとともに同制御目標値を満たすように前記開度の可変制御を実行し、前記第1および第2の制御目標値を、前記運転条件が変化したときに前記変化後の運転条件に見合う角度への前記作用角の変更開始が前記変化後の運転条件に見合う開度への前記スロットルバルブの開度の変更開始より遅延される態様で各別に設定することをその要旨とする。
なお、吸気バルブの作用角の変更開始をスロットル開度の変更開始より遅延させるための構成としては、請求項2によるように、第2の制御目標値の変化開始後に所定期間が経過したときに第1の制御目標値の変化が開始されるように第1および第2の制御目標値を設定する、との構成を採用することができる。
図1に、本実施の形態にかかる吸気量制御装置が適用される内燃機関の概略構成を示す。
本実施の形態では、エアクリーナや、吸気管、サージタンク、吸気マニホールド等により構成された吸気通路12および、スロットルバルブ16、吸気バルブ30からなる機関吸気系をモデル化した物理モデルが構築されている。そして、その物理モデルを通じて機関運転条件に見合う筒内吸気量が実現されるようになる各種の制御目標値が算出される。詳しくは、アクセル踏み込み量ACC、機関回転速度NE、筒内吸気量、スロットル下流圧力PM、スロットルバルブ16の開度、吸気バルブ30の作用角、吸気バルブタイミングを変数とするモデル式が予め定められ、同モデル式を通じて各種制御目標値が算出される。なお各種の制御目標値としては以下の各値が挙げられる。
・スロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)。
・吸気バルブ30の作用角VLについての制御目標値(目標作用角Tvl)。
・吸気バルブタイミングVTについての制御目標値(目標吸気バルブタイミングTvt)。
筒内吸気量は、吸気バルブ30の作用角VLの可変制御(作用角制御)とスロットル開度TAの可変制御(スロットル制御)との協働制御を通じて調節される。ここで内燃機関10にあっては基本的に、スロットル開度TAが大きいほど、また吸気バルブ30の作用角VLが大きいほど筒内吸気量が多くなる。そのため本実施の形態の協働制御では、要求される筒内吸気量の多い高負荷領域ほど、スロットル開度TAが大きくなるようにスロットル制御が実行され、吸気バルブ30の作用角VLが大きくなるように作用角制御が実行される。
図4に、吸気バルブ30および排気バルブ32の変位態様の一例を示す。同図4に示すように、吸気バルブタイミング制御は、基本的に、吸気バルブ30の作用角VLの小さい低負荷領域ほど吸気バルブタイミングVTが進角側の時期になるように実行される。これは以下のような理由による。
同図5に一点鎖線で示す比較例の装置のように、アクセルペダルが踏み込まれた際にスロットル下流圧力PMを考慮することなくスロットル開度TAの増大と吸気バルブ30の作用角VLの増大とを同時に開始すると(時刻t1以降)、上記対応関係が所望の関係と比較して同作用角VLが相対的に大きい関係になり、筒内吸気量の増加速度が高くなってしまう。そのため、アクセルペダルの踏み込み操作に際して、筒内吸気量の増加による機関トルクの増加に起因してショックが発生したり、機関トルクが不要に早く上昇することによる燃料消費量の増加を招いたりするおそれがある。
・[目標吸気バルブ通過空気量Tgv]吸気通路12における吸気バルブ30の配設部分を通過する空気の量(吸気バルブ通過空気量)についての制御目標値。
・[目標スロットル通過空気量Tgs]吸気通路12におけるスロットルバルブ16の配設部分を通過する空気の量(スロットル通過空気量)についての制御目標値。
図6は吸気量制御処理の具体的な実行手順を示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は所定周期毎の割り込み処理として電子制御装置50により実行される。
(1)内燃機関10の運転条件の変化した過渡運転時において、変化後の運転条件に見合う角度への吸気バルブ30の作用角VLの変更開始を同変化後の運転条件に見合う開度へのスロットル開度TAの変更開始より遅延させるようにした。そのため、スロットル下流圧力PMの変化の遅れに起因して生じる筒内吸気量の誤差であって、同スロットル下流圧力PMと吸気バルブ30の作用角VLとの対応関係が所望の関係からずれることによって生じる誤差を小さく抑えることができ、筒内吸気量の不要な変化を抑えることができる。
(2)目標スロットル通過空気量Tgsの変化開始後に所定期間が経過したときにおいて目標吸気バルブ通過空気量Tgvの変化が開始されるように、それら目標吸気バルブ通過空気量Tgvおよび目標スロットル通過空気量Tgsを設定するようにした。そのため、吸気バルブ30の作用角VLの変更開始をスロットル開度TAの変更開始より遅延させることができる。
・内燃機関10が定常運転状態であるときにおいて、過渡運転状態であるときと同様に、吸気通路12を通過する空気の量についての制御目標値として二つの制御目標値(目標吸気バルブ通過空気量Tgv、目標スロットル通過空気量Tgs)を設定してもよい。
・前記所定期間の設定態様として、機関回転速度NEが低いときほど長い期間が設定されるとの態様を採用しなくてもよい。
Claims (4)
- 吸気バルブの作用角の可変制御とスロットルバルブの開度の可変制御との協働制御の実行を通じて内燃機関の吸気量を調節する空気量制御装置において、
前記内燃機関の運転条件に基づいて同内燃機関の吸気通路における前記吸気バルブの配設部分を通過する空気の量についての第1の制御目標値を設定するとともに同制御目標値を満たすように前記作用角の可変制御を実行し、
前記運転条件に基づいて前記吸気通路における前記スロットルバルブの配設部分を通過する空気の量についての第2の制御目標値を設定するとともに同制御目標値を満たすように前記開度の可変制御を実行し、
前記第1および第2の制御目標値を、前記運転条件が変化したときに前記変化後の運転条件に見合う角度への前記作用角の変更開始が前記変化後の運転条件に見合う開度への前記スロットルバルブの開度の変更開始より遅延される態様で各別に設定する
ことを特徴とする吸気量制御装置。 - 請求項1に記載の吸気量制御装置において、
当該装置は、前記第2の制御目標値の変化開始後に所定期間が経過したときに前記第1の制御目標値の変化が開始されるように前記第1および第2の制御目標値を設定するものである
ことを特徴とする吸気量制御装置。 - 請求項2に記載の吸気量制御装置において、
当該装置は、前記内燃機関の出力軸の回転速度が低いときほど前記所定期間として長い期間を設定するものである
ことを特徴とする吸気量制御装置。 - 請求項2または3に記載の吸気量制御装置において、
当該装置は、前記吸気量が少ないときほど前記所定期間として長い期間を設定するものである
ことを特徴とする吸気量制御装置。
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