JP5316129B2 - 吸気量制御装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、内燃機関の運転条件に基づく吸気バルブの作用角の可変制御とスロットルバルブの開度の可変制御との協働制御の実行を通じて前記内燃機関の吸気量を調節する吸気量制御装置において、前記運転条件が変化したときに、前記変化後の運転条件に見合う角度への前記作用角の変更開始を、前記変化後の運転条件に見合う開度への前記スロットルバルブの開度の変更開始より遅延させる遅延手段を備えることをその要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸気量制御装置において、当該装置は、前記内燃機関の吸気通路における前記スロットルバルブより下流側の部分の圧力指標値を検出する検出手段を更に備え、前記遅延手段は、前記開度の変更開始後における前記圧力指標値に基づいて前記作用角の変更開始時期を設定するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、スロットル開度の変更開始後における前記下流側部分の圧力の変化を把握したうえで吸気バルブの作用角の変更を開始する時期を設定することができる。そのため、前記下流側部分の圧力変化の遅れに起因する吸気量の不要な変化を的確に抑えることが可能になり、内燃機関の運転条件の変更直後の過渡時における吸気量をより適切に調節することができるようになる。
図1に、本実施の形態にかかる吸気量制御装置が適用される内燃機関の概略構成を示す。
本実施の形態では、エアクリーナや、吸気管、サージタンク、吸気マニホールド等により構成された吸気通路12および、スロットルバルブ16、吸気バルブ30からなる機関吸気系をモデル化した物理モデルが構築されている。そして、その物理モデルを通じて機関運転条件に見合う筒内吸気量(後述する要求筒内吸気量Tkl)と実際の筒内吸気量とが一致するようになる各種の制御目標値が算出される。詳しくは、アクセル踏み込み量ACC、機関回転速度NE、筒内吸気量、スロットル下流圧力PM、スロットルバルブ16の開度、吸気バルブ30の作用角、吸気バルブタイミングを変数とするモデル式が予め定められ、同モデル式を通じて各種制御目標値が算出される。なお各種の制御目標値としては以下の各値が挙げられる。
・スロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)。
・吸気バルブ30の作用角VLについての制御目標値(目標作用角Tvl)。
・吸気バルブタイミングVTについての制御目標値(目標吸気バルブタイミングTvt)。
筒内吸気量は、吸気バルブ30の作用角VLの可変制御(作用角制御)とスロットル開度TAの可変制御(スロットル制御)との協働制御を通じて調節される。ここで内燃機関10にあっては基本的に、スロットル開度TAが大きいほど、また吸気バルブ30の作用角VLが大きいほど筒内吸気量が多くなる。そのため本実施の形態の協働制御では、特定の運転条件を除き、要求される筒内吸気量(上記要求筒内吸気量Tkl)の多い高負荷領域ほど、スロットル開度TAが大きくなるようにスロットル制御が実行され、吸気バルブ30の作用角VLが大きくなるように作用角制御が実行される。また本実施の形態の協働制御では、要求筒内吸気量Tklが同一の条件下にあって、吸気バルブ30の作用角VLとして大きい角度が設定されるときにはスロットル開度TAとして相対的に小さい開度が設定され、これとは逆に同作用角VLとして小さい角度が設定されるときにはスロットル開度TAとして相対的に大きい開度が設定される。
図4に、吸気バルブ30および排気バルブ32の変位態様の一例を示す。同図4に示すように、吸気バルブタイミング制御は、基本的に、吸気バルブ30の作用角VLの小さい低負荷領域ほど吸気バルブタイミングVTが進角側の時期になるように実行される。これは以下のような理由による。
なお同図において、[a]は前記所定の運転条件でないときの作用角VLの一例を示しており、[b]は前記所定の運転条件であるときの作用角VLの一例を示している。
(1)所定の運転条件になったときに、同運転条件に見合う角度への吸気バルブ30の作用角VLの変更開始を、同運転条件に見合う開度へのスロットル開度TAの変更開始より遅延させるようにした。そのため、所定の運転条件になったときに、吸気バルブ30の作用角VLの変更開始に先立ってスロットル開度TAの変更を開始するとともに、その変更開始後において若干遅れて変化するスロットル下流圧力PMの変化に合わせて吸気バルブ30の作用角VLの変更を開始して同作用角VLを変化させることができる。したがって、スロットル下流圧力PMの変化の遅れに起因する筒内吸気量の不要な変化を抑えることができ、所定の運転条件になった直後の過渡時における筒内吸気量を適切に調節することができる。
・待機時間の算出に用いる算出パラメータとして、筒内吸気量の指標値(具体的には、通路吸気量GAや、要求筒内吸気量Tkl、筒内吸気量そのものなど)を採用するようにしてもよい。ここで、筒内吸気量が多いときほど、吸気通路12におけるスロットルバルブ16の上流側から下流側に流入する空気の量も多いために、スロットル開度TAの変更開始後においてスロットル下流圧力PMが所定の運転条件に見合う圧力になるまでに要する時間が短くなる。そのため、スロットル下流圧力PMの変化の遅れに起因する筒内吸気量の不要な変化を適切に抑えることの可能な遅延時間であって、吸気バルブ30の作用角VLの変更開始をスロットル開度TAの変更開始より遅延させる時間も機関回転速度NEに応じて変化すると云える。上記構成によれば、そうしたスロットル開度TAの変更開始後におけるスロットル下流圧力PMの推移と筒内吸気量との関係に応じたかたちで同筒内吸気量の不要な変化を適切に抑えることの可能な時間を待機時間として設定することができる。
・待機時間を設定することに代えて、スロットル下流圧力PMの推移に基づいて吸気バルブ30の作用角VLの変更開始時期を設定するようにしてもよい。同構成によれば、スロットル開度TAの変更開始後におけるスロットル下流圧力PMの変化を把握したうえで吸気バルブ30の作用角VLの変更を開始する時期を設定することができる。そのため、スロットル下流圧力PMの低下に伴う筒内吸気量の減少分の一部と吸気バルブ30の作用角VLの増大に伴う筒内吸気量の増加分の一部とを的確に相殺することの可能なタイミングで作用角VLの変更を開始することができる。したがって、スロットル下流圧力PMの変化の遅れに起因する筒内吸気量の不要な変化を的確に抑えることができ、所定の運転条件になった直後の過渡時における筒内吸気量を適切に調節することができる。
Claims (2)
- 内燃機関の運転条件に基づく吸気バルブの作用角の可変制御とスロットルバルブの開度の可変制御との協働制御の実行を通じて前記内燃機関の吸気量を調節する吸気量制御装置において、
前記運転条件が変化したときに、前記変化後の運転条件に見合う角度への前記作用角の変更開始を、前記変化後の運転条件に見合う開度への前記スロットルバルブの開度の変更開始より遅延させる遅延手段を備え、
前記遅延手段は、前記スロットルバルブの開度の変更開始後における経過時間が予め定められた待機時間になったときに前記作用角の変更を開始するものであり、
当該装置は、前記待機時間と前記内燃機関の出力軸の回転速度との関係を予め記憶してなり、
前記遅延手段は、前記回転速度に基づいて前記関係から前記待機時間を算出し、
前記吸気バルブの閉弁時期を設定可能な範囲として、前記内燃機関の下死点を含む所定範囲を除く範囲であり且つ前記所定範囲より進角側の時期と同所定範囲より遅角側の時期とを含む範囲が設定されてなり、
前記遅延手段は、前記運転条件が前記吸気バルブの閉弁時期が前記所定範囲より進角側の時期になる条件および前記所定範囲より遅角側の時期になる条件のうちの一方から他方に変化したときに、前記作用角の変更開始を遅延させるものである
ことを特徴とする吸気量制御装置。 - 請求項1に記載の吸気量制御装置において、
当該装置は、前記内燃機関の吸気通路における前記スロットルバルブより下流側の部分の圧力指標値を検出する検出手段を更に備え、
前記遅延手段は、前記開度の変更開始後における前記圧力指標値に基づいて前記作用角の変更開始時期を設定するものである
ことを特徴とする吸気量制御装置。
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